『維新回天・竜馬伝!』新人公演観劇。

 終演後、nanaタンと「タニちゃんの役」の話をした。
 中岡慎太郎でもなければ、蓮水ゆうやの話でもない。「タニちゃんの役」の話だ。

「タニちゃんの役って、新公では別物になるね」

 春風弥里@『NEVER SAY GOODBYE』もそうだし、今回の蓮水ゆうや@『維新回天・竜馬伝!』もそうだ。

 本公演でタニちゃんが演じている役と、同じ役、同じ人格には見えないんだ。
 新公は技術が足りていないから別物に見える、というような意味ではない。キャラクタとして同じに見えないってことなんだ。
 それがいい悪いとかゆー次元ではなく、「大和悠河」という人はほんとうに特異な人だと思う。タニちゃんの役はタニちゃんでなければ演じられないし、またコピーすることも不可能なんだ。別のモノになるしかないんだ。
 それをしみじみと感じた。

 また、コピーではないのに、同系統のカラーを演じたちぎ@『炎にくちづけを』『ステラマリス』もある意味すげえなと、しみじみ感じた。

 
 さて。
 真ん中の話は置くとして(置くのか!)、わたしの周囲では西郷隆盛@暁郷が振り返るなり、笑いが起こったんだが。

 物語冒頭、明治のシーンにて、西郷どんは背中を向けて立っている。それが台詞と共に振り返るのだ。

 わたしの席は1階S席センターブロック、幕が開いたところだからみんなとりあえずオペラグラスを上げていた。
 それで同じタイミングで笑いが起こる、つーと、同じ人を見ていたとゆーことになるな。

 みんな、GOを見ていたのか!! 愛されてるな、GO!!

 いやはや、GOアカツキは、期待にはずれぬ西郷どんでした。
 ビジュアルもステキにヲンナを捨てているし(あ、GOはもともと男の子だっけ)、声も演技も堂に入ったものでした。

 ヅカは路線だけがすべてじゃない。
 GOを見ていると、ほんとにそう思う。
 なんとたのしそうに、活き活きと脇のオヤジを演じていることか。華のある別格候補ってのは、なんとも頼もしい。
 いやその、GOがバリバリの路線志望だったら失礼な言い方になっちゃうけども。また、彼が路線でもわたしはぜんぜんかまわないけれど。
 こーゆー子を大事に育ててほしいと切に望む。破綻しない実力を持ち、色男可でオヤジキャラだなんて、絶滅寸前品種だよ?
 十代の頃からすでにオヤジキャラだったGOアカツキ。まだ実年齢は大学生だよねえ……いやあ末恐ろしい(笑)。

 わたしは彼が西郷どんだとゆーことも知らずに席に着いていたくらいなので、もちろん彼のアルバイトも知らない。
 キラキラ☆アイドル竜馬@ちぎが歌い踊る背景の男群舞に彼がいるのを見つけたときは、ウケましたよ。

 見つけた、というのはチガウな。
 おお、みんな出てきたな、と思った瞬間目が釘付けになったのだから。それが誰かとか考えず。
 や、だって、んなとこに西郷どんがいるとは思わないじゃん!! 西郷どんだよ? 若者群舞にいたらまずいでしょう!!(笑)

 大真面目に二枚目な若者ぶって踊っているのがツボでした。
 西郷どんメイクしてるくせに……(笑)。

 
 最初のこの男群舞で、わたしの目を引いたのはこの暁郷と、蓮水ゆうやでした。
 GOは強引に目を奪ってくれたけれど、蓮水くんは純粋に顔が好みだからっすよ。

 その昔、『Le Petit Jardin』の感想でちぎのすごさを語りながらも「蓮水ゆうやの顔の方が好み」だと書いた(2005-06-04の日記参照)通り、もともとあのテの顔が好みであり、系統でいうと「オサ−まっつ−まさき−蓮水」は同カテゴリであったわけなんだが。

 日本物化粧すると、ますますまっつに似てる!!

 つーことで、瞠目しました(笑)。

 あ、でも安心してね、まっつに似てても、まっつよりずっとキラキラしてるから!!……って、まっつファンの台詞かソレ。(いやその、地味なとこがまっつの魅力だから)

 わたしの目にはすばらしい美貌に映りましたよ、蓮水ちーくん!!
 中岡役をやっているときより、かっこつけて群舞の一員やってるときの方が、さらに美形だった。
 中岡は鼻息の荒さが伝わってくるよーで、『Young Bloods!! 』のときも感じたが、上昇志向の強い子だなと感じた。がんばれ。

 
 宙組はきれいな子が多いという印象だったけれど、日本物になると大変だねえ。
 グラバー邸の異人サンたちを見て、どれだけほっとしたか。タカラヅカ基本値が低い組なのは最近痛感してはいるけれど、それでも洋モノの衣装やメイクの方がはるかに安心できる。女の子たちがお人形さんみたいでかわいかった。そしてグラバーさんがすげーハンサムだった。ありゃ反則だろ(笑)。

 
 竜馬@ちぎの華とお竜@たっちんの実力で、なんとか乗り切った公演、という印象かな。

 本公演の話もまだ書いてないんで、主要キャラについてはまたいずれ。


「緑野さん、まっつの話しか書いてないじゃん」

 と言われながらも、『MIND TRAVELLER』ドラマシティ千秋楽。

 ……変だなあ、初日から2週間、いろいろ感想書くつもりだったのに、まずまとぶの話を書いて、ソレを皮切りにキャストみんなの話を書こうと思っていたのに。
 まっつの話に、戻っちゃったし。

 だってさあ、まっつ眺めてるのしあわせなんだもん。
 結局わたし、センターで1回、下手前方で1回観ただけで、あとは全部4列目より前の上手でしか観てないし。
 1回下手で観て「ここぢゃダメだっ」と痛感し、1回上手で観て幸福感にとろけ、以来、ソコしか狙わなかった。そして、狙えばいくらでも手に入った。(何回観たかはナイショ。高くついたわ、バウの4500円感覚でリピートしちまったからな・笑)

 毎日まっつ、幸福にまっつまっつと唱え続けて。

 変だなあ、初日から2週間、こんなにいろいろ書き続けてきたのに。

 「リチャード 未涼亜希」で検索来たの、たった1回なんですけど。

 DIARY NOTEのアクセス元表示ヘボいんで、ログが2時間くらいしか残らないの。普段そんなもん忘れているけれど、今回ははりきって眺めたわけよ、「誰か『MIND TRAVELLER』の感想読みに来てくれるかしら!」「まっつのこと、興味を持って検索している人はいるかしら!」と。
 たった2時間分しか表示されないアクセス元表示。毎日見ていたわけでもないし2時間ごとにチェックしていたわけでもないから、たまたまかもしれないが。
 見るたびに、誰も来てくれていなかった。や、いろんな人が来てくれているけれど、「まっつ」とか「MIND TRAVELLER リチャード」とかはいないの!
 「花組 うたかた」は見るたび山ほど来てるのに!! 「湖月わたる 退団」も「オサ 全国」も「コムまー」も来るのに、「まっつ」で検索は来ない。ついでに、わたしの名前やブログタイトルでの検索も毎回けっこーな数で来てるけど、「まっつ」はないっ。

 何故。何故なの……。さめざめ。

 
 つーことではい、千秋楽です、またしてもまっつの話です。

 まっつは確実によくなってます、演技。
 地味だしそもそも演技がハコの大きさに合ってないんだけど(前方で見なきゃわからん演技ってなんだそりゃ)、まっつ比でどんどん深化していってます。
 リチャードというキャラが大きくなってきているのね。
 ただの悪役、テンプレ的マッド・サイエンティストにしたくないこだわりに足を取られつつも、「変な人」レベルが上がっているので、見ていてたのしい。
 無表情な中に喜怒哀楽が見える。それがかなり、人間的かつ自分勝手。

 はいはいはい、リチャードくんの「緊張度チェック」!
 彼、なにかに気を取られているとき、感情が乱れているときは腕を組みません。
 後ろ手に腕を組むときは、体勢を立て直したり、落ち着いているときだからねー。わかりやすいのよ彼、見てあげてねっ、東京組の人!!

