墓穴に横たわる。@おがくず風呂
2003年3月12日 その他 本日は、埋まってきました……。
スパ好き三姉妹で、新規風呂へ。同じ風呂には二度と行かねえ、いつも行ったことのない風呂へ行くぜ!な3人組っす。
長女のワゴンねーちゃんが忙しくて、最近とんとご無沙汰だったんだが、よーやく行くことができました。
おがくず風呂!!
酵素温浴ってやつです。
酵素入りのおがくずのプールに入り、埋められて10数分。しっとり汗をかいて老廃物を出し、美容と健康をGETしちまおう、というスパです。
昨日ちょいとかなしみに暮れ、悪夢にうなされていたわたしは体調悪し。ドア・トゥ・ドアでいつも送り迎えしてくれるワゴンねーちゃんの車で少々酔っておりましたが、おがくず風呂にふつーに入りました。
人間なにごとも体験だ。
おがくずの感触を肌で感じるのだ。どこで役に立つかわかんねーし。(どこでだ?!)
貸してもらったお揃いのヘアキャップと、ムームーみたいな脇下からの貫頭衣だけを身につけて、いざおがくず風呂へ。
見た目はシュールな、温水プールってとこ。温水の代わりに茶色いおがくずが満たしてある。材質は檜と杉だそうだ。酸っぱいよーな臭気。空気は湿気ていて、熱い。おがくずから湯気があがっているのがわかる。
入ってきたわたしたちを見て、スコップを持ったオヤジが2人、おがくず風呂へ分け入る。脛まで沈むのよ。
彼らが墓穴でも掘るかのように黙々と掘った穴に、寝そべるわけだ……死体のように。
促されて、おそるおそるプールへ入る。
おがくずはぬくく、やわらかい。足が沈む。独特の感触。飛び跳ねてみたい欲求にもかられるが……ムームーの下はすっぽんぽんだ。下手に転けてもめくれてもこまる。
埋められる感覚は格別。
無抵抗のわたしと、スコップでかけられる土……じゃなくておかくず。ぬくさとやわらかな重さ、そして臭気。
……この無抵抗感はいいなあ。されるがまま、という(笑)。
最後は手で丁寧に首の下まで埋められ、顔だけ出ている状態に。
ひとりだけ遅れて入ってきたきんどーさんが、今まさに埋められようとしているわたしとワゴンさんを見て爆笑していた。……ああ、わたしも見たいよ、友だちが無防備に埋められている哀れで滑稽な姿を。
ぬくかった……。
15分ほど埋まっていたんだけど、ほんとにぬくかったよ。汗がわいてくるのがわかる。
独特のクッション感は気持ちいい。でも、身動きできないのはちょっとつらい。眠ってしまうにはやっぱ熱いから、起きてるし。となると汗の流れる顔とか、かきたくなってくるし。あ、顔の汗は拭いてもらえるんだけど。
そのあと上体を起こして坐り、半身浴へ。腰から下だけ埋め直されるの。そして係のおばちゃんに、首筋から肩へおがくずをなすりつけるよーに軽いマッサージをしてもらう。
「肩、ぱんぱんに張ってるね」
と驚愕される。ええ。いつでもどこでも、どんな人にも驚愕されます。肩もみ自慢の友人たちがみんな「硬くて指が入らない!」と悲鳴を上げる、筋金入りの凝りまくった鋼鉄の肩っすよ。
たっぷりあったまったあとで、お風呂へGO。
全部脱いで、シャワーあびて、髪もカラダも洗って湯船で一息。
……ショックなことがひとつ。
ババシャツを着ているのは、わたしひとりでした。
ワゴンさんもきんどーさんも、着てなかった……。
てゆーか、わたしひとり着込みすぎ。フリースのジャケットのうえに、ロングコートまで着てたんだよ……あきれられたよ……。
だって昨日寒かったんだもん! 某田舎町がな! 心底凍えたんだよ、宝塚ムラ!!
おがくず風呂の施設はとても民宿テイストでした。
住宅地のど真ん中にあるしさ。
なんかひどく郷愁を感じる建物。スタッフもおっちゃんおばちゃんばかりで、手作り感にあふれている。
みんな親切なんだけど……なんていうか……あか抜けないとゆーかびんぼくさいとゆーか。もっとお洒落なものを想像してたんだがな。
客が意外に多かった。次々とやってくる。常連さんって感じ。金持ちだなー。わしゃ日常的にこの値段出して風呂には入れないよ。
ま、それにしても。
「おがくず」というと、『クーロンズゲート』。
「埋まる」というと、『バロック』。
大好きなゲームを連想してしまうあたり、わたしも業が深いですな。
……なんか『バロック』がやりたくなってきたな……。
ダークでブラックな、ちょっと電波の入ったアクション・ロープレです。わたしのフェイバリット・ゲームのひとつ。
「首の者」を埋めて、「心臓の種」を食べさせたい……。
スパ好き三姉妹で、新規風呂へ。同じ風呂には二度と行かねえ、いつも行ったことのない風呂へ行くぜ!な3人組っす。
長女のワゴンねーちゃんが忙しくて、最近とんとご無沙汰だったんだが、よーやく行くことができました。
おがくず風呂!!
酵素温浴ってやつです。
酵素入りのおがくずのプールに入り、埋められて10数分。しっとり汗をかいて老廃物を出し、美容と健康をGETしちまおう、というスパです。
昨日ちょいとかなしみに暮れ、悪夢にうなされていたわたしは体調悪し。ドア・トゥ・ドアでいつも送り迎えしてくれるワゴンねーちゃんの車で少々酔っておりましたが、おがくず風呂にふつーに入りました。
人間なにごとも体験だ。
おがくずの感触を肌で感じるのだ。どこで役に立つかわかんねーし。(どこでだ?!)
貸してもらったお揃いのヘアキャップと、ムームーみたいな脇下からの貫頭衣だけを身につけて、いざおがくず風呂へ。
見た目はシュールな、温水プールってとこ。温水の代わりに茶色いおがくずが満たしてある。材質は檜と杉だそうだ。酸っぱいよーな臭気。空気は湿気ていて、熱い。おがくずから湯気があがっているのがわかる。
入ってきたわたしたちを見て、スコップを持ったオヤジが2人、おがくず風呂へ分け入る。脛まで沈むのよ。
彼らが墓穴でも掘るかのように黙々と掘った穴に、寝そべるわけだ……死体のように。
促されて、おそるおそるプールへ入る。
おがくずはぬくく、やわらかい。足が沈む。独特の感触。飛び跳ねてみたい欲求にもかられるが……ムームーの下はすっぽんぽんだ。下手に転けてもめくれてもこまる。
埋められる感覚は格別。
無抵抗のわたしと、スコップでかけられる土……じゃなくておかくず。ぬくさとやわらかな重さ、そして臭気。
……この無抵抗感はいいなあ。されるがまま、という(笑)。
最後は手で丁寧に首の下まで埋められ、顔だけ出ている状態に。
ひとりだけ遅れて入ってきたきんどーさんが、今まさに埋められようとしているわたしとワゴンさんを見て爆笑していた。……ああ、わたしも見たいよ、友だちが無防備に埋められている哀れで滑稽な姿を。
ぬくかった……。
15分ほど埋まっていたんだけど、ほんとにぬくかったよ。汗がわいてくるのがわかる。
独特のクッション感は気持ちいい。でも、身動きできないのはちょっとつらい。眠ってしまうにはやっぱ熱いから、起きてるし。となると汗の流れる顔とか、かきたくなってくるし。あ、顔の汗は拭いてもらえるんだけど。
そのあと上体を起こして坐り、半身浴へ。腰から下だけ埋め直されるの。そして係のおばちゃんに、首筋から肩へおがくずをなすりつけるよーに軽いマッサージをしてもらう。
「肩、ぱんぱんに張ってるね」
と驚愕される。ええ。いつでもどこでも、どんな人にも驚愕されます。肩もみ自慢の友人たちがみんな「硬くて指が入らない!」と悲鳴を上げる、筋金入りの凝りまくった鋼鉄の肩っすよ。
たっぷりあったまったあとで、お風呂へGO。
全部脱いで、シャワーあびて、髪もカラダも洗って湯船で一息。
……ショックなことがひとつ。
ババシャツを着ているのは、わたしひとりでした。
ワゴンさんもきんどーさんも、着てなかった……。
てゆーか、わたしひとり着込みすぎ。フリースのジャケットのうえに、ロングコートまで着てたんだよ……あきれられたよ……。
だって昨日寒かったんだもん! 某田舎町がな! 心底凍えたんだよ、宝塚ムラ!!
おがくず風呂の施設はとても民宿テイストでした。
住宅地のど真ん中にあるしさ。
なんかひどく郷愁を感じる建物。スタッフもおっちゃんおばちゃんばかりで、手作り感にあふれている。
みんな親切なんだけど……なんていうか……あか抜けないとゆーかびんぼくさいとゆーか。もっとお洒落なものを想像してたんだがな。
客が意外に多かった。次々とやってくる。常連さんって感じ。金持ちだなー。わしゃ日常的にこの値段出して風呂には入れないよ。
ま、それにしても。
「おがくず」というと、『クーロンズゲート』。
「埋まる」というと、『バロック』。
大好きなゲームを連想してしまうあたり、わたしも業が深いですな。
……なんか『バロック』がやりたくなってきたな……。
ダークでブラックな、ちょっと電波の入ったアクション・ロープレです。わたしのフェイバリット・ゲームのひとつ。
「首の者」を埋めて、「心臓の種」を食べさせたい……。
わたしの見る夢は、いつも総天然色だ。
そしていつもストーリーがある。
そしていつも、おもしろい。
時間と気力のあるときは、夢を書き留めたりしてたんだけどねえ。
書いたからって、なにがあるわけでもないんだよな。
言葉が追いつかないっていうか、イメージはちっとも伝わらず、記憶は失われていく。
続きを見たい夢がいっぱいあるよ。
解きたい謎がいっぱいあるよ。
夢の中で会う人、あれはいったいなんなんだろう。
さっきうたた寝しているときに会った人たち。
彼らはなにをどーやって、わたしの夢に出てきたんだ?
知らない人たちだった。
他の登場人物はみんな知っている人たちばかりだったのに、ふたりだけ新しい人と出会った。
マンションでひとり暮らしをしている濃い顔立ちの男の子。ダンスか俳優の養成所に通っているらしい。背はわたしよりも低い。年齢は20代半ばくらい?
彼の部屋に当たり前に出入りしている、30歳くらいの女性。恋人ではなく、近所の友人らしい。ごはんを作ったりしているそうな。髪は長くて自然な茶色。服装はフェミニンなスーツ。
わたしは何故か、ベランダから彼らの部屋に遊びに行き、挨拶をする。
はじめまして、お噂はかねがね。
今ちょうど話していたとこなのよー、まざっていきなよー。
6畳の狭い和室には、スーツや派手系の服が壁いっぱいに吊られている他はひどく殺風景な、男のひとり暮らし。
……ストーリー的には、うちの弟の友人ってことで、つながっているんだけどね。
それはともかく、なんで「彼ら」なんだろうってことが疑問。
実際にそんな友人が弟にいないだろうことは、確認しなくてもわかる。だってただの夢だからな。
ストーリーや設定はどうでもいいの。ただの夢だから。
でもさ、なんで彼らは「顔」があるの?
名前があるときもあるしさ。
現実にこれだけたくさんの人がいて「顔」があるなかで、なんでまたわたしは、わざわざその「顔」を夢の中で作り出したんだ?
知ってる人とか芸能人とか、誰にも似てなかったぞ?
なんでわざわざ、彼らに会ったの、わたし?
わたしの頭の中で、なにが起こっているの?
無意識のキャスティング機能が働き、「この設定、この役割にはこんな顔」って合成されたりしているのかしら。
それくらいなら、知ってる顔や芸能人をそのままスライドしてきてくれてもいいのにな。
いちいち統計はとっていないので、どんな夢をよく見るかはおぼえていないけど、「車窓」と「移動する箱」の夢はよく見たな。
エレベータだったりジェットコースターだったりもするけど、とにかく動く箱の中にいる。窓がある場合は電車なんだろうな。
殺人事件もわりとある。解決に乗り出すのだ。
夢の中で本を読むことも多い。いつも最後まで読めない。くやしい。
そういや最近、「地球を救う夢」はあまり見なくなったな。
そしていつもストーリーがある。
そしていつも、おもしろい。
時間と気力のあるときは、夢を書き留めたりしてたんだけどねえ。
書いたからって、なにがあるわけでもないんだよな。
言葉が追いつかないっていうか、イメージはちっとも伝わらず、記憶は失われていく。
続きを見たい夢がいっぱいあるよ。
解きたい謎がいっぱいあるよ。
夢の中で会う人、あれはいったいなんなんだろう。
さっきうたた寝しているときに会った人たち。
彼らはなにをどーやって、わたしの夢に出てきたんだ?
知らない人たちだった。
他の登場人物はみんな知っている人たちばかりだったのに、ふたりだけ新しい人と出会った。
マンションでひとり暮らしをしている濃い顔立ちの男の子。ダンスか俳優の養成所に通っているらしい。背はわたしよりも低い。年齢は20代半ばくらい?
彼の部屋に当たり前に出入りしている、30歳くらいの女性。恋人ではなく、近所の友人らしい。ごはんを作ったりしているそうな。髪は長くて自然な茶色。服装はフェミニンなスーツ。
わたしは何故か、ベランダから彼らの部屋に遊びに行き、挨拶をする。
はじめまして、お噂はかねがね。
今ちょうど話していたとこなのよー、まざっていきなよー。
6畳の狭い和室には、スーツや派手系の服が壁いっぱいに吊られている他はひどく殺風景な、男のひとり暮らし。
……ストーリー的には、うちの弟の友人ってことで、つながっているんだけどね。
それはともかく、なんで「彼ら」なんだろうってことが疑問。
実際にそんな友人が弟にいないだろうことは、確認しなくてもわかる。だってただの夢だからな。
ストーリーや設定はどうでもいいの。ただの夢だから。
でもさ、なんで彼らは「顔」があるの?
名前があるときもあるしさ。
現実にこれだけたくさんの人がいて「顔」があるなかで、なんでまたわたしは、わざわざその「顔」を夢の中で作り出したんだ?
知ってる人とか芸能人とか、誰にも似てなかったぞ?
なんでわざわざ、彼らに会ったの、わたし?
わたしの頭の中で、なにが起こっているの?
