「タカラヅカ」の文化祭であるから。@第97期宝塚音楽学校文化祭
2011年2月21日 タカラヅカ 第97期宝塚音楽学校文化祭にて、しみじみと谷正純を思う(笑)。
文化祭の「演劇」は、芝居としての整合性よりも、出演者に等しく見せ場を割り振ることを主眼とする。
もちろん主役とヒロインがいて、主な役と脇役は区別されてるんだけど、それとは別にできるだけ多くの役と見せ場を作ってあげることに気を配られている。
谷せんせは、1本の芝居に複数の物語を挿入することで、主役もヒロインも嵩まししてきた。
93期は『ラ・ボエーム+レント』で1本の話の中に「ラ・ボエーム」と「レント」という2本の話をぶち込み、ふたつの物語が同時進行するということをやった。だから主人公はふたりで、ヒロインもふたり。その親友とかも数が倍。
去年の96期はO・ヘンリの短編を3本、だから主役が3人、その相手役も3人。
今年の97期生は、文化祭の舞台を踏むのがたった33人。だから無理に複数の話にする必要はなかったんだろう。
にしても、主役ふたりにヒロインふたり、ってなWトップ仕様になっていたと思う。
でもって、もお。
今年の芝居と来たら。
谷正純ココにあり!な作品(笑)。
タイトルは『オーロラの歌声』という、18世紀後半のスウェーデンが舞台の小品。
いきなり「フェルゼン伯爵が国王陛下の命でフランス国王救出に」とか、トンデモ歴史解説がはじまったり、客席で吹き出した。
ちょ、ソレは植爺脚本『ベルばら』!! 原作とも史実とも無関係!!
近衛兵候補生たちの青春芝居なので、もちろんみんな横一列に並んで順番に台詞を言う。
『ベルばら』まんまですよ、つい最近コレ観たわ、目が見えないことを黙っててくれと衛兵隊のみんなの前で土下座して泣いて頼むアンドレと、「あんどれがかわいそうだ」とかゆって一緒に泣き出す衛兵隊士たちと、彼らから「あらん、なんとかしてくれ」と言われるアラン……アレと同じ構図が繰り広げられてます。
ナニこれ、パロディ?
スウェーデン皇太子様は、皇太子でありながら、農民や抗夫出身の近衛兵候補生たちに混ざって2年間寝食を共にし、同じ訓練を受ける、という設定。
貴族出身者だけだったオスカル様のいたフランス近衛兵を全面否定して、「身分関係なく募る」というところがツボ。一緒に訓練することで、真に信頼しあえる親衛隊を組織することが目的らしい。
んで、やっぱりついこの間観た士官候補生モノ『愛と青春の旅だち』と似たよーなストーリー展開。エピソードやキャラがかぶるっつーか、デジャヴだらけ。
パクリとかゆーんじゃなく、ベタなことだけやったら似てしまうってことでしょう。
でもって、オリジナリティに興味はなく、ほんっとにお手軽なところで話が作られているの。
皇太子であり、タカビーな貴族のお姫様婚約者がありながら、宿屋の娘と恋に落ちる主人公。
ひたすら二枚目、包容力笑顔。驕らず誠実、公正で情け深いときたもんだ。
ヒロインは慎ましく可憐、よよと泣き崩れる系。身分違いだから黙って身を引くの、出会えただけで満足なの、けなげけなげっと。
2番手役は、候補生の実直班長。ヒトの世話ばかり焼いて自分のことは顧みず、仲間のことばかり考える。
そんな班長に惚れているヒロインの姉、お節介で口数の多い肝っ玉母さん系。
あとはやたら物わかりのイイ教官様とか、ツンデレ候補生とか、ヘタレとかそのカノジョとか、いろいろ。
短い時間内に、よくもまあ。
テンプレ設定、べたべたのベタな展開てんこ盛り、タカラヅカが大好きな「人情」を押し出しまくって、もおどうしようかと。
でもって、これは文化祭の「演劇」という出し物なので。
ミュージカルではなく、「演劇」なの。ストレートプレイなの。
歌を披露する場は別に設けてあるから、ここでは芝居力を披露する場なの。
なのに。
クライマックスで、いきなり歌がキタ。
ぽかーーん。
「演劇」なのに。
ミュージカルぢゃないのに!!(笑)
しかもしかも、いかにもタカラヅカ、いかにも谷正純な「人情ベタベタ」「エエ話や」なところで、これでもかとゆー、ウエット極まりない歌!!
候補生たちが2年間の訓練期間を終えて卒業していく歌を、卒業式の歌ばりに「みんなで力を合わせた運動会」「楽しかった遠足」のノリで、ひとりずつ宙を見つめながら歌いつないでいく!
それはそのまま、2年間の音楽学校を修了し、卒業していく本科生たちの姿そのままで。
ナニこのすげー展開!!(笑)
うっわー。
谷せんせだ。
もんのすげー谷せんせ。
谷正純節全開。
わかりやすい人情劇、わかりやすい感動。
とにかく泣かせる。
膝を打って、大ウケしました……(笑)。
谷正純集大成みたいな作品。
どーせ文化祭だと思って、なんのヒネリも工夫もなく、書きやすいモノだけで書いてあるもんだから、本質丸出し。
演じている本科生たちも純粋だから、最後の「卒業式の歌」で2年間の思い出を振り返りながら泣いてるし。
役とオーバーラップしちゃって。
んで、客席も一緒になって泣くし。親や親戚は泣くでしょそりゃ。娘の卒業式で卒業の歌聴いたら。
いやあ、いいもん観た。
べったべたの人情劇、恥ずかしいまでの本質むき出しの谷作品。
泣きましたとも。
くっだらねー!と思う、あざとすぎるとも思う。
それでも、谷せんせの人情モノは好きだよ。
あまりにあまりに作りなので大ウケしたけど、泣いたのもほんとう。
泣きながら笑った。谷せんせ恥ずかしい芸風!と。
優等生班長と三枚目のヒロイン姉が「オーロラの歌声」を聴くシーンで、マジにぶわっと泣けた。
この子たちは、しあわせにならなきゃだめだ。
心から、そう思った。
こんなにこんなにイイ子たちなんだから、しあわせにならなきゃ。
いい人は報われなきゃダメだ。と。
んで、ほんとに彼らはシアワセになるの、報われるの。ご都合主義でもなんでも、それが谷せんせの人情モノ。
あざといけど。見え見え過ぎてて、こんなの書く方もそれを観て泣く方も、アッタマ悪ー!って感じだけど。
でもいいの(笑)。
ラストシーンで目をうるうるさせながら歌っている彼らを観て、一緒に泣くのが「タカラヅカ」だもん。
あ。
プログラムをちゃんと読むと挿入歌のことも書いてあった。公平氏作詞の卒業生用の歌だそうですよ……ほんとに卒業式の歌……でもってそんなもんをそのまま使う厚顔さにまた舌を巻く。
まったく、公私混同ってゆーか、バックヤードと舞台の区別のついてなさそーなとこがまた、素敵に「タカラヅカ」。
文化祭の「演劇」は、芝居としての整合性よりも、出演者に等しく見せ場を割り振ることを主眼とする。
もちろん主役とヒロインがいて、主な役と脇役は区別されてるんだけど、それとは別にできるだけ多くの役と見せ場を作ってあげることに気を配られている。
谷せんせは、1本の芝居に複数の物語を挿入することで、主役もヒロインも嵩まししてきた。
93期は『ラ・ボエーム+レント』で1本の話の中に「ラ・ボエーム」と「レント」という2本の話をぶち込み、ふたつの物語が同時進行するということをやった。だから主人公はふたりで、ヒロインもふたり。その親友とかも数が倍。
去年の96期はO・ヘンリの短編を3本、だから主役が3人、その相手役も3人。
今年の97期生は、文化祭の舞台を踏むのがたった33人。だから無理に複数の話にする必要はなかったんだろう。
にしても、主役ふたりにヒロインふたり、ってなWトップ仕様になっていたと思う。
でもって、もお。
今年の芝居と来たら。
谷正純ココにあり!な作品(笑)。
タイトルは『オーロラの歌声』という、18世紀後半のスウェーデンが舞台の小品。
いきなり「フェルゼン伯爵が国王陛下の命でフランス国王救出に」とか、トンデモ歴史解説がはじまったり、客席で吹き出した。
ちょ、ソレは植爺脚本『ベルばら』!! 原作とも史実とも無関係!!
近衛兵候補生たちの青春芝居なので、もちろんみんな横一列に並んで順番に台詞を言う。
『ベルばら』まんまですよ、つい最近コレ観たわ、目が見えないことを黙っててくれと衛兵隊のみんなの前で土下座して泣いて頼むアンドレと、「あんどれがかわいそうだ」とかゆって一緒に泣き出す衛兵隊士たちと、彼らから「あらん、なんとかしてくれ」と言われるアラン……アレと同じ構図が繰り広げられてます。
ナニこれ、パロディ?
スウェーデン皇太子様は、皇太子でありながら、農民や抗夫出身の近衛兵候補生たちに混ざって2年間寝食を共にし、同じ訓練を受ける、という設定。
貴族出身者だけだったオスカル様のいたフランス近衛兵を全面否定して、「身分関係なく募る」というところがツボ。一緒に訓練することで、真に信頼しあえる親衛隊を組織することが目的らしい。
んで、やっぱりついこの間観た士官候補生モノ『愛と青春の旅だち』と似たよーなストーリー展開。エピソードやキャラがかぶるっつーか、デジャヴだらけ。
パクリとかゆーんじゃなく、ベタなことだけやったら似てしまうってことでしょう。
でもって、オリジナリティに興味はなく、ほんっとにお手軽なところで話が作られているの。
皇太子であり、タカビーな貴族のお姫様婚約者がありながら、宿屋の娘と恋に落ちる主人公。
ひたすら二枚目、包容力笑顔。驕らず誠実、公正で情け深いときたもんだ。
ヒロインは慎ましく可憐、よよと泣き崩れる系。身分違いだから黙って身を引くの、出会えただけで満足なの、けなげけなげっと。
2番手役は、候補生の実直班長。ヒトの世話ばかり焼いて自分のことは顧みず、仲間のことばかり考える。
そんな班長に惚れているヒロインの姉、お節介で口数の多い肝っ玉母さん系。
あとはやたら物わかりのイイ教官様とか、ツンデレ候補生とか、ヘタレとかそのカノジョとか、いろいろ。
短い時間内に、よくもまあ。
テンプレ設定、べたべたのベタな展開てんこ盛り、タカラヅカが大好きな「人情」を押し出しまくって、もおどうしようかと。
でもって、これは文化祭の「演劇」という出し物なので。
ミュージカルではなく、「演劇」なの。ストレートプレイなの。
歌を披露する場は別に設けてあるから、ここでは芝居力を披露する場なの。
なのに。
クライマックスで、いきなり歌がキタ。
ぽかーーん。
「演劇」なのに。
ミュージカルぢゃないのに!!(笑)
しかもしかも、いかにもタカラヅカ、いかにも谷正純な「人情ベタベタ」「エエ話や」なところで、これでもかとゆー、ウエット極まりない歌!!
候補生たちが2年間の訓練期間を終えて卒業していく歌を、卒業式の歌ばりに「みんなで力を合わせた運動会」「楽しかった遠足」のノリで、ひとりずつ宙を見つめながら歌いつないでいく!
それはそのまま、2年間の音楽学校を修了し、卒業していく本科生たちの姿そのままで。
ナニこのすげー展開!!(笑)
うっわー。
谷せんせだ。
もんのすげー谷せんせ。
谷正純節全開。
わかりやすい人情劇、わかりやすい感動。
とにかく泣かせる。
膝を打って、大ウケしました……(笑)。
谷正純集大成みたいな作品。
どーせ文化祭だと思って、なんのヒネリも工夫もなく、書きやすいモノだけで書いてあるもんだから、本質丸出し。
演じている本科生たちも純粋だから、最後の「卒業式の歌」で2年間の思い出を振り返りながら泣いてるし。
役とオーバーラップしちゃって。
んで、客席も一緒になって泣くし。親や親戚は泣くでしょそりゃ。娘の卒業式で卒業の歌聴いたら。
いやあ、いいもん観た。
べったべたの人情劇、恥ずかしいまでの本質むき出しの谷作品。
泣きましたとも。
くっだらねー!と思う、あざとすぎるとも思う。
それでも、谷せんせの人情モノは好きだよ。
あまりにあまりに作りなので大ウケしたけど、泣いたのもほんとう。
泣きながら笑った。谷せんせ恥ずかしい芸風!と。
優等生班長と三枚目のヒロイン姉が「オーロラの歌声」を聴くシーンで、マジにぶわっと泣けた。
この子たちは、しあわせにならなきゃだめだ。
心から、そう思った。
こんなにこんなにイイ子たちなんだから、しあわせにならなきゃ。
いい人は報われなきゃダメだ。と。
んで、ほんとに彼らはシアワセになるの、報われるの。ご都合主義でもなんでも、それが谷せんせの人情モノ。
あざといけど。見え見え過ぎてて、こんなの書く方もそれを観て泣く方も、アッタマ悪ー!って感じだけど。
でもいいの(笑)。
ラストシーンで目をうるうるさせながら歌っている彼らを観て、一緒に泣くのが「タカラヅカ」だもん。
あ。
プログラムをちゃんと読むと挿入歌のことも書いてあった。公平氏作詞の卒業生用の歌だそうですよ……ほんとに卒業式の歌……でもってそんなもんをそのまま使う厚顔さにまた舌を巻く。
まったく、公私混同ってゆーか、バックヤードと舞台の区別のついてなさそーなとこがまた、素敵に「タカラヅカ」。
愛ははじまるかしらの前奏曲。@新人公演『愛のプレリュード』
2011年2月22日 タカラヅカ 花組新人公演『愛のプレリュード』観てきました。
がりんくん、べーちゃん、新公主演おめでとー。
がりんくんっつーと新公『太王四神記』でいきなりヒョンミョン役で「誰?!」だったあの子ですよ。大劇場でいきなりソロ披露した無名の研2! でもってそのあと『宝塚巴里祭2009』ですよ。……え、『巴里祭』が大問題、すげー大きな話題だったのはわたしだけですか? 世の中的には新公でオスカル役をやった、てことの方が大きな話題?
