たとえば植爺芝居では、「スター登場」には拍手が必須だ。
 まず声だけが聞こえ、舞台上の人々が「誰だ!」「どこにいる、出てこい!」とか騒ぎ、次にファンファーレのような音楽が鳴って、じゃじゃーーん!と主役が登場する。
 たとえそれまで客席で居眠りしていた人だって、「誰だ!」「じゃじゃーん!」で、「あ、主役が登場した!」とわかる。
 ここで「待ってましたーー!!」と、客席は拍手するわけだ。

 でも、ふつーの芝居はそこまでしない。
 たとえば、白い宮廷衣装の男女が優雅にワルツを踊るなか、とりわけ華やかな衣装を着たトップスターが中央からせり上がって来て、ぱぁーっとまばゆいライトが照らし、音楽も変わった!……ときに拍手するのは、あり。
 しかし、オープニングのショー場面が終わり、会社のデスクでうたた寝しているヘイリーさん@えりたんが登場するなり、客席が一斉に拍手するのは……変、よね。
 オフィスを舞台に物語ははじまっていて、第一主役は寝ているのに拍手……って。
 だからもちろん、拍手はない。

 ヒロインのエラ@ちぎくんが窓の向こうに登場したときも、拍手はない。どこか寂しげな、憂いを秘めた美女に主人公は心惹かれるのに、ここで「待ってました!」という拍手が入ったら興ざめ。

 だからふつーの芝居で「舞台に現れた!」というだけで拍手することは、あまりない。「スター登場!」の拍手は、その前のオープニングで済ませていることが多いから。
 場面の終わりとか歌の終わりとか、「感動」の拍手なら大ありだし、登場しただけでも、拍手を入れて違和感のないところでは、入れる・入ることに異存はない。それがある方が盛り上がる場合だってある。
 でも、流れ的に不要なところで、無理に拍手する必要はないよな。


 てことで、今回の『Shall we ダンス?』東宝初日。

 幕開きと同時に、紗幕の向こうにまっつがいることがわかっても、まっつが踊り出しても、拍手をしようというキモチはなかった。
 オープニングのショー場面が、純粋に音楽とダンスではじまるなら拍手はアリだけど、えりたんのナレーションがかぶっている。みんな静かにナレーションを聞きながら、舞台を観ている。

 まっつが、いる。

 それだけで、よかった。

 そして、芝居本編でのまっつの出番は、ダンスホールのエキシビション。
 司会者@りーしゃの紹介に合わせ、舞台中央からアルバート@まっつとイケメンダンサーたちがせり上がってくる。

 芝居の中とは言え、ショーパートだから拍手を入れることは不可能ではないだろうけれど、音楽のつながり的に、拍手は入れにくい。拍手の介入を不要とする演出なんだな。
 ムラでもここで拍手は入ってなかった。わたしが観たときは、一度も。
 踊り終わったときに拍手するものであって、登場時にするものではない。という、ただそれだけのこと。

 ムラでさんざん観て拍手の入れにくい曲であり場面であることを知っていたし、ここで拍手をするという意識がそもそもナイもんだから、ナニも考えてなかった。

 まっつが登場する、そのことがうれしくて拍手したくなるのはわたしとか、一部の人たちだけで、「公演」「物語」を観に来た大半の人々にはそんな事情は関係ない。
 していいというならもちろんしたいけど。しちゃダメだろうから、自重する。

 なのに。

 まっつがせり上がり、踊り出すと、拍手がわき上がった。

 まさしく、わき上がる。

 音楽は拍手の入る隙間を作ってない。植爺芝居みたいに「さあどうぞ!」「待ってました!」と待ち構えてない。
 なのに、拍手が起こった。
 タイミングがいいからじゃなくて、あくまでも、「気持ち」で。
 拍手したい、だから、拍手する。
 それが伝染し、わき上がる。

 波のように、音が動いた。
 ざざーっと拍手が拍手を呼び、劇場を埋める、音になった。

 お帰り、まっつ。

 その思いが、あふれていた。
 思いを拍手にして、伝える。タカラヅカはなんて、あたたかいところなんだろう。

 わたしも、一緒にいた友だちも、波の音を聞いてから、拍手した。
 拍手していいんだ!!
 うれしかった。
 拍手した。
 一生懸命、拍手した。あんまし音はしてなかったかもしんないけど(爆竹拍手は聞くのもやるのも苦手)、潮騒のかけらにはなれたはず。

 こころを、伝えていいんだ。
 よろこんでいいんだ。
 それが、うれしい。

 そして、それをゆるしてくれる、タカラヅカはなんてやさしいところだろう。

 まっつが登場して、数拍してからわき上がった、あの拍手。
 ヲタ人生でもなかなか経験できない、特別な拍手だった。や、退団者とか、特別に拍手をする場合はもちろんあるけど、わりとそれは「待ってました!」と演出も客席も「わかって」やる場合が多いから。それがタカラヅカのいいところ、出演者の事情を知ってエールを送る。
 本来拍手のないところで、自然発生した拍手が満場一致の大音響になるのは、けっこうレア体験。


 ショー『CONGRATULATIONS 宝塚!!』の方では、その「待ってました!」拍手、まっつ銀橋とかで盛大な拍手が起こる。

 あたたかい。あたたかいな。
 ほんとにタカラヅカってすごい。

 まっつがいる。
 まっつがすごく、まっつだ。
 それだけで心臓バクバクして大変なのに、客席のあたたかさにも泣けてくる。

 まつださんは他人の退団公演とかで泣いていることはあるけれど、自分のことでは泣かない人。
 新公主演したときも、バウ主演もないまま巴里祭主演することになったときも、組替えしても、苦節14年で初バウ主演しようとも、喉のトラブル抱えて主演を務めきったとしても、とにかく挨拶やカテコでベソをかくことは一切なかった。
 ジェンヌの多くが初主演時に泣きながら挨拶している、それすら愛でるのがヅカファン、泣いてもいいのに、絶対泣かない、かたくなに泣かない。

 そのまつださんが、パレード以降の挨拶やカテコで泣いているように見えたんですが、わたしの見間違いor妄想ですか。
 ボロ泣きしてるとか、ずーっと泣いてるとかじゃなく、あちこちで瞬間的に潤んでいたように見えました。
 てゆーかえりたん、ほんとにありがとう。ありがとうありがとう。
 「雪組全員揃って」って、強調してくれた、その気持ちがうれしい。うれしすぎる。
 まっつを泣かせてくれる、泣いていいんだ、と思わせてくれる、そんな大きなトップスター。

 とにかくもお、いろんなものに、ありがとう。


 まっつ、復帰おめでとう。そして、ありがとう。

 舞台の上で、また会えることが、うれしい。
 その姿を、声を、存在を、1ファンとして眺められることが、うれしい。
 お祭り者として、90周年、95周年ときて、100周年の記念口上も無事に客席で観ることが出来ました。
 『Shall we ダンス?』『CONGRATULATIONS 宝塚!!』東宝初日観劇。

 ぽんこつ海馬しか持っていないため、昔のことはろくにおぼえてない。
 ……ので、今回の口上を眺めながら、いろいろと思い出していた。きっかけがあってはじめて、思い出すのな。ふだんはのーみその容量少なすぎて、なにも出てこないから。

 紋付き袴姿のトド+4組トップスターたち。
 トド様を眺め、順番に周囲の人にオペラを振っていく。
 おお、えりたん、んで反対側がらんとむ……あれ?

 えりたんと、らんとむ。
 とりあえず一旦オペラグラスが左右に何回か往復した。

 肩の角度、違いすぎね?

 違和感なく「和装」であるなで肩のえりたん。
 彼を眺めたあとに、オペラを水平移動させてらんとむさんを眺めると……肩、まっすぐ。
 着物なのに、タキシードばりに肩が張ってるナリ……あれが噂の天然肩パッドの威力……!!
 素敵だわ、82期のふたり!!

 そして他のみなさんも順番に眺め、ああみんなきれいねえ、と安心のひととき。
 ……だったはず、なんだ、が、かなめくん、その眉毛はいったい。

 二度見しました。

 や、だって、テルと言えば美貌の人、いつも目を楽しませてくれること請け合いの安定美形様。
 なのに、どうしたことだ、緑の袴姿で、バトラー船長。
 てゆーかその眉毛どうしたの、太書きマジックかなんかでぎゅっと一本書きした? 目指せゴルゴ13?
 はっ、ひょっとして「100周年の気合い」ってことで、記念口上は「眉を太く黒く描くのが決まり!」なのかもしれない。そう考え直して、他の男たちの、今度は眉を注目してひとりずつオペラを合わせた。
 ……チガウ。みんなの眉毛は、ふつうだ。極太マジックじゃない。
 てことは、かなめくんひとりが何故かあんなお化粧をしてるってことよね??
 美貌の人なのに、なんでそんな……。

 と、ここまで考えて、はじめて、気がついた。

 みんな、舞台化粧してる!!

 遅い。気づくの、遅いって。
 いや、舞台の上のタカラジェンヌが舞台化粧をしているのは当たり前のことなので、気づくもナニも、当たり前すぎて気にしてなかった……というのが正しいか。
 ここでわたしが「舞台化粧してる」ことに「気づいた」……つまり「驚いた」のは、95周年の記憶があったためだ。

 95周年の記念口上は、素顔化粧に紋付き袴姿だった。

 忘れてるから。ぽんこつ海馬ですから。
 95周年の記憶が無意識下にあって、自分でもわかってなくて、その上で今回の口上を観て、「はっ!!」としたわけだ。

 95周年のときも、センターのトド様をまずオペラで捉え、次にトウコちゃんを眺めて、その次に水しぇんを眺め……そこではじめて「はっ!! 素顔だ!! 舞台メイクじゃない!!」と気づいたんだった。
 2500人劇場のいちばん後ろからでも、トド様とトウコちゃんの素顔は負けてなかったんだもんよ……違和感なく眺められたんだもんよ……。
 薄い顔の水くんを見てはじめて、舞台メイクしてないことに気づいたんだった。

 いやあ、そんなことすっかり忘れてた。
 たかだか5年前のことなのに。


 そして今回は、逆のパターンで、化粧云々に気づいたという(笑)。

 95周年のときも口上の並びに大ウケしたんだが、今回もまた、とっても楽しかった。口上自体は真面目で厳かなモノなんだけど、やっぱこの「スター勢揃い!!」感は、客席を笑顔にするんだよなあ。わくわくきらきらさせるんだよなあ。
 「100周年」への感慨や敬意とは別に、タカラジェンヌの個性際立ちっぷりを堪能しました。スターだもん、そうでなくちゃね。


