王女と奴隷の恋、の王道パターンの話。@金色の砂漠
2016年11月28日 タカラヅカ なんてこったい、『金色の砂漠』の感想をUP出来ていない。
や、周回遅れブログなので、のんきにテキストをカレンダーに当てはめてUPしていってるようなもんなんだが。
うーん、文字量気にせずに書いてるから、「あれ、このネタで1日分のつもりだったのに、なんだか長いわ。ふたつに分けてUPしましょう。……となると、あれ、このあとのUP予定内容がズレるわ。んじゃ、こっちのテキストを後回しにして……」てなことになり、どんどんズレていくのよねえ。
で、気がついたら翌日欄からは、『金色の砂漠』新人公演感想予定ですがな。本公演語ってないのに。
『金色の砂漠』好き。
面白いプロットだと思う。
特に、タルハーミネをいいキャラクタだと思う。
王女と奴隷の恋、でよくあるのは、ビルマーヤとジャーの関係だと思う。
心優しい王女と、彼女を包み込むように守る身分違いの男。
奴隷相手にも優しい王女は観客からも温かく迎え入れられるヒロインだし、彼女にかしずき片時も離れずに世話を焼く美形、ってのは女性が好むシチュエーション。
現実世界でなら、彼氏にいちばんに求めるのはお金や地位かもしれないけれど、ラブロマンスでは「現実にあり得ない」美味しさを楽しむもの。「身分違いの恋」は鉄板ネタ。
ただ、初恋身分違いモノで、身分が高いのが女性の方だと、実のところストーリーは広げようがない。
だって、女が身分を捨てれば済む話じゃん。家のためとか家族のためとかで泣く泣く恋人と別れる……って、つまりはその程度の恋だった、家族を犠牲にしたりなにかしら負い目を持つことになっても貫きたい想いではなかった、ということ。
男側が身分が高い、権力がある、という場合だと、いろんなパターンが出来るけどなー。身分を捨てる・捨てないからはじまって、身分を捨てない場合も女と恋を続行させる方法がいろいろある。
が、女の場合は、恋の成就は「身分を捨てる」ほぼ一択だ。王女だろうと令嬢だろうと、そのままの身分で下層の男と結ばれることは出来ないから。
ゆえに、すべてを捨てて恋に生きる!のなら、決意した次の瞬間身分違いの恋人と逃げてハッピーエンドだ。逃げ切れないなら、そのまま心中END、愛の成就。清らかな初恋、至上の愛の物語。
もっと夢夢しくご都合主義にハッピーエンドにするなら、「奴隷は実は王子様でした」END。
これならヒロインはナニも失わずに済む。裕福な暮らしと愛を手に入れ、誰も不幸にならないおとぎばなしEND。
ビルマーヤとジャーはコレよね。ジャーが一念発起してビルマーヤ姫との結婚をジャハンギール王に願い出ればいい。
ジャハンギールは「国を治める」「王妃アムダリヤを自分のものにする」ことを第一にしているのだから、前の王国の王子であり、アムダリヤの息子であるジャーが、自分の娘と結婚するのは政治的にも私情的にもまずいことではない。
王女と奴隷の恋、ああ身分違い切ないわ……王女様に縁談が! ああどうなっちゃうの切ないわ……ああらびっくり、奴隷は実は王子様だった!
愛し合うふたりのすったもんだに、王と王妃のロマンスも絡めて、王道ラブストーリーの出来上がり。
なのに、あえてその王道をやらずに、ツンデレだの愛憎だの盛り込んで折ってたたんで裏返しの盛りまくり……が、タルハーミネとギィ。
さて、バリエーションが限られる、「身分の高い女と、身分の低い男の恋愛」モノ。駆け落ち(心中)、実は王子様、の他にもうひとつ、次善作として、「王様になって略奪END」がある。
男の身分が低いために恋が実らない、というならば、身分を上げればいい、実力で。ただしこの場合、何年か時の流れが必要なので、女は別の男に嫁いでいるのがお約束。人妻略奪モノにシフトチェンジ。清らかな初恋ってわけにはいかない。
だけどこれも女性が好きなパターン、初恋のダーリンが強くセクシーになって戻って来て、不幸な結婚生活から救い出してくれるの。清らかな初恋もいいけど、大人のドラマチックロマンスもいいわよね。
タルハーミネとギィは、こっちのパターンね。わたしのアタマの中には『華の嵐』のテーマ曲が回ります、炎の中で見つめ合う柳子お嬢様と天堂一也(笑)。
この「人妻略奪モノ」にするためには、まずヒロインに人妻になってもらわないといかん。
「恋に生きる」ヒロインが、何故愛する男と別れて別の男へ嫁ぐのか。理由付けが必要。
大抵……というか、99%は「家のため・金のため」。父親が事業に失敗して、とか、停戦のために敵国へ嫁がねばならないとか、「政略結婚しないと誰かが不幸になる」という脅迫めいた状況で、泣く泣く恋をあきらめ、愛してもいない男の妻になる。
これがふつう……というか、これ以外に理由があるのかってもんだが。
誰も傷つけないなら、傷つくのが自分だけなら、迷わず恋を選ぶよね? でなきゃ奴隷と恋はしないよね?
