春4月。

2003年4月1日 ゲーム
 毛の抜ける季節がやってきた。

 や、猫っすよ、猫。
 うちの猫。

 見た目はアメショーでありながら、チンチラの血を引いているために、こっそりと毛の長いうちの猫。
 抜ける抜ける。
 触ると抜ける、空気中に毛が漂っているのが見てわかる。
 ……ええいっ、不愉快なっ。

 予防策として、ひたすらブラッシングしている。
 どーせ抜ける毛ならば先に抜くのだ。
 とにかく暇さえあればブラッシング。

 ……海の水をコップですくっている気分です。

 いくら梳いても、きりがない……。
 エンドレス抜け毛。

          ☆

 今、ふたつのFFを同時進行しています。
 FF10(10−2じゃないよ、10だよ)とFFTA。

 ワンピの映画を見て、「ワッカだ……」と思ったのことよ。
 そーか、ワッカの声って、どこかで聞いたことあると思ったら、ゾロの声だったんだ。
 わたし、テレビアニメのワンピは見てないからさー、気づかなかったよ……。

 FFTAはキャラの見分けがつきません……敵とまちがえて味方を攻撃したりなんだり。うおーっ、ムーミンばっかしだよーっ。モンブランうぜえっ。マーシュがいないときの方がクエストがたのしいぞっ?! とか、まあいろいろ思いつつ。
 
 大人ってすばらしい……、の、18禁BLゲームプレイ日記なんですが。

 いろいろ思うところはあったんですが、そのいろいろの部分が全部飛んでしまいました。

 ……萌えたので。
 萌えてしまったので。

 わたしには、出会った様々なジャンルのものを、「タカラヅカでキャスティングして遊ぶ」という癖があります。
 ごくナチュラルに、「この役はヅカでやるなら**ちゃんねー」とか考えてたのしみます。

 ええ。
 やりましたとも。
 大人のBLゲーム『俺の下であがけ』でも。

 つーかまず、獲物のひとり、貧乏元気少年を「なんとなくきりやんって感じィ」とか思ってプレイしてたわけですよ。
 んでもって、主人公の鬼畜社長に影として付き従う忠実な秘書、これが「ケロ……」なイメージだったわけっすよ。
 こうなると、シューマッハで固めたくなるじゃないですか、人として!

 主人公の鬼畜社長はどーするかなあ。
 鬼畜で攻だけど、受もできる人。クールビューティー。んでもって、秘書がケロ。
 つーと、リカちゃんかゆーひだよなあ。リカ社長にケロ秘書だったら『LUNA』ふたたび、でオイシイよなあ。
 でもまあ、わたし的にはゆーひがいいなあ。

 とか、勝手なことを考えつつ。

 子持ち青年を落とし、次に花屋を落とし、最後に貧乏少年を落とし。

 獲物3人は受攻グッド・バッドすべてコンプリート。
 んで、最後のお楽しみの秘書を攻略にかかりました。

 獲物として明記はされていないけど、秘書が落とせることは明白だしなっ。

 いざ秘書にターゲットを絞ってみると。

 ……そこに繰り広げられるのは、抱腹絶倒のバカップルのいちゃいちゃ世界。
 な、なんやねんこれはっ。
 秘書のことを自分の一部として疑いもせずに頼り、甘える鬼畜社長。そして、鬼畜社長を絶対のモノとし、彼のことしか考えていない冷静秘書。
 社長がまだ10歳にもならないころに出会い、ずーっとそばにいる7つ年上の秘書。君は光、僕は影。
 いちゃいちゃいちゃいちゃ。
 25歳のクールビューティ社長と、31歳のごついオヤジ秘書が、えんえんえんえん、こっ恥ずかしい日々を繰り広げる。

 決定。
 社長はゆーひ。秘書はケロ。

 このふたりができあがっている恋人同士や夫婦なら、ここまですごくない。
 性的関係のない、上司と部下でコレをやっているから、見ているこっちはのけぞりまくる。
 プラトニックって、ヤりまくりの汁だく関係よりはるかに、エロいよね……。

 あー……ラインハルトとキルヒアイスがいるよ……。同人で腐るほど見たふたりがここにいるよ……。

 つーか、オスカル様とアンドレがここにいるよ……。

 とにかく、社長と秘書がおもしろすぎた。
 ゆーひとケロ、だと思うと愉快さ倍増、のたうちまわって笑いました。

 秘書の落とし方がよくわからなかったので試行錯誤、いろいろやってよーやく、そのときがやってまいりました。
 それまで鬼畜社長がなにをしても黙って付き従っていた忠実な秘書がついに、社長に告白!
 そばにいることが当たり前だった、そんな相手から愛を告げられ、社長、ガーーーン……。
 告白のあとすぐさまある事件が起こって、社長は打ちのめされる。生きる目的を失った彼の前に、秘書が……。
「どうか私に、あなたのおそば近く一生お仕えすることを……ただそれだけをお許しください……!」

「俺には、お前が居ないと駄目だ……。こんな情けない男でも俺が好きか?」
 ……アンタ、オスカル様ですかっ?!(笑)

「ずっと……ずっとお慕いしておりました」
「なら。俺を離すな。これからずっと」

 秘書はあくまでも丁寧語。社長はあくまでも命令形。
 いいですなあ。
 で、このあとねちっこいラブシーンに突入。
 キスが長いのなんのって。

 えーと、社長は鬼畜だけど美青年です。受もできる人です。
 一方秘書は知的だけどごつい感じのオヤジです。体格も、このゲーム中いちばんいいです。縦にも横にもでかいです。

 オスカルとアンドレだしな。
 なにより社長、今傷ついてて甘えっこムードだしな。最初にベッドに倒れ込んだときが、秘書上の社長下だったしな。
 油断して見ていました。

 社長は秘書に聞きます。
「お前は俺のことを抱きたいのか…?
 それとも俺に抱かれたいのか……?」
 なんて直接的なんだ社長!!
 でもわたしもそれ、聞きたかった!!
 はっきりしてくれ!!

 そして社長は言います。

「……お前のことが抱いてみたくなった……」

 そうきますかっ!!
 男前だ社長!!

 パソの前で爆笑。
 つくづく、予想を裏切ってくれる人だ。
 頬を染めて恥じらうオヤジ秘書。それを余裕で押し倒す美人社長。

 しかもまー、いちゃいちゃいちゃいちゃ。

 そうか、考えてみればそれまで落としてきた男たちは、みんな「獲物」だったわけで、最終的に両想いになってハッピーエンドとはいえ、基本は強姦だったのよねえ。
 和姦はこの社長×秘書だけなんだわ……。

 おかげで、甘い甘い。
 受が筋肉質のごつくてでかいオヤジとはいえ……ラヴラヴえっち。

 しかし、ケロ×ゆーひ のつもりで見てたのに、フタを開けてみたら ゆーひ×ケロ だったよ……ま、いっか。

 つーと、花屋はブリスでゆーひの彼氏だったこともあるわけだし、タニちゃんってことにして、少年がきりやん、子持ち青年だけがいないけど、そーだな、ステファン先生のイメージでリカちゃんにお願いして、と。
 あら、キャスティングできちゃったわ!(笑)

 ああ、たのしいゲームだわ、『俺下』。
 たぶん、ヅカ・キャスティングのおかげで、ふつーの人より何倍もたのしんでプレイしました。
 まだセクハラ・イベント見てないし、写真も全部集めてないし、きのこイベントもたぶんまだ見てないのがあるし。
 もうしばらくはたのしめそうだ。

 あ、秘書攻バージョンもやらなきゃなー。

 
 某有名ネット書店。
 購入金額が1500円以上は、送料無料。

 目的の友人の作品が載っている雑誌は税込み600円。
 600円の本を買うために、送料を出すのはバカらしい。
 ではあと900円分、なにか買おう。
 でもなにかって?

 べつに今、欲しい本なにもないよな。
 来月なら友人の殿さんの本とか鷹さんの本とかが出るけど。今月はべつに、なかったよなああ。

 考えたあげく、ゲームを買いました。

 ふつーのお店では買いにくいものを。

 ええ。
 ボーイズラブ・ゲームです。

 600円の本を買うために、6600円使っちゃったよ、ははは。

 じつははじめてやりました、BLゲーム。
 輝く「18禁」のシール。
 ああ、大人ってすばらしいな(笑)。

 ふつーに男向けのゲームならやったことあるのよ。
 『野々村病院』だっけ? タイトル忘れた。
 働いていた店で、動作不良で返品されたやつを、確認のために家に持って帰ってプレイしました(笑)。インストール方法がわからなくて、弟にやってもらったな。あと、ふつーの18禁ソフトもいろいろ、動作確認のためお持ち帰りした。アニメじゃない、実写のやつね。実写のはゲーム性が薄くて、おもしろくなかった(麻雀とか神経衰弱とかで女の子が脱ぐやつ)。
 『野々村病院』はギャグが下品で閉口したのと、女たちが全員ガーターベルト着用で笑ったのをおぼえてる。妖艶なおねーさんも清純そうな娘も、みんな一枚脱ぐと下はガーターベルト着用。わはは。
 あまりおもしろくなくて、1回エンディングを見たあとは二度とやらなかったな。

 あとひとつ、『痕』というゲームをやった。
 これは友人のおにーさんが「おすすめ!」と言って貸してくれた。「ものすごくおもしろいし、感動できる。女性がどう思うのかを知りたい」と。
 わたしはホモネタもあると聞いていたので、ありがたく貸していただきました。
 ……なるほどこれは、おもしろかった。てゆーか、泣いた。主人公の男の子になって、美人4姉妹と同居、選択肢によってストーリーが分岐し、姉妹のうちのどの子かと恋に落ちるわけなんだが。
 全エンディング見ました。たぶん。
 いちばん泣いたのは末娘の話だな。次が次女かな。あれ? 三女かな? えーと、いちばんどーでもよかったのが元気娘。いちばん最初が長女エンディングだったんだけど、これもなかなかせつなくてよかった。
 あと、主人公と父親のくだりが泣けたわ。
 そしておたのしみのホモバージョンも。ちゃんとホモでラブな話だったので、びっくりした。もっとどーでもいい話だと思ったのに、悲劇的な恋の話だった。

 とまあ、男向けはこれっぽっちだけど、やったことがあった。
 しかし女性向けははじめて。

 興味はあったけど、買いたいとは思わなかった。

 だって絵が好みじゃないんだもん。
 好みじゃないどころか、キライなタイプばかり。

 わたし、ショタ属性ないんよ。
 顔の半分以上がきらきらおめめだったり、顎が異様に細く尖ってたり、首が手首より細くてぐらぐらしてたりするの、ダメなんよ。
 それから性別受もダメなんよ。
 男は男らしくなきゃダメなんよ。

