彼の事件が示すモノ。@アデュー・マルセイユ
2007年10月9日 タカラヅカ ちょっとここで、「14年前の事件」を考えてみる。ジェラール側からは十分考え、自分なりの(笑)ストーリーを展開してきたので、「殺人事件」としての。
『アデュー・マルセイユ』最大の謎、マルセイユ市助役ピエール・ド・ブロカは何故殺されたのか。
や、いちお、理由だけは本編内で語られています。
リシャールとペランが探していた「鞄の中身」である、「封筒」には、「市長の汚職を告発するメモ」が隠されていた、と。
そのためにピエールは、口を封じられた。
まあ、ここまではわからんでもない。
ピエールはほんとーに独りで動いていて、彼ひとり殺してしまえば市長は安泰だった、というのもアリでしょう。
さて、ここで気になるのはその、「汚職をしていた当時の市長」です。
当時の市長はスコルピオと、そしてペランと通じていた。まあ、それもアリでしょう。スコルピオは悪いギャング、ペランは悪徳刑事。市長と組んで、悪いことをいろいろしていたのでしょう。
市長の後押しがあるからこそ、理由をこじつけてジェラールを少年院送りにし、スコルピオの息のかかった取調官を付けることができたのでしょう。
「本当のことを言え、言わないと成人するまでここから出られないぞ」ってのは、悪党一味でないと言わない台詞だよね? ジェラールは「ケンカに巻き込まれた」から院にいるのよね? 「本当のこと」をジェラールが本物の取調官に話してしまったら、悪党も市長もやばくなるから、ずーっと見張っていたのよね? すくなくとも、最初の何年かは。
権力者の後ろ盾がないと、そこまではできないよね?
ソレはそれでアリなんだが。
問題は、その「14年前、市長と通じていた」ことが、現在とどう関係しているかだ。
作品中で語られていないので、さっぱりわからない。
ふつーに考えると、おかしいんだもの。
14年前には市長と仲良しで、悪党としてマルセイユでブイブイ言わせていたであろうリシャールとペランが、現在が一議員と仲良しなだけてのは、彼らがバカという証拠にしかなりませんが、どうなんですか。
どんだけヘタ打って、こんなに地味にくすぶってんだ?
14年前は、正直者で通っている評判のいい少年を、問答無用で少年院へ放り込むだけの権力を持っていた悪党たちだよ?
市長と共犯者だよ?
市のトップに立つ男の、裏仕事を受け持つ実行部隊の隊長とかをやっていたわけだよ? いざとなったら市長を脅して自分たちが街を支配するくらいできるだろう、裏のからくりを操っていた男たちだよ?
それが今は、へっぽこモーリスだけがお友だち。
モーリスがお仲間でも、大した権力はないだろ……。市長選出馬も金の力しか頼るモノがないよーな、人脈も人望もない若造だよ?
手を組む政治家の格も質も落ちまくってますがな……。
ペランは警察でも出世してないっぽいしな。
市長が味方なら、警部といわず、もう少し地位や給料の高いところへ行って、さらに悪事の手助けができただろうに。学歴とか家柄?とかがなくて、警部止まりと就職したときから決まっていたのかな。
14年前からけっこーいいトシに見えたし、それなりに権限のある立場に見えたから、14年間昇進してないのかな……。それもすごいな。
14年前はそれなりに権力のある悪党だった、リシャールとペラン。
しかし、時は流れすっかり落ちぶれてしまった。
当時の悪の市長はすでにその座になく、現在の市長はまぬけそーな風情だが、悪の誘いには乗ってこない人物である(ちなみに恐妻家)。
政治家の協力が必要、つーんで、てきとーな人間を物色したら、モーリスだった。……いちばん与しやすそうだったから。つまりバカだったから。てことですか。
リシャールはマルセイユのギャングとしての覇権を、あのシモンなんかと二分しているわけだし。シモンの年齢からいって、あとから台頭してきたわけでしょ?