タルハーミネにはそんな「理由」も「事情」もなかった。
なのに、彼女は恋を捨てた。
100%、自分のために。
奴隷のギィと駆け落ちします、ふたりですべてを捨てて生きていきます。……そう決めて逃げようとしたけれど、王に見つかってしまった。
王は不貞を許さない。王女も奴隷もその場で殺されるはず。タルハーミネが助かる道はひとつ、愛を否定し、ギィを殺すこと。
……この展開で、恋人を殺すことで命乞いするヒロインって。
身分違いの恋、から略奪愛へチェンジするきっかけが、「誰も傷つけないために私が犠牲になります」ではなくて、「私が傷つかないために恋人を殺します」って、新しいな!(笑)
だから好き。
タルハーミネが選んだのが、自分の命ではなく「誇り」だというところが、たまらなく好み。
そして、この土壇場で恋人に裏切られたギィが復讐の鬼となるのも、すっげーわかるっていうか、こんだけひどい目に遭う主人公もそうそうないよな(笑)ってことで、心から納得。
ふつー、愛し合った恋人同士が敵対するのって、誤解やすれ違いが原因なのに、間違いなく片方が悪い、酷い、って、なかなかナイわー。
そして、誤解やすれ違いが原因でないからこそ、この愛憎は救いがナイ。そこがイイ。
タルハーミネというキャラクタが好き。
わたしにノベライズさせてくれ、と思う。いや、ウエクミはきっと自分以外の者の目と脳を通した「自分の作品」を認めないと思うので、二次創作でいいや、わたしが好きにこの物語を文章化したい。
……てとこで文字数尽きた。またいずれ。
や、周回遅れブログなので、のんきにテキストをカレンダーに当てはめてUPしていってるようなもんなんだが。
うーん、文字量気にせずに書いてるから、「あれ、このネタで1日分のつもりだったのに、なんだか長いわ。ふたつに分けてUPしましょう。……となると、あれ、このあとのUP予定内容がズレるわ。んじゃ、こっちのテキストを後回しにして……」てなことになり、どんどんズレていくのよねえ。
で、気がついたら翌日欄からは、『金色の砂漠』新人公演感想予定ですがな。本公演語ってないのに。
『金色の砂漠』好き。
面白いプロットだと思う。
特に、タルハーミネをいいキャラクタだと思う。
王女と奴隷の恋、でよくあるのは、ビルマーヤとジャーの関係だと思う。
心優しい王女と、彼女を包み込むように守る身分違いの男。
奴隷相手にも優しい王女は観客からも温かく迎え入れられるヒロインだし、彼女にかしずき片時も離れずに世話を焼く美形、ってのは女性が好むシチュエーション。
現実世界でなら、彼氏にいちばんに求めるのはお金や地位かもしれないけれど、ラブロマンスでは「現実にあり得ない」美味しさを楽しむもの。「身分違いの恋」は鉄板ネタ。
ただ、初恋身分違いモノで、身分が高いのが女性の方だと、実のところストーリーは広げようがない。
だって、女が身分を捨てれば済む話じゃん。家のためとか家族のためとかで泣く泣く恋人と別れる……って、つまりはその程度の恋だった、家族を犠牲にしたりなにかしら負い目を持つことになっても貫きたい想いではなかった、ということ。
男側が身分が高い、権力がある、という場合だと、いろんなパターンが出来るけどなー。身分を捨てる・捨てないからはじまって、身分を捨てない場合も女と恋を続行させる方法がいろいろある。
が、女の場合は、恋の成就は「身分を捨てる」ほぼ一択だ。王女だろうと令嬢だろうと、そのままの身分で下層の男と結ばれることは出来ないから。
ゆえに、すべてを捨てて恋に生きる!のなら、決意した次の瞬間身分違いの恋人と逃げてハッピーエンドだ。逃げ切れないなら、そのまま心中END、愛の成就。清らかな初恋、至上の愛の物語。
もっと夢夢しくご都合主義にハッピーエンドにするなら、「奴隷は実は王子様でした」END。
これならヒロインはナニも失わずに済む。裕福な暮らしと愛を手に入れ、誰も不幸にならないおとぎばなしEND。
ビルマーヤとジャーはコレよね。ジャーが一念発起してビルマーヤ姫との結婚をジャハンギール王に願い出ればいい。
ジャハンギールは「国を治める」「王妃アムダリヤを自分のものにする」ことを第一にしているのだから、前の王国の王子であり、アムダリヤの息子であるジャーが、自分の娘と結婚するのは政治的にも私情的にもまずいことではない。
王女と奴隷の恋、ああ身分違い切ないわ……王女様に縁談が! ああどうなっちゃうの切ないわ……ああらびっくり、奴隷は実は王子様だった!