 だからBLゲームは買えなかったのだわ。

 でも先日、仕事の担当さんにエスコートされて秋葉原オタクめぐりをしたときに、はじめて好きなタイプの絵のBLゲームを見つけたのだわ。
「あ、あれ、やってみたい」
 とわたしは無邪気に言ったんだが、担当さんはただ、
「すごいタイトルだな」
 と言っただけだった。

 たしかに。
 改めて見てみると、すごいタイトルだ。
 少なくとも、親には見せたくないな(笑)。

 そのゲーム、タイトルを

『俺の下であがけ』

 という。
 ははは。たしかに、これを「やってみたい」と言われても、担当さん(男性)はなにもコメントできないでしょうな。

 えーと、「借金背負わせシミュレーションゲーム」です。
 主人公は消費者金融の社長(男)。コレと狙いを定めた獲物(男)を罠にかけ、借金を背負わせるの。そして獲物の借金が1億を超したら獲物本人をお買いあげ。監禁調教、奴隷一直線!!(爆笑)

 いやあ、おもしろかった。

 微妙にセコいところがさいこーです。
 バカなことを、大真面目にやるのがよし。

 獲物は3人、同級生の花屋と、貧乏少年と、子持ち青年。そして主人公は鬼畜社長。……いいなあ。この設定とチョイスが絶妙だわ。
 年齢が高いのもポイント。
 主人公とその同級生(いちおーメインヒロイン?笑)は25歳。子持ち青年は眼鏡の29歳サラリーマンだしな。貧乏少年もいわゆる美少年ではなく少年マンガ主人公系のやんちゃ少年(ハイティーン)だし。

 わたしが最初にお買いあげしたのは、子持ち青年です。
 妻を亡くし、男手ひとつで幼い息子を育てるサラリーマン。病弱な息子の治療費のために、ついに身を売ることに……!!
 いやあ、すばらしいです。お約束です。父の愛!!
 鬼畜社長は言葉責めも忘れません。「息子が大変なときに、父親が男とこんなことを……(冷笑)」てな。

 ただ、びっくりしたのは。

 社長、受だったんかい……っ!!

 攻だと信じてプレイしていたので、心底おどろきました。
「俺をたのしませろ」ってアンタそんな。鬼畜属性の襲い受とは……。

 えーと、バッドエンディングでした。
 すぐさま2回目をプレイして、無事グッドエンディングをGET。

 ちなみに、2回目は社長様、ちゃんと攻になりました。
 このゲーム、リバなんですね。
 進行によって主役の社長の気分が、受と攻、変わるようです。
 2回目以降は「壱哉様の気分」というパラメータが確認できるようになります。選択肢の選び方で、「受な気分」とか「攻な気分」とかになるようです。
 つーか、あれほど鬼畜なくせに、ナチュラルに受られると、びびる……。
 あ、主人公は「壱哉」といいます。パラメータの名前は「壱哉の現在の気分」といいます。でも何故かわたしはとても自然に「壱哉様の気分」と「様」をつけていました。ええ、鬼畜社長には「様」でしょう。

 とても愉快なので、全エンディングGETに向けて精進します。

 
 死にまくってます、『バイオハザード0』。

 今「処理場」にいます。レベッカはひとりぼっちです。武器が足りていません。マグナムが18発、グレネードが2発、ショットガンが1発です。ハンドガンはビリーに持たせていたのでありません。
 ……あまりに武器が足りないんで、養成所まで戻ってハンドガン取って来ちゃったよ……。ついでにいろんなアイテムも、持てるだけ持ってきた。
 今回の『バイオ』は、アイテムBOXがないんだね。ない方がそりゃリアルだし、戦術的にも深くなるけど……ちょっとさみしーなー。好きだったのに、アイテムBOX。や、『コード・ベロニカ』はやってないから、そっちは知らないんだけどさ。

 今ところ、ストーリー的にもたのしいっす。
 レベッカとビリー、いい感じ。
 レベッカお嬢ちゃんが、野生派ビリー青年に惹かれていく過程が、どきどきするっす(笑)。
 新米女性警官(18)と、脱走死刑囚(26)との恋! いいですなあ。
 ビリーはちゃんといい男に描いてあるし。そしてお約束、彼は冤罪で捕まっちゃってるのよね。ほんとは正義の人なのよね。こーゆーお約束は好きよ。
 あと、筋肉美のこの野生派ビリー。な、何故か特技はピアノだしっ。笑ったよ、レベッカが弾けないピアノを、ビリーが軽やかに弾いてくれたときには。

 そして。
 そして、悪役であるウェスカーとウィリアム。
 あんたたち、同期だったの。
 しかも、ウェスカーは戦闘部門、ウィリアムは研究部門と個性はっきり、幹部養成所での双璧ときたもんだ。お互いライバル意識びんびんで、いがみあっていた……。
 なのに。
 どーして今、運命共同体って感じでいっしょにいるの?
 ウィリアムくん、無精髭の浮いた顔に白衣がいいです。どーしてこの男、こうまで受オーラ出してるのかしら。
 アルバート・ウェスカー氏は、シリーズ通しての人気悪役。いわば『ガンダム』でいうところのシャアですからな。サングラスが渋い、クールな男。自分を総攻だと信じ切っているよーな人です。(注・信じ切ってるのは、本人とウィリアムだけ・笑)

 悪の巣窟アンブレラの創始者のひとり、マッド・バイオ・サイエンティストが「人間で信用できるのはアルとウィルのふたりだけ」と言い切る、すてきコンビ、ウェスカーとウィリアム。
 希望としては ウェスカー×ウィリアム ですな。
 ウィリアムは、「お前なんか嫌いだ」と言いながらも……な典型的受子ちゃんでよろしく(でも彼は妻子持ち。しかも奥さんはS属性の攻女・笑)。ウェスカーは心底悪人なので、ウィリアムを利用することしか考えていない。
 ウェスカーの本命はクリス。こちらは完璧にウェスカーの片想い(笑)。クリスは正義の味方だから、ウェスカーのことなんか大嫌い。
 クリス×ウェスカー が、わたし的にも本命カップリング。……すげー濃い……。

 今のところ、あの愉快な「歌うヒル男」には心が動きません。つーか、彼が出てくると、なまあたたかい笑いがこみあげてくるんですが。
 なまじ本気で「美形」として描かれているだけに、突然歌い出す彼には笑わせてもらってます。考えた人、えらいなあ。ロン毛の超美形、ヒルがお友だち、歌でヒルを操る……通常の精神では考えられないミスマッチさ(よりによってヒルかよ)。『北斗の拳』(アニメ版)になら、出ても違和感なさそーだな。

 どこまでプレイしたら終わるんだろーなー。
 イージーモードでプレイしたかったんだよ、ほんとは。
 でも弟がゆるしてくれなかったのさ……(んで泣く泣くノーマルモードでプレイ中)。わたしのゲームの腕は超絶へっぽこだってのさ。

  
 弟がわたしの部屋にやってきた。

「本体ごと買った」
 と、手にしているのは……。

「キューブ?! 嘘っ、買ったの?!」
 グレートだ、弟!!

 ニンテンドウの、ゲームキューブ。
 子ども対象のゲーム機。大人が楽しめるソフトはほとんどない。
 この少子化の時代、売れ行きがイマイチなんだろう。大人……いわゆる20代30代の「自分の楽しみのためにお金を使える」人たちを取り込めるソフトを出しはじめた。
 このゲームをやりたいがゆえに、本体を買う。本体への魅力ではなく、あくまでもそのゲームタイトル単体の魅力。いわゆるキラーソフトの誘致。

 それが、『バイオハザード』シリーズ。

 『バイオ』をやりたかったら、ゲームキューブ本体を買わなければならない。たとえ、他にただの1本も興味のあるタイトルがなくても。

 キューブでさえなかったら、と、弟とはいつも話していた。
 アクションとレースとスポーツしかないゲーム機なんて、まったく魅力がない。アクションゲームだって、キャラとかのセンスがよければまだしも、マリオじゃなー。あのヒゲオヤジ、世間的にはイケてるのか? 中年オヤジだぞ?
 『バイオ』ファンであるわたしたちは、嘆いていたさ。キューブの客寄せパンダになってしまったときに。
 さしづめ、贔屓のジェンヌが「できれば見たくない」と思っていた組に組替えになった気分さ。見たいのは、あの人ただひとり。組にもトップスターにも興味はない。端っこにいるあの人のためだけに、見たくもない組と演目にチケット代を払い続けるのか?! と、ゆーよーな嘆き。
 キューブは欲しくない、でも、『バイオ』はやりたい……。

 それでも買ってきたのか、弟よ!!
 『バイオ』だけのために、2万円も出してキューブ本体買ったのか。グレート!

 そうまでしてやりたかったのだ、シリーズ最新作『バイオハザード0』。

 そしてわたしたち姉弟は、基本的にゲームは共有する。同時にプレイする方が、そのゲームの情報交換ができたりして、たのしいからだ。
 別々の家に住んでいるくせに、共有(笑)。
 いつもなら1本のソフトが2軒の家を行き来するのだが、今回は本体ごとだ。
 弟はわざわざわたしの部屋まで、本体ごと持ってきてくれた。わーい。

 ありがたく受け取ったはいいが。

 ど、どこに置こう??

 テレビの前にあるワゴンには、1番下の段にセガサターン、真ん中の段にプレステ2、いちばん上の段はいちばんひどい、ドリキャスの上にニンテンドウ64が載っている。親亀の上に子亀状態。ドリキャスは平らじゃないから、64はぐらぐらしてる。
 こ、これ以上どこへ置けと?!

