朝、新聞を開いたらトド様がカラーで「小林幸子」していた……。
 記事にも「小林幸子の紅白の衣装を思い起こさせる」って書いてあるし。
 まあ、インパクトのある衣装よね。芝居のプロローグ、鳳凰のシーン。
 

 さて、今日は2回目の花組観劇ですだー。
 わたしが見捨てかけた谷芝居、周囲で評判がいいのがちと鬱ですが、気持ちはわかる。寿美礼ちゃん単体で萌えるにはいい作品だからな。長く谷とトドを見てきた人間にはきついっすが。

 さて、長く谷とトドを見てきただけに、今回なまあたたかく観劇しながら、考えました。

 谷作品の主人公って、基本的には「攻」なんだよね。
 谷せんせの妄想の権化だから、主人公は良くも悪くも「男至上主義」、つまり攻。
 ただ、演じる人の持ち味で受になったりもする。

 アナジは、受だったよね。
 というか、総受だったよ、あの男。
 轟は攻が基本だと思っていたころだった(過去形かい)から、目からウロコだったなあ。
 基本カップリングは隼人×アナジ、そこへ乱入するクロバエ×アナジ。……あのころはトウコちゃん、ばりばりの攻様でしたな……遠い目。
 いつも同じ話しか書けない谷作品の中で、『アナジ』は相当出来のいい部類。トドが色気全開で、周りを攻男がびっちり固めているあたりが勝因か?
 トウコのかっこよさと、かしげの美しさに息をのんだものだった……。ビデオだとトウコのなにげにかっこいいところが映ってないのが不満。

 『アナジ』とまったく同じ話だったのに、主人公の属性が変わっていておどろいたのが、『春櫻賦』。
 どーしたこったい、龍山てばばりばりの攻様ですがなっ?!
 いや、おどろくには値しない。こちらこそが、谷作品の正しい主人公。
 2番手のタータンが受々しかったので、正しく主人公が攻になった模様。やっぱ2番手は受なんだよね、谷せんせ。
 谷作品らしく破綻しまくっていたので、この物語を「破綻なく理解する」には、数馬をホモにするしかなかった。つーか、ホモだろアレ。ふつーの人はどう思って見てたんだ?
 タータンのやっていた数馬という役が、女剣士なら物語は破綻しなかったよ。男で、ホモでもないというなら、つじつまが合わなさすぎる。わたしはオタクだから「そっかー、恋しちゃったんだもん、暴走しても仕方ないよねー」と理解したが。
 ちなみにわたし、トド×タータンというカップリングが大嫌いでねー。たのむからやめてくれ、と懇願する想いで見ていたので、ホモでもあまりうれしくなかったんだよなあ。
 今回の『野風の笛』を観ていて、やたら思い出すのがこの『春櫻賦』。そして、『春櫻賦』の方が演出が美しかった……谷らしいハッタリに満ちていたよ……谷せんせ、もーダメなのかな……。

 『バッカスと呼ばれた男』のジュリアンは、やっぱり攻だよねえ?
 つーかタータンってなんで、トド相手だとあんなに受くさいの? かわいい女の子のタータンが透けて見えるよーな。タータンの持ち味は攻だと思ってるのに、受っぽくやられると苦手だよー。……つーか、受っぽいタータンって、カマっぽいやうな……。(『凱旋門』ではちゃんと攻になってくれてほっとした)
 『バッカス…』では、マンドランの爆裂片想いぶりに抱腹絶倒だったので、タータンのことはどーでもいいんですが。それでもやはり、トド×タータンはデフォルトみたいで、このカップリングが苦手な者にはつらかったな。
 ジュリアンは攻だと思ってるけど、マンドランも攻だと思うの。マンドランの悲劇はそこにある。ノンケの男に惚れたホモ、ぐらい悲劇よね。ジュリアンは両刀だけど、マンドランのことを自分と同じ攻だってことで、恋愛対象とはまったく考えてないもの。がんばれマンドラン、攻同士だががんばってジュリアンをモノにしろ(笑)。
 つーかこの物語、そもそもジュリアンがリクヴィール候国を救おうと思い立った理由が、美青年ラズロに一目惚れしたせいでしょ? ラズロが不細工だったら、助けに行ってないだろこの助平。……と、わたしは理解しておりました。でもラズロには女の恋人がいたから、ジュリアンは恋を心に秘め、「この世に残らぬ愛」を貫くのよね。
 リクヴィール候国を目指す旅の中で、一夜くらいアヤマチがあったかもしれないと思う、汚れたわたし(笑)。ジュリアン×ラズロって美しいカップルだわ。トド×コム……。

 
 谷作品の基本は、男らしい攻の主人公と、彼にべた惚れの2番手受男。受は攻を愛しまくっているが、攻はそれほど受を愛していない(ひでえ)。
 男ふたりの愛憎の方が、力を入れて描かれるから、女の存在は無意味。
 てゆーかさ、谷せんせ。
 2番手男役の役を、ヒロインにすればいいんじゃないの?
 そうすれば、破綻せずに物語を書けるよー。
 谷作品が破綻する理由のひとつは、ヒロインの設定ミスってのがあるんだよね。
 だって、主人公をいちばん愛しているのは2番手男役で、このふたりを中心に物語が進むのに、そこに無理矢理ヒロインをねじこむから、破綻するのよ。ヒロインははっきりいっていらない役だもの。いらない役を中心にしようと画策するから、こわれる。
 まずいつも通り、主人公と、彼を愛する2番手男役の話を書き、できあがったあとで、2番手男役の役を性別を女にしてふたりのラブストーリーにするのよ。そして娘役トップに演じさせる。
 ほーら、そうすれば破綻ない物語のできあがりだー。

 『野風の笛』も、ヒロインが主水なら問題ないじゃん。
 男として育てられた女武者で、忠輝のためだけに生きる忍の人。忠輝の影武者もつとめるし、最後は自害だってしちゃうぞ。
 途中で忠輝に「女としてのしあわせを選べ」と、家老職辞退をすすめられるが、きっぱり拒否。男として、忠輝に仕え、死ぬことを選ぶ。
 いろは姫に割く時間を、忠輝と主水の恋愛(主従だし、主水は男として世間的に通しているので、決して結ばれることはない)を描く時間にあてれば、ああら、わかりやすくせつない恋愛巨編のできあがりだ。
 『春櫻賦』のとき、「数馬を女剣士にして、ぐんちゃんにやらせろよ、そしたら破綻ない物語になるのに」と思ったのと同じですな。
 ただし、『野風の笛』主水女バージョンは、ふーちゃんで見たくはありません。寿美礼ちゃんが主水でなきゃいやだー(笑)。ついでに、やっばり寿美礼ちゃんは男装の麗人より男のままがいいー(笑)。

 破綻ない作品、という観点で言えば。
 どーせ谷せんせ、ホモしか恋愛を描けないんだから、ホモを描いたあとで、受を女にスライドすればいいのよ。
 と、思います。

 ただ。
 わたしは谷作品のヒロイン設定まちがえまくりの、主人公と2番手男役のホモホモした話が大好きなので、破綻していてもこのままでいいかな、とも思います。
 ……そこが、わたしが谷ファンである、理由でもあるわけだからなー。

 
 ま、なにはともあれ、『野風の笛』。
 駄作だが、トド様と寿美礼ちゃんのカップルぶりを堪能するにはいい作品。ふたりのデュエットは聴き応えアリ。つーかトド様あんたやっぱり喉仏あるんじゃ……? その地の底から響く声は、染色体にYがあるんじゃありませんか?って感じっす。
 いや、なにはともあれ、寿美礼ちゃんが素敵。これほど血糊の似合う美男もめずらしい。エロール様につづいてまたしても白い服に真っ赤な血!! エロエロ(笑)。

 
 ショーではやたらと橘梨矢くんが目に付きました。濃い……。こんな子だっけ?
 博多座の『パッサージュ』でピエロやってたときと別人。たしかにあのときも、かわいい中に毒のある子だったけど。

 そして、そのかの太股ですな……やはり。脚が長いっす。しかも肉感的っす。顔はオヤジなのに(笑)。
 

 ところで。
 トド様のクリアファイル(お顔がどーんとアップだ!)を買ってしまいました。
 ……何故。
 恥ずかしくて使えもしないものを何故買うのだ、わたし!
 ……やはり、ファンだからですか……? ファンってこういうことですか?

 寿美礼ちゃんのクリアファイル(お顔がどーんとアップだ!)を買うのは恥ずかしくないのに、トド様だとみょーに恥ずかしかったよ……何故。


 前々から欲しくて仕方のなかったモノが、ついに手に入りました。

 「服の形をした500mlペットボトルホルダー」というものをご存じっすか?
 ペットボトルホルダーが服の形をする意味なんてどこにもないけどなー。でもま、あるんだわ、そーゆー無意味なモノが。変なモノを創らせたら天下一品の通販ブランド、フェリシモのオリジナル商品だったはず。
 でも通販だけじゃなく、東急ハンズとか百貨店とかで、地味に売っているよ。梅田の三番街でも見かけたなー。

 なんせ服の形だから。
 デザインがいくらでも考えられるんでしょうかね。種類が限りなく多いのよ。

 その中でわたし、とても惹かれるモノを見つけたのだわ。

 男物のジャケット。黒地に白いストライプ。
 スーツの上部分らしい。襟元には白いシャツと黒いネクタイがのぞいている。

 こ、これって……某公演の某キャラの衣装にクリソツなんですが??

 つーかコレ、ビッグ・ジュールのスーツじゃん!
 なんでこんなとこにビッグ・ジュールのスーツがっ?!

 ……いやもちろん、そんなもんは他人のそら似……つーか、ただの偶然の産物、まったく関係ないことは知っています。トッド・オールダムというデザイナーの作品らしい。
 関係なくても、ビッグ・ジュールのスーツに似ているのだから、わたしはソレが欲しいぞ!

 しかし、その商品は「年間予約」という謎のシステムでしか販売していないのだった。
 1ヶ月に1個、ペットボトルホルダーが届く。それを12ヶ月契約しなくてはならないというのだ。
 なんだそりゃ? 12個もペットボトルホルダーを必要とする人間ってのは、どんな生活をしている人だ? ふつーに考えたらいないだろ、そんな奇特な人間。
 欲しいのはトッド・オールダム氏デザインのひとつだけ、残りの11個のデザインの大半は「……誰が使うの?」と首を傾げるよーなぶっ飛んだモノだった。
 とてもじゃないが、12個全部を買う気にはなれないよー。
 なんで1個だけ売ってくれないんだ……抱き合わせ商法かよ……。
 そのキテレツな販売方法にめげ、わたしは購入を断念した。

 しかしわたしは、あきらめなかった。
 

 敵はあの奇妙な販売方法である。契約した人の中には、わたしのように「3分の1くらいはかわいいと思うけど、残りはどーしよーもねーな」と思っている人もいるだろう。
 欲しいモノだけを手元に置き、いらない、と判断したデザインのモノを、処分しようとするのではないだろうか……。

 つーことで、ヤフオクを張りました。
 アラート登録して、網にかかるのを待つこと数ヶ月。

 そしてついに、ビッグ・ジュールは競売にかけられた!!(イヤンな響き・笑)

 競り落としましたとも。
 勝利しましたよ。
 手数料を含め、プロパーで買うより高くついたけど、ペットボトルホルダーを12個も無理矢理買わされることを思えば、安いもんだ。

 そしてソレが今日、我が家に届きましたのさー。

 か、かわいい……。
 500mlサイズのビッグ・ジュール……(なにか妄想しているらしい)。

 さて、あとはこのペットボトルホルダーに合った大きさの、クマのマスコットかなんかが欲しいですなっ。
 やっぱビッグ・ジュールにはリトル・ジュールが必要でしょう!
 誰か5cmくらいのクマのマスコット売ってるところ知りませんかー? キーチェーンでもバッチでもなんでいいや、加工して使うから。

 ああ、オタクなよろこび……。

 
 愛を信じる心が、今、奇跡を呼ぶ。−−てなあおりのついた映画『コーリング』。
 監督トム・シャドヤック、出演ケビン・コスナー、スザンナ・トンプソン、キャシー・ベイツ。

 WHITEちゃんに誘われたの。
「試写会で1度見たんだけど、なんか、思ってたのとぜんぜんちがってたから。……もう一度見たいんだけど、緑野も一緒に見る?」
 思ってたのとチガウ、って、恋愛映画でしょ? ちらしを見てもそんな感じだけど?
「いや、たしかに恋愛なんだけど……」
 語尾不鮮明。
 つーことで、百聞は一見にしかず。自分で見てみましょう、もちろんレディースデーに。

 ……たしかに、思ってたのとは、ぜんぜんちがった。
 大違いだよ、まったく。

 てゆーか、こわかったんですけどっ(笑)。

 ケビン・コスナーとスザンナ・トンプソンはラヴラヴ夫婦。しかし、遠い国でスザンナが事故死してしまった。
 それ以来、ケビンの周囲で異変がつづく。臨死体験をした子どもや昏睡状態になった子どもが、面識のないはずのスザンナの伝言を口にしたり、自宅ではラップ現象が起こったり、人の気配がしたり、モノが一瞬で移動していたり。
 心霊現象フルコース! ケビンはこれを、亡き妻からのメッセージだと信じ、理解しようと奔走する。
 繰り返し残される、謎の記号。歪んだ十字架。虹。……周囲から狂人扱いされようと、ケビンは愛する妻のために爆走する!
 そしてついに、彼女の死んだ国まで駆けつけ、遺体を探そうとするが……。

 たしかに、恋愛映画だよ……まちがってはいないよ……しかし、正しくもないだろ……?

