俗に、「模倣は上達の一歩」と言う。@新人公演『アデュー・マルセイユ』
2007年10月16日 タカラヅカ 新人公演担当演出家・児玉明子。
この名前を見ると、途端萎える。
わたしはこだまっち作品自体はキライではないが、新公演出は勘弁して欲しい。
こだまっちの新公演出コンセプトは、「本公演の忠実なコピー」だからだ。
キャラクタから台詞のイントネーションまで、「どれだけ完璧に模倣できるか」を目標にしているとしか思えない。
その生徒の魅力を伸ばすことは考えない。
たしかに模倣することで技術を伸ばすことはできるだろう。だが、ただ技術だけが必要な劇団か、ここは? 第一、模倣して得られる技術と、自分の魅力を発揮するための技術がまったく別だった場合、短期間に結果を求められる現代、ちんたら模倣させている場合か?
「仕方ないよ、こだまっちの演出家としての基本姿勢が、『なにかをコピーする』ことなんだから」
なーんてことをnanaタンと話しながら帰る。
ははは、そーだよなー、ぱくりっちと呼ばれた作家だもんなー。
……って、こだまっちの場合は、笑えない……。
まあそんなこんなで行ってきました、新人公演『アデュー・マルセイユ』。
こだまっち演出だからもちろん、めざせコピー!! です。
巧い人や器用な人はほんとーに本役をまんまコピーしてしまうし、下手な人はコピーしようとしても技術が足りずに自爆、巧くてさらに余裕のある人はコピーをしつつも自分なりの味を出す。
わたしの目から見て、今回ぶっちぎりで巧かったのは、シモン@だいもんですわ。
いやあ最初の方、ジェラール@まぁくんと芸風が合わなさすぎて、どーしようかと。
まぁくんはスロースターター。大抵最初の方は「大丈夫か、ヲイ」という出来映え。
反してだいもんは、最初からブースト全開。しかも彼はクラシカルな「タカラヅカ・スタァ」。現代風のまぁくんとの不協和音ときたら。
おもしろいけど、手に汗握った(笑)。てかだいもん、君の方がすべてにおいて巧いんだから、主役に合わせてやれ。
だいもんはその実力で、悠々と本役をコピーしていた。
キャラクタ、表情、仕草、台詞のイントネーション、完璧にコピー。
またこれが巧い。
どこの研15だ? 初新公2番手だなんて嘘だよな? 堂に入った演じ方、存在、発声、なによりも、歌唱力。
まとぶも歌は十分うまくなっているけれど、だいもんはもともと歌手属性キャラだという強みもあるし、周囲の歌がえらいことになっている相乗効果もあり、歌で、ひとり勝ち状態。
聴かせる聴かせる。うおー、もっと歌ってくれえ。シモンってこんなに歌少なかった? 本公演ではけっこう多いような気がしてたんだけど、なんか聴き足りないよー。もっと聴きたい〜〜。
男役としての「型」ができあがっているのが強い。
ふつうに本公演で活躍していそうな、安定した実力。
あまりに悠々自適で、また、ひとりで巧すぎて周囲と、噛み合っていない。
浮いてるよ、君……。とくに、ジェラールとの合わなさぶりと来たら……。
そう考えれば、だいもんも余裕がなかったのかな。終始自分のペースで芝居をしていた気がする。
演出家がこだまっちでなければなあ。
だいもんは、巧い。コピーしろと言われたら、本当にそっくりそのままコピーしてみせる。
そうやって「コピーする」実力があることがわかれば、さらにその上を目指させてやってくれよ。ただでさえだいもんは、今までの新公でも忠実に本役コピーを心がける子だったじゃないか。コピーはもういいよ、次の段階へ進ませてやってくれよ。
まとぶのシモンは、まとぶだからこそ魅力的なシモンであり、だいもんにはだいもんだからこそ魅力的な、そしてまぁくんジェラールに合ったシモン像があったはずなんだ。
まとぶシモンのままでは、まぁくんジェラールに合わなかった。丁寧にコピーされたまとぶシモンは、新公の舞台では浮き上がっていた。
ぶっちぎりで巧かったんだけどな、だいもん……。
周囲がついてきてないっすよ……。そして、ひとりだけ浮くっつーのは、どんなに巧くても君の方に問題があるっつーことになっちゃうよ。
次に巧かったのは、言うまでもなくマリアンヌ@すみ花ちゃん。
知性と意志があるように見えたことは、大きい。
思慮深い女の子に見えた。
最後のジェラールに「一緒に行きたい」と言うところが、婦人参政運動と恋との間で迷っているのがわかった。
本役の彩音マリアンヌは、大学受験に失敗してすぐに嫁に行って子供を産んでいるイメージなんだけど、すみ花マリアンヌはほんとーに大学生になってそうだ。
にしてもしどころのない役だよなあ、マリアンヌって。
まあ、おバカな描かれ方をした女の子を、バカに見せない、というのは難題だから、それに取り組むのはいいことなのかも? ヅカでは何度でもそーゆー目に遭うだろうから。
本役では、胡散臭い愉快なちょびヒゲ艶男はジオラモだったが、新公ではペラン@マメだった。
いやあ、胡散臭いです。愉快です。そして、セクシーです。
たのしそうに表情がくるくる変わり、もったいつけてねーっとりと、二枚目の範疇でユーモラスな悪役を演じています。
本役の星原先輩はマジでハードな悪役なのに、マメは柔らかさのある色男を好演。
や、それはいいんだけど……それって本来、ジオラモがやるべきことぢゃないの?