無意識のキャスティング機能が働き、「この設定、この役割にはこんな顔」って合成されたりしているのかしら。
それくらいなら、知ってる顔や芸能人をそのままスライドしてきてくれてもいいのにな。
いちいち統計はとっていないので、どんな夢をよく見るかはおぼえていないけど、「車窓」と「移動する箱」の夢はよく見たな。
エレベータだったりジェットコースターだったりもするけど、とにかく動く箱の中にいる。窓がある場合は電車なんだろうな。
殺人事件もわりとある。解決に乗り出すのだ。
夢の中で本を読むことも多い。いつも最後まで読めない。くやしい。
そういや最近、「地球を救う夢」はあまり見なくなったな。
年齢を誤魔化しますか?
サバを読みますか?
友人オレンジの載ったマンガ雑誌のアンケートを出した。
マンガ家はアンケートが命、その順位によって命運が決まる。
これまでも、彼女の掲載された雑誌はできるだけ買い、アンケートを出してきた。
だがなオレンジよ。
なんであんたは少女マンガ家なんだ? 載っている雑誌が10代の少女向けなんだ?
おばさん、きついよ。アンケートに答えるの(笑)。
以前、彼女が某大手少女マンガ雑誌で書いていたころ、何ヶ月おきかで掲載されるたびにいそいそアンケートを出していたのだが。
そのときもさ、大変だったよ。
だって「今、あなたの学校で流行っているものを教えてください」とか質問されるんだよ?
今、学校で? 行ってねーよ、学校なんて(泣)。卒業して久しいよ。
トシ相応の答えをしていいなら、楽なんだが。
「少女マンガ雑誌を読むにふさわしい年齢を詐称して書くように」
と、指導を受けているのさ。
高年齢者に支持されるマンガ家、というレッテルを持ちたくないというのだ。雑誌の対象年齢者にファンが多い、というイメージが大切なため。
それに下手にトシを書いて、友だちだってバレてもイカンしな。
だから泣く泣く、若者を詐称してアンケートに答える。「学校で流行っているもの」を想像して書く。……きつい。
今回は少女向けえっち雑誌ってことで、質問が全部えっち系だった。遠い目。
19歳を詐称するわたしは、「今の19歳のコのえっち観はどんなもんじゃろなー」とか思いながら書いた。何人経験しているのが、リアルですか? どんなプレイにあこがれているのがリアルですか、世の10代のお嬢さんたち? ばばあにはわかりません。
わたしが年齢詐称をするのは、友人のためのアンケートのときのみです。
あとは、誤魔化したことない。
どうも人間、二手に分かれるようで。
誤魔化す人と、誤魔化さない人。
そしてどうもわたしは、誤魔化す人とは性格的に合わないようだ。
今までの経験上。
わたしが苦手なタイプのひとたち、彼女たちがそろって詐称組だったんだよなー。
わたしより年上だったのに、アンケートで書くときはいつも「25歳」。
合コンでは「トシは言わないように」と箝口令。
人の目はそんなに気になりますか。
ってゆーか、そんなに「よく見られたい」ですか。
いろんなものでヨロイを作り、硬い棘で周りにぶつかり、なぎ倒しながら生きる。
「女はトシをサバ読んで当たり前」だと思いこんでいるから、わたしがふつーにトシを答える事実に驚愕していた。「なんで正直に答えるの、緑野ちゃんってバカ?」てな。
わたしからすりゃ、「嘘をついて当たり前」なあなたたちの感性に驚きましたが。
そういった人とはどんどん疎遠になり、友だちづきあいがつづくのは、トシを誤魔化さずに生きている人たちばかりになった。
ありのままの自分で、ふつーに生きている人たち。大した自分じゃないが、わざわざ実際以上に「よく見せよう」とはしない、ふつーな生き方。
つーか、年齢が恥ずかしい、とは思うのよ。
わたしは35だが、「35歳の大人の女性として、自分は至らなさ過ぎる」という、恥ずかしさ。
もっとオトナになれ、自分! と、いつも思う。
そういう意味ではいつも恥ずかしいと思っているが、トシを誤魔化すお嬢さんたち、あれはもっと別の意味よねえ。
だって35を32だって言ったって、「大人の女性」にはちがいがないから、至らなさ加減は同じじゃん。
あ、そか。わたしの場合、恥ずかしいのは年齢じゃなくて自分か。至らない自分が恥ずかしいんだ。今ごろ気づくあたりが恥。
とにかくわたしはこれからも、トシを誤魔化さずに生きていきたい。
つーか至らない自分をなんとかして、年相応な人間になりたい。
友人のためのアンケートでは、少女になって苦悩するけれど。
……ほんとに苦悩。途方に暮れる質問ばかりだった……(笑)。
サバを読みますか?
友人オレンジの載ったマンガ雑誌のアンケートを出した。
マンガ家はアンケートが命、その順位によって命運が決まる。
これまでも、彼女の掲載された雑誌はできるだけ買い、アンケートを出してきた。
だがなオレンジよ。
なんであんたは少女マンガ家なんだ? 載っている雑誌が10代の少女向けなんだ?
おばさん、きついよ。アンケートに答えるの(笑)。
以前、彼女が某大手少女マンガ雑誌で書いていたころ、何ヶ月おきかで掲載されるたびにいそいそアンケートを出していたのだが。
そのときもさ、大変だったよ。
だって「今、あなたの学校で流行っているものを教えてください」とか質問されるんだよ?
今、学校で? 行ってねーよ、学校なんて(泣)。卒業して久しいよ。
トシ相応の答えをしていいなら、楽なんだが。
「少女マンガ雑誌を読むにふさわしい年齢を詐称して書くように」
と、指導を受けているのさ。
高年齢者に支持されるマンガ家、というレッテルを持ちたくないというのだ。雑誌の対象年齢者にファンが多い、というイメージが大切なため。
それに下手にトシを書いて、友だちだってバレてもイカンしな。
だから泣く泣く、若者を詐称してアンケートに答える。「学校で流行っているもの」を想像して書く。……きつい。
今回は少女向けえっち雑誌ってことで、質問が全部えっち系だった。遠い目。
19歳を詐称するわたしは、「今の19歳のコのえっち観はどんなもんじゃろなー」とか思いながら書いた。何人経験しているのが、リアルですか? どんなプレイにあこがれているのがリアルですか、世の10代のお嬢さんたち? ばばあにはわかりません。
わたしが年齢詐称をするのは、友人のためのアンケートのときのみです。
あとは、誤魔化したことない。
どうも人間、二手に分かれるようで。
誤魔化す人と、誤魔化さない人。
そしてどうもわたしは、誤魔化す人とは性格的に合わないようだ。
今までの経験上。
わたしが苦手なタイプのひとたち、彼女たちがそろって詐称組だったんだよなー。
わたしより年上だったのに、アンケートで書くときはいつも「25歳」。
合コンでは「トシは言わないように」と箝口令。
人の目はそんなに気になりますか。
ってゆーか、そんなに「よく見られたい」ですか。
いろんなものでヨロイを作り、硬い棘で周りにぶつかり、なぎ倒しながら生きる。
「女はトシをサバ読んで当たり前」だと思いこんでいるから、わたしがふつーにトシを答える事実に驚愕していた。「なんで正直に答えるの、緑野ちゃんってバカ?」てな。
わたしからすりゃ、「嘘をついて当たり前」なあなたたちの感性に驚きましたが。
そういった人とはどんどん疎遠になり、友だちづきあいがつづくのは、トシを誤魔化さずに生きている人たちばかりになった。
ありのままの自分で、ふつーに生きている人たち。大した自分じゃないが、わざわざ実際以上に「よく見せよう」とはしない、ふつーな生き方。
つーか、年齢が恥ずかしい、とは思うのよ。
わたしは35だが、「35歳の大人の女性として、自分は至らなさ過ぎる」という、恥ずかしさ。
もっとオトナになれ、自分! と、いつも思う。
そういう意味ではいつも恥ずかしいと思っているが、トシを誤魔化すお嬢さんたち、あれはもっと別の意味よねえ。
だって35を32だって言ったって、「大人の女性」にはちがいがないから、至らなさ加減は同じじゃん。
あ、そか。わたしの場合、恥ずかしいのは年齢じゃなくて自分か。至らない自分が恥ずかしいんだ。今ごろ気づくあたりが恥。
とにかくわたしはこれからも、トシを誤魔化さずに生きていきたい。
つーか至らない自分をなんとかして、年相応な人間になりたい。
友人のためのアンケートでは、少女になって苦悩するけれど。
……ほんとに苦悩。途方に暮れる質問ばかりだった……(笑)。
そして、仕事の最終日。
前日の段階で、「コレはいける」という手応えを持っていたんだわ。
だからわりと安心してたんだけど……いやあ……最後の最後に、あんなに苦しむとわ。
ラブシーンなんか大嫌いだ。
今回の仕事がここまで大変だったのは、もうひとつの仕事でひどい目に遭ったせい。そっちのおかげで、スケジュールのしわ寄せが全部こっちに来た……。
4日で10万4244文字書いたことになるな。もちろん、書き直した分は含まれていない。できあがり文字数。
400字詰め原稿用紙換算だと、260枚か。
へとへとだニャ。
今回もまた、死兆星を見たよ……。
前日の段階で、「コレはいける」という手応えを持っていたんだわ。
だからわりと安心してたんだけど……いやあ……最後の最後に、あんなに苦しむとわ。
ラブシーンなんか大嫌いだ。
今回の仕事がここまで大変だったのは、もうひとつの仕事でひどい目に遭ったせい。そっちのおかげで、スケジュールのしわ寄せが全部こっちに来た……。
4日で10万4244文字書いたことになるな。もちろん、書き直した分は含まれていない。できあがり文字数。
400字詰め原稿用紙換算だと、260枚か。
へとへとだニャ。
今回もまた、死兆星を見たよ……。
ひさしぶりにやりました、原稿消失。
昔のワープロとちがって、今は自動バックアップがあるからってんで、油断してました。
書きかけの原稿を開いたまま、ビデオの配線をいじってたの。
んで、ふとパソコンの画面を見ると、ものすごい勢いで字が消えていっていた。
目を疑ったね。
カーソルが高速移動して、字を消していってるのよ。
なんの悪夢??
こたえは、Deleteキーの上に、モノが落ちてたの。
ずーっとDeleteキーが押された状態になっていたわけさ。
いやー……。
ヘコんだねーっ。
突如電源が落ちたとか、パソがフリーズしたとかなら、自動バックアップがあるけどさ、Deleteキーはどうにもならん。人間が作為的に消したものまで、機械は面倒見てくれねーよ。
まあ、一括消去ではなくDeleteだったから、消えたのは2p強。確定履歴を引っ張り出したりして、1p弱は復元したけど、残りは完全消失。
たった1pちょっとの消失。
……とはいえ、ヘコむ。同じモノは二度と書けない。
どう書き直しても、消えたモノ以下の出来という気がしてならない……。めそ。
ああ、映画に行きたいなああ。せっかくの水曜日なのになああ。
昔のワープロとちがって、今は自動バックアップがあるからってんで、油断してました。
書きかけの原稿を開いたまま、ビデオの配線をいじってたの。
んで、ふとパソコンの画面を見ると、ものすごい勢いで字が消えていっていた。
目を疑ったね。
カーソルが高速移動して、字を消していってるのよ。
なんの悪夢??
こたえは、Deleteキーの上に、モノが落ちてたの。
ずーっとDeleteキーが押された状態になっていたわけさ。
いやー……。
ヘコんだねーっ。
突如電源が落ちたとか、パソがフリーズしたとかなら、自動バックアップがあるけどさ、Deleteキーはどうにもならん。人間が作為的に消したものまで、機械は面倒見てくれねーよ。
まあ、一括消去ではなくDeleteだったから、消えたのは2p強。確定履歴を引っ張り出したりして、1p弱は復元したけど、残りは完全消失。
たった1pちょっとの消失。
……とはいえ、ヘコむ。同じモノは二度と書けない。
どう書き直しても、消えたモノ以下の出来という気がしてならない……。めそ。
ああ、映画に行きたいなああ。せっかくの水曜日なのになああ。
宿題が溜まっていく。
したいこと、しなければならないことが溜まっていくのだ。
今は仕事優先。仕事が終わるまでは我慢。
……そうやって、なにもかも先送りにしていく。
それが、宿題。
部屋を掃除したい。ビデオの整理がしたい。ヅカの感想ノートの整理がしたい、本が読みたい、ゲームがしたい、新しい小説が書きたい、例の話を友だちに愚痴りたい、メールを書きたい……山積みだ。
暇なときは、なにもしないでだらだらしているくせに。
時間がないときだけ、したいことが溜まっていく。
てゆーか。
部屋、すでに足の踏み場ないんやけど……掃除できるの、いつだ?
したいこと、しなければならないことが溜まっていくのだ。
今は仕事優先。仕事が終わるまでは我慢。
……そうやって、なにもかも先送りにしていく。
それが、宿題。
部屋を掃除したい。ビデオの整理がしたい。ヅカの感想ノートの整理がしたい、本が読みたい、ゲームがしたい、新しい小説が書きたい、例の話を友だちに愚痴りたい、メールを書きたい……山積みだ。
暇なときは、なにもしないでだらだらしているくせに。
時間がないときだけ、したいことが溜まっていく。
てゆーか。
部屋、すでに足の踏み場ないんやけど……掃除できるの、いつだ?