とにかくがりんくんっつーと、「歌ウマ」認識。
かわいこちゃんで、女役とか子役とか回ってくる系の男の子、アイドル系。93期、現在研4。
……まちがってないよね、認識?
かわいこちゃんで女の子っぽいイメージがあったので、すらりとスーツを着こなしフレディーとして登場した姿に、「おおっ」と驚く。
スーツ姿きれいじゃん、かっこいいじゃん。
たしか芝居は出来る子だったよね、単にまだ「男役」になっていないだけで……と思っていたら。
えー、前半、歌でびびりました……(笑)。
歌ウマさんなの。それは間違ってないと思うの。
ただ……男役のキーでは、歌えない。
低音が、出ない。
歌があちこちぶちぶちと途絶えるよーに、出ない音がある。
が。
かわりに、出しやすい音になると、これでもかと響かせる。
ギャップすげえ……。
1曲の間に、うまいとうまいヘタ以前の部分が数小節おきに入れ替わる。
すげえなコレは(笑)。
てことで、前半の歌はクチがあんぐり開いたままでした。
低音が出ないのは、台詞声も同じ。
終始少年のような高い音色。
スーツ姿がきれいだから惜しい……。声は重要だよなあ。男に見えるか、オンナノコに見えるか、声の在り方は大きく左右している。
とはいえこれは新人公演なので。
周囲も似たよーなもんだから、次第に気にならなくなる(笑)。
現に、歌も後半は気にならない。ふつーに「芝居」として観ているので。
大人の男には見えなかったけれど、新公だからこそのアツさでアリかなと。
まっすぐな、素直なフレディー。
大人ぶってかっこつけてるところは、「お前がソレを言うのか(笑)」って感じなんだが、ふつーに話してるときはいいな。
子役でも女役でもなく、ちゃんとした男の役でこれだけお芝居しているところをはじめて見た、わけだ。
芝居に向き合っている、感じ。自然に演じるところには到達していないけれど、まず、真面目に向き合ってる印象。手こずってる部分もまた、逃げたり誤魔化したりで目を背けていない……からこそ、手こずっている、手に余っている。
向き合っているならきっとまだこれから、伸びるだろう。芝居が好きそうで、舞台が好きそうだもん。
それが伝わってくるもんなー。
てゆーか、がりんくん云々以前に。
ひどい話だねコレ、と、スズキケイの作品自体に苛立ちが募った(笑)。
新公の演出もスズキケイ。
見た目も技術も「子ども」の下級生たちに植爺的大芝居、スーツ物なのに歌舞伎をやらせてるもんだから、ストーリーの粗がさらによくわかるというか。
本公演はすごいね、本役さんはすごいね。この脚本を、演出を、力業で成立させてるんだもん(笑)。
とりあえず、最後の、男ふたりのラヴシーンはいたたまれなかった。
まとぶさんと壮くんでも大概だけど(笑)、男役度の低いオンナノコたちでやると、目が泳ぐわ……。
『Dancing Heroes!』で男装したオンナノコたちが一生懸命耽美な雰囲気を出そうとして、客席をいたたまらなくさせていた場面を思い出した。園加が登場するまでの、あの「コレを見せられて、あたしたちどうすればいいの?」という感じ……(笑)。
いやその、ジョセフ@まゆくんはよくやってました。
メインキャストの中では貫禄の部類。うまくなったね彼。
とはいえやはり彼も若いので、ガチホモシーンは難易度が高すぎたなと(笑)。いやホモがうまく出来なくても、彼らのイケメン人生になんの問題もないと思う!
そしてこれはまゆくんからいつも感じることだけど、彼の演じる役はとても健康だ。
まともで、ふつう。
ジョセフもなんだか納得のいく、ふつーのヒトに見えた。
トンデモ脚本なのに、なんとなくアリ、こんなヒトいるよね、に思えるからすごい(笑)。
ジョセフにはジョセフなりの事情があって、グレてるんだよー、と。
本役さんだと、そんな次元の話ぢゃなく見えるからねえ……。(アレはソウカズホという、別次元のイキモノだから)
ただ、がりんくんとまゆくんの並びは、魅力を相殺する感じじゃないかな?
どっちも輪郭が丸くて女の子っぽいかわいこちゃんで。学年がいけばそれぞれキャラも立つんだろうけど、今現在は見た目のみの話になるので。
ここに野郎度の高い子が入れば、また違って見えるんだろうな。
初ヒロインのべーちゃんは、去年のスカフェのかわいこちゃん。
素顔のかわいさと、ショーなどでモブに混ざっているときの美少女ぶり!が素敵な93期研4……という認識。ヒロイン決まったときはうれしかった。
スッチーコス最強!@『EXCITER!!』とか、それぐらいしかわかってなくて、実はちゃんと芝居しているのを見たことがない。
こんな声だったんだ……。
と、ナニよりも「舞台声」に驚いた。
スカフェとしてテレビで喋っている声とチガウ。あのときはふつーにきれーな女の子の声だったのに。
舞台で聞くと、その「ふつーの女の子の声」は、あまりきれいに聞こえない……。
なんつーんだ、「芝居声」ぢゃないっていうのか。
割れた響きがあるというか。
脇の女の子ならこの声でもいいけど、ヒロインの声にはちょっと説得力が足りない……と思った。ごめん。
テレビタレントならともかく、舞台女優は「美人声」が必要だよなあ。
もっともべーちゃんの顔は好きだ。
プロローグの髪型だとなお良し。一瞬しか出てこないけど。
が、本編の前髪ぱっつん少女ヘアは難度高かったっぽい……髪型とお化粧は要研究だと思うけれど……あのカエル顔はかわいいなあ。
本公演よりもフレディーとカップルらしく見えたのは、男ふたりがガチホモにはきつい感じだったからか。
や、がんばってフレディーとの間に愛をはじまらせて欲しいです……はじまってないのは仕様です、そーゆー脚本なんだもん仕方ない。
男ふたりが愛し合って、女の子は男たちの言い訳に、そのへんうろうろしているだけという話だから、新公で観るとあちこち途方に暮れた。
が、悪いのはスズキケイだっ(笑)。
最後、緞帳降りたあとに長々銀橋でサヨナラ台詞を喋らせることで、全部長消しにしていた本公演。
そこの部分をさくっと削った新公は、間違った感に充ち満ちた物語でございましたのことよ。
がりんくん、べーちゃん、新公主演おめでとー。
がりんくんっつーと新公『太王四神記』でいきなりヒョンミョン役で「誰?!」だったあの子ですよ。大劇場でいきなりソロ披露した無名の研2! でもってそのあと『宝塚巴里祭2009』ですよ。……え、『巴里祭』が大問題、すげー大きな話題だったのはわたしだけですか? 世の中的には新公でオスカル役をやった、てことの方が大きな話題?
とにかくがりんくんっつーと、「歌ウマ」認識。
かわいこちゃんで、女役とか子役とか回ってくる系の男の子、アイドル系。93期、現在研4。
……まちがってないよね、認識?
かわいこちゃんで女の子っぽいイメージがあったので、すらりとスーツを着こなしフレディーとして登場した姿に、「おおっ」と驚く。
スーツ姿きれいじゃん、かっこいいじゃん。
たしか芝居は出来る子だったよね、単にまだ「男役」になっていないだけで……と思っていたら。
えー、前半、歌でびびりました……(笑)。
歌ウマさんなの。それは間違ってないと思うの。
ただ……男役のキーでは、歌えない。
低音が、出ない。
歌があちこちぶちぶちと途絶えるよーに、出ない音がある。
が。
かわりに、出しやすい音になると、これでもかと響かせる。
ギャップすげえ……。
1曲の間に、うまいとうまいヘタ以前の部分が数小節おきに入れ替わる。
すげえなコレは(笑)。
てことで、前半の歌はクチがあんぐり開いたままでした。
低音が出ないのは、台詞声も同じ。
終始少年のような高い音色。
スーツ姿がきれいだから惜しい……。声は重要だよなあ。男に見えるか、オンナノコに見えるか、声の在り方は大きく左右している。
とはいえこれは新人公演なので。
周囲も似たよーなもんだから、次第に気にならなくなる(笑)。
現に、歌も後半は気にならない。ふつーに「芝居」として観ているので。
大人の男には見えなかったけれど、新公だからこそのアツさでアリかなと。
まっすぐな、素直なフレディー。
大人ぶってかっこつけてるところは、「お前がソレを言うのか(笑)」って感じなんだが、ふつーに話してるときはいいな。
子役でも女役でもなく、ちゃんとした男の役でこれだけお芝居しているところをはじめて見た、わけだ。
芝居に向き合っている、感じ。自然に演じるところには到達していないけれど、まず、真面目に向き合ってる印象。手こずってる部分もまた、逃げたり誤魔化したりで目を背けていない……からこそ、手こずっている、手に余っている。
向き合っているならきっとまだこれから、伸びるだろう。芝居が好きそうで、舞台が好きそうだもん。
それが伝わってくるもんなー。
てゆーか、がりんくん云々以前に。
ひどい話だねコレ、と、スズキケイの作品自体に苛立ちが募った(笑)。
新公の演出もスズキケイ。
見た目も技術も「子ども」の下級生たちに植爺的大芝居、スーツ物なのに歌舞伎をやらせてるもんだから、ストーリーの粗がさらによくわかるというか。
本公演はすごいね、本役さんはすごいね。この脚本を、演出を、力業で成立させてるんだもん(笑)。
とりあえず、最後の、男ふたりのラヴシーンはいたたまれなかった。
まとぶさんと壮くんでも大概だけど(笑)、男役度の低いオンナノコたちでやると、目が泳ぐわ……。
『Dancing Heroes!』で男装したオンナノコたちが一生懸命耽美な雰囲気を出そうとして、客席をいたたまらなくさせていた場面を思い出した。園加が登場するまでの、あの「コレを見せられて、あたしたちどうすればいいの?」という感じ……(笑)。
いやその、ジョセフ@まゆくんはよくやってました。
メインキャストの中では貫禄の部類。うまくなったね彼。
とはいえやはり彼も若いので、ガチホモシーンは難易度が高すぎたなと(笑)。いやホモがうまく出来なくても、彼らのイケメン人生になんの問題もないと思う!
そしてこれはまゆくんからいつも感じることだけど、彼の演じる役はとても健康だ。
まともで、ふつう。
ジョセフもなんだか納得のいく、ふつーのヒトに見えた。
トンデモ脚本なのに、なんとなくアリ、こんなヒトいるよね、に思えるからすごい(笑)。
ジョセフにはジョセフなりの事情があって、グレてるんだよー、と。
本役さんだと、そんな次元の話ぢゃなく見えるからねえ……。(アレはソウカズホという、別次元のイキモノだから)
ただ、がりんくんとまゆくんの並びは、魅力を相殺する感じじゃないかな?