 ああもお、あの小物ぶりが見ていて愛しいわ。
 なのに本人的には「ヒポキャンパス・エンパイアの帝王様」だし。

 まっつはいつも役になりきったまま、クールにフィナーレまで過ごすんだけど、千秋楽の今日は黒タキで微笑んでました。
 あああ、笑ってるー。たのしそー。

 そして、カーテンコールのご挨拶、テレビカメラの入っていない千秋楽はいいね、みんなのびのびしていて(笑)。
 まとぶさんがかわいーのなんの。信頼しきった目でさおたさんをちらちらやりながら、ナチュラルな感じの挨拶。ちょっと言葉に詰まった途端の客席の空気を察してか「まだ泣かないよ!」と言い切るのがすげーかわいい。

 そしてまっつは、隣の星原先輩となにやらしきりに目配せ。
 なにをするのかと思ったら、自分たちの後列に並んでいる退団者のりりかちゃんを前に引っ張り出し、アピールアピール!!
 りりかちゃんは恐縮してあたふたしつつも、笑顔で客席に手を振る。まっつがさらにソレをけしかける。

 うおー、まっつオトコマエ〜〜。
 女の子にやさしい男はいいよなっ。
 りりかちゃんを自分の真ん前に立たせちゃうので、その間まっつの姿がすっぽりまったく見えなくなったけど、いいんだ、まっつの男気がうれしいから。いやその、女の子の後ろですっぽり見えなくなるってそんな……縦にも横にも小さすぎるぞまっつ(笑)。

 りりかちゃん、いいなあ……あれってまっつに背後から半分抱きしめられてるよーなもんだよねええ(イメージ映像。真実とかけ離れている恐れアリ。緑野の海馬はアテにならん)。

 まっつの笑顔も全開で、すごい癒されました。目尻のシワも好きだ〜〜。笑うと爬虫類っぽくなる口元も好きだ〜。

 
 終演後はいつもドリーさんに、「しあわせそうだな、ヲイ」と言われるんだけど、今日もまた言われちゃいました。
 そしていつも、「すっごい、しあわせ」と返すのだけど、今日もまた言い切りました。

 まっつを眺めていると、寿命がのびそうですよ。絶対健康にいいなっ。

 や、明日以降、まっつ以外の話を書きます。今度こそ。
 まぁくんとかめぐむとか。だいもんとかゆまちゃんとか。りりかちゃんも!!

 (緑野の海馬はアテになりませんよ!!)


 7月2日から、空虚な日々を送っている方々へ。
 7月2日。ええ、たかちゃんがタカラヅカから去ってしまったあの日から。

 いやその、たか花が退団したなんて、ほんとのとこ信じてないんですがねわたし。ふたりでTCA主催でコンサートやるくらいだから、単に組トップを退いただけだよね?
 とは思ってるけどさー。一般人のわたしにはコンサートのチケットなんて手に入らないし(発売日に玉砕した)、大劇場には来てくれないわけだし、一応、とりあえず、退団してしまったとして。

 たかちゃんがいないタカラヅカなんて。
 そー思っている人に、ちょっと見て欲しい子がいます。

 花組ドラマシティ公演『MIND TRAVELLER』初日。
 びっくらしました。

 たかこがいる。

 えええ? 和央ようかがいるぞ、舞台の上に!!

 しかも、若い。

 デジャヴ。

 たかこを見守り18年。たかちゃんと一緒に時代を過ごした思い出が、点滅しながらわたしの海馬を翻弄する。

 まだ若造のたかこがいる。
 未熟だけどとびきりキラキラしている。

 大人の、安定した色男の宙組トップスター和央ようかじゃない。
 雪組にいた頃の、末っ子たかちゃんだ。
 なにができるわけでもなく、自分が何者かもわかっていない、ただあるがままの姿で輝いている若い男の子。

 ど、どーしたんだ朝夏まなと!!

 以前から「たかちゃんに似ている」ことはわかっていた。「若い頃のたかこに似ている」と言われていたし、わたしも言っていた。だけどそれは顔や姿や、たよりなさそーな雰囲気が似ているというだけのことだった。
 輝きまで似ているなんて、思ってなかった。

 まぁくんは去年までまったく無名の男の子だった。それが何故か『マラケシュ』で新公主演。突然の大抜擢。なにがどーしてそうなったのか、わからないままそれでもこなしたリュドヴィーク役は、なかなかどうして大器を感じさせる出来だった。
 だが。そのあとの『パレルモ』も『ファントム』も鳴かず飛ばず。技術も低空飛行だし、輝きや存在感もヘタレ一直線。
 丸1年ダメっぷりを見てきたから、「『マラケシュ』新公はまぐれだったのかしら。火事場の馬鹿力?」「『マラケシュ』が舞台人としての頂点で、もうあれ以上にはならないのかしら」と、思っていた。

 だが今回。

 まぁくんは、すげー勢いで成長している。

 あの輝きはナニ。
 小池作品テンプレの若者グループのリーダー、ごちゃごちゃした画面でごちゃごちゃした衣装を着て踊っている、その中で真ん中を示す光。
「アレは誰?」
 その他大勢の区別なんかつかない人たちが、一様に彼に注目する。

 どうしよう。
 ときめいちゃったんですけど。
 まぁくんに。あのヘタレ坊や朝夏まなとに、今さら!!

 初日、わたしは唯一センターブロックに坐っておりましてね。
 まぁくんに、指差されちゃったのよ。
 や、後半のダンスでそーゆー振りがあるんだわ。正義の怒りのつもりで公私混同、私怨で盛り上がる若者たちが力強く歌い踊るそのとき。
 リーダーのルーク@まぁくんが客席に向かって指を差す。
 特別誰かに向かってやっているわけぢゃないのだけど、そのときのまぁくんの視線と指が、わたしにまっすぐ突き刺さったのよ!!

 どぅわあぁああ、かーっこいいぃ〜〜っ!!

 紳士だとかやさしげな貴公子だとか、そーゆー役だと沈殿していたなにかが、浮上しスパークする。イマドキの若者、等身大かつちょい不良で荒っぽい、されど仲間に慕われる心優しい男の子。
 男役の技術云々より、素質そのまま演じられる役だから、魅力を出しやすいということはあるだろう。だが、技術はこれからでも身につけられるが、「等身大」の役で魅力を出せるかは本人の持って生まれた資質が大きく左右する。

 まだのびしろがあったのか、朝夏まなと。もう伸びないのかと危惧していたよ。

 舞台上で活き活きと呼吸しているまぁくんは、2週間弱の公演の間にも見る見る成長していった。初日でも目を引く輝きがあったのに。中日、楽とどんどん伸びてるよこの子!!