雑誌に載せるからアンケートに答えろと言われていた。
自作の苦労した点だとか、見所だとかを教えろというのだ。
まあ、そのへんの問いにはてきとーに答えた。
引っかかったのは、最後の設問。
自作をアピールしろという。
…………できません。
ただでさえ今、ヘコんでるもんで。
仕事の担当さんからアンケートを催促され、正直に現状を語ったら。
叱られました。ははは。
そうだよね、ヘコんでちゃだめなんだよねえ。
叱ってくれる人がいるのは、ありがたいことだ。
そして、最後の設問は担当氏に振ってしまいました。……だって代わりに書いてくれるってゆーんだもん。
しかも、書いてくれたやつを見たら、すげーうまいんだ。あっ、こうくるか!って感じ。
ありがとうライスさん! さすがプロだねえ。わたしが書きそうなことを、きれいにまとめてくれたわ。
他人の「いい仕事」を見るとファイトがわくんだよね。
わたしもがんばらなければ、と。
とはいえ、今はどん底なんだけどな。
いつ浮上できるだろう。
自作の苦労した点だとか、見所だとかを教えろというのだ。
まあ、そのへんの問いにはてきとーに答えた。
引っかかったのは、最後の設問。
自作をアピールしろという。
…………できません。
ただでさえ今、ヘコんでるもんで。
仕事の担当さんからアンケートを催促され、正直に現状を語ったら。
叱られました。ははは。
そうだよね、ヘコんでちゃだめなんだよねえ。
叱ってくれる人がいるのは、ありがたいことだ。
そして、最後の設問は担当氏に振ってしまいました。……だって代わりに書いてくれるってゆーんだもん。
しかも、書いてくれたやつを見たら、すげーうまいんだ。あっ、こうくるか!って感じ。
ありがとうライスさん! さすがプロだねえ。わたしが書きそうなことを、きれいにまとめてくれたわ。
他人の「いい仕事」を見るとファイトがわくんだよね。
わたしもがんばらなければ、と。
とはいえ、今はどん底なんだけどな。
いつ浮上できるだろう。
おめでとうおめでとう。@殿さん結婚式。
2003年2月15日 その他 花嫁のブーケをGETしました。
殿さんの結婚式にて。
わたし、じつはブーケトスって初体験なのよね。
今まで出席した結婚式ではみんな、「ブーケトスには問題があるのでやりません」ってのばっかだった。
「問題」ってのがなにか、聞き返したことがないので真実は知らないが、やっぱけが人とかが出たら責任取れないってことなんだろうな。
でも、殿さんはたのしそーにブーケを投げました。
んで、わたしがGET。
……そりゃーね、このわたしが手を伸ばせば、他の誰の手にも触れないうちにぶんどることができますわよ。わたしの真上には飛んでこなかったけど、横から手を伸ばしたらひょいっと取れた。
節分の福餅まきのときも思ったけど、わたしけっこー野球の才能あるのかしら……。
お式は愉快で、花嫁はキュート。花婿は可憐(笑)。
式の最後の「両親への手紙」で場内を爆笑させた花嫁は他に知らないし、強く漢らしい笑顔の花嫁の横で、感極まって泣き出す花婿といい、なんてお似合いのカップルでしょう。ふたりの未来に幸あれ。
友だちのデイジーちゃん他と、披露宴のテーブルが違ったの。なんで? わたしとかねすきさんとふたりだけ、わざわざ知らない人ばっかのテーブルに配置されてしまった理由は?
……答えはじきにわかりました。
わたしたちのテーブル、全員同業者でした。
披露宴の最中だってのに、はじまる名刺交換。「〆切」という縁起の悪い言葉があちこちから聞こえる(笑)。
「だって、名刺を持ってこいって花嫁から言われてましたから」
と、その日お知り合いになった同業者のかわいいお嬢さん、まりもさんは言う。
そうなのか。それでいいのか、披露宴。それでいいのか、花嫁。
わたしは財布に名刺を入れっぱなしにしていたから、なんとかその名刺交換会でも役に立ったが、かねすきさんは「なんでみんな名刺持ってるの? わたし持ってない」と残念そうでした。
その、ひとり名刺を持っていないかねすきさん。
交換する名刺はなくても、攻男パワーは健在でした(注・かねすきさんは妙齢の女性です)。
出席していた美女たちの名刺を次々にGETし、口説きまくる。かねすきさんはナチュラルにイタリア男ですから!! チャーミングな女性がいたら、口説かないと相手に失礼だと思っているナイスガイなのです(注・かねすきさんは妙齢の女性です)。
次から次へと出てくる「タカラヅカも真っ青」な殺し文句の数々に、女性陣は黄色い声をあげます。「作品に使いたいから、メモをとりたい」と言うお嬢さんがいるあたり、腐っても同業者ですが(笑)。
そして正直者のかねすきさん。
女の子は一通り口説いているよーに見えても、実はしっかり選り好みしています。好みじゃない人には、絶対口説き文句は言わないのさー(笑)。
「かねすきさんたらねえ、まりもさんのことはえんえん口説くけど、その横にいるリュウさんは絶対口説かないんだよー」
と、ライカちゃんにこっそり言うと、ライカちゃんはとっても強くうなずいてました。
「だってリュウさんは攻ですから。攻のかねすきさんから見れば、漢同士ですよ。漢は漢のことを『かわいい』とか『きれい』とか言いません。言うのはボーイズの中だけです」
な、なるほど。かねすきさんとリュウさんは漢同士として対峙していたのね。(注・ふたりとも妙齢の女性です)
さて、そのかねすきさんは二次会には不参加。
残念だねええ。
二次会はコスプレOK、メイドさんが総勢9人もいたんだよー。
ミニスカのメイドたちを束ねるのは、もっとも短いスカートを穿いた(ぱんつ見えそう……)本日の主役、花嫁だ!!
いやあ……すごいことになってたよ。
花嫁のコスプレがいちばん過激だった(笑)。
そして、個人的にいちばんかわいかったのが、我が友デイジーちゃん!!
アンミラ風のメイドコス、似合いすぎ。
コート姿で店に来た彼女をつかまえ、
「脱げ、早く脱げ、早く脱いでメイド姿を見せろ」
と、コートをひんむいてしまいました。
彼女のコートは着物のように帯を結ぶタイプだったのでお代官様のよーに、腕の中で彼女をくるくる回して脱がせました。ハァハァ。
デイジーちゃん、巨乳なんだもんよ!!
しかもアンミラ風っすよ。
エプロンドレスは乳の下、でかい乳がエプロンの上にたわわにのっかっている状態。しかも彼女は外人風の美人さん。
「今まで巨乳って言われると否定してたんだけど、もう認めました」
と言うデイジーちゃん。サイズはFカップだそーだ。よきかなよきかな。
そーいや先日の某パーティで友人のひかるちゃんがセクシーなドレス姿を披露、目のやり場にこまったもんだが、彼女のサイズはなんと「Hカップ」だそーだ。
H……Hって、いくつだ……? と、指折り数えちゃったよ。
いやあ、最近の若い娘さんたちは発育がいいねえ。おばさん、Hカップ様に頬ずりさせてもらっちゃったよ。すんげーやらわかい(笑)。
んで、Fカップのメイド美女デイジーちゃんとは、抱き合って記念撮影。
わたしはその日、「なんちゃって男役」のブラウス姿でしたしな。わかりやすいからか、初対面の人から「男役」として扱われておりました。「男役」だから、美女をはべらして良いんだと。……そうなのか?
「でも緑野さん、男役を通り越しておじさん入ってます……」
と言われ。
とほほ。
なんとも愉快な二次会でした。
……恒例の主役カップルについてのクイズでは、答えがちがうものがけっこーあったよーな気がするんだけどなあ。
まあいいや。人前では言えない真実もあるんだろうってことで(笑)。
ところで。
花嫁のブーケってさ、もらったはいいけど、どうすりゃいいの?
生花なら枯れりゃ捨てればいいが、……造花だもんよー。ただ埃っぽくなってくだけじゃん。
捨てていいもんなの?
でもそれってなんか、縁起悪いしなあ……。
つーかわたし、嫁に行けるのか?
殿さんの結婚式にて。
わたし、じつはブーケトスって初体験なのよね。
今まで出席した結婚式ではみんな、「ブーケトスには問題があるのでやりません」ってのばっかだった。
「問題」ってのがなにか、聞き返したことがないので真実は知らないが、やっぱけが人とかが出たら責任取れないってことなんだろうな。
でも、殿さんはたのしそーにブーケを投げました。
んで、わたしがGET。
……そりゃーね、このわたしが手を伸ばせば、他の誰の手にも触れないうちにぶんどることができますわよ。わたしの真上には飛んでこなかったけど、横から手を伸ばしたらひょいっと取れた。
節分の福餅まきのときも思ったけど、わたしけっこー野球の才能あるのかしら……。
お式は愉快で、花嫁はキュート。花婿は可憐(笑)。
式の最後の「両親への手紙」で場内を爆笑させた花嫁は他に知らないし、強く漢らしい笑顔の花嫁の横で、感極まって泣き出す花婿といい、なんてお似合いのカップルでしょう。ふたりの未来に幸あれ。
友だちのデイジーちゃん他と、披露宴のテーブルが違ったの。なんで? わたしとかねすきさんとふたりだけ、わざわざ知らない人ばっかのテーブルに配置されてしまった理由は?
……答えはじきにわかりました。
わたしたちのテーブル、全員同業者でした。
披露宴の最中だってのに、はじまる名刺交換。「〆切」という縁起の悪い言葉があちこちから聞こえる(笑)。
「だって、名刺を持ってこいって花嫁から言われてましたから」
と、その日お知り合いになった同業者のかわいいお嬢さん、まりもさんは言う。
そうなのか。それでいいのか、披露宴。それでいいのか、花嫁。
わたしは財布に名刺を入れっぱなしにしていたから、なんとかその名刺交換会でも役に立ったが、かねすきさんは「なんでみんな名刺持ってるの? わたし持ってない」と残念そうでした。
その、ひとり名刺を持っていないかねすきさん。
交換する名刺はなくても、攻男パワーは健在でした(注・かねすきさんは妙齢の女性です)。
出席していた美女たちの名刺を次々にGETし、口説きまくる。かねすきさんはナチュラルにイタリア男ですから!! チャーミングな女性がいたら、口説かないと相手に失礼だと思っているナイスガイなのです(注・かねすきさんは妙齢の女性です)。
次から次へと出てくる「タカラヅカも真っ青」な殺し文句の数々に、女性陣は黄色い声をあげます。「作品に使いたいから、メモをとりたい」と言うお嬢さんがいるあたり、腐っても同業者ですが(笑)。
そして正直者のかねすきさん。
女の子は一通り口説いているよーに見えても、実はしっかり選り好みしています。好みじゃない人には、絶対口説き文句は言わないのさー(笑)。
「かねすきさんたらねえ、まりもさんのことはえんえん口説くけど、その横にいるリュウさんは絶対口説かないんだよー」
と、ライカちゃんにこっそり言うと、ライカちゃんはとっても強くうなずいてました。
「だってリュウさんは攻ですから。攻のかねすきさんから見れば、漢同士ですよ。漢は漢のことを『かわいい』とか『きれい』とか言いません。言うのはボーイズの中だけです」
な、なるほど。かねすきさんとリュウさんは漢同士として対峙していたのね。(注・ふたりとも妙齢の女性です)
さて、そのかねすきさんは二次会には不参加。
残念だねええ。
二次会はコスプレOK、メイドさんが総勢9人もいたんだよー。
ミニスカのメイドたちを束ねるのは、もっとも短いスカートを穿いた(ぱんつ見えそう……)本日の主役、花嫁だ!!
いやあ……すごいことになってたよ。
花嫁のコスプレがいちばん過激だった(笑)。
そして、個人的にいちばんかわいかったのが、我が友デイジーちゃん!!
アンミラ風のメイドコス、似合いすぎ。
コート姿で店に来た彼女をつかまえ、
「脱げ、早く脱げ、早く脱いでメイド姿を見せろ」
と、コートをひんむいてしまいました。
彼女のコートは着物のように帯を結ぶタイプだったのでお代官様のよーに、腕の中で彼女をくるくる回して脱がせました。ハァハァ。
デイジーちゃん、巨乳なんだもんよ!!
しかもアンミラ風っすよ。
エプロンドレスは乳の下、でかい乳がエプロンの上にたわわにのっかっている状態。しかも彼女は外人風の美人さん。
「今まで巨乳って言われると否定してたんだけど、もう認めました」
と言うデイジーちゃん。サイズはFカップだそーだ。よきかなよきかな。
そーいや先日の某パーティで友人のひかるちゃんがセクシーなドレス姿を披露、目のやり場にこまったもんだが、彼女のサイズはなんと「Hカップ」だそーだ。
H……Hって、いくつだ……? と、指折り数えちゃったよ。
いやあ、最近の若い娘さんたちは発育がいいねえ。おばさん、Hカップ様に頬ずりさせてもらっちゃったよ。すんげーやらわかい(笑)。
んで、Fカップのメイド美女デイジーちゃんとは、抱き合って記念撮影。
わたしはその日、「なんちゃって男役」のブラウス姿でしたしな。わかりやすいからか、初対面の人から「男役」として扱われておりました。「男役」だから、美女をはべらして良いんだと。……そうなのか?
「でも緑野さん、男役を通り越しておじさん入ってます……」
と言われ。
とほほ。
なんとも愉快な二次会でした。
……恒例の主役カップルについてのクイズでは、答えがちがうものがけっこーあったよーな気がするんだけどなあ。
まあいいや。人前では言えない真実もあるんだろうってことで(笑)。
ところで。
花嫁のブーケってさ、もらったはいいけど、どうすりゃいいの?
生花なら枯れりゃ捨てればいいが、……造花だもんよー。ただ埃っぽくなってくだけじゃん。
捨てていいもんなの?
でもそれってなんか、縁起悪いしなあ……。
つーかわたし、嫁に行けるのか?
出会ったものすべてが、わたしの血肉になるのだ。
2003年1月28日 その他 情緒不安定。
精神、肉体とも限界の壁を見る。
だからこそ人生は意味があるのであろー。
WHITEちゃん、わたしはいろいろ考えさせられたよ。ほんと。
とりあえず、おなかが空いたからなんか食べるかな。
戦いはまだつづくのだから。
とまあ、つぶやきだけの日記。
精神、肉体とも限界の壁を見る。
だからこそ人生は意味があるのであろー。
WHITEちゃん、わたしはいろいろ考えさせられたよ。ほんと。
とりあえず、おなかが空いたからなんか食べるかな。
戦いはまだつづくのだから。
とまあ、つぶやきだけの日記。
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因果応報。悪いのはわたしさ。
2003年1月26日 その他 いろんなことが一時に押し寄せてきた。
今わたしは仕事で逼迫している。
仕事を人生の最優先事項のひとつに置いているわたしにとって、今この瞬間、仕事を邪魔するものには、非人間的感情を持つ。
人間として、それはまずいと思うけど、でもわたしにとっては仕事が大切なんだ。
わたしが男なら、まちがいなく仕事のために女房子どもを泣かしていただろうよ。
恋より家庭より、仕事の方が大事さ。
わたしの生きている意味だからな。
しかし、その仕事を一時投げ出して、モロモロのコトにあたる。
自業自得の騒動なんだが、今このときだということが、泣けるほど痛い。
他のときなら、わたしはこんなに苦しくなかった。
何故今なんだ。
命を削って戦っている今、何故コレがやってくるんだ。
気力が尽きたら、最悪の事態になる。
わかっているから、精根尽き果てるまで努力した。
……したが。
結果は、芳しくなかった。
疲労だけが溜まり、泣きたい気分でメールチェックをしたら、唯一心の支えにしていた人から、デートのキャンセルのメールがきていた。
「泣いていいですか……?」
思わず、遠い目をしてつぶやいちゃったよ。
疲労が突き抜けていたせいで、涙は出なかったけどな。
今わたしは仕事で逼迫している。
仕事を人生の最優先事項のひとつに置いているわたしにとって、今この瞬間、仕事を邪魔するものには、非人間的感情を持つ。
人間として、それはまずいと思うけど、でもわたしにとっては仕事が大切なんだ。
わたしが男なら、まちがいなく仕事のために女房子どもを泣かしていただろうよ。
恋より家庭より、仕事の方が大事さ。
わたしの生きている意味だからな。
しかし、その仕事を一時投げ出して、モロモロのコトにあたる。
自業自得の騒動なんだが、今このときだということが、泣けるほど痛い。
他のときなら、わたしはこんなに苦しくなかった。
何故今なんだ。
命を削って戦っている今、何故コレがやってくるんだ。
気力が尽きたら、最悪の事態になる。
わかっているから、精根尽き果てるまで努力した。
……したが。
結果は、芳しくなかった。
疲労だけが溜まり、泣きたい気分でメールチェックをしたら、唯一心の支えにしていた人から、デートのキャンセルのメールがきていた。
「泣いていいですか……?」
思わず、遠い目をしてつぶやいちゃったよ。
疲労が突き抜けていたせいで、涙は出なかったけどな。
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WHITEちゃんが、高校生にまちがえられたらしい。
某アーティストのライヴに行ったところ、隣の席のお嬢さんに「アタシ高2。アンタは高校何年?」と聞かれたそうな。
ひゃひゃひゃひゃ。
高校生か。それはすごいな。
んで、なんて答えたの? と問えば。
「高3、って言っておいた」
嘘つき、嘘つき、嘘つき〜〜!!(笑)
34のくせに。その子の親世代だっつーのに。
今日、家族の食卓でその話をした。
「思わず『嘘つき〜っ』って叫んじゃったよ(笑)」
てなふーに言ってると、横で聞いていた弟が。
「それをアンタが言うか」
ああ? わたしはトシごまかしてないし、高校生にまちがえられることだってありえないぞ?