愛し合うふたりのすったもんだに、王と王妃のロマンスも絡めて、王道ラブストーリーの出来上がり。
なのに、あえてその王道をやらずに、ツンデレだの愛憎だの盛り込んで折ってたたんで裏返しの盛りまくり……が、タルハーミネとギィ。
さて、バリエーションが限られる、「身分の高い女と、身分の低い男の恋愛」モノ。駆け落ち(心中)、実は王子様、の他にもうひとつ、次善作として、「王様になって略奪END」がある。
男の身分が低いために恋が実らない、というならば、身分を上げればいい、実力で。ただしこの場合、何年か時の流れが必要なので、女は別の男に嫁いでいるのがお約束。人妻略奪モノにシフトチェンジ。清らかな初恋ってわけにはいかない。
だけどこれも女性が好きなパターン、初恋のダーリンが強くセクシーになって戻って来て、不幸な結婚生活から救い出してくれるの。清らかな初恋もいいけど、大人のドラマチックロマンスもいいわよね。
タルハーミネとギィは、こっちのパターンね。わたしのアタマの中には『華の嵐』のテーマ曲が回ります、炎の中で見つめ合う柳子お嬢様と天堂一也(笑)。
この「人妻略奪モノ」にするためには、まずヒロインに人妻になってもらわないといかん。
「恋に生きる」ヒロインが、何故愛する男と別れて別の男へ嫁ぐのか。理由付けが必要。
大抵……というか、99%は「家のため・金のため」。父親が事業に失敗して、とか、停戦のために敵国へ嫁がねばならないとか、「政略結婚しないと誰かが不幸になる」という脅迫めいた状況で、泣く泣く恋をあきらめ、愛してもいない男の妻になる。
これがふつう……というか、これ以外に理由があるのかってもんだが。
誰も傷つけないなら、傷つくのが自分だけなら、迷わず恋を選ぶよね? でなきゃ奴隷と恋はしないよね?
タルハーミネにはそんな「理由」も「事情」もなかった。
なのに、彼女は恋を捨てた。
100%、自分のために。
奴隷のギィと駆け落ちします、ふたりですべてを捨てて生きていきます。……そう決めて逃げようとしたけれど、王に見つかってしまった。
王は不貞を許さない。王女も奴隷もその場で殺されるはず。タルハーミネが助かる道はひとつ、愛を否定し、ギィを殺すこと。
……この展開で、恋人を殺すことで命乞いするヒロインって。
身分違いの恋、から略奪愛へチェンジするきっかけが、「誰も傷つけないために私が犠牲になります」ではなくて、「私が傷つかないために恋人を殺します」って、新しいな!(笑)
だから好き。
タルハーミネが選んだのが、自分の命ではなく「誇り」だというところが、たまらなく好み。
そして、この土壇場で恋人に裏切られたギィが復讐の鬼となるのも、すっげーわかるっていうか、こんだけひどい目に遭う主人公もそうそうないよな(笑)ってことで、心から納得。
ふつー、愛し合った恋人同士が敵対するのって、誤解やすれ違いが原因なのに、間違いなく片方が悪い、酷い、って、なかなかナイわー。
そして、誤解やすれ違いが原因でないからこそ、この愛憎は救いがナイ。そこがイイ。
タルハーミネというキャラクタが好き。
わたしにノベライズさせてくれ、と思う。いや、ウエクミはきっと自分以外の者の目と脳を通した「自分の作品」を認めないと思うので、二次創作でいいや、わたしが好きにこの物語を文章化したい。
……てとこで文字数尽きた。またいずれ。
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