「いやだねえ、マニアの部屋は……」
 弟は溜息をつく。

 し、失礼ねっ。わたしべつに、ゲームマニアじゃないわよっ。
 まだ他にプレステとスーファミとメガドラとワンダースワンがあるけどさっ。あ、たしかゲームギアも持ってるけどさっ。
 マニアじゃないもん。女の子にその言い方は失礼だわ。

 とりあえず、スキャナがわりと平らなので、その上に置くことにした。ケーブルが長いから、接続はぜんぜん平気。
 さて、AVケーブルは……ああ、たしかまだAVセレクタに空きがあったなー。
 AVセレクタにケーブルをつなぐわたしを見て、

「いやだねえ、マニアの部屋は……」
 弟は再度溜息をつく。

 し、失礼ねっ。わたしべつに、ゲームマニアじゃないわよっ。
「ふつーの人は、セレクタなんか持ってないって」
「うるさいわねっ。便利なのよ、ボタンひとつでゲーム機をチェンジできて」
 プレステ2と64がつないであるの、今。ボタンひとつでどっちのゲームもプレイできる。
 もうひとつ端子に空きがあったから、そこにキューブをつないで、あら完璧。気分次第で3つのゲーム機をどれでもプレイできるわ。

 てなことのあとで、よーやくプレイ開始。
 弟もわたしのプレイっぷりを眺めるつもりだろう。猫を抱いたまま動かない。

 最初にわたしは弟に聞いた。
「ね、こわい?」
 弟は意味深に笑った。
「こわいというよりは、笑える」

 たしかに。
 笑えるわ……。

 というのも、『バイオ』は『バイオ』だからだ。
 わたしたちは1のころから、このゲームを愛してプレイしてきている。
 つまり、「よく知っている」のだ。
 そして、「よく知っている」ものの新作なのだ。
 ……笑えるよ、そりゃ。

「まず絶対列車なんだよなー」
「お約束お約束。列車が出なきゃ『バイオ』じゃないよなー」
「レベッカって新米っていう設定だったのにな。すでに忘れられてるよな」
「新米の18才の小娘をひとりしたらいかんよなー。ふつー、二人一組が基本でしょ、警察は」
「この人たち、警察なんよなあ。忘れがちだけど」
「1では新米の小娘だから生き残った、ての納得できたのにな。危険な場所には他のメンバーが行かせなかったんだな、って思えるから。なのに、0でこんなバリバリ活躍してどーするよ」
「まあ、ふつーの女子大生がショットガンぶっ放して無敵だったりするわけだからねえ。新米警官が無敵でもしょうがないか」
「ゾンビはまず、ムービーだよねえ」
「そうそう。敵はまず、ムービーで印象づけてから戦闘になる。どっかのゲームみたいになんの説明もなく鳥が襲ってきたりしない」

 お約束がいっぱい、知っている単語やアイテムがいっぱい。
 旧友に会った感じ。
 なつかしくて新しい、再会のよろこび。だから笑える。

 しかし。
 わたしはへっぽこゲーマー。

「おい。なんで死ぬんだ、ゾンビごときで」

 だってぇぇええ。
 ハンドガン構えたまま、後退しようとしたら変な動きしたよお。

「構えたら後退はできないって。できたのは『静岡』」

 あっ、そうだっけ。

「ちゃんと狙って撃てって。どこ向いてる。『静岡』じゃないぞ」

 自動照準じゃなかったっけ。上とか下とか、自分で操作するのよね。……そうか、静岡はそれができなくてうざかったっけ。
 ところで、カメラ位置変わらないから、敵が見えないよ。なんとかならない?

「『バイオ』はカメラ位置固定。『静岡』じゃないんだから」

 ええーっ、それ不便じゃん。

「だからこわいんだろ、音だけで敵を察知するしかなくて……てゆーか、なにやってる、しがみつかれたら、ふりほどけ。ボタン連打」

 だって、サルに押し倒されたらなにしたって無駄でしょ? モグラにしがみつかれたら、時間がくるまでそのままでしょ?

「それは『静岡』だっ」

 うわーん、わたし、『静岡』と『バイオ』が混ざってるよーっ。

「『静岡』なんてショボいゲーム、何周もクリアするから妙な癖つけやがって……」
 弟はぶつぶつ。
 わ、悪かったわね。あんたが貸してくれたゲームじゃんよ、『静岡』って。職場の人からの又貸しで。その貸してくれた本人さえ、その不親切なシステムに辟易してクリアできなかったとゆーのに、わたしは3回もクリアしたわ。
 そりゃ手が覚えちゃってるよ、操作方法を。

 わたしは『バイオ』ファンよ、『静岡』なんかべつに好きじゃなーいっ。
 なのになのに、カラダは『静岡』を忘れていないのか……っ?!

 弟はわたしのへっぽこぶりに溜息をついて出て行った。
 いいのよ、わたしはあんたの2倍も3倍も時間をかけてプレイするんだから。あんたの100倍くらい死ぬんだから(比喩ではないあたりがかなしい……)。
 努力と執念でクリアするの。

 さて、最近プレイしていた64の『オウガバトル』はちょっとお休みだ。
 これからは『バイオハザード0』!!


 爪が痛い……。

 よせばいいのに、ゲームの『静岡』のために徹夜してしまった。
 あんまり勝てないもんだからさ、止まらなくなって。

 今、2回目のプレイ。
 1回目のエンディングは「GOOD」だった。だけどウワサによれば「GOOD+」というエンディングがあるそうなので、それに向けて鋭意努力中。
 ……なんだが。
 ちょっとまて、なんやこれは。
 難易度が上がっている。
 敵の数が多い。
 殺しても殺しても、いくらでも出てきやがるっ。

 わたし、アクション苦手なのよ。
 1回目でさえ、死にまくったのよ。
 なのに2回目、難易度UPってなによそれ。
 こんなんじゃ、とてもじゃないがクリアできないよーっ。

 死にまくり。

 死は日常。
 あ、また死んだ。
 continue。
 また死んだ。
 continue。

 ムカつくので、萌えでも考えよう。

 主人公のハリー。
 彼は受でしょ?
 すーぐ抱きつかれやがって。
 すーぐ押し倒されやがって。
 隙だらけだっつーの。
 いちいち「あぁ」とか「うっ」とか、うめきまくるしさー。
 32歳、戦うお父さん。
 頭の中にはどーやら、娘のシェリルのことしかないらしい。

謎のおばさん「世界が危ないのよ!」
ハリー「シェリルはどこだっ」

謎のおばさん「今ならまだ間に合う。あなたが世界を救うのよ!」
ハリー「シェリルはどこだっ」

 いやあの今、世界の話してるんですが……どっから見てもふつーでない状況なんですが……。
 全人類より地球より、娘が大事。
 それはそれで、潔いですが。
 地球が滅びてしまったら、娘ひとり無事でも意味はないよーな気がしますが。
 ハリーの「人の話を聞かない度」のぶっちぎりな高さにもくらくらします。

 わたしにつづいて弟もクリアしました。
 彼は「BAD」エンディングだったらしい。
 彼は病院で1度カウフマンに会ったっきり、2度と会わなかったそうな。
「じゃあラスボス戦で、カウフマンは出て来たの?」
「だから、あのおっさんとは1度しか会ってないってば。ラスボス戦にあのおっさんが出るの?」
 来たよ。つーかこの騒動にあのおっさんもかかわってるんだってば。わたしはカウフマンとリサの関係を聞きたかったんだが。あのふたり、デキてたの? わたしのラスボス戦と弟のラスボス戦では、なんか微妙にチガウみたいだ。
 リサってよーするに、自縛霊だよねえ? だから裏病院にずっといたのよね? そのリサがわざわざ血まみれで引きずり込みに現れたんだから、カウフマンとリサってそーゆー関係だったのかなと思ったんだが……弟、カウフマン関係のイベントをまったくやってないんじゃ、聞けないじゃないか。

 ハリーを受だと思う、とは、パンピーの弟には言えないしな……ああ、ストレスだけが溜まるわ。
 ハリーが単独で受でも、攻がいないのよ。カウフマンでもそりゃいいけどさー。
 いちばんアリだと思えるのは「猿×ハリー」よ……あの猿、ハリーを見るとまっしぐらに襲ってきて、押し倒しやがるからっ。何度それでゲームオーバーになったか。

 『静岡』のストーリーはいまいちわからないことが多い。
 結局、静岡……サイレントヒルというあの街は何故、あんなことになってたの?
 表の街に人間がまったくいなくなっていたのは何故?
 表の街をうろうろしているあの鳥や犬は何者?
 裏の街のあちこちに、死体が飾ってあるのは何故? 誰が飾ったの?
 説明してくれよ。
 なんでモンスターだらけなのか。
 たとえば『バイオハザード』なら、ちゃんと納得できる話になってたぞ。
 理由もなく街ひとつまるまる、人間が消え失せて、かわりにモンスターがいるなんて、おかしいじゃないか。

 せめて萌えがあればな……。
 まぬけ男ハリーにふさわしい攻をプリーズ(弟には絶対言えない不満点)。

 詰めの甘いゲームだわ。

 
 もしもわたしの前に魔法使いが現れて、願いを叶えてくれるなら、

「音楽の才能が欲しい」

 と、言うだろう。

 人間の持つ機能の中で、わたしにもっとも欠けているのは「音楽の才能」だと思う。

 たしかにわたしは、本物の音痴ではない。
 今まで生きてきて、本物の音痴というべきふたりの人に出会っている。彼らと比べれば、わたしは音痴ではない。
 だけど、いっそ本物の音痴であれば、しあわせだったと思う。
 何故ならば、わたしが過去に出会った彼らは、「自分が音痴であることに気づいていない」のだから。
 音楽が聞き分けられない、というのは、持って生まれた身体機能だ。身体機能について言及するのは、ひととしてまちがっている。本人の努力とはべつのものだからだ。
 真の音痴には、みんななにも言わない。わたしの知っている彼らは、自分が音痴であることに気づいていなかった。本人も音を聞き分けることができないし、周囲の者も誰ひとりそれを指摘しないためだ。……言えないよ、とてもじゃないが。そんなの本人のせいじゃないし。

 だから、わたしの音痴はエセ音痴だ。
 自分で自分の出す音が調子はずれなのがある程度はわかる、その程度の音痴だ。努力で矯正が可能な程度の音痴だ。
 しかし。
 しかし、な。
 その努力ってのは半端なものじゃない。
 ふつーの人が1回聴いたら歌える歌でも、わたしは10回20回と聴いて、えんえん練習しなければ歌えない。
 日常生活で、誰がふつーの人の何十倍練習するよ、仕事でもないのに。
 浜崎あゆみの歌をふつーの人程度に歌いたい、とか、それだけのことでひとりひそかにカラオケBOXに通い詰め、練習するなんてごめんだよ。ふつーにCDをたのしんで聴いて、特別な努力もなく恥をかかない程度のレベルで歌いたいよ。

 ああ……音楽の才能が欲しかった。
 それを職業にしたいとは思わない。ただ、人並みに音楽を楽しむことができる、それだけの能力が欲しかった。
 努力しなきゃたのしめないなんて、努力しなきゃ恥をかくなんて、いやだ〜〜。

 それにさ。
 本物の音痴には、みんななにも言わないけど、わたし程度の音痴には言うもん、「音痴」って。
 足の不自由な人が速く走れなくても「鈍足」とは言わないけど(言ったらひどい)、健常なのに速く走れなかったら「あいつ、足遅い〜〜」って笑うじゃん。
 まあわたしは、体格良くてさも運動できます風なのに運動音痴でもあったんで、さんざんからかわれたりして生きてきたさ。
 それと同じで、「努力で矯正可能」な音痴だから、言われつづけてきたさ、「緑野さんって音痴だよね」と。
 あるいは、「英語の発音悪いよね」と。
 その昔、演劇部にいたときは苦労したさ、アクセントができなくてな。耳で聞いた通りの音が出せないんだよ。本人は必死なんだけどな。

 ふつーレベルの能力が欲しかった……。

 と、またしても思うのは、『サイレントヒル』をプレイしていて「ピアノ」のイベントがありそうなのを知ったとき。
 ピアノ? ピアノのイベントだと?
 またかい。またしても、音楽イベントかいっ。

 ゲームには、「音楽系」のイベントがちょくちょく存在する。
 お手本のリズムに従ってボタンを押したりなんかは、かわいい方だ。
 いちばんつらかったのは、『エコーナイト2』の楽譜を完成させるイベント。
 音楽を聴いて、楽譜を書くんだ。
 耳で音階を聴き分けるんだ。

 ねえ。
 ふつーの人って、音楽を聴くだけで、「あ、これはソだな。これはラの音」とか判断つくもんなの?
 はじめて耳で聴くだけの音楽を、楽譜に書き起こしたりできるもんなの?