「性別はまちがえられるくせに」
いつの話だ、それはっ。
いつまでもネタにするってことは弟よ、ひょっとしてアンタ、女らしい姉が欲しかったのか? つーか、「姉」とゆーものにドリーム持ってんじゃねーか?
マンガやドラマに出てくるよーなたおやかな「姉」は、昭和時代の遺物だぞ?
弟がネタを振ったので、父も母もよろこんでノッてくる。ええいっ、そんなに娘が男に間違えられた話をするのがたのしいかっ。
だがここで父が、
「娘よ、お前はまだ男にまちがえられただけですんでよかったよ。父の知り合いなんかはな……」
と話し出した。
父の友人が、息子と歩いていたときのこと。
「おや、**さん。また奥さん替えたんですか?」
と、言われた、そうな。
…………。
どこをつっこめばいいのだ、その話は。
その息子くんは、華奢でかわいい、イマドキの男の子だったそーな。
だから、「女の子」にまちがえられた。
そればかりか、父親の「奥さん」だと思われた。
「父親と歩いていて、奥さんと呼ばれた青年より、お前はまだマシだろー?」
と、MY父は言う。
そりゃ、それよりはマシだがな。
しかしそんなことよりも。
「『また』ってのがいちばん問題なんじゃないのか、それは?」
「複数回、奥さんを替えているということだよな、それって」
「で、見知らぬ女と歩いていたら、イコール新しい奥さん、と思われるよーな人生を送る中年男……」
わたしと弟は、ふたりでひそひそ話しました。
某アーティストのライヴに行ったところ、隣の席のお嬢さんに「アタシ高2。アンタは高校何年?」と聞かれたそうな。
ひゃひゃひゃひゃ。
高校生か。それはすごいな。
んで、なんて答えたの? と問えば。
「高3、って言っておいた」
嘘つき、嘘つき、嘘つき〜〜!!(笑)
34のくせに。その子の親世代だっつーのに。
今日、家族の食卓でその話をした。
「思わず『嘘つき〜っ』って叫んじゃったよ(笑)」
てなふーに言ってると、横で聞いていた弟が。
「それをアンタが言うか」
ああ? わたしはトシごまかしてないし、高校生にまちがえられることだってありえないぞ?
「性別はまちがえられるくせに」
いつの話だ、それはっ。
いつまでもネタにするってことは弟よ、ひょっとしてアンタ、女らしい姉が欲しかったのか? つーか、「姉」とゆーものにドリーム持ってんじゃねーか?
マンガやドラマに出てくるよーなたおやかな「姉」は、昭和時代の遺物だぞ?
弟がネタを振ったので、父も母もよろこんでノッてくる。ええいっ、そんなに娘が男に間違えられた話をするのがたのしいかっ。
だがここで父が、
「娘よ、お前はまだ男にまちがえられただけですんでよかったよ。父の知り合いなんかはな……」
と話し出した。
父の友人が、息子と歩いていたときのこと。
「おや、**さん。また奥さん替えたんですか?」
と、言われた、そうな。
…………。
どこをつっこめばいいのだ、その話は。
その息子くんは、華奢でかわいい、イマドキの男の子だったそーな。
だから、「女の子」にまちがえられた。
そればかりか、父親の「奥さん」だと思われた。
「父親と歩いていて、奥さんと呼ばれた青年より、お前はまだマシだろー?」
と、MY父は言う。
そりゃ、それよりはマシだがな。
しかしそんなことよりも。
「『また』ってのがいちばん問題なんじゃないのか、それは?」
「複数回、奥さんを替えているということだよな、それって」
「で、見知らぬ女と歩いていたら、イコール新しい奥さん、と思われるよーな人生を送る中年男……」
わたしと弟は、ふたりでひそひそ話しました。
引き続き東京でお仕事。
担当さんと午前中はショッピング・デート(語弊アリ)のあと、午後からまた某社で会議。
わたしの心は。
「月組が観たい……」
せっかくせっかく東京なのにー。交通費も宿泊費も食費も全部会社持ち旅行だから、財布に余裕だってあるのにー。
実は鞄にこっそり、オペラグラスだって忍ばせてきていたのにー。
観られませんでした。
そんな時間なかったさ。めそ。
明日は休演日だから、自力で1泊しても意味ないしな。
オレンジにも会えなかったし、ほんとに2日間仕事漬けて帰宅。
いろいろと残念ナリ。
担当さんと午前中はショッピング・デート(語弊アリ)のあと、午後からまた某社で会議。
わたしの心は。
「月組が観たい……」
せっかくせっかく東京なのにー。交通費も宿泊費も食費も全部会社持ち旅行だから、財布に余裕だってあるのにー。
実は鞄にこっそり、オペラグラスだって忍ばせてきていたのにー。
観られませんでした。
そんな時間なかったさ。めそ。
明日は休演日だから、自力で1泊しても意味ないしな。
オレンジにも会えなかったし、ほんとに2日間仕事漬けて帰宅。
いろいろと残念ナリ。
突然ですが、東京に行ってました。
仕事で。
あこがれのクリエイター氏に会えるかと期待してたんですが、ダメでした。しょぼん。
そーだよな、忙しいあの方がわたしみたいな木っ端作家に会ってくれるわけないよな……。
でもいいんだ、長年のあこがれの君、大ファンのクリエイター氏のプロジェクトの一端に関わることができるんだから。がんばるぞー。
それにしても、担当さんとこの日最後の打ち合わせをしたのはホテルのわたしの部屋で、ホテルに入ったのが午後11時半過ぎ、終わったのは午前1時過ぎでした。
フロントのにーちゃんには確実に誤解されてるだろーな……仕事でこの時間に男が女の部屋にいるとは思わんよな、ふつー。
仕事で。
あこがれのクリエイター氏に会えるかと期待してたんですが、ダメでした。しょぼん。
そーだよな、忙しいあの方がわたしみたいな木っ端作家に会ってくれるわけないよな……。
でもいいんだ、長年のあこがれの君、大ファンのクリエイター氏のプロジェクトの一端に関わることができるんだから。がんばるぞー。
それにしても、担当さんとこの日最後の打ち合わせをしたのはホテルのわたしの部屋で、ホテルに入ったのが午後11時半過ぎ、終わったのは午前1時過ぎでした。
フロントのにーちゃんには確実に誤解されてるだろーな……仕事でこの時間に男が女の部屋にいるとは思わんよな、ふつー。
最近JRは事故多いよなあ。@忘年会
2002年12月14日 その他 さて今日は、忘年会。
梅田に集合……しよーとしたら、事故で電車遅れまくり。
早めに着いて買い物するはずだったんだがな……。
集まったのはいつものメンバー。
あらっちときんどーさんという第九メンバー+テルちゃん、星子ちゃんといういぢめっこコンビ(笑)、そして幹事のピンクちゃん。
前回の「しいたけ狩り」(11/4)において財布を忘れて「忘年会幹事決定!」したピンクちゃんが、仕切ってくれました、ハワイ料理のお店。
口うるさい松竹ちゃんと、「アタシ、誘ってもらってない。ピンクちゃんはアタシが嫌いなんだわ」と嘆きつづけていたキティちゃんは不参加。
ピンクちゃんはキティちゃんにもメールを送ったそうだが、未着だったらしい。「1万人の第九」のときだか、キティちゃんがいじけていたのを聞いて、わたしがピンクちゃんに問い合わせた。あわてたピンクちゃんはキティちゃんに連絡を取り直し、機嫌を直すよーに言ったが……。
「結局不参加?」
「そーなのぉ。『誘ってもらってない』、って文句はしこたま言ってたけど、『その日は用事があるの』だそうよぉ」
いやあ、キティちゃんらしいオチだ。彼女の場合、こーゆー言動をとっても許されるのだ。キャラクターで。
みんな、個性のキツい人ばかり。
キャラがかぶってないって、いいなあ(笑)。
ピンクちゃんは「いじめられっ子」。なんか知らんが、「いじめてオーラ」をいつも全開にしている。ナチュラル・セクシーで、あまえっこ。芸能人で言うと、酒井若菜系。合コンの華(笑)。
いじめっ子コンビ、テルちゃんと星子ちゃんの合い言葉は、「ピンクをいぢめに行かなきゃな」だ。ふたりとも「デキる女系」のOL。外見もびしりとしているし、言うこともキツイ。
テルちゃんなんかはいかにも「女史」という外見をしている。眼鏡に凝っていて、わざと「ザマス系」眼鏡をかけては、さらに「女史」ぶりに磨きをかけている。(わたしはテルちゃんのクールビューティな外見が、実に好みだ・笑)
ふたりのツッコミは苛烈で、コンボ攻撃をされるとわたしでさえマットに沈む。一撃だぞ。
きんどーさんは、われらグループの良心。大柄な体格と顔立ち、おかーさんのよーなあたたかさで、おおらかにみんなを見守っている。でも地味〜に変な人。
わたしにとって、きんどーさんは秤のよーな人だ。きんどーさんに嫌われるよーなことがあれば、わたしはわたしを許せないだろう。つまりそれくらい、わたしは彼女の公正さと寛大さに心酔している。ついでに顔も好みだ(カエル顔は好きなのー・笑)。
あらっちはグループの癒し系。ここにいてくれるだけでいいの、あなたがいると場が和むのよー。個性のキツすぎる面子の中で、唯一マトモな人。でも意外に大食らい(笑)。
今回集まったのは6人。
……食い過ぎです、あんたたち。
その昔わたしが名付けた「ポチ」という名の携帯電話を、星子ちゃんは今も愛用中。
……なんでポチなんだろうねえ。前後の脈絡は忘れたが、ハシゴした何件目かのバーで、わたしが勝手に名付けた……んだよね?
酔っぱらいのしたことだ、深く追及するな、ピンクちゃん。
「ねーねー、どーしてポチなのぉ? 緑野ちゃん、酔っぱらうとおもしろいんだってぇ? ねえねえ、どうおもしろいのぉ?」
舌っ足らずなあまえた声で、会うたびに聞かれるんだが。悪いな、理由はわたしもおぼえてねーよ。ついでに、あそこまで酔うことはそうそうないよ。
いじめっ子の星子ちゃんは会うたびに、
「ほーら緑野ちゃん、ポチだよーん」
と言って携帯を見せてくれるしなっ。
ねえねえ、次はいつ会うの?
わたしは君たちと一緒にいるのが大好きだよ。
「次はクリスマス・イヴとか? 予定丸空きだよーん」
「あたしもー」
「空いてるよー」
……ってオマエら、いいトシしてそれはどうかと思うが……。
わたし?
もちろん空いてるよっ。
呼んでくれたら、どこでも行くぞ(笑)。
梅田に集合……しよーとしたら、事故で電車遅れまくり。
早めに着いて買い物するはずだったんだがな……。
集まったのはいつものメンバー。
あらっちときんどーさんという第九メンバー+テルちゃん、星子ちゃんといういぢめっこコンビ(笑)、そして幹事のピンクちゃん。
前回の「しいたけ狩り」(11/4)において財布を忘れて「忘年会幹事決定!」したピンクちゃんが、仕切ってくれました、ハワイ料理のお店。
口うるさい松竹ちゃんと、「アタシ、誘ってもらってない。ピンクちゃんはアタシが嫌いなんだわ」と嘆きつづけていたキティちゃんは不参加。
ピンクちゃんはキティちゃんにもメールを送ったそうだが、未着だったらしい。「1万人の第九」のときだか、キティちゃんがいじけていたのを聞いて、わたしがピンクちゃんに問い合わせた。あわてたピンクちゃんはキティちゃんに連絡を取り直し、機嫌を直すよーに言ったが……。
「結局不参加?」
「そーなのぉ。『誘ってもらってない』、って文句はしこたま言ってたけど、『その日は用事があるの』だそうよぉ」
いやあ、キティちゃんらしいオチだ。彼女の場合、こーゆー言動をとっても許されるのだ。キャラクターで。
みんな、個性のキツい人ばかり。
キャラがかぶってないって、いいなあ(笑)。
ピンクちゃんは「いじめられっ子」。なんか知らんが、「いじめてオーラ」をいつも全開にしている。ナチュラル・セクシーで、あまえっこ。芸能人で言うと、酒井若菜系。合コンの華(笑)。
いじめっ子コンビ、テルちゃんと星子ちゃんの合い言葉は、「ピンクをいぢめに行かなきゃな」だ。ふたりとも「デキる女系」のOL。外見もびしりとしているし、言うこともキツイ。
テルちゃんなんかはいかにも「女史」という外見をしている。眼鏡に凝っていて、わざと「ザマス系」眼鏡をかけては、さらに「女史」ぶりに磨きをかけている。(わたしはテルちゃんのクールビューティな外見が、実に好みだ・笑)
ふたりのツッコミは苛烈で、コンボ攻撃をされるとわたしでさえマットに沈む。一撃だぞ。
きんどーさんは、われらグループの良心。大柄な体格と顔立ち、おかーさんのよーなあたたかさで、おおらかにみんなを見守っている。でも地味〜に変な人。
わたしにとって、きんどーさんは秤のよーな人だ。きんどーさんに嫌われるよーなことがあれば、わたしはわたしを許せないだろう。つまりそれくらい、わたしは彼女の公正さと寛大さに心酔している。ついでに顔も好みだ(カエル顔は好きなのー・笑)。
あらっちはグループの癒し系。ここにいてくれるだけでいいの、あなたがいると場が和むのよー。個性のキツすぎる面子の中で、唯一マトモな人。でも意外に大食らい(笑)。
今回集まったのは6人。
……食い過ぎです、あんたたち。
その昔わたしが名付けた「ポチ」という名の携帯電話を、星子ちゃんは今も愛用中。
……なんでポチなんだろうねえ。前後の脈絡は忘れたが、ハシゴした何件目かのバーで、わたしが勝手に名付けた……んだよね?