 もちろん、技術的にはまだまだだ。ルーク少年はすばらしく魅力的だけど、フィナーレの黒タキになると一気にダメっぷりが上がる(笑)。てゆーか髪型失敗してないか?(楽はかっこよかったけど。髪型ちがったよね?)
 男役としての技術はこれから。だが、男役としての資質と「在り方」がこの公演で開放された気がする。停滞していた1年間を振り払うように。

 たかこに似ている。雪組で末っ子キャラだった、のほほんとした頼りない男の子。おにーちゃんたちのあとを、誰よりも大きなカラダでしっぽをぶんぶん振りながら機嫌良くついて回っていた大型犬。
 未完成で、未熟で、そのかわり可能性やら未来やらを感じさせ、わくわくさせてくれる男の子。
 たぶん、あの「若さ」がいいんだな。まだなにも持たない、だからこそ、これから「ナニか」を得るかもしれないという期待感。

 宝の地図を手にしたみたいな。

 ニセモノかもしれない、マユツバかもしれない。でも宝の地図。冒険の予感。幸福の予感。

 いいなあ。
 この子を愛して生きていけたら、たのしそうだ。たかちゃんを愛で、彼の成長ぶりをたのしく愛しく見守っていられたように。
 デジャヴが強烈で、なんだかせつないよ。若い頃のたかこを、痛切に思い出す。時の流れを思う。

 どうですか、タカラヅカのたかちゃんを好きだった人たち的に、朝夏まなとは。
 未完成ですよ、若いですよ。この先どーなるかなんて誰にもわからないけれど、「今」、輝いてますよ。

 雪組時代のたかこ……つまり。

 独身時代の、たかちゃんですよ。

 宙に行くころはもう彼、売約済みだったからなあ(笑)。トップになる前から、相手決まってたもんなー。
 まだ奥さんも婚約者もいない、「恋より友だちと一緒の方がいい」ってな青い男の子の、たかこ。
 なつかしいよ、ソレ。
 たかちゃんにも、そんなころがあった……大昔だけどな……。なんか彼、奥さん付きだった時代の方が強烈に印象に残ってるけどな……てゆーかカップル基本で単体は考えられない人になっちゃってるけどな……。

 まぁくんがかっこいい。かわいくてきらきらしてて、その未熟さと見えない未来ごと、愛しい。
 彼がどんな大人の男になっていくのか、見守っていきたいと思う。


 『MIND TRAVELLER』を観て、気になること。

 ルーク@まぁくんをGETするのは誰だ?

 作品全編通していちばんきらきら輝いている男の子。しかもフリー。

 ワンパターン小池作品に絶対出てくる若者グループのリーダーくん、そしてこれもワンパターンで色恋沙汰ナシ。

 候補として上がるのは、いちおー準ヒロインのジュディ@ののすみちゃんかしら?
 ジュディは、気は強いけれど素直ないい子として描かれているし、ルークと並んだところはとってもお似合いだけど。
 双方まったくその気ナシだもんなー。

 ののすみちゃんはほんとにうまい。ジュディはリアルにかわいい女の子だ。てゆーかあの女子高生ルックはいったい? アメリカの女子高生もあーゆー格好しているのか……。いや単に、ののすみちゃんに着せたかっただけな気もするぞ。

 屈折と純粋さがまっすぐに表れていて、とてもかわいい女の子。ヒロイン・パメラより魅力的に見えるのはどーしたもんか。

 色恋まったく関係なく、ルークたち悪ガキグループに接しているのがいい。
 アタマの悪い不良少年に見えるルークが、言葉を知らないなりにも他人をいたわることができる人間だということが、ジュディを通してもよく見える。「ジュディはお父さんを亡くしたばかりなんだぞ、もっといたわれ」って、直接的過ぎて、んな言われ方したら逆効果なんだけどね(笑)。
 その配慮の足らないやさしさを、苦笑して受け止めるジュディ。ふたりの関係性がいい感じ。
 不良少年と不良少女志望のお嬢様、対等な友情。

 ジュディはマックスにあこがれていた風ではあるけれど、べつに恋ではまったくないんだよね。まあ、マックスは父の愛人だからそれ以上の感情を持ちようがないか……ゲフンゲフン。

 この先ルークとジュディが恋をしても、ソレはソレでたのしい未来だ。
 ふたりのやりとりを想像するだけでたのしい、かわいいカップル。

 でも、今この時点では、あくまでもふたりはただの友人。ルークはフリー。
 

 チーム内の女の子たちもかわいいけど(特に由舞ちゃん! かわいすぎ!!)、こちらもまた、色気はまったくなさそうな感じ。
 それが対等な感じでいいんだけどさー。

 
 ルークとの映りの良さでいうならば、DJピート@めぐむだよね?(笑顔)

 10代の少年少女たち、つー感じのルークたちに対し、ピートはどう見ても年嵩なんだが、なんかあったりまえにチームに混ざってワカモノしている。
 ルークから信頼されているようだし、これでピートがその気になって押しまくれば、未来があるかも?

 めぐむはふつーにうまい。彼が苦手とするのは変に若い役であり(フアン@『La Esperanza』新公とかな)、大人寄りの役なら学年を忘れて見ていられる。
 声がいいのは強いよね。歌える、というのは大きい。ドレッドヘアが似合っているかどうかは置くとして(笑)、自由自在の存在感がステキ。
 中卒研5だから、まだぴっちぴちの若者、成長の遅くなった現代では「少年」カテゴリに入れてもいい年齢のハズなんだが、めぐむはフケてるよねええ(笑)。宙の暁郷と共に保護したい貴重種。

 まぁくんとめぐむ、ふたりが並んで歌い踊ると、それだけでわくわくしますわ。
 同期で同い年、長身でスタイル良シ、でも持ち味は正反対てのが素晴らしい。

 「少年」できらきらしているまぁくんと、「大人」でクドかっこいいめぐむと。
 
 いやあ、まぁくんがんばってるけど歌はほれ、かなりアレじゃないですか(笑)。まぁくんのあとにめぐむが歌うと、安定感と響きのちがいがツボに入りますわ〜〜。

 えーと、とりあえずピート×ルークを基本にして。逆はちょっと、ビジュアル的にキツイかなぁと。
 ピート一応兄貴キャラだから、あのあぶなっかしい弟をなんとか……してくれないか。ピートもルークと一緒になって暴れる悪ガキ系だもんなぁ(笑)。

 ただ、ルークってわたし的には攻キャラなんだよなー。

 下町のマドンナ(笑)的高嶺の花だと思うけど、あくまでもやんちゃ攻系。
 お姫様だとかかわいこちゃん受ではナイ。

 しかしピートを受にするのはなかなか悪食な気がする……。

 
 だもんでここはやはり、本命のエディ@だいもんにがんばってもらうしかないでしょう!

 悪ガキグループの中、ルークの親友ポジションの男の子。
 いつも帽子(ヒポキャンパスターバン含む・笑)orタオル着用で髪の毛どーなってるの? てか、あるの? という疑問がつきまとう、ちょい地色の黒い元気少年。髪の色すらよくわかんねーぞヲイ、カッパハゲだったらどうしよう(笑)。

 だいもんは学年が若いわりにストリートキッズぶりが「作り込んだ結果」っぽく見えて、クラシカルな男役なんだということがわかりますな。下町のあんちゃんより、スーツや黒タキの方が似合う。
 そーいや文化祭の正塚芝居で主役やってたときも、正統派にクラシックな子だと思ったよなあ……この子もまぁくんとは持ち味正反対だなー。あ、でも大丈夫、めぐむよりは若く見えるから!(笑)

 エディがルークにぞっこんなのは見ていてわかる(笑)ので、あとはルークがどう出るかですな。

 おねーちゃんの事故のときの反応が、ふたりの関係を瞬時に表していて、じつに萌えっす。
 ルークの身に一大事が!→間髪入れずエディ「一緒に行くよ!」(ルークをひとりになんかできない!)→他のみんなも一緒に行くと言い出すが、ルークがこれまた間髪入れず「エディだけでいい」(断言)

 エディのルーク命っぷりとか、そんなエディをルークが信頼していることとか、見事にわかりますわな。ラヴリ〜。

 今回ルークは特別マックスに心酔することがないので(小池のワンパタお約束では、若者リーダーは主役に惚れ込む)、ニュートラルな立ち位置ゆえにその後が気になります。

 エディががんばれば、ルークを手に入れられるのでは? とりあえず現時点でいちばん愛されてるよね?