 でもって、三が日はノベルティプレゼント付き。
2013/12/07

宝塚歌劇100周年記念ノベルティをプレゼント(追)


※100周年記念ノベルティの内容をお知らせいたします。

宝塚歌劇100周年を記念して、お正月三が日に宝塚大劇場および東京宝塚劇場で、ご観劇の方全員にもれなく100周年記念ノベルティをプレゼントいたします。(貸切公演は除く)
宝塚歌劇100周年の幕開けを飾る公演を観にぜひ劇場におこしください。

 (で、ここにその見本写真アリ)

轟 悠と5組のトップスターの写真をあしらった特製フォトカード。
左側に写真を飾ってお楽しみいただけます。
 そーいやこんなお知らせがあったっけ、と帰宅してからデータを探したわ。ひと月も前の告知じゃ、わたしがおぼえてないわけだー。なにしろぽんこつ海馬……。
 代わりに、ポスカはくれなかった。お正月公演の初日限定の非売品ポスカ、ひそかに楽しみにしてたのになー。

 年末、部屋の大掃除をしていたら、90周年時の観劇ノベルティ、「携帯クリーナー」が出てきたんだった。3cmくらい白いタグに90周年のロゴが入っただけ、裏面がクリーナークロスになってるので液晶画面を拭けますよ、という。スターの写真もなんもなく、ただ、「90周年」とだけ。街角でティッシュと一緒に配ってる程度の、無料感あふれるひと品。
 あまりにちゃちくて、当時ですら「こんなもん、大々的に宣伝して配るなよ」と思ったもんだった。

 それに比べ、100周年ノベルティはお金がかかっているようだ。……90周年時よりは。
 ただ、使い道に困る、という点では、どうだろうなあ。
 や、わたしはヲタだからなんでもうれしいけど、うれしいことと、「ヅカ写真入れて飾れ」と言われてもな……楽しめるのかそれ。
 まっつの写真でも入れてみるか……理事+トップスター様たちと並列する、まっつ……おおお。←楽しむ気満々(笑)。


 宝塚歌劇団100年の歴史からすれば、わたしのヅカヲタ人生なんてささやかなもんだ。歴史の流れの前では無にも等しい、てな。
 それでも思い出があり、そのときどきのトップさん、公演に、当時の自分や友人たちとの記憶が刻まれている。
 昔の流行歌を聴くとその当時のことを思い出すように、わたしにとってはタカラヅカが「記憶の糸口」だ。
 あの公演のとき、なにをしていた。誰とつきあっていた。あのトップさんのとき、なにを悩み、迷いながら過ごしていた。
 タカラヅカと共に、思い出がある。

 続く、というのは、そういうことだ。

 そこだけで完結するのではなく、継続する。
 過去から未来へ続く。
 ひとの世が、そうであるように。

 これから先もタカラヅカが続き、在り、わたしだけでない、多くの人の「思い出の目次」になってくれることを希む。
 心から。
 年が明け、2014年、宝塚歌劇団100周年の年です。
 ここんとこ更新が思うようにできてませんが、まだまだどっぷりヅカヲタです、今年もよろしくお願いします。

 と言いつつ、100周年スタートの日に、ムラへは行っていません。
 元日は家族行動でした。かーちゃん大事にしなきゃな。
 喪中だからどう、ということもなく、ふつーに恒例行事はこなしてる感じ。や、日常大事、生きてゆかねばなりませんから。
 とまあ、家族を優先したけれど。
 だいもんの鏡割り見たかったなー。
 お祭り好きなので、記念行事にはいっちょかみしたかったのなー(笑)。

 思い出すのは、90周年、95周年の元日のこと。どっちの年も、うれしがって1月1日からムラへ行ってるのねわたし。お祭りスキーだから。
 90周年スタートの初日はすげーチケ難でなあ。年末、東京から帰る夜行バスの中で、よーやくチケット確保できたんだっけな。
 95周年ももちろんチケ難だったはずだが、このときからチケット発売方式その他モロモロが変更になったため、労せずに当日、立見券を買うことが出来た。みんな、当日立見券が発売されることを知らなかったんだろうね。それまでの長い歴史において、立見券は「前売り」するものだったから、人気公演は前売りで立見まで完売していたもの。

 今は、立見券を当日しか発売しないってのが周知のことなので、95周年のときみたいにはいかないよなあ。や、ふつーにチケット手に入ってないので、観たくても観られませんもの。星組さんはいつもチケット取れなくて大変だわ。

 とはいえ、今回もまったく祭りに参加しないわけではなく、わたしの焦点がムラではなく東宝にあったので、記念口上は東宝で観る予定。
 観劇はじめはホームのムラではなく、遙か東宝からです。


 新年早々かけずり回る。なんて象徴的なんでしよう。
いろいろ発表ありました。
いろいろ発表ありました。
 クリスマスイヴだっつーのに、怒濤の発表。
 毎年この頃に発表があるのは、やっぱ劇団的「仕事納め」なのかな。東宝公演まで終わって、年末休暇だー!てな。
 ヲタとしては、千秋楽に思いを馳せる間もない。

 わたしは寒空の下、大好きな太陽の塔ビューを満喫している間に、次々にメールを受け取りました。一発目は、これ。
2013/12/24

花組 退団者のお知らせ


下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。

(花組)   

蘭寿 とむ   -すでに発表済み-
月央 和沙
彩城 レア
遼 かぐら
花蝶 しほ
凪咲 星南

2014年5月11日(花組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団


日高 大地

2013年12月24日付で退団
 14:48受信メール。や、花組集合日だから、モバタカからのメールを気にはしていたんだ。

 よっち……!! ネコちゃんもか。そして今日付退団って……!!
 と、愕然としているうちに。

 17:18「組替え(異動)について」、17:20「2014年ラインアップ」、17:23「花組次期トップスターについて」を受け取った。

 まりんさん専科?! えええ、ついこの間副組長になった印象だったのに? さおたさんそのままで、中抜けするの? みりおくんがトップになるのはわかっていたからともかく、改めて蘭ちゃん残るんだと再確認したっつーことと、『ベルばら』?! まだ『ベルばら』?! しかも何故に『フェルゼンとアントワネット編』?!とはてなマークが飛び、カレーくんバウすごいな、つか原田演出か、ファン目線だとがっくり演出家だけど、経験不足な下級生主演には真ん中だけ大切にあらすじ演出をする人だからいいんじゃないかなと思ってみたり、振り分けを考えてアタマを抱えたり。

 いやそれはともかく、みりおくん、花組トップスター決定おめでとう。
 トップになるべき、真ん中の似合う人だもの。

 「メールチェックし過ぎ」とツレに嫌がられつつ、「だってタカラヅカが大変なのよ!」と言い返す、そんな1日でした。

 だいもん、中日だよねえ。『ベルばら』だよねえ……。彼、ナニ気に谷せんせのお気に入りだし。くそー、中日遠征決定か?

 じゅりあ休演はモバタカからメール来ないので、ずいぶんあとから知りました。
 休演の報は胸が痛い。いやもおほんと、今はさらに。日高くんのこともあるし。

 しかし、2014年は「100周年だ-、祭りだー!」と5組トップを集めて前半のラインアップ発表したはずなのに、結局いつも通りのちびちび発表に戻るのね。なんて特別感のない……。100周年だってこと忘れそうなくらい、通常運行ですがな。

 常とチガウのは、『ベルばら』『風共』祭りだってことぐらい?
 あとやってないのは『アンドレとオスカル編』か……。(不吉なことを言うのはやめなさい)

 もう一度言おう。
 植爺、働き過ぎ。
 12月半ばだというのに、今年の観劇予定がすべて終わってしまいました。
 いつもならタカスペがあったり、DCで年末まで公演しているのに。100周年だからってイレギュラー続きで、めんどくさいわねー。
 や、花バウは公演中だけど、なにしろ超チケ難。サバキって出るのかなあ。
 西組なので、基本ムラのスケジュールを中心に生きてます。

 今年は年賀状も必要ないし、早々に〆切のある予定が終わったので、ぜんぜん更新出来ていないブログをなんとかしよう、と思って……途方に暮れる。

 自分が、どこにテキストを書き散らかしたのか、わけわかんない。
 古くは、去年の『JIN-仁-』『GOLD SPARK!』から、UPできていないテキストがPCのどっかにあるはず。去年の末はめちゃくちゃだったからなあ、いろいろと……どこに書いたんだ……。端末の方ならSDのどれかに入れたまんまかニャ?
 いずれUPしよう、と書き上げて、あるいは書きかけて、そのままになっているいろんなモノをサルベージしつつ、ぼちぼち更新していきまっつ。
 『New Wave! -花-』初日観劇。

 どんな舞台になるのか、まったくわからないままでの観劇。
 作品解説やポスターから、「主演なし」とか「主な出演者が3人連名だから、3人主役で学年順の考慮あり」とか。過去に『ハロー!ダンシング』のような「主演を置かないショー公演」もあったのだから。

 わからないまま、観て。

 わたしは、思い出した。

 あれは『Victorian Jazz』千秋楽の日。
 フィナーレで踊りながらだいもんは、まるで「終わる」ことを惜しむように劇場を見回している……ように、見えた。
 いつもいつも「表現欲」を感じていた子。「もっと演じたい、もっと表現したい」、全霊を挙げてそう訴えているような芸風。
 舞台が好きで、演じること、歌うことが天職で。
 もっと、もっと。そう感じる、飢餓感を抱えた子。
 もっと、与えればいいのに。この子が欲しがるモノを、欲しがるだけ、与えてみればいいのに。そうすればこの子は、どこまで表現してみせるんだろう。
 そう思っていただいもんが、ようやく、「表現する場」を与えられた。
 はじめての主演。
 はじめての真ん中。
 そして彼は、見事に務めを果たし、バウ公演は盛況のうちに千秋楽を迎えた。
 その、最後のフィナーレで。
 彼は、「終わってしまう」ことに耐えるような、惜しむような表情で、劇場を見回していた。
 わたしには、そう見えた。
 もっともっと、表現したい。歌いたい、演技したい、踊りたい。
 なのに、終わってしまう。


 戻っておいで。

 そうだ、そのときわたしは、そう思ったんだ。
 戻っておいで。
 強い強い「表現欲」を持つ君。
 戻っておいで。
 もう一度、ここへ。いくらでも表現していい、舞台の真ん中へ。

