『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』観劇7回目にしてようやく、剣心@ちぎくんを観た。

 いや、もちろん初見時から観ている。主役なんだからそりゃ観てるよ。
 そうではなくて……なんだろう、原作の剣心でもこの脚本の剣心でもなく……「ちぎくんの剣心」に会えたというのかな。
 それはもちろん、ちぎくんの問題ではなく、わたしの問題な。千秋楽近くなってはじめてようやく、「わたしが」ちぎくんをちゃんと観た……観ることが出来たんだと思う。

 いつもの上手タケノコでの観劇だったわけなんだけど、ここだと「不殺の誓い」を歌いながら銀橋を歩いてくるちぎくんの顔が、真正面に近い角度で見えるのね。

 「不殺の誓い」と言えば本舞台の抜刀斎@ひとこや巴@あんりちゃん関連の芝居を観ることに気を取られていたり、「♪生き残った者には義務(つとめ)がある」のくだりで「そうだ、よく聞け、晴興!!」と思ったりで、忙しい。
 務めを投げ出して逃げた晴興@『星逢一夜』はやっぱひでーよなー。生き残った晴興は、歯を食いしばって闘い続けるべきでしょうに。晴興ならそうするでしょうに。あの選択は晴興らしくないし、ただの作者の都合っぽくて、ほんと納得出来んわー。

 いつまで『星逢一夜』引きずってんだ、とは思うが、やっぱ剣心の方が主人公としては正しい生き方だと思うから、つい。
 そしてここにいる剣心は、「逃げなかった男」なんだ。なおも闘い続け、時代が変わったのちも別のカタチで闘い続けている男なんだ。そう気づく。
 逃げた男を知っているからこそ、剣心の生き方に胸を突かれる。
 そしてそれは、ちぎくん自身にも関係している。ちぎくん本人がどうこうは知らない、あくまでもわたしの話。ちぎくんを観るわたしが、過去にちぎくんが演じた役を観てきた上で、思うことがある。
 剣心を演じるちぎくんを、晴興を演じたちぎくんである、という事実が重なる。晴興を経て、今の剣心がある。

 なんだろ、晴興を演じた人が、剣心を演じている、そのことが、とても大きいと思ったんだ、わたし。
 ちぎくんの顔自体はひとつなんだから、剣心の顔は晴興の顔でもある。同じ顔で別の人、ちゃんと別の人に見えている、別人だということはわかっている……だけど、同じ人である感動。
 うまく言えないし、整理出来てもいない。
 わたしは舞台上にしか興味がなく、役と役者を混同することはナイ。役者に対しての好意や苦手感で印象が左右されることはあるが、だからといって役を見失うことはナイ。物語スキーなので、そんなことで物語を味わうことを放棄したくない。
 その上で、ちぎくん演じる剣心に、「かつて晴興だった人」を見る。見て、そして。
 一瞬でそれは消える。霧散する。彼方に。
 ぎゅいんと遠く、ぱつんと消える。

 そして、「剣心」がいる。

 剣心って、こんな顔をしているんだ。

 はじめて、思った。
 「不殺の誓い」を歌いながら、剣心がわたしの方へ歩いてくる。
 強い照明が横から照らし、顔の半分が影になる。他の位置からは見えない、剣心の顔。

 こわい、かお。

 漢字では、強い、と書く。

 苦悩ではなく歪みでもなく、端正に美しい、強い貌。
 歌声の現在形の悲痛さとは別に、その貌はすでに苦悩を突っ切り、過去のものにしている。

 ああこれが、「緋村剣心」だ。
 ちぎくんの、剣心なんだ。

 そう思った途端、涙が出た。
 わき上がるのは、愛しさだ。

 愛しい。
 この剣心が愛しい。

 この男を、抱きしめたい。癒したい。守ってあげたい。
 心から、そう思った。
 わき上がった。

 強い人だとわかるから。わたしの手など必要としない人だとわかる、それと同じ強さと速さで思ったもの、手を差し伸べたいと。
 剣心を愛した女たちも、きっと同じ思いでいたんだろう。
 傷を刻むことはなくても。


 いやあ、ちぎくんの剣心好きだな。
 もともと好きだけど、今となっては引き返せない感じに好きよ。

 こういう剣心を救うのは、巴ではなく薫@みゆちゃんなんだということも、よくわかる。

 蜘蛛の巣の幻影で、巴と薫がそれぞれ出て来るじゃないですか。
 阿片の精が妖しく踊っている場面。

 あの場面の薫の美しさが好き。

 剣心のイメージの中では、薫は剣道着なのね。剣道着を着ている薫のことがいちばん好きなんだもんね。
 だけどその剣道着の薫は、いつものにぎやかな表情はなく、人形のように虚ろだ。
 表情の消えた薫は、しんと美しい。笑っていつもの表情を浮かべている薫よりも、いっそ美しい。

 阿片が見せた悪夢とはいえ、種がなければ花開くことはないわけで。

 剣心の中の薫は、あんなに美しいんだな。
 だけど、美しい薫より、いつもの元気なかわいい薫の方が、剣心は好きなんだな。

 美しさよりも薫らしさを望む、って、ほんとに薫を好きなんだと思えてぐっとくる。

 みゆちゃんはいろんな表情を出せる役者さんだし。
 みゆちゃん演じる薫はほんと、いじらしくてかわいいからなー。

 この剣心と薫は大好きだ。
 あきら主演!! ……というだけで脳がストップしており、友人のつぶやきでようやく知りました……そっか、バウが発表になったってコトは、全ツも発表になってるよな……そりゃそうだ。
 ていうか、『カメロマ』?!
2016年 公演ラインアップ【全国ツアー】<9月・花組『仮面のロマネスク』『Melodia -熱く美しき旋律-』>
2016/03/08
3月8日(火)、2016年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【全国ツアー】公演の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。   
花組
■主演・・・明日海 りお、花乃 まりあ
◆全国ツアー:2016年9月2日(金)~9月22日(木)

ミュージカル
『仮面のロマネスク』

~ラクロ作「危険な関係」より~
脚本/柴田 侑宏 演出/中村 暁

近代フランス心理小説の傑作でありながらも、そのスキャンダラスな題材ゆえに世間から長く異端視されたラクロの「危険な関係」を原作としたラブ・ストーリー。1997年に高嶺ふぶき、花總まりにより初演、2012年には大空祐飛、野々すみ花により再演され、絶賛を博した名作ミュージカルに、明日海りおと花乃まりあが挑みます。
動乱に揺れる1830年のフランス宮廷を舞台に、美貌の青年貴族ヴァルモンと若き未亡人メルトゥイユ侯爵夫人の冷徹で官能的な大人の恋の駆け引きを、重厚かつ華麗に描き出します。

グランド・レビュー
『Melodia -熱く美しき旋律-』

作・演出/中村 一徳

メロディア-熱くそして美しいメロディと心躍らせるリズムで奏でる数々の音楽。愛、夢、希望、情熱、哀愁、身体に漲る限りない思いと果てしないエネルギーを熱く美しい旋律に。華やかで若さ溢れる明日海りお率いる花組の魅力を、躍動的な歌と踊りで綴るレビュー。2016年全国ツアー公演として、新たなメロディをお届け致します。 

 何故みりお氏で『仮面のロマネスク』?!

 い、いや、『仮面のロマネスク』の主人公ヴァルモンは美貌の青年役、美貌のみりお様に相応しくないはずもない。
 だが。
 ヴァルモンって、プレイボーイなんだよ……エロエロスターなんだよ……百戦錬磨の大人の男なんだよ……何故みりお様……?
 い、いや、絶世の美青年でプレイボーイでエロエロスターで百戦錬磨の大人の男、光源氏を演じきったみりお様だもの、相応しくない、はず、も……ない……。

 うーん。
 外側だけ見れば確かに、合ってると言えんこともないよな。
 絶世の美青年役だもの。タカラヅカ一の美貌の君が演じるべきでしょうさ。
 でもなんなんだろう、この違和感。

 でもわたし、みりおくんよりかのちゃんに強い違和感持つわ。

 メルトゥイユ夫人@かのちゃんは、チガウやろ。

 メルトゥイユってヅカのヒロインの中でも最高級クラスの難役だと思う。
 加えて、大人の女だ。
 最低限、円熟期の大人の娘役が演じるべき。小娘がやっていい役じゃない。

 かのちゃんは美人だけど、若すぎる。
 実年齢や就任年数だけでなく、芸風が。
 もっと経験を積んでからならいいけど……今のところ、チガウとしか。

 それでもまあ、決まったからには楽しみにするし、観に行くけれども。

 しかし劇団はどうしてこう、本人の持ち味無視して演目決めるかな。
 ……って、みりおくんに似合う役と作品ってなんだろう。
 『Ernest in Love』『ME AND MY GIRL』と続いたから、その路線はパス、それ以外の……真逆がいいな、ダークだったり大人っぽかったりするの……って、ああそれで『カメロマ』になっちゃったのか。
 だから『Ernest in Love』『ME AND MY GIRL』と続け様にやるから、反動が大きすぎて次の作品まで選択肢減っちゃったんじゃん……花組のプロデュースって変……。

 あれ。
 全ツが『カメロマ』で、バウがあきら主演ってことは、必然的にキキくんは全ツ、つまり、ダンスニー@キキくん?
 う・わ……。
 ダンスニーって、男役でトップスターの次に出番のある役だけど、はっきりいって2番手の演じる役じゃない。ふつうの作品なら3番手相応の比重しかない。『カメロマ』は女性キャラが多い代わりに、男役がおいしくないんだ。

 キキくん……。
 『Ernest in Love』『ME AND MY GIRL』と、半分しか2番手役出来ず、次の全ツでも比重軽い役か……。
 劇団は彼を育てる気あるのか??


 『仮面のロマネスク』は、好きな作品です。
 初演厨ですとも! お花様の代表作!
 だからまた観られるのはうれしい。

 …………今のタカラヅカで、いちばんヴァルモン役が観たいのは誰か、考えちゃったわ。
 考えるまでもなく、即浮かんだわ。

 ヴァルモン@まぁ様が観たい。

 絶対かっこいいぞ……まぁくんの黒い部分が観られるぞ。
 メルトゥイユ夫人@みりおんだって、タイプは違うけど、現時点のかのちゃんよりうまくこなせるはず。
 ダンスニー@マカゼ……あ、駄目だ、想像しただけで、顔が弛む。そんなん、絶対絶対かわいいっ、かわいすぎ。
 トゥールベル夫人@うらら様……うわー。得意分野キター。歌はカット、台詞のみに変更ヨロシク。言わずもがな、ビジュアル無敵。
 セシル@まどか。ハマり過ぎ……。

 ちょ、現宙組完璧ハマるじゃん。番手にあてはめるだけで違和感なし。
 『エリザベート』なんかやってる場合じゃない! ってくらい、ハマってるわ……。

 や、すまん、花組でみりお様がやるって言ってるのにね。決まっているのに、妄想配役は不毛過ぎ。

 好きだから、いろいろ考えちゃう。
2016年 公演ラインアップ【宝塚バウホール】<9月・花組『アイラブアインシュタイン』>
2016/03/08
3月8日(火)、2016年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚バウホール】公演の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。   
花組
■主演・・・瀬戸 かずや

◆宝塚バウホール:2016年9月15日(木)~9月25日(日)
一般前売:2016年8月6日(土)
座席料金:全席5,300円

サイエンス・フィクションラブ・ストーリー
『アイラブアインシュタイン』

作・演出/谷 貴矢

20世紀中盤、天才科学者アルバートが開発したアンドロイドは、人々の生活になくてはならないものになっていた。世俗の喧騒を逃れ隠遁生活を送るアルバートのもとに、ある日、エルザというアンドロイドが助けを求めにやって来る。働き口を奪われた人間達による反アンドロイドの機運が高まる中、人間と平和に共存する道を模索する為、自分たちにも感情を与えて欲しいというのだ。エルザに亡き妻ミレーヴァの面影を見たアルバートは、科学者仲間であるトーマスの力も借りつつ、エルザに感情を与えようと奮闘する。ひたむきで純粋なエルザに次第に惹かれていくアルバートだったが、エルザはどうしても「愛」の感情だけは理解することが出来なかった。愛とは何かと問われたアルバートは、ミレーヴァをどんな風に愛していたのか、どんな感情だったのかを伝えようとするが、何故かどうしても思い出せないのだった…。
果たして、「AI」は、「愛」の感情と「I(自我)」を持つ事が出来るのか。瀬戸かずや主演でお届けする、サイエンス・フィクションラブ・ストーリー。なお、この作品は、演出・谷貴矢の宝塚バウホールデビュー作となります。  

 あきら主演キターー!!