 ホラー映画じゃないのか、これ?
 亡き妻の幽霊、めちゃこわいんですけど?(笑)

 どう見ても「愛するがゆえのメッセージ」には見えなかった。
 死んだ妻が、生きている夫を「取り殺そう」としているよーにしか、見えなかったよ。

 おいおいケビン、このままじゃあんたマジ殺されるって! すでに社会的には死にかかってんじゃん、霊の存在を信じて奔走しているせいで。
 みんな俺の気のせいだ、死んだ妻のメッセージなんてありえない、人生やり直すんだ、と引っ越しを決意して荷造りをはじめたら、邪魔されたじゃん。それって……「逃がさないわよ、アタシを忘れて第二の人生なんか許さない、アナタもこっちへいらっしゃい……」て意味だろっ?! こ、こわっ。

 てなふーに。

 最後まで見ると、たしかに、いちおー、愛の物語で、感動的なオチに持っていくんだけど。
 いくらオチがアレでも、そこまでのアプローチがものすげえホラーなんですが……。
 ここまでホラーな演出しておいて、「愛の奇跡」か……。うーむ……。

 とってもどっちつかずな、消化不良な印象。

 それにしてもケビン・コスナー、トシ取ったね……。

          ☆

 今日はワゴンさんときんどーさんと、ランチバイキング。
 リーガ・グランド・ホテルのランチバイキングは、めちゃ安ですよ。
 税込み1200円。
 品揃えと味はそこそこ。値段分はたのしめます。
 そのあとは店を変えて、えんえんえんえん、お喋り。

 それからひとりで1時間半ほど時間を潰して、WHITEちゃんと映画に行ったわけですが。

 ひとりで三番街をうろついておったのですが、そこでかねてから探していたガチャガチャを見つけてしまいました。
 ガチャガチャ、とわたしたちは呼んでいますが、バンダイの商品名は「ガチャポン」ですかね。
 硬貨を入れてハンドルを回すと、カプセルに入ったおもちゃが出てくる子ども向けの自動販売機。
 それの、「フロッグ・スタイル」という商品を集めてるのよ。
 まあわたしは、コレクターとしては三流以下の身なので、見つけたら適度に買う、だけで、フルコンプなど目指しておりません。おかげで、4月発売の第1弾は、5種類しか持ってないし。
 今日見つけたのは、第2弾でした。
 第1弾、集めそこなっちゃったなあ。フルコンプは無理でも、欲しいのがまだいくつかあったのに。と思いつつ、硬貨を入れてハンドルを回す。
 出てきたカプセルを開け、商品と付属のリーフを取り出す。リーフには「次のシリーズは8月発売予定」とある。
 てことは、今ある第2弾も、2ヶ月の命?!
 ……そう思うとつい、がんばって買ってしまいました……バカ……。
 7種類GET。ダブりなし。いい仕事だ。
 なかでも、「ANGEL FROG」と「DEVIL FROG」をGETできたのがうれしい。それと、「PHONE FROG」。……ああ、かわいいー。

 ビッグ・ジュール用のテディベアも買ったしな(笑)。

 長くて価値のある1日。……かな?

 
 気持ちよく笑ってきました、TCA。
 

 参加することに意義がある、苦労してチケ取りして、でも実際観てみると「なんでこんなもんのために、がんばったんだろ……」と虚しくなる。それがTCA。
 ……だったんだけど。

 いやあ、今年はたのしかったよー。

 テーマの選択が成功だったと思うよ。
 「宝塚大劇場10年の軌跡」。
 TCAを観に来るよーな、コアなファンがたのしめるテーマだ。行くぜ完全内輪受け。
 ほぼ全編パロディ状態だったので、「ファン向けの祭り」としての意義を正しく果たしていた。

 長く観てきた人間には、うれしいねえ。だって、10年間の思い出の曲を、思い出の人が歌ってくれるんだもの。
 そう、できる限り関係者をキャスティングしてくれるのよ。衣装付きだから、なつかしいのなんのって。
 もう当時のキャストは退団していないだろうって? ……いるのよ、それが。
 新人公演で、その役をやった子たちが。
 

 個人的に、もっとも感動したのは、ケロのフランツをふたたび観られたことです……。
 ケロー、ケロちゃあん。なつかしーよー。
 でも、路線でもない君がフランツを新公で演じたなんて、君のファン以外は知らないんじゃないかと、おばさんチト心配したよ……。
 

 そして。
 オープニングから「うっきゃ〜〜♪」だったのが、銀橋。
 ケロとゆーひが、並んでる〜〜。
 うれしーよー、ふたたびこの並びを観られるなんてー。
 ゆーひくん、笑ってるし。彼の笑顔を見るのは、何ヶ月ぶりだ? この間の月組公演、ほんとに笑わなかったからな……。
 しかもゆーひ、ウインクとばしてるし……ゆーひのウインク……超レア。なんでアンタ、そんなにご機嫌さんなの? オペラグラス越しにウインクを受け取り、びびったよ。

 
 今回、脚本がいいと感心しました。
 TCAで脚本がいい?!
 ……時代も変わったな。
 演出は藤井&齋藤。
 たしかに、時代も変わった。老人の演出する時代ではなくなったんだね。ハラショー。

 不在の宙組を除く4組が、それぞれ「組の10年間」を寸劇で見せる構成。
 これが、うまいんだわ。

 ・過去10年間の作品を使う。
 ・トップスターは通し役。
 ・上記のトップスターの役に、他の作品の役をからめる。
 ・他のキャストは、できるだけ当時の関係者(新公経験者)を使う。
 ・幹になるストーリーがパロディで、それに絡む小ネタもまた、パロディである。

 わたし、こーゆー、構成をがんばっている作品、好きなのよー(笑)。
 くだらないパロディを、一生懸命計算して作ってあるなんて、素敵だわ。

 いちばんうまいと思ったのが、雪組。次が花、月、星の順。おもしろかった順でもなくキャストの良かった順でもなくて、構成のうまい順ね。

 雪は「幹」になるストーリーが『ノバ・ボサ・ノバ』。ソール@コムとボーロ@シナちゃんの前に、次々といろんなキャラが現れる。サンドリーヌ@りら(by再会)、夫差@壮くんと西施@となみちゃん(by愛燃える)、坂本竜馬@いづるんと岩崎弥太郎@キム(by猛き黄金の国)、ジュリアン@ハマコ(byバッカスと呼ばれた男)、ヴァルモン@カシゲ(by仮面のロマネスク)。
 主役の前に、新公経験者を多く使ったキャラが現れ、絡むというのは、他の組も同じ。
 雪組がアタマひとつ抜きでていたのは、ストーリーまでもが本公演の流れをちゃんと汲んでいたということ。
 ソール@コムは泥棒で、べそかきサンドリーヌ@りらから「ネックレス」を盗む。観た人にはわかる、「あの」ネックレスだ。
 それを見ていた夫差@壮くんと西施@となみちゃんは、扮装は完璧に『愛燃える』なのに、台詞はしっかり『ノバ・ボサ・ノバ』。ルーア神父とシスター・マーマ。ふたりは芝居っけたっぷりに『愛燃える』の世界も披露。ソール@コムは、このふたりからもしっかり盗みをはたらく。
 つづいて出てくる連中からも、ソール@コムはなにかしら盗んでいく。朗々と喋り、朗々と歌う、テンション高くて傍迷惑な(笑)ジュリアン@ハマコからは、大きな帽子を盗む。
 この帽子をソール@コムがかぶるシーンは、どうやら『風共』のパロディ。バトラーからの贈り物を、スカーレットがいそいそかぶるシーンよね。
 そこへ出てきたヴァルモン@カシゲ。帽子をかぶったソール@コムを、恋人メルトゥイユ夫人だと思いこむ。ソール@コムは、メルトゥイユになりきって受け答え。
 ……女装アイドル、我らがコム姫に女役までやらせますか。なんてソツのない構成なの……?! コムとカシゲのラブシーンもどきを見せてくれるとは、やるな!
 ヴァルモン@カシゲからも、ソール@コムはちゃっかり盗みをはたらく。ヴァルモン@カシゲはそれに気づき、「強盗だー!」。他の面々も出てきて、『ノバ・ボサ・ノバ』の有名シーンを再現。
 そこからあくまでも『ノバ・ボサ・ノバ』で陽気に盛り上げ、フィナーレへ。

 他の組は、キャラを使って遊んでいるだけで、ストーリーまで本公演のパロディをしているわけじゃないのよ。
 ストーリーや有名シーンまできちんとパロにして、そのうえコム姫に女役までさせた雪組が、プロットはいちばん凝っていてうまかったよ。

 次は花組。「幹」はいちおー、『ブラック・ジャック』。でも、ストーリーはない。キャラだけ使ったお遊びね。
 ブラック・ジャック先生@オサのもとに、いろんなキャラたちが次々と相談に現れる、という設定。
 ストーリーはないけれど、キャラはそれぞれ味を活かした作り。新公経験者をうまく使っている。
 とくにルートヴィヒ@ゆみこが、ブラック・ジャック@オサを「美しい……」と机に押し倒すのなんか、うまいわー。オサに対しても、ルートヴィヒという役に対しても。
 ここまでなら他の組もそうだけど、花組はクライマックスを芝居仕立てに盛り上げてるんだよね。
 悩みを打ち明ける貞奴@ふーちゃんが「死にたい」ともらすと、ブラック・ジャック@オサってば、「死ねばいい!」と、トート閣下に早変わり!!
 秀逸なのは、ピノコ@あすか!! 彼女は突然ルキーニに変身。狂気を秘めた目で、あの「トート閣下からナイフをいただくシーン」を演じてくれるのだ。そして、貞奴@ふーちゃんを刺殺。「グランド・アモーレ!!」の台詞も健在。
 バックには「あの」昇天装置が現れ、トート閣下@オサと貞奴@ふーちゃんが、スモークの中を昇天していく……。
 この最後の盛り上がりの劇的さが素晴らしかった、花組。

 月組の「幹」は『ガイズ&ドールズ』。『グランドホテル』のホテルにやってきたらしい、スカイ@リカと酔っぱらいサラ@えみくら。ドアマン@きりやんに門前払いを受ける。
 ホテルには次々と過去作品のキャラたちが現れる。スカイ@リカたちには「部屋はない」のに、他の客はもみ手で通すってのはどういうことだ?! とおさまらないスカイ@リカが、彼らに勝負を挑む。
 あくまでも、キャラのお遊びに終始。
 しかも最後には究極の内輪受けをやってくれた。この前のシーンで、タニがひとりで「宙組に移動になりました」と挨拶をしているのだ。これが伏線。
 最後に登場キャラ総出で「ドリフ的混乱シーン」をやってみせたとき、……あれっ? どさくさにまぎれてタニが混ざってるぞっ?! 指摘されたタニが、泣きながら走り去る。……かっ、かわいいっ!(笑)
 この究極の内輪受けが、うまい。

 星組はもっと散漫。
 「幹」は『国境のない地図』。天才音楽家ヘルマン@ワタルのもとへ、他の人たちが歌を習いに来る、という設定。……ちゃんとセットには「宝塚音楽学校」のマークが輝いている(笑)。
 歌を習いに来たわりに、最後は「イントロクイズ」になっていたりと、かなり力業。
 構成自体はいちばんお粗末。
 

 だが、繰り返すが今のは、構成の話だ。プロットが複雑だからって、それがそのまま作品の善し悪しとイコールってわけじゃない。プラスαがあるのが、舞台だもんな。

 どの組も、すごく笑えたよー。
 

 専科のみなさんには、お笑いシーンなし。真面目に濃く、濃ぃい歌声を披露してもらった。

 唯一お笑いがあったのが、トド様。バトラー@トドに絡む、5人の2番手男役スカーレット。
 タニ、きりやん、あさこ、カシゲ、トウコ。
 ……ねえ、あさこ。この中で君だけが、「本役」だよね? あとはみんな、所詮「お祭りのお遊び」よね?
 なのに君がいちばんイケてないってのは、どうよ、どうなのよあさこ!(笑)
 こわかったよ、スカーレット@あさこ。ごついのなんのって。似合っていない度ではきりやんもいい勝負だったが、彼は見事に「成りきって」いた。表情がスカーレットそのものだったのだわ(こわかった)。
 タニちゃんはたんなるお笑い系の似合わなさ、カシゲとトウコはノープロ、美しかった。
 この強面のスカーレットを前に、バトラー@トド様たじたじ。笑いを振りまいてました。