 一度バウ主演出来たって、次があるかどうかなんかわからない。劇団の胸のうちひとつで、ジェンヌの運命は決まる。
 だいもんがこれからどうなるのか、そんなことはさっぱりわからないけれど、それでもわたしはそのとき思ったんだ。
 とても、シンプルに。

 戻っておいで。

 ここが、君の居場所だから。舞台の、真ん中が。

 君がいちばん、君らしく生きられる場所。
 だから、戻っておいで。

 君の主演する舞台が、また観たい。

 そう思った。

 そんな風に思ったのは、はじめてだった。
 で、そんなことは、すっかり忘れてた。
 ……すまん、ほんとに、するっと忘れてた。思い出すことはあっても、いつも思い返しているわけじゃないから。

 それを。

 思い出したんだ。
 『New Wave! -花-』初日、1幕のラスト。

 「主な出演者が3人連名」だから、見せ場も順番、並ぶときは3人並んで、だけど学年的にだいもんセンターで、いろいろと仕事が多い。大変だなー、主演兼座長は、てな感じ。
 なんというか、だいもんの「使命感っ!」という気負いが、肩からゆんゆん漂ってきていた。
 MCもあるしさー。
 キキくんは天然、この子末っ子ですか? なんか「許されてる」という前提でその場に存在している感じが、さいこーです(笑)。
 あきらは……わたし、あきらの人となりをぜんぜんイメージすらしたことなかったんだなと改めて思った……この人真面目!! そして、わきまえてて、常識人!
 だから、ふたりとも、だいもんの助けになってない(笑)。
 キキくんはだいもんの鬼気迫るムードなんかまーったく気にせず好きに振る舞ってるし、あきらは決して出過ぎない執事みたいなムードで立ってるし。だいもんの緊張は、ゆるむ暇がない。
 ちょっと面白いです、こいつら(笑)。
 みんなそれぞれ緊張して、必死に自分の仕事をしているんだろうけど……だからこそ、なんか漏れている性格や心の立ち位置が、楽しすぎる。

 そんな「主な出演者が3人連名」というはじまり方で。
 だいもんはめっちゃ力入っていて。

 1幕のラスト。
 「オルフェとユリディス」の物語がはじまる。や、プログラム見てなかったから、そんな設定知らないまま観たんだけど。
 だいもんが陽水の「傘がない」を歌うところからスタート。

 行かなくちゃ。君に会いに行かなくちゃ。
 だけど、傘がない。

 そして、不思議な、不安な、世界が広がる。
 象徴的に現れるヒロイン、べーちゃん。彼女を追うだいもん。オルフェの物語だと知らないから、べーちゃんは幻とか、イメージだけの存在なのかと思ったよ。
 同じ舞台の上で、違う世界にいるかのように、すれ違う。

 ここで。

 ナニか、変わったと思う。

 物語が、はじまった。
 望海風斗主演の。

 そしてわたしは、思い出したんだ。
 『Victorian Jazz』千秋楽の日、思ったことを。
 戻っておいで。
 ここが、君の生きる場所。
 舞台の、真ん中。

 そうだ。
 そう思ったんだった。

 だから。

 おかえり。

 心の中で、そう返していた。
 おかえり、だいもん。君の場所へ。

 1幕ラストの「オルフェとユリディス」は、圧巻だった。

 響く歌声とダンス、そして、表現力。
 彼が、舞台の真ん中。この世界を牽引する者。

 下級生2名と連名で、座長で、公演を創らなければならない、引っ張らなきゃならない、そんな使命感にぴりぴりした空気は、別のモノに変換していた。

 だいもんが、「世界」に入っていた。
 彼が世界に入り、世界を吸収し、再び放出し、作り替えていた。
 走り出した。
 彼の創った世界で。
 彼が、真ん中の世界で。

 ぞくぞくした。
 これが出来るから、「真ん中」なんだ。真ん中でないと出来ないし、してはいけない。そして彼の「表現欲」は、これを欲していた。
 表現したい。
 世界を、作り替えたい。

 目の前の世界が、裏返る。
 だいもんを中心に、布が巻き取られるみたいにいったん引いて、裏返って別のモノになる。

 物語が、はじまった。
 彼を、中心に。


 役者って。
 役者って、こういうもの?
 こういうことをやってのけるのが、俳優というものなの?

 なんかもお、すげーもん見た。

 そして、だいもんが主役のまま、1幕は、「オルフェとユリディス」の物語は劇的に幕を閉じる。
 ほんとに、そこで終わる。

 だいもんに、スイッチ入った。エンジンかかった。
 2幕はもお、ふつーにだいもん主演だし。
 だいもんセンターで、その後ろにあきら・キキ。トップスターとW2番手の扱い。そういう立ち位置、演出。
 3人横並びだったのは、1幕の前半だけか。

 冴え渡る、歌声。

 歌える、ってすごい。これだけの力になるんだ。
 舞台に加わる、説得力。
 彼がセンターである、まぎれもない力。

 仙名さんもすげー歌声響かせるし。
 歌ウマがマジで場を与えられ、力を解放すると半端ナイな。


 わたしが今いろいろといっぱいいっぱいなせいもあるけど、泣けて仕方なかった。
 何故今、発表するんだろう。
2013/12/12

組替えについて

この度、下記の通り、組替えが決定致しましたのでお知らせ致します。

【月組】
咲妃 みゆ・・・2014年1月29日付で雪組へ組替え
※2014年3月7日からの雪組全国ツアー公演『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』から雪組生として出演いたします。

【星組】
美城 れん・・・2014年4月7日付で専科へ異動
早乙女 わかば・・・2014年5月18日付で月組へ組替え
※上記2名について、異動後に最初に出演する公演は未定です。

【宙組】
花乃 まりあ・・・2014年3月1日付で花組へ組替え
※異動後に最初に出演する公演は未定です。

 雪組千秋楽で、花バウ初日なのに。
 ゆっくりと考えたいこと、噛みしめたいことがあるはずの日に。
 大劇場が今日で終わり、歌劇団は冬期休暇に入るので、最後の営業日に発表しました、ってわけじゃ、ないんでしょう? バウでは22日まで公演しているんだし。
 せめて1日ずらしてほしかった。


 美城くんの専科異動がなかなかショックです。
 84期はこれで2名が専科生。
 現在4名いる84期のうち、2名が専科、1名が副組長。
 なんかもー、じわじわと包囲されている感じっすね。


 みゆちゃんは芝居巧者なので、ちぎくんとガチでシリアスな、繊細な芝居をするところが見たいです。……まあ、最初に絡むのが『ベルばら』で、女同士になっちゃうわけだけども。


 雪楽で花バウ初日の夕方、そろそろ暗くなる中、仕事があるので駅に向かって急いでいた。
 花の道を抜けて、ソリオのクリスマスツリーを見た途端。

 何故だか、泣けて泣けて、仕方なかった。
 いろんなことが、重すぎて。
 新人公演『Shall we ダンス?』で、やっぱうまいなと思ったのは、探偵@亜聖くん。
 声がいいよね、芝居うまいよね。
 本役さんとはまた味の違うキャラクタ。
 ……事務所のブラインド、自分で閉めることがあまりないのか、手こずってて「ヲイ、事務所の所長さん、大丈夫か!」と思ったくらいで(笑)、あとは危なげなく演じていた。

 エラの父@翼くんは、声と顔のギャップにとまどった。
 声はいい、ちゃんと「父」としての演技。でも顔が……わ、若いわー。老けてない、というんじゃなく、ただもう、若い。表情も若い。
 この男の子が、この声で父親として喋っている、というのが違和感。声だけ吹き替えしてるみたい。

 わたしは個人的に、翼くんのポールが見てみたかった。この声でポールとして、ナレーションして欲しかったよー。
 翼くんのいつも笑ってるみたいな顔立ちも、身体のサイズも、ホタテマンのポールから違和感なくつながったろうなあ。

 あと、おーじくんのポールが見たかったな。
 彼も喋れる人なのに、台詞のない役で残念。


 喋りまくる役シーラ@るりるりは、うわーなんかすげーるりるり~~、って感じで(笑)。
 シーラは別に初老の女性である必要ないんだね。世話好きお喋り好きのおばちゃん全開で、まーかしましい(笑)。
 ちょっとうるさすぎというか、すべっていた感もあるけど、やっぱうまいよねー。
 もう少し声のトーンを抑えて、キンキンしないよう、また声が荒れないようにしてくれるといいなあ。

 キャシー@えーちゃんはきれいでコワイ(笑)。ねちっとしたこわさが、いかにも「女子」で素敵。
 本公演でもこれくらいの役が付くといいのになあ。

 コニー@のぞみちゃんは……が、がんばれ。棒読みテイストの喋りに、手に汗握った。
 噛まずに忘れず飛ばさず台詞を言うだけでいっぱいいっぱい? 台詞を言うことに全意識を集中している感じが、……大丈夫か。
 初抜擢ではないし、そろそろ慣れてきてくれるといいなあ。
 かわいいんだから、うまくなってくれ~~。

 エミリア@有沙瞳ちゃん、かわいい子役。小学生かな、本役さんより年齢下がった感じ。顔はよくわかんないんだけど、お芝居はちゃんと子どもだった。
 なんか考えさせられた、新人公演『Shall we ダンス?』の配役。

 原作でいうところの竹中直人、ドニー@ホタテくん。
 渡辺えり子、バーバラ@ありちゃん。

 本公演はそれでも、原作のテイストは残しつつ、タカラヅカバージョンとして配役しているんだと思う。
 でも新公は、「タカラヅカ」がどうこうではなく、原作寄りに配役した。

 原作のこのふたつの役は、「美しくない」ことで笑いを取り、味を出している。でもここは「タカラヅカ」、「美しい」ことが基本。だから竹中直人なのにスタイル抜群のともみんが演じているし、渡辺えり子なのにスマートで美貌のせしるが演じている。ちゃんと「美しい人」が、「美しくない」以外の部分で笑わせている。

 しかし新公は、ドニーとバーバラに美形スターをあてなかった。
 タカラジェンヌはみんなきれい、容姿端麗が前提なので、ホタテマンやありちゃん個人の容姿がどうこうという次元の話じゃない。
 みんなきれいが当たり前のタカラヅカの中に、役割が存在する。老け役をする専科さんがいて、姫役をするトップ娘役がいて、というように。全員妙齢の女性ばかりなんだから、その中で役割分担されるようになる。
 ホタっちゃんとありちゃんは、その役割として、「美形の路線スター」を割り振られずに来た子たちだ。共に声のいい実力者なので、芝居ではここぞってなときに実力を発揮している。

 ホタっちゃんは三枚目や老け役を得意とするバイプレーヤーだからこそのドニー役だろうし、ありちゃんは娘役らしからぬ体格を見込んでのバーバラ役抜擢だろう。
 ふたりとも芝居はうまいので、新公とは思えない安定した舞台を見せてくれることは確実。

 しかし、なあ。
 「タカラヅカ」の中で、竹中直人に近いってことで選んだ子と、渡辺えり子に近いってことで選んだ子が、「タカラヅカ」の舞台の真ん中芝居をやっているというのは、それはすでに「タカラヅカ」である意味がない。

 竹中直人役であろうと渡辺えり子役であろうと、美形でなければ、「タカラヅカ」ではない。

 原作のキャラ設定は変えなければならない。アレンジしなければならない。だってここは「タカラヅカ」だから。
 アレンジしなければ公演できないんだから、そもそも原作はヅカ向きではない。
 本公演はいろいろとアレンジした結果、なんとか「タカラヅカ」になっていた。
 それを、新公ではわざと原作寄りにしてみている。
 なんで?