どっちも輪郭が丸くて女の子っぽいかわいこちゃんで。学年がいけばそれぞれキャラも立つんだろうけど、今現在は見た目のみの話になるので。
ここに野郎度の高い子が入れば、また違って見えるんだろうな。
初ヒロインのべーちゃんは、去年のスカフェのかわいこちゃん。
素顔のかわいさと、ショーなどでモブに混ざっているときの美少女ぶり!が素敵な93期研4……という認識。ヒロイン決まったときはうれしかった。
スッチーコス最強!@『EXCITER!!』とか、それぐらいしかわかってなくて、実はちゃんと芝居しているのを見たことがない。
こんな声だったんだ……。
と、ナニよりも「舞台声」に驚いた。
スカフェとしてテレビで喋っている声とチガウ。あのときはふつーにきれーな女の子の声だったのに。
舞台で聞くと、その「ふつーの女の子の声」は、あまりきれいに聞こえない……。
なんつーんだ、「芝居声」ぢゃないっていうのか。
割れた響きがあるというか。
脇の女の子ならこの声でもいいけど、ヒロインの声にはちょっと説得力が足りない……と思った。ごめん。
テレビタレントならともかく、舞台女優は「美人声」が必要だよなあ。
もっともべーちゃんの顔は好きだ。
プロローグの髪型だとなお良し。一瞬しか出てこないけど。
が、本編の前髪ぱっつん少女ヘアは難度高かったっぽい……髪型とお化粧は要研究だと思うけれど……あのカエル顔はかわいいなあ。
本公演よりもフレディーとカップルらしく見えたのは、男ふたりがガチホモにはきつい感じだったからか。
や、がんばってフレディーとの間に愛をはじまらせて欲しいです……はじまってないのは仕様です、そーゆー脚本なんだもん仕方ない。
男ふたりが愛し合って、女の子は男たちの言い訳に、そのへんうろうろしているだけという話だから、新公で観るとあちこち途方に暮れた。
が、悪いのはスズキケイだっ(笑)。
最後、緞帳降りたあとに長々銀橋でサヨナラ台詞を喋らせることで、全部長消しにしていた本公演。
そこの部分をさくっと削った新公は、間違った感に充ち満ちた物語でございましたのことよ。
かっけー!とか、好きな顔とか。@新人公演『愛のプレリュード』
2011年2月23日 タカラヅカ 書いていたテキストをうっかり消してしまったので、2度目は短くがんばる!
新人公演『愛のプレリュード』は、年度替わりの新公であるため、研7ナシの研1~研6までしか出ていない。
だからどうしても技術的には微妙になる。
そんななか、いまっちの安定感パネェよマジで。
研7抜けてんだよね? てゆーかいまっちそもそも今回の長の期ですらナイ。まだ研5じゃん。
配役が発表になったときは、ほんと喜んだんだ。いまっちが、みわっちの役(別に韻踏んでません)。
3番手の役ならきっと、二枚目役だ!
イマダさんって今まで、まっとーなハンサム役やったことないよね? 前回は三枚目だし、その前はじーさんだし、その前はおっさんだし。二枚目系って、この間のバウ『コード・ヒーロー』では悪役やってたけど、それくらい?
はじめて大劇場で二枚目青年を見られるんだー、わくわく。
……まさか、あんな役だとは。
いてもいなくてもイイ、ただの解説の合いの手役。歌もないし見せ場もない。意義があるのは唯一、「退団するトップスターの親友役で、最後に見送る台詞がある」というだけ。
退団関係ナイ新公だと、ほんっとどーしよーもない役。(スズキケイさん、放課後校舎裏へ来てください、お話ししたいことがあります)
こんな役で。
いまっち、かっけー!!
こんな役だからこそ、実力の有無ってのは際立つもんなんだね。
オイシイ役は勢いでもできるし、技術なくてもなんとかなるもんだけど、どーあがいてもオイシクない、いなくても支障ない役を息づかせるのって、実力の見せどころなんだね!
いやはや、オトコマエでした、スティーブ@いまっち。
どうしても幼くなってしまう下級生主役フレディー@がりんを良く支えていた。「親友」のスティーブが大人だから、それに印象を底上げされて、フレディーの年齢印象も上がって見えるの。
いまっちさんひとり、新公学年に見えませんでしたわ……。
ただ、スティーブがひとりだけ賢く見えすぎるきらいはある。
ひとりだけ明らかに大人だから、仕方ないんだけど。
仕方ないとわかっちゃいるが、なんか、たくらんでる人に見える(笑)。
二枚目→アタマ良い→たくらんでる、とそっち方向に芸風が開花するっぽいイマダさんに萌え(笑)。
たくらんでる、大人、かっこいいといえば。
輝良まさと、かっけー!!
ナチス将校@輝良まさとが、すげーイイ感じに花開いてます。輝良まさとは輝良まさと、フルネーム呼び捨ては仕様です。バウ公演『舞姫』以来、切っても切っても輝良まさと!
オープニングの全員集合時から、その立ち役っぷりが際立ってました。
ナニあの人、かっこいい。
ゆみこ似の顔立ちで、こんなにワルくかっこいい大人の男になるとわっ。なんか目が離せませんよ。
あのガタイがいいよなあ。ナチスコス似合う~、鬼畜キャラ似合う~。
もともとビジュアルで目を引く人ではありましたが、実力が見た目に追いついてなかったため、いろいろ惜しい人だったんですが、『虞美人』あたりから「男役」になってきたなあと、うれしい限りです。
輝良まさとが甘いハンサム坊やのまゆくんをいたぶるなんて、絵的にも素敵ぢゃございませんことっ?(役名で言いましょう)
ジョセフファンクラブ黒服4号@タソが、なんかかっこよかった。
みちるタソ、痩せた?(本人比)
みちるタソは、二枚目を演じなきゃダメ。コメディな役は容赦なくキタナイ表情とかしちゃうから、「タカラヅカ」じゃなくなってしまう。
某ほっくん呼びだった頃のアノヒトと同じ、演技で二枚目になれる人。
二枚目を演じていると、ちゃんとかっこいいんだもん。しかも、うまいんだもん。
色悪目指してくれー。頼むー。
ジョセフファンクラブ黒服1号、栄光の親衛隊長マウロ@マキシム。
ごめん、正直いちばん驚いた。
思ってたほど、ヘタじゃない!と(笑)。
なんて失礼な言いぐさかしら。ごめんねぇ。
でも今までの真輝くんがいろいろとアレだったもので、きっとアレなままだわ、と勝手に思ってました。新公だと別に浮かないくらいには、ちゃんとうまかったんだね。
や、顔立ちは好みのラインなので、ナニ気に注目している子なんですよ。だからいつまでも少年のままなのが惜しくて。
マウロ役もやっぱり若かったけれど、他のみんなも若いから問題なし。ジョセフ@まゆくんラヴな感じはよかったっす。……女房@みりおんには、カケラも愛されてないっぽいけどな……(笑)。
大人チームの、ドイル@すいくんがかっこよかったっす。本役まりんとは違った、悪者度。ちゃんとした悪ではないけれど、まりんのような愛嬌がない分、ストレートにフレディーが「バカ野郎」って殴れる感じ。すいくんの顔好きだわ……。
んで、キース刑事@鳳龍くんも、なんかキリッと二枚目風で、タソと同じ理由でこっちの芸風でいてくれた方がいいと思いました。顔立ちはきれいなんだから、このまま痩せてくれれば……て男の子だったよなあ。
ジョセフ親衛隊(名前変わってますよ)黒服2号と3号@柚カレーくん、水美くんもきれーな青年たちで目の保養。柚カレーくんが美形なのは周知のことだが、ナニ気に水美くんの顔も好きだー。
抜擢?になるのか、執事@りおなくん。『麗しのサブリナ』のクッキングスクールの隅っこで女の子口説いていた美貌の彼(笑)、いきなりセンターで歌い踊るのか!
とにかくビジュアルと笑顔で乗り切ったかな(笑)。
女の子で抜群だったのは、なんといっても、メイド長@あまちゃき!!
もー、かわいいわコミカルだわ、たまりません。
最後の新公だし、本公演の出番っちゅーか扱いがあんなだし、新公ではいっそ妙齢の美女メイドとして登場!てのもアリかと勝手に思っていたんだが、本気でおばーちゃまのままでした。
執事くんが若いので、おばーちゃまと孫って感じでかわいかった。
ああもお、ほんとに達者な子だー。かわいーかわいー、退団が惜しいよー!
他の女の子たちは、しどころなさすぎだからなあ。
メアリー先生@花奈さんは良かったけど、お色気大作戦女たち@みりおんや仙名さんたちは、あまりキャラが立ってなかったよーな。
仙名さんはラストの黒服悪者コロスの、オットコマエな姿の方が良かったよーな。あ、それとカゲソロ!
姫花に至っては子役なんだ……。なにをやっているかわかってなくて、まさか子役だとは夢にも思ってなかったのに、声を聞くなり「あっ、今の姫花だっ」とわかる、その個性はすごい。
まあとにかく、新公にいまっちがいてくれて良かった。
そして、スズキケイせんせには、放課後の呼び出ししたくてうずうずしました(笑)。
新人公演『愛のプレリュード』は、年度替わりの新公であるため、研7ナシの研1~研6までしか出ていない。
だからどうしても技術的には微妙になる。
そんななか、いまっちの安定感パネェよマジで。
研7抜けてんだよね? てゆーかいまっちそもそも今回の長の期ですらナイ。まだ研5じゃん。
配役が発表になったときは、ほんと喜んだんだ。いまっちが、みわっちの役(別に韻踏んでません)。
3番手の役ならきっと、二枚目役だ!
イマダさんって今まで、まっとーなハンサム役やったことないよね? 前回は三枚目だし、その前はじーさんだし、その前はおっさんだし。二枚目系って、この間のバウ『コード・ヒーロー』では悪役やってたけど、それくらい?
はじめて大劇場で二枚目青年を見られるんだー、わくわく。
……まさか、あんな役だとは。
いてもいなくてもイイ、ただの解説の合いの手役。歌もないし見せ場もない。意義があるのは唯一、「退団するトップスターの親友役で、最後に見送る台詞がある」というだけ。
退団関係ナイ新公だと、ほんっとどーしよーもない役。(スズキケイさん、放課後校舎裏へ来てください、お話ししたいことがあります)
こんな役で。
いまっち、かっけー!!
こんな役だからこそ、実力の有無ってのは際立つもんなんだね。
オイシイ役は勢いでもできるし、技術なくてもなんとかなるもんだけど、どーあがいてもオイシクない、いなくても支障ない役を息づかせるのって、実力の見せどころなんだね!
いやはや、オトコマエでした、スティーブ@いまっち。
どうしても幼くなってしまう下級生主役フレディー@がりんを良く支えていた。「親友」のスティーブが大人だから、それに印象を底上げされて、フレディーの年齢印象も上がって見えるの。
いまっちさんひとり、新公学年に見えませんでしたわ……。
ただ、スティーブがひとりだけ賢く見えすぎるきらいはある。
ひとりだけ明らかに大人だから、仕方ないんだけど。
仕方ないとわかっちゃいるが、なんか、たくらんでる人に見える(笑)。
二枚目→アタマ良い→たくらんでる、とそっち方向に芸風が開花するっぽいイマダさんに萌え(笑)。
たくらんでる、大人、かっこいいといえば。
輝良まさと、かっけー!!
ナチス将校@輝良まさとが、すげーイイ感じに花開いてます。輝良まさとは輝良まさと、フルネーム呼び捨ては仕様です。バウ公演『舞姫』以来、切っても切っても輝良まさと!
オープニングの全員集合時から、その立ち役っぷりが際立ってました。
ナニあの人、かっこいい。
ゆみこ似の顔立ちで、こんなにワルくかっこいい大人の男になるとわっ。なんか目が離せませんよ。
あのガタイがいいよなあ。ナチスコス似合う~、鬼畜キャラ似合う~。
もともとビジュアルで目を引く人ではありましたが、実力が見た目に追いついてなかったため、いろいろ惜しい人だったんですが、『虞美人』あたりから「男役」になってきたなあと、うれしい限りです。
輝良まさとが甘いハンサム坊やのまゆくんをいたぶるなんて、絵的にも素敵ぢゃございませんことっ?(役名で言いましょう)
ジョセフファンクラブ黒服4号@タソが、なんかかっこよかった。
みちるタソ、痩せた?(本人比)
みちるタソは、二枚目を演じなきゃダメ。コメディな役は容赦なくキタナイ表情とかしちゃうから、「タカラヅカ」じゃなくなってしまう。
某ほっくん呼びだった頃のアノヒトと同じ、演技で二枚目になれる人。
二枚目を演じていると、ちゃんとかっこいいんだもん。しかも、うまいんだもん。
色悪目指してくれー。頼むー。
ジョセフファンクラブ黒服1号、栄光の親衛隊長マウロ@マキシム。
ごめん、正直いちばん驚いた。
思ってたほど、ヘタじゃない!と(笑)。
なんて失礼な言いぐさかしら。ごめんねぇ。
でも今までの真輝くんがいろいろとアレだったもので、きっとアレなままだわ、と勝手に思ってました。新公だと別に浮かないくらいには、ちゃんとうまかったんだね。
や、顔立ちは好みのラインなので、ナニ気に注目している子なんですよ。だからいつまでも少年のままなのが惜しくて。
マウロ役もやっぱり若かったけれど、他のみんなも若いから問題なし。ジョセフ@まゆくんラヴな感じはよかったっす。……女房@みりおんには、カケラも愛されてないっぽいけどな……(笑)。
大人チームの、ドイル@すいくんがかっこよかったっす。本役まりんとは違った、悪者度。ちゃんとした悪ではないけれど、まりんのような愛嬌がない分、ストレートにフレディーが「バカ野郎」って殴れる感じ。すいくんの顔好きだわ……。
んで、キース刑事@鳳龍くんも、なんかキリッと二枚目風で、タソと同じ理由でこっちの芸風でいてくれた方がいいと思いました。顔立ちはきれいなんだから、このまま痩せてくれれば……て男の子だったよなあ。
ジョセフ親衛隊(名前変わってますよ)黒服2号と3号@柚カレーくん、水美くんもきれーな青年たちで目の保養。柚カレーくんが美形なのは周知のことだが、ナニ気に水美くんの顔も好きだー。
抜擢?になるのか、執事@りおなくん。『麗しのサブリナ』のクッキングスクールの隅っこで女の子口説いていた美貌の彼(笑)、いきなりセンターで歌い踊るのか!
