あの日見た夢の果てに(笑)・その1。@Je Chante
2010年3月26日 タカラヅカ さて、わたしは相変わらず予備知識ナシで観劇している。
作品解説なんてもんはラインアップ発表時に流し読みするだけで、基本アタマにまったく残ってない。なにしろ記憶力なくてなー。
宙組バウホール公演『Je Chante(ジュ シャント)』。
この物語が「歌手」の物語だということすら、わかっていなかったという。
全公演観るのが前提だから、予備知識は不要なのよ、マジで。解説とか読んで「おもしろそうだから観ることにしよう」とかやらないもの。「観る」のが前提だから、先入観になるあらすじなんてもんはかえって害悪。まっしろな状態で観て、どう思うか。その方が、わたしには重要。
……なんだけど、それはわたしだけの事情で、世の中的には公式HPやチラシの解説は予備知識としてわかった上で観なければならないのかな。開演前にはプログラムを買ってストーリー解説を熟読しなければならないのかな。
設定や展開を知っていて当然、なのかもしれないが。
なにも知らずに観劇したわたしは、物語に置き去りにされた(笑)。
こんな単純な物語なのに?(笑)
そうまるで、中村A作品を観たときのように!(笑)
てかコレ、中村暁演出だっけ? 既視感バリバリ。
知ってる、わたしコレ知ってるわ、『さすらいの果てに』とか『あの日見た夢に』とかよね? アレと同じ感覚で作られた話よね?
いやはや。
すごかったっす。
おしゃれでかわいいポスター、舞台はフランスなのねー、なんてかわいいミュージカルなオープニング。
若さがきらきら、いいわねえ。
そうか、主人公シャルル@カチャは映画の小道具係をしている、映画が好きな男の子なのね。
わがまま女優ミスタンゲット@圭子ねーさまに振り回されてみんな大変。そんなわがまま女優が頼りにしている付き人の女の子ジジ@アリス、かわいくて性格もいい子なのね。
こんな子と偶然出会ったら、そりゃときめくわねえ。
シャルルには友だちジョニー@いちくんがいて、一緒にお店で歌って騒いで楽しそう。みんなみんなかわいいなあ。
その翌朝、シャルルはジジに偶然再会。ふたりでいつか海を見に行こうと打ち解け、いい雰囲気。
シャルルは自作の歌も披露。つっても別にどーってことないふつーの歌、ミュージカル映画製作現場で働いている男の子だもん、音楽が好きなのは想定内、鼻歌ぐらい作るよね。
青春!って感じでいいわねー。
ここまでは良かったんだが。
そのあとから、すごい勢いで置いていかれた。
突然、シャルル撮影所クビ。ミスタンゲットの差し金らしい。
たしかに仕事中に男の子とたのしそうにしていたジジも悪いけど、それだけでシャルルを遠ざけるって、どこまでわがままっつーか、ジジを所有物扱い? まあ、そういうキャラクタなのかな。
しかし、それに対してジジはなにも言わない。ジジにとってシャルルってその程度なんだ……まあなあ、2回会ってちょっと喋っただけの相手だもん、仕事の方が大事だよね。
ジジがヒロインだってことはポスターからわかっているから、きっとこのあとなにかあって愛し合うことになるんだな。
最初に淡い好意、次に裏切り、それから本格的な恋愛へ、ってことだな。
シャルルがクビにされるのを見て見ぬフリ、目線そらしてシカトするヒロインだもん、ひでー裏切り行為。
別に好意を持っている相手でなくても、ただの知り合い相手であっても、酷いよこれ。他人の人生を保身のために踏みにじったわけだから。
こんな酷いことをしなければならないほど、ミスタンゲットに弱みを握られているとか、事情があるんだわ、きっと。
失業中のシャルルと友人ジョニーのもとへスカウトマン@すっしー登場。彼らの歌が大人気なんだって。
はあ?
ここで本気で驚いた。
いつそんなことに?