 しかし問題がひとつ。
 わたしの目には、エディも攻キャラに見えるのですよ。
 こまったわ、攻ばっかりで受がいないわ。

 やっぱりこれは、主役と敵役が受くさい反動かしら。
 脇が攻キャラばっかになるというのは……。

 まあエディくんはビジュアル的に受でも大丈夫なんで、なんとか踏ん張って欲しいですな。あー、でも、あのままルークが誰かに取られそうになったら、実力行使するかもなぁ。そしたらやっぱエディ×ルークになっちゃうなぁ。
 悩むわー、問題だわー(笑)。

 
 いやはや。

 ルークを射止めるのは、誰なんでしょうね?


 実際、教授の冗談って、笑えないのよね。そう、教授。あたしの勤め先の研究室のボスなんだけど。
 本人は洒落たこと言ってるつもりなんだろうけど、笑えないっつの。てゆーか、周囲凍ってんですけど。

 教授ね、最近入った患者のこと、「眠れる森の王子」とか呼び出したの。守秘義務があるから詳しいこと言えないけど、その患者って記憶喪失でね、大怪我して意識失ったままなの。で、カルテのナンバーで呼んだり、ジョン・スミスとかてきとーな名前つけて呼んでたんだけど、教授がいきなり、
「眠れる森の王子だな」
 とか言い出して。……凍ったわよ、みんな。
 でも教授、ウケたと思ったのか、それからしきりに「王子様の様子はどうだね?」とかやたら「王子」「王子」って言うようになったのよ。周りはイエスマンばっかだから、教授がナニ言い出しても持ち上げるだけだしね。たまんないわよ。
 え? ああ、たしかにきれいな顔してるわよ、その記憶喪失の患者。眠ってると王子様みたいではあるけど……女の子が言い出すならともかく、おっさんが、若い男相手に呼びかける言葉じゃないわよ。
 うん、教授はまだ若いわよそりゃ。立場のわりにね。でもあたしから見れば十分おっさんよ。
 そのおっさんが、毎日王子様に会いに行くわけよ。1日1回必ず病室へ行くの。そして、語りかけてるのよ。「やあ、王子様」って。眠ったままの患者によ? 「王子様」よ?
 そしてひとりで語りかけながら、眠っている王子様の髪を撫でたり額だとか頬だとか触ってるの。
 ……いや、べつに教授、ホモってわけじゃないと思うわ。だって教授が王子様に話しかけてる内容、さらにやばかったもん。
「早く君の海馬に触れたい」
 とか、
「君の海馬の征服が、人類の未来を変える一歩になる」
 とか、
「君の海馬とめぐりあう運命だった」
 とか、王子様の顔を見ているというより、脳みその中を想像してうっとりしてるんだと思う。教授、救いようのない海馬オタクだから。
 ……カイバっていうのは、記憶をつかさどる脳の部位で、教授はそれについての研究をしているんだけど。

 やばいなと思うのは、その記憶喪失の眠れる王子様は、教授の研究にうってつけの人材なの。身元確認をしたけど警察からはなにも言ってこないし、このまま意識が戻ったとしても、彼はどこにも行き場がないのね。記憶もなくて迎える人もいないんじゃ、生きていけないじゃない? そりゃ支援してくれるところはあるでしょうけれど。
 大体、若く健康な記憶喪失患者なんて、そうそう出会えるもんじゃないわよ。
 教授、自分の研究を彼で試してみたくてうずうずしてるのよ。ラットではさんざん実験を繰り返してきたけど、所詮ラットだしね。生きた人間の若く健康な脳、そして欠損のある海馬なんて、探したって見つかるもんじゃないわ。
 教授はこの研究をはじめたときからずっと、探し続けてたんだと思う。……彼、名無しの患者ジョン・スミス(仮名)を。何年も何年も、まだ見ぬ恋人を想うように、ずっと求め続けてきたんだと思う。
 そして今、探し求めた相手は無防備に眠っていて、彼が目覚めさえすればすべてうまく行く、手術の準備しながら待ってるのよ。
 教授にとって、彼はほとんうに、「眠れる森の王子」なのよ。
 寝顔に一方的に焦がれる、ただひとりの運命の人なのよ。

 ……毎日、会いに行ってるんだもん、教授。眠ったままの王子様に。……正確には、王子様の海馬に。
 この間とかちょっとトラブルがあって、72時間不眠不休で研究室詰めて、ボロボロになってるのにそれでも教授、絶対王子に会いに行くのやめなかったもん……目の下クマつくりながら、
「やあ私の王子様、今日も元気そうだね。君が目覚めるのはいつになるかな」
 って……愛しそうに彼の髪を梳きながら話しかけて。
 凍ったなんてもんじゃないわよ、回れ右して、見なかったことにしたわよ。

 盗み見しているわけじゃないわ。あたしは教授の助手だから一緒にいることが多いし、教授の動向はチェックしてるのよ、仕事で、仕方なく。そして教授、べつに隠してないのよ、王子の部屋に日参してなにやらささやき続けてること。
 どうやら、本人的には気の利いた冗談のつもりらしいわよ。
「こうして話しかけていると、早く眠りの魔法が解けるかな。いや、姫君のキスでないと無理か」
 笑えないっつの。
 ええ、言ってやったわよ、「それなら教授がキスされてみてはどうですか」って。そうしたら、
「王子様を目覚めさせるのはお姫様のキスだろう。王のキスじゃないよ」
 ……ねえコレ、どうリアクションしろっつーの? 誰が王様? 教授って自分を王様だと思ってるの?

 まあ誰がキスしてもいいんだけど、それで王子様が目覚めちゃったらどうなるんだろ。
 魔法云々じゃなくて。
 教授よ。
 十何年もずっと、ひとりの人と出会うことだけを夢見て来たわけでしょ。
 ようやく出会えた相手は意識不明で。
 毎日顔を見ながら、肌や髪に触れながら、相手が目覚めるのを待ち続けてるのよ。
 ……毎日、彼のことだけ考えてるのよ。

 彼と「出会う」ことだけを、夢見ているの。

 それで彼と出会ってしまったら。彼が目覚め、彼の海馬を好きにできるようになれば。

 教授は、どうなってしまうんだろう。

 深夜の病室で、王子様に話しかける姿見ながら、なんだかすごく、こわくなって。
 うん、やばいよ? 教授って絶対やばい。ふつうじゃないもん、あんなの。王子様が目覚めることだけ、祈ってる。夢見てる。恋する少女みたいに。なんかすっごく、無邪気な目で話しかけてるの。「帝国」がどうとか、「君の犠牲が」とか、よくわかんないことを。
 眠ったままの王子様の指を一本一本撫でてみたり、額から鼻筋にかけて指でなぞってみたり、顎をもちあげて顔をのぞき込んでみたり、性的な行為じゃないってわかっていても、なんかすごくやばいの。
 教授にとって海馬が、研究がすべてだから。
 そしてそれゆえに、王子様の存在を切望していたから。

 ねえ。……それほどの執着を、達成してしまったら。

 ひとは、どうなってしまうの?