 わたしにはできない。
 ぼーぜんとしたよ。
 楽譜の空欄を埋めなければならないと知ったとき。
 しかも、お手本の音楽はいくつも前の部屋でしか聴けなくて、お手本を聴いてから何分も経ったあとで、記憶を頼りに楽譜を書かなければならないなんて。

 どーしてもできなくて、そこだけ攻略本の答えを書き写したもん。
 わたしの能力では無理。

 『バイオハザード3』でもあったな。1階でオルゴールを聴いて、最上階で壊れたオルゴールの調律をするイベント。
 ただしこれは、実際に音を聴きながら、正しい音を探すことができた。耳で狂った音を聴き分ける程度のことはできるからまだ、なんとかなった。

 しかし、楽譜を書けって言われたらアウトだ。
 音もなしに、記憶の中の音楽を音符になんかできないよー。楽譜なんかわかんないよー。

 おびえましたとも、『静岡』のピアノイベント。
 実際には音が高いか低いかを当てるだけのイベントだったから、わたしでもできたけど。

 音楽の才能が欲しい……。

 
 ハリー・メイソン。32歳。ライター。
 妻とは死別。7歳の娘がいる。
 現在は休暇中、娘と共にバカンスにやってきたのだが……。

 どーゆーゲームなんだ、『サイレントヒル』。
 今、「ホラーアクション」とゆージャンルに属している『サイレントヒル』っちゅーゲームをやっている。

 古いゲームだよ。PSだからね。

 『零』を貸してくれたのと同じ人から、弟が借りてきた。借り物はとっととプレイしてとっとと返さなければならない。つーことで、『ティアリング・サーガ』は中断。

 なんせ『零』をプレイしたあとだから。
 ちっともこわくないです、『静岡』(=サイレントヒル)。
 つーか、つっこみどころ満載!!

 主人公がいきなりオヤジっての、どうよ?
 子持ち男だよ?
 日本のゲーム事情からしたら、異例の主役キャラ。
 出てくるのは28歳の女性警官、謎のおばさん、主人公よりさらにオヤジ度の高い医者。
 ……あのこれ、日本向けに作ってる? 最初から海外輸出のことしか考えてないんじゃ?
 たとえば小学生は、自分の父親世代の主人公に感情移入するかなぁ……?
 やはりマーケットのメインは海外? 子どもが主役じゃ、こういう血の出るアクションものは海外では売れないもんねえ。日本ぐらいだよね、子どもが血みどろになって戦うのがよろこばれてるのって。良くも悪くも。

 まだプレイ途中だけど、今のところ主役がおじさんである意味はない。
 「なんの訓練も受けていない一般人なので、武器の扱いは不得手」という設定で、とにかく弱い。つーかものすごく戦いにくい。なんなんだ、この操作性の悪さは。ストレス大。
 わざわざ「一般人だから」と説明書に書いてあるのは、操作性の悪いことへの言い訳か? と勘ぐってしまうほどだ。『バイオハザード』はもっとずっとずっと操作しやすかったぞ。疑似バイオのくせに、本物よりへぼいっちゅーのは問題だろー。
 つーか、このわざわざ「一般人だから」と宣言するのは、「ふつーの女子大生、18歳」が銃を片手に化物とがしがし戦って勝利してしまう『バイオハザード』への皮肉かしら。と思ってみたり。
 なんにせよ、「武器の扱いは不得手」というならますます、おじさんが主役である必要はないんだよね。日本人が日本をマーケットとして作ったなら主人公は10代の子どもになるはずだろう。可憐な美少女とかが血みどろで戦うのがふつうでしょう。17歳のふつーの女子高生、でも顔は10歳、されど乳はFカップ、でもってほとんど裸みたいなコスチュームか、あるいは制服とかで戦うの。それが日本的ってもん。
 なのにこの『静岡』は中年男が主役……。

「主役が32歳っての、すごい嫌なんだけど……」

 と、弟。
 ちなみに弟は、32歳。

「オヤジだよね、主人公」
「すげーオヤジだよ。でも同い年」

 笑えねえ。
 わたしはこの中年主人公より、さらにばばあなわけだ。

「この主人公、あまりにもトロくさくない? たった5段の階段、飛び降りられずに転げ落ちるんだけど」
「ちょっと走ったら『はぁっはぁっ』って死にそうな声出すから、ケガでもしたのかと思って調べても、どこもケガなんかしてない。……あれって、たんに走ったら息が上がるの? オヤジだから?」
「オヤジだからでしょう。オヤジは全力疾走したら、はぁはぁ言うよ」

 ……なにもそんなところを、リアルにしなくても……。
 35歳と32歳の姉弟は、眉をひそめてしまうよ。

「それにしても、ことさらにオヤジくさくないか、この主人公」
「子持ちだからだろ。親になると、トシより老けるからな」

 運動不足で走ると息の上がる主人公を走らせ続け、プレイ中、『静岡』。
 これくらい大丈夫だろ、と思えるよーな些細な段差にも転ぶ主人公で、プレイ中、『静岡』。

 願わくば、このみょーな物語が「夢オチ」で終わりませんように。

 
「パンチは武器です。装備しますか?」

「あたしゃファーストプレイがグレイだったからねえ。はじめて10分、最初のバトルで瞬殺、ゲームオーバー。コントローラ握ったままぼーぜんとしたもんよ」
「イフリートが出たら瞬殺だからなー。ゲームバランス悪すぎ」
「アイスソードがなきゃ全滅必至だもんな。あとなんだっけ、エメラルド?」
「水のアクアマリンな。……アイシャでプレイしたら最弱で途方に暮れるという」
「王子に助けられるんだよね。超絶美形の。あのままアイシャと王子とでロマンスものにしてほしかった。それならわたし萌えたわ。草原の少女と美形王子の恋」
「でもあの王子、助けたあとはアイシャの存在忘れきってるし。アイシャは最弱キャラだけど、まだストーリーあるからなー。最悪なのが踊り子。ストーリー一切なし」
「踊り子……名前なんだっけねえ。わたしプレイした記憶ない」
「最初に『旅の途中だった』ってひとこと入るだけで、あとはなんもなし。おーい、これからなにすればいいんだ??」
「グレイだってひどかったよー。わたし、RPGやるの生まれてはじめてだったのに、いきなりグレイで、なにやっていいかわからなくて、とりあえず恐竜の卵取りに行ったら瞬殺くらって……よくあそこでゲーム自体投げなかったもんだよ」
「アルベルトでやらなきゃだめだ、初心者は」
「それならひとこと説明書に書いてよ、『最初はアルベルトでのプレイをおすすめします』って。グレイでさんざん苦労したあと、アルベルトやったら感動したもん、ストーリーがある!!って。8人もキャラがいて、『好きなキャラを主人公にしてプレイしてください』っていうからわたし、いきなりグレイでプレイしちゃったんじゃない。顔で選んだから」
「あのトカゲの人とかはなんだったのかねえ」
「ああ、トカゲの人、いたねー。やたら強かったよね。なんで旅してたんだっけ?」
「脇キャラも謎だらけだったな。ダウドはなんで殺し屋になってたんだっけ?」
「わかんねーよ、わたしジャミルでプレイしたとき、なにがなんでもダウドはパーティからはずさなかったからさ。他のキャラでプレイしたとき、いきなり刺客になってておどろいたよ」
「ガラハドも謎だしな」
「アイスソードなー。殺して奪っちゃったよ、ガラハドぉ」
「一度パーティからはずしたら、それでもう二度と仲間にできなくなるキャラ、多かったよなー。変なキャラいろいろいたけど」
「オオカミと……なんだっけ?」
「いたなー。装備が毛皮(笑)」
「そりゃ毛皮だろーよ」
「ちゃんと勝利したら回ってた」
「回ってた回ってた! 『魅力が上がった!』とか言って。……魅力て。オオカミのくせに」
「魔法使い系少なくなかった? みんな武器系だったろ?」
「あれ、オオカミ連れてた森の女の人は魔法使い系じゃなかった?」
「あれは弓の人だろ」
「そっかー。でも育て方次第で自由にできんじゃん。そりゃ初期パラメータや適性はあるものの。だからわたし、女の子たちを武器系の肉弾攻撃キャラに育て上げ、男たちを間接攻撃キャラに育ててたなー」
「パンチは武器です?」
「そうそう。最弱の美少女アイシャにパンチやキックを装備させて、敵をぼこぼこにするのよー」
「結局アルベルトはおねーちゃんに会えないんだよな」
「あああれ。どーやったらおねーちゃんに会えるのか、誰か知ってる人いないのかな。あの屋敷にいることはわかってるのに、鍵が開かない。あれも未完成ゆえ?」
「完成品出してほしいよな。開かないドア、伏線だけで放置されたエピソード」
「いつの間にか治ってる皇帝の病気とか」
「二度と会ってくれない王子とか」
「『お前友だちちがったんかい(怒)』の王子な」

「なんにせよ、おもしろかったよな、『ロマサガ』」
「うん、おもしろかった」

 わたしと弟の会話。
 午前12時半まで近所のファミレスで喋くってた。

 最初のプレイで迷わず殺しちゃったけど、いちばん好きなキャラはガラハドかもしんない。無骨な武人、って感じの男。グレイの親友。……なのにわたし、グレイで殺しちゃったんだよなー。親友殺しちゃイカンだろ……。つーかわたし、あのときすでにガラハドの存在忘れてたんだよなー。まさか親友の彼だったとは思わずに、アイスソード欲しさに罪を……。

 んで次にお気に入りがジャミル。女装もOKな盗賊。軽薄なイマドキのにーちゃん。その次がダウド。ジャミルの親友。つーかお荷物。なんにもできないかわいこちゃん。
 ファーストプレイキャラのグレイは、聖域か?(笑)。 渋い美形の大人の男。顔が好みだったからグレイでプレイしたら、痛い目に遭った、と。

 世間でクソゲーと罵られていよーと、マイ・フェイバリットなゲームのひとつ。

 『ロマンシング・サガ』。
 今でもふとやりたくなる……。
 ワンダースワンを買うべきなのか……?