とにかくビジュアルと笑顔で乗り切ったかな(笑)。
女の子で抜群だったのは、なんといっても、メイド長@あまちゃき!!
もー、かわいいわコミカルだわ、たまりません。
最後の新公だし、本公演の出番っちゅーか扱いがあんなだし、新公ではいっそ妙齢の美女メイドとして登場!てのもアリかと勝手に思っていたんだが、本気でおばーちゃまのままでした。
執事くんが若いので、おばーちゃまと孫って感じでかわいかった。
ああもお、ほんとに達者な子だー。かわいーかわいー、退団が惜しいよー!
他の女の子たちは、しどころなさすぎだからなあ。
メアリー先生@花奈さんは良かったけど、お色気大作戦女たち@みりおんや仙名さんたちは、あまりキャラが立ってなかったよーな。
仙名さんはラストの黒服悪者コロスの、オットコマエな姿の方が良かったよーな。あ、それとカゲソロ!
姫花に至っては子役なんだ……。なにをやっているかわかってなくて、まさか子役だとは夢にも思ってなかったのに、声を聞くなり「あっ、今の姫花だっ」とわかる、その個性はすごい。
まあとにかく、新公にいまっちがいてくれて良かった。
そして、スズキケイせんせには、放課後の呼び出ししたくてうずうずしました(笑)。
役替わりとか休演とか、データ消失とか修理とか。
2011年2月24日 タカラヅカ 丸3時間かけてプレイ、ようようクリアしたマップをセーブしようとした瞬間、本体の電源が突然オチました。
わたしのPSPは購入当初からこの症状が出る。充電は足りているのに、電源スイッチだって一切触ってないのに、突然すべて切れる。
PSPによくある故障のようですね。サイトのQ&Aに載っているくらいだから。
修理に出すとその間はプレイできないし、いつも必ずそうなるわけじゃないし、とだましだまし使ってきました。『モンハン』の通信プレイ中にオチると悲惨だけど(オチたさ、何度も)、この『モンハン』祭り中に本体を失うのはつらすぎるし、と修理に出すのは後回しにしていた。
しかしっ。
さすがに今回はキレたっ。3時間だよ? しかも増援マップで依怙贔屓まっつにカード拾わせまくり、みわっちにドラゴン口説かせまくり、えりたんにタコ生け捕りさせて! これでもかと偏った努力をしたのに!! はい、今はまた『タクティクスオウガ』です、うちのまっつは最強魔法使いですがナニか? 彼を強くするために、どんだけいらぬ努力をしていることか……!!
ブラックアウトしたPSP投げ出して、ソニー様サイトへ直行、迷わず修理依頼を出した。カルテのダウンロードだの梱包の注意だのナニこれめんどくさい……。
それでも気を取り直して、花組新公感想なんぞをつらつら書く。
輝良まさとかっけー!!と大文字にしたあたりで『ファントム』役替わりの報を知り、公式チェックしに行こうとしてついうっかりと……全文、消去してしまった……。
いやその、輝良まさとの前には、いまっちかっけー!てなことを2000字ほど書いていてだね……!!
うわあああ。
ゲームデータ消失とブログテキスト消失。さすがに両方だとヘコむ。
なんであたしこんなにツイてないのな気分になる。
ゲームは事故、ブログは過失。悪いのはわたしよ、だからといってヘコむのはヘコむ。うわあああん。
意気消沈しながら確認した役替わりは。
……微妙。
ショレ役は二枚目風になるのかしら。それならソレでも良いけど、ヘタにショレとカルロッタ夫妻が目立つと、作品バランス悪くなるしなあ。もともといびつな話なんだし。
セルジョはどーでもいい役(あっ、言っちゃった)なんだけどまあ、群舞センターがあるからまだマシか。初演と再演でセルジョとリシャールは役割を変えられたり比重をいじられたりもしているので、再々演でもう少し比重を上げることも可能か?
まぁくんの役替わりがいちばんつまんないんですが。フィリップとセルジョって、出番が違うだけでキラキラ若い二枚目という属性は同じですよ。どーせ役替わりするならカラーの違うモノやってくんないと。ショレを演じるまぁくん見たかったわ。
でも役替わりにみつるが入っていることはうれしい。もっと完璧に外野に置かれるかと危惧していたので。
えりたんはキャリエールよりもエリックキャラで、キャリエール役が見たいわけではないが、そもそも『ファントム』という作品自体わたしは観たいわけでもないので、えりたんがどうこうではなく誰だって見たくないけど、キャラ違いであるからこそそこに見どころを見つけることはできると思う。
壮くんならきっと、面白いキャリエールになるよね。
ところでゆみこキャリのときに削られた銀橋はそのままなのかしら。
と、あまり盛り上がらない気分でいたところに。
なんてこったい。
いたましい話だ。
本来なら研1の夢華さんは上級生のお手伝いをしながら舞台とはどういうものかを学んでいる時期。何年かかけて少しずつ舞台に立つ時間や役の比重が上がり、体力配分や調整を学んでいくものなのに。
学校の成績が良かったからといって、現場経験のない子にいきなりジェット機の操縦桿握らせて何百人のお客を乗せて離陸させたり、免許取りましたってだけの子にメスを握らせていきなり手術させたり、ふつーはしないもんなのに。
それをやらせた結果が、本人の休演って。
舞台人にとって、いちばんつらいことでしょうに。ハタチそこそこの女の子に、ナニやってんだ劇団。
夢華さんもだが、雪組のみんなも大変だろう。
大阪の片隅でエールを送る。がんばってくれぇ。
気分が沈むときはゲームするんだけどなあ。PSPがアレだからな……ああもお。
まっつに会いたいなあ。なんかしみじみと、まっつに会いたい。
わたしのPSPは購入当初からこの症状が出る。充電は足りているのに、電源スイッチだって一切触ってないのに、突然すべて切れる。
PSPによくある故障のようですね。サイトのQ&Aに載っているくらいだから。
修理に出すとその間はプレイできないし、いつも必ずそうなるわけじゃないし、とだましだまし使ってきました。『モンハン』の通信プレイ中にオチると悲惨だけど(オチたさ、何度も)、この『モンハン』祭り中に本体を失うのはつらすぎるし、と修理に出すのは後回しにしていた。
しかしっ。
さすがに今回はキレたっ。3時間だよ? しかも増援マップで依怙贔屓まっつにカード拾わせまくり、みわっちにドラゴン口説かせまくり、えりたんにタコ生け捕りさせて! これでもかと偏った努力をしたのに!! はい、今はまた『タクティクスオウガ』です、うちのまっつは最強魔法使いですがナニか? 彼を強くするために、どんだけいらぬ努力をしていることか……!!
ブラックアウトしたPSP投げ出して、ソニー様サイトへ直行、迷わず修理依頼を出した。カルテのダウンロードだの梱包の注意だのナニこれめんどくさい……。
それでも気を取り直して、花組新公感想なんぞをつらつら書く。
輝良まさとかっけー!!と大文字にしたあたりで『ファントム』役替わりの報を知り、公式チェックしに行こうとしてついうっかりと……全文、消去してしまった……。
いやその、輝良まさとの前には、いまっちかっけー!てなことを2000字ほど書いていてだね……!!
うわあああ。
ゲームデータ消失とブログテキスト消失。さすがに両方だとヘコむ。
なんであたしこんなにツイてないのな気分になる。
ゲームは事故、ブログは過失。悪いのはわたしよ、だからといってヘコむのはヘコむ。うわあああん。
意気消沈しながら確認した役替わりは。
【主な配役】
ファントム ・・・ 蘭寿 とむ
クリスティーヌ・ダーエ ・・・ 蘭乃 はな
ジェラルド・キャリエール ・・・ 壮 一帆
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵 ・・・ 愛音 羽麗、朝夏 まなと(役替わり)
アラン・ショレ ・・・ 愛音 羽麗、華形 ひかる(役替わり)
セルジョ ・・・ 華形 ひかる、朝夏 まなと(役替わり)
……微妙。
ショレ役は二枚目風になるのかしら。それならソレでも良いけど、ヘタにショレとカルロッタ夫妻が目立つと、作品バランス悪くなるしなあ。もともといびつな話なんだし。
セルジョはどーでもいい役(あっ、言っちゃった)なんだけどまあ、群舞センターがあるからまだマシか。初演と再演でセルジョとリシャールは役割を変えられたり比重をいじられたりもしているので、再々演でもう少し比重を上げることも可能か?