たしかにちょっと前に酒場で歌ってたけど、それってそんなに特別だった? みんなで歌い踊るミュージカル場面、オープニングと同じ扱いで観ていたよ。
とてもじゃないが、ムーヴメントな大事件だとは思わなかった。
これがストレートプレイならば、「歌」が重要なのはわかる。ふつーの人は日常で歌い踊らない。なのに自作の歌を披露する主人公は、たしかに特別だろう。
しかしミュージカルである以上、モブの通行人すらふつーに歌い踊る世界観で、いくらでもあたりまえに歌があふれているなかで、主人公の歌う1曲が「スカウトされるほど特別」と描くなら、それなりの描き方が必要だろう。
代役で酒場でどんちゃんしたときも、周囲の反応を描く。シャルルとジョニーの歌がどれだけ楽しかったかを、みんなが楽しんでいるかを、表現する。シャルルたちが楽しそうにしていることは描いていたけれど、それは客観的な評価じゃないよね。
彼らのことを人々が噂をしたり、あのときの歌を口ずさんでいたり。
クビになる前の撮影所で、「この前の歌、すごく良かった、歌手になればいいのに」とか、モブに言わせるとか。シャルルは笑って取り合わないとしても。
なにかがじわじわ起こって、それがついにスカウトというカタチになる。
「失意の底で、突然スカウト」というのを描きたかったから、あえてシャルルたちの歌がすごかったことも、人気を博していたことも描かなかったんだろうか、演出家? 歌手の物語なのに、その歌の良さや人気は表現しないポリシー?
展開がいきなりすぎてぴよ?っとなった。
シャルルたちだけが特別だった? みんなで歌って騒いでたんだから、あの酒場にいた全員をスカウトするべきじゃ??
シャルルって実は歌手になりたかったんだ? 映画をやりたい人なのかと思っていたよ。ごめんね、「歌手」の物語だって設定知らなくて。
でも、ジジに自作の歌を聴かせたときも、夢だとは特に言ってなかったような?
歌手が夢なら、スカウトは願ってもないよなあ。でもジョニーと違って、シャルルはスカウトにも消極的。されどジジを振り向かせたくて承諾する。
彼らのデビューはミスタンゲットの代役。
失敗を危惧する関係者をよそに、まさかの大成功……はお約束なので、別にいい。お約束は大切だ。
問題はそのあと。
続く。
作品解説なんてもんはラインアップ発表時に流し読みするだけで、基本アタマにまったく残ってない。なにしろ記憶力なくてなー。
宙組バウホール公演『Je Chante(ジュ シャント)』。
この物語が「歌手」の物語だということすら、わかっていなかったという。
全公演観るのが前提だから、予備知識は不要なのよ、マジで。解説とか読んで「おもしろそうだから観ることにしよう」とかやらないもの。「観る」のが前提だから、先入観になるあらすじなんてもんはかえって害悪。まっしろな状態で観て、どう思うか。その方が、わたしには重要。
……なんだけど、それはわたしだけの事情で、世の中的には公式HPやチラシの解説は予備知識としてわかった上で観なければならないのかな。開演前にはプログラムを買ってストーリー解説を熟読しなければならないのかな。
設定や展開を知っていて当然、なのかもしれないが。
なにも知らずに観劇したわたしは、物語に置き去りにされた(笑)。
こんな単純な物語なのに?(笑)
そうまるで、中村A作品を観たときのように!(笑)
てかコレ、中村暁演出だっけ? 既視感バリバリ。
知ってる、わたしコレ知ってるわ、『さすらいの果てに』とか『あの日見た夢に』とかよね? アレと同じ感覚で作られた話よね?