 
 2度目の再セットアップ。
 買ってからまだ10ヶ月だっつーに、2回も壊れるって、どうよ、マイVAIO。SONY製品がダメダメだっつー噂は真実かね?

 わたしがのんきに公演の感想を書いているうちに、タカラヅカ界では急転直下の大騒ぎ。
 タータンファンの殿さんが、「会からもなにも聞いてないし、今回の退団はないよね?」と言っていたその矢先だ。

 正式発表のあったトップはともかくとして、他の生徒さんたちの動向が気になるんですが。
 下手をすると星組とはロンググッバイです、わたし。もともと5組中いちばん縁のなかった組だが、これでほんとにさよならか?
 いや、イベント好きのわたしは1回は観に行くだろーけど、その1回もB席専門かな……。他の組ほどお金や時間は使わないだろーなー。

          ☆

 午前中に情報を集めきったあと、腹を据えて午後から再セットアップ。
 前回は弟にやってもらったけれど、今度は自分ひとりでやるぞ!

 ………………。

 スキャナを認識してくれないのは何故ですか?
 ネットにつながらないのは何故ですか?

 結局弟を呼ぶはめに。ちぇっ。

 半日つぶしてやったわりに、まだまだ不都合、とてもじゃないが終わったとは言い難い。
 つーか、ほんとにこれ、正しくつながってるのか、ネットに? フレッツの専用番号だとエラー出るから、他の番号使ってるんだけど。これって、電話料金課金されてる?? つなぎっぱなしの感覚で使ってたら、後で青ざめることになるかも??
 こわくておちおちネットもできん。明日NTTに問い合わさなければ。
 デスクトップと一太郎のカスタマイズもせにゃならんし。……ああ、せっかくかわいいアイコンで統一していたのに、全部やりなおしかー。めげるなー。
 そーだ。WordとExcelのインストールもしないと。はっ、プリンタもまだ未接続だわ。
 うきーっ。
 やることだらけでくらくらする。

          ☆

 風邪が一進一退。元気な日のあとに、どーっとつらい日がやってくる。
 昨夜から今日はかなりつらい。

 なのに、ゲームをやっていた。
 だって時間かかるんだもん、セットアップ。ゲームで時間つぶししてたんだよ。

 タワシさんがプレゼントしてくれた『ティアリングサーガ』。
 なんて不親切なゲームだ、攻略本がないと絶対クリアできないようになってる??
 パーティをふたつに分けるイベントがあるんだが、そこで主人公チームに入れる人間をまちがえると、完全クリアはできない仕組みのようだ。
 20人もいるキャラを、攻略本の助けもなしに正しく分けられるわけがない。確率論でいけば、すごい低確率だよね、イベント制覇は。
 ただの「運」じゃん、こんなの。戦略じゃない。
 ものすごーくがんばってプレイしてきたけど、あきらめた。わたしはどうやらパーティ分けをまちがえたらしい。「運」がなかった。ない頭を絞って「戦略」をたててプレイしてきたのにさ。「運」なんて、わたしにはどーしよーもない次元のもののためにすべてご破算。
 人生なんてそんなものだけど、ゲームはそれじゃいかんだろう。アンフェアだ。

 不公平で不親切。
 いやなゲームだ、『ファイアーエンブレム』。

「『ファイアーエンブレム』って、死んでおぼえるゲームだよね?」
 とわたしが言うと、弟は「その通りだ」と肯定する。

 ふつーのゲームは死ななくてもプレイできる。クリアできる。そーゆーふうに作ってある。
 しかし『ファイアーエンブレム』はそうじゃない。
 何度も死んで、何度もリセット押して、プレイヤー自身がスキルアップしていかなきゃクリアできない。
 ……まったくもやっかいなゲームに惚れ込んだもんだ。
 『ティアリングサーガ』は、まるきし『ファイアーエンブレム』。作者が同じだと聞いたが、ここまで同じってのも芸がなさすぎるよな、てぐらい同じ。
 2001年の発売なのに、画面だけ見てたら10年前って感じ。前世紀のかほりぷんぷん。なんて古くさい。
 同じ作品を焼き直しつづける某演出家のよーに、同じシステムでゲームを作り続けてるんだね、作者の人は。

 それでも好きだけどな、『ファイアーエンブレム』。
 ちくちくとやりこみたい人間には、たまらないものがあるんだよなー。

 さて。
 攻略サイトの助けを借りて、1からやりなおそーかなー。

 やることは山積みなのにね。

 
 今日は映画館のハシゴをしました。
 ……って、なんかついこの間も、ハシゴしていたような。2本連続見ると消耗するんだけどなー。

 1本目は『バイオハザード』。
 ええ、原作ファンとしてはハズせない1本。

 じつはぜんぜん期待せずに観に行ったのね。コレクターズアイテムっていうか、原作ファンだから見ておかなきゃってゆー義務感っていうか。
 所詮、ゲーム原作の映画だしなー、みたいな気持ち。
 予告で見る限り、主演のミラ・ジョヴォヴィッチはかっこいいしさー。『フィフス・エレメント』も『ジャンヌ・ダルク』も観に行ってたしさー。
 てなもん。

 しかし。

 おもしろかったっ!!

 やーん、おもしろかったよー。
 ミラ・ジョヴォヴィッチ、かっこよすぎ!!
 この人、年齢不詳だなあ。『フィフス・エレメント』のときもそう思ったけど。
 大人の女性にはちがいないんだが、少女のようにも見える。
 そして今回は、「少年」。強さとストイックさを併せ持つ少年のよーな瞳が、かっこいいっす。
 美しくて、強い。ああ、最強だわ。

 特殊部隊の女性隊員ミシェル・ロドリゲスも、かっこいー。男言葉がいいよ。萌えだわ、萌え。

 こういう「原作付き」を、きれいに料理してあるものを見ると、素直に感動する。
 まったくのオリジナルですばらしい作品を創るのとは、べつの技術が必要だからね。
 この映画は、設定こそは原作を踏襲しているけれど、ストーリー自体はオリジナル。キャラも全員オリジナル。原作のキャラは登場しない。
 つまり、「世界観」のみを使って、まったく「別のモノ」を創り上げている。そのくせ、テイストはまちがいなく「原作通り」。これって、すごいよ。
 バランス感覚が絶妙。

 古めかしい洋館からはじまるところなんか、原作ファンとしては「にやり」とするよね。洋館の地下にいきなり列車があるとこなんかも、「にやり」だよね。列車が研究所に着くのだって、ゾンビだってケルベロスだって、とにかく原作知っている者には「そうだよ、そうなんだよ!」だよね。
 恐怖が「びっくり!」の連続なのも、原作のテイストだよね。
 『バイオハザード』の恐怖って、「驚」なんだよね。『零』の恐怖は「恐」だけど。『バイオハザード』は、びっくりさせてなんぼ。突然襲われる恐怖。

 絶望的な状況を、強い意志と力で乗り越え、突き進んでいくヒロインには、素直に拍手を贈るよ。
 「映像」であることに、意味を見いだす。
 彼女は演説ぶったりしない。正義とか、自分のこととか。
 ただ、目の前の障害を叩き伏せ、弱った仲間を助け、突き進んでいく。
 行動によって、ヒロイン「アリス」の人となりが見えてくる。
 彼女が記憶喪失なのもいい。記憶喪失ってのは、萌えアイテムよね。いかつい特殊部隊のみなさんの間で、ただひとり華奢な赤いドレス姿。たったひとりブロンド。その「か弱い、守られてしかるべき姿」で、がしがし戦って行くのが萌え。
 寡黙に前へ進む。……彼女の生き方が、観ているわたしの力になる。

 「生き残る。たとえ一人でも」というコピーが、すべてを表しているよなー。
 その、強い意志。

 もう1本は、『アバウト・ア・ボーイ』。
 『ブリジット・ジョーンズの日記』が大好きだったので、是非観たいと期待の1本。わたしと同世代の腐女子なら、主演のヒュー・グラントには特別の感情を持っているだろうしな(笑)。

 こちらの感想は明日。
 実は書いていたら文字数エラー出ちゃったから、明日の枠に書くっす。

  
 カウンターが飛ばずに500を超えた。
 毎回500で飛ぶ仕掛けとかあったらおもしろいのに。

 『かまいたちの夜』が終わってしまった。
 いや、まだ金の栞の謎は解いてないけど。いちお、全エンディング、コンプリート。
 最後の「冒険篇」はたのしかったぞ。このシリーズならではのくだらない笑いと、謎解きが融合して、いい感じ。

 しかし、金の栞の出し方は、わからなかったんだ。
 コンプリートしたらいいんだと信じてたから、ちょっとショック。
 で、仕方なしに攻略サイトを探した。

 ……そしたら。
 見る気はなかったんだけど、一緒に見えちゃったの。
 金の栞で、なにが起こるのかを。

 うわーん。

 知りたくなかった。
 なにも知らずにプレイしたかった。

 なにが起こるのかわかっててやっても、こわかったのよ、金の栞!!
 もしこれで、予備知識なしにやってたら……どれだけこわかっただろう。

 もったいないことをした。

 さて、わたしは映画は映画館でしか見ない人間である。
 なんでかっちゅーと、映画は映画館で見てもらうことを前提に創られているからだ。
 テレビじゃない。
 それ用に創ってあるんだから、わたしはわざわざ映画館へ足を運ぶ。

 だって、もったいないもん。

 映画館と家のテレビとでは、あきらかに感動がちがうよ。
 映画館でなら100%感動できるものが、家では50%だったりする。
 それは、もったいない。
 映画自体ももったいないが、なによりも、わたしがもったいない。
 映画館で見れば100%感動できたのに。努力を怠ったために、半分しか感動できなかったら、わたしの感性がもったいない。

 わたしはわたしのために、映画館まで行く。
 見たかったら、それくらいのことはする。

 映画館へ行かなかった作品は、もう見ない。だって、それっぽっちの努力すらしなかったってことは、きっとわたしにとってその程度のものなんだ。
 縁がなかったと思って、あきらめよう。

 とまあ、わたしはべつに特別な映画好きではないが、そー思っている。

 しかし。
 世の中のひとは、そーじゃないんだということを、最近知る。
 仕事を無くして鬱屈していたわたしは、あるとき「ええいっ、ものごとは経験だーっ」と、とある出会い系サイトに登録してみた。べつに男が欲しいわけじゃないから、「メル友募集」だ。趣味は「映画・ドラマ・本・マンガ・宝塚」と、実に正直に書いた。
 そしたら、来るメール来るメールみんな「わたしは映画ファンです」。
 なんで映画ばっかなの? マンガやヅカでもいいのよ、わたしは。ついでになんで男ばっかなの。女の子の友だちも欲しかったのに。
 まあいいや、と映画の話をしてみる。
 すると見事に全員「最近映画は見ていません」。
 をい。
 映画好きなんちがうんかい?!