まぁくんの役替わりがいちばんつまんないんですが。フィリップとセルジョって、出番が違うだけでキラキラ若い二枚目という属性は同じですよ。どーせ役替わりするならカラーの違うモノやってくんないと。ショレを演じるまぁくん見たかったわ。
でも役替わりにみつるが入っていることはうれしい。もっと完璧に外野に置かれるかと危惧していたので。
えりたんはキャリエールよりもエリックキャラで、キャリエール役が見たいわけではないが、そもそも『ファントム』という作品自体わたしは観たいわけでもないので、えりたんがどうこうではなく誰だって見たくないけど、キャラ違いであるからこそそこに見どころを見つけることはできると思う。
壮くんならきっと、面白いキャリエールになるよね。
ところでゆみこキャリのときに削られた銀橋はそのままなのかしら。
と、あまり盛り上がらない気分でいたところに。
2011/02/24
雪組 東京宝塚劇場公演 休演者のお知らせ
雪組 東京宝塚劇場公演『ロミオとジュリエット』の休演者をお知らせいたします。
雪組 夢華あみ
※体調不良の為、2月24日(木)13時30分公演より休演いたします。
※休演期間中は、「ジュリエット:夢華あみ」の公演日時につきましても、「ジュリエット:舞羽美海」で上演をいたします。
※なお、復帰時期については、現時点未定です。
なんてこったい。
いたましい話だ。
本来なら研1の夢華さんは上級生のお手伝いをしながら舞台とはどういうものかを学んでいる時期。何年かかけて少しずつ舞台に立つ時間や役の比重が上がり、体力配分や調整を学んでいくものなのに。
学校の成績が良かったからといって、現場経験のない子にいきなりジェット機の操縦桿握らせて何百人のお客を乗せて離陸させたり、免許取りましたってだけの子にメスを握らせていきなり手術させたり、ふつーはしないもんなのに。
それをやらせた結果が、本人の休演って。
舞台人にとって、いちばんつらいことでしょうに。ハタチそこそこの女の子に、ナニやってんだ劇団。
夢華さんもだが、雪組のみんなも大変だろう。
大阪の片隅でエールを送る。がんばってくれぇ。
気分が沈むときはゲームするんだけどなあ。PSPがアレだからな……ああもお。
まっつに会いたいなあ。なんかしみじみと、まっつに会いたい。
粗忽者と呼ばれた男・その8。@ロミオとジュリエット
2011年2月25日 タカラヅカ 『ロミオとジュリエット』、こあらった目線の見どころベンヴォーリオ@まっつ、続き。
ヴェローナ殺人事件の公判中。
被害者マーキューシオ@ちぎ。その加害者ティボルト@ヲヅキはロミオ@キムによって報復殺害。
街の最高権力者大公閣下@しゅうくんを裁判長に、有力市民たちが見守る中、被疑者ロミオの罪を問う場面にて。
公演の最初の方は、このあたりのベン様は照明の外になってしまって、モブにまぎれていた。
や、端に行きすぎなのが悪いのかもしんないけど。主要人物なのに、顔が見えにくくなる、そこにいることがわかりにくくなるのはどうかと思った、演出。
んで、突然ソロを歌い出すあたりでよーやくライトもらって、その唐突感を変だと思ってたんだけど、途中からどんだけ舞台の端に行っても彼がちゃんと見えるようになっていたから、ライトもらえるようになったんだと思う。……なんで最初からライトもらえなかったんだ、「ベンヴォーリオ」役なのに。
端に行きすぎてたのがいかんかったんかなあ。
なにはともあれ、彼は突然歌い出す。
「僕たちのせいじゃない」と。
大人の前では「僕」のベン様萌え。
仲間同士のときは「俺」なのに。
大人相手だと、「僕」。
ごく自然に使い分けているところが素敵。
上手端から一気に下手端まで行って、ティボルトの亡骸のそばまで行く。
モンタギュー側で、ただひとり。
ティボルトのもとへ行く。
哀切に満ちた眼差しをする。
ずっとずっと、ライバルだった。
ケンカ相手だった。
ただの同族とかより、敵である彼は、近しい相手だった。
「青春」を共有してきた相手なんだ。
キャピュレット卿@ヒロさんとモンタギュー卿@ナガさんがそうであるように、壮年になるまでケンカしいしいつきあうと思っていた相手なんだ。
ベンヴォーリオがすがるように手すりを握り、ティボルトを見つめ、哀しく歌いながら天を仰ぐ。
その一連の動作が好き。(階段の手すりを握るまっつの手に萌えその2)
だけどそんな彼の言葉も嘆きも、憎しみの前には意味をなさない。モンタギュー夫人@かおりちゃんに罵られ、周囲の赤チームの人々に憎しみと怒りのはけ口にされ、ベン様はびびって(笑)退場する。
いやここほんと、彼がびくっとなるのがイイから(笑)。かおりちゃんこええ。
おびえてるわけじゃないだろうけど、渾身の訴えをこれまた渾身の怒りで否定されたら、びくっとするわな。
これらの間、ロミオくんは自分の世界。少しはベン様も振り向いてやってくださいよ……キミのために闘ってるんですよ(笑)。
キャピュレット側から退散したベン様は、中央のロミオのもとへ行き……声も掛けられず肩も抱けず、力無くそばで見守る。
それしかできない彼のまともさ。
いっそここでスタンドプレイ、傷ついた親友を抱きしめて慰撫してやるだけの、周囲見えてない勢いがあればいいんだけど。
たぶんベン様はそーゆーことはしない。相手の立場や空気を読んで、自制してしまう。「ひとりにしてくれ」と言われたらひとりにしてしまうように。
またしてもロミオと同化しているらしく、大岡裁き……ぢゃねえ、大公閣下のお裁きの言葉ひとつひとつに反応。
死罪で悲鳴、追放でも悲鳴……声あげるわけじゃないけど。
処罰が決まったあとは、現実ではなくロミオのインナースペースに入る。
だから、ロミオひとりを残してみなさんが「はー、やれやれ」と退場していく……わけじゃない。
1幕にも似た場面があり、仮面舞踏会に行くと決定してみんな一斉に手のひらを返したかのよーにロミオから興味を失って去っていく……のも、現実にそういうことがあったのではなく、あそこでロミオの心情風景に切り替わっているだけのこと。
現実にはベン様は、ロミオをひとりにしていないと思う。
てゆーか、モンタギュー夫妻も。
その後ロレンス神父@にわにわのところに懺悔に行くことになるにしろ、本日限りで永久追放なんだ、家族と別れを惜しんだろう。モンタギュー卿はしばらく遊んで暮らせるだけのお金を渡しただろうし。
「僕は怖い」でマーキューシオとティボルトの亡霊と踊るように、あれは現実ではない場面。
ロミオが闇の中へ引きずり込まれていく場面。
だから。
現実と闇との狭間で、最後にロミオに触れるのが、ベンヴォーリオなんだ。
ロミオは泣きながらベンヴォーリオの名を呼ぶ。
ベンヴォーリオもまた、ロミオに手をさしのべる。
だけどふたりは引き離される。
ベン様はロミオからナイフを渡されるのみで、ひとりで上手へ走り去っていく。
ロミオは、ベンヴォーリオを呼んだのに。
助けてくれと。
ベン様はここでも、友を救えないんだ。
マーさんを止められず、伸ばした手が空を切ったように。
泣いて助けを求めるロミオを残して、手を伸ばし合っているのに救うことが出来ず、別れてしまうんだ。
1幕の「僕は怖い」で、ロミオは歌っている。友だちが消え、世界が闇に閉ざされる恐怖を。
ロミオにとって、彼を現世につなぎ止めておくモノが、友だち……マーキューシオとベンヴォーリオなんだ。
マーキューシオは今もう闇の底でロミオを手招きし、ベンヴォーリオは救ってくれない。
ロミオは、ひとりで堕ちていくしかない。
ベン様は、放してしまった。
手を。
親友の手を。
マーキューシオの手はベン様の手からすべり落ち、ロミオもまた。
嘆きのまま、手を伸ばし見つめながらも、腰がすでに退場する準備って感じのベン様。
ナイフ受け取って去る、という仕事を全うするベン様の中の人!
ええい、ここでロミオを抱きしめて闇から守ってやれ!!と、しみじみ思いますよええ(笑)。
ベン×ロミならここですな。いやその、逆ギレロミ×許容ベンでもいいですが。(ってナニが)
このあとベン様はただ遊んでいたんじゃなく、大公閣下に取りなしを願い出たり、仲間たちのフォローに回ったり、忙しく働いていたと思う。
何度も話題に出して恐縮だが、芝居の最後で大公閣下とベン様が親密そうなので、なにかしら接点があったんだろうなと。
両家の憎しみを、争いを嘆き、和解させたいと願う両者だ、手を取り合っていても不思議はない。
このへんで大公×ベンもアリですな。(だからナニが)
続く。
ヴェローナ殺人事件の公判中。
被害者マーキューシオ@ちぎ。その加害者ティボルト@ヲヅキはロミオ@キムによって報復殺害。
街の最高権力者大公閣下@しゅうくんを裁判長に、有力市民たちが見守る中、被疑者ロミオの罪を問う場面にて。
公演の最初の方は、このあたりのベン様は照明の外になってしまって、モブにまぎれていた。
や、端に行きすぎなのが悪いのかもしんないけど。主要人物なのに、顔が見えにくくなる、そこにいることがわかりにくくなるのはどうかと思った、演出。
んで、突然ソロを歌い出すあたりでよーやくライトもらって、その唐突感を変だと思ってたんだけど、途中からどんだけ舞台の端に行っても彼がちゃんと見えるようになっていたから、ライトもらえるようになったんだと思う。……なんで最初からライトもらえなかったんだ、「ベンヴォーリオ」役なのに。
端に行きすぎてたのがいかんかったんかなあ。
なにはともあれ、彼は突然歌い出す。
「僕たちのせいじゃない」と。
大人の前では「僕」のベン様萌え。
仲間同士のときは「俺」なのに。
大人相手だと、「僕」。
ごく自然に使い分けているところが素敵。
上手端から一気に下手端まで行って、ティボルトの亡骸のそばまで行く。
モンタギュー側で、ただひとり。
ティボルトのもとへ行く。
哀切に満ちた眼差しをする。
ずっとずっと、ライバルだった。
ケンカ相手だった。
ただの同族とかより、敵である彼は、近しい相手だった。
「青春」を共有してきた相手なんだ。
キャピュレット卿@ヒロさんとモンタギュー卿@ナガさんがそうであるように、壮年になるまでケンカしいしいつきあうと思っていた相手なんだ。
ベンヴォーリオがすがるように手すりを握り、ティボルトを見つめ、哀しく歌いながら天を仰ぐ。
その一連の動作が好き。(階段の手すりを握るまっつの手に萌えその2)
だけどそんな彼の言葉も嘆きも、憎しみの前には意味をなさない。モンタギュー夫人@かおりちゃんに罵られ、周囲の赤チームの人々に憎しみと怒りのはけ口にされ、ベン様はびびって(笑)退場する。
いやここほんと、彼がびくっとなるのがイイから(笑)。かおりちゃんこええ。
おびえてるわけじゃないだろうけど、渾身の訴えをこれまた渾身の怒りで否定されたら、びくっとするわな。
これらの間、ロミオくんは自分の世界。少しはベン様も振り向いてやってくださいよ……キミのために闘ってるんですよ(笑)。
キャピュレット側から退散したベン様は、中央のロミオのもとへ行き……声も掛けられず肩も抱けず、力無くそばで見守る。
それしかできない彼のまともさ。
いっそここでスタンドプレイ、傷ついた親友を抱きしめて慰撫してやるだけの、周囲見えてない勢いがあればいいんだけど。
たぶんベン様はそーゆーことはしない。相手の立場や空気を読んで、自制してしまう。「ひとりにしてくれ」と言われたらひとりにしてしまうように。
またしてもロミオと同化しているらしく、大岡裁き……ぢゃねえ、大公閣下のお裁きの言葉ひとつひとつに反応。
死罪で悲鳴、追放でも悲鳴……声あげるわけじゃないけど。
処罰が決まったあとは、現実ではなくロミオのインナースペースに入る。
だから、ロミオひとりを残してみなさんが「はー、やれやれ」と退場していく……わけじゃない。
1幕にも似た場面があり、仮面舞踏会に行くと決定してみんな一斉に手のひらを返したかのよーにロミオから興味を失って去っていく……のも、現実にそういうことがあったのではなく、あそこでロミオの心情風景に切り替わっているだけのこと。
現実にはベン様は、ロミオをひとりにしていないと思う。
てゆーか、モンタギュー夫妻も。
その後ロレンス神父@にわにわのところに懺悔に行くことになるにしろ、本日限りで永久追放なんだ、家族と別れを惜しんだろう。モンタギュー卿はしばらく遊んで暮らせるだけのお金を渡しただろうし。
「僕は怖い」でマーキューシオとティボルトの亡霊と踊るように、あれは現実ではない場面。
ロミオが闇の中へ引きずり込まれていく場面。
だから。
現実と闇との狭間で、最後にロミオに触れるのが、ベンヴォーリオなんだ。
ロミオは泣きながらベンヴォーリオの名を呼ぶ。
ベンヴォーリオもまた、ロミオに手をさしのべる。
だけどふたりは引き離される。
ベン様はロミオからナイフを渡されるのみで、ひとりで上手へ走り去っていく。
ロミオは、ベンヴォーリオを呼んだのに。
助けてくれと。
ベン様はここでも、友を救えないんだ。
マーさんを止められず、伸ばした手が空を切ったように。
泣いて助けを求めるロミオを残して、手を伸ばし合っているのに救うことが出来ず、別れてしまうんだ。
1幕の「僕は怖い」で、ロミオは歌っている。友だちが消え、世界が闇に閉ざされる恐怖を。
ロミオにとって、彼を現世につなぎ止めておくモノが、友だち……マーキューシオとベンヴォーリオなんだ。
マーキューシオは今もう闇の底でロミオを手招きし、ベンヴォーリオは救ってくれない。
ロミオは、ひとりで堕ちていくしかない。
ベン様は、放してしまった。
手を。
親友の手を。
マーキューシオの手はベン様の手からすべり落ち、ロミオもまた。
嘆きのまま、手を伸ばし見つめながらも、腰がすでに退場する準備って感じのベン様。
ナイフ受け取って去る、という仕事を全うするベン様の中の人!