 ……うん、マジで、転職考えてる。
 理由、どうしようかな。「教授の冗談が笑えません」じゃダメか。実際笑えないんだけどね。冗談にしてしまいたいのにさ。
 研究内容、結構倫理的にやばいから、「罪の意識に耐えかねた」ことにしようかな。

 でももう少し、続けるつもり。
 眠れる森の王子が目覚めるまで。

 どうなるか、見届けたいの。

 教授の執着が……あの壮絶な片恋がどこへ行くのか、見てみたい。


 こんな医者いねぇよ。

 とは、誰のことでしょう?

 a.白衣がステキな女医パメラ
 b.白衣がステキなリチャード教授

 「海馬の帝王」リチャード@まっつはそりゃーわかりやすく「こんな医者いねぇよ!」キャラだけど。
 ヒロイン・パメラ@きほだって、十分過ぎるほど「こんな医者いねぇよ!」だわ。

 はい、『MIND TRAVELLER』、いい加減ヒロインの話行きましょう。

 前に書いた通り、パメラは仕事をしていない。大学病院の研究室にいながら、彼女がやっていることは中学生が老人ホームでやるボランティア程度のことだけだ。本人は医者のつもりらしいが、ほんとのところは助手以下の立場だろう。
 いや、むしろ、教授他がなんの研究をしているかも知らず、興味も持たず、医者のつもりでふるまっているところを見ていると、ほんとうはパメラも被験者なのではないか? と思えてくる。だってふつーならありえないもの。周囲の空気を読めるなら、いたたまれないだろそんな。
 だからパメラは、リチャードがアタマいじった子ぢゃないの? それで自分を医師だと思いこんでいるし、彼女がそうやってふるまっていても、周囲もなにも言わない。どんな後遺症が出るかわからないから、研究室に置いて術後を見守っている、と。

 リチャード先生、手術のときに自分に恋するよう刷り込んでおかなきゃダメだよー。「落としたハンカチを拾ってあげる記憶」だとか、「暴漢から助けてあげる記憶」だとか「雨の中、捨て猫に餌をやっているところをのぞき見た記憶」だとかをちゃっかり書き加えておかなきゃだわ!(笑)
 ベッタベタ過ぎて「プッ」てなエピソードだが、リチャード先生のセンスなんて、そんなもんだろ。(断言)
 そんなことをしなくても、「あのコのハートは俺のモノ」と思い込んでいたんだろーがな。あさはかだわ。

 いやまあ、リチャード先生のことはともかく。

 パメラは、こまったキャラだなー、と。

 設定がアホなだけで、彼女自身の感情の流れは別におかしくない。
 医者より占い師になれば? てなうさんくささだが、この役をけなげに演じることは可能なはずだ。
 なにゆえにパメラにはこう、感情移入できないのだろう?
 きれいだし、美しい声で生きる意味の歌なんか歌っちゃうし。
 しかしソレが何故にこうも説得力に欠けるのだろう?

 「無垢な命」とかゆー、パメラの必殺ソングがある。
 これって『ファントム』でいうところの「顔を見せて」の歌だよなー。心を閉ざした男に向かって「さあ」と手をさしのべ、その心を解き放つ。究極の癒しの歌だよな。
 と、アタマではわかっている。でもな。『ファントム』でいうところの、と考えている段階ですでに感情移入から遠ざかっている。冷静にそんなことを考えているわけだから。
 この歌を歌うのが彩音ちゃんだったら、歌は超へたっぴでも、感情移入してダダ泣きしてたのかなー、とか。

 おかしい。
 歌はこんなにきれいなのに。

 きれいな音が通り過ぎるだけで、心に届かない。

 きほちゃんはどうしてこう、温度が上がらないのだろう。
 ちゃんと演じているのになあ。平均点は全部あるのに、それらが総合して良さを打ち消し合っているような。
 サーシャ@『スカウト』もクリスティーヌ@『ファントム』新公も、そして今回のパメラも、全部同じに見えるんだが。
 サーシャは心の壊れた人形だったから、まだ良かったんだけど。泣く、笑う、の技術だけで十分持って行けたし、相手役が愛情ダダ漏れのらんとむだったから、彼の高温に照らされてきほちゃんの低温ぶりもさほど気にならなかった。
 クリスティーヌは……相手役もアレだったので大変なことになっていたし。
 パメラ役は、マックス@まとぶんがどんどんよくなってきたから、それに引っ張られている分はたしかにあるんだけど、やっぱりまだ足りていない。

 あすかちゃんがいたころは、あすかちゃんの劣化コピーになっていたから、彼女が組替えしたあとはオリジナルなきほちゃんが見られると思っていた。
 ところがどっこい、お手本がいなくなると人形化してしまうのか。スタイル抜群のアンドロイドのよーだ。
 きほちゃんにサーシャ@人形役をやらせた正塚はすげえな。なんて容赦ないアテ書き。

 なんというか、きほちゃんはものすごーくじれったい。
 真ん中の力を持ちながら、それを発揮し切れていないところが。
 女医もどきなんかじゃダメなのかなあ。彼女の殻を破り去る役は。

 パメラの温度の低さゆえ、マックスが彼女を選ぶ理由がわからない。いやまあ、脚本上そうなっていることは理解できるんだが、感情がついて行かなくて。

 ただの、吊り橋恋愛に見える。

 吊り橋が揺れてドキドキするのを、そのとき一緒にいた人に対してドキドキしているのだとカンチガイしてしまうという、アレ。
 吊り橋(非常状態)を降り、日常に戻ったら恋も冷めるという、アレ。

 記憶喪失だとか殺人犯だとか、とんでもない精神状態だからこそ、たまたまそばにいてやさしくしてくれた異性に、恋をしているとカンチガイした……そういうことだよな、マックス?
 他の人が横にいて、その人がふつーにやさしい人でやさしくしてくれてたら、やっぱころりと惚れてるよな、マックス?
 その程度に見える。

 マックスの心が動くのはわかるんだけど……パメラ側に説得力がなくて。

 彼女の「ナンチャッテ女医」設定があまりにバカバカしくて興ざめるってのも、たしかにあるよ。悪いのは脚本だよ。でもなあ。

 きほちゃんに「母性」があれば、超えられると思う程度の粗だよ、脚本的には。

 うーむ。彼女ほど包容力だとか母性だとか慈愛だとか、女性的なモノに欠ける娘役もめずらしい。

 だからこそ、彼女のそういうところを生かしたキャラクタを演じれば、魅力爆発すると思うけどなあ。
 それこそクールな女殺し屋だとか、アンドロイドだとか、超人的なヒールキャラ。悪の組織の大幹部系ですよ。アニメ的萌えキャラを追求しちゃえばいいのに。
 クールを極め、「カッコイイ女」として女の子ファンをつけたあと、ヒロインキャラに必要なものを模索していくとかさ。
 敵のクールな美女キャラって美味しいのになー。

 なんだって、きほちゃんがいちばんできない役で、ヒロインやらせるかなぁ。そりゃ「女医」も「白衣」も知的クールなアイテムだから一見きほちゃんに合うけど。
 実際女医じゃなかったわけだしさ。たたの「ボランティアのアタマのゆるい女の子」でしかなかったわけだし。
 「包容力」だとか「慈愛」だとか「癒し」だとか、今のきほちゃんが手も足も出ない役を、わざわざさせなくてもいいだろうに、小池よ。もっと彼女が、ちゃんと発光できるよーになってから、やらせればよかったのに。
 わずかな光が照らすには、ドラマシティは広すぎるよ。

 きほちゃんが変われば、この『MIND TRAVELLER』の色も変わるんだろうな。
(某地味な教授が殻を破ってくれても、いろいろ変わるだろうけれど)


 植爺を讃えに行って来ました。

 植田紳爾演出家50周年記念スペシャル『夢のメモランダム』−植田紳爾・魂(こころ)の軌跡−(長いよ!!)のことですわ。

 チケット暴落していたおかげで、気楽に2回観ました。『花の道』といい、このテのイベントは価格破壊が前提でいいでな、席どこでも1回観られればいいや、な人間には。ネックは値段なので(わたしはびんぼー)安ければリピートも気楽っす。
 チケット価格の目安は「OGが出るかどうか」だと思ってます。現役生だけのイベントはそこそこ価値があるんだが、OGが出るとなると一気に落ちるよねぇ。