酔っぱらいのしたことだ、深く追及するな、ピンクちゃん。
「ねーねー、どーしてポチなのぉ? 緑野ちゃん、酔っぱらうとおもしろいんだってぇ? ねえねえ、どうおもしろいのぉ?」
舌っ足らずなあまえた声で、会うたびに聞かれるんだが。悪いな、理由はわたしもおぼえてねーよ。ついでに、あそこまで酔うことはそうそうないよ。
いじめっ子の星子ちゃんは会うたびに、
「ほーら緑野ちゃん、ポチだよーん」
と言って携帯を見せてくれるしなっ。
ねえねえ、次はいつ会うの?
わたしは君たちと一緒にいるのが大好きだよ。
「次はクリスマス・イヴとか? 予定丸空きだよーん」
「あたしもー」
「空いてるよー」
……ってオマエら、いいトシしてそれはどうかと思うが……。
わたし?
もちろん空いてるよっ。
呼んでくれたら、どこでも行くぞ(笑)。
絵を描くより、デザインする方が好きだと気づいたのは、オトナになってからだもんなあ。
2002年12月8日 その他 買ったばかりのDVDレコーダーと遊ぶ傍ら、年賀状のことを考える。
わたしは、年賀状を作るのが好きだ。
年に一度の、自己表現の場だからだ。
子どものころから、年賀状とはひたすら自己表現の場だった。
記憶にあるいちばん最初の年賀状は、手作りのゴム版画だった。
既存の型をなぞるのではなく、自分で下絵から描いた。……もちろん、思った通りになんかできなかったが、それでも「自分だけのオリジナルである」ということに満足していた。
ゴム版画の腕は年々上がっていき、MY彫刻刀セットを持っている、変な小学生だった。
次に、プリントごっこ時代に突入。1版300円ほどのコストがかかるため、多版刷りはできない。せいぜい2版まで。わずか2回の印刷で、どれだけイメージ通りの作品を作るかに燃える。
これが中高校生くらいかな。
このへんではまだ、わりとふつーの年賀状の枠内のものを作っていたな。絵には凝っていたけど。
次に、プリントごっこ+手塗り時代。
周りの影響で、マンガを描いていたため、年賀状にもマンガ絵を描くよーになる。
だがマンガ絵といっても、そのときの流行ジャンルのキャラクターを描くのではなく、普遍的なキャラをチョイスした。スナフキン、ドラえもんなど。
しかもこのあたりから、コピー、キャッチフレーズに凝るよーになる。
一般広告を作るよーなハートで、年賀状を作る。
おかげで、「あけましておめでとう」などの定例句は存在せず、「新年」をイメージさせる別の言葉を使うようになった。
セピアカラーで統一した画面に、スナフキンの横顔と背中で、コピーが1文。「歌え、夜明けの歌を…」は、今思うとものすげーイタタな恥ずかしさに満ちているが、当時のインパクトは絶大だった。
反響がすごかったっす。友人の家族とかから感想をいただいたり、あれから10何年経つ今でも、友人たちの口に上ったりする。
このあたり、年賀状コンクール(かなりローカル)の入選常連となる(笑)。
スナフキンの反響と、コンクール入選に味を占めて以来、わたしの年賀状は「広告系」一直線となる。
「新年」をテーマにしたキャッチフレーズと、絵。
毎年切り口を変え、見た人に発見や感動を与えるものを! と凝りに凝り出す(笑)。
ここ10数年の自作年賀状を改めて見てみたんだけど……。
いやあ……どれも香ばしいですわ。
カンチガイしまくりっていうか。
まともな年賀状は1枚もない。
でも、今後も続行予定。
ひとりくらい、こんなヤツがいてもいいでしょう、ってことで(笑)。
年賀状は、年に一度の自己表現の場。
わたしには必要なの。
「緑野の年賀状をたのしみにしている」
「今年、喪中なんだけど、緑野の年賀状だけは欲しいから、こっそり送ってくれない?」
「緑野の年賀状のファンだから」
などと言われ、毎年腕まくりして作ってるんだよ、お客さん!
ひとさまによろこんでもらえる、たのしみにしてもらえるって、うれしいじゃない!
年に一度だもん、がんばれるよ。
近年はパソコンを使って作っているので、さらに広告系一直線だなー。
もう絵は描かなくなっているので、文字だけでデザイン、文字で絵を描く感覚。
今まで作った年賀状関係の中で、もっとも反響が大きかったのが、わたしが生まれてはじめて作った「喪中はがき」。
育ての親でもあった祖母が亡くなった年に、作ったもの。
わたしが年賀状がオリジナルであることにこだわるのは、母の影響が大きい。
わたしの母もずっと、ひたすらオリジナルなものを作り続けてきた人だ。
彼女が言っていたんだ。
「喪中はがきって、もらうひとがもっともつまらないはがきだと思うわ。暗いデザインの紙面に、淡々と事務連絡が書いてあるだけだもの」
そこが日本人の謙虚さなのかしら。自分の「かなしみ」を他人には伝えず、儀礼のみにこだわる。
だけど、ただの事務連絡ではなく、そこに「心」を載せたい。母はそう言うのだ。また、そういう喪中はがきを受け取ることがあれば、お悔やみの言葉は儀礼の域を超えて真摯なモノになるのに、と。
その母が、わたしより先に「オリジナルな喪中はがき」を作って見せた。
正直、ショックだった。
わたしはクリエイターとしての母を尊敬している。母個人にはモニョるところはかなりあるんだが(笑)、クリエイターとしては、尊敬してるんだよ。
その母の才能と実力を、見せつけられたのな。
……泣いたもん。母の喪中はがき見て。
端正ななかに、哀惜が詰められていたわ。
それを見て、対抗心が沸いた。
負けるもんか、と。
純粋に、「ものを創る人間」として、かきたてられたんだよ。
いいモノを見て刺激を受けたら、それを吐き出したくて仕方なくなるから。
そうやって作った、渾身の「喪中はがき」。
効果絶大。
何年も会っていない、「年賀状友だち」から手紙がきたり、電話がきたり。
いろんな人から「感動した」「泣いた」と言われた。
喪中はがきでファンレターもらうヤツ、そうそういないだろうなあ……。
わたしにしろ母にしろ、この喪中はがきでファンレターを複数いただきました。
弟が心底あきれた顔で、「これだから物書きってヤツは……」とつぶやいていたのが、印象的。
身内の死を利用したとか、そんなわけではないのよ。
素直なかなしみを、ありのままに表現したのよ。
そして「死」は、誰もが経験するかなしみごと。
わたしや母の表現した「かなしみ」は、それを受け取った人にも無関係な感情ではなかった。
大切な人を失ったことのある人が、その記憶を揺さぶられて、感想をつづってくれたりしたよ。
何故かなしかったのか。それは、そのひとを愛していたから。
よみがえるかなしみは、愛情の確認でもある。
「泣きました」と、読んでるこっちもが泣けてくるような手紙をもらったりしたなあ。
そーいや文字だけのはがきを作った最初が、その喪中はがきだったな。それまでは自作イラスト付きだった。
わたしは文章を書くのが本業なんだと、そのとき再確認したわけだ。
以来、文字だけの年賀状作りに専念してきた。
さて。
今年はどーしよーかなー。
去年作った、「2002年版年賀状」は、今見ても凝りすぎだと思う(笑)。とてもじゃないが、こんなのは毎年作ってられない。
もっとシンプルに、かつインパクトのある、わたしらしい年賀状。
……猫の写真でも使おうかなぁ……。←ありがち(笑)。
わたしは、年賀状を作るのが好きだ。
年に一度の、自己表現の場だからだ。
子どものころから、年賀状とはひたすら自己表現の場だった。
記憶にあるいちばん最初の年賀状は、手作りのゴム版画だった。
既存の型をなぞるのではなく、自分で下絵から描いた。……もちろん、思った通りになんかできなかったが、それでも「自分だけのオリジナルである」ということに満足していた。
ゴム版画の腕は年々上がっていき、MY彫刻刀セットを持っている、変な小学生だった。
次に、プリントごっこ時代に突入。1版300円ほどのコストがかかるため、多版刷りはできない。せいぜい2版まで。わずか2回の印刷で、どれだけイメージ通りの作品を作るかに燃える。
これが中高校生くらいかな。
このへんではまだ、わりとふつーの年賀状の枠内のものを作っていたな。絵には凝っていたけど。
次に、プリントごっこ+手塗り時代。
周りの影響で、マンガを描いていたため、年賀状にもマンガ絵を描くよーになる。
だがマンガ絵といっても、そのときの流行ジャンルのキャラクターを描くのではなく、普遍的なキャラをチョイスした。スナフキン、ドラえもんなど。
しかもこのあたりから、コピー、キャッチフレーズに凝るよーになる。
一般広告を作るよーなハートで、年賀状を作る。
おかげで、「あけましておめでとう」などの定例句は存在せず、「新年」をイメージさせる別の言葉を使うようになった。
セピアカラーで統一した画面に、スナフキンの横顔と背中で、コピーが1文。「歌え、夜明けの歌を…」は、今思うとものすげーイタタな恥ずかしさに満ちているが、当時のインパクトは絶大だった。
反響がすごかったっす。友人の家族とかから感想をいただいたり、あれから10何年経つ今でも、友人たちの口に上ったりする。
このあたり、年賀状コンクール(かなりローカル)の入選常連となる(笑)。
スナフキンの反響と、コンクール入選に味を占めて以来、わたしの年賀状は「広告系」一直線となる。
「新年」をテーマにしたキャッチフレーズと、絵。
毎年切り口を変え、見た人に発見や感動を与えるものを! と凝りに凝り出す(笑)。
ここ10数年の自作年賀状を改めて見てみたんだけど……。
いやあ……どれも香ばしいですわ。
カンチガイしまくりっていうか。
まともな年賀状は1枚もない。
でも、今後も続行予定。
ひとりくらい、こんなヤツがいてもいいでしょう、ってことで(笑)。
年賀状は、年に一度の自己表現の場。
わたしには必要なの。
「緑野の年賀状をたのしみにしている」
「今年、喪中なんだけど、緑野の年賀状だけは欲しいから、こっそり送ってくれない?」
「緑野の年賀状のファンだから」
などと言われ、毎年腕まくりして作ってるんだよ、お客さん!
ひとさまによろこんでもらえる、たのしみにしてもらえるって、うれしいじゃない!
年に一度だもん、がんばれるよ。
近年はパソコンを使って作っているので、さらに広告系一直線だなー。
もう絵は描かなくなっているので、文字だけでデザイン、文字で絵を描く感覚。
今まで作った年賀状関係の中で、もっとも反響が大きかったのが、わたしが生まれてはじめて作った「喪中はがき」。
育ての親でもあった祖母が亡くなった年に、作ったもの。
わたしが年賀状がオリジナルであることにこだわるのは、母の影響が大きい。
わたしの母もずっと、ひたすらオリジナルなものを作り続けてきた人だ。
彼女が言っていたんだ。
「喪中はがきって、もらうひとがもっともつまらないはがきだと思うわ。暗いデザインの紙面に、淡々と事務連絡が書いてあるだけだもの」
そこが日本人の謙虚さなのかしら。自分の「かなしみ」を他人には伝えず、儀礼のみにこだわる。
だけど、ただの事務連絡ではなく、そこに「心」を載せたい。母はそう言うのだ。また、そういう喪中はがきを受け取ることがあれば、お悔やみの言葉は儀礼の域を超えて真摯なモノになるのに、と。
その母が、わたしより先に「オリジナルな喪中はがき」を作って見せた。
正直、ショックだった。
わたしはクリエイターとしての母を尊敬している。母個人にはモニョるところはかなりあるんだが(笑)、クリエイターとしては、尊敬してるんだよ。
その母の才能と実力を、見せつけられたのな。
……泣いたもん。母の喪中はがき見て。
端正ななかに、哀惜が詰められていたわ。
それを見て、対抗心が沸いた。
負けるもんか、と。
純粋に、「ものを創る人間」として、かきたてられたんだよ。
いいモノを見て刺激を受けたら、それを吐き出したくて仕方なくなるから。
そうやって作った、渾身の「喪中はがき」。
効果絶大。
何年も会っていない、「年賀状友だち」から手紙がきたり、電話がきたり。
いろんな人から「感動した」「泣いた」と言われた。
喪中はがきでファンレターもらうヤツ、そうそういないだろうなあ……。
わたしにしろ母にしろ、この喪中はがきでファンレターを複数いただきました。
弟が心底あきれた顔で、「これだから物書きってヤツは……」とつぶやいていたのが、印象的。
身内の死を利用したとか、そんなわけではないのよ。
素直なかなしみを、ありのままに表現したのよ。
そして「死」は、誰もが経験するかなしみごと。
わたしや母の表現した「かなしみ」は、それを受け取った人にも無関係な感情ではなかった。
大切な人を失ったことのある人が、その記憶を揺さぶられて、感想をつづってくれたりしたよ。
何故かなしかったのか。それは、そのひとを愛していたから。
よみがえるかなしみは、愛情の確認でもある。
「泣きました」と、読んでるこっちもが泣けてくるような手紙をもらったりしたなあ。
そーいや文字だけのはがきを作った最初が、その喪中はがきだったな。それまでは自作イラスト付きだった。
わたしは文章を書くのが本業なんだと、そのとき再確認したわけだ。
以来、文字だけの年賀状作りに専念してきた。
さて。
今年はどーしよーかなー。
去年作った、「2002年版年賀状」は、今見ても凝りすぎだと思う(笑)。とてもじゃないが、こんなのは毎年作ってられない。
もっとシンプルに、かつインパクトのある、わたしらしい年賀状。
……猫の写真でも使おうかなぁ……。←ありがち(笑)。
自分で接続するの、考えてみればはじめてだ……。
2002年12月7日 その他 あ、あれ?
なんかまた、カウンターの調子がおかしい?