あの、シモンだよ? バカさお墨付きの。
アレをライバルとして、アレに勝つために、きゅーきゅー言っているんだから、リシャールがどんだけ安い男であるかは、わかるよな。
「給料が安いから、悪いことをして金を儲ける」という理由で、昔も今も同じことをしているペラン。……14年前はもっと稼げていただろうに、その金はどーしたんだ。未来へなんの投資もしなかったのか。
なんにせよ、14年前が市長で、今がモーリスごときだなんて、落ちぶれすぎだろ、リシャール&ペラン。
悪がきちんと悪であることで、主役の格好良さが引き立つわけだが、14年前の事件のせいで、悪役がまぬけ認定されるので、主役がかっこよくなんないよー。
回想シーンのふたりはとても悪くて、事件も深そうで、かっこいいのにね。
こんなアホなオチとはね。
そして、なんにも解決していないのに「謎が解けた」と言うジェラールたちがアホに見えるから、やめてくれ。
ピエール殺人事件の動機がわかっただけで(実行犯は最初からわかっていたのに、ジェラールが黙っていた)、事件自体はまったく解決していないから。当時の市長はどうした、実行していないだけで、共犯かあるいは主犯だろう?
殺人を目撃していながら黙秘していたジェラールの行動も、言及されるだろう? 脅されていた、未成年だった、ので罪には問われないだろうが、事件関係者として召喚されるだろう?
なんの謎も解けていない。
ピエール殺人事件が解決しなければ、ジェラールはジェラールに戻れない。
殺人事件の目撃者でありながら、ギャングに脅されて真実を告発できずにいたのだから。
事件が解決していないのに、「俺は今ジェラール・クレマンそのものだ」とか最後に晴れ晴れ言うのはどうなのよ。
ただ実行犯が捕まった、というだけじゃない。観客はなんの謎解きも、報告も受けてないよ。
当時の市長の汚職、それに絡む殺人事件、なんて、やめときゃよかったのになあ、イケコ。
この事件があったために、みんながアホアホになった。
現在の悪党との駆け引きだけにしておけば、ボロも出なかったのに。
プロットめちゃくちゃにして、前のプロットの「削除し忘れ」みたいな事件つぎはぎにして、なんにもいいことないじゃん……。
や、つじつまとか気にせず、オサ様が強引に紡ぐ物語を楽しんでますが。
脚本にはアラがありすぎるのが気になってな。
『アデュー・マルセイユ』最大の謎、マルセイユ市助役ピエール・ド・ブロカは何故殺されたのか。
や、いちお、理由だけは本編内で語られています。
リシャールとペランが探していた「鞄の中身」である、「封筒」には、「市長の汚職を告発するメモ」が隠されていた、と。
そのためにピエールは、口を封じられた。
まあ、ここまではわからんでもない。
ピエールはほんとーに独りで動いていて、彼ひとり殺してしまえば市長は安泰だった、というのもアリでしょう。
さて、ここで気になるのはその、「汚職をしていた当時の市長」です。
当時の市長はスコルピオと、そしてペランと通じていた。まあ、それもアリでしょう。スコルピオは悪いギャング、ペランは悪徳刑事。市長と組んで、悪いことをいろいろしていたのでしょう。
市長の後押しがあるからこそ、理由をこじつけてジェラールを少年院送りにし、スコルピオの息のかかった取調官を付けることができたのでしょう。
「本当のことを言え、言わないと成人するまでここから出られないぞ」ってのは、悪党一味でないと言わない台詞だよね? ジェラールは「ケンカに巻き込まれた」から院にいるのよね? 「本当のこと」をジェラールが本物の取調官に話してしまったら、悪党も市長もやばくなるから、ずーっと見張っていたのよね? すくなくとも、最初の何年かは。
権力者の後ろ盾がないと、そこまではできないよね?
ソレはそれでアリなんだが。
問題は、その「14年前、市長と通じていた」ことが、現在とどう関係しているかだ。
作品中で語られていないので、さっぱりわからない。
ふつーに考えると、おかしいんだもの。
14年前には市長と仲良しで、悪党としてマルセイユでブイブイ言わせていたであろうリシャールとペランが、現在が一議員と仲良しなだけてのは、彼らがバカという証拠にしかなりませんが、どうなんですか。
どんだけヘタ打って、こんなに地味にくすぶってんだ?