 ひょっとして来るかな、と期待半分でいたけれど……ほんとに来た!!

 うれしいうれしいうれしい!

 絶対行く、絶対観る! ……って、なんか解説読むとけっこうやばそうだけど……このテの話がヅカで成功した例しがナイ……地雷ジャンル……でもなんでもいい、とにかくあきら主演ならなんでもイイ。
 フジイくんの「そうか、マーク兄ちゃんはサイボーグになったんだ!」以上のトンデモ作品はナイと信じてるし! アレ以下なんて、ふつーの神経してたら作れっこないし! なんでもどーんと来い!

 救いは、まったくノーマークの新人作家さんだってことっすね。
 演出家がフジイくんとか谷正純とか中村Aでこのあらすじ書かれてたら、「オーマイガッ!!」と頭を抱えてました(笑)。
 若い人ならまだ、なんとかしてくれる、かもしれない……。

 しかし劇団には「演出家名字枠」があるのかしら。「ウエダ」「ナカムラ」「タニ」はデビューに有利、とか。これから「シバタ」「マサツカ」「イシダ」とかも出て来るのかなー。

 あきらは雰囲気美形スターで、その兄貴的な立ち位置と外見に反して、意外なほどうまくない。
 や、ふつーは路線外なのに組4番手とかにいる人って、実力がきっちりあったりするんだけど、あきらはいろいろびみょー。
 真ん中育ちでないために、足りていないことがたくさんある。
 だけど、かっこいい。
 とりあえず、イケメンだ。
 顔面だけでなく、身長、スタイル、すべて合わせて。
 せっかくこんだけかっこいいんだから、うまくなってほしい。
 なんで新公主演出来たのかわかんないくらい、劇団から放置されていた人だけに、若いときに得た経験値が少ない。
 取り損ねてきたスキルやアイテムを、これから取りに行こう。路線育ちではないけれど、真ん中経験しに行こう。
 それによって、欠けていたモノが突然どどんと開花するかもしれない。
 そういうことも含めて、あきら主演がうれしい。

 問題は、チケットを取れるかだわ。
 100周年以降、バウのチケットが取れない……。
 昔はバウなんて、一部の人気スター以外売り切れないのはあたりまえだったのにな。
 ただ、売れない公演ってのは大抵劇団推しで主演連発の実力微妙な御曹司の主演公演で、劇団推しのない微妙路線の主演公演は大抵チケ難だったので、経験に基づく予想だと、あきら主演も間違いなくチケ難だニャ。
 や、実際そうだと思うし。わたしの周囲はみんな「あきら主演!!」で目を輝かせてるし。
 そのうえ、なにしろ100周年バブル……。

 あうー。定価で観られるといいなあ。
 『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』はせっかくの祭り作品なのに、音楽が弱い気がする。

 何度もリピートしちゃった今だから、パレード曲の「微笑みを交わして」とかいい曲だなと思えるし、耳にも残っているけれど。
 初見時は印象的な曲がなくて残念だった。

 『太王四神記』を観たときと同じ。
 画面は派手にいろいろやってて「大作!!」って感じなのに、盛り上がる曲がない。
 リピートするといい曲もあるとわかるけれど、作品の持つ「大作!!」「活劇!!」「祭りだ!!」というイメージからはほど遠い地味さ。

 作曲の太田せんせが大作向きじゃないんだよなあ。
 そしてイケコも、厨二に徹した詞は作れない人だし。

 イケコはミュージカルの人で、アニメやヒーロー特撮の人ではナイんだなあ、としみじみ。
 今はじめて(ええ、はじめて。買うだけ買ってプログラム読んでない)プログラムの歌のページをチラ見したんだけど、ほんと「主題歌」ってのがないよね。
 物語の中の一部を切り取って歌にしたモノばかり。

 テレビアニメのオープニングで毎週流れる主題歌に相当する曲がない。

 サイトーにしろスズキケイにしろ、アニメ・ゲーム系作劇出来る人って、まず主題歌ぶちかますよね。
 「エル・アルコン」とか「戦国BASARA」とか、タイトル連呼して、アニメのオープニングをまんま舞台で表現してみました系。

 ミュージカルである前に、マンガ原作であること。アニメ的手法が適していること。
 ファンの最大の関心事であるビジュアルと世界観を、「この通りだ!!」と真っ先に差し出して、「よっしゃあ、これならイケる!!」とテンションを上げさせる。
 本編がはじまるのはそのあと。

 でもイケコはふつーにミュージカルとして、本編からスタートする。ビジュアルや世界観が合っているかどうかは、おいおいわかる仕組み。

 わたしがイケコオリジナルの原作モノに、初見で肩すかしされるのは、いつもソコだ。
 原作とミュージカルの融合が、半端だ。

 ただ、リピートすればアニメ的な構成より、ミュージカルの方が肌に合うので、「こういうもん」と楽しみ方を見つけられるのだけど。

 本編はミュージカルでいいから、オープニングとエンディングを、派手にアニメアニメしてくんないかなあ。
 とりあえず作曲家別の人にして。
 や、中の曲は太田せんせでもいいから、主題歌は派手な曲を作れる人にお願いしてさー。


 主題歌を使ったオープニングがないから、最初に出会う「歌」が剣心@ちぎくんの歌う「人斬り抜刀斎」なのよ……いきなりド演歌調なのよ……これ、相当びびるわ……。
 演歌でもいいんだけど、その前に派手な主題歌入れて欲しかったよ……そうすれば、舞台のイメージがかなり変わるのに。

 いきなり演歌のちぎくんも大変だなと思ったけど、イケコの「ヲタク理解度の低さ」でもっとも割を食ったのが斎藤@咲ちゃんだと思う。

 2幕で突然「悪・即・斬」と銀橋で歌わされる咲ちゃん。
 斎藤のポリシーを歌にすること自体はいい。つか、キャッチーなフレーズだから、使うべきだと思う。
 問題は、使い方だ。

 この「悪・即・斬」っていう曲、「♪悪・即・斬(歌いながら踊る斎藤)」「♪悪・即・斬~~AH~~♪(コーラス)」という、さびの部分だけ取り出すと、愉快ソングのように思える。
 でも、そうじゃない。
 さびで突然「♪悪・即・斬」と言い出す前は、「これまでのあらすじ解説ソング」だったの!

 地名からはじまるのよ?
 今までの出来事を5W1Hで語られて、「はあ? ナニこの人? そんなの、ここにいるすべての人が知ってる情報ですが??」てな、どーでもいいことを大真面目に銀橋でひとり歌うの。

 んで、そこまで解説をだらだら語ったあとで、突然「♪悪・即・斬」。

 ぽかーん。

 初日の客席の困惑ぶりったら。

 だって、聴いていて、どう展開して、どこへ着地する曲なのか、さっぱりわからないのよ?!

 あらすじからキャッチフレーズ連呼になるとか、思わないし。
 背景には「♪悪・即・斬」の文字が出てるし、女声コーラスが「AH~~♪」とか言ってるし。
 カオス。

 あのさ。
 前半のあらすじ、いらない。
 マジいらない。
 なんであらすじ語り出したの。書くことナイからとりあえず原稿用紙埋めるためにあらすじ書き写しました、って、宿題の読書感想文かよ!!

 「♪悪・即・斬」をやりたいなら、最初から「斎藤一テーマソング」と銘打ってやれ。
 今の時代、メインキャラクタはキャラソン持ちが当然、ひとりずつCD発売されるもんなんだから、ヅカの斎藤もテーマソング持っててもふつう!
 斎藤の「♪悪・即・斬」なのに、なんで前半「加納惣三郎を解説しよう」になってるの?
 イベントで「斎藤一のテーマソングを歌います」でいきなり地名からスタートして加納がどうしたこうした、それで今はこうなってて、って解説されても観客ぽかーんだよ。テーマソングっていうのは、別のステージでそれだけ歌っても世界観が成立するモノでしょうが。

 サイトーくんなら間違いなく、斎藤一テーマソング作ってる!!
 派手な音楽を作れる作曲家と組んで、「斎藤一とはこういう男だ!」とその1曲だけでわかる曲。
 斎藤がひとり銀橋に出て来た段階で、「斎藤のターンキターー!」「テーマソングキターー!」と観客が待ち構える前奏と歌い出しになっているはず。
 『JIN-仁-』の坂本龍馬テーマソングみたいに。ストーリーと関係なく、いきなり龍馬の見せ場来たよね、1曲歌ったよね。

 イケコは「♪悪・即・斬」さえやれば、サイトーくんやスズキケイがやってウケた「アニメ的ウケ狙い曲」になると思ったんだろうけど。
 根幹からチガウ。

 イケコがやってるのは、ミュージカル手法。ストーリーの中で、台詞が歌になった、ってやつ。
 サイトーくんが得意なアニメ手法は、ストーリー関係なく、その場の流れとも関係ない、「そのキャラクタの見せ場」でしかない歌とシーンを、ストーリーを中断してぶっ込むこと。

 台詞が歌になった、というミュージカル手法のため、斎藤さんは気の毒なことに「日常の中でいきなりあらすじをだらだら語ったあと、突然、悪・即・斬、と繰り返す変な人」になってしまった……。
 アニメ手法なら、どんだけキザだったり恥ずかしかったりする内容を歌っても、「テーマソングなんで、ストーリーともキャラクタ本人とも別次元です(キリッ)」で済むのに。歌い終わってから、何食わぬ顔でストーリーに戻れるのに。

 咲ちゃん、大変だなあ。
 ひとりだけ半端なことさせられて。

 でも、とりあえず咲ちゃんかっこいいっす。
 最近とみに声が良くなってるし。
 演出がサイトーくんなら良かったのにね……きっとすごくかっこいい場面になったろうに。
 『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』のキャスト感想をぽつぽつと。

 加納@だいもんはひどい役なんだが……とりあえず、美しい。

 わたし、だいもんはハンサムだと思っているけど、これだけストレートに「美形!」ってやってるのを見るのは久しぶりだと思う。『愛と革命の詩』の侯爵以来?
 「はじめてだいもんを美形だと思った」とか、失礼な感想を友人がつぶやいていたりするし(はじめて、ってどういうことよ、だいもんは昔からずーーっと美形だってば・笑)、ファンの欲目抜きにビジュアル成功しているんだと思う。

 やっぱ「加納惣三郎」という「世に名高い美少年」役だからかなー。美しく出てなんぼよねー。
 脚本酷すぎて、わけわからん人だけどさ(笑)。

 そんでもって加納さんってけっこう歌ってるのね。
 リピートしてようやく気づいた。
 初日は「だいもんに歌わせないとか、意味わかんないっ」とか思ってたんだけど(笑)、なんでこう印象が違ったんだろう?

 単独の銀橋ソロは1曲だけでも、2番手なんてそんなもんだし、出番自体は多くないけど、クライマックスは歌いまくりだし……なにゆえに「歌少ない」と思ったのか。
 初日の不満は、「だいもんの歌不足」という点も大きかった。少ないと思ったんだもん。これならまだ『ファンシー・ガイ!』の方がマシ?的な比べ方をした。
 『ファンシー・ガイ!』のだいもんは、やたらと歌っていたけれど、あまり意味のない使われ方をしていたというか、「え、そこで歌う? べつにだいもん歌わなくてもよくね?」なとこまで歌っていたというか、演出家の「望海に歌わせときゃいいんだろ」的やっつけ感があまりありがたくなかった。
 だからといって、一本モノで歌極少とかは、さらにやだなー、と。

 クライマックスで歌っているのに、それはもちろん観ていたからわかっていたのだけど、どうも印象が薄かった。
 印象的な曲でもないし、加納さんの情けなさ全開でかっこ悪いばかりだし、どうしろと。

 本編がトホホでも、フィナーレの歌手がある、そこでどかーんと美声を披露してくれ! と望みをかけていたのに、衣装酷すぎでまたしても轟沈。
 フィナーレ自体には歌ないし。

 役が酷くて歌少なくて、酷い衣装のフィナーレってナニ?! やだー、楽しむ気満々で来たのに、不完全燃焼ーー!