 彼らの言う「映画」とは、ビデオのことなんだ。
「最近、『ダイバー』という映画を見て感動しました。今ならレンタルショップの新作コーナーにありますから、一度見てみてください」
 とか、メールもらってもな。
 『ダイバー』? わたしゃ公開当時に映画館で見てるから、そんな昔のこと言われても、もーろくにおぼえてないよ。ふつーにおもしろかったから、とくになにも残ってない。
 映画はビデオになるのを待って、家で見るもんなんだなあ。
 「年間100本以上映画を見ます」という人と知り合ったときも、「じゃあ今やってる映画でおすすめってなんですか」と聞いたら、「いや、映画館には行かないんで、今やってるやつのことは知りません」とか返されたしな。それは「映画を100本見ている」じゃなくて、「映画のビデオを100本見ている」のまちがいだろう?

 かなしいなあ。
 わたしが映画つくってる人ならきっと、かなしいよ。
 話を聞いてるだけでも、かなしいもの。もったいなくてさ。

 とゆーわたしは、映画館で『リング』を見た。
 なんの予備知識もない。真田広之と松嶋菜々子だっちゅーんで、見に行った。原作も知らない。
 ……どれだけ、こわかったか。
 今までホラーと呼ばれるものを見て、こわいと思ったことなんかなかったんだが、あれだけはこわかった。

 そののち、『リング』がブームになったのも当然だ。
 語らずにはいられない体験だったからだ。
 『リング』を見た、ってだけで、顔を知っている、程度の人ともものすごくアツく語れたもんだったよ。あの恐怖を語りたくてしょーがなかった。
 おもしろいものは、口コミで広がる。
 映画館、あんなに空いてたのにね。若い人しかいなかったな。
 角川映画だし、2本立てでホラーとかいうし、きっとショボい、いつもの日本映画だよね。……なんて想像が吹っ飛んだ。

 しかし。
 ブームになってよくわかんねー類似品が作られたり、あの最悪なテレビドラマが放映されたりして。
 当初の感動は、べつのところへ流れていく。
 とにかくブームだから、映画を見ていない人もストーリーを聞きかじっている。こわいんだ、と想像をふくらませる。
 そこへ、テレビ放送だ。

 ……もったいない。
 しみじみ、思った。

「なーんだ、こわいこわいっていうから期待したのに、ぜんぜんこわくないじゃん」
 CM入りまくりのブチ切れ作品を、明るいお茶の間で家族と喋りながら見て、そう評するわけさ。

 わたしはもともと映画はテレビでは見ない人だったが、このときばかりは実感したね。
 わたしが映画館至上主義者でよかった!
 あれほどの感動(恐怖もまちがいなく感動の一種だ)を得ることができたのは、無名だったときにわざわざ映画館まで行ったからだ。
 そうでなかったら、やはりわたしもテレビでなんとなく見て、「ふーん」ですませていたかもしれない。

 得した。
 テレビでしか見てない、多くの人たちよりも。

 先に見ていた優越感とか、そんなんじゃなくて。
 わたしは利己的だから、そーゆー虚栄よりも「わたしがたくさん感動できて得した」というところに、多くこだわるよ。

 と、長い例題だったが。
 今回の話題はここへ帰着するのだ、『かまいたちの夜』。
 攻略サイトでネタバレを見てしまったわたしは、いわばテレビで映画を見てしまったよーなものなのだ。

 うわーん。
 もったいないよう〜〜。

 
 先生GET〜〜!!

 まだまだ『ときメモ』の話だ。
 『ときメモ』の主人公は高校生、そして舞台は高校だ。だからダーリンたちも当然高校生となる。
 しかし、ふたりだけ年長キャラがいるのだ。
 担任の数学教師(氷の美貌の眼鏡先生・笑)と、学園の理事長さま(口ひげのダンディおじさま)だ。

 今回は、最初から先生狙いではじめた。
 成績がいい子が好きに違いないから、がんがん勉強してパラメータを上げた。先生はクールで、こちらからはデートに誘えないので、休日も勉強一筋。
 退屈なので多少、暇なときにモデル美少年とデートする。
 そうしているうちに、先生はわたしにときめいてくれるようになった。そりゃーもー、すごい勢いでデートに誘いにやってくる。

 しかしこの先生……。
 かわいいのだ。
 ものすっげー、かわいいのだ。

 冷徹な美貌の君で、アンドロイドだという噂まである人なのよ?
 なのに、いったん恋をすると、どんどんコワレてくる。
 そのコワレっぷりがまあ、かわいいやらおかしいやら。

 無事エンディングを迎えたあとに聞くことのできる、担当声優さんのフリートークってのがあるんだがね。
 先生担当の子安武人氏のトークがまた、おかしかった。
 先生というキャラクターのことを「こいつバカです!!」と、言ったあと、力いっぱい爆笑しまくっていた。
 そ、そうか……演じる人からしても、思わず爆笑しちまうよーなバカキャラなのか……。
 そして子安氏、先生のことを「かわいい」と断言。
 そ、そうか……演じる人からしても、かわいいと思えるよーな以下略。

 わたしは声優ファンではないのでよく知らないのだが、子安氏って変わった人だね。
 いきなり「子安武人にょ〜ん」って、「にょ〜ん」ってなによ、にょ〜ん、て。いくつなんだ、この人?(笑)
 また、自分のことを「切れ長の瞳の美形」と表現しているあたり、すごいにょ〜ん。
 なんにせよ愉快でした。

 先生をオトすべく努力しているときの副産物。
 ああら、モデル美少年までがわたしに対してニコニコ状態ですがな!
 うるんだ瞳とはにかんだ表情、そしてもう聞くことはないと思っていたセクスィヴォイスで名前呼ばれちゃいますがな!
 校舎裏の猫のイベント、再び見れちゃうし。

 そっか、モデルくんもパラメータ命の人だっけ。
 成績優秀の優等生になると、勝手に好意を持ってくれるんだ。ろくに口説いてもいないのに。

          ☆

 『かまいたちの夜』は「底蟲村篇」終わり。そいつのエンディングはあとひとつでコンプリート。

 「底蟲村篇」は、顎の落ちる怪獣大決戦でした……。
 子どものころに見た、モスラとかの怪獣映画再び。
 つーか制作者はこれがやりたかったんだろーなー。だって、第一線のクリエイタの人たちって、同世代多いもんな。子どものころに流行ったものを、今の技術を使って自分で創りたいってのは、わかるよ。
 わかるけど……顎は落ちたままだ。

 不明だったNo.8のエンディングも無事に読めた。

          ☆

 さて、今日はゲームよりも実は、仕事に精を出していたんだ、これが(笑)。

「緑野さんは〆切を守って、きちんとお仕事してくださる方なので安心しています」

 と言ってくれた取引会社の担当氏、この台詞に続けてこうも言った。

「きちんとした方だからわたしもつい、安心してしまって、〆切を決めませんでしたよね。そうしたら、2ヶ月近くも音沙汰無しで……。ひょっとして、〆切決めた方が良かったですか?」

 はい。
 〆切があれば、矜持に懸けて仕上げます。仕事します。
 でも、〆切なかったら、後回しにしちゃいます。

 じつは今やってるゲームだって、仕事みたいなもんなんだよ。

「じゃあ〆切を決めます」
 担当氏はすっぱりと日付を言った。
 それに向けて、ゲームに現実逃避しながらも一生懸命お仕事お仕事。

 なんとか完成、メールで送りました。
 〆切も当然クリアー。

 
 バスケ少年GET。

 またしても『ときメモ』です。
 プランスにしろ、バスケ少年にしろ、チョロいです。簡単にときめきモードになりやがる。
 早々にときめいてくれるので、あとが大変。同じイベントを繰り返さなきゃなんないんだもの。
 その点主役格キャラのモデル美少年は、難攻不落だった。ちょっとやそっとじゃオチねえ。

 なんていうか、脇役と主役は書き込みに差があるんだなあ。
 モデル美少年をプレイしたとき、彼のイベントとキャラ描写に感心したんだけど、それって、彼が主役格だったからなのね。
 たとえばプランスなんか、見るからにお笑いバカキャラだから、薄いよー。イベント少ないし(数だけの問題じゃない、中身のあるイベントの数ね)、ドラマもない。
 今回のバスケ少年も、やっぱり薄かった。お約束の範囲で泳がされている感じ。
 もちろん、1回プレイしただけだから、全部のイベントを見たわけじゃないけどさ。
 今のところの印象。

 主役を丁寧に書き込むのは基本だから、正しいんだけどね。

          ☆

 『かまいたちの夜』は、「陰陽篇」をコンプリート。

 「陰陽篇」は不愉快だった。わたし、意味のない虐殺は好きじゃないのよ。
 ホラーってのはそういうもんかもしれないが、こわいというより、不愉快だった。
 血や内臓が飛び散るより、こわいものって、あると思うよ。そしてそういうものの方が、眠れないくらい印象に残るんだがな。
 ただもーえんえんえんえん、無惨に殺される、血の飛び散るシナリオを読んでブルウ。

 で、次に「底蟲村篇」スタート。
 こちらは、パニックホラー? 化け物に追い回されてますが。伝奇モノなんじゃなかったの? 古事記ベースっぽいのに、ひたすらモンスター・パニックものになってる……。
 まだ途中なので、これから伝奇らしくなるのかしら。

 そして、最近思うのだが、わたしは小林さんのファンかもしれない……。
 スタッフも、じつは小林さん好きなんじゃないのか、と思う……。
 あのだらしなくてやさしい、気のいいまぬけオヤジなとこが、スタッフの共感を呼んでいるのではないかと、弟と考察するのだ。

 
 本日は『かまいたちの夜』を重点的にプレイする。

 「わらべ唄篇」をNo.8をのぞいてコンプリート。No.8はどうやったら読めるのかな。弟も、8だけはわからないと言っていた。
 いちばんお気に入りのエンディングは、「キヨ死この夜」だわ。これには素直に笑った。……くだらないんだけどな。

 その足で「陰陽篇」に突入。あら、こちらはホラーなのね。理不尽に殺される殺される。
 個人的に、俊夫さんの最期がいちばんキツかった。グロいっすよー。
 こちらはあっさりエンディング。え、これで終わり? と少々拍子抜け。しょーがないから、あとはエンディングのコンプリートに燃える。

 昨夜から、仕事の企画書作りにアタマを痛める。うおー、なんかなんか、こう、なんか足りないっちゅーか、筆の滑りが悪いぞー。
 とゆーことで、ゲームは息抜きに活用。

 
 本日は、ナルシス・プランスをGET。

 ええ、『ときメモ』です。
 オトせる男たちのなかには、もちろん色物キャラもいる。
 現実にいたら絶対イヤな、お馬鹿キャラ。
 フリルのブラウスを着て、髪を腰まで伸ばし、天才芸術家で「ボク自身が最高の美術品」とのたまう、ほとんどキ*ガイな男。マザコンで「マミー」を連呼。わがままで協調性ナシ。言動は電波系、思考は宇宙人。
 このゲーム、ダーリンの呼び方は、プレーヤーが決められるのね。そのキャラが許しさえすれば。あんまりアホウな呼び方すると、いやがられるのさ。
 で、上記のバカキャラをどう呼ぶか、ニックネームのリストを見たとき、「これしかない!」と思ったのが、「プランス」。フランス語で、王子、よね?