 新公の演出も、小柳タンだ。
 本公演は仕方ないから「タカラヅカ」におもねったけれど、新公では外部っぽくしてみたかったとか? デブ女の役は、デブ女が演じる、という風に?

 それとも、新公はお勉強の場だから?
 美しさを磨くべき路線スターは、ヅラだーの滑稽な動きだーので笑いを取る三枚目の芝居なんか勉強する必要はない。むしろ、変な癖が付くと困るから、ドニーはやらせない。
 可憐さを磨くべきヒロイン候補は、下品に怒鳴りまくるデブ中年女役に学ぶものはない。むしろ、変な癖が付くと困るから、バーバラはやらせない。
 路線スターじゃないけれど、脇の実力派としてがんばっている子たちにこそ、こういう「タカラヅカ的ではない役」が2番手役に来たときはがっつりやらせてやりたい。
 新公はお勉強の場、脇の役は脇の子がやる、脇スキルを磨く、今回たまたまタカラヅカ的に脇の役が2番手役だっただけ、脇の子がお勉強しているだけですがナニか? ってこと?

 それはそれでアリかもしんない。
 でもやっぱり、ここが「タカラヅカ」だから、わたしは「うーん」と首をひねった。

 ありちゃんは歌えて踊れて芝居も出来て、安定してうまい子だけど、ヅカの娘役としては大きすぎる。身長もだが、なによりも、横幅が。
 世間一般では別に太ってないんだろうけど、ヅカという限られた場所では、かなりふくよかだ。
 その体格の子が、娘役2番手になっている舞台は、やっぱりその、「タカラヅカ」的ではない。
 今回本公演がヒロイン役を男役が演じているため、バーバラ役は役としては3番目の位置だけどね。

 ホタテくんは今までずっと3~4番手スターあたりの役を新公で演じてきた子なので、今回の2番手役もわかるけれど、ありちゃんはほんと、体格ゆえに抜擢された感があってなあ。
 それって、なんだかなあ。

 ありちゃんは初抜擢なのに、違和感なく演じていた。
 こんなに台詞喋って芝居するの、はじめての域じゃないのか? それを感じさせないくらい、ふつーにうまい。
 でもさ。

 渡辺えり子ほどの、インパクトはないんだ。

 当然だよ。ここはタカラヅカで、ありちゃんはタカラジェンヌ。若くてかわいいんだから。
 おデブなおばさんが似合わない派手な衣装を着て、自意識過剰にしているからイタいのであって、ジェンヌにしては太めってだけのありちゃんが同じことをしても……。
 競技会の事故だって、スカートが破れて渡辺えり子のものすげー重圧感のあるお尻や太股がむき出しになるから視覚的に強烈なのであって……ありちゃんの、ジェンヌにしては太いってだけのお尻や太股を見せられても、痛々しさが先に立ってしまって……。

 なんか、笑えない。
 笑えないコメディほど、つらいものはない。
 ジェンヌにしては太めである、ってことを、笑いに使われている感じが、わたしの好みじゃない。
 演じている人はそんなことなく、体格を武器にしてさらにがんばっているんだと思う。
 でもわたしは、そーゆー笑いの取り方は好きじゃない……。

 ありちゃん、せっかくうまい娘役さんなんだからさー。こういう使い方じゃなくてさー。
 なんつーかこう、もどかしいわー。

 本公演にも感じている、「作品」としてのもやもや感が、新公のこの配役ではさらに大きくなった感じがした。
 新人公演『Shall we ダンス?』、アルバート@咲ちゃんと、彼の率いるイケメン集団が、めっさカッコよかった(笑)。

 センターの咲ちゃんのかっこいいこと。
 咲ちゃん、本公演でも思うんだけど、なんか一皮剥けたなああ。なんか、「客席」を意識した舞台姿になっている気がする。
 今回主演じゃないんで、余裕があるせいかもしれない。持てるモノを、余力を持って解き放っている感じが、気持ちいい。

 新公主演経験者の長の期のスターが、初主演の下級生を支えている新公って好きだな。脇を務める主演経験者が、さらにかっこよく見える。

 アルバートがエラ@あんりちゃんにかける最後の言葉、はじめて「言葉」として意味がわかった。
 や、わたしが鈍いせいなんだろうけど、本公演はすでに複数回観ていたにも関わらず、アルバートの言葉がキーになっていることに気づいてなかったの。
 エラの物語として、ラストシーンでアルバートが手を差し出す、それが「完結」の符丁だったんだ。
 素直に、「アルバートさん、かっけー」と眺めてました。


 そのかっこいいアルバートさんが率いる、イケメンダンサーたち。

 彼らが、もお。

 やる気あふれすぎてて、ツボ直撃された(笑)。

 いやあ、もお、キザるキザる。
 ウインクするわ一本釣り上等だわ、ナニこの子たち!! オペラ越しに目が合いまくる(笑)。
 ある意味、本公よりもアグレッシブ。
 たぶん、アクセルの踏み具合がわかんないから、ぶっ飛ばしまくってるんだと思う。
 ……ひよっこのくせに。
 いろいろ不自由というか、足りてないのに、それでもやる気はあふれかえっていて、とにかくキザりまくってる。ナニかボタンでもはずれちゃったみたいに、「うおおおお」って感じにキザってる。
 なに、「とにかくキザろうぜ、お客さんオトしてやろうぜ」って円陣組んで意気上げでもしたの? 全員相乗効果的に、燃え上がっていて、すげーおかしかった。
 おかしい、って言葉悪いか、でも、なんかニヤニヤが止まらなかったよ~~。

 もちろん、ミハエル@レオくんがめちゃくちゃカッコイイことは、言うまでもないっ!
 ロン毛のエロ男。
 そうそう、こういう役が見たかった! レオくんは悪役の方が栄えると思うの。台詞は少なく、ダンスで見せる役、てのもポイント高い。
 相手役のナタリー@蒼井さんも美人だしカッコイイし。


 レオくんがひたすら美形道を究めている横で、ジャン@あすくんは三枚目を。
 本役さんが「大きな身体で小心者」というキャラで笑いを取っている以上、同じことをやっても意味がない。だってあすくん、大きくないもんね。
 それで、ヲタクキャラってことになってた。見た目から変な格好で、ヲタクだからいろいろ自信なくて、インドア人間で運動神経なくて鈍くさくて。とにかく笑って誤魔化すことで生きてきました系。
 わかりやすくていいのかな。あすくんは相変わらずうまいし。
 見た目から変な格好、ってのは飛び道具的な笑いの取り方なので、わたし個人としてはあまり好きなタイプの役作りじゃない。でも、脇のグループ芝居の中のひとりなら、ありかなあ。実際かわいかった。

 ジャンの相方レオン@永久輝くんは、若いなあ。若いというか、幼い。等身大の役だと、「作る」以前に演じてしまうから、舞台の上では幼くなってしまうのかな。ホストというより、チャラい高校生……。
 ハンサムだし、この学年ではよく喋って動いていると思う。つか、顔が好きなので期待して眺めてる。健やかに育ってくれ~~。


 イケメンつながりで、ポール@真地くん。
 大きな役だー。こんなに喋って活躍している真地くん見るの、はじめて?
 経験値のわりによく出来てたんじゃないかな。

 でもなんか、ポール役に落ち着かなさを感じた。腑に落ちなさというか? パーツとして「ポールってこうじゃないよな」という気がしたというか。
 なにを目指してのポールという役だったんだろう。

 てゆーかポールってどんなキャラだろ。ミステリマニアが高じての探偵助手。本役さんにあった説得力がなく、どこを目指しているのかわからない役作りだった。
 若くてカワイイんだけど、えっと、ポールってカワイイキャラだっけ?
 長身で華やかなハンサム顔の男の子が、若作りっぽいかわいい服装をして「てへ☆」てなかわい子ちゃん芝居をしているのは、やはり新公ポールが「かわい子ちゃん」設定だからなのか? 何故?
 ぶりっこっぽい芝居が取って付けたようで、気になった。演出家の指示?
 若い真地くんなら、そのまま「若い男」として演じればポールになったと思うんだが、あえてそこに色を付けてきた? その色がわたしには無用に思えて、なんか落ち着かなかった。

 真地くんといぶきくん、雪組若手長身イケメンの双璧として、ふたりが並んでる姿を愛でて来たんだが、いぶきくんが安定してイケメンなのに対し、真地くんはわりとぶれる印象。
 太りやすいのかな? えらく丸顔になってるときもあるし。髪型失敗してたり。自分を魅力的に見せる方法を開眼してくれるとうれしいなあ。

 イケメンダンサー役のいぶきくんは、今回もほんとに美しくて。
 退団が惜しい。真地くんとふたり、これからもわたしの目を楽しませて欲しかったよ。
 新公配役によって、ヒロインはトップ娘役であるあゆっちが演じるジョセリン役ではなく、男役のちぎくんが演じるエラだとわかった。
 や、HPの先行画像がヘイリーとエラだったから、そうなんだろうとは思っても、先行画像は一時しのぎでしかなく、ポスターが発表になったあとは消されるものだから。(公演が終わると、公演ページはバックナンバーに移動され、先行画像は見られなくなる)
 公の場で立場を明かすのは新公だよなあ。
 新人公演『Shall we ダンス?』プログラムでインタビューが載っているのは、ヘイリー@かなとくんと、エラ@あんりちゃん。