ええい、ここでロミオを抱きしめて闇から守ってやれ!!と、しみじみ思いますよええ(笑)。
ベン×ロミならここですな。いやその、逆ギレロミ×許容ベンでもいいですが。(ってナニが)
このあとベン様はただ遊んでいたんじゃなく、大公閣下に取りなしを願い出たり、仲間たちのフォローに回ったり、忙しく働いていたと思う。
何度も話題に出して恐縮だが、芝居の最後で大公閣下とベン様が親密そうなので、なにかしら接点があったんだろうなと。
両家の憎しみを、争いを嘆き、和解させたいと願う両者だ、手を取り合っていても不思議はない。
このへんで大公×ベンもアリですな。(だからナニが)
続く。
粗忽者と呼ばれた男・その9。@ロミオとジュリエット
2011年2月26日 タカラヅカ 『ロミオとジュリエット』、こあらった目線の見どころベンヴォーリオ@まっつ、いい加減長いよ、続き。
「憎しみ」という呪縛から解き放たれたベン様。
彼はモンタギューとキャピュレットの争いを終わらせたいと思うようになっていた。
そうすることで、追放された親友ロミオ@キムだって、呼び戻せる日が来るかもしれない。
されど人々の闇は治まるばかりか、ボルテージを増すばかりで。
復讐を歌う人々の間、「やめろ」と歌うベン様の無力さ。
ベンヴォーリオだって、ほんとうなら怒っていいんだ。
マーキューシオを殺された、ロミオを追放させられた。
それは全部全部キャピュレットのせい。
そう思って群衆の先頭に立つことは出来た。
だけど彼はもう、憎しみには踊らされない。
本当に憎むべきモノがナニか、わかっている。
まさに、「狂気の沙汰」。
個を失い集団が暴走する、その恐ろしさ。
「狂っている」とファルセットで歌う、その混乱、闇。
後半のベン様はさらに声の通りが良くなっていて、ファルセットが途中で終わるんじゃなく、さらに上に突き抜けて着地していた。
まだ上があるのか、この歌声。
ベン様が客席に背を向けたまま、力無く膝を折るのがいい。
がっくりと、力尽きたように崩れて。
なのに、彼はまた顔を上げる。人々が復讐を歌い出すと、それでも「やめろ」と立ち上がる。
狂気の沙汰に絶望して、崩れ落ちたのに。
なすすべもなく膝を折ったのに。
なのにまた、立ち上がるんだ。
ナニも出来なくても、それでも立つ。
そういう人なんだ。
そのあと歌ではなく、ひとりでくるくる踊るのが好き。
ここの場面ってさあ、まっつのちっささが、際立ってるよね(笑)。
振付の問題かなあ。なんかひときわ「うわ、ちっさっ!!(笑)」と思う。
まっつにあと5センチ身長があればなあ。人生違ったろうになあ。
あと5センチ長身でスタイル良しなまっつさんに、わたしが惚れていたかどうかわかりませんが(笑)。
映像には残らないんだろうな。
この逡巡と苦悩、絶望とそれでも立ち上がるベン様。ジュリエットが現れたら、きっとカメラはジュリエットを映すから。
だからほんと、ベン様を焼き付けなければ。
いやココだけに限らず、他の場面もきっとベン様はろくに映ってはナイんだろーけど(笑)。
にしてもこの場面は、まつださんの「背中の演技」を堪能する場面だわ。
ジュリエット自害の報を聞いたあとのベン様は、しばらく背中だけを見せている。
現実を受け止め、耐える背中。
もう、膝は折らない。……星組版では「どうやって伝えよう」をすずみさんがうずくまって歌っていた記憶があるだけに。ああ、膝は折らないんだ、と。
未涼亜希、渾身の大ナンバー。
演出家に「彼はこのナンバーを歌うために宝塚に入ってきた」とまで言わしめた曲。……てゆーかイケコ、何故にまっつは「彼」なの??(笑) ヲヅキさんが「彼女」なのに。
まっつは声と歌唱力を評価されてきた人だけど、本公演で「歌」で活躍させてもらったことは、実はあまりナイ。
タカラヅカのスター制度ゆえ、番手の付いた路線スターでない限り、歌わせてもらえないからだ。
何小節か歌い継ぎさせてもらうのがせいぜいで、まるまる1曲芝居の歌を役として表現させてもらうことなんて、経験していない。
バウとかの小さなハコでなんとかやらせてもらえるかなってだけで。
大劇場で表現しようなんて、未知の領域。
でもってまっつは、感情表現が小さい。
クールというと聞こえはイイが、平板で乏しい。
だからこの大ナンバーも、正確な歌声ではあっても、どこまで「役」として「ミュージカル」として表現できているのかはアヤしい。
今は抜きん出た歌唱力を評価されているけれど、このまま雪組3番手として活躍するなら、この表現力の乏しさがネックになってくるだろうなと思う。
真ん中寄りではあってもちゃんとした真ん中教育受けてきた人ぢゃないから、経験が圧倒的に少ないから。……てのは、言い訳でしかない。
活躍の場が広がれば、欠点も見えてくるなと。
彼の扱いがそれまでと段違いであったゆえに、扱いの良さを喜び小躍りする反面、欠点が浮き彫りになってうろたえた『TUXEDO JAZZ』を思い出す。
今のまっつが、ベンヴォーリオがベストかどうかはわからない。
ただ。
今、全身を使って歌う、ベンヴォーリオ@まっつが好きだ。
わたしほんと、まっつファンになってからこっち、ご贔屓の芝居で泣いたことってなかったんだなと思う。
わたしは舞台観てしょっちゅー簡単にめそめそしているけれど、それはご贔屓云々関係なしにだ。
まっつの芝居で泣けたことなんて、ほとんどナイ。
だって「キミの海馬は私のモノだ」とか「ルイ・マレ~♪」とかなんだもん。オモシロくて大好きだけど、感動して泣くのとは別次元っていうか。
まっつの芝居で泣けたのって、相沢くん@『舞姫』青年館くらいだわ……。(えっ、バウは?!)
まっつのことは大好きだけど、芝居の好みでいうと彼はチガウんだろうなと思う。
わたしのツボに突き刺さってくるタイプの役者ではナイ。
それでも、まっつはわたしのいちばんで。
他の、どんなに芝居が大好きな人よりも、好きな人で。
ベンヴォーリオのソロ「どうやって伝えよう」も、まっつが歌っているから好きなわけで、声と姿にうっとりするためにあるわけで、カーテン前にたったひとり、他に誰もいない場面でまるまる1曲ってそんな状態がうれしいわけで。
別に、まっつの芝居がどうとかじゃなかった。
もちろん芝居も気にしていたけど、やっぱりわたし的にチガウというか足りてないのでその辺はもうわかっていることだし、気にしてもはじまらないので、「まっつだ、うれしい」しか思ってなかった。
ごめん。
ほんとに、ごめん。
なんかもーすごい久しぶりに、まっつの芝居で泣いた。
『舞姫』以来……。
いつも必ず泣けるってわけじゃないんだけど、とにかくまつださん、芝居が日替わりなの。
こんなの知らない、見たことナイ。
まっつのベンヴォーリオは見るたび微妙に違っていて、それで泣ける日があるの。
ベンヴォーリオの哀切な歌声が、ずしんと胸に迫る。
それまでの積み重ね、マーさん死亡時とかその後の力無い風情とか。それらが全部積み重なって、最後のソロで決壊するの。
だから「どうやって伝えよう」は歌だけど、歌というよりは芝居として語る。歌だから好きなのに、それでもわたしの中では芝居認識。
まっつの歌で、芝居で、泣ける。
続く。
「憎しみ」という呪縛から解き放たれたベン様。
彼はモンタギューとキャピュレットの争いを終わらせたいと思うようになっていた。
そうすることで、追放された親友ロミオ@キムだって、呼び戻せる日が来るかもしれない。
されど人々の闇は治まるばかりか、ボルテージを増すばかりで。
復讐を歌う人々の間、「やめろ」と歌うベン様の無力さ。
ベンヴォーリオだって、ほんとうなら怒っていいんだ。
マーキューシオを殺された、ロミオを追放させられた。
それは全部全部キャピュレットのせい。
そう思って群衆の先頭に立つことは出来た。
だけど彼はもう、憎しみには踊らされない。
本当に憎むべきモノがナニか、わかっている。
まさに、「狂気の沙汰」。
個を失い集団が暴走する、その恐ろしさ。
「狂っている」とファルセットで歌う、その混乱、闇。
後半のベン様はさらに声の通りが良くなっていて、ファルセットが途中で終わるんじゃなく、さらに上に突き抜けて着地していた。
まだ上があるのか、この歌声。
ベン様が客席に背を向けたまま、力無く膝を折るのがいい。
がっくりと、力尽きたように崩れて。
なのに、彼はまた顔を上げる。人々が復讐を歌い出すと、それでも「やめろ」と立ち上がる。
狂気の沙汰に絶望して、崩れ落ちたのに。
なすすべもなく膝を折ったのに。
なのにまた、立ち上がるんだ。
ナニも出来なくても、それでも立つ。
そういう人なんだ。
そのあと歌ではなく、ひとりでくるくる踊るのが好き。
ここの場面ってさあ、まっつのちっささが、際立ってるよね(笑)。
振付の問題かなあ。なんかひときわ「うわ、ちっさっ!!(笑)」と思う。
まっつにあと5センチ身長があればなあ。人生違ったろうになあ。
あと5センチ長身でスタイル良しなまっつさんに、わたしが惚れていたかどうかわかりませんが(笑)。
映像には残らないんだろうな。
この逡巡と苦悩、絶望とそれでも立ち上がるベン様。ジュリエットが現れたら、きっとカメラはジュリエットを映すから。
だからほんと、ベン様を焼き付けなければ。
いやココだけに限らず、他の場面もきっとベン様はろくに映ってはナイんだろーけど(笑)。
にしてもこの場面は、まつださんの「背中の演技」を堪能する場面だわ。
ジュリエット自害の報を聞いたあとのベン様は、しばらく背中だけを見せている。
現実を受け止め、耐える背中。
もう、膝は折らない。……星組版では「どうやって伝えよう」をすずみさんがうずくまって歌っていた記憶があるだけに。ああ、膝は折らないんだ、と。
未涼亜希、渾身の大ナンバー。
演出家に「彼はこのナンバーを歌うために宝塚に入ってきた」とまで言わしめた曲。……てゆーかイケコ、何故にまっつは「彼」なの??(笑) ヲヅキさんが「彼女」なのに。
まっつは声と歌唱力を評価されてきた人だけど、本公演で「歌」で活躍させてもらったことは、実はあまりナイ。
タカラヅカのスター制度ゆえ、番手の付いた路線スターでない限り、歌わせてもらえないからだ。
何小節か歌い継ぎさせてもらうのがせいぜいで、まるまる1曲芝居の歌を役として表現させてもらうことなんて、経験していない。
バウとかの小さなハコでなんとかやらせてもらえるかなってだけで。
大劇場で表現しようなんて、未知の領域。
でもってまっつは、感情表現が小さい。
クールというと聞こえはイイが、平板で乏しい。
だからこの大ナンバーも、正確な歌声ではあっても、どこまで「役」として「ミュージカル」として表現できているのかはアヤしい。
今は抜きん出た歌唱力を評価されているけれど、このまま雪組3番手として活躍するなら、この表現力の乏しさがネックになってくるだろうなと思う。
真ん中寄りではあってもちゃんとした真ん中教育受けてきた人ぢゃないから、経験が圧倒的に少ないから。……てのは、言い訳でしかない。
活躍の場が広がれば、欠点も見えてくるなと。
彼の扱いがそれまでと段違いであったゆえに、扱いの良さを喜び小躍りする反面、欠点が浮き彫りになってうろたえた『TUXEDO JAZZ』を思い出す。
今のまっつが、ベンヴォーリオがベストかどうかはわからない。
ただ。
今、全身を使って歌う、ベンヴォーリオ@まっつが好きだ。
わたしほんと、まっつファンになってからこっち、ご贔屓の芝居で泣いたことってなかったんだなと思う。
わたしは舞台観てしょっちゅー簡単にめそめそしているけれど、それはご贔屓云々関係なしにだ。
まっつの芝居で泣けたことなんて、ほとんどナイ。
だって「キミの海馬は私のモノだ」とか「ルイ・マレ~♪」とかなんだもん。オモシロくて大好きだけど、感動して泣くのとは別次元っていうか。
まっつの芝居で泣けたのって、相沢くん@『舞姫』青年館くらいだわ……。(えっ、バウは?!)
