『愛のプレリュード』の、ストーリー解説。合っているかどうかは、それぞれが要判断願いますよ。

 フレディー@まとぶんとジョセフ@壮くんは悪と闘う正義の捜査員だった。それが、逆恨みした悪者組織にフレディーが撃たれ、意識が戻らなくなってしまった。
 ショックを受けたのはジョセフですよ。文字通り命がけで闘ったのに、悪人は金の力で釈放、恋人のフレディーは昏睡したまま。

「世の中カネだ、カネさえあればいいんだ」
 すっかりヒネくれて星をにらんだジョセフは警察を辞め、悪の道に入る。
 経歴偽証して不動産屋さんやりつつ、裏でワルイコトしているらしいけど、なんつーかこうみみっちいというか……小金に一喜一憂している小悪党感ゆんゆん。
 何故か仲間だけはみょーにたくさんいて、「こいつらの食い扶持稼ぐためにも、オレががんばんなきゃな」的所帯じみた風情が素敵な悪の秘密組織。(アジトはもちろん秘密の地下室!)
 目下のターゲットは街のお金持ち、発明家ドイル@まりんの新発明品。それを盗み出すために、娘のキャシー@蘭ちゃんに色仕掛けしているところ。
 でもなあ、ジョセフもともと女に興味ないからなあ。そんなんで色仕掛けっつっても、無機質過ぎて相手にされない。てゆーか、10代の女の子相手に色仕掛けの30男ってどうなのよ?

 今日も乗り気しないまま義務感だけでキャシーに会いに行くと、何故かドイル氏が娘のためにボディガードを雇ったところだった。
 金持ちの考えることはわからん。別になにか危機感があるわけでなく、「しばらく研究室に泊まり込みで、家を留守にするから」という理由で大金積んでボディガード。屋敷には大勢の使用人たちがいるのに。
 キャシーを取り込むつもりのジョセフとしてもそれは困るので、とりあえず反対してみる、が。
「ジョセフ? ジョセフぢゃないか!! 偶然だなヲイ」
 なんと、そのボディガードとは元カレのフレディーだった!! ちょお待て。混乱するジョセフ。とりあえずツンツンしてその場を去る。

 フレディーは悪者に撃たれて眠り姫だったはず。オレは彼に最高の治療を受けさせるために手を汚してカネを作ろうとしていたのに、ナニそれ、ぴんぴんしてるってどーゆーこと?! オレの苦労はいったい? てゆーかこんなにヨゴレてしまったオレを見られたくないっ。
 と、考えたかどうかは知らないけど。
 5年前と変わらない愛情で近づいてくるフレディーから、ジョセフは必死に顔を背ける。オレはもう変わってしまったんだ。この世はすべてカネだ、カネさえあればいいんだっ。
 元カレ登場で揺れ動いているのは、ジョセフだけじゃない。ジョセフにアプローチしているマウロ@みつるにとっても、フレディーの存在は死活問題だ。年下で頼りないかもしれないけど、今のアンタをいちばん愛しているのはオレだ! あの男はアンタのなんなんだ?!てな。

 ところでこのフレディーさん。
 もともと正義の人で、「大切な命をひとりでも守りたい」という崇高な動機でボディガードをやっているのですが。
 実はもう余命短し。5年前の弾丸がアタマに残ったままなんだって。いつ意識を失うか、カラダが動かなくなるかわかんないんだって。
 それを聞いて思わず取り乱すジョセフ。ツンツン顔に戻すの大変。
 あのー。
 フレディーさんアナタそんな状態でボディガードって……命をいちばん軽んじているのは、アナタです。
 依頼人の命が掛かったときに、意識失ったらどーすんの?? どう責任取るの?
 ボディガードだの「命の大切さ」だのゆーてるのは、全部全部フレディーの自己満足。他人を危険にさらしても、偽善に酔うことを選ぶ。しかもそうやって稼いだカネで彼がしているのは、恵まれない孤児たちへの善意の寄付……というのは名目で、ほんとのとこは孤児院を経営している母親への援助。
 ちょ……ナニこの何重もの偽善っぷり。

 ジョセフ、こんな男やめとけよー。愛するより愛された方が幸せだよ、マウロにしときなよ……と思っていたら、さらにそこへ、第三の男登場。
 出たぞテンプレ悪役ナチス! こまったときはナチスにおまかせだ! とにかくナチス出しておけばOKだ! サンタモニカを鉤十字付けたまま闊歩するナチスの人@はっちさん。
 ジョセフはこの悪い人に命令され、脅されて後には引けなくなってるんだ。ナニがなんでもドイルの新発明を手に入れなければならない。
 えーとジョセフさん、このナチスの人との関係は、ぶっちゃけどうなん? なんかもー身も心も縛られてます感ハンパないのは、はっちさんがハイクオリティ過ぎるのか……?