 雪組だけでなく、トップ娘役軽視はどこまで加速するのか。

 てなことはともかく、トップ娘役の役だけれどヒロインではない、主人公の奥さん役、夢華さん。
 相変わらず、うまかった。
 何度もいうが、「100年に一度の逸材」として大劇場ヒロインを務め、新人公演ヒロイン、バウヒロインと総ナメした天才様だ、うまくて当たり前。
 しかも、これだけ未曾有の扱いを受けたのに、なんの結果も残さずこの公演で退団する。
 なにしに宝塚歌劇団にやって来たのか、よくわからない。

 ……という結果になったのが、とても悲しいし、虚しい。

 主演のかなとくんもそうだが、1観客として、1ヅカヲタとしてわたしは、そのときの公演単体ではなく、「自分が今まで観てきた公演全部」をバックボーンにして観てしまう。
 わたしが生まれてはじめてタカラヅカを観る通りすがりの人なら、あるいはタカラヅカになんの興味も思い入れもナイ人なら、ただ座席に坐って観劇した90分の公演のみを評価するだろう。や、そんな人ならそもそも、つたない新人による芸を観ずに、本公演のみしか観ないし存在も知らないだろうけど。

 単発の短編ドラマではなく、連続ドラマのなかの1話として捉える、ってことだ。

 単発の短編ドラマなら、その話だけがすべて。物語もキャラクタも。
 だけど連続ドラマの中の一部分だと、そうはいかない。たまたまその回は出番が少ないキャラクタだっているし、たまたま悪い顔をしているキャラクタだっている。
 全100話の大河ドラマの78話だけを観て「Aというキャラは意地悪だわ、Bは可哀想なキャラなのね」と判断しても、意味がない。それまでの物語でAがどれだけいい人で、たまたま負の部分を吐露するエピソードが78話にあっただけかもしれない。Bはそれまでずーっと幸せで、たまたま78話で弱さを見せていただけかもしれない。
 ドラマをずっと見てきた人と、78話だけ見た人では、感じ方がチガウだろう。

 今回、主演のかなとくんはよくやっていたと思う。きれいだし、歌えているし、ちゃんと男役だし。
 でもそれは、彼が初抜擢の新人下級生だからだ。
 彼がもしも過去5年間主演をくり返してきた「逸材」で今回の出来なら、わたしは今ほどわくわくしていないし、うれしくもない。
 助演のホタテマンだって、彼がいろんな公演でその演技力を見せ、彼の実力と将来に期待しているからこそ、今回は「こんなもん?」と首をかしげた。彼が最後の新公ではじめて抜擢された脇の苦労人なら、手放しで「よくやった!」と思っただろう。

 タカラヅカは、単発ドラマではなく、「タカラヅカ」という長い長い大河ロマンだ。オムニバス形式だから1話完結の短編として楽しめるけれど、背後のつながりを知ればさらに面白くなるという。

 それゆえに、夢華さんには評価が辛くなる。

 もしも彼女が、今回の新公ではじめて抜擢された無名の研4の女の子だとしたら。
 わたしの評価は、変わってくる。
 基本の「うまい・へた」に対しての感じ方は変わらないけれど、それに対する受け止め方が。

 もしも夢華さんが、無名の新人だとしたら。

 主人公の奥さん役の子、うまかった!! 声もきれいだし、歌もうまい。ちょっとした仕草も娘役らしくてかわいかった。
 顔はえーっとその、「お化粧がんばれ!」って感じだけど、まだ研4だから、これからきれいになっていくんだと思う。
 研4で、子持ちの奥さん役がこれだけ自然にできるなんてすごい。このまま育てば、いい脇の女役さんになりそう。いや、きれいになってくれれば、ヒロインコースもあるかも?

 こんな感じの感想になるかな。
 研4の新人にしはてうまい、でももちろん研4だしまだまだ未熟、技術はあってもきれいじゃないのでヒロインタイプではない、これから娘役修行を続ければ、垢抜けてきれいになるかも?(今の段階では未知数)
 てな。

 問題は、研4でこの感想の娘役を、研1の素人同然の段階で「100年に一度の逸材」として、本公演のヒロインとして正規料金を取って見せられたことですわ。

 大河ロマン「タカラヅカ」の大ファンとして、それまで培ってきた設定もキャラクタの性格付けも、全部ぶちこわしにされたんだもの。
 「タカラヅカ」の娘役トップって、素人でもできるんだー、へー。という。
 すでに芸能経験があり、歌や芝居の技術がある、というだけの初舞台生をトップスターにしていいなら、それこそAKBでもテレビタレントでも連れてきてトップにすればいい。「タカラヅカ」として研鑽する意味なんかないってことだ。
 宝塚歌劇団が100年近く懸けて培ってきたことを、研1ヒロインですべて無に帰した。
 そして、その研1ヒロインが、抜擢に相応しい天才なら、「それもアリだ、仕方ない」と思えたけれど、実際は研4で上記のような感想でしかない子だ。
 それでも「100年に一度の逸材だから」と押し通してトップにするならともかく、「ごめん、それはなかったことにして」というようなよくわからない扱いをして、挙げ句の果てに研4で退団だ。
 なにをしたかったんだ。

 わたしは本公演の舞台で夢華さんをほとんど見つけられないので、新公が彼女をちゃんと見ることの出来る最後の機会だと思う。
 そう思って意識して眺めていた。
 大きな役だとそりゃ目に入るけど、そうでない場合、好みでない人は視界に入らないのな。他意も悪意もない、ほんとに、好きな人たちを眺めるだけで精一杯だから。この公演だけでなく、いつも。
 本公演では、夢華さんがどこにいるのかマジでわからないままだった。複数回観て、あるときふと「あ、この役って夢華さんだったんだ」と気づいたくらい。ふつーにうまいから、悪目立ちもしないもんね。
 ショーでも咲ちゃんとツーショの銀橋くらいしか、わかんないし。


 夢華さんはふつーの研4娘役としてのビジュアルを持った、研4娘役にしてはうまい子として、最後の新人公演の舞台にいた。
 ビジュアルは学年を重ねれば変わるかもしれない。
 うまい子は貴重。声がきれいで芝居が出来るのは重要。
 夢華さんをちゃんと認識できるのは新公だけだった、わたしには。だから感慨深く眺めた。

 もっと別の出会い方をしていれば、よかったのに。

 彼女に対しては、悔しさと虚しさばかりが募る。
 新人公演『Shall we ダンス?』
 主人公は「平凡なサラリーマン」で、彼を取り巻く人々が個性的、という作品。
 この物語でいちばん派手でオイシイ役というと、原作で言うところの竹中直人役、ドニー役だろう。

 新公では、そのおいしいドニー役が、我らのホタテマン。
 ホタテくんはその芝居巧者ぶり、バイプレーヤーっぷりを評価されているスーパー下級生。

 でもわたし、今回の役は、ホタテの無駄遣いだと思った。

 ドニーはたしかにオイシイ役。
 でも、ホタテくんが演じても旨味がそれほどない。

 滑稽な動作をして笑わせる、滑稽な発音を混ぜて笑わせる。……てのは、別にホタテくんでなくても出来る。彼ほど芝居がうまい子でなくても、ある程度の舞台人スキルのある子なら、同じことをやって笑いを取ることはむずかしくない。

 なんつーか、「飛び道具」みたいなもんじゃん? わざと滑稽な動きをして笑わせるとか、滑稽なカツラをかぶって笑わせるとか。
 柔道の達人とサシで向かい合って闘って勝てない人でも、遠くからピストルで撃てば勝てる、みたいなもんで。

 「笑わせる」というのはもちろん大変なことで、それを軽んじるつもりはない。
 ただ、今回のドニー役は、ホタテ以外の人の方が良かったなと思った。

 滑稽な動きやカタカナ発音などで笑いを取ることよりも、本公演の探偵助手で「空気をつなぐ」芝居をし、的確にナレーションをすることの方が、ホタテマンの役者っぷりを見せつけていると思う。

 原作キャラ寄りの役作りを感じたり、滑稽さではなく芝居で、「間」で笑わせたりしているのはホタテらしいとは思ったけれど。
 どうしてもこの「タカラヅカのドニー」は飛び道具的な笑いに走りがちだから、ホタテ向きじゃないなと。

 ホタテの無駄遣い、と書いたけれど、一方的にホタテくんを持ち上げるわけではなくて。
 なんつーんだ、ホタテの弱点が浮き彫りになる役、てのも、ホタテスキーとして見ていて残念だったなと。

 ドニーのおいしさというか、笑いを取る根幹には、「派手さ」「押し出しの強さ」がある。本役さんにはそれがあるから、「飛び道具」としての笑いの使い方も突き抜けてる。
 しかしホタテマンはさー……「派手さ」と「押し出しの強さ」は、いちばんの課題っちゅーか、持ち味にないもんじゃん?
 最後の新公で、こんなにアウェイな役やらせなくてもいいじゃん、つーか、新公はお勉強の場だからあえて苦手分野をやってるんですよってのはアリだと思うけど、演出家はそんなとこまで考えずにやってるだろってのが透けて見える感じがやだってゆーか、とどのつまりは「ホタテの無駄遣い」。

 笑いを取る役でも、ホタテつんならもっと別のアプローチがあると思うんだ。本気で「芝居」でもって笑わせるとかさ。
 安易な飛び道具じゃなくて、もっとじっくりしっとりしたもので。
 派手なものではなくても、こうじわじわおかしいとか、そーゆー。
 彼の得意分野で「笑い」に挑戦させて欲しかったよ。


 でもまあ、芝居巧者のホタテマン、ヒロイン経験たっぷりのあんりちゃんと夢華さんで主要キャラを固めたのは、研5で初主演するかなとくんシフトかなとも思う。
 これで主要メンバーまで実力や経験のおぼつかない子たちだったら、かなとくんのあっぷあっぷぶりがえーらいこっちゃ、になったろうし。

 ふと、せしるの新公主演を思い出した。
 せしる自身も初主演だったのに、ヒロインも2番手も3番手も初心者マークで、大変なことになってたなあと。
 せしるが研7の長の期だったから、なんとかなると踏んでの配役だったのかな。

 混ぜるな危険、じゃないけど、主演が下級生の初心者なら、周りは経験者でがっつり固めてあげるべきだよな。本人たちのためにも、お金を出して客席に坐る観客のためにも。
 んで、ベテラン主演のときに、ヒロインや2番手などに下級生を抜擢する、のが安全よねー。

 ホタっちゃんは、うまいわりにあまり旨味のない力業な役で、やっていることが細かいわりにストレートに笑いにつながっていないというか成功していないのがもったいないやらじれったいやら、という出来だった。
 や、わたしには、そう見えた。
 あああ、もったいないー。ホタテの無駄遣いー。


