彼を跪かせることができるのは、愛のみ。@金色の砂漠
2016年12月14日 タカラヅカ 『金色の砂漠』でもっともときめいたのは、ジャハンギール@ちなつ。
男らしくてかっこいい。
というのは基本スペックに過ぎない。
彼が魅力的なのはなんといっても、「愛に膝を折る男」だからだ。
わたしは、強い男が「愛のために信念を曲げる」瞬間が好き。
愛に敗北する男が好き。
『ガイズ&ドールズ』でも語ったと思うけれど、『ガイドル』という作品を好きなのは、愛に敗北する男たちを明るく肯定して描いた作品だから。
浮気者が、強面が、愛する女のために一途になる、へなちょこになる。
主題歌で歌われる、女のために右往左往する男たち、それをユーモラスに「しあわせなこと」として語った世界観が好き。
女を泣かせて自己完結する男の方が、かっこいいよ、そりゃ。物語としては。盛り上げるための簡単な方法。
行かないでとすがる女をうち捨てて、男は旅立つ。あらかっこいい。片手にピストル、心に花束、男は誰でも不幸なサムライ、花園で眠れぬこともあるんだよてなもんだ。
反対に、女のために生きる男は簡単にかっこ悪くなる。女の買い物荷物を山ほど持ってよたよた後ろを付いて歩く姿、背中を丸めて赤ん坊にガラガラを振って百面相する姿、エプロン付けて赤ん坊背負って洗濯したり、って『ガイドル』にふつーに出てきた姿だけど、かっこ悪いよねええ。滑稽だよねえ。
その、「簡単にかっこ悪くなること」をして、それがかっこ悪くならないくらいかっこいい男が、いいの。
卑怯者や偽善者が好きな女のためになにかしても、かっこよくない。そもそも人生がブレブレだから、その上ナニかしたところで「ああ、自分がかわいいだけですね」だけど。
強くストイックな男が犠牲を覚悟の上で愛を選ぶ……本来ならばソレは「かっこ悪い」選択なんだけど、それまでの生き方があまりにかっこいいから、多少マイナスが付いても高評価が揺るがないの。
むしろ、これほどの人物がこんな愚かな決断をした、それほどまでに愛しているのか……! と盛り上がる。
それくらいきちんと「いい男」が出来上がっていることが重要。
フランツ@『エリザベート』が、「君を失うくらいなら信念も曲げよう」と歌う場面がめちゃくちゃ好き。
それまでの彼の闘いを知っているから、苦悩に満ちた人生を知っているから、それすら投げ捨て愛を選ぶことに感動する。
それゆえに。
ジャハンギールが好き。
アムダリヤ@仙名さんを愛してしまったがために、ジャハンギールの人生は変わった。間違った。
欲しいモノは、力尽くで得る。己の才覚で、実力で、手に入れる。小細工も駆け引きもない。シンプルに猛々しく。
そんな男らしさを誇っていた英雄が、ひとりの女を愛したゆえに、己の矜持を捨てた。
女の子どもを人質に取り、自分のモノになれと脅迫する。
戦争で敵を殺すのとはまったく意味が違う、卑劣な行為。
何千人殺したとしても己の正義に胸を張れる、そういう生き方をしてきた男が、その手を汚した。心を汚した。
どんな卑劣な手段でも、自分自身を許せなくなったとしても、アムダリヤが欲しかった。
ジャハンギールは敗北した。
不敗を誇った猛将は、愛の前に膝を折った。
ジャハンギールが魅力的なのは、強くてかっこいいからではなくて、強くてかっこいいのに、愛のために道を違えたから。
自分の心を殺して、自分ではない誰かの心を欲した。
そして、その過ちを、罪を、自覚している。
正しく、背負っている。
だから彼は、アムダリヤを得るために生かした彼女の息子、イスファンディヤール@みりおくんに討たれることを、受け入れる。
わたしの逆ツボ、「愛さえあればナニをしてもイイ」という感性と、対極にあるモノ。
自分の歪みと罪を自覚した上で、そんな自分を嘲笑するキモチすら持ちながら、それでも、愛を止められない。
ジャハンギールとアムダリヤの生活がどのようなものだったのか。
強奪と脅迫ではじまり、夫婦として長年暮らす男と女は。
最後の最後、自分を討ちに来た、死んだはずのイスファンディヤール、この結果を引き起こしたのがアムダリヤだと知ったジャハンギールの心中。
ちなっちゃんの演技が秀逸で。
あそこで一気に涙出る。
ジャハンギールには、伝わっていたんだろうか。アムダリヤが彼を愛していたこと。
知らないまま、誤解したまま逝っちゃったのかもなあ。
せめて愛を告げない、ことを、矜持にしていそうだもんな、アムダリヤ。先王の妃として自決出来なかった咎を、自らに科していそうだ。
強く、潔い生き様が切ない。
ジャハンギールも。アムダリヤも。
このふたりには、妄想がわく。彼らの物語を知りたいと思う。
いやあ、王道メロドラマだよねえ。
憎い仇に力尽くで奪われて、炎のような憎しみをたぎらせているのに、次第に惹かれていってしまう。憎い憎い、でも愛しい。
強引なその男は、権力があってハンサムでセクシーで。
強い男に嵐のように求められ、奪われる愛憎のドリーム。ああうっとり(笑)。
ジャハンギールとアムダリヤでスピンオフ希望。
大衆向け大劇場ではなく、ファン向けにトバしていいバウかDCあたりで、とことん熱っぽく。エロく。←