 ワタ×コムの『ベルばら』はシリアス、とっても美しかったけど……それだけだったなー。他のシーンのインパクトが強すぎて、印象に残らない……。
 

 いやしかし、とってもたのしんだよー。今日は立ち見(場所取りする気なかったんで、開演1分前に入場、でも我が視界に障害物なし・笑)だったんだけど、とても有意義でした。


 ふと隣を見ると、デイジーちゃんが服を脱いでいた。いきなり、セクシーなタンクトップ姿。

「な、なにやってんの?!」
 わたしがびびって訊ねると、彼女はとても当たり前に。
「え? だって、暑くて」
 と、返してきた。

 あつい……?
 さっきから空調の風が当たって、寒いんですけど。わたし、わざわざカーディガン出して着込んだんですけど。

「えっ、暑くないですか? 11時公演も暑くて暑くて、わたし、ずっと脱いでましたよ」
「それはアナタのテンションのせいじゃあ……?」
「ぐっ」

 TCA公演、千秋楽の休憩中の会話です。
 わたしは5日観劇、デイジーちゃんは6日の11時観劇。そして15時の楽は、ふたり一緒に観劇です。
 現在「オサ命」のデイジーちゃんは、第1部の『最後のダンス』ですでに息も絶え絶え。そりゃ体温も上がっているだろうよ……。

「だって2部は、ブラック・ジャック先生じゃないですか! 体温上がっても仕方ないですよーっ、先に脱いで、準備しておこうかな、って」

 とわめきつつも、わたしが突っ込んだせいか、また上着を着直していた。……いいのに、脱いだままでも。

 今回、わたしとデイジーちゃんは2階2列目ドセンターで並んで観劇。隣にいると、彼女の天井知らずのテンションに引きずられる(笑)。

 昨日は構成の感想を書いたので、今日は純粋にミーハー・モードの感想。

 たのしかった。

 素直にキャラ萌え、ジェンヌ萌え。
 やっぱりいちばん好きなのはブラック・ジャック先生@オサですな(笑)。ああ、なんていいキャラなのー。
 クールというより投げやりな態度が、素敵。人の話を聞いちゃいねえ、勝手にひとりでなにかしているところも、大好き。
 そして、ブラック・ジャックの影@まっつ! なんてプリチーなの。動作のひとつひとつがきれいで愉快。
 今回はブラック・ジャック先生、自分の影であるまっつを捕まえて、えんえんえんえん、お遊び。……いや、遊んでるのはわかるよ……わかるけど……やってるのが寿美礼ちゃんだから、なんつーんですかその、やたらエロいというか、えーと、「大人のお医者さんごっこ」に見えて、ヤバかったんですが。
 まっつを強引にそばに寄せ、聴診器をあちこちに当てている姿が……い、いちばんの収穫かと……(何故かどもる)。

 花組の10年のシーンは、見事にブラック・ジャック先生とその影しか見ていませんでした。
 テレビカメラが入ってたからさ、真ん中はきっとカメラが撮ってくれると思って。だから、あさことかゆみことからんとむとかを見るのは、潔くあきらめた。それより今は、先生とその影を見るのよ!

 いちばん笑えたのは、やっぱり星組かなー。お笑いパートの先頭バッターだから、よけいに笑いが新鮮よね。
 フランツ@ケロにめろめろだ(笑)。
 あと、お笑いがうまいなと思うのは、なんと言ってもトウコちゃん。ひとりでボケツッコミをこなすのだが、マジでうまい。この人でなきゃ「シュワッチ! ピコーンピコーン、あっ、3分経った、いただきます!」は成り立たなかったろうと思う。

 月組はリカちゃんのひとり舞台っぽいから、リカへのもともとの好感度で、観る人によって笑いの深さが変化していそう。
 でもいいんだっ、プガチョフ@ゆーひが見られたから!! 笑うことなんか忘れて、ひたすらゆーひくんを見ていた(笑)。わーん、美しいよー。プガチョフ〜〜。
 あと、えみくらちゃんがかわいい。酔っぱらいぶりがベリキュート!

 雪組はそれほど笑いは大きくない。構成はよくできてるのに。これは演じている人たちの個性かなあ。えらくさらっとしている。

 バトラー@トド様を見て思ったことは、
「昔一発だけ当てた演歌歌手とかって、その唯一無二の曲だけで、どさ廻りで生涯食べていけるらしいねえ……」
 なんてことだった。
 トド様、きっとこのバトラー役だけで一生やっていけるよね。これから先なにがあっても、ヅカに残っていてもいなくても、このバトラー役のどさ廻りディナー・ショーとかで、生きていけそう。(失礼な言いぐさですか?)
 当たり役を持つ、ってのは、それくらいすごいことだよな。
 つってもわたし、バトラーって好きじゃないので、どーでもいいんですが。
 トド様の真の当たり役はルキーニ(総攻)とラヴィック(総受)だと思っているから。この両極端の役を当たり役にしてしまうほどのキャラクターだってことが、わたしがトド様を好きな理由のひとつ。
 この公演の大トリがラヴィック@トド様だったのが、うれしかったよ。きっと彼は、一生涯、この歌を歌い続けるんだろうな。人間、そんな出会いはそうそうないから、とても幸運なことだと思う。

 「宝塚大劇場10年の軌跡」だから、やたらと当時のことを思い出していたよ。
 ワタルの歌う『風になりたい』を聴きながら、マリコの歌声を思い出し、さらに、マリコの物まねが得意だったキティちゃん(音大・声楽科卒)の、鼻にかかった不思議な音程の歌声を思い出し……。
 カシゲの歌う『今始まりの刻』を聴きながら、あー、いっちゃんの歌声は素晴らしかったなあとか、植田の曲はどれも無意味に壮大なイントロだよなあとか、このときの2番手は高嶺くんではなくて何故か古代さんだったなあ、とか、なつかしく思い出した。ああ、わたしがちはる兄貴に惚れたのが、この公演だった……不良貴族の役、かっこよかったさ……。
 『グランドホテル』というと何故か、天海のレズ女役が浮かぶし、『ランベス・ウォーク』を聴けば天海じゃなくて名古屋で観たのんちゃんの方が印象強いなあ、樹里ちゃんを最初に個別認識したのはアレだったなとか、そもそも初演のときのご先祖様たちのなかにいた、まだ研2だかなんだかの轟の濃い〜顔の印象とか……ランダムに浮かんでくるよー。

 そーいや昨日一緒に観た殿さんは、「コウちゃんがひとりで銀橋で歌った歌、なに?」と必死だったな。
 あれは『風のシャムロック』、谷村新司・作詞作曲の名曲だよ。作品は『エールの残照』、谷の唯一の佳作だよ。
「『エール』ビデオで観たけど、あんな曲なかったよ、あたしはじめて聴いた」
 いや、主題歌だし、ばんばん歌ってたから、絶対聴いてるって。
 ただ、天海がソロで歌っているときより、コーラスのときの方が歌詞がよくわかったけど。
「そっか、天海が歌ってたから、別の曲に聞こえたんだ!」
 ……ファイナルアンサー?

 見終わったあとも、なかなか席を立たず、デイジーちゃんとふたりして、余韻にひたっていました。

 ああ……たのしかったなああ。

 なんか、昔のビデオをいろいろ見返したくなっちゃったよ。

 
 猫が帰ってきません。

 洗濯日和だったので、親の家の庭で洗濯物を干していたんですが。

 ……と書くと、庭に出た猫が、そのままどこかへ逃げ出したみたいだな。

 そうじゃなくて、洗濯をするために親の家に行こうとしたら、猫が「どこに行くんだ、オレも連れて行け」とうるさいので、連れて行ったのね。
 親の家に。

 そしたらそこに、居着いてしまったの。

 いつもなら、すぐに「やっぱり家に帰りたい」と言い出すのに。
 のんきにゴロゴロしているから、猫を親の家に置き去りにして、わたしひとり自宅へ帰ったの。うちの両親は猫のことを溺愛していて、置いていった方がよろこぶから。猫を親の家に連れて行くのは、ささやかな親孝行の意味もあるっちゅーか。
 そうやっていつもなら、猫が家に帰りたがったら、母親がわたしの家まで運んでくるから、置いていっても問題なしなのね。
 しかし今日は。
 もう夜だってのに、まだ帰ってこないぞ、猫。
 さっきビールを取りにやってきた父が「猫は機嫌良くウチにいる。帰りたいとは言わない」とうれしそーに報告していった。
 ……わたしが迎えに行くまで、帰らないつもりか、あの猫。

 あ、「父がビールを取りに」ってのは、わたしの家を両親が「倉庫」として利用しているせいです。もともと3人で暮らしていた家に、今はわたしひとりで住んでいるため、部屋が余ってるのね。んで、彼らは自分の家に置ききれないモノを、わたしの家で保管しているのよ。
 わたし、ビールなんか飲まないのに! 酒屋さんは、わざわざわたしの家に配達に来るのよ、わたしの親の指示で。瓶ビールをケース買いしている独身女の家、ってどうよ?!

          ☆

 今日よーやく、『逆転裁判』が終わった。

 「トノサマン事件」の途中で放りだしていたのを、数日前から再開、よーやくよおおおおやく、終了しました。

 ……やっぱりわたし、笑えない……。

 たしかにね、第3話ですか、最後の事件はオタク女的にたのしい展開ですけどね。ナルホド×ミツルギを読みたいとか思うけどね。
 でもやっぱり、基本的にダメだよ、この世界観!!

 キチガイばっかり!!

 気持ち悪いよー、登場人物の考え方全部。
 出来事と、それに対する反応、言葉、なにもかも気持ち悪い。

 ミステリとしては、超低レベル。
 事件とトリックと犯人は、誰にでもわかる。
 そのせいなの?
 真相に、わざとたどりつけないように、出てくる人間たちがみんなキチガイ。
 証拠があってもそれを無視する。……無視しなければ、そこで事件解決なのに。ぜんぜん関係ない方向へ、話をねじ曲げる。その繰り返し。つーか、全部がソレ。

 このゲームの「推理」とは、事件の真相を推理することではなく、出てくるキチガイたちの、気のちがった行動を予測すること。
 なんせキチガイなので、常識は通用しない。冷静にゲーム制作者の意図を読み、あえて真相から遠ざかるようにキチガイたちの次の言動をミスリードしていかなければならない。

 ああ、つかれた。

 わたし、アタマ固いのよ。どうしても「常識」で考えてしまうから、「犯人はこいつなのに」「証拠はコレなのに」って、いちいち思ってしまうから、ストレスがたまる。
 わざとバカな答えをさがしつづけるのが、こんなに苦痛だなんて。

 どーして『逆転裁判』の世界に入りそびれたのかしら。

 わたし、ファンタジーは好きなのに。
 ファンタジーってのは、すなわち「嘘」の世界。
 なにも異世界や未来だけがファンタジーじゃない。現代が舞台でも、ファンタジーは存在する。
 「嘘」がすみずみまで、きちんと構築されていれば、それは「ファンタジー」だ。

 『逆転裁判』も、その点きちんとした「ファンタジー」だ。
 「嘘」で構築された世界だ。
 べつのルールを持つ、ちゃんとした「別の世界」だ。

 わかってるけど、だめだったんだよなあ。
 これはもう、好みの問題だろう。
 わたしの逆ツボだったってことか。しょぼん。

 同じよーに、バカ・ミステリ・ゲームといえば、『YAKATA』を思い出す。
 綾辻行人監修の、とんでもない作品。

 孤島にある館で起きた、密室殺人事件。犯人は館の中の誰か。記憶喪失の主人公は、真犯人を見つけることができるのかッ?!

 てなゲーム。

 今でも、「最悪なオチの密室殺人事件」として、弟と笑い話にしているゲームだ。
 ほんとにものすごいトリックなんだよ。密室殺人モノとしては、最強じゃないかな?

 ミステリとしては最悪だけど、このゲームはほんと、大ウケした。爆笑して、たのしめた。

 『YAKATA』がOKなのに、どーして『逆転裁判』はダメだったんかいな?