14年前は、正直者で通っている評判のいい少年を、問答無用で少年院へ放り込むだけの権力を持っていた悪党たちだよ?
市長と共犯者だよ?
市のトップに立つ男の、裏仕事を受け持つ実行部隊の隊長とかをやっていたわけだよ? いざとなったら市長を脅して自分たちが街を支配するくらいできるだろう、裏のからくりを操っていた男たちだよ?
それが今は、へっぽこモーリスだけがお友だち。
モーリスがお仲間でも、大した権力はないだろ……。市長選出馬も金の力しか頼るモノがないよーな、人脈も人望もない若造だよ?
手を組む政治家の格も質も落ちまくってますがな……。
ペランは警察でも出世してないっぽいしな。
市長が味方なら、警部といわず、もう少し地位や給料の高いところへ行って、さらに悪事の手助けができただろうに。学歴とか家柄?とかがなくて、警部止まりと就職したときから決まっていたのかな。
14年前からけっこーいいトシに見えたし、それなりに権限のある立場に見えたから、14年間昇進してないのかな……。それもすごいな。
14年前はそれなりに権力のある悪党だった、リシャールとペラン。
しかし、時は流れすっかり落ちぶれてしまった。
当時の悪の市長はすでにその座になく、現在の市長はまぬけそーな風情だが、悪の誘いには乗ってこない人物である(ちなみに恐妻家)。
政治家の協力が必要、つーんで、てきとーな人間を物色したら、モーリスだった。……いちばん与しやすそうだったから。つまりバカだったから。てことですか。
リシャールはマルセイユのギャングとしての覇権を、あのシモンなんかと二分しているわけだし。シモンの年齢からいって、あとから台頭してきたわけでしょ?
あの、シモンだよ? バカさお墨付きの。
アレをライバルとして、アレに勝つために、きゅーきゅー言っているんだから、リシャールがどんだけ安い男であるかは、わかるよな。
「給料が安いから、悪いことをして金を儲ける」という理由で、昔も今も同じことをしているペラン。……14年前はもっと稼げていただろうに、その金はどーしたんだ。未来へなんの投資もしなかったのか。
なんにせよ、14年前が市長で、今がモーリスごときだなんて、落ちぶれすぎだろ、リシャール&ペラン。
悪がきちんと悪であることで、主役の格好良さが引き立つわけだが、14年前の事件のせいで、悪役がまぬけ認定されるので、主役がかっこよくなんないよー。
回想シーンのふたりはとても悪くて、事件も深そうで、かっこいいのにね。
こんなアホなオチとはね。
そして、なんにも解決していないのに「謎が解けた」と言うジェラールたちがアホに見えるから、やめてくれ。
ピエール殺人事件の動機がわかっただけで(実行犯は最初からわかっていたのに、ジェラールが黙っていた)、事件自体はまったく解決していないから。当時の市長はどうした、実行していないだけで、共犯かあるいは主犯だろう?
殺人を目撃していながら黙秘していたジェラールの行動も、言及されるだろう? 脅されていた、未成年だった、ので罪には問われないだろうが、事件関係者として召喚されるだろう?
なんの謎も解けていない。
ピエール殺人事件が解決しなければ、ジェラールはジェラールに戻れない。
殺人事件の目撃者でありながら、ギャングに脅されて真実を告発できずにいたのだから。
事件が解決していないのに、「俺は今ジェラール・クレマンそのものだ」とか最後に晴れ晴れ言うのはどうなのよ。
ただ実行犯が捕まった、というだけじゃない。観客はなんの謎解きも、報告も受けてないよ。
当時の市長の汚職、それに絡む殺人事件、なんて、やめときゃよかったのになあ、イケコ。
この事件があったために、みんながアホアホになった。
現在の悪党との駆け引きだけにしておけば、ボロも出なかったのに。
プロットめちゃくちゃにして、前のプロットの「削除し忘れ」みたいな事件つぎはぎにして、なんにもいいことないじゃん……。
や、つじつまとか気にせず、オサ様が強引に紡ぐ物語を楽しんでますが。
脚本にはアラがありすぎるのが気になってな。