いやはや。
すごかったっす。
おしゃれでかわいいポスター、舞台はフランスなのねー、なんてかわいいミュージカルなオープニング。
若さがきらきら、いいわねえ。
そうか、主人公シャルル@カチャは映画の小道具係をしている、映画が好きな男の子なのね。
わがまま女優ミスタンゲット@圭子ねーさまに振り回されてみんな大変。そんなわがまま女優が頼りにしている付き人の女の子ジジ@アリス、かわいくて性格もいい子なのね。
こんな子と偶然出会ったら、そりゃときめくわねえ。
シャルルには友だちジョニー@いちくんがいて、一緒にお店で歌って騒いで楽しそう。みんなみんなかわいいなあ。
その翌朝、シャルルはジジに偶然再会。ふたりでいつか海を見に行こうと打ち解け、いい雰囲気。
シャルルは自作の歌も披露。つっても別にどーってことないふつーの歌、ミュージカル映画製作現場で働いている男の子だもん、音楽が好きなのは想定内、鼻歌ぐらい作るよね。
青春!って感じでいいわねー。
ここまでは良かったんだが。
そのあとから、すごい勢いで置いていかれた。
突然、シャルル撮影所クビ。ミスタンゲットの差し金らしい。
たしかに仕事中に男の子とたのしそうにしていたジジも悪いけど、それだけでシャルルを遠ざけるって、どこまでわがままっつーか、ジジを所有物扱い? まあ、そういうキャラクタなのかな。
しかし、それに対してジジはなにも言わない。ジジにとってシャルルってその程度なんだ……まあなあ、2回会ってちょっと喋っただけの相手だもん、仕事の方が大事だよね。
ジジがヒロインだってことはポスターからわかっているから、きっとこのあとなにかあって愛し合うことになるんだな。
最初に淡い好意、次に裏切り、それから本格的な恋愛へ、ってことだな。
シャルルがクビにされるのを見て見ぬフリ、目線そらしてシカトするヒロインだもん、ひでー裏切り行為。
別に好意を持っている相手でなくても、ただの知り合い相手であっても、酷いよこれ。他人の人生を保身のために踏みにじったわけだから。
こんな酷いことをしなければならないほど、ミスタンゲットに弱みを握られているとか、事情があるんだわ、きっと。
失業中のシャルルと友人ジョニーのもとへスカウトマン@すっしー登場。彼らの歌が大人気なんだって。
はあ?
ここで本気で驚いた。
いつそんなことに?
たしかにちょっと前に酒場で歌ってたけど、それってそんなに特別だった? みんなで歌い踊るミュージカル場面、オープニングと同じ扱いで観ていたよ。
とてもじゃないが、ムーヴメントな大事件だとは思わなかった。
これがストレートプレイならば、「歌」が重要なのはわかる。ふつーの人は日常で歌い踊らない。なのに自作の歌を披露する主人公は、たしかに特別だろう。
しかしミュージカルである以上、モブの通行人すらふつーに歌い踊る世界観で、いくらでもあたりまえに歌があふれているなかで、主人公の歌う1曲が「スカウトされるほど特別」と描くなら、それなりの描き方が必要だろう。
代役で酒場でどんちゃんしたときも、周囲の反応を描く。シャルルとジョニーの歌がどれだけ楽しかったかを、みんなが楽しんでいるかを、表現する。シャルルたちが楽しそうにしていることは描いていたけれど、それは客観的な評価じゃないよね。
彼らのことを人々が噂をしたり、あのときの歌を口ずさんでいたり。
クビになる前の撮影所で、「この前の歌、すごく良かった、歌手になればいいのに」とか、モブに言わせるとか。シャルルは笑って取り合わないとしても。
なにかがじわじわ起こって、それがついにスカウトというカタチになる。
「失意の底で、突然スカウト」というのを描きたかったから、あえてシャルルたちの歌がすごかったことも、人気を博していたことも描かなかったんだろうか、演出家? 歌手の物語なのに、その歌の良さや人気は表現しないポリシー?
展開がいきなりすぎてぴよ?っとなった。
シャルルたちだけが特別だった? みんなで歌って騒いでたんだから、あの酒場にいた全員をスカウトするべきじゃ??
シャルルって実は歌手になりたかったんだ? 映画をやりたい人なのかと思っていたよ。ごめんね、「歌手」の物語だって設定知らなくて。
でも、ジジに自作の歌を聴かせたときも、夢だとは特に言ってなかったような?
歌手が夢なら、スカウトは願ってもないよなあ。でもジョニーと違って、シャルルはスカウトにも消極的。されどジジを振り向かせたくて承諾する。
彼らのデビューはミスタンゲットの代役。
失敗を危惧する関係者をよそに、まさかの大成功……はお約束なので、別にいい。お約束は大切だ。
問題はそのあと。
続く。