花組は弱肉強食だから、いいのかな。
マメが色男ポジション取っちゃったから、ジオラモ@めぐむはちょっと可哀想なことになっていたし。足りなかっためぐむ自身の責任とはいえ。……しかしマメ、容赦ないなー(笑)。
マメがかっこよくて、ほんとにどうしようかと。胡散臭い色男を演じさせたら、そりゃマメのひとり勝ちだよなあ。
弱肉強食といえば、「アルテミス婦人同盟」でも役割の争奪戦が起こっていた。
ナタリー@くまくまちゃんが、めがねっこに。
本役でめがねっこといえば、ソフィー@じゅりあだ。挙動不審な変な女の子。イノシシのように突進して、男を怯えさせるブスキャラ。
それを、本来しっかりものの美人キャラであるナタリー役が、めがねというアイテムを取ってしまったから、ソフィー役の子はめがねを使えなくなっていた。
「しっかりものの美人キャラ」の上にめがねまで加え、さらにキツい性格のキャラクタであることを強調していた。
本役のコピー推奨でも、自分なりの味を出すことができたのは、主役クラスの役ではない、ことが大きいのかもしれないが、マメは自在に、そしてくまちゃんは好戦的に(笑)、いろいろやってくれる子たちだなあ。
つーことで、主演のまぁくんの感想は翌日欄で。
この名前を見ると、途端萎える。
わたしはこだまっち作品自体はキライではないが、新公演出は勘弁して欲しい。
こだまっちの新公演出コンセプトは、「本公演の忠実なコピー」だからだ。
キャラクタから台詞のイントネーションまで、「どれだけ完璧に模倣できるか」を目標にしているとしか思えない。
その生徒の魅力を伸ばすことは考えない。
たしかに模倣することで技術を伸ばすことはできるだろう。だが、ただ技術だけが必要な劇団か、ここは? 第一、模倣して得られる技術と、自分の魅力を発揮するための技術がまったく別だった場合、短期間に結果を求められる現代、ちんたら模倣させている場合か?
「仕方ないよ、こだまっちの演出家としての基本姿勢が、『なにかをコピーする』ことなんだから」
なーんてことをnanaタンと話しながら帰る。
ははは、そーだよなー、ぱくりっちと呼ばれた作家だもんなー。
……って、こだまっちの場合は、笑えない……。
まあそんなこんなで行ってきました、新人公演『アデュー・マルセイユ』。
こだまっち演出だからもちろん、めざせコピー!! です。
巧い人や器用な人はほんとーに本役をまんまコピーしてしまうし、下手な人はコピーしようとしても技術が足りずに自爆、巧くてさらに余裕のある人はコピーをしつつも自分なりの味を出す。
わたしの目から見て、今回ぶっちぎりで巧かったのは、シモン@だいもんですわ。
いやあ最初の方、ジェラール@まぁくんと芸風が合わなさすぎて、どーしようかと。
まぁくんはスロースターター。大抵最初の方は「大丈夫か、ヲイ」という出来映え。
反してだいもんは、最初からブースト全開。しかも彼はクラシカルな「タカラヅカ・スタァ」。現代風のまぁくんとの不協和音ときたら。
おもしろいけど、手に汗握った(笑)。てかだいもん、君の方がすべてにおいて巧いんだから、主役に合わせてやれ。
だいもんはその実力で、悠々と本役をコピーしていた。
キャラクタ、表情、仕草、台詞のイントネーション、完璧にコピー。
またこれが巧い。
どこの研15だ? 初新公2番手だなんて嘘だよな? 堂に入った演じ方、存在、発声、なによりも、歌唱力。
まとぶも歌は十分うまくなっているけれど、だいもんはもともと歌手属性キャラだという強みもあるし、周囲の歌がえらいことになっている相乗効果もあり、歌で、ひとり勝ち状態。
聴かせる聴かせる。うおー、もっと歌ってくれえ。シモンってこんなに歌少なかった? 本公演ではけっこう多いような気がしてたんだけど、なんか聴き足りないよー。もっと聴きたい〜〜。