 どーでもいいが、『逆転裁判』をやっていたら、『はみだしっ子』が読みたくなってしまった……。リッチーの裁判のくだりを。
 しかし、実際に本を開くと、のーみそのシワが減っているせいか疲れているせいか、読み通すことができずにまた本棚に戻してしまった。
 やれやれ。
 
 

台風の行方。

2003年6月9日 家族
 朝、母はいそいそと旅立ちました。

 長年の夢であった、縄文杉に会いに、屋久島へ向かったのです。

 この旅行が決まってからというもの、母はなにをやっても上の空、うざいイキモノと成り果てていた。
 わたしの部屋に鼻息荒くやってきて、「空港までの交通機関の、時刻表を調べて!」とか、「屋久島のバスの時刻表が欲しい」とか、「登山記録とかあったら探して」とか、「こことここの地図が欲しい」とか、好き放題わたしをこき使った。
 インターネットは便利だし、パソコンは魔法のハコだけどな、ママ、それを使うのは人間、すなわちわたしなのよ。
 あーっ、めんどくせー。
 わたしは、わたしが行くんでもない旅行のために、いろいろ調べまわりましたよ。
 つーかなんで、ママの友だちの分まで時刻表調べなきゃなんないの。大人なんだから、空港で待ち合わせりゃすむだろーに。「どうやって空港まで行けばいいのかわからない」なんて友だち、つきあい方考えようよ……。

 そうやって、我が家の台風は旅立ちました。
 これで数日間は、静かです。

 が。

 昼過ぎに、携帯に電話が。

「今、鹿児島。天候不良で、屋久島行きの飛行機が欠航なの!!」

 母からの悲鳴電話です。

「どうしたらいいのか、わからない。旅行社の電話番号調べて!」

 ……旅行に行くのに、ツアーの旅行社の連絡先も持ち合わせてなかったんかい……。
 ぎゃーすかわめく母のために、パソコンを立ち上げて、旅行社を調べて電話番号を教える。

 そのあとどうなったのか、気になったのでメールを打ったが、返事はナシ。

 夕方、オレンジとまたしても長電話をしていたら、携帯が鳴った。

「今、モノレールを降りたところ! もうじき家に着くわ」

 母は、大阪に戻ってきていた。
 結局飛行機は飛ばず、ツアーは中止になったらしい。

「鹿児島空港から一歩も外に出てないわ。4時間くらいいたかしら。ラーメン食べたわ」

 こうして、我が家の台風は無事帰宅し、明日旅行社とどう対決するかを練っている。

 またしばらく、うるさそうだ……。

          ☆

 ところでわれらがトド様は、どこまでお行きになるのかしらねえ。
 トド様の専科行きが発表になったとき、

「わたしが死ぬのが先か、トド様が退団するのが先か」

 と思ったもんだったけど。
 マジ、笑い話ではなくなったってことかしらね。

 今のトド様からは想像つかないだろーけど、あの人は昔ね、「やんちゃな男役」だったのよ? 悪ガキだったのよ? そこが魅力だったのよ。

 ペーちゃんとふたり、ささやかにヅカファンをしていたあのころからは、想像もつかない今日このごろ。

 
 アニメの『ベルばら』を数話一気に見ました。
 ほら今、BSで放送してるから。
 アレをDVDに焼こうと思ってね。全40話だから、10話で1枚のRにすることにしたの。先週で10話溜まったから、いらないところを削り落として、改めてRにダビング。

 わたし、このアニメ版『ベルばら』のサントラCD持ってるの。
 もともとは「LP」だったのを、何年か前に「限定発売」と銘打って「CD化」してたんだよね。通販ONLYだってちらしに書いてあったけど、ほんとかな。
 わたしはLP時代もファンだったので、CDも迷わず注文しましたとも。

 サントラCDには、不思議な挿入歌も何曲か入ってて、とても香ばしかったですわよ。
 今咄嗟に出てこないんですが。アニメのCDなんて、さすがにこのトシになるとどこかへしまいこんでいて、日記のために引っ張り出してくることが不可能なのよ……。
 たしか、フランス人ですか?みたいな舌っ足らずな歌手が歌ってたなあ。アニメ中にこの歌が流れることがなかったのも、そりゃうなずけるわ、てな出来の歌だった。

 愉快だったのは、インスト曲には声優の語りが入っていたこと。
 アントワネットとか、オスカルとか。
 アニメの音を使っているわけじゃなくて、たぶんCDのための別録音だと思う。アニメでは存在しない語りだったから。

 と、ゆーのも。

 アニメの『ベルばら』を見た人は知ってるだろうけど、アレ、原作とは相当ちがってたよね?
 オスカルの解釈が微妙にちがってたし、それゆえにアンドレも別の人になっていた。ま、いちばん別人だったのはアランだけど。
 原作ファンとしては、あちこち「はぁ?」と首を傾げていたもんさ。
 原作の名台詞もことごとく無視されていたし。
 アニメはアニメとして、好きなんだけどね。アンドレの死に方(笑)以外は、「別物」として好意を持っている。

 サントラは、たぶんアニメ制作前に作られていると思う。
 アニメがあんなことになるとは、誰も思っていなかったときに作られたはず(途中で監督が替わるなんて、誰が思うよ?)。
 だから、原作に忠実なの。

 オスカルの、原作の台詞があるんだよー。

 オスカルがアンドレに愛を告白するシーン。
「わたしの存在など巨大な歴史の歯車の前には……以下略」
「千の誓いがいるか、万の誓いが欲しいか……以下略」
 が、田島令子と志垣太郎の声で入ってるのですよー。

 アニメにはなかったあのシーンが。

 ……CD聴きたくなってきたなー。探すか……。

 アニメ『ベルばら』を見てDVDのスイッチを切った途端、テレビでただいまやたら放送中の『聖闘士星矢』のDVDのCMなんか見ちゃった日には、「ギャフン!!」って感じですが(笑)。

 
 「様」付けで呼んでしまう俳優のひとり、ヒュー・グラント。
 わたしたちの世代ならば、彼を「英国の貴公子」と認識しているはず。そんなタイトルの写真集も出ていたし。
 昔は「貴公子」、今はシワくちゃなおじさん。
 だけどヒュー様は、それでもやっぱりチャーミング。
 ってことで、ヒュー様の『トゥー・ウィークス・ノーティス』を見てきました。

 監督・脚本マーク・ローレンス、出演ヒュー・グラント、サンドラ・ブロック。

 正義に生きるお堅い弁護士のサンドラ・ブロックは、いつも身を挺して大企業と戦ってきた。なのに、彼女をスカウトしてきたのが、大企業の御曹司ヒュー・グラント。企業の犬になるなんて!と憤慨もしたけれど、故郷コニーアイランドの公民館の取り壊しをやめることと、会社の慈善事業関係を任せてもらう条件で、顧問弁護士を引き受ける。
 優秀な彼女はその腕を遺憾なく発揮し……てはいたけれど。なまじ彼女が優秀なために、ボスのヒューはべったり依存。着ていく服の相談から離婚調停まで、生活のすべてにサンドラがいなくてはやっていけない始末。
 ついにキレたサンドラは、「2週間後に辞める」と言い渡した……。

 「別れ」が決まってから、恋に気づく男女のラブ・ストーリー。

 いやあ、ヒュー様もサンドラ・ブロックもかわいいこと。どちらもきつい美形顔の役者なのに、キュートに見えるよ。
 ロマンティックよりも、愉快な面の方が強いロマンスだなー。笑いがいっぱい。
 つーか、ヤケ食いで下痢をして、トイレに担ぎ込まれるヒロインってどうよ(笑)。しかも、恋の相手に荷物運び(姫抱っこにあらず)されるときた。
 びんぼーな一般人が大富豪と恋愛、なわけだけど、この力任せな笑いの部分がプラスの作用を持ってるんだよね。「共感」がないと、観客は「嫉妬」に走る。ハンサムで優しい王子様と恋愛するヒロインに「反感」を持つ。……それじゃダメ。「共感」させるにはなにが必要か。
 ヒロインのリアリティ。それに尽きる。
 この物語のヒロインは、その家庭から描くことで、ちゃんと姿が見える。この両親に育てられ、この信念を持って生きているのだから、そりゃ不器用だろう(笑)、と。いつも全力疾走できりきり舞いして貧乏くじを引いている姿に、共感できるってもん。
 まー、多少力業すぎる気がしないでもないが。大味なのはアメリカ映画の特徴みたいなもんだし。

 恋愛映画として、たのしんで見ました。
 どきどきして、せつなくって、てのを味わいたくて行くのよ。ちゃんとそれを味わえたからいいわ。
 ただ、書き込みが甘いっっ、とは思ったぞ。もっともっと、せつなく盛り上げることができただろう、クライマックス。ラストが弱いんだよ〜〜。
 男の方の心理も描いてくれよ。どんでん返しのためにわざと伏せたのかもしれないが、そこは伏せるよりもあざとく書き込んだ方がいいよー。

 クライマックスの爽快感は、『ブリジット・ジョーンズの日記』の方があったな。

 それにしても、ヒュー様がプリチーだわ……。
 サンドラ・ブロックが脱がないかわり、ヒュー様の脱ぎっぷりがよくて笑える。なんでアンタそんなに太股だのふくらはぎだの剥き出しにしてんの?(笑)
 これほど短パン(トランクス含む)の似合う40男ってどうよ?(笑)
 ヒュー様のすばらしさは、体毛の少なさにもあるわねえ。太股がきれいなのはいいことだ。そしてなにより、胸毛のないつるつる胸! さすがだ貴公子!!

 強い女と優柔不断男の恋。
 時代を表しているってことなのかしら。
 女は強くて自立した(でも不器用な)ヒロインに共感し、男はやさしくて自分でなにも決められないけど世間的には勝者のダーリンキャラに共感するのか? 
 アタシもあんなふーに、ハンサムでやさしい男を尻に引き、でもつらいときは癒されたい、ってか。
 オレもあんなふーに、知的美人に叱られたり甘やかされたりしてえ、ってか。
 恋のドリームも時代によって変わるわね。
 ……「王子様幻想」は普遍だけどさ。

 あ、この映画は最後まで座席に坐っていましょう。
 クレジットが全部流れたあとで、写真が一枚見られるよ。ふたりの出会うきっかけとなった、コニーアイランド開発計画の、結果が。

 ぜんぜん関係ないんだけど、わたしゃ「コニーアイランド」と聞くと「ぷっ」と笑ってしまうんですよ。ええ、『ホップ・スコッチ』以来ね。
 どうしてもあの駄作と、なんの脈絡もなく意味もなく、そして存在意義すらなかった迷シーン「コニーアイランド」とルーシーが忘れられなくてね。
 どうしてくれるんだ、太田哲則。  

 
「自由席です」
 と言われ、「は?」と思った。
 というのもわたし、この映画館は全席指定なんだと思っていたのよ。オープンからこっち、当たり前に利用してきたけれど、指定がなかったことなんて、ただの一度もなかったから。
 はじめての「自由席」。存在すら知らなかったよ、そのシステム。

 映画館に入って、納得した。

 わたしを含め、「4人」しかいなかったのことよ、お客。
 ははは。
 そりゃ、座席指定する意味ねーや。

 これなら『トゥー・ウィークス・ノーティス』を見たあとこっそりこちらのシアターに紛れ込んでても、バレなかったなと思ってみたり。いや、不正はしませんけれど。

 台湾映画『ダブル・ビジョン』。
 監督・脚本チェン・クォフー、出演レオン・カーファイ、デビッド・モース、レネ・リュウ。

 わたし、すっかりホラー映画ファンですかね。「こわい映画」と聞くといそいそ出かけているような気が。
 といって、ほんとうに「こわい」(おもしろい、という意味)映画にはあまりお目にかかっておりませんなあ(笑)。

 台湾映画を見るのははじめてで、過去に見たいくつかの中国映画、香港映画、韓国映画で、「あたし、中国系苦手」と思っていたんで、今回も苦手だという先入観がありました。
 ところがどっこい。
 この映画は、わたしの「苦手意識」にはまったく引っかかりませんでした。
 つーか、中国系とは思えない。ふつーに洋画だわ。ハリウッド映画でも違和感ない作り。「台湾映画」ってことで、損してないか? アメリカ産ならもっと売れているだろうに……。

 と思うくらいに、ふつうにたのしんできました。

 大都会台北市で、謎の猟奇殺人事件が起こる。真夏のオフィスビルで、会社社長が「凍死」。焦げひとつない部屋で、議員の愛人が「焼死」。教会の中でアメリカ人神父が「生きながら腸を抜き取られる」。
 連続猟奇殺人事件として、台湾警察はFBIに協力を要請した。
 FBI捜査官のデビット・モースと、「英語堪能」ということで彼の相棒にされた、暗い過去のあるやさぐれ台湾警察刑事レオン・カーファイ。ふたりは「出会いは最悪、しかし次第に惹かれ合い……」というお約束を踏襲して捜査をする。
 これらの事件には、道教と、あるカルト宗教集団がかかわっているらしい……。

 科学では説明できない猟奇殺人事件。道教の「5つの地獄」を元にした「見立て殺人」ですよ。そして文化と立ち位置の異なる「ふたりの男」の「友情もの」ですよ。主人公の台湾刑事は「暗い過去」があって「家庭崩壊」しているんですよ。警察でも「孤立」しているんですよ。でも、ハンサムな警部が「友だち」で彼を「特別にいつも見守っている」んですよ。
 ……いろんな意味で、たのしかったっすよ。

 なんか、真面目に作られた作品だなあ、と思った。
 テーマの重さとか、作品へのアプローチや演出などが、とにかく「真面目」。もうちょっと軽薄な方が売れるかもな、ってくらい、片意地張って真面目にホラーして、真面目にドラマしてる。
 でもその真面目さが、好印象。