よくおぼえてないんだけど、1日で100ぐらい進んでないか?
この日記を読んでいるとわかっているのは、今のところかねすきさんと、そのお友だち1人のみ。
まさか、わたしの友人誰かがたどりついて、過去日記を読んだんじゃあるまいな、と戦々恐々。
日記のことは、ほとんど誰にも言っていないのだが……。バレてたりするのかしら。
それとも、ぜんぜん知らない人に笑われているのかなとか、思ってみたり。
まあ、オレンジに「こんな内容の日記書いてる」と言ったところ、「アンタそれ、めちゃくちゃイタイよ」と太鼓判押されたしな。
匿名だからできる、Web日記。責任のないところで、アタマの体操。文章書くのって、アタマつかうからさ。(そうとも、こんな日記でもアタマ使ってるかんな!)
☆
さて、本日念願のDVDレコーダー到着!
ついに買いました、物欲のかたまり。
悩んだあげく、パナにしました。HS2。
こいつに決めるまで紆余曲折、いろいろあったんだけどねー。なんか運命的に、決まってしまいました。
到着したならば、接続しなければ。使えるようにしなければ。
てなわけで、1日がかりで自力接続。
ただテレビに接続すればいいわけじゃないからね。
2台のビデオデッキも活かし、WOWOWだのBSだの、コピーガード・キャンセラーだの……いろんなものに接続しなきゃならない。
となると、移動させなきゃならない家具なんかも出てきて……うおーっ、大騒動だぞっ?!
引き続き風邪で体調が悪いときに、うれしがってそんなことをするもんだから、途中頭痛と吐き気でうずくまるハメにもなり……。
それでもなんとか、接続完了。
さあこれから、デジタル・ライフがはじまるのだ。
(……にしても、メディアが高いなぁ……)
なんかまた、カウンターの調子がおかしい?
よくおぼえてないんだけど、1日で100ぐらい進んでないか?
この日記を読んでいるとわかっているのは、今のところかねすきさんと、そのお友だち1人のみ。
まさか、わたしの友人誰かがたどりついて、過去日記を読んだんじゃあるまいな、と戦々恐々。
日記のことは、ほとんど誰にも言っていないのだが……。バレてたりするのかしら。
それとも、ぜんぜん知らない人に笑われているのかなとか、思ってみたり。
まあ、オレンジに「こんな内容の日記書いてる」と言ったところ、「アンタそれ、めちゃくちゃイタイよ」と太鼓判押されたしな。
匿名だからできる、Web日記。責任のないところで、アタマの体操。文章書くのって、アタマつかうからさ。(そうとも、こんな日記でもアタマ使ってるかんな!)
☆
さて、本日念願のDVDレコーダー到着!
ついに買いました、物欲のかたまり。
悩んだあげく、パナにしました。HS2。
こいつに決めるまで紆余曲折、いろいろあったんだけどねー。なんか運命的に、決まってしまいました。
到着したならば、接続しなければ。使えるようにしなければ。
てなわけで、1日がかりで自力接続。
ただテレビに接続すればいいわけじゃないからね。
2台のビデオデッキも活かし、WOWOWだのBSだの、コピーガード・キャンセラーだの……いろんなものに接続しなきゃならない。
となると、移動させなきゃならない家具なんかも出てきて……うおーっ、大騒動だぞっ?!
引き続き風邪で体調が悪いときに、うれしがってそんなことをするもんだから、途中頭痛と吐き気でうずくまるハメにもなり……。
それでもなんとか、接続完了。
さあこれから、デジタル・ライフがはじまるのだ。
(……にしても、メディアが高いなぁ……)
銀行からやってきた、謎の借金のお知らせ。
わたしが某銀行から「216円」借りている、という……。
なんやそれは。
わけがわからず、銀行に問い合わせること、数日。
ストレスだけが溜まる。
いや、体調が悪いのはわたしの都合だ。風邪で喉が痛くて喋りたくないのも、熱があるのも、わたしの勝手だ、銀行のせいじゃない。
だが今このときに、電話で何度もあーだこーだ言ったり、実際に出向いていくのは、心からっ、うざいのだよ。
しかも、結局のところ、その金額が何故発生したのか、判明しなかったし。
最初は女の子が応対してくれていたんだが、途中から肩書きのある男の人が出てきた。
電話のやりとりの不手際に、わたしがプチ(petit−ぷち−、だ。buじゃないぞ。てんてんの濁音ではなく、まるの半濁音な)切れ状態だったせいもあるかもしれん。だが、電話の不手際は、100%向こうのミスだぞ。
なんかもー謝りまくられて、余計不愉快になったよ。
わたし……クレーマーなのか……?
身に覚えのない請求書送られたから、真偽を問いただしているだけなのによー。涙。
「すべて解約していただくのがいちばんいいと思われます」
って、おじさんソレ、やっかい払いか? もううちの銀行とは取引しないでくれって?
たった216円の謎でいろいろ調べるのがうざいってそういうことか?
もともと、すべて解約して、オサラバする予定の銀行だったんだがね。
今日改めて窓口へ行って、精算してきました。
窓口の女の子は、わたしが名前言っただけで話通じたし、上の男の人もいそいそ出てきたよ。や、やはりクレーマー扱い??
善意に受け取れば、それくらい誠意を見せてくれてる、ということなのか?
でも、結局のところ「216円の謎」を解明してはくれないのよね。
調べることはできる、やれと言われればどんなことでもする、でもそれをするのはものすごーく大変なんですよ、ここらへんで引いてもらえませんか、たった216円のことだし。
……と、言っているのが見え見えなのよ。
わたしも体調悪くて、できれば今日は1日寝ていたかったくらいなので、もーなにも言う気になれず、「もーいいです」の一点張りで判子ついて216円払ってきたよ。
さようなら、アルファベット3文字の某都市銀行。
二度とおつきあいはいたしません。
その昔、スヌーピーの通帳がかわいかったから、口座を作ったのがマチガイだったのか……。
☆
親の家から戻ると、留守番をさせていた愛猫が、なにやらがさごそ遊んでいる。
なにをしているのやら……と見れば。
うきゃあ〜〜っっっ、ネズミの死骸で遊んでるぅ〜〜っっ。
ここ数日、どこから紛れ込んできたのか、ネズミがいるらしいことは知ってたけど……うわ、獲ったのかお前!
てゆーか、わたしに見せるな!
ゴキブリは生きていても死んでいてもダメだけど、ネズミはほ乳類だから生きているときはそれほどこわくないし、気持ち悪くない。実害があるから嫌なだけで。
だけどだけど、死体はダメだよ! 気持ち悪いよ。
毛皮のあるほ乳類の死体は、えぐいよぉおお。
携帯電話で父にSOS。
動物の死体を、自分で触れません。
とーちゃんに来てもらって、捨ててもらいました。
猫はせっかくの獲物が突然なくなったので、不思議そーにあちこち探し回っている……。
『バイオ0』はセーブほとんどナシで処理場まで来たのに、うっかりカエルに飲み込まれてしまって、ブルウだし……(研究所からやり直しかいっ?!)。
なんともついてない日だ。
わたしが某銀行から「216円」借りている、という……。
なんやそれは。
わけがわからず、銀行に問い合わせること、数日。
ストレスだけが溜まる。
いや、体調が悪いのはわたしの都合だ。風邪で喉が痛くて喋りたくないのも、熱があるのも、わたしの勝手だ、銀行のせいじゃない。
だが今このときに、電話で何度もあーだこーだ言ったり、実際に出向いていくのは、心からっ、うざいのだよ。
しかも、結局のところ、その金額が何故発生したのか、判明しなかったし。
最初は女の子が応対してくれていたんだが、途中から肩書きのある男の人が出てきた。
電話のやりとりの不手際に、わたしがプチ(petit−ぷち−、だ。buじゃないぞ。てんてんの濁音ではなく、まるの半濁音な)切れ状態だったせいもあるかもしれん。だが、電話の不手際は、100%向こうのミスだぞ。
なんかもー謝りまくられて、余計不愉快になったよ。
わたし……クレーマーなのか……?
身に覚えのない請求書送られたから、真偽を問いただしているだけなのによー。涙。
「すべて解約していただくのがいちばんいいと思われます」
って、おじさんソレ、やっかい払いか? もううちの銀行とは取引しないでくれって?
たった216円の謎でいろいろ調べるのがうざいってそういうことか?
もともと、すべて解約して、オサラバする予定の銀行だったんだがね。
今日改めて窓口へ行って、精算してきました。
窓口の女の子は、わたしが名前言っただけで話通じたし、上の男の人もいそいそ出てきたよ。や、やはりクレーマー扱い??
善意に受け取れば、それくらい誠意を見せてくれてる、ということなのか?
でも、結局のところ「216円の謎」を解明してはくれないのよね。
調べることはできる、やれと言われればどんなことでもする、でもそれをするのはものすごーく大変なんですよ、ここらへんで引いてもらえませんか、たった216円のことだし。
……と、言っているのが見え見えなのよ。
わたしも体調悪くて、できれば今日は1日寝ていたかったくらいなので、もーなにも言う気になれず、「もーいいです」の一点張りで判子ついて216円払ってきたよ。
さようなら、アルファベット3文字の某都市銀行。
二度とおつきあいはいたしません。
その昔、スヌーピーの通帳がかわいかったから、口座を作ったのがマチガイだったのか……。
☆
親の家から戻ると、留守番をさせていた愛猫が、なにやらがさごそ遊んでいる。
なにをしているのやら……と見れば。
うきゃあ〜〜っっっ、ネズミの死骸で遊んでるぅ〜〜っっ。
ここ数日、どこから紛れ込んできたのか、ネズミがいるらしいことは知ってたけど……うわ、獲ったのかお前!
てゆーか、わたしに見せるな!
ゴキブリは生きていても死んでいてもダメだけど、ネズミはほ乳類だから生きているときはそれほどこわくないし、気持ち悪くない。実害があるから嫌なだけで。
だけどだけど、死体はダメだよ! 気持ち悪いよ。
毛皮のあるほ乳類の死体は、えぐいよぉおお。
携帯電話で父にSOS。
動物の死体を、自分で触れません。
とーちゃんに来てもらって、捨ててもらいました。
猫はせっかくの獲物が突然なくなったので、不思議そーにあちこち探し回っている……。
『バイオ0』はセーブほとんどナシで処理場まで来たのに、うっかりカエルに飲み込まれてしまって、ブルウだし……(研究所からやり直しかいっ?!)。
なんともついてない日だ。
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Be-Puちゃんがきたときに、わたしはおNEWバッグを彼女に自慢した。
「あら、きれいなバッグね」
と、彼女もほめてくれる。
でしょでしょ? オーダーメイドなのよ。インターネットで注文して、たった3日、『1万人の第九』のリハの日に届いたのよ。早っ。
デザインのことでここ数日悩んでいたし、友人たちにも相談したりしていたから、さっそく第九の本番はこのバッグで行ったの。
「オーダーメイド?」
「そう。決まった型の中から好きなのを選んで、あとは全部自由なの。色も材質も、パーツごとに選べるの」
「あー、なるほど、緑野さんらしい色ねえ。きれいでいいわ」
そう言ってBe-Puちゃんは、バッグの中を見る。
「…………大阪の人って…………」
とゆー、Be-Puちゃんは鹿児島人。
「表はきれいだと思うけど、中はなにこれ。ついてけないっ、大阪の人のセンスって!!」
ちょっと待て、なんだその言いっぷりはっ。
ちなみに、バッグ本体は黒のワニ皮模様で、持ち手など部分的にエナメルとオーストのオレンジをアクセントで使っている。
友人たちにも好評、きれいだと言われたわ。
そして、内張は。
パープルのスウェードだ!!
「紫のどこが悪いのよぉ」
「大阪だわ、大阪のセンスだわっ」
「反対色を使いたかったのよっ、オレンジと対照的な色を」
「それが大阪なのよーっ」
むきーっ。
ゴールドにしなかっただけ、まだおとなしいカラーリングなのよ?
「ゴールドだったら、さらに引いてるわ」
うるさいわねー。
わたしは、「太陽の名残のある夜」というテーマでバッグを作ったんだもん。
だから黒と紫とオレンジなのよ。夕暮れの空の色なんだもん。
それでも、紫とオレンジはケンカしそうだから、紫は内張で、外には一切使わなかったのよ。
大阪人をなんだと思ってるのよ。いろいろ誤解がありそーね、鹿児島人(笑)。
ちなみに、大阪人のキティちゃんには内張まで大好評だったわ。
「紫!! いいじゃない!!」
と。
「あら、きれいなバッグね」
と、彼女もほめてくれる。
でしょでしょ? オーダーメイドなのよ。インターネットで注文して、たった3日、『1万人の第九』のリハの日に届いたのよ。早っ。
デザインのことでここ数日悩んでいたし、友人たちにも相談したりしていたから、さっそく第九の本番はこのバッグで行ったの。
「オーダーメイド?」
「そう。決まった型の中から好きなのを選んで、あとは全部自由なの。色も材質も、パーツごとに選べるの」
「あー、なるほど、緑野さんらしい色ねえ。きれいでいいわ」
そう言ってBe-Puちゃんは、バッグの中を見る。
「…………大阪の人って…………」
とゆー、Be-Puちゃんは鹿児島人。
「表はきれいだと思うけど、中はなにこれ。ついてけないっ、大阪の人のセンスって!!」
ちょっと待て、なんだその言いっぷりはっ。
ちなみに、バッグ本体は黒のワニ皮模様で、持ち手など部分的にエナメルとオーストのオレンジをアクセントで使っている。
友人たちにも好評、きれいだと言われたわ。
そして、内張は。
パープルのスウェードだ!!
「紫のどこが悪いのよぉ」
「大阪だわ、大阪のセンスだわっ」
「反対色を使いたかったのよっ、オレンジと対照的な色を」
「それが大阪なのよーっ」
むきーっ。
ゴールドにしなかっただけ、まだおとなしいカラーリングなのよ?