男役としての「型」ができあがっているのが強い。
ふつうに本公演で活躍していそうな、安定した実力。
あまりに悠々自適で、また、ひとりで巧すぎて周囲と、噛み合っていない。
浮いてるよ、君……。とくに、ジェラールとの合わなさぶりと来たら……。
そう考えれば、だいもんも余裕がなかったのかな。終始自分のペースで芝居をしていた気がする。
演出家がこだまっちでなければなあ。
だいもんは、巧い。コピーしろと言われたら、本当にそっくりそのままコピーしてみせる。
そうやって「コピーする」実力があることがわかれば、さらにその上を目指させてやってくれよ。ただでさえだいもんは、今までの新公でも忠実に本役コピーを心がける子だったじゃないか。コピーはもういいよ、次の段階へ進ませてやってくれよ。
まとぶのシモンは、まとぶだからこそ魅力的なシモンであり、だいもんにはだいもんだからこそ魅力的な、そしてまぁくんジェラールに合ったシモン像があったはずなんだ。
まとぶシモンのままでは、まぁくんジェラールに合わなかった。丁寧にコピーされたまとぶシモンは、新公の舞台では浮き上がっていた。
ぶっちぎりで巧かったんだけどな、だいもん……。
周囲がついてきてないっすよ……。そして、ひとりだけ浮くっつーのは、どんなに巧くても君の方に問題があるっつーことになっちゃうよ。
次に巧かったのは、言うまでもなくマリアンヌ@すみ花ちゃん。
知性と意志があるように見えたことは、大きい。
思慮深い女の子に見えた。
最後のジェラールに「一緒に行きたい」と言うところが、婦人参政運動と恋との間で迷っているのがわかった。
本役の彩音マリアンヌは、大学受験に失敗してすぐに嫁に行って子供を産んでいるイメージなんだけど、すみ花マリアンヌはほんとーに大学生になってそうだ。
にしてもしどころのない役だよなあ、マリアンヌって。
まあ、おバカな描かれ方をした女の子を、バカに見せない、というのは難題だから、それに取り組むのはいいことなのかも? ヅカでは何度でもそーゆー目に遭うだろうから。
本役では、胡散臭い愉快なちょびヒゲ艶男はジオラモだったが、新公ではペラン@マメだった。
いやあ、胡散臭いです。愉快です。そして、セクシーです。
たのしそうに表情がくるくる変わり、もったいつけてねーっとりと、二枚目の範疇でユーモラスな悪役を演じています。
本役の星原先輩はマジでハードな悪役なのに、マメは柔らかさのある色男を好演。
や、それはいいんだけど……それって本来、ジオラモがやるべきことぢゃないの?
花組は弱肉強食だから、いいのかな。
マメが色男ポジション取っちゃったから、ジオラモ@めぐむはちょっと可哀想なことになっていたし。足りなかっためぐむ自身の責任とはいえ。……しかしマメ、容赦ないなー(笑)。
マメがかっこよくて、ほんとにどうしようかと。胡散臭い色男を演じさせたら、そりゃマメのひとり勝ちだよなあ。
弱肉強食といえば、「アルテミス婦人同盟」でも役割の争奪戦が起こっていた。
ナタリー@くまくまちゃんが、めがねっこに。
本役でめがねっこといえば、ソフィー@じゅりあだ。挙動不審な変な女の子。イノシシのように突進して、男を怯えさせるブスキャラ。
それを、本来しっかりものの美人キャラであるナタリー役が、めがねというアイテムを取ってしまったから、ソフィー役の子はめがねを使えなくなっていた。
「しっかりものの美人キャラ」の上にめがねまで加え、さらにキツい性格のキャラクタであることを強調していた。
本役のコピー推奨でも、自分なりの味を出すことができたのは、主役クラスの役ではない、ことが大きいのかもしれないが、マメは自在に、そしてくまちゃんは好戦的に(笑)、いろいろやってくれる子たちだなあ。
つーことで、主演のまぁくんの感想は翌日欄で。