 ヒロインのあんりちゃんは。
 なかなかに健闘していたかと。

 子役をやると魅力的なんだから、決して芝居心がないわけじゃない。ただ、出来る役の幅が狭いというだけで。
 まず外見が「少女」なので、「大人の女性」役がむずかしかった。
 大人ぶってはいるけれど、子どもに見える。

 エラという女性はクールというか硬質というか、ヘイリーが「窓辺にたたずむ姿」に心惹かれるように、神秘的な美しさを持つ。ちょっと見ただけで内面全部ダダ漏れ、てな感情的な役じゃない。
 抑えた表現の中で、感情の変化を出さなくてはならない。
 ……てのが、あんりちゃんは苦手だと思う。なんか終始同じ表情をしているように見えた。
 が。
 きれいってのはいいね! きれいな女の子がずーっとシリアスな表情のままいると、ロマンが広がる。あんりちゃんの芝居が緻密だとは、ごめん、わたしには思えないんだけど、その変わらない表情に、勝手にこっちが感情を想像してしまう。
 で、十分彼女を「ヒロイン」として認識してしまう。

 エラとして、アリだと思った。
 本役さんの巧さを再確認させてもらったけど、それとはまったくチガウっちゅーか届いてないけど、あんりちゃんのエラはそれでもちゃんとエラとしての仕事を果たしていた。
 きれいで、頑なで、かなしそうで。ヘイリー@かなとくんが彼女に手を差し伸べたくなるのが、わかる。

 どうにも子どもっぽいなあ、大人の女性に見えないなあ、と最初は思ったけれど、話が進むとそれも気にならなくなった。
 あんりちゃんのきれいさだけが、見えてきた。

 あんりちゃんがあまり「動かない」印象で、主演のかなとくんがその周囲で「無駄に動き回っている」感じがして、結果として「エラとヘイリー」の関係性がよく出ていた。
 それって果たして演技なのか、素の状態が出てしまっているだけなのかわかんないけど(笑)、ナマモノ感を愛でるタカラヅカなら、ぜんぜんアリだと思う!
 かなとくんが主演している。
 それだけでうれしい、今回の新人公演『Shall we ダンス?』

 かなとくんは学年と経験のわりに、歌えるし芝居の出来る下級生。もっといい役を、ちゃんと「芝居」のできる、「歌」の歌える役を、彼で観てみたかったんだ。
 その望みが叶って、突然新公主演だハラショー!

 ライトを浴びてあの大きな舞台に登場!……することに説得力ある「美形」っぷりに感動。
 背も高いし、派手な顔立ちだし、見栄えするよね。
 スーツはふつーに着こなしているし、芝居もふつーによくやっている。そして、歌だって歌えている。
 研5の初主演でこれなら、十分いい出来だと思う。


 前日欄で、「美形で、背が高くて、歌えている」新公主演スター登場!! ってことに言及して、しつこく感動をくり返しておりますが。

 えーと、歌えている、という微妙な表現なのは、わたし的には満足出来るラインの歌声ではなかったためです(笑)。
 かなとくんは、「もっと歌える」と思っていたから。
 正直今回の歌声は「え、こんなもん?」と思った。

 新公主演ってのはほんとに、大変だったんだろうな。
 今まで彼が演じてきた役は、役としての出演時間は十数分とか、台詞もあんましないようなものだったもんな。
 「やること」の量が、今回とは段違い。
 異端審問官やベルナールなら歌もたっぷり練習出来たけど、今回は同じだけの時間を、他のことにも割かなきゃならなくて、単純に、時間が足りてないんだろうなと、思った。
 歌い込んだなら、もっともっと美しい歌声を披露出来たはず。

 芝居も、それほどいいとは思わなかった。
 や、及第点はある。ちゃんと基本ラインは押さえてある。でも、それ以上ではないというか、「とりあえずやりました」的な感じがした。
 でもそれも、やっぱシンプルに「時間が足りない」んだろうなと思った。これが本役で、ひたすらこの役のお稽古だけしていたら、もっと違ったモノになっただろう……そう思った。
 彼がまだなにか、やりたがっているというか、どこかへ向かう途中に見えたんだ。
 力が足りなくて、表現出来ていないだけで。

 や、ふつーに出来てるんだよ。ヘタじゃないよ。
 芝居も、歌も。
 ふつーにうまい。「研5の新公初主演者」としては、上出来の部類。
 ただわたしには、「どこかへ向かう途中」に見えたってだけ。これはまだ途中の姿、足りていない姿だと。

 もっと時間かけて、じっくりお稽古を積んだ、練り上げた姿を見てみたい。
 そう思った。

 すべての新公出演者が同じ立場で、かなとくんだけが時間を得られていないわけじゃない。みんな少ないお稽古期間でがんばって作り上げているんだ。それはわかっている。
 他の人たちがやっていることなのに、今回とても力足らずに見えたのは、彼自身の責任だろうさ。
 決められた時間でここまでしか出来なかった、それが現実。
 そうわかった上で、「もっと練り上げたモノを観たい」と思った。

 もっと先の、月城かなと。


 美形で、背が高くて、歌が歌える。
 ただそれだけで感動したんだけど。

 そっから先は、「足りてない」「もっと出来るだろうに」というじれったさやトホホ感にハンケチを噛む思いだった。

 ……なんだけどさ。
 その「足りてない」感……「目指すモノはもっと先にあるのに、そこへたどり着けてなくてたたらを踏んでいる」感というか、本人もどうしていいのかわかんなくてピリピリ張りつめてる感じというか。
 やたら緊張感があって、いっぱいいっぱいで、大変そうで。
 その、「ふつうの人間」の感じが、『Shall we ダンス?』という作品の主人公、ヘイリーとクロスオーバーして。

 競技会で失敗したあと、ダンスもやめて、ひとりぼっちで「自分の限界」を決めて殻に閉じこもっていたヘイリーが、妻に、仲間たちにはげまされ、うずくまっていた部屋から出て、新しい扉を開いた……都会のビルの夜景、いつもの光景、いつもの窓に書かれた「Shall we ダンス?」の文字。

 ♪ありがとうの言葉を勇気に変え 明日への道走りだそう

 クライマックスのヘイリーのソロに、大泣きした。

 追い詰められ感が、ハンパなかったからなあ。
 そして、仲間たちとの友情、一体感が、ハンパなかったから。
 ひとりでも立っていられる強さを持つ本役さんとは違い、新公ヘイリーさんってば、マジに仲間の存在が「力」であり、「救い」に見えた。
 仲間たちの間で歌う姿が、ぐーーんと大きく見えて、スクリーンを見ているような、ズームアップされたような錯覚を起こした。

 もっと出来るのかもしれない、今回の出来はまだまだ未熟かもしれない……だけど、クライマックスの爆発感は、新人公演ならではだと思った。
 足りなくて、いっぱいいっぱいで、追い詰められていて。
 その一歩を踏み出す勇気、その扉を開ける力、そこに必要なモノが、どれほど大きかったか。
 本公演では感じられなかった切実感、圧迫感、緊張感。
 それが、一気に爆発するカタルシス。
 ヘイリーひとりの力ではなく。
 かなとくんひとりの力ではなく。

 それゆえの、跳躍。
 跳べ。
 あとはない、だから、跳べ。

 飛ぶ。

 ……そんな感動。

 本役さんの作るクライマックスとは、色が違う。新公ならではだ。
 もちろん、1ヶ月間主役を張るトップスターがこれじゃいかんのだが、1回限りの新公だと、実に気持ちいいんだ、このカタルシスってば。だから新公観劇ってのはやめられないよなと思う。

 かなとくんが実力を遺憾なく発揮していたかはわからない。正直、課題は山積みだと思う。
 だけどいい新公だった。

 終演後の挨拶でボロ泣きしている姿に、「そうだろうなあ」と思う。
 あんだけいっぱいいっぱいで、追い詰められて追い詰められて、それで、飛んだんだもんなあ。
 そりゃ、糸が切れて泣き出すわ。
 挨拶まで仕事なんだから、自分を律するのが舞台人だけど、タカラヅカの新人公演はこの挨拶ダダ泣きまでもが「お約束」の範疇で、守られてるからなー。
 わたしは、それでいいと思う。

 いいもん観た。
 かなとくん、新公主演おめでとー!

 新人公演『Shall we ダンス?』にて。
 他のなにをさておいて、とてもシンプルに、美形で背が高くて歌える、新人スターが、新公主演しているということに、感動した。

 えーと、めっちゃ稀少な事例じゃないですか?
 美形。
 背が高い。
 歌える。
 この3つを備えている若手スターって。
 このうち2つまでなら、いくらでもいるし、ひとつしか備えてなくても平気で新公主演していたりするのが現状じゃないですか。

 コネクションがどーのとかの裏の事情はともかく、劇団が現在重要視しているのって、第一が「身長」なのかな。
 背が(ある程度)高いこと。
 美貌はあとからどーにでもなる。元の顔立ちがどうあれ、スターとして磨かれればみんなきれいになるし。
 ある程度の身長があって舞台映えすること。それがいちばん重要。
 美貌も実力も、あとからなんとでもなる……そういう考え方?

 美貌はともかくとして、歌唱力の軽視はひどい。
 現在の「歌」劇団で、歌唱力を武器にしているスターの少ないこと。路線スターは歌ヘタが当たり前、音痴でなければ万々歳、という。
 身長に比べて、歌なんかどーでもいー、と思っているんだろうなあ。
 きれいで歌のうまい子だってもちろん劇団にはいるけれど、概ね身長が足りない。そーゆー子は新公主演できずに終わっている。
 今ブレイク中の星組の礼くんだって、身長があればもっと早くに新公主演できただろう。

 いい悪いではなく、それが現状。
 劇団がまず舞台上での見栄え重視なら、それはそれで仕方ない。背の高い新人スターたちが、少しも早く実力を付けることを祈るのみ。

 そんななかで。

 劇団が求めるだけの背の高さ、見栄えの良さを持っていて。
 しかも、研5の段階でぷくぷくまるまるしたオンナノコではなく、ちゃんと男役の外見をしていて、派手な美形顔で。
 その上、歌が歌える、ってナニその稀少種!! 劇団全組見回してもちょー少数派ですよ、保護対象ですよ!!