 初対面に毛が生えた程度で「プランス」と呼びかけたのに、この男、拒否しなかったよ……。
 下校デートの誘いは断りやがったくせに、「プランス」と呼ぶのはOKかいっ。

 ふつー、他のキャラならば、親しくないときに渾名で呼びかけると拒絶されるし、それが変な渾名ならなおさら、なんだけどな。
 なのにこいつ、「プランス」一発OKかい。

 なのでわたし、終始一貫して彼を「プランス」と呼び続けました。

 どんどん仲良くなって、「ときめき状態」になってなお、「プランス」。
 最後の「約束の教会」での、愛の告白も、「プランス」。

 どんなにシリアスなシーンでも、わたしの彼への呼びかけは、すべて「プランス」。

 あからさまにバカキャラなので、きっと人気はないだろうな。
 絵のレベルも、主役格の葉月くんと比べると、明らかに低い。手ェ抜いてるよね。この作画は。
 難易度も低めだろう。葉月くんであれだけ苦労したあとだから、あまりに簡単にオトせたので、拍子抜け。

 しかしわたしは、このキャラはけっこー好きなのだ。
 理由は、「バカだから」。
 お馬鹿すぎて、愛しいわ。
 あからさまに手抜きで、笑いをとるためだけのキャラ造形が。

 しかし、プランスとラヴラヴでデートを繰り返しているときも、ふと、葉月くんを思ってせつなくなったりな……(笑)。

          ☆

 セールスマンのおにーさんと、3時間も話し込んでしまった。
 3時間……もっとか?

 わたしは、よくやるんだ、そーゆーの。
 以前、セールス電話をしてきたおねーさんに「仕事以外で電話してもいい?」と言われたこともある。

 喋ることが、好きなのだ。
 人と接するのが好き。

 だから、初対面の人とでも、いくらでもぺらぺら喋る。
 セールスマン相手でも、平気で喋る。
 今日のおにーさんも仕事そっちのけで、たのしそーに喋りまくっていた。
 トシを聞いたら、「26歳」とのこと。
 なーんだ、ガキじゃん、とわたし、それから余裕モード。
 途中、母が乱入して、わたしが今失業中の独身女なんだということを、バラしていきやがる。余計なこと言わなくていいのに。
 仕事の話は、つっこまれたくないのよ。
 そして、独身、つーのも余計なお世話さ。
 お喋りが3時間を超え、仕事を終えた父が乱入してきたあと、さすがにセールスマンくんはおたおたと帰り支度。

 が、ちゃっかり言ってくるのさ、「今度、合コンしません?」と。

 わたしは思わず吹き出す。
「わたしはいいよ。独身の友だちもいっぱいいるよ。でもさ、みんなわたしぐらいか、あるいはわたしより年上だよ? それでもいいの?」
 セールスマンくん、ぎょっとして。
「あのー、あなた、いくつなんですか……?」

 聞いておどろけ、34だ。

 26の君が、ナンパしていいトシじゃねーっつの(笑)。

「すいません、ぼくと同じくらいかと思って話してましたっ。あ、いや、少しは上かなと思ったけど」
 トシの話して「若く見られすぎると、『常識知らずのガキとか、仕事できないバカとかに見られてるみたい』で、感じ悪いよね」という会話をしたあとだ、セールスマンくん、アセるアセる。
 トシより若く見られるのはいつものことなので、わたしはべつにおどろかない。が、彼はいろいろ考えてしまったよーだ。すまんな、年齢不詳で。

「わたしの友だちってさ、40前とかだよ? それでも合コンしたい?」
 26歳に、40歳前はキツイだろ(笑)。セールスマンくん、うなる。
「ぼくは年上好きなんで、ぜんぜんいいんだけど……友だちはイヤがるかも……」
 いいよいいよ、無理すんな。
 人生一期一会だ。
 この話は、聞かなかったことにしよう。前向きに、年相応の女の子をナンパしな(笑)。

 
 緑川ヴォイスのダーリン、GETォ〜〜!!

 弟エンディングを見たあと、プレイを反省し、どーやったら彼の心を得られるのかを考えた。
 そういや、「運動」のパラメータが低かったなー。
 つーことで、1年ばかりさかのぼり、そこから「運動」を上げるように努力。

 そしたら、やってきましたよ、王子様。
 ラストの「約束の教会」へ、目当てのダーリンが。

 はあ。
 緑川ヴォイスで「愛してる」を聞きました。
 おなかいっぱいっす!

 この達成感。

 さて。
 このキャラの名前は、葉月珪くん。第一印象は「キムちゃんと名前が似ている」。……ダメ女ですがな、わたし。
 前にも書いたとおり、絵だけ見ていると最悪ですが、実際に彼と対話してみると、なかなかどーして、せつないっすよ。

 わたし、いかにもなヒーローは好きじゃないのです。
 殿さんと「萌えな男のタイプ」を話していたときに、指摘されたんだけど。

「緑野さんってさ、フアン(by『血と砂』)みたいな男、タイプなんだね」

 …………。
 図星です。

 殿さんには叱られましたさ。
「だめだよ、緑野さん! そーゆー男はダメ! 不幸になるだけだよ」
 って、わたし、殿さんより年上なんだがな……。
 つーか、「萌え」の話だから、現実の男の好みとは微妙にチガウんですけど。殿さん、混同してるよ。

 「萌え」としては。
 ダメダメなヘタレ男が好きなんだ、わたし……。

 弱い男が好きなので、ヒーロータイプの男に興味はないのです。

 少女マンガや、ボーイズものに出てくる攻タイプは、興味の範囲外。
 つまり、美形で背が高くて高収入で地位があって、頭脳明晰スポーツ万能、自信家で強引で誰からも愛されあこがれられているけれどクールで孤高、だけど主人公にだけはやさしい、そーゆー男。
 そーゆーの、いちばんきらい。

 『ときめきメモリアル Girl’s Side』の主役格キャラである葉月くんも、ヒーローだから、このタイプに近い設定がしてある。
 超絶美形でモデルでハイソでハーフだかクォーターだかで成績はいつも首席でスポーツ万能、強引ではないがマイペースで他人の顔色はおかまいなし、クールで孤高だ。
 芸能人で追っかけがいて、女にいつもきゃーきゃー言われ、アイドルの美少女とかも振っちゃってるよーな、そんな男。
 ……設定だけでいえば、大嫌いだぞ(笑)。

 その、わたしにとってはマイナスでしかない設定を背負い、わたしに好意を持たせてしまったのだから、大したもんだ。

 ポイントは、「不器用さ」だ。
 これほどなにもかも持ち合わせているのに、彼はいまひとつ自分の才能を理解していない。周囲が勝手に騒いでいる「美貌」だって、たぶんきっと、本人的にはあまり重要ではないんだろー。つーか、理解していなさそう。
 他人の見る「自分」と、「自分自身」とのギャップを埋められないまま、途方に暮れている不器用な子ども。
 それゆえにどんどん孤立していき、本来の性格も加わって、高嶺の花と成り果てる。そしてその姿は、とても寂しい。

 泣き方を知らないゆえに、他人からやさしくしてもらえない子どもが、主人公を愛することによって少しずつ喜怒哀楽や「他人と関わること」をおぼえていく。
 その不器用さが、せつなくていいのだ。

 あと、主人公の徹底した鈍感ぶりとかな(笑)。
 ふつー、あそこまで言われたら気づくだろー? と、つっこみつつ、無事にエンディングだ。

          ☆

 追記、殿さんの推察。

「緑野さんが、なんでケロを好きなのかわかったよ。ヘタレ男やらせたら、ヅカ一だもんね」
 包容力の男をやらせても、ヅカで5本の指に入ると思うけどな。

 

ゲーム三昧。

2002年7月21日 ゲーム
 オトせないんですけど、目当ての美少年。
 1日『ときメモ』やってました。
 3回目のプレイは、誰もオトせず、エンディングでは弟が迎えに来ました。
 これで3パターンのエンディングGET。
 弟エンディングはそりゃーもーかわいくて、弟萌えハートのある人にはたまらんでしょう。

 目当ては緑川ヴォイスの美少年だが、だんだん他の男たちの魅力もわかってくる。
 ゲームのコツがわかるから、遭遇するイベントの数も増えていくわけだ。すると、他の男たちのエピソードもかいま見ることが出来、どんどんおもしろくなってくる。うーむ。

 『ときめきメモリアルGirl’s Side』をプレイする前に、聞いていたこと。

 「絵が最悪」

 それはわたしも思った。
 最初に見たのはコナミの公式サイトだったんだが、絵を見た途端「ダメだこりゃ」と思ったよ。
 女性用のゲームはPCゲームを中心に増えていってるけど、わたしは大抵、絵を見た段階で興味がなくなる。どーしてどいつもこいつもこう、いやったらしい絵ばかりなんだ。
 『ときメモ』はビッグタイトルだから、多少は期待したんだが、ああやっぱりコナミだ、なんてヘタレ絵。
 コナミって、絵のセンス悪いよね?
 最近マシになってきてるけどさ。『幻水』だって『1』はひどかったじゃん。
 なにはともあれ、正しく『ときメモ』って感じ? 本家本元、男性用ゲームの『ときメモ』は、絵だけ見たら「なんでこれが売れてるの?」と首を傾げてしまうヘタレ絵だもん。
 だから『Girl’s Side』も、絵を見てがっくりしたのさ。
 わたしだけでなく、いろんな人が言う。「絵が最悪」。
 しかし。

 「絵は最悪だが、プレイしてみると気にならなくなる」

 という意見も、やたら耳にした。
 つまりそれって、「おもしろい」ってこと?

