なんか今さらまた、夢華さんを考える・その2。
2015年6月29日 タカラヅカ 今さら、1年半も前に辞めた夢華さんのことを考える。
宙組新人公演『王家に捧ぐ歌』を観て、抜擢研2ヒロインまどかちゃんにわくわくしている自分を鑑みて。
夢華さんだって、うまかったじゃん。
どうして夢華さんがダメで、まどかちゃんはいいの?
自分の心の在り方の違いを考える。
新公ヒロイン時点では、夢華さんにあまり関心がなかった。
だから、他の抜擢新公ヒロインと変わらないテンションで感想を書いた。
新公はあくまでも新公だからだ。
1回だけだし、チケット代も半額。正規公演ではない、発展途上の若手の発表会。観客も趣旨をわかって観ている。
大切なのは、今だけでなく、将来性。
将来、タカラヅカを担う可能性のある若者たちに、研鑽の場を与える。だから今現在の出来映えだけが、すべてじゃない。
わたしが夢華さん否定になったのは、「トップ娘役」扱いになったことで、だ。
前述の通り、初舞台から10ヶ月足らずで、大劇場本公演のヒロイン。役替わりとはいえ、トップ娘役と同じ立場。
「未来まで含めて評価してね」の新公じゃない。「今あるものだけで評価する」本公演だ。だから、彼女の可能性だとか将来性ではなく、今そこにあるものだけで、今の扱いを評価するために、わたしの見方が変わったんだ。
新公ヒロインのときは、比較対象が「同じように研1で新公ヒロインを務めた紺野まひる」や、同じくらいの実力があったろう他の娘役スターたちだった。彼女たちに比べ、取り立てて秀でているように見えないのに何故? と。
だが、トップ娘役ともなれば、全娘役、宝塚歌劇団100年との比較になる。100年の歴史で、もっとも素晴らしいスターである、という意味に取れるからだ。
100年の歴史のすべてを知るわけではまーーったくないが、わたしがヅカヲタやってるたかだか20年の記憶と比べても、研1時点の夢華さんが「100年に1人の天才」にはまったく見えなかった。
研1新公ヒロイン、というだけでも「何故?」だった人が、100年の歴史の頂点に立ったわけですよ。「何故?」どころじゃないっすよ。
……それでも、なにかしら「全タカラジェンヌよりも素晴らしい天才スター」であると納得出来るものがあるのかと、おとなしく彼女がトップ娘役を務める公演に通ったのですが。
複数回観るとその分、「トップ娘役には相応しくない」としか思えず、彼女がヒロインとして出る公演は「避ける」という選択肢を取るに至った。
という経緯をもってして。
今、まどかちゃんにわくわくしている現実から、夢華さんを思う。
まどかちゃんのアイーダはよかった。
でも、このアイーダ役が、本公演だったら?
これがお披露目のトップスターまぁくんの相手役で、トップ娘役みりおんと役替わりで、本公演でアイーダ役をやっていたら。
たしかに歌えている。芝居も破綻はない。声もいい。
だけど。
こんな風に誉められなかったろうな、と。
課題皆無じゃないから。足りてないところ、これからだよね、というところはあるから。
研2で新公初ヒロインだから、今あるモノを絶賛するし、足りないところがあったって「成長を眺める楽しみ」だと思える。
しかし、舞台経験僅少の今の時点でトップ娘役だったりしたら、足りないところ全部「成長してから出直してこい」と思うわな……。
や、若くしてトップ娘役になること自体を否定しているわけではないので、混同しないで。
トップ娘役が退団し、その次にふつうに就任するならば、タカラヅカの特性上、トップ娘役になってからの成長も見越してのことでしょう。
夢華さんのパターンってのは、そういうふつうの就任ではなく、あきらかに「特殊なことをしてまで、この人をトップ娘役にしなくてはならない」という事情を感じされること。
現宙組でなら、みりおんというトップ娘役がちゃんといるのに、そこに「役替わり」という形で割り込んでくる、というような。
男役2番手とか、長年スターを務めた人気実力併せ持つベテランとかと役替わりならいざ知らず、舞台経験ほとんどない素人が何故、トップ娘役と役替わり?! てな、ふつうでない事態。
だからほんとに、劇団のやり方が、わけわからない。
あんな扱いでなければ、夢華さんは「実力のある女役候補」として楽しみに眺められたろうし、「この実力は脇で終わらせるのもったいない、一度くらいは新公ヒロインを観てみたいな」と思えたかもしれないのに。