 どーして『ボイス』なんてお笑いホラーが売れて、この映画はわたしをいれてたった4人なんだ?
 資本力のちがいって、せつないね。『ボイス』の宣伝費はものすごかったもんね……。あんな映画だったのにね……。それでも映画館は女子高生たちでいっぱいだったもんね。
 そして『ダブル・ビジョン』は水曜日の夕方に、たった4人だよ、客数。せちがらい世の中だよね……。

 今回つくづく「漢字っていいなあ」と再認識しました。
 「道教」って、いいぞ。ロマンだわ。古い漢字を見ていると、ぞくぞくします。
 ……クーロンっぽくて(笑)。
 ええ、わたしのフェイバリットなゲームソフト、クソゲーと名高い『クーロンズ・ゲート』の香りがするんですよ。
 それで勝手に盛り上がってました。ストーリーとも世界観とも別のところで。
 クーロンっぽい雰囲気が部分的にあった、というのはわたしだけのツボですから。一般の人には意味ないでしょう。
 漢字が乱数的に配置された文字盤なんか、ただそれだけでぞくぞくするくらい、「すき」と思えるんだもの(笑)。

 それにしても、「神秘的な美少女」というのは「白いワンピース」を着なければならないんですかね。地球のルールですかね。
 わたしの友人のオレンジは、「白いワンピースの少女萌え」という病気を持っていて、コレを語り出すと止まらないヤツなんだが。
 ……『ダブル・ビジョン』の白ワンピ少女について、意見を聞きたいところだ……。オレンジが映画を映画館で見るはずもないが。ついでにこわがりだから、たとえ自宅のテレビででも、ホラー映画を見るはずがないが。

 たのしく深く見ていたのだけど、あのラストはどうなのかしらねえ。
 わたしは思わず「をい」と突っ込んじゃったけど。世間的にはアレ、「感動のラストシーン」なのかしら。
 わたし的には「膝カックン」された感じだったんだけど……。

 あ、カップリングは警部×主人公で! 警部の片想いねー。
 誰にも心を開かなかった主人公が、FBI捜査官と仲良くなっていくのを、きっと警部はやきもき見守っていたことでしょう。釘を刺したりもしていたしな、警部(笑)。

 
 なんか、親ふたりが人間関係でばたばたしている。

 父は少し前から、彼の属する組織(とーってもささやかなグループ。蛙の住む井戸のよーなもん)の人事でモメていた。
 タカラヅカでいうならば、父はそこの2番手らしい。性格的にトップスターにはなれないし、なる気もないので、機嫌良く2番手でおいしいとこ取りをしていた。だが、このたびトップスターが専科入りし、トップ・オブ・トップスになるそうな。現在のトップがいなくなるわけだから、次のトップが必要だ。
 そこで起こる、もめごと。
 父はトップになる気はない。それくらいなら退団すると言う。他のトップ候補は、トップになりたがっている人がひとりで、あとはみんな嫌がっている。じゃあその、やりたがっている人がやればいいじゃん、というとそうはいかず、その人には人望がないという。
 それでなんか、毎日電話が鳴りまくり、ばたばたしてやがる。
 最近になって少し落ち着いたかな。結局父は2番手からも降りて、「相談役」になるという。それって「専科」ってこと?

 父がちょっと落ち着いてきたかなと思ったら、次は母だ。
 ある雑誌が、母の師匠の特集を組むという。そしてそこに、「5人の弟子が**先生を語る」という企画があるらしい。
 その雑誌社から、母に原稿依頼が来た。母は師匠の数多い弟子たちの中から、世間的な評価として「5人」に選ばれたらしい。
 ……さあ、そこで起こるもめごと。
 誰が選ばれて、誰が選ばれていないか。「わたしこそが先生の愛弟子なのに! あの人が選ばれて、どうしてわたしが選ばれないの?!」
 鳴りまくる電話。派閥がどうの、誰の面子がどうのと、漏れ聞くだけでも、うんざりする。

 人間、いくつになっても人間関係でもめるよね……。

 CANちゃんからは、「トド様理事就任おめでう! ……おめでとうって言っていいのよね?」というメール。出張していたから、情報にちと時差があったそうな。
 さあ? めでたいんでしょうか。わたしにはよくわかりません。とりあえず、ずーっとファンはしてますが。
 同い年の彼が、どんなカタチであれがんばってくれていれば、それが励みになるというもの。
 ……そーいやタカコも同い年だけどな。彼は年々若返ってるから、ちっとも同い年って気がしないわ。

 あ、ぜんぜん関係ないけど、思い出した。
 我が家には何年も前から、タカちゃんの載っている卒業アルバムがあります。何故か(学校チガウのに・笑)。
 歯並びは多少矯正したかもしれないけど、彼女が整形していないことは断言できます。今とおんなじ顔してるよー。

 
 本日は、花組観劇。席は3列目1番。下手花道の真横。

 ……いちばんときめいたのが、芝居の最初の、専科3人+組長のシーンだっての、どうよ?
 汝鳥伶さまにめろめろだった、ての、どうよ?

 いやあ、我ながらおどろきました。
 あさこじゃないの? あさこがいるのよ?! なのにわたし、あさこじゃないのねっ?
 あさこはスルーして、おじさま4人組に心臓がばくばくしていました……。なんて豪華な顔ぶれなの。手を伸ばせば触れそうなところに、素敵なおやぢが4人……っ!
 ああとくに、汝鳥伶さま……!!

 そっか、あさこはスルーか……(いちばん驚いている事実)。

          ☆

 WHITEちゃんも来ているはずなので探したけれど、見あたらない。
 変だな、友会で当たった2階席で観ているはずなのに。
 休憩時間にキャトレに行くと、WHITEちゃんがいた。

「チケット、さばいちゃった」

 WHITEちゃんは笑顔。「だから今日は観てないの」と。

 さばいただとう?
 ひどい、花組はその程度なのね!(その程度だろう)

「だってあたし、今日6時からドラマシティだし」

 11時公演をさばく理由になってないっつの。ナマ吹越満の方が大事か〜(笑)。

 一緒にランチだけして、帰りました。

          ☆

 さて。
 茶の間のチャンネル権を握っている父が、2階で電話中。
 わたしと弟と母の3人は、ここぞとばかりに『安楽椅子探偵5』のビデオ鑑賞。めざせ懸賞金50万円!!(笑)

 半分ほど見たころに、父が電話を終えて降りてきた。

「今、ビデオ見てるから」
 父に構っている暇などない。

 ……以前にも、こんなことがあった。
 わたしと弟と母と3人で、『リング』のビデオを見ていたんだ。そのときは父も一緒で、茶の間のチャンネル権を持つ父に「ビデオ見てもいい?」と断り、「いいよ、今なにも見たいモノがないから」という父の許可を得て、上映会をしていたんだ。

 なのに、父は途中で「妨害工作」に出た。

 こわがりの彼は、途中でこわくなったらしい。だが、「ビデオを見てもいい」と許可してしまった都合上、どうすることもできない。
 見たくないのに、ビデオが流れている場合、どうすればいいか、を、父は実行した。

 用事もないのに、テレビの前を何度も行き来する。
 今する必要のない片付けモノを、大きな音をたててはじめる。
 関係ない話をひとりで喋り出し、相槌を求める。
 すぐそばにある台所で、水を出したりなんだりで音をたてる(水音ってのは、やたら響く)。
「そーいや見たいテレビがあったな……」とひとりごとを言いながら、音をたてて新聞を広げる。
 とにかく動き回り、画面と音声をかき消そうとする。

 わたしたちはもちろん、非難した。
「うるさい」
「邪魔」
「どっか行け」

 『リング』のときは、ほんとーに見たくなかったのだろう。夜遅い時間だったのに、彼はサンダル履きでどこかへ出て行ってしまった。

 アレと同じことが、ふたたび起こった。

 父は、妨害工作に出た。
 上記のことを、またしてもはじめたのだ。

 今回は、自分だけ仲間はずれにされたのがくやしかったらしい。

「うるさい」
「邪魔」
「どっか行け」

 さんざん邪魔をし、そしてその結果邪険にされ、いじける父に、今回はわたしたちが折れた。
 弟の部屋に移動して、つづきを鑑賞。やれやれ。我が家では家族でビデオを見るのも一苦労さ。父は絶対チャンネル権を譲らないもの。(そして彼には、そもそも「フィクション」をたのしむ能力がない)

 母は「看護婦よ! 看護婦が怪しいわ!」と鼻息荒くわめいているが……どうよ?
 わたしと弟は、まだ犯人を特定するには至らず。……つーか、過去一度も自力で「エレガントな回答」にたどりついてないんだわ。

 50万円……欲しいけどな(笑)。

 
 ツッコミどころ満載。雪組バウホール公演『アメリカン・パイ』。

 幕間の休憩にて、わたしとWHITEちゃんが口にしたのは、壮くんのことでした(笑)。

「あれってさあ、かっこいいの?」
「かっこいいんじゃない? つーか、めちゃかっこよかったじゃない」
「たしかにかっこいいんだけど……」

 何故でしょう。
 かっこいー黒髪ロン毛の壮くんが出てくるたびに「くすっ」と笑えるのです。
 なんでだろーね?

 たぶん彼が、不自然にかっこいいからでしょう。
 かっこいい意味もないし、役的に重要でもない。つーか、いてもいなくてもいい。なのに、出てくるたびに「これでもかッ」とかっこいい。
 そのギャップが、脱力系の笑いを誘うのね。
 さてそれは、出演者の問題なのか? 演出の問題なのか?
 

 けっこー、とほほな作品でした。

 わたしは原作を知らないし、あらすじすら読んでません。いつものよーに、予備知識ナシ。2番手が誰かも知らなかったさ。ポスターに写真が載ってないから。

 真っ白な状態で見はじめて、思ったこと。

 暗転うぜぇ。
 芝居くさい。
 センス悪。

 ……1幕って、ものすごーく場面転換多くない? ちょっと台詞があって、すぐ暗転。セットが作り替えられるごとごとという音が響く。
 テレビじゃないんだから、場面転換が多いと観ている方は疲れるよ。ほんとーに必要なシーンなのか?

 舞台は現代。正確にはちと昔だと思う。西ドイツがあるころ。マイアミで売れないロックバンドをやっているカシゲは、ひとりの少女を拾う。薄汚い少年、に見えるくらいのかまわない姿をした少女、シナちゃん。彼女は不治の病だった……。

 多少郷愁を誘うとはいえ、あくまでも「現代」だよね、これ。
 だから、みょーな芝居臭さが気になった。
 カシゲがいちばんそうなんだけど、「今、芝居してます!」っていう、大袈裟な演技なの。2500席ある大劇場で、いちばん後ろの席の顔が見えない人からも、ゼスチャーでなにをしているかわかりますよ、てな、大きな大きな演技。
 あの、ここ、バウホールなんですが。500席しかないんですが。
 なんでそんな、TPOをわきまえない演技なの? なんでそんな、もったいつけた大袈裟な演技なの?
 ふつーにやればいいのに。
 みんなみんな、「今、芝居してます!」と芝居しまくり。
 同じバウでも、時代ものならそれでいいと思うのね。コスチュームものなら。
 でもコレ、現代でしょ? 現代の人が、そんな喋り方するのって、気持ち悪いっす。

 反応にこまったのは、服のセンスの悪さ。
 えーと、これは原作がそうなんですか? 原作では、これとまったく同じ服装してるの? ほら、マンガがアニメ化されたときに、「なんじゃこれは」とびっくりすることがあるからね。マンガに色はついてないけど、アニメにはついてるから。「世界」に色がついた途端、センスのちがいにおどろくことがある、ってこと。だから今回も、原作まんまだけど、色にするときにまちがえたのかしら、とか?
 ……それにしても、服のセンス、ひどいよ。
 少し前のマイアミのロッカーたちは、あんなんなんですか? もし史実に忠実だとしても、それを舞台で再現する意味はどのへんにあるんですか?