 ……てのが、初日印象。

 初日の数日後は、「あれ、初日より声出てる」と思った。クライマックスの歌の応酬が。みゆちゃんも、このときはまだ喉潰してなかったし。

 歌、良くはなってるけど、このクライマックス盛り上がらないなー、つまんないなー、って、それでもまだこのあたりは「歌少なくて残念」と思ってたの。

 でもさ。
 わたしに、ちょっとしたことがありまして。

 前にもちょろりと話題にした「タカラヅカで『るろ剣』やるなら観てみたい」という、ヅカファンではない知人にチケット譲った件。
 ヅカファンでない人に押し売りしても仕方ないから、出演者について一切なんの解説もしなかった。どうせジェンヌの見分け付かないだろうし。タカラヅカ云々よりまず『るろ剣』を楽しんでくれればそれで良し。
 チケット取り過ぎちゃった分を彼女に譲り、わたしは梅芸で『Ernest in Love』を観ていたりしたわけなんだけど。

 その人が終演後、「チケット譲ってくれてありがとう、『るろ剣』楽しかった」とメールをくれた。
 その短い「お礼メール」の中に唯一出て来た名前が「望海さん」。

「望海さん、歌うまいねえ! 歌聴いたあと『惚れてまうやろ!』と思いました」てな意味のことが、顔文字と共に書かれていた。

 正直、意外すぎて。
 何故そこ?!
 原作目当てで行って、何故原作にいないオリキャラを演じただいもんに食いつく?
 ベネディクトとか源太ならわからんでもないけど、今回だいもん、特に良くもないよね?? そりゃ今回望海さんマジ美形だけど。でもそんなん、剣心@ちぎくんはじめ、原作キャラの人たちだってめっちゃきれいじゃん。
 歌だって、大して歌ってないし。

 とまあ、自分的に納得がいかなかったので、次の観劇時に、懐疑心ばりばりに注目して観たんですわ。
 だいもん、そんなにいいか? と。

 そしたら。

 良かった。

 あ、あれえ?
 思ってたよりぜんぜん歌ってるし、歌、いいじゃん。
 響いてるじゃん。
 クライマックスの掛け合い、ドラマチックじゃん。
 フィナーレの銀橋、豊かな声が劇場中に満ちてるじゃん。

 あ……たしかに、これは、美声だわ……これなら初心者が「惚れてまうやろ」なのもわかるわ……。

 って。

 なんなのコレ。
 あたしいちおー、だいもんファンじゃん? いちばんのご贔屓じゃなくても、ずーっとだいもんスキーできてるじゃん?
 なのになんで、人から言われて気づくの?

 ……なんつーか。
 わたしってだいもんへの欲が強いのね。自分で勝手にこうと決めて、そこに至らなかったときに不満を持つ。
 ご贔屓相手だと、なんでもいい方へ持って行こうとするから、ストレートな不満にはならないのだけど(その分ねじれてややこしかったりもするが・笑)、だいもんには「所詮ファンでしかない」という油断があって、より欲望に忠実だったりする。
 あ、わたしにとって「ご贔屓」はただひとりの推しジェンヌ、「ファン」は不特定多数の「~~も、好き」認識なので。気軽に「**ファン」という使い方をするのよ。

 そうか……だいもん、歌うまいわ。わかりやすく、ひとりだけどーんとしてるわ。
 クライマックスはだいもんの歌を中心に、動かないみゆちゃんとの歌バトル、ちぎくんはひとこと殺陣ダンス……すげえ適材適所。

 と、いうことで、遅まきながら開眼。

 この演出すごくね? 『るろ剣』なかなかいいんじゃね?

 ……本気で遅い。
 しかも、人に言われて、人から影響されて、って。
 どんだけ心と頭弱いの?

 おかげで今ではだいもんの役も、『るろ剣』自体も楽しく観劇出来ている。
 わたしがだいもんに欲を持っているのは、「面白い舞台が観たい」からであり、「だいもんがだいもんらしく活躍すると、舞台が面白くなる」と思っているためだ。彼には舞台人としての期待と信頼がある。
 だもんで、「だいもんいいじゃん」と思った時点から、舞台自体もたのしくなるんだなこれが。
 単純だわ。


 しかしだいもん、初心者ウケがいい、と言われているのを、目の当たりにしたわ。
 「歌える」ということは、今の時代のライト客層に手っ取り早く訴えかけられるのかもしれない。
 だいもんに限らず、劇団が歌ウマに焦点を当てだしたのは正しいことなんだと思う。
 『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』キャスト感想。

 ちぎくんは妖精だな!!

 と、またしても思う(笑)。

 剣心という役の、ハマりっぷりは素晴らしい。……ということだけではなくて。
 マンガだろうとオリジナルの『星逢一夜』だろうと、ちぎくんが演じることで虚構でありながらそこに影が出来る感じ。それを、リアル妖精だと思う。
 影……光を遮るものがあるから、出来るモノ。
 虚構だから実体はない。幕が下りれば消え、公演が終了すれば跡形もなく消えてしまうモノ。
 なのにそこに、影が出来る。
 なにかしら確実に、光を遮るものがある。

 ちぎくんは、そういう舞台人なのだと思う。

 ただ小器用に造形を真似ているのではなくて。
 かといって、リアルに生々しく存在しているのではなくて。

 実体を持たないのに、影が出来る。
 これが妖精の仕業でなくて、なんだというの。

 不思議な魅力と能力を持つ人だ。

 剣心というマンガのキャラクタを、絵柄だけではなく空気感まで写し取って演じながらも、きちんと「タカラヅカ」であり、かつ「早霧せいな」である、ということに、心から感動した。
 すごいよな。

 『るろ剣』のタカラヅカ舞台化は、ほんとうにちぎくんあってのものだし、今の雪組はちぎくんあってのものだと思う。
 面白いよね。今の雪組も、そしてちぎくんも。
 面白いから人が集まり、求められるんだ。ちぎくんを真ん中にすることで、今までにないタカラヅカと雪組が出来上がっている。


 薫@みゆちゃんは、ハマり役。

 ぶっちゃけ原作の薫って、ヤな女だよね?(笑) 「女の子」というイキモノの、嫌な部分、醜い部分をこれでもかと持っている。
 またそれを、正当化したり被害者ぶったりして押し付けてくるところがちょームカつく。ほんとうざいわこの女。お荷物とご都合主義の権化め。……てのが、原作の薫観。や、わたしの、個人的な。

 ヅカの薫もちゃんと薫っぽくて、ひとりよがりで、ナチュラルにマウントにパワハラ、女の武器使用とパーフェクトにひどい言動を取り、その上しっかり拉致られてお荷物、と抜かりない(笑)。
 気にくわないことがあると「嫌なら出ていけ」とか、人として「ソレ言っちゃおしまいよ」てなことを感情のままにわめき散らす。
 腹が立つと見境なく相手を傷つける、というのは致命的な欠陥だと思うんだが。しかも、相手が絶対に逆らえないことを楯にとって、極刑を言い渡すって、「乙女心は繊細なの」では言い訳にならないわ。二言目には「口答えする者は全員退学だ!」とか「全員クビだ!」と言う悪役校長とか経営者と同じじゃん。

 薫がほんとひどくて、「ああ、すごく薫っぽいわー」と感心した。

 で、みゆちゃんのナニがすごいかって、薫はちゃんと原作っぽい嫌な言動を取っているのに、それでもみゆちゃんが演じていると、「かわいい」ってこと。

 ソレ言っちゃいますか、とドン引きする台詞も、「あー、つい言っちゃったんだねえ、仕方ないねえ」と思わせてくれる。

 たぶん、原作の薫もこうなんだろうな。
 いろいろ無神経だし、ただのお荷物でしかないんだけど、それも全部まるっと許せちゃう存在なんだろう。
 剣心にとってのやすらぎ、光であるんだろう……と、原作はがんばって想像して読んでたなあ。構成上位置づけはわかるけど、どうにも苛つくキャラだ、と思いながら(笑)。

 その、共感出来ないけど、こう受けるべきなんだろうと努力して想像していた部分を、実際に体現して見せてくれたのよ、みゆちゃん。

 薫って、こうなのか! と。

 ひどいけど、かわいいわー。
 そして、ひどいことを言っていることについて、薫自身もちゃんと筋が通っているというか、その言動になる道筋が見える感じ。
 薫に感情移入できるから、彼女のおかしな言動がいじらしいものになるの。

 いやあ、この薫殿かわいいわー。好きだわー。

 しかしみゆちゃん、声が相当やばい。ヒステリックに怒鳴りまくる役だからなあ……(薫のそーゆーとこが嫌)、タカラヅカの娘役にはあまりない役割りだよね……。そりゃ喉の負担大きいわ。
 銀橋ソロの歌い上げ部分が、メロディ変更して乗り切るようになってしまった。あの高音好きだったから残念。
 『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の加納さん@だいもんについて、もう一度書くと内容が重複するので、第2章に書いた分を貼り付けてみる。
 (第2章ではSSありきの文章なので、そのあたりだけ加筆)

 加納さんが残念なところ。

・恋愛ひとり相撲 ←「朱音太夫に裏切られた」ってアンタ、最初から相手にされてなかったやん……。
・友だちいない、ぼっち体質 ←いろんな人に「仲間になれ」と口説いて即拒否られる。仲間にも簡単に裏切られる。どんだけ人望ナイんや……。
・美的感覚変 ←たぬき顔の垢抜けない女子高生を「妖艶な絶世の美女」と認識する感覚はいかがなものか。どう考えても朱音太夫=薫殿はナイやろ。
・なにがしたいのかわからない ←突っ込むのも面倒なくらい、すべてにおいてわけわかんない。

 いちばんの問題は、加納の物語に、薫を無理に絡めたことだと思う。
 朱音太夫@桃ひながタイプってことは、かわいい系ではなく美人系(影アリ)が好みなんでしょ? 加納の美意識からいって、たぬき少女はまったくのテリトリー外だと思う。
 や、薫殿@みゆちゃんかわいいけど。きれいだと思うけど。きれいの質がチガウ。チガウからこそ、剣心@ちぎくんは薫に惹かれたわけで。でも加納はそうじゃないだろ。

 加納の言動はぶれぶれで意味わかんない。
 一から書き直すのがいちばんだけど、そうではなく、今あるままぶれまくる言動を、今あるストーリーの中で補正する方法、それは。

 加納の執着相手を、剣心のみにする。

 そしたらまだ、残念度が下がる。
 今のなにがしたいのかわからない、ぶれぶれ言動に、「剣心」という軸が出来るから。

 てことで、加納の視界に薫は一切入ってないとすれば、ほーら、きれいに展開するわ~~。

 プチ・ガルニエにて、加納がパリ万博の話を薫にするのは、剣心をやきもきさせるため。加納が薫に絡むのはそこだけ。
 剣心とふたりだけで話す場面のあと、加納は剣心に朱音太夫の打掛を見せるの。
 薫に対して話した台詞を全部剣心に話す。
 芥子の花の打掛が似合うのは、剣心しかいないっしょ?
 健康優良剣道女子高生ではなく、「人斬り」と冠される宿命の美剣士にこそ、イメージを重ねるべきよね? 赤い花に赤い髪をイメージするよね?
 蜘蛛の巣入りのワインが効いて気を失った剣心を抱きかかえ、加納が不敵に笑うのよ。

 で、他の場面はそのまま、剣心抜きで進む。剣心いなくても問題ないよね。左之助たちが蜘蛛の巣探ししてて、来賓のみなさんがアヘンであははうふふしてて、観柳がガトガトガト歌って。

 クライマックスだけ変更。
 打掛を着て磔になった剣心と、その剣心に絡みつく加納。
 加納さん美声披露よろしく。歌いながらエロエロ全開に。

 そこへ剣心救出に現れるのが薫殿。
 人斬り抜刀斎に戻れと言う加納と、るろうに剣心であれと言う薫の、「彼の愛は私のモノ☆歌バトル」はそのまま。
 磔剣心はそこから離れて、打掛引きずったまま影とか巴とかと戯れたり戦ったり。あら美しい。

 さらに、乱入してくる蒼紫+お庭番衆。
 剣心に執着しているのは加納だけじゃない、「最強」を求める蒼紫@れいこもそうだ。
 左之助@大ちゃんたちも登場。

 もっとも派手な祭りは、クライマックスでやろう。

 蒼紫や斎藤@咲ちゃんたちの見せ場が「前座」ての、つまんないもん。
 クライマックスにどーんとやる。

 影を倒し、過去の自分に打ち勝った剣心はその足で蒼紫に勝利。
 そっから加納との一騎打ちへ。
 
 あとは同じ。蒼紫たちは警官が駆けつけるタイミングで消える。


 薫を無理に「ふたりの男に争われるヒロイン」にする必要ない。ヒロインってのは、主人公に愛されている、彼の心が向かっている、という事実だけで十分ヒロインたり得る。
 加納に口説かせるヒマがあったら、剣心と薫のラヴい場面をひとつでも描いておけっつー話だ。

 剣心争奪戦でいいじゃん。薫じゃなくて。


 加納さんが残念過ぎて。
 そして、そのわけわかんない残念な人を、だいもんが力尽くで持ち上げ踏みとどまらせ、厚みを持たせている様が、愛しくて(笑)。
 がんばれー(笑)。
 『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の構成の悪さは、どうにかならんもんか。

 1幕はストーリーほとんどナシ。やっていることは、原作キャラの登場人物紹介。1幕後半ですべてのキャラが顔合わせして、さあ、物語がはじまるぞ……と、やったかと思うと。
 2幕全部使って、数時間の話。
 ぽかーん。
 プチ・ガルニエに来ました、どたばたして、その日のうちに終了しました。
 えーと、夕食に招かれて(6時くらい?)、薫@みゆちゃんが「そろそろ帰る」と言うくらいだからまだ深夜にもなってないあたりで話の真ん中へん(8時くらい?)、そっからさらに経ったとして数時間? 加納@だいもんの最期がキリよく真夜中(12時?)として、せいぜい6時間くらいのこと?
 ラストは無理矢理朝になってそうだから、がんばって一晩? 加納の最期は明け方?