あと、向き不向きは大きいかな。
まどかちゃんは、ヒロインタイプだと思った。トップ娘役向きのビジュアルを持っている。だから、今はまだ足りないところはあるけど、早くから真ん中修行させる意義はよくわかる、納得出来る。
夢華さんは、ヒロインタイプではなかった。脇の女役タイプだった。だから、むしろ彼女がヒロインを目指すならば早期抜擢ではなく、大人になってからだろう。娘役芸を完璧に身に付け磨き抜き、容姿だけの若い娘が太刀打ち出来ない実力で、ヒロインをかっさらう、という。
夢華さんの扱いはすべてが謎であり、すべての人にとっての不幸でしかなかった。
せっかく努力して入ったタカラヅカを早々に退団した夢華さん自身も、素人を相手役にされてお披露目公演をめちゃくちゃにされたトップスターのキムくんも、そののちにキムくんの相手役・トップ娘役になったみみちゃんも、引っかき回された雪組も、拙い物を正規公演として見せられた観客も、イメージダウンで売り上げが落ちた劇団も、すべて。
そして。
ひょっとしたら、ヅカヲタとしてのわたしにとっていちばんの不幸は、「ものすごくうまい新人娘役キターーッ! 成長を眺めるのが楽しみ! わくわく!」と、長いスパンで楽しめたかもしれないのに、その可能性を劇団の謎人事によって奪われたことなのかなあ、と思う。
ヒロインタイプだけが期待の娘役じゃないからねえ。ヒロインタイプど真ん中じゃないとは思うけど、雪組のくらっちの成長を眺めることに、わくわくしているわたしですから。
だから、今。
まどかちゃんの登場に、素直にわくわく出来ていることを、しあわせだと思う。
新進スターが登場した!
未来のトップ娘役かもしれない?
かわいいし歌えるし、成長が楽しみ!!
そう思えることは、とてもとても、幸せなことだ。
宙組新人公演『王家に捧ぐ歌』を観て、抜擢研2ヒロインまどかちゃんにわくわくしている自分を鑑みて。
夢華さんだって、うまかったじゃん。
どうして夢華さんがダメで、まどかちゃんはいいの?
自分の心の在り方の違いを考える。
新公ヒロイン時点では、夢華さんにあまり関心がなかった。
だから、他の抜擢新公ヒロインと変わらないテンションで感想を書いた。
新公はあくまでも新公だからだ。
1回だけだし、チケット代も半額。正規公演ではない、発展途上の若手の発表会。観客も趣旨をわかって観ている。
大切なのは、今だけでなく、将来性。
将来、タカラヅカを担う可能性のある若者たちに、研鑽の場を与える。だから今現在の出来映えだけが、すべてじゃない。
わたしが夢華さん否定になったのは、「トップ娘役」扱いになったことで、だ。
前述の通り、初舞台から10ヶ月足らずで、大劇場本公演のヒロイン。役替わりとはいえ、トップ娘役と同じ立場。
「未来まで含めて評価してね」の新公じゃない。「今あるものだけで評価する」本公演だ。だから、彼女の可能性だとか将来性ではなく、今そこにあるものだけで、今の扱いを評価するために、わたしの見方が変わったんだ。
新公ヒロインのときは、比較対象が「同じように研1で新公ヒロインを務めた紺野まひる」や、同じくらいの実力があったろう他の娘役スターたちだった。彼女たちに比べ、取り立てて秀でているように見えないのに何故? と。
だが、トップ娘役ともなれば、全娘役、宝塚歌劇団100年との比較になる。100年の歴史で、もっとも素晴らしいスターである、という意味に取れるからだ。
100年の歴史のすべてを知るわけではまーーったくないが、わたしがヅカヲタやってるたかだか20年の記憶と比べても、研1時点の夢華さんが「100年に1人の天才」にはまったく見えなかった。
研1新公ヒロイン、というだけでも「何故?」だった人が、100年の歴史の頂点に立ったわけですよ。「何故?」どころじゃないっすよ。
……それでも、なにかしら「全タカラジェンヌよりも素晴らしい天才スター」であると納得出来るものがあるのかと、おとなしく彼女がトップ娘役を務める公演に通ったのですが。
複数回観るとその分、「トップ娘役には相応しくない」としか思えず、彼女がヒロインとして出る公演は「避ける」という選択肢を取るに至った。
という経緯をもってして。
今、まどかちゃんにわくわくしている現実から、夢華さんを思う。
まどかちゃんのアイーダはよかった。
でも、このアイーダ役が、本公演だったら?
