よりファンタジックに。@ME AND MY GIRL
 グッズスキーなので、とりあえずクマを買いました。
 や、その昔『あさきゆめみし』クマも買ったから。コレクション・ハートがうずいて(笑)。
 公演タイトルの入ったリボンをしている、というだけの、なんの変哲もない、テディ・べア。
 縫製はあまりよくなくて、顔がゆがんでいる。や、梅芸と梅田キャトレ両方探したけど、みんなそうなの。この子がいちばんマシだった……て、両方の店に、わざわざ行ったのか(笑)。
 わたしのご贔屓が出演していたら、きっとそのお衣装を作って、このクマに着せたことでしょう……2作続けて、我が贔屓は梅芸公演に出ていないが。

 プログラムは買わないくせに、こんなどーでもいいものは買ってしまう、ヲタクの性よ。

 
 花組『ME AND MY GIRL』初日に行ってきました。
 
 梅芸メインホールのロビーには、出演者たち手書きの七夕の短冊が展示されていて、壮くんの容赦のないエゴ爆発したお願いっぷりに感動したが、じつはいちばんウケたのが、みちるタンの「世界平和」だったりする(笑)。ひとり観劇だったので、誰にもナニも言えず、ひとりで短冊の前でじたばたしたわー。
 みんなふつーに文章で「~~でありますように」ってやってるなか、四文字熟語……しかも、「世」がでかすぎて、あとになるほど字が詰まって窮屈になっていっている、「計画性の無さ」がすばらしい。

 ん? なんでみちるタンが? 短冊が飾られているのは、『ME AND MY GIRL』組だけでなく、何故かバウホール『フィフティ・フィフティ』組も一緒だった。

 ……『宝塚巴里祭2009』組は、入れてもらえてません……「スープの冷めない距離」で開催されるのに。
 なんかすげーさみしいっす。

 
 短期間のウチに再演を繰り返される、謎の演目となった『ME AND MY GIRL』。ぜんぜんやらなかったり、やりまくったり、バランス悪いよなあ。
 音楽は録音だけど、大劇場より高額な座席料で剛毅に開演。

 
 いやあ、なによりも。 

 ジョン卿@壮一帆が、プリティ過ぎるっ。

 最初の「家つき弁護士」の歌で踊る姿のおかしな動きに、ノックアウト。なに、あのかわいいイキモノは……っ?!

 登場するどの男より長身でスタイル抜群のヒゲのおっさんは、その細長いカラダを使ってひょこひょこ踊るのよ。
 動きのひとつひとつがおかしくて、かわいくて、客席で身悶えた。

 あーもー、かわいいなあ、ジョン卿。こんなに愛らしいイキモノだったのか、ジョン卿。

 きりやんのジョン卿のイメージが色濃く残っているだけに、その別物っぷりにもウケた。
 きりやんのジョン卿はほんとに色男で、オッサンスキーなわたしとしては「サリー、ビルはやめてジョン卿にしなよ」とか思っちゃったくらいだが(笑)、えりたんジョン卿はそーゆー次元じゃない。サリーになって恋愛するよりは、虫かごに入れて生体を眺めたい感じ。

 なんかすごく、ファンタジー色の強いジョン卿だった。いい意味で嘘くさいというか、不思議な存在感があって。
 おとぎの国の人だから、彼の恋や友情を、素直に眺め、エールを送った。

 
 かわいいといえば、ジャスパー卿@ふみか。

 最初、このキャスティングは残念だった。ふみかなら、ヘザーセットが見たかったから。色男のふみかが見たいのに、おデブのじじい役なんて……と。

 でもでも、かわいいのっ。
 表情のひとつひとつが、すげーかわいい。仕草や動きもかわいい。

 癒し系なのか、ふみか……!

 あの邪気のない顔。なにか別の世界で生きているような、満たされた感覚。天使とか、ひなたぼっこしているもふもふの老デブ猫の風情。

 ジャスパー卿にときめく日が来ようとは……。

  
 で、わたし的にはけっこー気になる役であるところの、バターズビー卿。
 役として、気になるの。脇スキー的に、目を引く役なのよ(笑)。月組ではわたしの好みの顔である一色氏が演じていて、なにがどうじゃなく、顔を眺めていてたのしかった。ああ、あの枯れたなさけない感じの、でもいかにも貴族っぽいヘタレ男ぶりがいいのよー。

 その、脇スキーはぁとのうずく役が。

 ええっと。

 ものすげえ、キャラ立ってました。

 赤ら顔のおっさんがいる……!

 最初にわしゃっと出てきたときに、目を引きましたとも、そりゃあ。
 赤ら顔に眼鏡、ちょびヒゲと、まるでカトちゃんのよーな姿。酒瓶抱いて酔っぱらい風味。なさけない八の字眉とおちょぼぐち。

 ひとめでわかるよ、あ、マメだ。ええ、こんなことをするのは、マメしかいない。
 ただ問題は、彼がフレデリックだと、わからなかったこと。

 あまりにもくずしすぎた外見ゆえに、名も無き脇役なんだと思った。『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』の書生さんのときのように、モブだから好きに遊んでいるんだと思った。

 が。
 見ていればわかる。

 あれ、フレデリック・バターズビー卿だ。

 そーか、こう来たか。
 酒好きで妻に頭の上がらない貴族の彼。たしかに台詞だけ抜き出せば、こーゆー外観でもおかしくない。わたしは外部の『ME AND MY GIRL』を知らないし、たぶん一生観ることもないと思うが、外部でやるならこんなふーにやりそう? キャラ立てという点ではわかりやすくていいと思う。
 ただ、ヅカでこーゆーキャラを真正面からやってくるとは思わなくて。

 外見からして思い切り行き過ぎている上に、表情や動作もそれに合わせてとことんコミカル。
 うわー、ヘタにフレディ見ちゃったら、目が離せなくなる(笑)。

 『ME AND MY GIRL』はとにかく最初から名前のある役がぞろりと登場して大変だから、キャラ立てをよりわかりやすくするのは正しい。アニメやゲームのキャラ設定に必要なラインを、きちんと押さえているのが好感触。

 
 ジェラルド@みわっちは、やっぱ芝居うまいのかな。
 世間知らずのおぼっちゃまを演じても、嫌味がない。ヘタレキャラだけど、あくまでもそれはキャラであり、壊れていないんだ。

 いやその、あひくんがあまりに強烈だったんで、「アレは役のせいか? あの役をやったら、ああすることしかできないんだろうか?」と疑問に思っていたので。
 アレは、あひくんだからなんだ。と、答えが出てほっとした。

 考えなしだけど善良で、ほんとのとこ別に弱いわけではない。見える角度が違っているだけ、角度が変わればまたちがった姿が見えるだろう、と思わせる若い男の子。
 それが最後の、ジャッキーへのビンタになるんだろーな、と。

 
 主役たちの話はまた別欄で。

 しかしビル@まとぶんは……あれって、イイのか? 

 と、引きを作ってみる(笑)。

日記内を検索