 作中で時間経過があればいい作品だと言うつもりはまったくないが、1幕ののんべんだらり展開と違いすぎて。
 いろいろストーリーが進んだ上で、いろんな計画が立てられた上での敵の本拠地での大決戦!なら、ひとつの場面だけで2幕まるまる使うのもアリかもしんないけど。
 それまでなーんにもなくて、プチ・ガルニエへ行って、そこからすべてはじめて、たまたま偶然で、なりゆきで、ラストまで、って。
 杜撰過ぎるわー。

 悪役を観柳@翔くんと加納とふたりにしたために、話の軸がズレてしまっているのがいちばんの問題。
 拝金主義の観柳と差別化するために、加納には「維新を起こす」という、別の理由付けが必要になった。
 だが、加納の言う「維新」がなんなのかは、語られない。
 元新選組隊士だが、新選組時代にあったのはただの権力欲、思想も理想もナニもないゲス男。明治になって実業家として成功し、金と権力を得た……それ以上のビジョンがあるように見えない。現政府を批判するが、ナニをしたいのか、どうしたいのかは言及ナシ。
 それだけでも十分「はあ? ナニ言ってんのこの人?」なのに。
 その「維新」を起こす方法まで、意味不明。
 「蜘蛛の巣」という強力な阿片を使うといっても。
 どう使うの?
 清のアヘン戦争は例にならないよね? 別次元過ぎる。
 単に「幕末」「アヘン戦争」「清の敗北」→「アヘンこわい」というイメージしか扱っていない気がする。
 強力な麻薬を手に入れただけで国盗りが出来るなら、世のお金持ちやヤクザ組織は誰でも国家転覆出来る、ということになる。
 加納にあるのは「蜘蛛の巣」という二十包のアヘンとお金のみで、他には組織も仲間もナニひとつない。国家転覆を狙うなら最低限の組織は必要なのでは?
 セバスチャン@がおりや、館の使用人は、組織ではないでしょう……比留間組以下の手下にすぎない……。

 まだすべてがこれから、剣心@ちぎくんを口説いたように、今から仲間を集めて悪の組織を結成するのかな。気の長い話だなー。
 だとしても、左之助@大ちゃんたちが自由に歩き回れるくらい、警備ゆるゆるの秘密基地はどうなの。左之助たちは一般人だからノーマークだったとしても、斎藤@咲ちゃんは警官だし元新選組だし、加納なら警戒すべき相手だと思うのに、それもスルーだし。

 たとえすべてがこれからなのだとしても、本当に維新を計画しているなら、もっと緊張感を持っているはず。
 それすらないため、加納の語る野望はますます薄っぺらく、意味不明になっている。


 悪役の加納の方も、まだなんの準備もしていない、ゆるゆる状態。
 それに対する、正義の主人公、剣心たちもまた、なんの気合いも準備もない。
 剣心たちがプチ・ガルニエに来たのは「偶然」。そこで恵@せしこが観柳や加納を見つけ、「蜘蛛の巣」試作品は加納の手にあると推察。やばい薬だから取り返そうと館の中を探る。という、行き当たりばったりの「なりゆき」任せの行動。
 そこで「偶然」加納が政府高官たちを「蜘蛛の巣」漬けにしようとしていることを知り、加納の手下たちと闘うことになった。
 ……って、ナニもかも「偶然」と「なりゆき」。
 偶然、なりゆき、たまたま、で、野望潰える加納さん可哀想(笑)。

 悪事の「計画」をしようかなと考えている、だけでまだ取り立ててナニもしていない「自称革命家」を、なんも知らないし考えてなかったけど、たまたま偶然なりゆきで見つけたからやっつける、正義のヒーロー戦隊。
 ……って、かっこいいか? 盛り上がるか?
 せっかく2時間尺があるのに、1時間は人物紹介、残り1時間で「陰謀未満」の計画予定を「たまたま偶然なりゆき」で潰すって、そりゃあっという間だよね、ナニも起こらないし出来ないよね。

 ほんっと、イケコってストーリー作るのヘタだなあ。
 『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』は、所詮、よくあるイケコの「イケコオリジナル」ってヤツである。

 主人公には仲間がわちゃわちゃいて、エコでNPOで、敵は表向きいい人ぶって登場して主人公口説いて、おかしな機械とかツールを使って世界征服を企んでるの。
 主人公が赤面台詞でヒロインを口説くのと、悪役が爆笑必須のおかしな野望ソングを歌うとこまでセットよね。

 と、書きながら、脳裏にあるのは『MIND TRAVELLER』と『アデュー・マルセイユ』ですがナニか?(笑)

 以前の花組はほんとイケコ率高くて……イケコの「オリジナル」率が高くてねー……泣けてくるわ。
 そして雪組2番手のだいもん氏は、花組のびっくりイケコ作品に出まくってきた人でねー。
 彼は入団以後の花組イケコ芝居作品はコンプリートしてるよね。
 でもって、微妙なポジションの彼が、通常より必ずいい扱いになるのがイケコ作品……イケコ、だいもんお気に入りだよね……その甲斐あってか、世界征服を歌う悪役を、すでに2回もやっている。
 だいもんというとベネディクト@『オーシャンズ11』が有名だけど、この役の元キャラ……イケコの原点らしい『蒼いくちづけ』で同じ役をやってるもんよ。
 だからだいもん、今回で同じ役やるの、3回目だね(笑)。
 …………イケコめ。

 イケコのいつもの作品なのに、今回はいつもにも増してつまらなくなっている。
 イケコオリジナルって、駄作だけどとりあえず派手! だから、需要はある作風だと思うのに。
 その派手さが甘い。薄い。

 原作モノであり、マンガのキャラクタに気を遣った結果である、ということが原因の一部……というか、遠因だとは思っている。
 だが、いちばんの理由は別だ。

 イケコオリジナルの醍醐味、トンデモの象徴。

 「世界征服を歌う悪役」が、ふたつのキャラに分かれたこと。

 加納惣三郎と武田観柳。
 「悪役」がふたりになってしまったため、すべてがボケてしまった。

 イケコオリジナルの構図はシンプルだ。主人公がいて、悪役がいる。悪役は全方向に悪くて、主人公だけが個人的に憎しみを向けているわけではない。子ども向けヒーロー番組と同じ。とにかく、悪役は悪い奴なので、天誅を与えるのだ。
 主人公には恋人や仲間がいて、悪役にも悪の組織やら幹部たちがいる。グループごとにわいわいやって、最後は主人公と悪役の一騎打ち。
 正義が勝って大団円。

 単純な軸なのに、それでも盛り上がるのは、道具立てが派手だから。
 悪役はなにかしらおかしなツールを使って変人ぶり、ぶっとびぶりをアピール。
 海馬の帝王もそうだし、『薔薇の封印』の装置もそうだよね。観ているモノがぽかーんとなるような、とびきりアホアホなことをおっぱじめる。
 他のナニを忘れても、公演に出てきたイタ過ぎるツールだのワードだけでは、いつまでも忘れられなくなったりする。
 悪役がアホであればあるほど、作品が派手になるんだ。観客が「ぽかーん……」になればなるほど、ドラマチックが加速するんだ。

 なのに、『るろ剣』では、このシンプルな物語で、悪役がふたりになっている。

 つまり、悪役のトンデモ度が下がっている。

 イケコのいつもの悪役ならば、観柳ひとりで十分だ。
 彼に世界征服ソングを歌わせて、とびきりアホアホに、とびきりトンデモなく、派手なことを歌い踊らせばいい。

 そうなのよ。
 はっきり言ってしまうと、加納惣三郎いらない。ってことなのよ。

 いらないキャラが、「2番手です」って出て来て尺を取るから、話はより破綻するし面白くないし地味になっているのよ。

 なんでこんなことになっているんだろう。
 観柳が悪役では、何故いけなかったのか。

 タカラヅカには恋愛要素が必要だから、ヒロインの薫を口説かせるためにオリキャラが必要だった。
 ここまではわかる。
 原作キャラに、原作にない恋愛はさせてはならない。

 だから制作発表時にイケコが語っていたことまでは、疑問なく受け止められる。

 だがしかし。

 実際に出来上がったモノを見てみると。

 加納惣三郎、恋愛してない。

 別に彼、薫に恋してない。
 たしかに薫を誘拐したり口説いたりしてるけど……別に、薫本人を愛しているわけでは、まったくないよね。
 脳内で無理矢理別の女と重ねているだけで(しかも、キツネ顔美女にたぬきかわいこちゃんを重ねるとか、あり得なさすぎ)、恋愛とは別事情。

 えーと、これぐらいなら、観柳でもよくね?
 薫誘拐して、ゲス笑いしてりゃいいじゃん。ゲス野郎だから、ガキに興味ナイ言いながら、薫にちょっとエロい絡み方すれば、それでコトは済むじゃん。

 観柳@だいもんで、悪役にして。
 ガトガト言ったり、阿片アヘンとやらしく歌ったり、いくらでもいつものイケコ悪役としてキャラ立ち出来る。

 そりゃ美形キャラにはならないけど……ジェンヌがやる以上美形なのは当然だし、「さすがタカラヅカ、観柳すら美形だわ」で済むのに。実際翔くんがめっちゃ美形観柳やってるし。
 だいもんも絶対とことんゲスに観柳作ってみせると思うわ。つか、やりすぎなくらい、やっちゃうと思うわ。そこまでやったらアナタ、二枚目男役スターとしての根幹が危うくなるわよ?!と外野がびびるくらい、やると思うわ(笑)。

 なんで観柳はダメだったんだろう……。
 そして、なんでわざわざ加納惣三郎なんていらんキャラをでっちあげてまで、いつものイケコ作品を壊してまで、観柳を悪役の座に着けなかったんだろう。
 加納惣三郎を出すなら、マジで「前髪の惣三郎」@司馬遼太郎やればよかったのに。日本人の多くは加納惣三郎と聞けば司馬遼思い出すよね? ヅカヲタだって『誠の群像』を思い出すし。
 ただ名前を借りてきただけのへんな人、なんて、作る意味あるのか……?

 だいもんに、美形役をさせたかった。
 ……それ以外の答えを思いつかないんだけど、小池せんせ、どうなの?(笑)
 なんやかんやで、『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』6回目です。
 今日は下手前方席! 生徒さんに目線もらうぜ!と、下心満々で行きました(笑)。

 いちばんかまってくれたのが叶くん!!
 何度も目線くれて、音がしそうなウインクくれた!!
 うっきゃ~~!!