 歌が歌える、ってことは、舞台の上でちゃんと声を出せる、芝居として喋れるってことです。
 歌ウマと芝居巧者はイコールではないけれど、ヅカヲタ経験上、一定レベル以上の歌を歌えるのに、台詞声は素人、って人は思い当たらない。(反対に、芝居が文化祭レベルの人は歌も大変なことになっている場合が多い)
 芝居がうまくなくても、「声」をきちんと操作出来る人は、最低限「舞台人」としての格好は付くからさー。

 正直かなとくんは、歌ウマというほどの歌声を今回披露していなかったと思うし、芝居だってまだまだだと思う。
 でも、研5で初主演、今まで新公ですら番手付きの役はしたことない、って子がここまでやれれば充分でしょう!って出来だし。

 なんかとてもシンプルに、感動したのですよ。
 新公主演として舞台に立っている子が、「美形で、背が高くて、歌えている」ことに。
 こんな新公観るの、いつぶりだ……?
 そりゃ、最後の新公主演をしているときのれおんくんだとか咲ちゃんだとか、このレベルをクリアしている子はいたけれど、彼らは路線人生ど真ん中を何年も何年も歩いて、主演を何度も何度も経験して磨かれた結果の新公で、それに見合うだけの結果を出していたわけで。
 劇団推しのスター様たちはどーしても、主演を重ねるに従って観ている側の期待値が上がり、ハードルが上がるもんで、彼らがある程度出来たからって、あんまりストレートな感動になりにくいのだわ。

 そんな背景も踏まえつつ。
 ずっと脇役ばかりだった、組ファン以外には無名の下級生が、こうして晴れの舞台を与えられ、場に相応しいだけの結果を出してくれたことに、感動するのです。

 大劇場の舞台の中心に立っている子が、美形で、背が高くて、しかも歌えてるんですよ!!
 すげーー!!

 なんかとても基本的過ぎて、真っ先に感動するところがソコなの?!というセルフツッコミはあるんだけど、だってだって、ほんとにめずらしいんだもの、こんな新公主演スター!!


 劇団推しスター様たちに対してハードルが上がっているように、これから先かなとくんが主演総ナメする扱いを受ければ、彼へのハードルも上がって行くと思う。
 でも今の段階では、ほんとにただもううれしい。
 もっといい役を演じるかなとくんが観たかった。がっつり芝居し、歌を歌うかなとくんが観たかった。
 主役を演じるかなとくんが、観たかった。
 わたしが知る範囲で、彼は学年と経験のわりに歌が歌えて芝居が出来る下級生なんだもの! そして、背が高くて美形なんだもの! 真ん中で観てみたいよ! いっつも脇役ばっかなんだもん!

 望みが叶った。
 それだけで、感動できる舞台。

 「劇団のやること」に対する、わたしの基本値が低すぎるのかもしんないけど。
 今回のキャスティングは、とてもうれしい。
 えりたん、すげえ。

 『Shall we ダンス?』『CONGRATULATIONS 宝塚!!』初日観劇。

 『Shall we ダンス?』を観て思う。
 夢の国タカラヅカにおいて、平凡なサラリーマンを演じ、説得力を持って銀橋ソロが出来るスターは、彼以外にいない。

 説得力っていうのは、「タカラヅカ」的にも、そして、「平凡なサラリーマン」的にも。
 や、ふつーありえない、「タカラヅカ」と「平凡なサラリーマン」は対極にあり、決して接点などない、交じり合わない。
 なのに壮くんは、成り立たせてしまう。

 すげえええ。

 壮一帆おそるべし。
 そのフェアリー力に感服した。


 ヒロインちぎちゃんは美しかった。
 わちゃわちゃしたダンス教室内で、そこだけ色が違うように美しい。ザッキーのすけべオヤジぶりも相当だけど(笑)、台詞も説明もなくても、彼女の立ち位置がよくわかる。

 ともみん! あああともみん!(笑) 頼むぜともみん!
 『ベルばら』のときも思ったけど、えりたんとともみんって合うよね。

 さらさちゃんがキュートできれいで、うまいわやっぱ。

 きんぐ! 黒いきんぐ! かっこいいきんぐ!!


 ホタテのうまさに、脱帽。

 大劇場でただひとりライトを浴びて喋って、成り立たせてしまうその演技力。
 この子がこんな大役はじめての若手だって、誰が思う? しかも、代役なんですが?
 マジにホタテマン大事にしてくれ、育ててくれ。貴重だよーー!!


 物語は、日本版まんまで、かえって驚いた。
 もう少しオリジナル化するかと思ったけど……まんまですがニャ。
 映画の尺と舞台とほぼ同じなので、無理なくスクリーンから板の上にスライド成功した感じ。
 派手さはないけれど、センス良くまとまっていると思う。
 楽しかったー。

 ただ、日本版にしろハリウッド版にしろ、奥さんと心を通じ合わせる場面がいちばんの泣きどころだったんだよなー、わたしには。
 日本版の、家の庭で奥さんと踊るところ、泣きました。ハリウッド版の正装して薔薇一輪持って奥さんに会いに行くところ……きゅーんときました。
 それゆえに、映画でいちばん好きだった場面がなくて、「あれ、そんなもん?」って感じなのは、ちょっと残念。
 もっと「タカラヅカ」ならではの盛り上げ方、あったと思うんだけどなー。

 ……わざとだよね?の、なつかしい制服もあり。


 ショー『CONGRATULATIONS 宝塚!!』は、スタートダッシュのまま中盤まで駆け抜けるので、疲れるわー(笑)。
 『Amour de 99!!-99年の愛-』も『Étoile de TAKARAZUKA』そうだったけど、なんか、「記念作品」っぽいとわたしは落ち着かないなあ。過去作品のつぎはぎを混ぜられてる感?
 過去は大切だけど、新作を作ってくれ的な?

 や、ちゃんと新作オリジナルなんですが、途中ちょっと「またかよ」と思って。ここ数作のダイスケショーみんな同じじゃんと。タイトルに「タカラヅカ」と入っているからしょうがないってこと?

 まあそれは全組それなりの回数観ているから思うことで、雪組ではとても新鮮。

 えりたんの女装には、オサ様がフラッシュバックして困りました(笑)。わざとだよね?

 しかしなんつっても、あゆみちゃんの、割れた腹筋ですよ。
 すげえよあゆみ様!!

 大ちゃんの脚が素晴らしい。ぜひ隣にともみんもダルマで並んで欲しかった……脚長すぎるだろ!コンビ。

 で、ダイスケショーのお約束、オカマさんいっぱい!は、何故足を出さないんだっ、みんなナマ脚で踊ろうぜ!(笑)

 翔くんのテンションの高さっていうか、熱演はしてもどこか飄々とした持ち味のある彼にしては違和感を持つくらいの、鬼気迫る勢い。
 すごくすごく、がんばってるんだろうなあ、プレッシャーもすごかったろう……うるうる。

 オープニングとフィナーレの男役ダンスかっこよかったなー。
 花組っぽい場面だと思ったのは、わたしが花組とダイスケショーを観すぎているからか?

 なんにせよ、このカタチ、このフォーメーションでやると決まってからたった10日で、ここまで作り上げちゃうんだ。
 心底、すごいと思う。


 99周年最後の本公演が、良い作品で良かった。
 これは安心して人様にオススメ出来ますぞ(笑)。
 明日は雪組公演の初日です。

 まっつ休演を知ったときから、いろんな感情がわたしの中で荒れ狂い、わだかまり、通り過ぎていきました。
 あんまりいろいろと激しすぎたので、今はなんか空っぽになっています。
 ナニか考える気力がない。

 興味深い心の動きだったので、ここにUPするかどうかはともかく、いずれ文字にして整理してみたいとは思いますが、今現在はすこーんと平静です。

 これが公演途中とか、初日直前だったりしたら、混乱渦中に観劇(チケットどっさり取ってるし)になり、混乱に拍車が掛かったと思います。
 良くも悪くも10日ほど猶予があったので、平静に初日を迎えられます。

 雪組のみんなのがんばりにエールを送りつつ、まつださんの復帰を待ちます。

 タカラヅカが好きで、まっつが好き。
 ただ、それだけっすから。
2013/10/29

雪組 宝塚大劇場公演 休演者のお知らせ


雪組 宝塚大劇場公演『Shall we ダンス?』『CONGRATULATIONS 宝塚!!』の休演者をお知らせいたします。

雪組 未涼 亜希
※怪我の為、宝塚大劇場公演を全日程休演いたします。

【代役】
『Shall we ダンス?』
アルバート役・・・・・・・彩凪 翔
ポール役・・・・・・・・・・帆風 成海
ダンス教室の生徒・・・凰 いぶき

 『第二章』千秋楽観劇。

 諸事情あって、初日を観たっきり、次がいきなり千秋楽という。

 『おかしな二人』も初日・千秋楽を観た。そのときよりも、さらにくずれたというかこなれたというか、「タカラヅカ」っぽくなった印象だった。舞台が。
  ニール・サイモン原作だから、初日に作り上げたカタチが最大限のアレンジ、それ以上はくずしちゃいけないのかと勝手に思ってたから、「ここまでやっていいんだ」というのが、新たな発見。
 星組っぽい崩し方だなと思ったので、エマさんがいることが大きいのかもしれない。

 初日に引っかかった部分は、ほんとに「わたし、ナニに引っかかってたんだろう?」と首をかしげるくらい、なんともなくなってた。うーん、構えすぎてたのかなあ。
 苦手な海外翻訳物、苦手なイシダせんせ、ということで、神経質になりすぎてたかもな、初日は。

 だからもうあとは、とてもクリアーに、世界に酔うことが出来た。

 2回目だからか、引っかかりがなくなった分濃さも減ったのか、初日ほど泣きまくることはなかった。
 ただ、ひとつひとつの台詞や、会話のやり取りを味わい、トド様の表情を眺めていた。

 ストーリーがわかっているから、台詞を言う人を追う必要はない。
 存分に、トド様を見る。
 台詞がなく、話を聞いているだけ、電話の受話器を握っているだけの彼の芝居を、凝視した。
 その細かい表情の変化、感情の揺れを。
 追いかけた。

 やっぱこうして見ると、トド様年取ったなと思う。
 でも、加齢も含めてなお、彼を魅力的だと思うんだ。

 揺れる。
 そう表記するしかないほど、心が動いているのが見える。
 ジェニファー@ねねちゃんの言葉を聴き入っているときが、顕著。
 ひとの心は固まってなどおらず、絶えず揺れている。
 それが、わかる。見える。
 彼女の言葉のひとつひとつに、新鮮な動きを見せている。
 水面の光が、世界を映した色が、ちらちらとまたたき、変わり続けるように。


 4人の出演者。
 4人ともが個性的で、魅力的で、なんだかすごく愛しい。
 バウホールだからかな、こう、きゅっと手のひらの上に載せて、抱え込みたいような。
 空気が濃い。小さくキューブ状に凝縮された、とっておきの空間。

 フィナーレのはじけっぷりの楽しさってば。
 ええ、ねね様登場にきゃーきゃーになりましたよ、わかっていても! きゃーねね様すてきぃぃ!!
 エマさんとわかばちゃんのデュエットのクサさも大好物だ!(笑)

 フィナーレ、赤い口紅のトド様を見て、うっわー、タカラヅカやなあ、と思った。

 芝居中のジョージはもちろん、こんなどぎつい色の唇はしていない。
 ナチュラルな色の唇で、十分魅力的な姿なのに。

 フィナーレでは、これでもかという、口紅。
 べつに、こんな色付ける必要ないのに。トド様なら、フィナーレの派手さに負けてないのに。
 そう思っても、赤い唇で「男」を演じる姿に、わくわくする。
 どんだけ不自然でも、正気に返って考えると変なことでも。
 だって、それが「タカラヅカ」だもの!