 ヨゴレてしまった自分はもう、フレディーには相応しくない。フレディーにはキャシーがお似合いだ、自分さえ身を引けば……と、恋愛モノのお約束スパイラルにはまってゆくジョセフ。
 肌身離さず持っている、ふたりの愛の証の懐中時計に語りかける……。

 利用するためにキャシーを丸め込むつもりだったのに、なんかもーそんなことはどーでもよくなってるジョセフ。アタマの中は元カレでいっぱい。
 今の情人……ナチスのあの男からも、逃れられない。ならばせめて、自分で始末をつけよう。
 絶望のジョセフは極論へ走る。
 大勢の人の前でわざわざ発砲してキャシーを誘拐し、研究所へGO! よくわかんないけど、自分が全責任取って、仲間たちは逃がそうとしたらしい。根がいい人だからジョセフ、キャシーに興味ないとしても、殺したくないんだよ。

 そこへ現れるナチスはっち。ドイル屋敷だろーと研究所だろーと、どこでも鉤十字のまま現れます。つかこの人たちの悪役ぶり、ショッカーレベルなんだがどうにかならんのか。
 武力で研究所に押し入るなら、ジョセフに色仕掛けさせんでも良かったじゃん。

 仲間に「ここはオレに任せて逃げろ」と言うジョセフ。しかーしっ。ジョセフLOVEのマウロは「心中上等! 今の恋人はオレだっ」と逃げずにショッカーと闘う覚悟。
 すると他の仲間たちも「ジョセフLOVE!」と、逃げずに闘うぞ!
 ……って、そんなやりとりをショッカーの皆さんは攻撃もせずにずーっと待ってくれている……特撮ヒーローもののお約束、主人公チームがポーズ決めてるときは攻撃しちゃいかんのだ。

 ヒロインの危機に、ダーリンが現れるのはお約束。
 フレディーがジョセフを助けにやってきた!! しかし。
 ひとりで来るなよ……なんの役にも立たねーっつの。
 結局ショッカーたちにボコられる運命。ショッカーはっちもどーでもよくなってるのか、殺しても意味ナイのにわざわざキャシーを殺そうとする。それをかばうフレディー、そんなフレディーをさらにかばって、撃たれるジョセフ!!

「お前に抱かれて死ねるなんてシアワセだ……」
 うっとりジョセフは愛の勝利者。フレディーの腕の中で死んでゆく。

 駆けつけた刑事@さおたさんと王子相手に、フレディーがよくわかんない説教してたけど、オマエガイウナクラーーッシュ!!て感じ、なんかもお筋道立てて考えるの嫌になってきてたからもおいいや、なんか感動的なこと言ってるらしいよ、ってことで。(投げやり)

 あとはタカラヅカの定番、スモークのなかで愛のデュエットダンス。フレディーとジョセフ。

 てゆーかさー、フレディーは最初からジョセフLOVEだったわけよ。
 ジョセフにとっては5年経ってたわけだけど、最近目覚めたばかりのフレディーには今も変わらぬ恋人なわけだし。
 ジョセフがツンツンしないで、素直に彼の胸に飛び込んでいれば、なんの問題もなかったんじゃ?
 勝手にひとりでやさぐれて、「彼に相応しくない」「彼女の方がお似合い」とかぐるぐるしてただけじゃん。まあ、はっちさんという悪い情人がいたから、駆け落ちする必要はあったにしろ。

 フレディーも結局、キャシーとはくっつかずに旅立っていく。余命幾ばくもない彼は、恋なんかしちゃいけないのだ。……だったらキャシーに気を持たせるよーなことしなきゃいいのに……だけど、余命幾ばくもないんだからナニしたって許されるさ、OKOK。
 そして、自分の命をかけて、誰かの尊い命を守る使命があるのだ。……自己満足GOGO。
 そーいやドイルさん、金儲けが目的でも世の役に立つ研究していたのに、今回の事件で研究するのやめちゃったんだって。つまりフレディーのしたことって、有益な発明家を廃業させただけで、害にしかなってませんがな。

 そんな話でした。

  
 スズキケイさん、放課後屋上に来てください。話したいことがあります(笑)。

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