 心臓どきどき、おばちゃん、若返ったわー。ありがとう叶くん。
 近く(というか、ほぼ真下・笑)で観る叶くんの美しいこと……目が大きくてこぼれそうだ。
 聞こえてくるナマ声が艶っぽくてな……。
 ありがとう、叶くん。

 それから、うきちゃんにウインクもらった!
 狙い撃ちされた。うわーうわーうわー。
 うきちゃんは見つめていると必ずウインクくれるよね、あざーっす。

 うきちゃんのあの美貌、色っぽさ、そしてキュートさ……。
 持ち味は出過ぎず奥ゆかしいのに、サービス精神旺盛だよね。はー、天にも昇る心地ですわ。
 ありがとう、うきちゃん。


 前方たけのこ席は、嫌う人も多いけど、わたしは大好物です。その昔、梅田プレイガイドでチケット売ってた頃から、坐れるものなら坐りたい席。
 全体を観たいときは、後方席に坐るから、前方席のときは、そこからしか見えない視界を楽しみたい。

 ……しかし、噂の客席降りは一瞬だったわ。
 キョロキョロしているうちに終わってしまった(笑)。


 そうそう、立見も1回したんだけど、立見オイシイね!

 とにかくこの公演盛況で、立見もすごい人数。
 3列ぐらいになってたりするけど、リピーターのわたしはわりとゆるくのんきに観劇していたわけだ。
 それほど舞台にかじりついているわけでもなく、注目ポイントはしっかりオペラグラス使って、それ以外は全体眺めて。

 んで、物語に集中していると、客席降りがあることなんか忘れているわけよ。
 2幕後半になって、舞台の上に主役格以外全員集合、そっからどたばたと銀橋へ出て来て……うわー、降りて来たーー!!

 あの、画面が近づいてくる感覚すごい。

 テレビを見ているような感じで、すごく他人事に眺めていたの。
 なのに、不意にテレビの中の人が、こっちへ向かってやって来るのよ。テレビの中から、飛びだしてくるのよ。
 そんな「ありえねー!」感覚。

 しかもしかも、走ってくるのは蒼紫@れいことお庭番衆よ?

「うわーーっ!!」って声出た。

 マジで。
 意識してのことじゃない。
 人間、驚嘆したらマジに声出るんだ。

 わたしだけじゃない。
 立見ゾーンの狂乱っぷり、すごいよ?

 蒼紫たちが走ってくるの観て、空気動いたもん。
 アイドル観て動揺する・悲鳴上げる女の子たちみたいに。

 悲鳴と歓声上がった。
 どよどよどよ……って、空気動いて、大雨みたいな拍手がぶわーーっと波状に盛り上がった。

 実際蒼紫たちが来るのは21列目通路までなんだけど。
 立見ゾーンまで来ないんだけど。
 そんなの関係なく、立見客大興奮。
 や、22列目から後ろの客席も、きっと同じように興奮して声出してるんだと思う。わたしがいたのが立見ゾーンだから、そこのことしかわかんないだけで。

 アレは声上がるわ……。

 そして、あのれいこたちが走ってきた瞬間の、感動。
 ちょっと忘れられそうにない。
 舞台作品というより、イベント、アトラクションとしての感動で、飛び道具扱いかもしんないけど。
 感動した……!
 舞台って、ナマのライブパフォーマンスって面白い。
 マンガやテレビしか知らない、たまたま『るろ剣』のタイトルに惹かれてやって来た人に、伝わったと思う。
 体験する、という感動。

 21列目通路で、蒼紫とお庭番衆がキメポーズするんだけど、これがもお、かっこよくて……。1

 なんかねー、涙出たよ。

 かっこいい。
 すごい。

 そんなだけのことで、胸がどきどきして、泣けてくる。
 感動って、いろんな種類があるよね。
 『星逢一夜』みたいな繊細な物語を観て涙するのも感動のひとつのカタチだし、テーマパークのアトラクションみたいなわくわくどきどきも、まちがいなく感動のひとつ。
 どちらも味わえる、タカラヅカってすごい。

 いろんな視界があって、いろんな味わい方があって。
 楽しいなあ、『るろ剣』。楽しいなあ、タカラヅカ。

 『星逢一夜』がチケット足りなくて、でも途中からでは人気でチケット手に入らなくて、「観たいのに観られない」という事態になったため、今回すっげがんばってチケ取りして。
 初日を観て、「こんなにチケット取らなければよかった……」って肩を落としたんだけど。
 んなたぁーなかったっ!

 雪組楽しい。
 ぜんぜん通える!
 ところで、新人公演『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』には、あすくんも出演しています。
雪組 宝塚大劇場公演 休演者及び復帰のお知らせ(追)
2016/02/22
雪組 宝塚大劇場公演『るろうに剣心』の休演者をお知らせいたします。   
雪組
汐聖 風美

※怪我の為、2月22日(月)13時公演より休演いたします。
なお、復帰時期につきましては、現在のところ未定となっております。
※2月23日(火)の新人公演も休演いたします。

■新人公演代役
火男役・・・久城 あす

※また、休演いたしておりました星加 梨杏、眞ノ宮 るいは、2月22日(月)13時公演より復帰いたします。
 新公学年以外が新公に出るのはめずらしいよね。
 でも今回は仕方ない。休演者続出なんだもの。火男役の汐聖くんの代役を立てる時間もないし、代役のために玉突き配役変更をして、せっかく本来の役のためにお稽古してきた努力をなしにするのもおかしい。

 お庭番衆は台詞はほとんどなく、ダンスと立ち居だけなので、上級生が混ざることで悪目立ちすることはない。
 本役と複数の代役に絡む役と新公のお稽古って、あすくんの負担の大きさには想像すると目眩がするけど、あすくんなら大丈夫! と思わせてくれるのが、あすくんのすごいとこだよなー。

 そして実際、目立ち過ぎることなくしっかりと、役目を果たしてくれた。
 蒼紫@縣くんも自爆気味だし、お庭番衆には休演開けの子もいるし、大変だったと思うけど。
 あすくんがいてくれてよかった……!


 恵@くらっちは、前回に引き続きせしこの役。
 前回はすごくよかったんだけど、今回はそれほどでもなかったニャ。
 休演でお稽古時間が足りなかったのかもしれないし、原作に似せなくてはならない今回のぬかるみに脚を取られたせいかもしれない。
 銀橋の歌、けっこうムズカシイのかな。期待したほどでもなかったなー。
 やっぱくらっちは歌のある役で観たい。


 左之助@まちくんは、持ち味に合った役。長身でハンサムで、明るくて。
 持ち味だけでイケる役だからからこそ、なんかひとつ、ばーーんとカマして欲しかったんだが、それは特に感じられず。
 まあ、左之助ってただいるだけで役目もないし、見せ場は自己紹介だけで、やりようのない役かもしんないけどさー。


 剣心の影@鳳華くんは、まずなにより代役の印象が強くて。式尉役で顔おぼえたわ。隈取りの似合う顔立ち(笑)よね。
 加納の影をやってて、式尉の代役で、新公が剣心の影って、本気でダンサーなんだろうな。
 お稽古時間が少なかったと思うけど、遜色なく務めていた印象。

 代役といえば妙@羽織ちゃんも、本公演を務めたあとならもう余裕よね、問題ないよね。
 ただ新公は、妙さんの見せ場が本公演以上にがちゃがちゃしているので、やっぱりセンターとしてドヤれてはいなかったような。
 相方の燕ちゃん@ひまりちゃんも、あまりビジュアルで牽引出来てなかったので、どたばたしたまま終わっちゃったかなあ。


 叶くんはうまくて濃い。さやか&がおりの役で、どちらも美形役ではない……タカラヅカ的に不細工なおじさんの役。
 叶くん美形なのにどうしてこういう役ばっかになるんだろうなあ。
 うまくてガタイのいい立役タイプだから、小柄美形の多い雪組ではこうなっちゃうのか。
 マジに二枚目役、路線役が観てみたいよ……。このまま新公卒業は切ない。まだ研5、どうかこの先彼にもチャンスがめぐってきますように……って、研5でおっさん役総ナメ出来る実力者だから、美少年出来るよりすごい、てなもんなんだけど。
 叶くんは歌もうまいのになあ……。いろいろと朝風パイセンとかぶるわ。同じ道を歩いている感じ?

 はっちさんのまからくんは、もうこの路線決定かな。彼に美形役が付いたのは『ルパン三世』新公のみ。
 たしかにあの役はハマってなかったけど、もう少し美形役の修行もさせてあげるべきじゃあ……?
 相変わらずがっつりうまい。安心。


 せっかく役が多くて舞台上にいる人数が多いのに、いやだからこそわたしの目とアタマでは追い切れなかった。それがくやしい。
 新公が3日くらいあればなー。もっといろんな子を観られるのにな。

 今回の新公も楽しかったっす。
 新人公演『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』感想続き。

 あ、ちなみに新公演出は田渕先生でした。
 次の『ローマの休日』が田渕せんせだから、演出家が続くと双方やりやすいのかな。


 1本モノの新公は、短縮版なので番手が変わる場合がある。
 いや、公式に「2番手役は本来なら〇〇役ですが、新人公演では**役です」とアナウンスがあるわけじゃない。
 あくまでも、2番手役は2番手役。
 でも。
 『ロミジュリ』が2番手マーキューシオの出番を大幅カット、3番手のベンヴォーリオは見せ場そのままでより大きな役に見えたように、カットによって比重が変わることがある。

 『るろ剣』の役の番手は、剣心、加納、斎藤、観柳、蒼紫、左之助の順だと思うけど、新公ではこの順番には見えなかった。

 剣心、加納は変わらないけど……その下。

 3番手って、がおりの役だよね?

 前の欄で語ったけれど、この公演は通常の「タカラヅカ」じゃない。
 原作再現度最優先、それが足りない人はどんなに他が出来ていても割り引かれる。
 だから全員不利なんだ。

 主役の剣心@ひとこは本公演でも剣心の影だし、もともと出来上がったスターさんだから問題なく剣心として真ん中に立てる。
 加納@すわっちは、オリキャラだから大丈夫。

 だが、他の人たちはまず外見でマイナス地点からのスタート。唯一左之助@まちくんはビジュアルもOKだけど、そもそも出番少ないし、「原作の人気キャラの顔見せ」以外に仕事がない。

 そんな風に番手付き役のみなさんがぬかるみに脚を取られてもがいているなか、ひとりぽーんと華麗にステップを踏んで跳躍しているキャラクタがいる。

 セバスチャン@星加梨杏くん。

 もともと美形ゆえに、モブにいても人の口に上がる子だ。その美貌武器の星加くんがだ、踊って歌うおフランス人をやってます。

 オリキャラです。
 つまり、外見を原作に似せるという作業をしなくていい。ぬかるみに入ることなく、その上の橋を堂々と渡っていけるの。

 がおりさんはヒゲダルマの比留間弟との二役だけど、星加くんはセバスチャンのみ。
 がおりは不細工厳ついキャラとカマっぽいフランス人ダンス教師との二役のギャップを楽しむ、のがファンサービス的な配役だった。がおりの立場とキャラ的に最適な使われ方。
 でも星加くんの場合、不細工は別の人に任せて、単独でおフランス。

 すなわち、本気で、美形勝負してイイ。

 がおりさんは本人のキャラもあってお笑い風味が強かったけれど、星加くんはふつーに美形で、観客的にもノーマークの美形が突然ソロで歌い出して「ナニゴト?!」だった。

 ポスターキャラをマークして、セバスチャンなんて取り立ててマークしないじゃん、ふつう……。

 いろいろカットされて、原作キャラ補正なしでイケコオリジナル『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』を観ると、オイシイのはセバスチャンなんだ。
 イケコが原作キャラ使い切れてなくて、話を動かす部分を全部、オリキャラの加納とセバスチャンに任せちゃってた結果なんだけどね。
 新公だと、それがより明らかになった。

 そして星加くんが、よくやってた。

 100期研2なんだね。でも、大劇場センターでソロ歌って芝居して、くるくる踊ってたよ。
 すげえ。

 変な格好もさせられてない、「タカラヅカの男役」としてふつうにきれいな姿。髪型、衣装。
 今まで培ったモノだけで勝負出来る。

 おかげでもお、セバスチャンが後半一気に持って行った感じ。

 めぐり合わせってあるよなあ。
 星加くん、いい役にいいタイミングで出会えたね。
 そして、よくぞモノにしたね。

 『るろ剣』新公観た人は、きっと星加くんをおぼえて帰ったと思う。

 星加くんは本公では観柳の部下とかやってますよ、最初に出て来るお付きみたいな美形ふたりのうちの片割れですよ、と新公の帰り道で友人に語ってみたりな(笑)。

 縣くんみたいな大型新人もいて、星加くんみたいな子までいるんだ。
 次代の雪組安泰だな。
 新人公演『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』感想あれこれ、続き。


 蒼紫@縣くん。
 期待したよね、研1の縣くんに。なにしろ彼、デビュー鮮烈、研1らしからぬビジュアルと舞台度胸だから。
 『La Esmeralda』の本公で少人数場面に抜擢され、「何年も前からスターですがナニか?」って感じに踊っていたし、全ツでもさらに見せ場与えられて、それに見事に応えてたよね。

 わたし的には、文化祭のお芝居で、だいもんの文化祭を思い出す感じだったので注目度高い。クラシカルな二枚目で、ちょい頭大きめな感じがどうも、わたしの中でイコールになるみたいで(笑)。

 その期待の新人が、『るろ剣』というお祭り公演の新公で抜擢された! しかも蒼紫役。ビジュアルいちばんの派手でオイシイ、儲け役だ。
 劇団、どんだけ彼に期待してんの? どんだけ彼を育てたいと思ってんの? そして彼は、その期待に応えられるの? ……応えるよね、なにしろ今までの舞台姿が研1とは思えない出来だから!