 ヒャッホウなキモチになる。
 いいぞいいぞトドロキユウ。いいぞいいぞタカラヅカ。
 タカラヅカってすごいな、タカラヅカっていいな。
 そう思う。

 赤い口紅のままで、ラストはジョージっぽく演じて、幕が閉まる。
 ジョージはあんな唇してないのに。
 それでも、「芝居」に入ったトド様は、ちゃんと「男」で。赤い唇でも、違和感なくて。
 ああもう、好きだなと思う。


 楽しかった。
 いい舞台、いい公演だった。
 タカラヅカってほんと面白い。
 こあらはいつも、グッズに飢えています。
 ってことで、メモメモ、貼っておかなければっ。
2013/10/11

キャトルレーヴ限定『2014年版宝塚カレンダー』キャンペーンのお知らせ


◇キャンペーン内容
2014年版宝塚カレンダー対象アイテムを 一会計 合計2,000円(税込)以上 ご購入の方には、卓上カレンダー掲載写真より 非売品カードセット をもれなくプレゼント。
カードセットは2種類ご用意しておりますので、いずれかお好きなセットをお選びください!
皆様のご来店をお待ちしております!

◇開始日
10月18日(金)より

◇対象商品
1.スターカレンダー 1,500円(税込) □発売日 10月18日(金)
2.卓上カレンダー 700円(税込) □発売日 11月 8 日(金)
3.宝塚ステージカレンダー 1,500円(税込) □発売日 11月22日(金)
4.宝塚パーソナルカレンダー(全9種類) 700円(税込) □発売日 11月22日(金)
5.宝塚パーソナル卓上カレンダー(全6種類) 700円(税込)  □発売日 10月18日(金)
※『宝塚歌劇100周年記念・日めくりバインダー型カレンダー2014』は対象外となります。

◇ノベルティ
2014年版宝塚卓上カレンダーの掲載メンバー写真をミニサイズ(よこ80mm×たて110mm)のカードセットにしプレゼント。商品をお求めいただく際に、A面バージョンかB面バージョンのいずれかをレジにてお申し付けください。

掲載メンバー:
A面セット(12枚)  
(宙組)凰稀かなめ、(星組)紅ゆずる、(雪組)壮一帆、(花組)蘭寿とむ、
(月組)龍真咲、(花組)明日海りお、(雪組)未涼亜希、(専科)北翔海莉、
(星組)柚希礼音、(雪組)早霧せいな、(宙組)朝夏まなと、(専科)轟悠  
B面セット(13枚)
(花組)望海風斗、(雪組)彩風咲奈、(月組)星条海斗、(月組)凪七瑠海、
(宙組)七海ひろき、(雪組)彩凪翔、(宙組)緒月遠麻、(雪組)夢乃聖夏、
(星組)十輝いりす、(月組)美弥るりか、(花組)華形ひかる、
(月組)沙央くらま、(星組)真風涼帆※(表紙)

※ノベルティは数に限りがございます。なくなり次第終了とさせて頂きます。あらかじめご了承ください。

 プレゼントメンバーに、入ってる!!

 こーゆーのって大抵トップさんだけだと思ってたから、こんなにいっぱい大盤振る舞いなのは、すげーうれしい!
 A、B両方欲しいんだけど、カレンダーは2種しか買う予定がなかったんだよな。さてさて、どうしようかな。

 って、劇団の思惑通りに踊らされてます。

 いくらでも踊るから、もっとグッズ出してほしー。
 まっつが載っている限り、絶対買うから!!
 さあて役替わり初日だ、と張り切って行った『風と共に去りぬ』Bパターン。
 すでにAパターンは2回観劇、キャストにも世界観にも馴染みができたわ、大丈夫。すんなり入っていけるはず!と。

 えーと。

 とりあえず、感心したことは、まぁくんの、貴公子らしさ。

 ああ、真ん中として育ってきた子なんだ。そう、すとんと納得出来るアシュレだった。

 9年前、華々しくスター!としていきなり新公主演して、スポットライトの当たるところへ出てきたまぁくん。それからいろいろ遠回りしたり伸び悩んだりしていたけれど、彼の通ってきた道は、彼をこういうところに導いてきたんだな、と思わせてくれた。

 アシュレってほんと難しいばっかで旨味のナイ役。
 それを、出来る範囲で端正に演じる……その出来る範囲ってのは役者の実力のことではなくて、このクソ脚本とクソ演出の中で、って意味……脚本通りだったら、ただの嫌なヤツだもんよ……。
 そのクソ難しいハードルに挑むには、正統派の貴公子力が必要なんだなと。

 期待していた以上にちゃんとアシュレで、心から拍手しました。


 ルネ@ともちんは、……やっぱ役不足だああ。
 なつかしかったけれど。
 その昔、宙組に女帝夫婦が君臨しており、彼ら以外は「動く大道具」「歌う背景」と言われていた時代があった。
 その頃、こうやって「他のモブより台詞が多い」程度のともちんを、オペラで追いかけていたっけ。
 まっすぐな持ち味が、大きな身体とおおらかさと相まって、モブの中でもやわらかい空気をまとっていた。
 あの頃みたいだ……。

 でも、この学年で、しかも退団公演で、10年前みたいな扱いってのは……悲しい。

 年輪を、濃い役を重ねてきた分、昔のようなやわらかさはなくなっている。
 脇の好青年を演じてなお、ともちんは濃い。
 そして、ルネという役に、その濃さは必要ないと思う……。無駄にひっかかる芝居というか、うーん……。

 それでも、ルネをオペラで追いかけていたので、バザーのときとか、ルネとその恋人のメイベルがどう移動してどこにいるか、ふたりでなにをしているのか、通算3回目の観劇ではじめてわかった(笑)。

 メイベル@せーこちゃんとのカップルは、かわいい。
 バザーのところは、ほんとかわいいなあ。舞台奥でふたりで仲良くしているところとか、観ていてにまにましてしまう。

 2幕のコーラスも美しかった。歌える人が中心になると、コーラスもきれいだなあ。

 まあ、せーこちゃんクラスの女役さんが、今さらメイベルをやっているのは、ともちんがルネをやる以上に違和感があるっちゃーあるんですが。
 そして、ともちんとせーこのカップルなら、清純な若者カップルより、『モンテ・クリスト伯』の悪役カップルの方がはるかにどきどき、萌えたぎるんですが。
 それでも、最後の公演で恋人が、相手役がいる役だったのは、救いだなと思う。

 芝居は覚悟していたので、出番が少なくても持ちこたえられたけど、フィナーレの出番の少なさと、パレードの階段降りはなかなかに堪えました。
 でも、いちばんキたのは、銀橋の並び順だわ。
 ここまでやっておいて、言い訳のようにまぁくんより内側なの。
 なんかすごく、苦しくなった。


 スカーレットII@うららちゃんは……男役さんに見えた。
 ああ、BバージョンはスカーレットもスカーレットIIも男役さんなのね。すーっとそう思って、いやいやいやいや、チガウって!と、自分で突っ込んだ。

 メイベルやってるときは、そうは思わなかったのに……。
 かいちゃんスカーレットと並ぶと、なんか込み上げてくるオカマ感……。スカーレットがふたりともオカマ……。
 や、男役の女装はそのオカマっぷりも楽しむものだから、それはそれでいいんだけど、えっと、うららちゃんは……いいのか?

 スカーレットとスカーレットIIは「わたしとアナタは裏表」だから、あえてオカマ風に演じているのかもしれん。
 スカIIだけが匂い立つようにいい女だと、「裏表」設定が壊れてしまうから。


 で。
 主役のスカーレット@かいちゃんは。

 えっと……。

 『風と共に去りぬ』って、やっぱどうしても、スカーレットが主役になってしまうわけで。
 真ん中経験のない人が、ある日突然主役に抜擢!ってのは、わくわくするドラマだけど……やっぱそれは、ドラマの中だけにあり得ること、であるべきなのかなあ。

 この実力で、大劇場公演の真ん中は……きついわ……。

 歌がヘタとか、女の所作がとか声がとか、そーゆー問題じゃなくて。
 なんかかなり基本的な、根本的なところから、大変なことに。

 わたしに愛が足りないだけなのかもしれん、ヅカファンならオールオッケーであるべきなのかもしれん。
 でもわたし、やっぱ大劇場公演には、夢を持っているので。タカラヅカのトップスターというものには、夢を持っているので。
 「誰でも出来る」ものには、なってほしくない……。

 バウホールなら良いんだ。ファンアイテムだから、ファンが楽しければそれで。
 新公ならいいんだ。だって新公だもの。
 でも、大劇場本公演ってのは、チガウんだ。

 無名の新人特出とか研1抜擢とか、謎なことをいろいろして、劇団自らブランドに傷つけまくりだけどさ。
 そして、抜擢されたジェンヌさんはみんな、すごくすごくがんばってるんだけどさ。それはわかってるんだけどさ。
 でも、謎な配役をするたびに、ついて行けなかったよ。わたし、アタマ固いからなあ。
 今回も、やっぱついて行けないみたいだ。

 経験がないのは仕方のないことだけど、経験がない、真ん中修行をしていない、というのなら、せめて技術だけでも、カチャか夢華さんレベルには持っていてもらわないと、きついっす……。

 ごめんよぉ。
 でも、わたしが観たのは初日だから。
 きっと経験を積んで、どんどん良くなっていくんだと思う。
 かいちゃんにとっても、宙組にとっても、ファンにとっても、良い舞台になりますように。

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