まっつのことは大好きだけど、芝居の好みでいうと彼はチガウんだろうなと思う。
わたしのツボに突き刺さってくるタイプの役者ではナイ。
それでも、まっつはわたしのいちばんで。
他の、どんなに芝居が大好きな人よりも、好きな人で。
ベンヴォーリオのソロ「どうやって伝えよう」も、まっつが歌っているから好きなわけで、声と姿にうっとりするためにあるわけで、カーテン前にたったひとり、他に誰もいない場面でまるまる1曲ってそんな状態がうれしいわけで。
別に、まっつの芝居がどうとかじゃなかった。
もちろん芝居も気にしていたけど、やっぱりわたし的にチガウというか足りてないのでその辺はもうわかっていることだし、気にしてもはじまらないので、「まっつだ、うれしい」しか思ってなかった。
ごめん。
ほんとに、ごめん。
なんかもーすごい久しぶりに、まっつの芝居で泣いた。
『舞姫』以来……。
いつも必ず泣けるってわけじゃないんだけど、とにかくまつださん、芝居が日替わりなの。
こんなの知らない、見たことナイ。
まっつのベンヴォーリオは見るたび微妙に違っていて、それで泣ける日があるの。
ベンヴォーリオの哀切な歌声が、ずしんと胸に迫る。
それまでの積み重ね、マーさん死亡時とかその後の力無い風情とか。それらが全部積み重なって、最後のソロで決壊するの。
だから「どうやって伝えよう」は歌だけど、歌というよりは芝居として語る。歌だから好きなのに、それでもわたしの中では芝居認識。
まっつの歌で、芝居で、泣ける。
続く。
粗忽者と呼ばれた男・その10。@ロミオとジュリエット
2011年2月27日 タカラヅカ 『ロミオとジュリエット』、まだ続いている、こあらった目線の見どころベンヴォーリオ@まっつ。
「どうやって伝えよう」は好きな歌。
ご贔屓が歌っているから以前、初演を観たときから大好きだった。でもまっつが歌ってなお好きになった。
「昨日までの俺たち」というフレーズが好き過ぎて。
わたしは「有限の楽園」に弱い。いずれ失われることがわかっている、壊れることがわかっている、美しいモノ。「昨日までの俺たちは世界治める王だった」と切なく美しいメロディラインで、有限の楽園が歌われる。過去形で。失われ、もう手に入らないモノとして。
無垢な少年だった。
汚れることなんて知らなかった。
失うモノがあるなんて知らなかった。
「今日の俺たちは誰も生き返らせることは出来ない」「誰ひとり」「ジュリエットさえ」「マーキューシオさえ」
ジュリエットは話の流れからわかるけど。
そのあとに出てくる「マーキューシオ」。
ベンヴォーリオはいったい何回、マーキューシオの名を呼んだのだろうか。
あれほど、カストルとポルックスのよーにいつも一緒にいて。触れあって、じゃれあって。
いつもいつも2個イチで行動してきた幼なじみの親友。
彼の命が失われ、ひとりになってしまったあと。
ベン様は、何度その名を呼んだんだろう。
隣にいるのが当たり前だから、自然に「なあ、マーキューシオ」と呼びかけて、そこに誰もいないことを知る。
もう永久に。
呼びかけて、失ったことを再確認し。
何度も、何度も。
習慣なんてすぐには改まらない。
伸ばした手が空を切る、呼びかけた声が宙に浮く。
そうやって、喪失を繰り返す。
だから。
だからあそこで、「マーキューシオさえ」と歌う。その名が出る。
あのとき伸ばした腕が、彼に届いていたら。
そうしたら、彼は死なずに済んだのに。
悔恨が燻り、「マーキューシオ」の名はいつもベンヴォーリオのなかにある。
だからあそこで、「マーキューシオさえ」と歌う。その名が出る。
いったい何回彼を恋い、彼の名を呼び、そして……そして、自分を責めたんだろう。
「どうやって伝えよう」には、過去と現在が歌われ、未来へ踏み出す決意で終わる。
現在苦しみ続けているベンヴォーリオだからこそ、ロミオ@キムに伝えるのは自分の役目だと覚悟した。
マーキューシオを救えなかったことを悔いている彼は、ジュリエットを救えなかったことも悔いている。どちらもベン様に罪はないけれど、それでも彼は悔いている。自分の力が足りなかったせいだと。
ところでロレンス神父@にわさんと、ベンヴォーリオは仲が良くなかったらしい。
神父はベンヴォーリオを「粗忽者」と言い、マーキューシオ@ちぎを「女ったらし」と言っていた。
現実にはまったく合っていない評価。
つまり神父はベンヴォーリオのこともマーキューシオのことも、よく知らなかった。
ロミオは子どもの頃からなついてなにかとそばにいたんだろうけど、不良少年のベンマーコンビは神父には寄りつかなかった。まあ当然だろう、顔を見ればお説教されたろうし。
それで神父は見当違いのイメージをふたりに持ったまま、それを変だと気付くこともないくらい、遠い存在。
大公閣下@しゅうくんがロミオの行方を尋ねるときにベンヴォーリオを見たり、ラストシーンでベンヴォーリオをいたわるように目線を合わせたりしていることから、「ロミオの親友はベンヴォーリオ」というのは、中立の立場の人間でも知っていそうなもんだが。
神父はそのことを失念していたらしい。思い出しもしないくらい、神父とベン様に接点がなかったんだろう。
「ジュリエット死んだふり大作戦」をやるなら、神父様はベンヴォーリオにそのことを告げるべきだろう。親友なんだから、恋人が自殺したら知らせに行くぐらい、とーぜんじゃないか。
若くて元気にケンカ上等な不良少年が、使いに出したお坊さんより足が速いのだってとーぜんのことだし!
これらのことから想像すると、ベン様はやっぱ大公派だったんだなと。
大公閣下と神父様、共に中立で両家の争いを嘆いている有識者。神父様から存在を忘れられているベン様は、殺人事件のあと大公閣下のもとにいたんじゃないかな。モンタギュー家で夫人の話し相手になったりしている時間をのぞけば。
両家の争いを収めたいと。なんとか出来ないかと。
ベンヴォーリオ不在の間に、がおりを中心にモンタギューの若者たちはキャピュレットへの報復をと団結している。ベン様出遅れてるもん、どこかモンタギューとは別のところにいたんだよ。
ベン様がもー少し信心深くて、ちゃんと礼拝に行く人ならよかったのにね。
そしたら神父様と接点あったかもしんないのに。マーさんとふたりして、いつも逃げ回ってたんだろうな。
マントヴァに着いたベン様は、すげーあっさりロミオに発見される。
ロミオのうれしそーな笑顔ったら。
真っ先にジュリエットのことを尋ねるロミオは、疑ってもいない。ベンヴォーリオが、自分の味方だと。
ベンヴォーリオが自分のために、自分の恋人の伝言を預かってきたとか様子を伝えるために来たとか。
ねえ、ここまで「味方」なのに、どーして神父はベン様がロミオ側って、味方だって知らなかったのかなあ。
ロミオへの使者は、親友にするべきだろー、どう考えても。
んで、あんだけ長々歌って決意して、やってきたわりにロミオへ伝える場面が「短っ」と拍子抜けするんだが、わたしだけかな。
もう少しちゃんと会話しろよお前らってゆーか、詳しく説明必要なんじゃないの?
ベン様が言った言葉って「君に会いに」「ジュリエットは亡くなったよ。自ら毒を飲んで」だけですよ?
そんだけで納得するロミオってば……。
いやその、ほんとにロミオはベン様に絶大な信頼を置いてるんですね。彼が自分の味方であり、自分を害するはずがない、裏切るはずがないという前提だからこそ、信じられないことを言われても、なんの証拠もないまま全面的に信じてしまう。
ここのロミオの「嘘だ」という台詞が好きだな。
ここでスイッチ入るんだよな、キム。正直すげーこわい(笑)。
そりゃベン様も、視線合わせられなくなりますわ……目の前で親友が壊れるんだもんよ。自分が、壊したんだもんよ。
ただジュリエットの死を伝える、他人事のメッセンジャーではなく、ジュリエットを守れなかったことを悔いている、自分の責任だと思っている……だからこそ、親友を目の前で壊している、狂わせている、自覚ゆえに、目を合わせられない。
これはベンヴォーリオの、懺悔でもあるんだな。
ロミオという、彼の中の神に、罪を告げる。
ベン様にとってのロミオは天使、美しいモノ、無垢なモノ、少年時代、青春時代の象徴。
それを自らの罪で失う……。
続く。
「どうやって伝えよう」は好きな歌。
ご贔屓が歌っているから以前、初演を観たときから大好きだった。でもまっつが歌ってなお好きになった。
「昨日までの俺たち」というフレーズが好き過ぎて。
わたしは「有限の楽園」に弱い。いずれ失われることがわかっている、壊れることがわかっている、美しいモノ。「昨日までの俺たちは世界治める王だった」と切なく美しいメロディラインで、有限の楽園が歌われる。過去形で。失われ、もう手に入らないモノとして。
無垢な少年だった。
汚れることなんて知らなかった。
失うモノがあるなんて知らなかった。
「今日の俺たちは誰も生き返らせることは出来ない」「誰ひとり」「ジュリエットさえ」「マーキューシオさえ」
ジュリエットは話の流れからわかるけど。
そのあとに出てくる「マーキューシオ」。
ベンヴォーリオはいったい何回、マーキューシオの名を呼んだのだろうか。
あれほど、カストルとポルックスのよーにいつも一緒にいて。触れあって、じゃれあって。
いつもいつも2個イチで行動してきた幼なじみの親友。
彼の命が失われ、ひとりになってしまったあと。
ベン様は、何度その名を呼んだんだろう。
隣にいるのが当たり前だから、自然に「なあ、マーキューシオ」と呼びかけて、そこに誰もいないことを知る。
もう永久に。
呼びかけて、失ったことを再確認し。
何度も、何度も。
習慣なんてすぐには改まらない。
伸ばした手が空を切る、呼びかけた声が宙に浮く。
そうやって、喪失を繰り返す。
だから。
だからあそこで、「マーキューシオさえ」と歌う。その名が出る。
あのとき伸ばした腕が、彼に届いていたら。
そうしたら、彼は死なずに済んだのに。
悔恨が燻り、「マーキューシオ」の名はいつもベンヴォーリオのなかにある。
だからあそこで、「マーキューシオさえ」と歌う。その名が出る。
いったい何回彼を恋い、彼の名を呼び、そして……そして、自分を責めたんだろう。
「どうやって伝えよう」には、過去と現在が歌われ、未来へ踏み出す決意で終わる。
現在苦しみ続けているベンヴォーリオだからこそ、ロミオ@キムに伝えるのは自分の役目だと覚悟した。
マーキューシオを救えなかったことを悔いている彼は、ジュリエットを救えなかったことも悔いている。どちらもベン様に罪はないけれど、それでも彼は悔いている。自分の力が足りなかったせいだと。
ところでロレンス神父@にわさんと、ベンヴォーリオは仲が良くなかったらしい。
神父はベンヴォーリオを「粗忽者」と言い、マーキューシオ@ちぎを「女ったらし」と言っていた。
現実にはまったく合っていない評価。
つまり神父はベンヴォーリオのこともマーキューシオのことも、よく知らなかった。
ロミオは子どもの頃からなついてなにかとそばにいたんだろうけど、不良少年のベンマーコンビは神父には寄りつかなかった。まあ当然だろう、顔を見ればお説教されたろうし。
それで神父は見当違いのイメージをふたりに持ったまま、それを変だと気付くこともないくらい、遠い存在。
大公閣下@しゅうくんがロミオの行方を尋ねるときにベンヴォーリオを見たり、ラストシーンでベンヴォーリオをいたわるように目線を合わせたりしていることから、「ロミオの親友はベンヴォーリオ」というのは、中立の立場の人間でも知っていそうなもんだが。
神父はそのことを失念していたらしい。思い出しもしないくらい、神父とベン様に接点がなかったんだろう。
「ジュリエット死んだふり大作戦」をやるなら、神父様はベンヴォーリオにそのことを告げるべきだろう。親友なんだから、恋人が自殺したら知らせに行くぐらい、とーぜんじゃないか。
若くて元気にケンカ上等な不良少年が、使いに出したお坊さんより足が速いのだってとーぜんのことだし!
これらのことから想像すると、ベン様はやっぱ大公派だったんだなと。
大公閣下と神父様、共に中立で両家の争いを嘆いている有識者。神父様から存在を忘れられているベン様は、殺人事件のあと大公閣下のもとにいたんじゃないかな。モンタギュー家で夫人の話し相手になったりしている時間をのぞけば。
両家の争いを収めたいと。なんとか出来ないかと。
ベンヴォーリオ不在の間に、がおりを中心にモンタギューの若者たちはキャピュレットへの報復をと団結している。ベン様出遅れてるもん、どこかモンタギューとは別のところにいたんだよ。
ベン様がもー少し信心深くて、ちゃんと礼拝に行く人ならよかったのにね。
そしたら神父様と接点あったかもしんないのに。マーさんとふたりして、いつも逃げ回ってたんだろうな。
マントヴァに着いたベン様は、すげーあっさりロミオに発見される。
ロミオのうれしそーな笑顔ったら。
真っ先にジュリエットのことを尋ねるロミオは、疑ってもいない。ベンヴォーリオが、自分の味方だと。
ベンヴォーリオが自分のために、自分の恋人の伝言を預かってきたとか様子を伝えるために来たとか。
ねえ、ここまで「味方」なのに、どーして神父はベン様がロミオ側って、味方だって知らなかったのかなあ。
ロミオへの使者は、親友にするべきだろー、どう考えても。
んで、あんだけ長々歌って決意して、やってきたわりにロミオへ伝える場面が「短っ」と拍子抜けするんだが、わたしだけかな。
もう少しちゃんと会話しろよお前らってゆーか、詳しく説明必要なんじゃないの?
ベン様が言った言葉って「君に会いに」「ジュリエットは亡くなったよ。自ら毒を飲んで」だけですよ?