 変な格好をした人たちが、みょーに芝居っけたっぷりの臭い演技をし、ちょろっと喋ったかと思うとすぐ暗転、ちょろっと喋ったかと思うとすぐ暗転……の繰り返し。
 こ、こまった。
 なんかひさしぶりに、基本的にレベルの低いモノを観たかも。

 谷も植田も石田もその他いろいろも、基本レベルまでは問われないよなあ……と、しみじみしたりして。

 「わたしならこうする」「わたしなら、こうはしない」がてんこ盛りで、じれったい作品でした。

 せめて。
 わたしなら、服をなんとかするよ。
 史実も原作も、とりあえず置いておく。今「舞台で」美しく見えるようにする。
 統一感を持たせ、「現代だけど、どこかファンタジー」って感じにするよ。
 そして、演技を変える。
 変にわざとらしくしないで、もっとさらりと現代ぽくする。ふつうにする。ねっとりすれば泣けるってもんでもないよ。さばさばした演技だからこそ、「ここぞ!」ってときに熱を込めて、泣かせるんだ。
 

 物語の構成は、ツッコミどころありすぎて、語れないわ。部分修正どころじゃない、1から全部作り直したくなるので、語れない(笑)。
 わたしが原作を知らないからかしらね。
 でも、知らないからこそ、純粋にこの舞台を観て、作り直したくなるのよ。あくまでも「この物語」を。

 いやあ、わたし、『SLAPSTICK』大好きなんだけどねえ。新公でも、小柳演出好きなんだけど。
 今回は、大ハズシでしょう。いっそ気持ちいいくらいに大失敗してる気がするんですが。

 
 カシゲはきれい。ほんとにきれい。
 だから、「きれいじゃない」設定だということに、最後の方まで気づかなかった。
 繰り返し「モテない」と言われていたけど、友人同士はわざと相手を低く言ったりするから、それかなと思ってた。
 だってきれいなんだもの。きれいじゃない役だなんて、わかんなかったよ。
 過剰な演技がいちばん気になった。もっとふつーに喋れよ、と思った。
 彼が若くてかっこよくてきれいだから、女の子を拾うのはどうかと思っちゃったし。男の子と半同棲してるみたいだし、なんかあちこち首を傾げてしまった。
 そうか、もっと年が上で、きれーでもかっこよくもない男の設定なのね。それなら男の子を父性ゆえに家に入り浸らせていても性犯罪の臭いはないし、やせっぽちの女の子を拾っても変質的な臭いはないか。
 設定とカシゲの姿が相容れなくて、混乱した。
 タカラヅカだからきれいでいいんだけど、「実際にきれいだけど、ほんとはきれいじゃない設定」だって、もっとわからせてくれてもいいんじゃあ?
 わたしとWHITEちゃんは最後まで、わかんないままだったよ。

 とはいえ、彼は熱演でした。

「オヤジのカシゲがみたかったな」
「違和感なくオヤジになれるしね。髪が後退してる……」

 カシゲに関しては、かなり欲求不満だ。……あ、いつもか。
 がんばれかっしー、負けるなかっしー。いつもわたしは、そう思い続けている……。
 

 シナちゃんはかわいかった。ほんとに小さい。うらやましい……わたしがあれくらいの体型だったら……はっ、本音が。
 声が透明感に満ちていて、とてもきれいだった。昔、歌を聴いてびっくりした記憶があるだけに、どんどんうまくなっているのがすごい。
 ただ、顔は小さいのにアタマが大きいのが気になった。カツラのせい?

 
 壮いっぽくんは、ますますタカコそっくり(笑)。いろんな意味で、一回り小さなタカコ。
 全員が妙にくどい演技をしているから、意味もなくかっこいい彼のくどさが、笑える。
 それにしても、いてもいなくてもいい役か……。今上昇気流に乗っている彼をこんな使い方するなんて、もったいない。

 
 いづるんはお医者さん役。いづるんが、眼鏡でスーツの医者!!
 ナァァァイス!! これだけは、ナイス・キャスティング!! ついでに白衣も着せてくださいよ。
 いづるんには役不足だとは思うんだけどね。悪趣味な服装のロッカーたちとちがって、スーツだったからうれしい。
 いづるんが眼鏡の医者……(妄想中)。

 
 全体的に、男役がまるまるしててつらかったなあ。
 みんなジーンズとかだから、「男役」のカラダや立ち居振る舞いができあがっていないと、見ているだけでもキツイんだよね。
 みんな、「女の子」のまま舞台に立っていた。き、きつい……。
 

 ほんとにまあ、いろーんな意味で大変な舞台だ。
 ろくにミュージカルにもなってないし(名もなき少年少女たちが、意味もなく出てきて踊るシーンが何度もある。どうやらこれが「ミュージカル」らしい)。
 カシゲとシナちゃんのふたり芝居で十分な脚本だったね。

          ☆

 水くんバウのポスターが貼ってあった。
 か、かっこいい……。
 しかもひとり写りだよ。
 今まで、ひとり写りポスターになった人って、みんなトップスターになったよねえ?


 ひょっとしてコレ、夢オチかなあ?
 最後はおデブでおっかない奥さんが出てきて、「アンタ、なにぼーっとしてんのよ、さっさと掃除してよっ」とか怒鳴りつけて終わるんじゃ……?

 と、途中から危惧してしまいました。

 『ソラリス』。
 監督・脚本スティーヴン・ソダーバーグ、出演ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーン。

 惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーションでトラブル発生。なにが起こったのか、当局はお手上げ状態。そこでジョージ・クルーニーが調査に送り込まれた。
 ステーションでは、とんでもないことが起こっていた。クルーは何人も死んでるし、生きてる人たちもなんか変だし……。説明不要、クルーニーも異変を経験することになった。死んだはずの妻、ナターシャ・マケルホーンが現れたのだ。
 どうやら、惑星ソラリスの力で、「記憶」の中にある人の姿が「本物そのままの姿」で再生されるらしい。ナターシャに未練タラタラのクルーニーは、ニセモノと知りつつも……。

 えーと。
 なんか、想像していたのとはまったくちがう映画でした。つーか……周り、寝てる人けっこーいたような。たしかに、寝るかも……。

 予告編とかテレビCMとか見ると、壮大で派手なスペオペ系に見えるんだけど、実際はお茶の間系でした。4畳半でOKっていうか。
 小さな宇宙ステーションの中だけで、話は完結。1幕ものの舞台みたい。お金、かかってなさそう。

 SFのふりをしていますが、SFでなくてもいい話でした。
 愛と過ちと後悔の物語。
 ベタ惚れだった妻を、自分の過失(と本人は思っている)で死なせてしまった男が、その愛の傷から立ち直れずにうだうだやっていたところ、幽霊だか宇宙人だかわからないけど妻がもう一度現れた。まさかのラストチャンス、トライアゲイン?!
 てな話。
 惑星ソラリスでなくても、幽霊でも麻薬でも、天使が出てきても、このテの話は作られるよね。
 だから途中から、話はSFというより観念の世界へGO! ……SFを見るつもりで来ていた人は、そりゃ寝るわ……。
 まあ、SFが観念の世界へ入ってしまうのは、小説ではありがちなので「うわっ、こうきたか」ぐらいの気持ちで見ていましたが。

 観念の世界へ入り過ぎて、凡人のわたしは蚊帳の外。ほけーっと眺めておりました。
 そして、夢オチもアリかなあ、とか、チガウこと考えてたよ……。
 美しい妻との情熱的な恋愛も、悲劇の別れも、そしてソラリスでの再会も、みんなみんな、クルーニーの妄想だったら愉快だなあ、って。現実の彼はさえない3流サラリーマンで、ぶさいくでおっかない奥さんに尻に敷かれていて……と。
 実際は、最後まできれーに突っ走って終わったけど。きれーすぎて、わたし的には「それだけかい」だったわ。

          ☆

 昼間は大阪歴史博物館に行ってました。『ソラリス』より、こっちの方がおもしろかったよ。

 父が行きたがったので、家族みんなでおつきあい。……つーかうちの家族、歴史系のイベントは大好きなんだ。
 障害者手帳があれば本人と付き添いひとりが無料。父は先日の入院以後、障害者認定を受けているので、無料……のはずが。
「手帳の交付は、来月からなんだ」
 ええっ、そうなの? ……まあ、退院してすぐ、遊び歩く方が変だよなあ、父よ。

 入場料は600円。
 値段分はたのしめる場所だったわ、博物館。
 弟は2回目だと言っていたが「1回だけじゃ、とても全部は見られない」とのこと。……まったくもってその通りだった。

 平成時代に建てられたとは思えない、超バブリーな造り。一見の価値ありだ。

「最初の映像がすごいぞ。とにかく、笑える」
 と、弟。
 なにが笑えるんだろう、と思いつつ順路に従う。

 ……ほんとに、笑えたよ。

 「難波宮大極殿」の大スクリーンの映像。NHKが全面協力したんだろーな、と思わせる壮大すぎるCG映像と、もったいつけた演出!!
 クライマックスでは、吹き出してしまった。
 ここまでやるか。……ここまでやるのか!
 考えた人、えらい。
 ベッタベタの感動がそこに。

 単純なうちの母なんか、素直に感動していたよ。
 わたしや弟は、感動する前に爆笑してたけどな。

 このベタさは、見習いたいわ。

 歴史が好きで、大阪に興味がある人はGO。
 全館あげて「大阪万歳」の姿勢を貫いていて、すげー愉快。
 歴史的価値はほとんどないが(模造品ばかりの陳列)、金のかけ方はハンパぢゃない。金さえあれば、重要文化財や国宝がなくても博物館は運営可能なんだってことを体現してくれているよ。……せちがらい話だ(笑)。

 1回では完全に見ることができなかったので、是非もう一度行きたい。

 
 今日は花組新人公演。

 てゆーか、WHITEちゃんと4日連続デート。それでも話題が尽きないのがすごいね。閉店で追い出されるまで某レストランで喋ってた。……どーせ帰りの電車も同じ、家も近所なのに。
 はっ。のろけかしら、これ(笑)。

          ☆

 そのかーっ、そのかラ〜ヴ!!

 今回の新公は、それに尽きます、わたし的に。
 もー、すてきなの、そのかくん。
 忠輝よりも主水よりもいろは姫よりも、いちばん「美形」だったんですけど、そのか。

 そのかの役は、「徳川家康」です。

 もーっ、家康が、白髪のじじいが、そんなに美しくていいのっ?!
 その切れ長の瞳はなんなの? うきゃーっ。

 ……あくまでも、個人的な感想なんで、ツッコミはナシでお願いします。賛同意見のみ募集(笑)。

 今回の新公は、おやぢ役の人々が、若すぎました。
 みんな、顔にシワひとつ描いてない。きれーなまま。少女マンガの老人みたい。ヒロインと同じ顔で、目の下にシワが1本描いてあるだけのおばーさん、みたいな感じ。つるつるすべすべのお顔で、老人や中年をやってるのさ。
 そのかの家康は美しくて個人的にはウケたけど、真の役者ならばその美しい顔を汚すぐらいせんかい、とも思う。
 もちろん、彼はプロローグとフィナーレで「若衆A」をやっているので、顔を汚すことなど不可能なのですが。

 そのかの若衆がねー、もー、きれーでねー。
 ゆみこが本役の位置で踊ってるのよ。目を疑ったわ。えっ、家康なのに若衆A?! 組内3番手の位置?! 家康なのに?!(こだわっている)
 眼福眼福。いいもん見ました。

 というかわたし、今までそのかっちを「美形」だと思ったことがなかったのよ。
 フェロモン男だし、いい男だと思っていたけど、顔が美しいとは思ってなかったのよね。よくも悪くもおやぢ顔だなあ(笑)、と。恰幅もいいし、このままケロ系のやんらしい味の出せる、おいしいおやぢに育って欲しいもんだと。

 ああなのに。
 今日はじめて彼を、「美形」だと思いました。
 家康なのに!!(こだわる)

 主役ふたりがアイドル系かわいこちゃんじゃん。なにも似たタイプにW主演の新公をさせなくていいのにさ。
 本役はトド様と寿美礼ちゃんの持ち味のちがいが全面に出ているからパッと見もたのしいけど、新公はふたりとも瞳きらきらの美少年だよ。あー、ジャニ系Wときたもんだ……の横で、切れ長の瞳がきらり、の、そのかだよ。
 かわいこちゃんに興味のないわたしは、見事にそのかにオチました……オペラグラスは彼専用(笑)。や、もともとそのかファンだけど。

 主役はみわっち。
 がんばって切れ長のメイクしてました(笑)。トド様風? でもやっぱりかわいい。
 なんというか、若くて軽い忠輝だった。トドが重すぎるってこともあるだろうけど、それにしても軽いなあ。

 みつるくんは……歌だ。なんといっても歌だ。寿美礼ちゃんが恋しかった。そっか、難しい歌だったんだな。そーでないと、ここまで歌えないなんてこと、ないよな? てくらい、ものすごい歌声だった。
 しょっぱなの、みわっちとのアカペラ・デュエットの破壊力ってば……(笑)。
 あー……トド様と寿美礼ちゃんの歌が聴きたい……。
 いちばんよかったのは、自害シーン。そこにたどりつくまでは、けっこう大変だったような。

 まっつには発見ナシ。期待通りというか。
 眼力がまだまだだなあ、と思う。
 ところでわたし、まっつは顔が好きなのね。宙組の右京くんと同じ、群舞の端にいても顔だけで「あっ、好みの子発見」と贔屓リストに入れた子なの。
 今回彼は、鉄砲隊としても出てるんだけど、わたしの席からは顔がほとんど見えなかった。で、前もって役を調べたりしていないので、誰が演じているのかもわかっていない。
 なのに、「あの鉄砲隊の子。好みの顔だわっ、あとでチェックしなきゃ!」と思ったのよ……プログラム見て笑ったわ。なんだ、まっつじゃん。鼻しかろくに見えなかったのに、それでも好みだと思ったのか、わたし(笑)。