「ゴールドだったら、さらに引いてるわ」
うるさいわねー。
わたしは、「太陽の名残のある夜」というテーマでバッグを作ったんだもん。
だから黒と紫とオレンジなのよ。夕暮れの空の色なんだもん。
それでも、紫とオレンジはケンカしそうだから、紫は内張で、外には一切使わなかったのよ。
大阪人をなんだと思ってるのよ。いろいろ誤解がありそーね、鹿児島人(笑)。
ちなみに、大阪人のキティちゃんには内張まで大好評だったわ。
「紫!! いいじゃない!!」
と。
今年の第九はよい第九。@『1万人の第九』
2002年12月2日 その他 未だ『1万人の第九』の話。
わたしは指揮者の佐渡裕と同じ年に初参加した。予備知識はほとんどナシ。
なんつーか佐渡先生。
めちゃくちゃ、アツかったんだわ。
最初の特別レッスンのとき、そのバイタリティとパッションに押され、クラクラしたよ。
握り拳な人だなあ。
自分を信じ、自分の力を信じ、自分の道をばく進している。そんな感じ。
人生が、人間が、大好きなんだろうなあ。
なによりも、自分のことが大好きなんだろうなあ。
自分に「なにか」できると信じてるんだろうなあ。
実際、才能のある人だから、ソレが許されているんだろう。実際に評価を得ているから、そうやって自分を好きでいられるんだろう。
彼の「俺は俺が好きだぁぁああっっ!!」パワーには、圧倒されたんだ。
あれは1999年のことだ。初参加の年ね。
彼は握り拳な人だった。
自分を好きで自分の能力に自信を持ち、それゆえに「新しいこと」に挑戦しようとしていた。
それが『1万人の第九』だ。
すごい意気込み。鼻息。
素人の集団であるわたしたちに、音楽を語り、第九を語り、ベートーベンを語った。
彼の握り拳が気持ちよかった。
未知の世界に挑戦し、勝利しようと鍛え抜かれた拳を振り回している無邪気な戦士。彼の純粋な情熱に大いに酔った。
そして、2年目。2000年だ。
佐渡裕はそれでも意欲的だった。『1万人の第九』ってのはどーも、自分が夢見ていたモノとはチガウ気がする。でも、まだまだやれるはずだ。
司会の内藤剛志氏との漫才コンビも前年に引き続き快調。
3年目。2001年。つまり、去年。
佐渡先生は……失速していた。
つまんなかった。去年の『1万人の第九』。
佐渡先生に、あまりやる気を感じなかったせいだ。
1年目の無邪気な握り拳。1年目の不満をふまえてリベンジ上等! だった2年目の握り拳。
それが3年目になると、「惰性」になっていた。
限界を感じたのかな。素人1万人集めたって、自分の望む音楽は創れやしないと。
司会もノリのよかった内藤さんから、事務的な人に変わった。佐渡さんとの会話も台本通り。
惰性の感じられる合同レッスン、リハとゲネプロ、そして本番。
1年目2年目と、なにかしら新しいことにチャレンジしていた佐渡裕だったが、3年目にはなにも新企画はなし。
ある意味主役であるはずの、わたしたち1万人の合唱団を置き去りにして、自分の友人であるお気に入りのアーティストをゲストとして呼んで、プロのオーケストラと自分たちだけで、たのしそーにセッションしている。
なんだ、これは。
いやあ、去年は唖然としたねえ。
そりゃ君はたのしいかもしれんが、わたしたちはどうなるの? って感じ。
ちょっとあきれたな。
彼のテンションの低さと「1万人の合唱団」への興味の低さに感化され、わたしのテンションも低かった。
それでも、実際本番になると、佐渡さんはちゃんと「仕事」をするし、素人の合唱団も走り出す。
去年は、「1万人」であることに感動したよ。
それまでの年は、佐渡裕にも感動してたんだけどさ。
去年は、「こんだけテンション低くても、やっぱ1万人っていう人数はすごいわ。第九はすごいわ。このなかにいると、鳥肌立つわ」と実感した。
……本番になるまで、ちっとも感動しなかったんだけどな。本番ではやっぱり、もっていかれたよ。
んで、2002年。今年。
去年が去年だったから、ちょっと懐疑的。佐渡さん、やる気あるのかな? と。
もちろん、1年目や2年目のパッションはなかった。
でも、去年ともちがっていた。
「1万人の合唱団」には限界を感じているんだろう。かわりに彼は、「学生オーケストラ」を持ってきた。
プロのオケではなく、学生たち。
素人1万人に、学生オーケストラですか。
つくづく、「新しいこと」が好きな人だなあ。
同じことの繰り返しはつまらなく感じる人なんだろうな。
リハのとき、去年のやる気なさげな彼とは、明らかにちがっているのに気がついた。
わたしはそれを、学生オケの影響かと思ってたんだけど。
キティちゃん曰く。
「客演の手前よ」
……なるほど。
今回のコンサートには、本場ウィーンの演奏家たちを招いてるんだ。彼らの手前、手抜きなものを見せられない。
「幸運な学生たち。世界の最高クラスの演奏家たちと一緒に演奏できるのよ。あたしだって、やらせてもらえるなら、なにをさておいてもやるわ」
音大卒のキティちゃんの言葉には熱がこもる。
高校の部活でサッカーやってる子が、W杯クラスの外国選手と練習試合させてもらうようなもん?
それはたしかに……すごい経験だろうな。
関西の8つの音楽大学から選ばれた100人だかの学生たちは、将来プロを目指す音楽家の卵たちだという。
長い長い「第九」の演奏を聴きながら、わたしは彼らのことを考えていた。
「好きなこと」でプロになろうとする若者たち。
今いる場所にたどりつくまでにも、いろいろあったことだろう。音大に入れたところで、プロになれるのはほんの一部で、プロで食べていけるのはさらにほんの一握りの人だよね?
それでも今、こうやってここにいて、演奏しているんだよね。
たとえばキティちゃんも、その友人のフクスケさんも、音大を出て、今は音楽とは関係のないふつーの仕事をしている。
キティちゃんはそれでも、年に一度仲間たちとボーカル・コンサートを開いていたけれど、最近はそれもなくなっている。理由は聞いていない。
続けていけないなにかがあったんだろうと思う。
わたしの前の職場にも、音大や芸大出の人が何人もいた。
けど、彼らがやっているのはわたしと同じ、表現者ではあり得ないふつーの仕事だった。
「好きなこと」で生きていける人なんて、ほんのひと握りだ。
学生たちの演奏を聴きながら思う。
この中の何人が、ほんとうにプロとして生きていけるのだろう。
生きていけたらいいね。
ほんとうに、好きなことで。
そして、ウィーンの演奏家たちとの出会いが、彼らの人生で意味のあるものとして輝きますように。
今、ここにいることの意味。
わたしがハタチくらいのときって、なにやってただろう。
人生を変えるくらいの重い出会いが、いったいどれくらいあり、そしてそれを正しく受け止められることって、いったいどれくらいあるのだろう。
振り返ってみれば、後悔が残る。
どうしてあんなにわたし、幼かったんだろう。
どうしてあんなにわたし、無知だったんだろう。
今のわたしなら、あんなことにはならないのに。
……ほんとうに?
ほんとうにわたし、あのころより進化しているの?
無駄にトシくってるだけじゃないの?
感性が、能力が、好奇心が、行動力が、衰えているだけじゃないの?
可能性に満ちた若者たち。
世界のトップクラスの人との出会いを今まさに、体現している若者たち。
彼らの奏でる「第九」を聴きながら、わたしは思考の波を漂う。
実際、長いんだもんよ、「第九」。
考える時間が山ほどある。
隣ではあらっちが爆睡中。彼女はリハもゲネプロも本番も、いつもいつも演奏中は寝ている。平井堅の歌さえ、起きていたのはリハの1回だけ。あとは爆睡。
わたしは考えても仕方のない、思考のドツボに入って涙ぐんでいたりする。
泣きたがる左目が、勝手に涙を流したりもする。
佐渡先生のテンションは上がり続ける。走っている。ばく進している。
こうでなきゃだめだ。
音楽が変わる。
第4楽章、キターーーーッ!! ってか。
あの瞬間、すごく好き。スタンドに満ちる緊張感。
寝ているあらっちの目がぱちりと開く。
ティンパニーの音で、1万人が動く。立ち上がる。
空気が動く。
空気って、ほんと動く。
指揮者を中心に、14000人だかのホール内の人間が、ひとつになるよ。
来い来い来い。
わたしの人生でそうそうない、アグレッシヴな時間。
打って出るというか。
蓄積していたモノを、吐き出す瞬間。
次は次は次は。
大昔、演劇部にいたころ。
1幕目の出はわたしひとりだった。いきなりの長台詞。ピンライトでえんえんひとりで語って。ここで失敗したら、舞台全体にケチがつく。絶対失敗できない、カメない、まちがえられない。
緊張感、圧迫感、責任感。
ふるえて、逃げ出したくて。
だけどいったん動き出したら、こわいものなんかなかった。
高揚感、充実感、達成感。
出番を終えて舞台袖にハケるときは、両手でVサインをしていた。仲間たちに迎えられる。よろこばれる、ほめられる。「かかってきないサイ!(鼻息)」な気分。こわいものナシ。
そんな大昔のことを思い出す。
自分のなかにあるものを、地球に向けて吐き出す瞬間。
だから、快感なんだろう。
1万人の快感。
だから、空気を動かすんだろう。
後ろの音痴のおばさんもね。
音程も歌詞も発音もめちゃくちゃだけど、それでも大きな声を出しているよ。きっと、気持ちいいんだろうね。
『1万人の第九』は、すごいよ。
わたしは指揮者の佐渡裕と同じ年に初参加した。予備知識はほとんどナシ。
なんつーか佐渡先生。
めちゃくちゃ、アツかったんだわ。
最初の特別レッスンのとき、そのバイタリティとパッションに押され、クラクラしたよ。
握り拳な人だなあ。
自分を信じ、自分の力を信じ、自分の道をばく進している。そんな感じ。
人生が、人間が、大好きなんだろうなあ。
なによりも、自分のことが大好きなんだろうなあ。
自分に「なにか」できると信じてるんだろうなあ。
実際、才能のある人だから、ソレが許されているんだろう。実際に評価を得ているから、そうやって自分を好きでいられるんだろう。
彼の「俺は俺が好きだぁぁああっっ!!」パワーには、圧倒されたんだ。
あれは1999年のことだ。初参加の年ね。
彼は握り拳な人だった。
自分を好きで自分の能力に自信を持ち、それゆえに「新しいこと」に挑戦しようとしていた。
それが『1万人の第九』だ。
すごい意気込み。鼻息。
素人の集団であるわたしたちに、音楽を語り、第九を語り、ベートーベンを語った。
彼の握り拳が気持ちよかった。
未知の世界に挑戦し、勝利しようと鍛え抜かれた拳を振り回している無邪気な戦士。彼の純粋な情熱に大いに酔った。
そして、2年目。2000年だ。
佐渡裕はそれでも意欲的だった。『1万人の第九』ってのはどーも、自分が夢見ていたモノとはチガウ気がする。でも、まだまだやれるはずだ。
司会の内藤剛志氏との漫才コンビも前年に引き続き快調。
3年目。2001年。つまり、去年。
佐渡先生は……失速していた。
つまんなかった。去年の『1万人の第九』。
佐渡先生に、あまりやる気を感じなかったせいだ。
1年目の無邪気な握り拳。1年目の不満をふまえてリベンジ上等! だった2年目の握り拳。
それが3年目になると、「惰性」になっていた。
限界を感じたのかな。素人1万人集めたって、自分の望む音楽は創れやしないと。
司会もノリのよかった内藤さんから、事務的な人に変わった。佐渡さんとの会話も台本通り。
惰性の感じられる合同レッスン、リハとゲネプロ、そして本番。
1年目2年目と、なにかしら新しいことにチャレンジしていた佐渡裕だったが、3年目にはなにも新企画はなし。
ある意味主役であるはずの、わたしたち1万人の合唱団を置き去りにして、自分の友人であるお気に入りのアーティストをゲストとして呼んで、プロのオーケストラと自分たちだけで、たのしそーにセッションしている。
なんだ、これは。
いやあ、去年は唖然としたねえ。
そりゃ君はたのしいかもしれんが、わたしたちはどうなるの? って感じ。
ちょっとあきれたな。
彼のテンションの低さと「1万人の合唱団」への興味の低さに感化され、わたしのテンションも低かった。
それでも、実際本番になると、佐渡さんはちゃんと「仕事」をするし、素人の合唱団も走り出す。
去年は、「1万人」であることに感動したよ。
それまでの年は、佐渡裕にも感動してたんだけどさ。
去年は、「こんだけテンション低くても、やっぱ1万人っていう人数はすごいわ。第九はすごいわ。このなかにいると、鳥肌立つわ」と実感した。
……本番になるまで、ちっとも感動しなかったんだけどな。本番ではやっぱり、もっていかれたよ。
んで、2002年。今年。
去年が去年だったから、ちょっと懐疑的。佐渡さん、やる気あるのかな? と。
もちろん、1年目や2年目のパッションはなかった。
でも、去年ともちがっていた。
「1万人の合唱団」には限界を感じているんだろう。かわりに彼は、「学生オーケストラ」を持ってきた。
プロのオケではなく、学生たち。
素人1万人に、学生オーケストラですか。
つくづく、「新しいこと」が好きな人だなあ。
同じことの繰り返しはつまらなく感じる人なんだろうな。
リハのとき、去年のやる気なさげな彼とは、明らかにちがっているのに気がついた。
わたしはそれを、学生オケの影響かと思ってたんだけど。
キティちゃん曰く。
「客演の手前よ」
……なるほど。
今回のコンサートには、本場ウィーンの演奏家たちを招いてるんだ。彼らの手前、手抜きなものを見せられない。
「幸運な学生たち。世界の最高クラスの演奏家たちと一緒に演奏できるのよ。あたしだって、やらせてもらえるなら、なにをさておいてもやるわ」
音大卒のキティちゃんの言葉には熱がこもる。
高校の部活でサッカーやってる子が、W杯クラスの外国選手と練習試合させてもらうようなもん?
それはたしかに……すごい経験だろうな。
関西の8つの音楽大学から選ばれた100人だかの学生たちは、将来プロを目指す音楽家の卵たちだという。
長い長い「第九」の演奏を聴きながら、わたしは彼らのことを考えていた。
「好きなこと」でプロになろうとする若者たち。
今いる場所にたどりつくまでにも、いろいろあったことだろう。音大に入れたところで、プロになれるのはほんの一部で、プロで食べていけるのはさらにほんの一握りの人だよね?
それでも今、こうやってここにいて、演奏しているんだよね。
たとえばキティちゃんも、その友人のフクスケさんも、音大を出て、今は音楽とは関係のないふつーの仕事をしている。
キティちゃんはそれでも、年に一度仲間たちとボーカル・コンサートを開いていたけれど、最近はそれもなくなっている。理由は聞いていない。
続けていけないなにかがあったんだろうと思う。
わたしの前の職場にも、音大や芸大出の人が何人もいた。
けど、彼らがやっているのはわたしと同じ、表現者ではあり得ないふつーの仕事だった。
「好きなこと」で生きていける人なんて、ほんのひと握りだ。
学生たちの演奏を聴きながら思う。
この中の何人が、ほんとうにプロとして生きていけるのだろう。
生きていけたらいいね。
ほんとうに、好きなことで。
そして、ウィーンの演奏家たちとの出会いが、彼らの人生で意味のあるものとして輝きますように。
今、ここにいることの意味。
わたしがハタチくらいのときって、なにやってただろう。
人生を変えるくらいの重い出会いが、いったいどれくらいあり、そしてそれを正しく受け止められることって、いったいどれくらいあるのだろう。
振り返ってみれば、後悔が残る。
どうしてあんなにわたし、幼かったんだろう。
どうしてあんなにわたし、無知だったんだろう。
今のわたしなら、あんなことにはならないのに。
……ほんとうに?