 蒼紫の出番を待ちかねて、登場した途端、ざっと客席でオペラグラスが上がる……のは本役と同じ。
 しかし。

 本役さんとは……チガウ、よ、ね。

 蒼紫の衣装を着て登場したのは、丸顔のオンナノコだった。

 あっれ~~??

 縣くんといえばビジュアルの良さでまず人の口に上がる子なわけで。
 研1なのにもう「男役」にみえる、オンナノコの男装じゃない、というのがウリのひとつ。実際、本公演ではオンナノコっぽくはない。

 なのに何故こんなことに??

 蒼紫の衣装なのに、髪型だってがんばっているのに、それだけ見れば男なのに、顔を見るとオンナノコだった。

 不思議だ。
 ちょんまげ姿で男役なのに、ビジュアル系でオンナノコになるって、ナニゴト……。

 や、日本人のハタチそこそこの女の子連れてきて、ちょんまげとアニメ的な美形キャラウィッグ、両方被せてみて、「男に見える」のがどちらか、考えるまでもないよね?
 ちょんまげはそれだけでプゲラになっちゃうけど、黒髪つんつん前髪ばっさー、のビジュアル系カツラだとふつーの子でもかっこよく見えるよね。素人のアニメコスプレ見たって瞭然じゃないですか。
 カツラでなくても、顔のラインが全部出る場合と、半分隠すのでは、隠す方が美形に作りやすいのよ。

 作りやすい、と思えるからこそ、みんな期待したんだと思う。
 もともと男役度高くて若くて美形な子なら、かっこいい蒼紫を作ってくれるって。
 まさか、オンナノコになってしまうとは……。

 「タカラヅカ」奥深い。男役難しい。

 縣くんはいろいろとボロボロで、言うならば学年相応でした。

 たぶん、ナニも知らない人が見たら「蒼紫役ナニ? まず男役に見えないし、ヘタだし」、だろうなあ。そして、「なんであんな子が蒼紫やってんの? え? 研1……? ええっ、研1なの? ……あー、それじゃ、仕方ないか……」てな感じで納得するんだろうな。

 研1なら、仕方ない。
 舞台踏んで1年未満の素人。通常なら、役以前に上級生に付いて、舞台の外でお手伝いをしつつイロハを学んでいるところ。
 できなくても不思議はない。

 ただ縣くんは「出来る」と思われちゃってたわけだな。わたしにもだし、なにより、劇団に。
 それでこの抜擢と……この、現実。

 そうか、まだ無理だったか……いきなり蒼紫役は無茶振りだったか……。
 そうだよな、ふつーの「タカラヅカ」じゃなく、原作再現度最優先っていう、イレギュラー公演の新公だもんな。
 いっそオリキャラの加納の方がやりやすかったかもしれん。「蒼紫とは」というところに足を引っ張られない分。

 縣くんって、まだ研1だったんだね。
 ふつーに研1だったんだね。

 それでも、縣くんが期待の新人なのは変わらない。
 研1らしからぬ大物っぽさを醸しつつ、どうかこのまま進んで欲しい。育って欲しい。

 そーいや貸切公演の幕間抽選のアシスタントが縣くんだったことがあって、自己紹介で彼は、
「愛称は、『アガタくん』です」
と、自分で言って、客席をなまぬるく笑わせていた。

 そうか……愛称「アガタくん」なのか……(笑)。

 「特技はデジタルイラストを描くこと」と、これまた個性的だし。
 単にPCで絵を描くだけでなく、動かしたりも出来るらしい? なんかけっこう本格的に出来るみたいに聞こえた。まあ、出来ないとここでは言わないか。
 時代も変わったよな……マンガやイラストを描く生徒はいたけど、みんな手描きだったよな……さすが生まれたときからPCとネットのある世代はチガウわ……。

 これからもわくわく見守りますわ。
 新人公演『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』は見どころいっぱいだ。
 というのも、単純に役が多いから、興味や記憶にメリハリが付くのよね。
 多すぎて追いかけきれず、結局いつもと同じぐらいしか見ることもおぼえることも出来ていない、わたしの残念な海馬は置くとして(笑)。
 それでも、全方向にわくわくする公演であることは確か。


 主演の剣心@ひとこには、なんの不安もない。
 本公演で剣心の影を演じているから、ビジュアルもわかっているし。
 ビジュアルも良くて芝居も出来て、身体も良く動く。歌に至っては確実に本役さんよりうまい。

 こんだけ安心して観ていられるのに……それでもやっぱり「剣心」としてなにか足りてない、至っていない、と思うのはなんなんだろうね。
 よくこなしているひとこくんを見ながら、「ちぎくんってやっぱすごいんだな」と思う……不思議。

 そして、ひとこ主演舞台を観てみたいなあ、と思う。
 新公でなく、誰かのやった役でなく、ひとこオリジナルの役。
 彼が一からどんな役を創り上げるのか、観てみたい。


 薫@みちるちゃん。
 うーん? 前回の『星逢一夜』新公で、本役のみゆちゃんのコピーで、みちるちゃん本人が見えなかった。また、かなとくんやひとこくんは独自の芝居をしているのに、それでもみちるちゃんは本役と同じ芝居をしていて、けっこう「?」だった。
 今回は本役の弥彦がすげーいいから、期待してたんだけど……。
 期待が大きすぎたかなあ。
 またしても本役みゆちゃんの影がそのまま見えて、みちるちゃんの芝居がよくわからない。
 お手本のない芝居の方が得意な子なのかも。


 加納@すわっち。
 ……すまん、面白かった。加納ってやっぱ変な役だな、という証明みたいに思えた。
 だいもんがやってるから変なんじゃなくて、役自体おかしいんだよ……。
 つか、それでもだいもんはまだ美形キャラにしてるけど、きれいじゃない子がやるとただの「変な人」だよ……。
 や、言葉悪くてごめん、すわっち個人がきれいじゃないということではなく、この役割りにおける美しさの話ね。

 すわっちがうまいことは知ってた。今までの外箱観てればわかる、歌も芝居も出来る。
 だからこういう実力ある子が新公で番手役をもらうのはいい。銀橋ソロとか、是非経験させるべきだ。
 が、なんか強く、がおりの銀橋ソロ@新公『君を愛してる』を思い出した……。
 うまい。うまいんだけど。漂う「コレジャナイ感」はどうしたもんか……という、客席の困惑。

 なつかしいなあ、『君愛』。ああ、雪組万歳(笑)。


 斎藤@たわし……外見の違和感すごい。
 たわしくん本人はきれいだしうまい子なんだけど。ただ、斎藤一という役に限って言うと……きついなあ。ほんと外見命なんだ、この公演。
 本役さんすごい。


 観柳@たっちー。翔くんの役2回目? 前回は本役さんよりうまかったけれど……いや、今回もまた間違いなく容赦なく、技術は翔くんよりうまいのだけど。
 観柳って、脚本上にあるだけの情報では、ただのゲス男なのよね。原作がそうだってことなんだけど。
 でも、そのゲス男を「タカラヅカ」たらしめているものってひとえに「見た目の美しさ」なのであって。
 きれいじゃない観柳って、楽しめない……。
 翔くんも代役のまなはるも、まずナニをさておき「タカラヅカ」として「美形スター」だったからなあ。
 たっちーのビジュアルではちときつい。

 たっちーを「いい男」たらしめているものってなんつっても「声」だと思うのよ。昔から聴きやすいきれいな声だけど、学年が上がってさらに男役として「イイ声」になってきてるよね。
 観柳役って、その「イイ声」が封印されちゃうんだわ。ゲスく声を汚して喋るから。
 たっちーの芝居上手さが声にも現れていて、それゆえにさらにビジュアルが落ちた印象。
 そして、ビジュアルの低い観柳は、原作がどうあれ「タカラヅカ」としてつらい。
 だからほんと、『るろ剣』という演目が特殊なのよ。
 本役さんすごい。
 このサイト、テキストベタ打ちしか出来ないから、どうしても公式コピペがずれまくる……けど、それでも公式からコピペ!
雪組公演『ローマの休日』主な配役と役替わりについて
2016/02/25
雪組公演『ローマの休日』(中日劇場:6月14日~6月19日、赤坂ACTシアター:6月25日~7月10日、梅田芸術劇場メインホール:7月30日~8月15日)の主な配役と役替わり日程が決定いたしましたので、お知らせいたします。   
主な配役
主な配役   出演者
          役替わりA 役替わりB
ジョー・ブラドリー 早霧 せいな
アン王女       咲妃 みゆ
アービング・ラドビッチ 彩凪 翔 月城 かなと
マリオ・デ・ラーニ 月城 かなと 彩凪 翔 
役替わり日程
中日劇場公演
役替わりA・・・6月14日(火)~6月19日(日) ※全日程   
赤坂ACTシアター公演
役替わりA・・・6月25日(土)~7月10日(日) ※全日程   
梅田芸術劇場メインホール公演
役替わりB・・・7月30日(土)~8月8日(月)
役替わりA・・・8月10日(水)~8月15日(月)
 翔・れいこ役替わりキターーー!!

 雪組にも集客のための役替わりが!
 みりおくんの2回目の『Ernest in Love』並にひどい、れいこが2番手役をやるのは梅芸のみって。
 露骨に集客用役替わり。露骨すぎて劇団正直過ぎて、ウケちゃった(笑)。

 でも、集客のための企業努力はいいと思う。3都市公演なんて、役替わりでもなきゃキビシイでしょう、常識で考えて。
 飛ぶ鳥を落とす勢いだったかのちえねね率いる星組だって、博多中日2都市巡業『ノバ・ボサ・ノバ』で役替わりやってるし。
 外箱の役替わりは景気づけにアリだと思ってる。
 …………『睡れる月』でも役替わりしていればもう少しなんとかなったんじゃ、とか、思うよ……。や、雪組の3都市巡業公演というと思い出すニャ。大阪・東京・福岡の3都市をオリジナル日本物で回ったんだぜえ? 大阪はドラマシティだったけど、後ろ3分の1(もっとか?)空席でな……大阪でこの集客具合で博多まで、って劇団はナニ考えてんだろうとマジで首ひねったもんよ。や、作品はすげー良かったんだけど。
 雪組3都市公演で、今回はドラマシティじゃなくメインホールっすよ。
 そりゃ役替わりウエルカム!だわ。


 そしてやっぱ、ちぎくんの2番手をするれいこが見てみたいよなあ。
 タカラヅカには番手制度があるので、トップスター主演公演で、5番手が2番手役をすることは、まずあり得ないもの。

 えーと、番手誤魔化し中の「誰が何番手か不明」の組を除き、番手が決まっている組に置いての話ね。
 前述の星『ノバ・ボサ・ノバ』は、本公演からして役替わりてんこ盛りで、すずみん・ベニー・ともみん・マカゼの4人の番手が不明瞭なまま、とりあえずすずみん以外のメンバーが2番手役をやっている。当時のマカゼが5番手だったのか、すずみん・ともみんは別格だから飛ばして3番手と数えるのかわかんないし。