そんだけで納得するロミオってば……。
いやその、ほんとにロミオはベン様に絶大な信頼を置いてるんですね。彼が自分の味方であり、自分を害するはずがない、裏切るはずがないという前提だからこそ、信じられないことを言われても、なんの証拠もないまま全面的に信じてしまう。
ここのロミオの「嘘だ」という台詞が好きだな。
ここでスイッチ入るんだよな、キム。正直すげーこわい(笑)。
そりゃベン様も、視線合わせられなくなりますわ……目の前で親友が壊れるんだもんよ。自分が、壊したんだもんよ。
ただジュリエットの死を伝える、他人事のメッセンジャーではなく、ジュリエットを守れなかったことを悔いている、自分の責任だと思っている……だからこそ、親友を目の前で壊している、狂わせている、自覚ゆえに、目を合わせられない。
これはベンヴォーリオの、懺悔でもあるんだな。
ロミオという、彼の中の神に、罪を告げる。
ベン様にとってのロミオは天使、美しいモノ、無垢なモノ、少年時代、青春時代の象徴。
それを自らの罪で失う……。
続く。
粗忽者と呼ばれた男・その11。@ロミオとジュリエット
2011年2月28日 タカラヅカ さあ、いよいよ最終章、『ロミオとジュリエット』、こあらった目線の見どころベンヴォーリオ@まっつ。
「どうやって伝えよう」とカーテン前でまるまる1曲歌って決心して、そーやってマントヴァまで来たっつーに、ベン様と来たら。
全開の笑顔で見つめるロミオ@キムに「ジュリエットは亡くなったよ」と告げるだけで精一杯。
「嘘だ」と言われ、親友が壊れる様を見るなり、一気に視線外して「自ら毒を飲んで」と叫んで、そのあとすがりつく親友から、必死に顔を背ける。
目を合わせてもくれないベン様の苦渋の顔を見て、ロミオはそれが現実だと突きつけられる。
絶叫するロミオの背中に、おろおろと声を掛けるベン様。「ひとりにしてくれ」と言われ、ふるふるしながら上手へ駆けだしていく。
ヘタレでいいですな。
いやその、「粗忽者その10」で書いたように、ヘタレとかそーゆー次元の話ぢゃないんだけど、やってることだけ眺めると。
顔見ましたー、言いましたー、視線はずしましたー、さらに言い切りましたー、さらに視線外して逃げまくりましたー、背中向けられ拒否られましたー、うわーんと逃げ帰りましたー……という、一連の流れがいっそ愉快です、わかりやすすぎて。
なまじその前のソロがオトコマエな分、ギャップが……(笑)。
ベン様の最後の登場場面は、12場の霊廟。
何故か2階の窓を開けて一瞬だけ登場。
ロレンス神父@にわさんが臨終直後のロミオとジュリエットを発見したら、さあ舞台奥中央ちょい上手寄りの2階部分を凝視だ。
ベンヴォーリオとロミオママ@ゆめみちゃんが、窓をばたんと開けて登場する。
この登場の唐突感がイイ。
ふたりで「せーのっ」て感じに見事にシンクロした動きで窓を開けるのがイイ。
実は、これがベンヴォーリオの最後の台詞。
彼の台詞はロミオママに話しかけられるところからはじまり、ロミオママと話すところで終わるんだ。
最後のひとことのあと、ママに腕を取られて動き出す、ベンヴォーリオ萌え。
ふたりにとって自然なことなんだ、接触するの。「さあ行きましょう」ってときに、息子の親友の腕を引くんだ、ママ。親友のママに腕を引かれて一緒に行くんだ、ベン様。
こんだけ親密なのに、ティボルト@ヲヅキとジュリエットママ@かおりちゃんチームと違い、色っぽいムードは皆無(笑)。
ベン様の最後の台詞、最後の美声堪能箇所だっつーに、2階席から見えない。
セットの位置が高すぎるのよ。イケコ……。
神父の嘆きの歌の間に、ベン様にいざなわれたモンタギュー夫妻が霊廟に現れる。明かりを持っているのがベン様ひとりなので、彼が案内役だよね。
霊廟は相当暗いらしく、一行は同じように現れたキャピュレット夫妻にしばらく気付かない。
互いに気付いたときに、まずはっとするベン様とモンタギュー夫妻。
……ひとさまの墓に勝手に入って来てんだから、気まずいわな。平時ならば争乱に発展しますよ。
でもその直後、両夫妻たちが霊廟内の異常に気づき……。
「ナニが起こったのか」に気付いたあとのベンヴォーリオが、秀逸。
たいまつをかざし、その目で現実を見て。びくっとしたあと、止まる。
まさしく、固まる。
そしてそのまま、ぺたんと坐り込む。女の子みたいな正座。男役ならふつーしないだろう姿に、余計彼が受けた衝撃を想像させる。そんな坐り方でも、まっつは女の子には見えないし。
親友の亡骸を見つけたなら、ふつーはそばに走り寄りそーなもんだが、ベン様はその場に坐り込んで動かないんだ。
それはマーキューシオ@ちぎの死を目の当たりにしたときもそうだった。
真の衝撃の前には、フリーズしてしまう人なんだ。
ええ、そんな状態でみょーに気になってしまうのが、愉快なたいまつ。
なんでアレ、あんなに曲がってるんだろう……。
いや、どーでもいいことなんだが、最初からずーっと気になってた。
まっすぐでええやん、なんであんなに曲がってるの?
で、放心しているのに、たいまつはちゃんとかざしてるし。落とさないの。いやあ、ベン様すごいなー。
んで、これは仕様なので、坐り込んで放心してるけど、コーラスタイムなので歌い出す(笑)。おお、神よ。
両家夫人の嘆きのソロのあと、ベンヴォーリオはようよう動き出す。
まるで禁忌に触れるかのように、おそるおそる台に近づき……その縁に手を突いて、泣き崩れる。
はい、ここでよーやく、たいまつを置きます。
段取りに入ってるんだろう、ここで近寄って、ここでしゃがんで、ここにたいまつを置く……つーか、隠す。
段取りをきちんと1個1個こなすベン様の中の人萌え。(観劇に集中しなさい)
いやその、あの愉快なたいまついつまで持ってるんだろ、とか、どーするんだろ、とか、やたら気になったモノで(笑)。
ベン様はほんっとにロミオに触れない。近づかない。
台はけっこー大きいので、端っこで泣かれると遺体からはわりと距離がある。
初演のすずみさんが、れおんくんの金髪を愛しそうに泣きながら撫でるのが激萌えだったので、まっつにもソレ期待したんだけどなー。キムくんの髪を泣きながら撫でるまっつ……ハァハァ。
しかしまつださんはファンのそんな期待の斜め上を行く。
すずみさんベン様は、れおんロミオへの愛情ダダ漏れでいろいろやばいくらいだったが(笑)、まつださんはそーゆーのとは違ったし。
慟哭よりも、喪失というか。
哀惜よりも、自責というか。
泣き崩れたベン様は、コーラス開始でそれでも歌い出す。
崩れたまんま、下向いたままのときもあるし、顔を上げて歌い出すときもある。
ベンヴォーリオはまさに、このコーラスの歌詞通りのことを思っていたんじゃないかな。
愚かな者たちに、神は罰を下された……。
ロミオの死は、ベンヴォーリオへの罰。
憎しみに踊らされ、親友を救えなかった。親友の恋人を救えなかった。その罰を受けた。
愚かさは罪。無力さは罪。
それなら、どうすればいい?
おお神よ、我らは約束する……ベン様は立ち上がり、そう歌う。
てことで、最終章は次回の最終回に続く!(テレビドラマかよ)
「どうやって伝えよう」とカーテン前でまるまる1曲歌って決心して、そーやってマントヴァまで来たっつーに、ベン様と来たら。
全開の笑顔で見つめるロミオ@キムに「ジュリエットは亡くなったよ」と告げるだけで精一杯。
「嘘だ」と言われ、親友が壊れる様を見るなり、一気に視線外して「自ら毒を飲んで」と叫んで、そのあとすがりつく親友から、必死に顔を背ける。
目を合わせてもくれないベン様の苦渋の顔を見て、ロミオはそれが現実だと突きつけられる。
絶叫するロミオの背中に、おろおろと声を掛けるベン様。「ひとりにしてくれ」と言われ、ふるふるしながら上手へ駆けだしていく。
ヘタレでいいですな。
いやその、「粗忽者その10」で書いたように、ヘタレとかそーゆー次元の話ぢゃないんだけど、やってることだけ眺めると。
顔見ましたー、言いましたー、視線はずしましたー、さらに言い切りましたー、さらに視線外して逃げまくりましたー、背中向けられ拒否られましたー、うわーんと逃げ帰りましたー……という、一連の流れがいっそ愉快です、わかりやすすぎて。
なまじその前のソロがオトコマエな分、ギャップが……(笑)。
ベン様の最後の登場場面は、12場の霊廟。
何故か2階の窓を開けて一瞬だけ登場。
ロレンス神父@にわさんが臨終直後のロミオとジュリエットを発見したら、さあ舞台奥中央ちょい上手寄りの2階部分を凝視だ。
ベンヴォーリオとロミオママ@ゆめみちゃんが、窓をばたんと開けて登場する。
この登場の唐突感がイイ。
ふたりで「せーのっ」て感じに見事にシンクロした動きで窓を開けるのがイイ。
実は、これがベンヴォーリオの最後の台詞。
彼の台詞はロミオママに話しかけられるところからはじまり、ロミオママと話すところで終わるんだ。
最後のひとことのあと、ママに腕を取られて動き出す、ベンヴォーリオ萌え。
ふたりにとって自然なことなんだ、接触するの。「さあ行きましょう」ってときに、息子の親友の腕を引くんだ、ママ。親友のママに腕を引かれて一緒に行くんだ、ベン様。
こんだけ親密なのに、ティボルト@ヲヅキとジュリエットママ@かおりちゃんチームと違い、色っぽいムードは皆無(笑)。
ベン様の最後の台詞、最後の美声堪能箇所だっつーに、2階席から見えない。
セットの位置が高すぎるのよ。イケコ……。
神父の嘆きの歌の間に、ベン様にいざなわれたモンタギュー夫妻が霊廟に現れる。明かりを持っているのがベン様ひとりなので、彼が案内役だよね。
霊廟は相当暗いらしく、一行は同じように現れたキャピュレット夫妻にしばらく気付かない。
互いに気付いたときに、まずはっとするベン様とモンタギュー夫妻。
……ひとさまの墓に勝手に入って来てんだから、気まずいわな。平時ならば争乱に発展しますよ。
でもその直後、両夫妻たちが霊廟内の異常に気づき……。
「ナニが起こったのか」に気付いたあとのベンヴォーリオが、秀逸。
たいまつをかざし、その目で現実を見て。びくっとしたあと、止まる。
まさしく、固まる。
そしてそのまま、ぺたんと坐り込む。女の子みたいな正座。男役ならふつーしないだろう姿に、余計彼が受けた衝撃を想像させる。そんな坐り方でも、まっつは女の子には見えないし。
親友の亡骸を見つけたなら、ふつーはそばに走り寄りそーなもんだが、ベン様はその場に坐り込んで動かないんだ。
それはマーキューシオ@ちぎの死を目の当たりにしたときもそうだった。
真の衝撃の前には、フリーズしてしまう人なんだ。
ええ、そんな状態でみょーに気になってしまうのが、愉快なたいまつ。
なんでアレ、あんなに曲がってるんだろう……。
いや、どーでもいいことなんだが、最初からずーっと気になってた。
まっすぐでええやん、なんであんなに曲がってるの?
で、放心しているのに、たいまつはちゃんとかざしてるし。落とさないの。いやあ、ベン様すごいなー。
んで、これは仕様なので、坐り込んで放心してるけど、コーラスタイムなので歌い出す(笑)。おお、神よ。
両家夫人の嘆きのソロのあと、ベンヴォーリオはようよう動き出す。
まるで禁忌に触れるかのように、おそるおそる台に近づき……その縁に手を突いて、泣き崩れる。
はい、ここでよーやく、たいまつを置きます。
段取りに入ってるんだろう、ここで近寄って、ここでしゃがんで、ここにたいまつを置く……つーか、隠す。
段取りをきちんと1個1個こなすベン様の中の人萌え。(観劇に集中しなさい)
いやその、あの愉快なたいまついつまで持ってるんだろ、とか、どーするんだろ、とか、やたら気になったモノで(笑)。
ベン様はほんっとにロミオに触れない。近づかない。
台はけっこー大きいので、端っこで泣かれると遺体からはわりと距離がある。
初演のすずみさんが、れおんくんの金髪を愛しそうに泣きながら撫でるのが激萌えだったので、まっつにもソレ期待したんだけどなー。キムくんの髪を泣きながら撫でるまっつ……ハァハァ。
しかしまつださんはファンのそんな期待の斜め上を行く。
すずみさんベン様は、れおんロミオへの愛情ダダ漏れでいろいろやばいくらいだったが(笑)、まつださんはそーゆーのとは違ったし。
慟哭よりも、喪失というか。
哀惜よりも、自責というか。
泣き崩れたベン様は、コーラス開始でそれでも歌い出す。
崩れたまんま、下向いたままのときもあるし、顔を上げて歌い出すときもある。
ベンヴォーリオはまさに、このコーラスの歌詞通りのことを思っていたんじゃないかな。
愚かな者たちに、神は罰を下された……。
ロミオの死は、ベンヴォーリオへの罰。
憎しみに踊らされ、親友を救えなかった。親友の恋人を救えなかった。その罰を受けた。
愚かさは罪。無力さは罪。
それなら、どうすればいい?
おお神よ、我らは約束する……ベン様は立ち上がり、そう歌う。
てことで、最終章は次回の最終回に続く!(テレビドラマかよ)
1 2