 第一部が日本物で、祝舞と歌と、芝居『舞い込んだ神様』、植爺が家族と踊る『舞三代』。
 第二部が洋物、男役100人の黒燕尾大階段ダンス、各スター歌い継ぎとダンス、OGの歌とトーク。

 筋道立てて語るほどのものでもないんで、思いつくままに書きます。

トウコちゃん、トップ初仕事おめでとー!!
・や、力一杯ソコにこだわって観に行きましたから。トウコちゃんが星組トップとしてあすかちゃんとふたり大劇場に立つ、最初の舞台。なにがなんでも観なければ。植爺どうのはどーでもいー。
かしちゃんが、トップスターとして本拠地イベントに出演。
・や、力一杯ソコにこだわって観に行きましたから。TCAがないなら、もうコレしかないぢゃん! トップとして他組トップと並ぶかっしーはなにがなんでも観なければ。植爺どうのはどーでもいー。

・出演者、豪華過ぎ。てゆーか多すぎ。点呼を取るだけで終わってしまった。わたし的に。

・松本先生の祝舞にとなみちゃんのソロ、娘役たちのコーラス。娘たちは下手花道で3人ずつマイクを囲んで歌うのだが、これがなかなか個性の出る立ち位置だった。コーラスに徹する娘たちはマイクを丸く囲んで客席に横顔を見せているんだが、某トリオは3人とも真正面を向いていた。あのー、スタンドマイクの立場は? えーとアレって月娘?

・祝舞が終わってスター登場、『夜明けの序曲』主題歌を歌い継ぐあさこちゃん、かっしー、トウコ。
トウコ、貫禄アリ過ぎ(笑)。
・トップ初仕事という初々しさはどこにもない。「ずっとトップスターでしたが、なにか?」みたいな。いいなー、トウコちゃん(笑)。
・トウコは植爺系のハッタリ歌い上げソングも合うんだよね、声質も芸風も。いやあ、派手でうさんくさくて昭和的(つまり、タカラヅカ的)でいいわぁ。

・大階段、花道とずらりと着物+袴姿のジェンヌが並ぶ。前1列以外は学年順だから、センター近くの顔ぶれの濃さといったら(笑)。
・紋付きではない、色とりどりの着物。個性出てるよねえ。でもって、トウコちゃんとゆーひくんが、ペアルックだー! と、ひそかにウケていたのは、秘密です。(すずみんも一瞬同じテイストの着物に見えたが、ちがった。彼のはもちろん、もっと派手です・笑)
・月組の次回公演の宣伝をあさこちゃんがしているとき、他の月組メンバーだけがそれぞれの位置で会釈するのだが。そのかも、一緒に頭を下げていて、感慨深かった。そのか、月組なんだ……。
・月組合流後最初の仕事とはいえ、組関係ないイベントだから、月組のそのかに対して、まだ免疫はない。ただ、せつない。
・そのかは上手本舞台の隅っこ。かろうじて本舞台、ひとつまちがえると花道要員(笑)。
すずみんとともちの並びに萌える。ともちでかいよ、ともち! すずみんが女の子だー! カップルでもOKな映りのよさ。
・ルイスとゆーほの並びに、何故か心ときめく。
・「あの大勢口の中で、ゆーほチェックしてるんですか」とジュンタンに突っ込まれたが、みきちぐチェックしている人に言われてもな(笑)。
・いかなるときでもマチオ先輩だけは目に飛び込んでくる。
・一色瑠加氏も迷いなくチェック済みですとも。
・うきょーさん! うきょーさん!
・しいちゃんは相変わらずの立ち位置の良さ。イベントになると、ほんと美味しいよな、サトリちゃん。……あれ? なんで今日、サトリちゃんいないの?!
・Wコーラスの娘さんたちは、なんかみんな健康優良児系……?(笑)
・「あいらぶゆーらぶたからづか♪」は、ただひたすら恥ずかしい歌だ……。

・司会は何故か初風諄さん。……独特のスローテンポで、進行が遅れまくるのではないかと危惧。
・「植爺を讃える」タイトル看板が舞台上部に飾られるんだが、微妙。あれはレトロを狙って失敗したの? それともたんに素人が描いた、へたっぴレタリングの成果? 中学文化祭の生徒手書き看板のノリ。
・植爺作品のポスターが何十枚か背景に飾られていたが、つくづく、ポスターセンスがない。主要キャストが前を向いて並んでいるだけ。それが何十枚並んでるの。こわっ。
・唯一、映画ポスターを意識した『風と共に去りぬ』がきれい。そして、『パリの空よりも高く』がどれだけいいポスターかがわかる。

・植爺初演出作品『舞い込んだ神様』(1957年)は、単品としては悪くない。他愛なく、たのしい。
・デビュー作に「作家の本質が出る」と言うけれど。……ほんとに出まくっていて、苦笑した。
意味のない暴力シーン、「男が女を殴る」ところからスタート。
・殴らせなくても同じテーマは表現できるのに、とにかく暴力。女も殴り返しているが、男の方が多く殴る。
・「主役」の意味がない。「主役」を中心に物語を構成できない、展開できない。
・無意味に冗長。同じ歌をえんえんえんえん繰り返す。構成力ないのはここからなのか……。
・歌詞がチガウから2回も3回も続けるのかと思いきや、全部同じ。1番が終わったと思ったら間奏の次に2番ではなくまた同じ1番、間奏の次にまた1番……なにコレ、1番から3番まであるんじゃなくて、1番しかない短い曲なの? じゃなんで繰り返すの? 1回でええやろがっ。
・『くらわんか』の貧ちゃんの歌を、もう一度聴けるとは。花組が出演していないのが残念。あっ、らんとむがいる!!
・太郎冠者@トド様、うまい。
・女房・花子@となみちゃん、うまい。
・いやあ、華やかでいいなあ、このふたり。
・貧乏神@まやさんが、たのしい。歩く姿とかかわいすぎ。なにをしているわけでもないのに、見てしまう。
・そしておたのしみの、貧ちゃんズ@2〜3番手スターのみなさん!!
・客席から登場なんだが、マジで誰が誰だかわからん。ざんばら髪でうつむき加減、幽霊メイク。
それでも最初から、ゆーひくんだけわかったのは、愛のなせるワザでしょうか。
アゴで区別が付く、あひくんとらんとむ氏って……。
・らんとむが貧ちゃん! 八五郎さんが貧ちゃんやってますよ、みなさん!!
・幽霊メイクのせいか、顔立ちの整った人は西洋人形みたいに見えた。あひくんとらんとむ、ほんとにバタくさくてきれいや……(立派なアゴを含む)。
・タニちゃんご機嫌! すげーかわいい!
すずみさん、やりすぎ。幽霊ドーランの上、目の回り、真っ黒に塗っていて、タヌキ状態。1回目より、2回目の夜公演の方が、さらにものすごいことになっていた……アナタほんとにサービス精神の固まりねっ。愛しい。
・みっちゃん、ふつーにかわいい。
ゆーひくんは、幽霊似合う。たぶんそーゆーキャラだから。病身の剣士とかイメージだもんなー。貧ちゃんもそのノリだ。てゆーか、綺麗。
・みんなじっとしていくれないから、全員チェックできず。くやしいわ。(ゆーひさんばっかり見ているからです)

・そして、再びゆったり異時代感漂う初風諄氏の司会ののちは、第一部最大の話題シーン、植爺一家で発表会!!

 だが、ここで次の欄へ続く!


 あれは、ここでブログを書きはじめて間もないころ。
 「岡田良機せんせー、還暦おめでとー管弦楽団によるコンサート」という催しの存在を知り、なまあたたかい気持ちになった。わたしだったらそんなの絶対嫌だな、と。お祝いしてくれるのはうれしいけど、気持ちだけ受け取るから管弦楽団とかやめてくれよ、イタ過ぎる。
 そのときに、笑い話として書いたんだよね。
 植爺がやったらどうしよう、って。(2002-12-26参照)

 笑い事ではなく、本気でやりやがりました。植田紳爾演出家50周年記念スペシャル『夢のメモランダム』−植田紳爾・魂(こころ)の軌跡−(長いよ!!)として!!