 4番手が2番手格の役をするもめずらしいけど、オサ様時代のらんとむさんなんかは、何度も2番手してたから、「めずらしい」止まりで「あり得ない」ではないと思う。
 ちぎくんの2番手をするれいこは見られないと思っていたから、短い役替わり期間でも、見ることが出来るのはうれしい。

 それにしてもマジ美形な並びだな……ちぎ・翔・れいこ……。
 ゼイタクすぎるわー。楽しみだわー。
宙組 宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演『エリザベート-愛と死の輪舞-』一部の配役決定
 主な配役
トート朝夏 まなと
エリザベート 実咲 凜音
フランツ・ヨーゼフ 真風 涼帆
ルキーニ 愛月 ひかる
ルドルフ 澄輝 さやと(役替り)
      蒼羽 りく(役替り)
      桜木 みなと(役替り)
※役替りの公演日程につきましては、後日発表いたします。
※その他の配役・新人公演配役は、決定次第ご案内いたします。
 え、マジに愛ちゃんルキーニでやるの? というのが、いちばんの感想でした。

 ルキーニは誰がやってもある程度格好が付く役なので、オトコマエの愛ちゃんがやるのもアリだろうけど、ここ最近の『エリザ』では最低限歌えて台詞を言えるルキーニばかりだったので、ビジュアル以外が不安要素てんこ盛りのルキーニにとまどってます。
 ワタルやあさこもやってたんだから、路線スターなら誰がやってもいいと思うよ……しかしこの歌唱力必須時代になってから、ワタルやあさこタイプのルキーニにするとか逆行してるなあ。
 や、ワタさんもあさこちゃんも、そののち実力も付けていったけれど、ルキーニやったころはいろいろと不自由な人たちでしたのよ。

 ふつーに上から順番の配役ですね。考えすぎることもない、そのまんまの。
 わたしはマカゼにルキーニやってほしかったけどなあ。番手の壁は如何ともしがたいし。その場合は専科さんに来てもらうしかないけど、マカゼを3番手に出来る専科さんってのも思い当たらないし。
 てゆーか、今の専科さんにフランツ出来る人がいないのね……。若いスター専科さんたちが増えたのに、歌唱力に秀でた人がいない……みっちゃんは専科としてすげー心強い人だったなあ、と改めて。

 シンプルな組内での配役。わたしはいろいろ考えすぎたけど(笑)、それがいちばん平和よね。

 ルドルフ役替わりはうれしいっす。
 や、わたしはじっくり芝居が深化する方が好きなので、安易な役替わりは好きじゃないけど、劇団推し以外の人にチャンスがあるのはうれしい。
 ぶっちゃけ、ここにあっきー入ったのがうれしい。あっきーがルドルフやるなんて、役替わり以外ではあり得ないから、この際役替わりうれしいってことで!(笑)

 劇団としてはずんちゃん推しなんだろうけど、ずんちゃんシングルではきびしいと判断したのかな。
 実力的にではなく、客入り的にかな……『Shakespeare』がもっと売れていれば役替わりは組まなかったかもなあ。

 『エリザ』スキーなので、なんやかんや言ったところで、楽しみです。
 新人公演『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』で、痛感したのは本役の偉大さ。
 や、そんなん、新公はすべてそうだろう、てな次元ではなくて。

 新公は本公演にあらず、そんなこと最初からわかって観ている。だから新公を手放しで誉めていたとしても、本公演がそれに劣ることなんてない、本公演がはるかに上なのは前提だから、いちいち持ち出すこともしない、というだけで。

 という、通常の「本公演と比べて新公云々」ではなくて。

 今回「本役は偉大だった」と思うのは、ただもうシンプルに、新公のビジュアルひどい、という、一点に尽きる。

 タカラジェンヌはみんなきれいだし、新人公演とはいえ大きな役が付く人たちは、みんな美しさと実力を学年相応には持っている。
 だから新公の舞台だってみんなきれい。
 ……なのが通常なのだけど、いや、それが通常であるからこそ、『るろ剣』はひどかった。

 今回の『るろ剣』は通常の公演とは違い、原作マンガのビジュアル、所作、雰囲気……それらを完璧にコピーしてはじめて「ビジュアルがいい」になる。
 素のジェンヌがどれだけきれいでも、歌やダンスが出来ても関係ない。「マンガのキャラとして美しい」かどうかが第一の基準。

 そして、イケコ作の宝塚歌劇『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』って……役者の原作再現度を楽しむ、という点が魅力の大部分だったのね……。
 ストーリーひどいしね……通常のタカラヅカでもないし……ただもう、キャラのビジュアル、ハマり具合を楽しむものだったんだね……。

 ということを、新公を観て思い知った。

 ただもうパッと見に「チガウ」というだけで、「『るろ剣』として、きれいじゃない」というだけで、テンション下がりまくる。
 これは、いかがなものか。

 タカラジェンヌとしての舞台価値より、「こんなこと(二次元キャラを体現する)も出来ちゃう、タカラヅカってすごい」という一点にのみ価値を置かれた公演。
 これっておかしいよなあ。タカラヅカってこうじゃないよなあ。

 ビジュアル重視の原作モノって、『銀河英雄伝説』もそうだったけど、あっちは小説だからビジュアルには自由度があった。
 マンガ化やアニメ化もされているのでビジュアルイメージはあったけれど、そのマンガやアニメも複数あって、それぞれ絵のタッチもキャラの顔も服も髪型も違っているのよ、正解は原作小説の中にしかなく、タカラヅカもまた「すでに山ほどあるビジュアルイメージのひとつ」でしかなかった。
 反対に、『るろ剣』はマンガ原作なので、ビジュアルが原作自体にある。それを再現することにポイントが置かれるのは仕方ない。

 仕方ないのだけど。
 それが出来ていない新公を観ると、『るろ剣』という公演自体に疑問がわく。
 マジでコレ、タカラヅカじゃないし、「タカラヅカ」にこんなの蔓延して欲しくないわ。
 今回はお祭り公演としても、「売れるから」と劇団が安易にこっち方面に行ったりしないことを祈る。

 とまあ、公演自体の意義を考えちゃうくらい、新公のビジュアルひどかった(笑)。本役の人たちってすごいのね……よくあんだけマンガまんまになれるよね……。

 や、新公キャストが出来てないのはあたりまえなの。本役の人たちより完璧に「キャラを再現」出来る子がいたら、本役で抜擢されてるわよ。通常のタカラヅカじゃなくて、ヅカファン以外にアピールするための公演だから、学年関係ないっしょ。
 誰も抜擢されていない時点でお察し、なのよ。

 マンガを再現出来ないから、といって、その生徒が美しくないわけでもないし、実力がないわけでもない。
 そりゃ出来た方がいいし、それだけの器用さを新公学年で備えていたら今後の大きな武器になるだろうけど。
 今現在、そんな器用さはいらんやろ。それより、「タカラヅカ」として美しい舞台を務められることに集中してくれる方がいいよ。

 だから、今回の新公はイレギュラーだと思う。
 コスプレ芸加点が基準点の何十倍もある新公なんて、おかしいわ。


 ということで、今回は新公感想はやたらといろんな人たちに「ビジュアルきっつー」と言うてますが、それは別にタカラジェンヌとして美しくないと言うてるわけやないっす。
 マンガ再現という、タカラヅカには別になくてもかまわないスキルについてのみ、なんで混同なきよう。
 タカラヅカの最大のヒット作が『ベルばら』であるわけだし、マンガ原作を否定するつもりはまったくないよ。マンガ好きだし、二次元を現実化出来る最高のカンパニーだと思っているし。
 トップスターや番手付きの人たちは、マンガだってゲームだって再現出来ちゃうスキルも持っているべきだと思う。表現力のひとつとして。
 ただ、新公でそれを常備している必要はないと思うってだけ。新公学年には、それよりもっと他に学ぶべきことがあるから。……もちろん、持っていてくれても、ぜんぜんかまわないし、そういう子はそういった武器を磨いて欲しいとも思うけど。

 主演のひとこには是非、ふつうの公演のふつうの主人公役で、ふつうに新公主演して欲しい。
 ルパンもものまね上手であることを第一に求められていてどうかと思ったけど、今回もまたそんな作品なんて気の毒過ぎる。
 ふつうの「タカラヅカ」で主演して欲しい。
 宙組で『エリザベート』が再演される。

 発表があったときは、……ごめん、ぜんぜんわくわくしなかった。
 みりおくんの花組『エリザベート』の記憶が新しいし、「え、またやるの?」「この間やったばっかじゃん」感が強い。
 さらに、「キャラが誰も合ってない……」という印象。
 加えて、「また組子モブかよ! 今の宙組に必要なのは大作じゃなくてアテ書き芝居とショーの二本立てだろう!」という思い。
 組子をモブにしてしまうと、次世代に響くんだよ。たか花時代に学ばなかったのか。……学ぶ劇団じゃないよな。

 でも、せっかくのアテ書き芝居とショーの二本立てである、『Shakespeare』『HOT EYES!!』の客入りを見て、「確かに、『エリザベート』は必要かもな」と思った。
 『Shakespeare』は良作なのに、「観てもらえない」のは切ない。
 まずは劇場へ足を運んでもらわなくては、意味がない。
 『王家に捧ぐ歌』とかヅカファンしか知らない大作ではなく、ヅカを観ない人にも興味を持たせる、ガチな大作で客を入れる。観てさえもらえれば、まぁみりに穴はないのだし、宙はビジュアル組なのだし、勢いが付くのではないか。
 てゆーか、ここでてこ入れして風を変えないとやばい。

 だから、『エリザベート』は必要。

 しかし。
 誰がどの役をやるの?
 トップとトップ娘役は決まっているから不問として。

 持ち味と役割りから、わたしはルキーニ@マカゼ希望。

 マカゼさん、うまくないけど。
 ルキーニなら、誤魔化せると思う。美貌とスター力で、なんとかなると思う。

 マカゼは入団当時から「未来のトップスター」として特別コースを歩んできた超路線スターだ。ルキーニやるのが自然。

 しかしマカゼ、2番手なんだよな……。

 ルキーニは3番手の役。フランツが2番手。
 だけど、ルキーニは花形役、フランツは辛抱役。『エリザ』に限らない、通常のヅカでもよくある、番手誤魔化し要素のある3番手役と2番手役だ。
 公演ごとに番手が変わる作品もあるけど、『エリザベート』だけは役の番手が守られている。
 マカゼが劇団推し超路線様でも、このままだと番手に従ってフランツ役になってしまう。

 や、今のわたしはフランツ役も大好きです。とてもやりがいのある、ファン目線でも眺め甲斐のある、楽しい役だと思ってる。
 だから、フランツが嫌なわけではなくて。

 フランツ=路線外、ではない。「実力のある微妙路線の人」に押し付けられがちな役、というだけで、れっきとした2番手役なんだから、超路線スターがやる場合はふつーに「次期トップの役」だ。
 だからマカゼフランツもありだと思うけど、そしたらルキーニがいなくなる……。

 今の宙組で3番手相当は愛ちゃんだけど、彼の今の扱いから「次代のトップとして宣伝したい」勢いを感じない。
 『HOT EYES!!』で銀橋ソロなしっすよ。ルキーニやらせる予定なら、練習の意味でさせたと思う。ルキーニは銀橋でひとり客席と対話しなきゃならない役よ?(アドリブのことじゃなく、あくまでも芝居、空気を動かす存在として)
 実力派で舞台人技術に隙ナシ! 経験なくても高い技術でクリア出来る! というタイプなら、それでもいいかもだけど。
 愛ちゃん技術がいちばん欠けてる人やん……。それなら経験積ませるしかないのに、この間の全ツでも今回の本公演でも、一切やらせてない。


 というか、そもそもタイプだけでいうと、トップスターのまぁくんがトートの似合わないタイプ。や、まぁくんは一般受けする明るいスターさんだけど、その奥に影や毒もある人だから、性質だけならトートありだけど、なにしろビジュアルが……。
 丸顔鼻ペチャの死神ってなんかチガウ……。

 フランツ@まぁくん、ルキーニ@マカゼ、ルドルフ@愛ちゃん、革命家トリオずんあきりく、できれいにハマるのになー。
 トート役者がいない……。何故テル時代にやらなかったし……。『エリザベート』は音痴トップ許容演目なのに。まさかヲヅキ(裏トップ娘役)に役がないからやれなかったわけじゃないだろな……。