ほんとうにわたし、あのころより進化しているの?
無駄にトシくってるだけじゃないの?
感性が、能力が、好奇心が、行動力が、衰えているだけじゃないの?
可能性に満ちた若者たち。
世界のトップクラスの人との出会いを今まさに、体現している若者たち。
彼らの奏でる「第九」を聴きながら、わたしは思考の波を漂う。
実際、長いんだもんよ、「第九」。
考える時間が山ほどある。
隣ではあらっちが爆睡中。彼女はリハもゲネプロも本番も、いつもいつも演奏中は寝ている。平井堅の歌さえ、起きていたのはリハの1回だけ。あとは爆睡。
わたしは考えても仕方のない、思考のドツボに入って涙ぐんでいたりする。
泣きたがる左目が、勝手に涙を流したりもする。
佐渡先生のテンションは上がり続ける。走っている。ばく進している。
こうでなきゃだめだ。
音楽が変わる。
第4楽章、キターーーーッ!! ってか。
あの瞬間、すごく好き。スタンドに満ちる緊張感。
寝ているあらっちの目がぱちりと開く。
ティンパニーの音で、1万人が動く。立ち上がる。
空気が動く。
空気って、ほんと動く。
指揮者を中心に、14000人だかのホール内の人間が、ひとつになるよ。
来い来い来い。
わたしの人生でそうそうない、アグレッシヴな時間。
打って出るというか。
蓄積していたモノを、吐き出す瞬間。
次は次は次は。
大昔、演劇部にいたころ。
1幕目の出はわたしひとりだった。いきなりの長台詞。ピンライトでえんえんひとりで語って。ここで失敗したら、舞台全体にケチがつく。絶対失敗できない、カメない、まちがえられない。
緊張感、圧迫感、責任感。
ふるえて、逃げ出したくて。
だけどいったん動き出したら、こわいものなんかなかった。
高揚感、充実感、達成感。
出番を終えて舞台袖にハケるときは、両手でVサインをしていた。仲間たちに迎えられる。よろこばれる、ほめられる。「かかってきないサイ!(鼻息)」な気分。こわいものナシ。
そんな大昔のことを思い出す。
自分のなかにあるものを、地球に向けて吐き出す瞬間。
だから、快感なんだろう。
1万人の快感。
だから、空気を動かすんだろう。
後ろの音痴のおばさんもね。
音程も歌詞も発音もめちゃくちゃだけど、それでも大きな声を出しているよ。きっと、気持ちいいんだろうね。
『1万人の第九』は、すごいよ。
負けるな、戦え!@『1万人の第九』本番
2002年12月1日 その他 毎年、ギャンブルだ。
『1万人の第九』の座席は。
当日になるまで、どこの席になるかはわからないんだよね。係の人の指示に従うこと。わがままは言わないこと。
運を天に任せること。
わたしは佐渡先生と同期なの。『1万人の第九』。
佐渡裕が監督・総指揮をするよーになってから、このイベントに参加するようになったんだ。
そのいちばん最初の年は、大当たり。
スタンドのいちばん前の座席だった。
アリーナはプロだとかセミプロの合唱団の席だから、素人である一般参加者たちのいちばんいい席ってのが、スタンドのいちばん前。
しかも、アルトのいちばん端、わたしたちの隣のブロックは観客席、てなところだったからさー。
目立つ目立つ。
テレビに映りっぱなしの席だった(笑)。
大当たりはその年だけで、あとは良くもなく悪くもなく。
そして今年は。
席の当たりはずれってのは、ステージがよく見えるとか、テレビによく映るとかだけのことじゃないんだよね。
そんなのは二次的なモノで、わたしがいちばん重要視していることは。
後ろに音痴がいないこと。
てなわけで、今年は大ハズレでした、オーマイガッ!!
座席的には、悪くなかったのよ。平井堅がばっちし見えたわ。
でもねでもね。
後ろの列に、ものすごい人がいたのよーっ。涙。
わたしには、絶対音感なんてものは備わってないの。
耳元で破壊された音程をがなられたら、正しいメロディがわからなくなるの。
誰か助けて。
ほんものの音痴の人って、自覚できないものね。自分の音がまちがっていること。
だから自信満々、大声で歌うのよ。
そしてスタンドは急勾配。後ろの席の人の声は、前列の後頭部を直撃する。
わたしが頼りにするのは、隣の席のあらっちの正しい歌声。反対側の隣の見知らぬおばさまは、完璧な発音で美しいドイツ語を歌われる。ああ、よかった。両隣が正しいメロディならなんとか、後ろの音痴と戦えるかもしれない。
そう思った、のに。
歌うときはもちろん起立。
立ち上がれば……うわーーーんっ、両隣はわたしよりアタマひとつ小さいよーっ。歌声がわたしの耳まで届かないよーっ。
そして後ろの音痴さんは、年配のおばさま。当然小柄だ。一段上に立つ彼女の破壊音は、わたしの耳にこれでもかと飛び込んでくる。
ひとより背が高いと、こ、こんなところでもつらいめにあうの……?!
リハのとき、すでに後ろの音痴さんに辟易していたわたしたち。
本番で音痴さんと席が離れることだけを祈っておりました。
なのに、神はわたしたちの願いを聞いてはくれなかった。
席はそのまま。音痴さんはそのまま。あうあう。
「んで、例の音痴はどーなったの?」
と、お昼休憩にやってきたキティちゃんは意地悪く笑う。
「席、そのまま? まー、不幸(笑)」
笑うな、人ごとだと思って。
声楽科卒のあなたは、どんな音のなかでも正しく歌えるのかもしれないけど、素人にはつらいんだぞ。
「緑野、前も言ってなかった? 後ろが音痴だって」
それははじめて参加したとき。まだ歌詞もメロディも今よりずっとアタマに入ってなくて、不安だけはめいっぱいだった年のリハーサルで、後ろの席に音痴さんがいたのよ。どれだけ恐怖したか。
しかし本番では席が替わったので、なんの問題もなかった。
とはいえ、あのときの恐怖は染みついてるのよ。後ろに音痴がいたら最悪、と。
そして、今年はその最悪な座席。
歌のうまいあらっちでさえ「つらい……」と暗い表情をしている。
音痴さんは、あらっちの真後ろの席なんだよなー。
音痴さんは、第九が歌えない。
音程がぶっとんでいる。
とくに、第一音からとんでもない音を出すので、最後まで狂いきっている。ときおり途中で直りかけることもあるけど。
入るところもよく間違える。歌詞もよく間違えている。
だけど、声は大きい。
そのうえ、地声だ。喋っているのと同じ声で歌う。……そりゃ、高い音も低い音も出ないよ……。
彼女が歌えないのは、第九だけではなかった。
『大きな古時計』も歌えない。「おじいさんといっしょに チクタクチクタク」を、お経のように歌われてしまい、周囲になんとも言えない空気が広がった。
なのに。
不思議だなー。
『蛍の光』はけっこー歌えるのよ。民謡みたいな歌い方だけど。
なにはともあれ、わたしとあらっちの握り拳。
「音痴に負けるな!」
大きな声で歌うんだ。
後ろの怪音波をかき消すために。
精神力だ、集中力だ。
ちょっとでも気力が萎えたら、爆笑してしまう。
音痴さんを笑うんじゃないよ。ただ、集中している狭間に変な音が聞こえたら、笑いの発作が起きてしまうの。真剣な分、反動かな。
『1万人の第九』。
それはすばらしいイベント。
そこにあるのは非日常。
わきあがるパワー。
音楽という奇跡。
ベートーベンという、とてつもない力。
1万人という、とてつもない力。
佐渡裕という、とてつもない力。
それらがひとつになる。
「今年はすごかったわ」
と、キティちゃんは言う。
ひとから「『1万人の第九』ってすごいの?」と聞かれ、
「ま、所詮1万人は1万人ね」
と、シニカルに答えていた彼女が。
「今年はすごかったわ。去年なんかと比べものにならない。歌ってる最中に背中がゾクッとしたもの」
と、感嘆するほどの出来だった。
うん、素人のわたしにだってわかるよ。今年はすごかった。
佐渡先生のテンションも、昨年とは雲泥の差だった。
しかし。
わたしは、歌っている最中にあの電流を感じることができなかった。
練習とかでは、ときおり感じることができたのに。
「音痴と戦うだけで、精一杯だったよ……」
肩を落とすわたしに、爆笑を返さないで、友よ。
『1万人の第九』の座席は。
当日になるまで、どこの席になるかはわからないんだよね。係の人の指示に従うこと。わがままは言わないこと。
運を天に任せること。
わたしは佐渡先生と同期なの。『1万人の第九』。
佐渡裕が監督・総指揮をするよーになってから、このイベントに参加するようになったんだ。
そのいちばん最初の年は、大当たり。
スタンドのいちばん前の座席だった。
アリーナはプロだとかセミプロの合唱団の席だから、素人である一般参加者たちのいちばんいい席ってのが、スタンドのいちばん前。
しかも、アルトのいちばん端、わたしたちの隣のブロックは観客席、てなところだったからさー。
目立つ目立つ。
テレビに映りっぱなしの席だった(笑)。
大当たりはその年だけで、あとは良くもなく悪くもなく。
そして今年は。
席の当たりはずれってのは、ステージがよく見えるとか、テレビによく映るとかだけのことじゃないんだよね。
そんなのは二次的なモノで、わたしがいちばん重要視していることは。
後ろに音痴がいないこと。
てなわけで、今年は大ハズレでした、オーマイガッ!!
座席的には、悪くなかったのよ。平井堅がばっちし見えたわ。
でもねでもね。
後ろの列に、ものすごい人がいたのよーっ。涙。
わたしには、絶対音感なんてものは備わってないの。
耳元で破壊された音程をがなられたら、正しいメロディがわからなくなるの。
誰か助けて。
ほんものの音痴の人って、自覚できないものね。自分の音がまちがっていること。
だから自信満々、大声で歌うのよ。
そしてスタンドは急勾配。後ろの席の人の声は、前列の後頭部を直撃する。
わたしが頼りにするのは、隣の席のあらっちの正しい歌声。反対側の隣の見知らぬおばさまは、完璧な発音で美しいドイツ語を歌われる。ああ、よかった。両隣が正しいメロディならなんとか、後ろの音痴と戦えるかもしれない。
そう思った、のに。
歌うときはもちろん起立。
立ち上がれば……うわーーーんっ、両隣はわたしよりアタマひとつ小さいよーっ。歌声がわたしの耳まで届かないよーっ。
そして後ろの音痴さんは、年配のおばさま。当然小柄だ。一段上に立つ彼女の破壊音は、わたしの耳にこれでもかと飛び込んでくる。
ひとより背が高いと、こ、こんなところでもつらいめにあうの……?!
リハのとき、すでに後ろの音痴さんに辟易していたわたしたち。
本番で音痴さんと席が離れることだけを祈っておりました。
なのに、神はわたしたちの願いを聞いてはくれなかった。
席はそのまま。音痴さんはそのまま。あうあう。
「んで、例の音痴はどーなったの?」
と、お昼休憩にやってきたキティちゃんは意地悪く笑う。
「席、そのまま? まー、不幸(笑)」
笑うな、人ごとだと思って。
声楽科卒のあなたは、どんな音のなかでも正しく歌えるのかもしれないけど、素人にはつらいんだぞ。
「緑野、前も言ってなかった? 後ろが音痴だって」
それははじめて参加したとき。まだ歌詞もメロディも今よりずっとアタマに入ってなくて、不安だけはめいっぱいだった年のリハーサルで、後ろの席に音痴さんがいたのよ。どれだけ恐怖したか。
しかし本番では席が替わったので、なんの問題もなかった。
とはいえ、あのときの恐怖は染みついてるのよ。後ろに音痴がいたら最悪、と。
そして、今年はその最悪な座席。
歌のうまいあらっちでさえ「つらい……」と暗い表情をしている。
音痴さんは、あらっちの真後ろの席なんだよなー。
音痴さんは、第九が歌えない。
音程がぶっとんでいる。
とくに、第一音からとんでもない音を出すので、最後まで狂いきっている。ときおり途中で直りかけることもあるけど。
入るところもよく間違える。歌詞もよく間違えている。
だけど、声は大きい。
そのうえ、地声だ。喋っているのと同じ声で歌う。……そりゃ、高い音も低い音も出ないよ……。
彼女が歌えないのは、第九だけではなかった。
『大きな古時計』も歌えない。「おじいさんといっしょに チクタクチクタク」を、お経のように歌われてしまい、周囲になんとも言えない空気が広がった。
なのに。
不思議だなー。
『蛍の光』はけっこー歌えるのよ。民謡みたいな歌い方だけど。
なにはともあれ、わたしとあらっちの握り拳。
「音痴に負けるな!」
大きな声で歌うんだ。
後ろの怪音波をかき消すために。
精神力だ、集中力だ。
ちょっとでも気力が萎えたら、爆笑してしまう。
音痴さんを笑うんじゃないよ。ただ、集中している狭間に変な音が聞こえたら、笑いの発作が起きてしまうの。真剣な分、反動かな。
『1万人の第九』。
それはすばらしいイベント。
そこにあるのは非日常。
わきあがるパワー。
音楽という奇跡。
ベートーベンという、とてつもない力。
1万人という、とてつもない力。
佐渡裕という、とてつもない力。
それらがひとつになる。
「今年はすごかったわ」
と、キティちゃんは言う。
ひとから「『1万人の第九』ってすごいの?」と聞かれ、
「ま、所詮1万人は1万人ね」
と、シニカルに答えていた彼女が。
「今年はすごかったわ。去年なんかと比べものにならない。歌ってる最中に背中がゾクッとしたもの」
と、感嘆するほどの出来だった。
うん、素人のわたしにだってわかるよ。今年はすごかった。
佐渡先生のテンションも、昨年とは雲泥の差だった。
しかし。
わたしは、歌っている最中にあの電流を感じることができなかった。
練習とかでは、ときおり感じることができたのに。
「音痴と戦うだけで、精一杯だったよ……」
肩を落とすわたしに、爆笑を返さないで、友よ。