 しかもしかも。
 植爺自ら、舞台に立ちますよ!! しかも、家族込みで!!

 数日前、プログラムが発表になってからのヅカファンの阿鼻叫喚ぶりを、あちこちで目に耳にできましたよ。わたしも思わず悲鳴あげたしな(笑)。
 オーケストラの指揮をした小林公平氏を上回る厚顔ぶりに、ネタとしてウケてしまいました。そこまで捨て身でウケを取らなくてもいいだろうに、植爺ってば。

 昼の部が終わり、夜の部を観るためにやってきたハイディさんと合流したとき、「で、植爺はどうでしたか?」と聞かれ、にこやかに、

「見てないから、わかんない」

 と、答えてしまいました(いい笑顔)。
 なにやってたんですか、と問われ、さらにきっぱりと、

「娘役ちゃんの点呼」

 と答えました。はい。

 もちろん、ソコでなんかやってるわけですから、目にしないわけはありません。多少語れるくらいには目に入ってしまいましたが、ここでなにも書くつもりはありません。
 愛を持てない出演者については、なにも書かない主義ですから。
 苦言文句いじり倒し、すべて愛ゆえですもの。愛がないのに語ったら、そりゃただの毒になってしまう。だからスルーですよ、はい。

 つーことで『メモラン』語り箇条書き、続き行きま〜す。

・『花の道』でどーやら劇団は学習したらしい。植爺一家出演時には、現役生徒を多数出演させる。そーすりゃその間席を立つ人を減らせる。
・『花の道』はなー、公平氏の指揮の間観劇しない、という選択肢を選ぶ人が多数いたからなー。その間トイレやロビーに人がいる(笑)。コムちゃんの原寸大オスカル様と記念撮影する人たちとか(通常の開演前や休憩時間は人が多すぎて撮影が難しかったしな)、みんな思い思いに時間を有意義に過ごしていた。
・娘役50人によるコーラスですよ! 花道に娘役ぎっしり! すげー豪華。点呼点呼。ひとりずつ顔と名前を確認し、名前を思い出せない子を、並びから推測する、ということをやっていたらあっという間に終わりました、植爺発表会。
だから、まったくもって無問題。
・かなみ、あすか、るいの美しい歌声も堪能。
・ん? となみちゃんは前のシーンに出ていたからここには出られないはずなのに、ソロを順番に歌うトップ娘役が4人いる? 4人目、トリを取るトップ娘役って誰だ?
・オペラで確認してギャフン、出雲綾様ですか!! やっぱりトップ娘役に昇格されてたんですね……宙組時代2番手でしたものね、かなみちゃんとWで!
・組2番手から専科を経てトップに。檀ちゃんやあすかちゃんと同じパターンですね。ははは(涙目)。またしても、かなみちゃんとWで今度はトップですか、そーですか。植爺作品といい、月組の受難は続きそうですな。ははは(涙目)。
・いやその、すばらしい歌声でございました。
・娘役を(いろんな意味で)堪能しているウチに、幕。

あっ、第一部終わっちゃった!

・第二部は幕開きからすごいです。開演アナウンスと共に、黒燕尾男たちがスススッとスタンバイしているシルエットが見えます。
・ライト点灯! 見渡す限りの黒燕尾男たちキターーッ!!
・黒燕尾黒燕尾黒燕尾!! 大階段にも黒燕尾、本舞台にも黒燕尾、銀橋にも黒燕尾!! 黒燕尾、入れ食い状態!(鼻息)
・次々登場、次々入れ替わっていきます。当然です、そーでもしなけりゃ全員出てこられねえ!
・うきゃーっ!! 狂ったように点呼。ええ、点呼取りまくりです。できるだけたくさんの男たちを見たい、でもトウコちゃん、かっしー、ゆーひくんも見たい。ああ、ジレンマ……。
・ここでだっけな、シューマッハ再び。
・タニ、きり、ゆひの並びで男たちを率いて大階段を逆三角形に降りてくる。
・……大きくなったよね。

 シューマッハ時代は、特別なモノだ。
 ケロ、ゆーひ、きりやん、タニ。
 持ち味もチガウ、学年もチガウ。個性豊かで映りのいい、すてきなユニットだった。
 それぞれ、ダイスキだったよ。
 ケロちゃんはダーリンだった。
 でも、ゆーひくんにもときめいていた。
 一時期はオペラできりやんばっかり追いかけてて、隣の席の見知らぬ方に「霧矢さんのファンですか?」と声をかけられたりもした。
 タニちゃんの天真爛漫な輝きにあこがれた。

 紆余曲折、いろいろあるよね。
 だけど、みんなそれぞれ、充実した、しあわせな人生を歩んで欲しいと思う。
 心から、そう願う。

・ケロちゃんを、なつかしく思う。彼の黒燕尾は端正でエロくて絶品ぢゃった……。しみじみ。
・ところで、ゆーひさんとそのかが同じフレームに収まると、心臓に悪いんですが。
・『MIND TRAVELLER』でまぁくんを見て、若いころのたかこを思い出し、せつなさで胸が痛かったというのに。
大人になったゆーひと、若造のケロが一緒に踊っているなんて、どこの同人誌ですか。夢小説系二次創作のノリだろソレ!!(動揺)

 その昔、『銀河英雄伝説』の同人誌で、ユリアン青年がタイムスリップだかなんだかで士官学校時代のヤンと出会い、彼と共にもう一度生きるという小説を読んだことがあるんだが……ソレ系のせつなさですよ、ええ。
 ユリアンくんは「未来」を知っているから、ヤンと同盟の未来を守るためにいろいろがんばるんだけど、ユリアン自身年下のヤンを残して早死にするし、結局どうあがいてもヤンは若くして死ぬ運命なんだよね……。
 いやその、ヲタクな話を持ち出して申し訳ないが。

 「大人のゆーひと、若造のケロ」という並びは、せつなくて苦しくて、そして甘い痛みに満ちております。ぶっちゃけ萌えです(笑)。

・黒燕尾活け作り(違)は、どれだけ見ていてもあきないっす。倍くらいの時間があってもヨシ。
・ほんとに、点呼取ってるうちに終わったよ……。

 つーことで、続く〜〜。


 至福の黒燕尾づくしの興奮冷めやらぬまま幕が下り、次に出ていらっしゃったのは麻路さき様でございました。

 耳馴染みのあるイントロ。そして。

 マリコ、歌うんだ?!(白目)

 植田紳爾演出家50周年記念スペシャル『夢のメモランダム』−植田紳爾・魂(こころ)の軌跡−(長いよ!!)のゲストに麻路さきがいることは、入り口でもらったプログラムに写真が載っていたから、わかっていた。
 マリコといやあ植爺の超お気に入り、お披露目もサヨナラも植爺作品@もちろん超の付く大駄作だったという、歴史に残る気の毒な人だ。そりゃあこのイベントにいてもあたりまえだ。
 そう思って、ソコでアタマがストップした。

 わかってなかったんだ。
 マリコさんが出演する、ということがどういうことなのか。
 思ってなかったんだ。
 マリコさんが、歌うなんて。

 いや、歌うだろそりゃ。ナニしに来たと思ってたんだ自分!!

 彼が歌うのはもちろんお披露目の主題歌、「風になりたい」。

 ああ、変わらぬ歌声!!