 てゆーか、トート@マカゼ、フランツ@まぁくんの方がまだしっくりくる……。

 だからほんと、宙組『エリザ』って知ったときに肩を落としたんだよなー。

 みりおんは歌ウマだからシシィの歌はすごくハマると思うんだけど、役者としてシシィがハマるタイプかというと、首をかしげるとこあるし……。

 何故今のこの面子で『エリザ』やることにしたし……。

 いや、勢いづけに『エリザ』必要だと思うけど。思ってるけど。

 なんかみっちゃん『ガイズ&ドールズ』とかぶるわー。

 みっちゃんがいちばんハマる役はアデレイド……てのは置いておいて、男役ならネイサンだし、風ちゃんがハマるのはアデレイド。
 でもみっちゃんと風ちゃんはトップコンビだから、2番手カップルではなく主役カップルやらなきゃ。
 ちなみにベニーはスカイキャラだし、キサキちゃんはサラキャラだよなと。トップコンビと2番手コンビの持ち味逆でやらなきゃなんないとか、なんなのソレ。
 なんでみち風で『ガイズ&ドールズ』なんだろう、海外ミュージカルならなんでもいいのかよ、本人たちの持ち味を考慮して選べばいいのに。
 そう思ったことを、思い出す。


 とはいえ、わたしは所詮『エリザ』ファンなので。
 なにをどうこう言ったところで、楽しむ気満々ですが。


 てな話をこの日付欄にUPしているのは、この日にしか載せる欄がなかったためだ(笑)。
 2月24日欄の「主な配役発表」話に続く。(明日は雪新公!)
 初演からずっと『エリザベート』を観てきた。
 『エリザベート』は大好き作品、どの組で誰がやろうとわくわくするし、楽しく観劇する。

 再演を繰り返されてきた作品だから、役に対してのイメージや思い入れがある。
 そして、純粋に「作品」としての面だけでなく、人事的「大人の事情」が絡む作品だということも、よーっく知っている。

 『エリザベート』はタカラヅカのドル箱、上演すれば満員御礼祭りになることがわかっている大作だ。
 そして、大作は大作であるがゆえに配役に「大人の事情」が絡む。
 お金もかかっていない、誰も注目しない作品なら、純粋にその興行1作のことだけ、その作品のことだけ考えられるだろうけど、祭り作品はそうもいかない。タカラヅカが商業演劇である以上仕方ない。

 劇団は大作では、人事に絡んだ配役をする。
 内外に注目される公演で、「売りたい商品」を並べるのは商売として当然のことだ。
 無茶な配役、無理な役替わりなど。
 人気男役スターだったあさこがヒロインのエリザベートを演じたり、他組の無名下級生(新公主演すらしていない、組ファン以外には認知されていない)男役で、トート役よりフランツ役よりルドルフ役の一部より長身のカチャをエリザベート役として「特別出演」させたり。
 他組でトップ娘役をやっていたとなみが、出戻りスライドしてさらにトップ娘役を続ける・2番手も組替えで組の顔ぶれ刷新力技人事の勢いづけにされたり。
 蘭ちゃんがまさかの残留でエリザベート役だったり。
 ……作品を考えただけでない、なにかしら、不可思議なことをする。

 最初は、『エリザベート』で役替わりするとか、信じられなかったもんなあ。そんなことしていいのは、紙芝居の植爺作品ぐらいのもんで、『エリザ』のような高密度の作品にそんなもん不要だっ、と思ってた。
 今も、思っている部分はある。ベストキャストなら、そのキャストで芝居を深めていって欲しい。
 でも、ルドルフ役でチャンスをもらえる人が多いのは、それでも意味のあることだと思うし。
 劇団が役替わりをする場合、推したいのはメンバーの中の最下級生。推し生徒単独で大役を任せられないから、仕方なく上級生と役替わりにする。……だとしても、路線外上級生のルドルフが観られるのはうれしかったりするし。

 そんな、ポジションや持ち味得手不得手以外に、不透明な事情の絡む『エリザ』配役。

 トートとシシィがトップとトップ娘役なのは前提なので置くとして。

 劇団が重要視しているのは、ルキーニとルドルフ。

 ルキーニは作品の花形。
 日本初演の雪組『エリザ』をなんの予備知識もないまま観て、「ルキーニおいしすぎ。それに比べてフランツはいいとこなし、やらされる人可哀想」と思った。そんなわたしだから、実感を持って、「ルキーニ重要」と思う。
 目の肥えた人なら最初からフランツという役の大きさがわかるんだろうけど、アホなわたしは見た目の派手さにばかり目を奪われた。

 特別なイベントで、特別なお客様やたくさんのお客様に、特別に売り込みたい商品は、いちばん華やかな演出で披露するよね。
 現在の売り上げトップ商品に宣伝費かけるのは当然だけど、現行商品だけじゃ行き詰まる、いつだって新製品を次々発売してつないでいくのだから。
 その特別な演出で宣伝したい新製品……現トップ以外の、未来のトップスターが、ルキーニをやる。

 ルキーニは派手でオイシイ。
 そして、技術が足りなくても、なんとかなる。
 役が派手なので、暴れているだけで格好が付く。
 ……もちろん、観客としてはヘタなルキーニは勘弁、狂言回しはうまい人にやって欲しいと思うけど。劇団的には、作品クオリティより、新商品の宣伝の方が大事。おかげで歴代『エリザ』には、へたっぴなルキーニもいました。

 フランツは、作品を支える大事な役。
 縁の下の力持ち系の役割り。わかりやすくかっこいい役ではなく、ぱーんと盛り上がる見せ場がないのに、技術的には大変なことばかり求められる。
 ルキーニはへたっぴでも出来る。が、フランツだけは一定ライン以上の技術を持った人しか出来ない。
 フランツがへたっぴだと、作品が崩壊する。

 だから劇団的には、ルキーニに超路線を、フランツに新専科など「トップにする予定のない、しかし実力はある人」を配したりする。

 そして、まだ時期は未定だが、将来的にトップになるための特別コースに入った人を、ルドルフにする。役替わりの場合は、メンバー最下級生にして、入れる。
 ルドルフはルキーニと同系統の「わかりやすいおいしさ」があり、かつ、ルキーニほど大きな役ではないので、さらにへたっぴでも……もとい、経験不足の若手でも、ねじ込める枠だからだ。

 新製品売り込み、宣伝という意味でのルキーニとルドルフ。
 売りたい商品の陰で、イベント自体を支えるフランツ。

 すべてがこの通りではないよ。そのときの布陣によって差異はある。
 でも、基本の枠組みはこんな感じ、だと思っている。

 てうだうだ前振りした上で、次回の宙組『エリザベート』に思いを馳せる(笑)。
 翌日欄が本題。
 『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』初日の観劇メモ、続き。

 力尽きているためか、2幕はメモの項目自体は少ない……(笑)。
 そのわりに、それぞれの事柄について語っているので、言いたいことが過剰書きでは治まらなくなってるっぽい。
 なので、後日ツッコミは少なめで、メモ羅列しますニャ。


・ミトさんと踊る咲ちゃんにデジャヴ。

→はじめてメモに登場した咲ちゃん、何故かミトさん絡み……(笑)。
 『Shall we ダンス?』を思い出すんだね。

・翼くんは招待客。

・ちぎくんとふたりきりになるだいもん。ナチュラルにやらしくて、いかにもなんかたくらんでるだいもん。
・えーとそこは、剣心@ちぎくん口説くとこだよね? 口説くよね? 押し倒すよね?
なんで、ナニもしないのおーーっ?!

・ちぎくんが1曲まるまる歌い、だいもんがソファーに坐ってソレを聴く、と。……逆の方がよくないか? ちぎくんの歌鑑賞会て……。
・それはともかく、ソファーのだいもんがテラかっけー。

・花瓶の花どうした?

・だいもんがなんか引っかかって動けなくなってる。テグス?
・あせるだいもん。台詞を言いながらもすげーあせってるだいもん。よくわかんないけど大変そうなだいもん。

→萌えポイントです(笑)。

・加納さん@だいもんの言っていることがぜんぜんわかんなかったのは、わたしのアタマが悪いせい? イケコの悪役イメージがショッカーレベルなせい?(幼稚園バスをジャックして地球征服だー! イー!)

→何回観ても、加納さんの言ってること意味わかんない……。「そんなことしてどうなるの?」「意味ナイし」「そもそも出来ないし」「この人バカ?」としか思えないんですが。イケコ……。

・悪・即・斬! ……咲ちゃん、試練やな~~。がんばれ~~。
・咲ちゃんが「悪・即・斬」と歌い出したときの、客席の空気……。イケコ的には、『戦国BASARA』の政宗@みーちゃんが客席に大ウケした、アレをやりたかったんだろうな。でも盛大にハズしてる……。
・しかし咲ちゃんかっけー。脚なげー。

→イケコはサイトーくん、生田くん的なヲタク感覚は持たないおじちゃんだと思う。そっち系目指すとスベる。や、『戦国BASARA』はスズキケイだけど。スズキケイは植爺仕込みのハッタリ歌舞伎の人だし。
 しかし、初日の客席の空気はすごかった……。困惑。ってやつ……(笑)。

・薫@みゆちゃんのソロいいな~。

・ガトガトガト……!
・これこれ、イケコの悪役と言えばコレ!!
・翔くんいいな~~。

・なんか話がめちゃくちゃになってきたな……。いや、もともとめちゃくちゃだったけど。蜘蛛の糸ってイケコにとってのインターネット?(魔法のツール。例「インターネットで世界征服」)

・きんぐがアヘ顔してる……? えーー?

・桃ひな=みゆ?! ナイわー、ソレはないわー。加納さん、目おかしすぎ。
・え、マジなの? 剣心を誘い込むための言い訳じゃなくて?!
・ナイわー。マジナイわー。

・セバスチャン@がおりイイ(笑)。いろいろひどいけど、イイ(笑)。

・蒼紫&お庭番衆!!
・れいこがんばってる! 殺陣がすっげーおっかなびっくり! でもがんばってる!!(笑)

・しかし、お庭番衆かっこいいなあ。

・客席降りひどいなー。なにがなんだかわからん。

・ところで翼くん、客のひとりだったのに、使用人もやってる。

・クライマックスは剣心VS加納。剣心の影@ひとこも登場。
・なんか盛り上がらない……。

・加納さんの最後があまりにデジャヴ。イケコ悪役の最後……。

・阿片って縫い針で治るんだ。すげえな。

・ガトガトガト~~、翔くんすごい、拍手でお見送り。

・え、終わり? 蒼紫たちどこ行った?
・ラストって登場人物勢揃いで、主題歌流しながら、派手なエピローグやんないの? サイトーなら絶対やってる。

・フィナーレの歌手だいもん!!
・衣装ひどい。
・どうしてこうなった……。

・男役群舞も衣装ひどい……。
・和物をアレンジすると、どうしてもれなくダサくなるの。『戦国BASARA』のフィナーレもひどかったけど。
・ヅカを観たことナイお客さんにアピールするなら、フィナーレは作中とまったく無関係なヅカヅカしたものを見せるに限るのに!!
 本来のタカラヅカはこうですよ~~、『ベルばら』やっちゃうカンパニーですよ~~、って。
 ヅカのいちばんかっこいいモノをアピールせんでどうする。

・ここは雪組得意の黒燕尾だろ。

→男役の衣装がショックだったらしく、たくさん書いてる……(笑)。そして、娘役群舞は記憶がとんでいるのか、書いてない。

・ちぎみゆデュエットダンスは何故そうなる!!
・ここは作中を踏襲して、剣心と薫をイメージするデュエダンにするべきだろ?!
・ヅカ初心者は役者の区別付かないんだから。群舞なら役を離れて「タカラヅカ」していいけど、カップルのダンスなら主役とヒロインだってわかんなきゃダメだよーー!!

・てゆーか、ちぎみゆはアダルトよりキュートな方が似合うんだってば。似合うことやらせようよーー!!


 というところで、初日メモ終了。

 初日はがっくりきてますな。
 部分部分はおもしろいのだけど、全体通してもりあがらないしわけわかんないしイケコだし。
 だいもんの役はつまんないし。

 おもしろくなってくるのは、リピートしてから。
 作品がつまらないことは、変わらないけどね(笑)。でもそれはイケコの通常運転だから大丈夫! 海馬の帝王が大丈夫だったんだもん、耐性の高さには自信あるわ!(笑)

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