これがお披露目のトップスターまぁくんの相手役で、トップ娘役みりおんと役替わりで、本公演でアイーダ役をやっていたら。
たしかに歌えている。芝居も破綻はない。声もいい。
だけど。
こんな風に誉められなかったろうな、と。
課題皆無じゃないから。足りてないところ、これからだよね、というところはあるから。
研2で新公初ヒロインだから、今あるモノを絶賛するし、足りないところがあったって「成長を眺める楽しみ」だと思える。
しかし、舞台経験僅少の今の時点でトップ娘役だったりしたら、足りないところ全部「成長してから出直してこい」と思うわな……。
や、若くしてトップ娘役になること自体を否定しているわけではないので、混同しないで。
トップ娘役が退団し、その次にふつうに就任するならば、タカラヅカの特性上、トップ娘役になってからの成長も見越してのことでしょう。
夢華さんのパターンってのは、そういうふつうの就任ではなく、あきらかに「特殊なことをしてまで、この人をトップ娘役にしなくてはならない」という事情を感じされること。
現宙組でなら、みりおんというトップ娘役がちゃんといるのに、そこに「役替わり」という形で割り込んでくる、というような。
男役2番手とか、長年スターを務めた人気実力併せ持つベテランとかと役替わりならいざ知らず、舞台経験ほとんどない素人が何故、トップ娘役と役替わり?! てな、ふつうでない事態。
だからほんとに、劇団のやり方が、わけわからない。
あんな扱いでなければ、夢華さんは「実力のある女役候補」として楽しみに眺められたろうし、「この実力は脇で終わらせるのもったいない、一度くらいは新公ヒロインを観てみたいな」と思えたかもしれないのに。
あと、向き不向きは大きいかな。
まどかちゃんは、ヒロインタイプだと思った。トップ娘役向きのビジュアルを持っている。だから、今はまだ足りないところはあるけど、早くから真ん中修行させる意義はよくわかる、納得出来る。
夢華さんは、ヒロインタイプではなかった。脇の女役タイプだった。だから、むしろ彼女がヒロインを目指すならば早期抜擢ではなく、大人になってからだろう。娘役芸を完璧に身に付け磨き抜き、容姿だけの若い娘が太刀打ち出来ない実力で、ヒロインをかっさらう、という。
夢華さんの扱いはすべてが謎であり、すべての人にとっての不幸でしかなかった。
せっかく努力して入ったタカラヅカを早々に退団した夢華さん自身も、素人を相手役にされてお披露目公演をめちゃくちゃにされたトップスターのキムくんも、そののちにキムくんの相手役・トップ娘役になったみみちゃんも、引っかき回された雪組も、拙い物を正規公演として見せられた観客も、イメージダウンで売り上げが落ちた劇団も、すべて。
そして。
ひょっとしたら、ヅカヲタとしてのわたしにとっていちばんの不幸は、「ものすごくうまい新人娘役キターーッ! 成長を眺めるのが楽しみ! わくわく!」と、長いスパンで楽しめたかもしれないのに、その可能性を劇団の謎人事によって奪われたことなのかなあ、と思う。
ヒロインタイプだけが期待の娘役じゃないからねえ。ヒロインタイプど真ん中じゃないとは思うけど、雪組のくらっちの成長を眺めることに、わくわくしているわたしですから。
だから、今。
まどかちゃんの登場に、素直にわくわく出来ていることを、しあわせだと思う。
新進スターが登場した!
未来のトップ娘役かもしれない?
かわいいし歌えるし、成長が楽しみ!!
そう思えることは、とてもとても、幸せなことだ。