 さて、一度個別認識したが最後、どこにいても目に入ってしまう、個性的な顔立ちの理世ちゃん。本公演でも目についてしょーがないのに、新公ともなればなおのこと。……モブキャラに向かない子だわ(笑)。
 理世ちゃん演じる豊臣秀頼、すまん、本役より好みだ。ゆみこちゃんも好きだけど、理世ちゃんの秀頼の方が好き。
 なんというか、すげーさわやかに「少年」だったぞ。秀頼っていうよりも、「沖田総司」のイメージだった。
 透明感あふれる美少年であるだけに、その運命が痛々しいというか。
 忠輝が若くて軽いのが悔やまれる。トド忠輝とからんでくれたら、わたし、萌えてたかも……。

 あすかちゃんは、華やかだなあ。
 最初の登場のとき、赤い衣装なんだよね。それを見て思ったの。赤が似合うなあ、と。ヒロインなんだな、この子、と再確認した。それが、本役さんには感じられないトコロだわ……。
 でも、顔がな……。真っ白けでこわかった……。
 顔さえアップで見なければ、あとは完璧に「お姫様」だったわ。声も演技も。

 それにしても、やっぱり新人公演って、つらいね。
 役者が力不足だと、作品の不出来がモロにわかる。
 雪の『春麗の…』も新公を見て「もう本公演に行きたくない」って思ったんだったわ。宙の『ベルばら』も、新公を見てしまったから「二度と観たくないっ、こんなもん観たらわたしの感性が廃れる」と思っちゃったんだ。
 新公はいいのよ。がんばっている若い人たちを見るのは好き。生徒たちを悪く言ってるわけじゃないのよ。
 ただ、作品のこわれっぷりに、我慢ができなくなるのよー。

 今回も、「これをあと2回も観るのか……」と、うんざりしてしまった。
 かねすきさん、わたし、24日は安い席でいいです。たとえかねすきさんと殿さんが1階S席で観ていても、わたしは2階B席で観るよ。トド様も寿美礼ちゃんも大好きだけど、彼らの熱演は観たいけど、作品にうんざり。

 と、言いつつも、それでも劇場に通うのだから、オタクってやつはよ(泣笑)。

 
 雨なので、映画館に行けない水曜日。
 映画館まで、自転車で40分もかかるんだもん(電車乗れよ)。

          ☆

 ここ数日、母がなつかしグッズをひろげています。
 昨日は帰るなり、25年ほど昔の「母の日記帳」を見せられたし。
 育児日記なのよね。わたしと弟のことだけが書いてある。しかも、当時のグッズがいろいろ貼り付けてあるし。
 わたしが母の誕生日に贈ったお手製のお守り袋だとか、賞状だとか、母と父の似顔絵だとか、とにかく「あちゃー」なものがいっぱいさ。

 今日は、30年前のビデオを見せられた。
 ……なんつっても30年前だから、音声はなし。カラーもずいぶん色あせている。わたしは幼稚園児くらい、弟は直立歩行する動物状態。
 母は笑えるくらい太ってるし、父は貧相。祖父母は人相悪し。

 映像が残っているのはいいけど、いっさい整理してないんだよね。
 当時のテープは3分しか録画できず、3分に1回映像が途切れ、そのたびにまた別のテープをつないであるんだけど、つなぎ方がめちゃくちゃなの。時代も季節もとびまくり。
 テープは劣化する一方だから、デジタル化したいんだけど、このめちゃくちゃなままじゃ、どうしようもないよ。
 どうして「撮影年月日」と「場所」をメモしてないの?

「大体わかるじゃない。桜が咲いているなら、春よ」
「いつの春よ? 30年前? 31年前?」
「年齢でわかるじゃない」
「じゃあこのテープのわたしは、4才? 5才?」
「場所でわかるわ。ほら、この遊園地、ファミリーランドよね?」
「ぜんぜんちがう」

 話にならない。
 わたしは、DVD化するならちゃんと年代順に整理したいのよ。
 それを話しているのに、年寄りどもときたら、たんに「昔の映像」に大喜び。20年前でも30年前でも、まったく気にならないみたい。
 ただ「過去」がうれしくてしょうがないのね。

 我が家には、映像財産が山ほどあるのよー。昔から、ビデオカメラ大好きだったんだもん。
 しかし、それらのほとんどが未整理(日にちすら書いてない)ってのは、どうよ。
 現代のビデオカメラ時代になるまで、日付機能はなかったわけだからねえ。

 それにしても、わたしはつくづく、ぶさいくな子どもだったなあ。

 
 花組東宝の友会入力、気づいたのが〆切1分前だった。……あぶねえ、あぶねえ。どうせはずれるだろうけど、せめてエントリーはしておかなくっちゃね。オサ様命!のデイジーちゃんに頼まれていることだし。
 今のとこ、何故か花組は連勝中。記録更新するかしら。
 

 この間、WHITEちゃんと「オヤジのカシゲが見たいわ」などと話していたとき、ふと思ったのよね。
 カシゲで見てみたい役ってのは、いったいどんな役だろう、と。
 WHITEちゃんと話していたとき、ふたりの頭の中にあったのはもちろん『アンナ・カレーニナ』のオヤジ役だ。コム姫目当てで観に行ったはずなのに(わたしは+しいちゃん)、カシゲにハマってホールをあとにした。
 あのときのかっしーはよかったよなあ。でもそれ以外でよかった役って……?

 もしもわたしが、かっしー主役でなにか作品を書くとしたら、なにをどんなふーにやるだろう……とドリームして、途方に暮れる。
 ……なにも、思いつかない。
 壮いっぽくんの方がよっぽど、イメージ湧くよ。いっぽくん主役で、かっしー2番手なら、いろいろドリームできるのになー。
 へんだな、わたし、いっぽくんとかっしーなら、断然かっしーの方が好きなんだけど。それでも、かっしーの「主役」はぴんとこない。

 長く雪組を観ているもんで、かっしーの歴史は大方目にしているはずなんだが、彼の「はまり役」を思い出せない。「はずし役」なら思い出せるんだけど(『追憶のバルセロナ』とかな)。

 わたしがかっしーに着目したのが、新公『エリザベート』。ルドルフ皇太子のあまりの美しさに、息をのんださ。
 なんせ、本役のルドルフはおせじにも「美しい」とは言えない人だったので、イメージ通りの「ルドルフ」を見ることができて大喜びした。
 忘れられないのは、友人のクリスティーナさんだ。彼女はルドルフ役に多大な思いこみがあって、「タータンのルドルフは絶対許せない!」とわめいていた。
 彼女のなかの「ルドルフ」はシメさんで、そのイメージを崩す者は許せないと言うのだ。
「アンタ、見たの? シメさんの演じるルドルフ」
 と、わたしが聞くと彼女は自信満々に答える。
「テレビの中継で見たわ、『うたかたの恋』」
「テレビのって……あれ、マリコじゃん」
「…………っ!!」
 驚愕。指摘されて、本気でおどろいてやんの。
 たしかに『うたかたの恋』はシメさんがトップスターのときに上演されたけれど、まさかの休演でシメさんはムラの舞台に立てず、代役でマリコさんが演じたのよ。テレビ中継はその代役公演だった。
 クリスティーナさんのなかでは、『うたかた』=シメさんで、記憶の書き換えが完了していたらしい。一度も見たことのないシメさんルドルフのみが「正解」で、あとは全部「まちがい」。
 シメさんルドルフを「見た」と思いこんでいるあたり、ほんとにドリームしてたのね。
 そしてそのドリームゆえに、タータンのルドルフが許せない、と。
 そのクリスティーナさんが、新公のかっしールドルフを見て、
「許す。許すわっ、このルドルフなら許す!!」
 と、鼻息荒く繰り返していたのが、忘れられない。
 ……あのころは、『エリザベート』がヅカの定番となり再演しまくるなんて、夢にも思ってなかったからさー。

 新公のルドルフは、そりゃーもー、美しかったさ。かっしーの白い美貌にぴったりの役だったよ。
 当時飛ぶ鳥を落とす勢いの、鬼畜さが素敵なトウコ演じるトートに翻弄されるのが、耽美極まりなかったわ。

 しかし。
 あれ以来、はまり役を思い出せないんですが。

 まだわりとよかったのって、『イカロス』とか? 個性の薄いきれーで繊細な青年の役だったわねえ。『浅茅が宿』のオカマ役(トドにからむ)は、サムかったしなあ。あと、本公演で2作連続トドの腕の中で死ぬ役をやってたっけ。個性の薄いどーでもいいよーな、でもとにかくきれいな役(トドのよーな男臭い美男と絡めるとイイ、と演出家に判断されたのかね?)。
 初主演の『ささら笹舟』は作品自体が駄作中の駄作なので、それでかっしーを語るのは気の毒だから除外するとして(かっしーは熱演だった。こんなに実力があったのかとおどろいた。……でも駄作だった)、えーと、わたし的にかっしーの役で好きだったヤツって……?

 強いて言うなら、『アナジ』の不知火かな。
 アレもどーでもいい役だったが、唯一「きれいなだけの薄い人」ではなかった。
 海賊だから、汚かったの。ダークな美しさ。なんだよかっしー、黒い役もできんじゃん!とあのときは誤解した(誤解なのか)。
 『バルセロナ』で見事に膝かっくんさせてくれたように、悪役はできないのよね。なにをやっても「いい人」オーラが漂っている。今思えば、不知火も「悪ぶっているけど、ほんとはいい人」だったから、素敵に見えたのよね。

 つーことで、わたしがかっしーで見たい役。
 「ハートの熱い不良青年」。

 かっしーはとにかくきれいだから、スーツだとか軍服だとか着せて、さしさわりのないいい人とか美男だとか愛に苦悩する繊細な貴公子とかやらせても、ただきれーなだけで終わると思う。
 今までがそうだったから。
 だから、もしもわたしがかっしー主役でなにかプロデュースするなら、悪役ではない黒い役を創り上げる。
 見た目はワイルドで悪役風。ぶっきらぼうで無口。
 だけど、ほんとはやさしく熱い男。不器用なかわいい男なの。
 かっしー自身の「白くて真っ当で人のいいオーラ」が勝手ににじみ出てくれれば、それで十分素敵になるよ。

 さて、この不良青年かっしーに合わせて、他を創るとすると。
 いっぽくんもダーク系がいいなあ。敵でも親友でもいいけど、彼は「芯からクール」な男希望。
 いっぽくんも、持ち味は陽性だと思うので、逆に一発、黒をキメて欲しいもんだ(わたしがいっぽくんにきゃーきゃー言ってたのは、魔性の男ロドリゴに爆裂片想いしてストーカーとなるミゲル役だったんだけど・笑)。
 かっしーと並ぶと「ふたりともクール系」に見えるけど、かっしーは実はホット、いっぽくんは見た目通りのクールガイ、という色分けにして。出来事に対するリアクションで、ふたりのキャラクターのちがいを表現すること。
 ヒロイン要員がシナちゃんだとしたら、ラブストーリーをやるのは苦しいから、いっそ妹役とかにして、かっしーといっぽくんの友情メインとかな。

 そんなふーに、キャラから妄想して物語を創るかなあ。

 今までの経験上、バウホールの「2番手不在」の作品でおもしろかったものって、ほとんどないんだもの。
 小説でいうならば、タカラヅカは純文学ではなくライトノベルだと思うのね。ラノベである以上、いちばん大切なのは「キャラクター」であり「萌え」だと思う。
 多少ストーリーが破綻していても、キャラが魅力的ならOK出るジャンルでしょう。
 もちろん、ストーリーが破綻せず、含蓄があり、芸術的に優れていたって、かまわないんだけど。
 全部こなす自信がないなら、まずはキャラだ、スターだ。出演しているジェンヌの魅力を出せたなら、それで最低限クリアーだ。
 主演の男役とヒロインを魅力的に描くのは基本だが、ヅカの場合、ヒロインよりも2番手男役に重点を置くのがポイントじゃないかと思う。だってラノベはラノベでも、女性向けラノベだからね。異性に魅力がなけりゃ、女性はよろこびません。
 主役と2番手男役がストーリーの中心であり、魅力的であること。ふたりのいい男に絡むにふさわしい魅力を持ったヒロインであること。
 それが「はじめの一歩」かなあ。
 てことで、あて書きからスタート。ストーリーはあとから考えよう(笑)。

 あ、今はほんと、バウのことしか念頭に置いてないから、こんなことを書いてます。
 大劇作品なら、また微妙にアプローチがちがってくる。
 

 先日かっしー主演の『アメリカン・パイ』を観て、

「薄いかっしーに薄い役をやらせてどうするんだ、地味な雪組に地味な作品やらせてどうするんだ。キャストの中でいちばん派手ないっぽくんを無駄遣いしてどうするんだ」

 と、つくづく思っちゃったからさあ。
 思ったわりに、「かっしーで見たい役」がないことに愕然としたので、真面目に考えてみた。

 軽く流してくれ。


 うわあ。またしても児玉っちだ。

 ひとりでこっそりと、ステージトークに行ってきました。みわっちとあすかちゃんの。
 某オークションで、定価の3分の1以下で落札できちゃったもんだからさ……この値段ならそりゃ行くでしょう!てなもん。
 きれーな若いお嬢さんを、間近で見られるのだから、いそいそお出かけ。

 あんな値段だったのに、いい席でした。3列目の通路際。みわっちもあすかちゃんも客の顔を見ながら通路を歩いてくれるのさー。わーい。

 さてわたし、ステージトークは2回目の体験。
 前回は雪組の、いっぽくんととなみちゃんだった。となみちゃんが天然でかわいかったっけ。
 しかしあのときは、主役のはずのふたりよりも、「演出家のビデオレター」という爆弾があったので、それで印象がぶっ飛んでしまったのよ。
 ええ、児玉女史のお姿でね。
 正直、もう二度とお目にかかりたくないと思いましたのことよ。

 んでもって今回。
 ……忘れていたよ。「演出家のビデオレター」のことなんか。
 司会者がその話をしだしたときに、わたしは「はっ」と震えました。

 新公の演出って。
 児玉っちじゃん!!