 マリコさんは、マリコさんでした。
 なにもかも、あのころのまま。
 そりゃあ体格は二回りくらい立派になられてますが、トートやってたときも二重顎だったから無問題。ぜんぜん変わってない印象。
 歌声も、記憶にあるまんまで……ツボに入って、笑いをこらえるのに四苦八苦。

 当時、マリコの物まねを友人のキティちゃんがよくやってくれてね。この「風になりたい」は彼女の十八番、マリコそっくりに歌ってくれたの。キティちゃんは音大の声楽科卒で、「正しい音階」と「マリコの音階」と使い分けて歌ってくれたり……そりゃーもー見事だった。愛されキャラだったからなー、マリコ。

 その記憶まで一緒によみがえってきて、ひとり客席で悶絶。

 ああ……いいなあ、マリコさん。この人はとにかくカッコイイ人でしたよ。歌が「ホゲエエェェェ」で台詞が「フガフガフガ」でも、とにかくもー動いている様を見ていればうっとり酔える人でした。
 そして。

 再確信。タニちゃんトップ全然OK。
 タニちゃんの歌なんか、マリコさんに比べたらぜんぜんうまいって!! やっぱり歌の破壊力歴代NO.1はマリコさんだって!!(笑顔)

 はい、とゆーことで第二部はOGさん登場。
 てっきり第一部で植爺とトークでもするのかと思ってたけど。(入り口でプログラム配ってたんだから、前もって読めよ)

 んじゃ箇条書きスタート。

・麻実れい様登場です! そーいやターコさん出るんじゃん!(入り口でプログラム配ってたんだから、前もって読めよ)
・きゃーっ、おとなしめの歌なのに、ターコさん、入ってます。登場から、スイッチオンです!!
・すげーすげーっ、ノリノリ〜〜、エロ〜〜っ、ターコさんすごいわよサトリちゃん! ……あれ? なんで今日、サトリちゃんいないの?!
・おかしい……イベントなのに、しい担サトリちゃんがいないなんてっ。
・鳳蘭様は、こーゆーイベントにいて当然なので、プログラムを確認する必要もございませぬ。いやあ、大した人だ。マジ、オーラちがうっす。
・てゆーか鳳蘭様、2曲歌うんだ?! 他の人たち1曲なのに?(入り口でプログラム配ってたんだから、前もって読めよ)
・初風諄様はしっとりと、なんかヅカとはちがった意味で時代を感じさせる歌を歌われました。
・んで、やっぱりあるんだ、OGトーク。今回はないのかと期待したのに……。や、あればあれでおもしろいんだけどね。
・ネタは昼夜共同じでした。
・でも、昼の方がやりとりがうまかったし、まとまっていた。
・夜は同じ話をするもんだから、昼に説明したことを端折ってしまったり冗長になったりでめためた。
・てか、たった2回しかない公演のMCなんだから、内容変えればいいのに。植爺への感謝の思い出って、1個しかないのか……。大変だなー。
・あ、そーだ。マリコさん、白いずるっとした衣装着てたんだけどさ。真横からのラインが白衣に見えて、萌えでした。今、白衣がブームっす。まっつまっつ!
・さて、OGの「植爺のおかげで今の私があります、先生様ありがとう!」の輪唱が終わった後は、いよいよ本番再開です!!

・暗転した舞台に、スタンバッている男たちの影。
・ライトオン! スーツ+帽子の色男たち!! 赤スーツタニちゃんと、青スーツのスター男たち。
・わーいわーい、眼福だー。みんなかっこいー。
・男臭くノリノリで踊るのはいいが。掛け声アリなんだよね。「オラオラオラ〜〜!」「ハァッ」「ウッ」……なんか、下手の方ばっかで聞こえるんですけど?!
・わたしは上手のゆーひくん中心で見ていたんで、上手のおとなしさに比べ、下手のアツさに首をかしげ……。
・夜公演では、下手をチェックしました。
・オラオラ言ってるの、予想通りすずみんだ……。あの巻き舌は絶対星組だと思ったんだっ。
・てゆーか。
すずみんとれおんだけ、胸にマイク付けてる!!
このふたり、オラオラ〜巻き舌〜オラオラ要員?!(白目)
・上手の人はマイク誰もつけないっすよ……ゆーひくんの「ハッ」とか、ろくに聞こえねーっつの。言ってるのに。
・すずみん、めっちゃたのしそうだ……。
・タニちゃんがんばれー(笑)。

・タニちゃんひとりセリ下がり(消える瞬間まで気を抜かずカッコつけてますよ! よーし!)、残った男たちが見上げる先に、3つの影。
・『ナイト・アンド・デイ』来ましたー!! 暗闇の中、キザりきった歌声が響く。トウコ、かっしー、あさこだー!
・3組の『ナイト・アンド・デイ』。トウコ×あすか、かっしー×るいるい、あさこ×かなみん、並んで踊られるとすげー豪華!!
・やーんたのしーたのしー!! トウコちゃんとあすかちゃんが「組んで何年も経ってますがナニか?」てな余裕で絡んでるのがイイ!
・かしちゃんるいちゃんきれい。夢の中のカップルみたい。
・オペラグラスで追いかけるのに必死。2組のカップル、両方見たくてじりじりする(笑)。
・いい男たちが、自慢のいい女連れて、自信たっぷりに踊る姿はいいですなー。美男美女カップル、ああ、タカラヅカっていいなあ。
・上手花道でそれぞれポーズ、暗転……間際のトウコちゃんのウインクに悩殺される。うきゃー!

・トップカップルたちが消えたのと反対、下手セリを使って深紅のきりやん登場。銀橋をひとり歌いながら渡る。おおっ、貫禄だ。……シルエットでトドロキ様とどっちかなと迷ったのはナイショです。
・でもって、ここからお着替えなしです。フィナーレまで誰も着替えない。
・せっかくここまではアダルトだったのに、次の瞬間響くのは「おーい春風さーん!」の声。うわー……。

 んじゃまた続く〜〜。


 なんだろう。
 知ったときに、まず、悲しくなった。

 ウメちゃんが宙組のトップスターになる。
 それはとてもよろこばしいことで、アタマではわかっているのに。
 いちばん最初の感情は「かなしい」だった。

 感傷だ。
 わたしは星組が好きだった。あのころの星組が。

 ワタさんがいて、檀ちゃんがいて、トウコちゃんがいて。
 しいちゃんがいて、まとぶんがいて、すずみんがいて、れおんがいた。
 かのちかちゃんがいて、ウメちゃんがいて、コトコトやせんどーさんみなみちゃんがいて。
 そしてもちろん、ケロがいた。

 幸福だった過去にしばられて、誰かが「いなくなる」ことに傷つくんだ。

 それが祝福すべき岐路であったとしても、ただわたしが「寂しい」というだけで。

 退団していった人たちだって組替えしていった人たちだって、そこにあるのは祝福であるべきだ。みんなしあわせになるために決断し、自分の道を歩いているのだから。
 「寂しい」のはわたしの勝手であり、自己中心的な感傷にすぎない。

 さみしいよ、ウメちゃん。星組のウメちゃんが好きだった。星組でウメちゃんが見せてくれたものが、ダイスキだった。

 
 ……と。ただの自分勝手な感傷に、ちょっくら足を取られた後で。

 考える。

 タニちゃんと並ぶ、ウメちゃん。

 ……すごく、きれい。

 でもってふたりで、ナニするんだろ。どんなモノを、見せてくれるんだろ。

 考え出すと、すごくわくわくする。

 いろいろと足りていないわたしは、感情と理性と知識と想像と、どうもうまく働かない+タイムラグがあるようです。
 決まったこと。事実。現実。それを咀嚼して、ようやく未来が見えてきた。

 これは、よろこびごとなんだ。
 冷静に考えれば、とってもわくわくすることだもの。

 とゆーことで。
 一抹の寂しさはあるものの、それを超える期待を込めて。

 ウメちゃん、宙組トップスター内定おめでとう。

 

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