男らしくてかっこいい。
というのは基本スペックに過ぎない。
彼が魅力的なのはなんといっても、「愛に膝を折る男」だからだ。
わたしは、強い男が「愛のために信念を曲げる」瞬間が好き。
愛に敗北する男が好き。
『ガイズ&ドールズ』でも語ったと思うけれど、『ガイドル』という作品を好きなのは、愛に敗北する男たちを明るく肯定して描いた作品だから。
浮気者が、強面が、愛する女のために一途になる、へなちょこになる。
主題歌で歌われる、女のために右往左往する男たち、それをユーモラスに「しあわせなこと」として語った世界観が好き。
女を泣かせて自己完結する男の方が、かっこいいよ、そりゃ。物語としては。盛り上げるための簡単な方法。
行かないでとすがる女をうち捨てて、男は旅立つ。あらかっこいい。片手にピストル、心に花束、男は誰でも不幸なサムライ、花園で眠れぬこともあるんだよてなもんだ。
反対に、女のために生きる男は簡単にかっこ悪くなる。女の買い物荷物を山ほど持ってよたよた後ろを付いて歩く姿、背中を丸めて赤ん坊にガラガラを振って百面相する姿、エプロン付けて赤ん坊背負って洗濯したり、って『ガイドル』にふつーに出てきた姿だけど、かっこ悪いよねええ。滑稽だよねえ。
その、「簡単にかっこ悪くなること」をして、それがかっこ悪くならないくらいかっこいい男が、いいの。
卑怯者や偽善者が好きな女のためになにかしても、かっこよくない。そもそも人生がブレブレだから、その上ナニかしたところで「ああ、自分がかわいいだけですね」だけど。
強くストイックな男が犠牲を覚悟の上で愛を選ぶ……本来ならばソレは「かっこ悪い」選択なんだけど、それまでの生き方があまりにかっこいいから、多少マイナスが付いても高評価が揺るがないの。
むしろ、これほどの人物がこんな愚かな決断をした、それほどまでに愛しているのか……! と盛り上がる。
それくらいきちんと「いい男」が出来上がっていることが重要。
フランツ@『エリザベート』が、「君を失うくらいなら信念も曲げよう」と歌う場面がめちゃくちゃ好き。
それまでの彼の闘いを知っているから、苦悩に満ちた人生を知っているから、それすら投げ捨て愛を選ぶことに感動する。
それゆえに。
ジャハンギールが好き。
アムダリヤ@仙名さんを愛してしまったがために、ジャハンギールの人生は変わった。間違った。
欲しいモノは、力尽くで得る。己の才覚で、実力で、手に入れる。小細工も駆け引きもない。シンプルに猛々しく。
そんな男らしさを誇っていた英雄が、ひとりの女を愛したゆえに、己の矜持を捨てた。
女の子どもを人質に取り、自分のモノになれと脅迫する。
戦争で敵を殺すのとはまったく意味が違う、卑劣な行為。
何千人殺したとしても己の正義に胸を張れる、そういう生き方をしてきた男が、その手を汚した。心を汚した。
どんな卑劣な手段でも、自分自身を許せなくなったとしても、アムダリヤが欲しかった。
ジャハンギールは敗北した。
不敗を誇った猛将は、愛の前に膝を折った。
ジャハンギールが魅力的なのは、強くてかっこいいからではなくて、強くてかっこいいのに、愛のために道を違えたから。
自分の心を殺して、自分ではない誰かの心を欲した。
そして、その過ちを、罪を、自覚している。
正しく、背負っている。
だから彼は、アムダリヤを得るために生かした彼女の息子、イスファンディヤール@みりおくんに討たれることを、受け入れる。
わたしの逆ツボ、「愛さえあればナニをしてもイイ」という感性と、対極にあるモノ。
自分の歪みと罪を自覚した上で、そんな自分を嘲笑するキモチすら持ちながら、それでも、愛を止められない。
ジャハンギールとアムダリヤの生活がどのようなものだったのか。
強奪と脅迫ではじまり、夫婦として長年暮らす男と女は。
最後の最後、自分を討ちに来た、死んだはずのイスファンディヤール、この結果を引き起こしたのがアムダリヤだと知ったジャハンギールの心中。
ちなっちゃんの演技が秀逸で。
あそこで一気に涙出る。
ジャハンギールには、伝わっていたんだろうか。アムダリヤが彼を愛していたこと。
知らないまま、誤解したまま逝っちゃったのかもなあ。
せめて愛を告げない、ことを、矜持にしていそうだもんな、アムダリヤ。先王の妃として自決出来なかった咎を、自らに科していそうだ。
強く、潔い生き様が切ない。
ジャハンギールも。アムダリヤも。
このふたりには、妄想がわく。彼らの物語を知りたいと思う。
いやあ、王道メロドラマだよねえ。
憎い仇に力尽くで奪われて、炎のような憎しみをたぎらせているのに、次第に惹かれていってしまう。憎い憎い、でも愛しい。
強引なその男は、権力があってハンサムでセクシーで。
強い男に嵐のように求められ、奪われる愛憎のドリーム。ああうっとり(笑)。
ジャハンギールとアムダリヤでスピンオフ希望。
大衆向け大劇場ではなく、ファン向けにトバしていいバウかDCあたりで、とことん熱っぽく。エロく。←
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