 ええ。そのとーりでした。
 実際にプレイしてみたら、あのいやったらしい絵の男の子たちも、かっこよく見えるのさー。不思議ー(笑)。
 緑川ヴォイスの主役格らしい美少年だって、絵だけ見てたら嫌悪感系のいやったらしいビジュアルなのよ。なんだその髪型は、とか、お前首の角度変だよ、とか、デッサン狂ってるよ、とか。
 なのに、そんなキモい絵の彼が、どんどん美しく見えてくる。恋って不思議(笑)。
 特に三等身のデフォルメキャラがかわいいー。

 1回目のプレイでは、誰も口説く気になれなかったのよ。絵がひどいから。
 どの男もいらねーよ、誰も欲しくないからとりあえず、主役格らしい美少年を口説くことにするか、ぐらいの気持ち。
 でも、だんだんこのゲームのキャラたちを愛しいと思えるよーになった。どの子もみんな、かわいいじゃん。
 だから絶対、エンディングが見たいぞ。

 ところで、このゲームは売れているのか?
 ある人に数字を聞いたところ、女性用ゲームとしては破格に売れているらしい。再版に再版を重ねているとか。

 某パソコンショップに勤めている弟にも、聞いてみた。
 『ときメモGirl’s Side』って、売れてるの? と。
 そしたら弟も「売れている」と答える。現場の人間が言うのだから現実味があるよな。弟はあくまでもパソコンが担当なのだが、人手不足なので家庭用ゲームの方も面倒を見ているらしい。
 しかし、弟の勤める店は、とてもじゃないが女の子がやって来るよーなところではない。ついでに言うと、オタク男もやって来ないだろー。オヤジ向けの店なんだよな。
 あんたの店で、なんで売れるのよ? いったい、どんな子が買って行くの?
 と聞くわたしに、弟はなまあたたかい笑いを浮かべて答えた。

「ねーちゃんぐらいの歳の女の人が買っていく」

 そうか……。
 わたしと同年代か……。
 そーだよな、校舎の裏で子猫を飼うクールな美少年、なんてのは、わたしらの子どものころの少女マンガまんまのノリだもんな。

 さあ、いったいどれだけプレイすれば、全員の男の子のエンディングが見られるのだろー。
 わたし、へたっぴなんだよなあ、こういうゲーム。
 『アンジェリーク』だって、途中で投げ出してあるもん。

          ☆

 ところで、『かまいたちの夜2』は、わらべうた篇が無事にエンディングを迎えた。
 ええわたし、よりにもよって『ときメモ』と『かまいたち2』を同時進行でプレイしてます(笑)。雰囲気ちがいすぎるよ、ふたつのゲーム。
 わらべうた篇では、途中1回殺されただけで、あとはすんなりゴールへたどりついた。犯人も、その正体もちゃんと当てました。
 ミステリとしては、『1』より楽?

 
 ちょいと事情があって、『オウガバトル64』を中断。
 かわりに『ときめきメモリアルGirl’s Side』をやっている。

 いやー……どえらいゲームだねええぇ。

 女性向けの、恋愛シミュレーションゲーム。
 主人公の女の子になって、高校の3年間を過ごすわけだな。

 ファーストプレイ時は、自分の名前を入力するようにと言われ、素直に従ったわけなんだが。
 名前をね、呼ばれてしまうわけですよ、ゲーム内のキャラたちに。
 最初は名字を呼ばれているんだが、それがあるときから名前に変わったりしてねえ。いやー、びびるわ。

 わたしはとりあえず、いちばんスタンダードにダーリンキャラらしい男の子をターゲットに決め、せっせと彼にモーションをかけた。
 最初彼は、わたしの名字を呼ぶ。呼び捨てだ。クールっちゅーかぶっきらぼうな美少年。
 だが、わたしに惹かれるに従って、彼の態度が変わってくるのだ。
 あるときわたしは、彼が校舎の裏で捨て猫に話しかけているのを目撃する。(そう、人間嫌いな美少年は、陰で猫を助けているのだ! お約束!)
 しかも彼は、猫にわたしの名前をつけて、話しかけているのだ!(お約束!!)
 どっひゃ〜〜っっ!!!
 コントローラ落としそうになった。
 すばらしい、ベタな展開! ハラショー!

 猫に話しかけているところを見られた彼は、はにかみながらもわたしのことを、名前で呼ぶ。そう、はじめて彼に名前で呼ばれた……。

 ちなみに、その美少年の声は、緑川光。
 彼の声で名前を呼ばれながら、「こりゃー、声優ファンにはたまらんゲームだろーなー」と思った。
 だってさ。
 緑川光に、名前を呼んでもらえることなんて、まずないだろ?
 名字を呼び捨てにされているときだって、「すげーなー、緑川光の声で『緑野』って呼ばれちゃってるよ、あたし」と、自分で自分に感心したもんなあ。
 なのに、次には名前だよ?
 しかも、緑川氏、マジでセクシーにささやきヴォイスでキメてくれてんのよ?
 腰抜けるかと思った……(笑)。

 わたしゃべつに、声優ファンでも緑川氏のファンでもないが、「名前」には破壊力あるなあ。
 あ、もちろん「緑野こあら」なんてアホウなハンドルネームではなく、マジに戸籍通りの本名でプレイしてますの。だから、緑川氏に「名前」を呼ばれると、クるものがありますなあ。しみじみ。

 しかし、セクスィ〜なささやきヴォイスで名前を呼んでくれるのはいいんだが、他の台詞とのギャップがすごいよ。
 「名前」をせつなくもセクシーに呼んだ次の瞬間、淡々としたいつもの話し方に戻るんだもの。名前だけ別録音だから仕方ないんだけどねえ。ちょっと笑える。

 そして、腐ってもヅカファンなわたしは、ジェンヌさんでこーゆーゲーム作ってくれないかなあ、と思うのだった……。
 たのしいと思うけどな、「タカラヅカ学園」が舞台で、そこで3年間、恋や友情に奔走するの……。男役に恋して、娘役と友情して。
 もちろん、この「名前」を呼んでくれるシステムは必須よ。
 オサアサにわたしを取り合ってほしな、とか、ゆーひに冷たくされてみたいなとか、ケロちゃんに甘やかされたいなとか、いろいろ妄想できるんですけど(笑)。

 ところで、記念すべきファーストプレイでは、緑川ヴォイスの美少年はオトせず、速水奨ヴォイスのオカマのデザイナーがわたしを迎えにやって来ました……。

 
 
 なんかゲームづいてるな。
 今日もゲームの話。

 Be-Puちゃんから、『オウガバトル64』を借りている。

 わたし、『タクティクスオウガ』(以下、『Tオウガ』)の大ファンなのね。サターンなんか、『Tオウガ』の専用機にしちゃってるし。
 『Tオウガ』にはまず、なんといっても絵に惚れたの。スーファミで発売したときの、あのパッケージ。しんとした強さと悲しみを秘めた少年と少女、そしてその背後でひるがえる旗。戦火の影。詩的だわ。蓋部分の色もいいの。すべてが好み。
 実際にゲームで動く二等身キャラも、めちゃくちゃかわいい。
 やればやるほどハマる、深いゲームシステム、シビアなバランスと、ストーリー。リアルで魅力的なキャラクター。
 パッケージの少年と少女が、「姉と弟」なのもいい感じ。

 ……そんなわたしだからさ。
 64のこのオウガには、失望したのよ。
 まず、絵。
 なんといっても、絵。

 気持ち悪い。

 なんでこんな絵にしちゃったのよう。いくらシリーズを手がけていた某画伯が大手に行ってしまったからって、他にいなかったの? これよりマシな絵を描く人ぐらい、世界中に五万といるでしょうに。
 ロリロリのアニメ絵でないことだけが、唯一の救いか。……ちっとも救われた気分にならないけどな。
 三等身になったゲームキャラも、なんて気持ち悪い。バランス悪いんだよね。肩幅広すぎ。美少女も美少女に見えない。少年も少年に見えない。みんなマッチョ。こいつもマッチョ、あいつもマッチョ。みーんなムキムキ。
 シナリオはまだ、なにか言えるほど進んでないけど、このやらせ臭さはなんなのか。主人公が軍を裏切ることになるのが、最初からわかりすぎてるよ。味方を「悪」、これでもかと「悪」に描いてる。そして、敵を「善」、こんなにも「善」と、そりゃーもー、偽善たっぷりに描写。「だから、裏切っても仕方ないでしょ」ってなもんだ。
 ストーリーをすすめるために、わざとそうしてるわけだが、あからさますぎて、萎え。
 善悪の立場の危うさが、『Tオウガ』の魅力のひとつだっただけに、この特撮戦隊ヒーローもののよーな善悪の区切り方が残念だ。
 立ち位置が変われば、善悪の区別は変わる。誰もがまちがっているわけではないし、誰もが正しいわけじゃない。……その危うさが、よかったんだよなあ、『Tオウガ』は。主人公と共に苦悩したよ、「わたしはどう生きるべきか」。
 しかしこの『オウガ64』には、それがない……。
 今のところはキャラに魅力も感じないしな。

 とくにあの、王子様。
 あれ、なんですか? オカマ?
 気持ち悪いんですけど。マライヒとかジルベール属性。内股で歩いてそう。
 そして、不気味なほどの、主人公とのラブラブぶり。
 …………制作者はなにか、カンチガイしている?
 かっこいい系主人公が、美少年フリルのブラウス系王子様に「ぼくは君にふさわしい騎士になりたい」「君を守りたいんだ」と言ったら萌えるとでも?
 萌えてるのか? 腐女子のみなさん?
 わたしは逆だ、萎えたし、怒りさえ感じた。
 「どーせオタク女はこーゆーの好きなんだろ、ほら、萌えてみろよ」って、見下されてる気がする。
 いらないよ、据え膳ホモなんか。ぷん。

 王子様が、実は女であることをのぞむ。
 事情があって、男として育てられたの。だからあんなにナヨナヨしてるのよ。オスカルよりはユリウスだもんな、あのナヨっぷりは。
 女ならゆるす。だが、あれで本当に男だったらゆるせん。

 とゆーわたしの主人公率いる騎士団は、「月組騎士団」といいます。
 リカちゃんはナイトで、クレリックのエミクラちゃんを背後にかばいながら、がんがん戦ってます。意外にさららんが強いのだ。
 クレリックが不足してるので、ちずさんや末子はんまでクレリックで癒し系になってますが、どーしてもゆら姐だけは、クレリックにできない。ゆら姐はヴァルキリーで、槍を振り回し先頭に立って殺戮してます。鞭を使ってほしかったんだけどね、ほんとは。
 きりやんはビーストマスターで、スカイという名のワイアームやビッグ・ジュールという名のドラゴンパピーと一緒に戦ってます。
 ケロは忍者、ゆーひはウィザードで攻撃魔法、タニはとにかく成長が遅くて、こいつにだけは回復アイテムを使ってやらないといかんので、金のかかる奴だ。いちばん危険な位置にケロがいるので、ケロはみんなをかばってよく死にます。ごめんよケロ。

 とまあ、こんなふーにたのしんでやってます。
 借りたときは、Be-Puちゃんのプレイしたデータが2つ残ってたんだけど、主人公の名前が「匠」と「ヴィム」だよ……ヴィムの方は「カナリア騎士団」なんだってさ。
 いずこも同じ(笑)。

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