 うわあ。よりによって、また児玉っち演出のときに、ステージトークに来ちゃったよー、あたし。
 不覚。

 えーと、あれからもう1年経ってますかね。
 さすがの児玉っちも、スカステやらなんやらで多少は映像慣れしてきているのでしょう。「ビデオレター」にしても何回目かの出演だろうし。
 前に見たときよりはるかに、「人間」になってました。
 あのときほど気持ち悪くもなかったし、わけわかんない電波言語をつぶやきつづけてもいなかった。
 よかった、さすがにマシになってんじゃん……と、思っていたら。
 司会者は言う。「児玉先生のビデオレターは、本当は7分間もあるんですよ」

 ………………。
 成長ナシですか。

 日本語になっている部分だけを編集してあったのね。
 1年前のビデオレターは、たぶん最初の1回目だったんだと思うよ。だから編集ナシの無修正。おかげでやたらと長かった。そして、長いのになにを言っているのかはさっぱりわからなかった。
 児玉女史にそのまま喋らせては時間の無駄だと悟ったスタッフが編集したものを、「ビデオレター」として金を出して会場にいる客の前に流すことにしたのね。
 正解だよ。7分もあの調子で喋られたら、たまんない。

 みわっちとあすかちゃんは、「児玉先生の真似」をたのしそーに披露してくれました。これがまた、似てる。特徴ありすぎだもんなあ、児玉っち。

 いや、それはさておき、主役のふたりだ、うん。
 わたしはあすかちゃん目当てでした。
 『Crossroad』ファンならば、遠野あすかのファンでしょう! 多少「それはどうよ」な役がつづいたって(『琥珀…』はひどかった……本役も新公も……)、『Crossroad』の記憶があれば許せちゃうって。研2であの役をやったんだもんなあ。
 あすかちゃん、顔、ちっちゃい……。舞台では丸く大きく見えるのになあ。こんなにちっちゃいのか。
 ふたりとも、和服姿でした。みわっちは涼やかな水色、あすかちゃんはかわいらしいピンク。
 そしてふたりは、ノンストップで漫談をかっ飛ばすのでした……おもしろかった。
 ステージトーク初出演のみわっちは体当たり風、3回目のあすかちゃんは余裕の笑顔。飛ばすみわっちに、あすかちゃんが笑顔でついていくのがかわいい。取り残されることなく、合いの手入れてる。

 スカステのカメラが入っていて、9月に放送するそうだ。
「みなさんは映りませんから、ご安心ください」
 と司会者は言う。それを鵜呑みにしていたんだけど。
 最後に、会場の出口のところで主役ふたりに記念カードを手渡してもらうことになってるのね。
 わたしはこーゆー場合、いつもなにかしら言うことにしている。ただ黙ってもらうものをもらうんじゃなく、感謝とか激励とか感想とか、そーゆーことを言う。お茶会の握手のときとかね。相手の目を見て、なにか伝えたいじゃないか。
 んで、今回もまた、そのとき思ったことを短くてきとーに言葉にした。長々喋っては周りの迷惑だから、ほんの一瞬を心がけて。でも、しっかりとみわっち&あすかちゃんと視線を合わせて。
 ……着物姿のふたりはもちろん、ヒールなし状態。娘役のあすかちゃんはともかく、男役のみわっちも、ヒールを履いたわたしよりはるかに小さかったなんて、悲しい現実はなかったことにして。
 よっしゃ、ちゃんと伝えたわ! と内心ガッツポーズで回れ右したら。

 そこには、テレビカメラが。

 う、嘘つきぃ。客は映らないか安心しろって言ったじゃない!
 ……撮るだけ撮っていても、ほんとうに放映するのはほんの一部でしょう。200人もいる客全部の「スターの手ずから記念品授与シーン」を放送するわけない。だから、わたしが映ってしまう確率は200分の1だ。
 200分の1だけど。
 映りたくない……。
 合掌。祈。

          ☆

 今日発売のアドバンスのソフト、『MOTHER1+2』を手に入れました。
 弟に社販で買ってきてもらったの。わーい、20%OFFだー。予約特典の「どせいさんストラップ」付きだー。どせいさん、かわいいー。さっそく使うぞー。
 わたしにソフトを手渡す弟の携帯電話に、見慣れぬものがついていた。
「なにつけてんのよ」
 わたしが言うと、弟はにやりと笑った。
「これ? どせいさん、かわいー」
 弟もしっかり、非売品のどせいさんストラップをGETしてやがる。
「なに、アンタも買ったの、『MOTHER1+2』?」
「買ってない。予約特典だけもらってきた」
 ず、ずるいずるいずるい〜〜っ。

 とゆーことで、緑野姉弟は今、おそろいの携帯ストラップを使っています。

 
 
 ありゃ。
 トウコにはまだ会えないのに、先にユウヒに出会ってしまった……。

 『MOTHER』って、いちばん最初に登場人物「4人」の名前を決めさせられるのね。
 主人公を「ケロ」にして、そのガールフレンドを「トウコ」にして。友人ふたりのうち、ひ弱そうな男の子に「ユウヒ」とつけた。……ガールフレンドを「ユウヒ」にするかどうかで、ちょっと悩んだのは秘密(笑)。

 なにしろ、最初に名前をつけるので、実際にゲームをはじめてしまったら、そんなこと忘れちゃってるのね、わたしの場合(脳みそにシワが少なくてねえ)。
 ガールフレンドを「トウコ」にしたことだけはおぼえていたけど、「ユウヒ」のことはころりと忘れていたから、街の人の会話で「ユウヒ」という名前が出たときには、おどろいたよ。
 えっ、ユウヒ? ……あ、そっか、あたしがつけたんだった。てな。
 とゆーことで、無事にケロくんはユウヒくんと出会いました。ユウヒくんは金髪の変わり者っぽい男の子。口は達者だがちょっと臆病な発明マニア。ケロくんを気に入ったみたいで、彼の後ろにくっついて冒険の旅へGO!
 せっかくふたりでラヴラヴなのに、このあとにトウコちゃんやら、もうひとりのごついタイプの男やらが仲間に加わるんだろーなー。なんか、笑えない展開のやうな(なにが?)。ま、ユウヒには片想いが似合うし(なにソレ?)。

 本日はまたしてもレコーダーとDVDの整理に明け暮れました。
 つーかレコーダー、リモコンが利かなくなってるの……。こ、故障? リモコンが使えないと、できない操作が山ほどあるんですが。
 買ってからまだ半年。
 そして、保証書が行方不明という現実……わーん。

 
 野風の笛を吹くと、数万の死者がゾンビとなって蘇り、奏者のために戦うとか。
 なんてスペクタクルな光景。
 そりゃ、こんなことを言って脅されたら、天下の将軍様も膝を折るでしょう。数万のゾンビ兵と戦うなんて、ごめんだもの。

 いや、「野風の笛」ってのが、そーゆー魔笛であると思っているわけじゃないんだが、WHITEちゃんはそう思って家康様や主水の台詞を聞いていたそうなんで。
 それをアタマに引っかけたまま、何回目か忘れたけど、花組の『野風の笛』を観てました。

 B席でいい! と豪語していたわりに、1階S席で観ていたりしてな。おやぢばかりの団体客が、「おれ、こんなのいらねー、観たくねー」ってことで、「半額。誰か買わない?」と声をかけてくれたので、ありがたく購入しました。3750円という半端な金額が、通常のサバキでないことを物語る……。
 19列目の端っこで、席についてふと横を見ると、たかちゃんがふつーに歩いていて、瞬時固まる(笑)。油断していただけに、触れる距離に突然現れられたら固まるって。びっくりした、今日は観劇日なのね、宙組有志一同。
 にしても、たかちゃんって、拍手起こらないね。トップスターが観劇に来たときって高確率で拍手が起こるのよ。でも、たかこ相手に起こったのを見たことがない……。最近は拍手しなくなったのかなあ? 
 同じように半額でその席を買った隣席の女性ときゃーきゃー盛り上がる。わたしたちがあんまり盛り上がるので、周囲のおやぢ団体客も「なに? 誰か通ったの?」と興味津々。
 しかしおやぢ団体客、芝居の間は爆睡タイム。10人くらいのグループだったんだが、起きていたのはひとりだけだったよ。そのひとりも、フラッシュ付きのカメラで舞台を撮影しようと何度もチャレンジして、係のおねーちゃんに叱られまくりだし。
 最初から最後まで起きていたおやぢに、聞いてみたかったなあ。「あの芝居、どう思いました?」って。

 なんかもー気持ちが麻痺しているのか、芝居の脚本のひどさがまったく気になりません。新公では気になりすぎて辟易したのに、さすが本公演だなあ。役者の力で別次元。汝鳥伶さまラヴ(あれ?)。
 しょせん主演ふたりのファンなので、トドとオサがかわいらしくも素敵にそこにいるだけで、あとは「なかったこと」にしちゃえるみたい。ヅカってすごいなあ。

 んで、「野風の笛」。
 いちばんの見所である主水の自害シーンにて。
 嬉々として「野風の笛」の解説をする主水@血糊付きを見ながら思ったのよ。

 こいつ……野風の笛が吹かれたら、率先して蘇ってきそうだな。

 数万のゾンビ兵たちの先頭に立つ、血まみれ主水ゾンビ。ひとりだけ豪華なはっぴの背中には「鬼っ子様命」の金刺繍。
 その後ろには、秀頼とか不知火とか、お揃いの親衛隊はっぴにはちまき締めた面々がずらり。

 こわい……。

 うん。降参した方がいいよ、将軍様。触らぬ神に祟りなし、クサイモノにはフタ。「神々しさにひれ伏」したっていいじゃん。相手、イッちゃってるよ。
 つーか主水、アンタ、ゾンビとして蘇る気満々で自害してないか? 死んでも背後霊になって忠輝の後ろにいそうだよねえ?(笑)

 さて、本日はかねすきさん殿さんと観劇だったので、やほひトークOKな面々。
 ねえ、わたし忠輝×主水なんですけど。つーか、忠輝総攻(ちょっとヘタレ)。なのに殿さんは主水攻って言うんですけど?
 攻の寿美礼ちゃんは大好きだけど、トド相手は見たくないっちゅーか……問題はトドか……。忠輝があさこなら、忠輝受でOKなんだが(忠輝あさこVer.ってちょっと見てみたい)。
「トドって昔は“やんちゃ攻”だったんだよ」
 とわたしが言えば、
「だってわたしが最初にトドを見たの、『凱旋門』だったんだよ」
 と殿さんは返す。……総受のトドからスタートしたなら、そりゃトド受に違和感ないよね……。

「『野風の笛』でなら、パロ書けるわ」
 とひとりが言えば、残りのふたりもうなずく。
 うん。ギャグであろーとシリアスであろーと、ツッコミどころ満載作品なだけに、二次創作はしやすかろー。実際に書く書かないは別として。

          ☆

 帰宅すると、WHITEちゃんからメール。話題は『アメリカン・パイ』の、リューの両親。
 とくに、おやぢ役の悠さんのくどさについて。

> しかし、リューの父はあんなに熱くて良いのか?あの夫婦は二人で芝居を壊し
>に来たのだろうか。前観た時より濃くなってる?

 とのメールに、「千秋楽はまた、ものすげー濃さだったよ」と返したら、

> ユウナオキ(?←分からないからカタカナ)は日増しに熱くな
>っていたのね。あんなに濃かったら、リューもひくって。そり
>ゃ、あの親父の前では死ねないわ。

 との返事が。
 たしかに……。あのおやぢの前で死ぬのは嫌かも(笑)。
 リューの家出の原因もわかったわ。パパね。

 ハンサムなんだけどな、パパ。しかし……アレはやりすぎだろう、悠さん。

 

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