思わぬ人間交差点(笑)。@新人公演『ラスト プレイ』
2009年10月30日 タカラヅカ ぼやぼやしていたら、月組公演自体が終わってしまう……。今ごろ、月組新人公演『ラスト プレイ』の感想、続きです。
ヒロイン?ポジションのエスメラルダ@蘭はなちゃん。
…………エスメラルダの服って、トンデモなかったんだ……!
や、本役のあいちゃんだと、気にならなかった。つか、気にしてなかった。いかにも高そうな女が着そうな服だな、としか。センスがいいかどうかより、記号として裏社会の美女が着そうな服と。
それが、新公を見て、服の悪趣味さに、びびった。
なにあのひどい服! ムーア@珠城くん、女の趣味悪っ。
蘭はなちゃん自身はとても若く顔立ち自体は幼いんだけど、服装が大人っぽいもので、着こなせないとすごく「カンチガイしたおばさん」風味になるんだと、思い知った。
演技以前に、着こなし、身のこなしの話。そして、視覚として最初に「うわ、イケてない格好の女」というのが飛び込んでくると、演技以前に「安い女」というイメージに支配されてしまう……わたしは。
本公演では、夢にも思わなかったよ。こんなにひどい服装だったのか、エスメラルダ。
というか、アテ書きだからだよな。「あいちゃんなら美しく着こなせる」という前提であの服なんだろう。
蘭ちゃんがどうこうではなく、「娘役・城咲あい」は達人の域なんだと再確認。
値段だけは高そうな悪趣味な服を好んで着る女と、そんな女を恋人にしている男。
男が浮気をしたらしく、女は怒って出て行ってしまった。男の友人が仲裁に入るが、女はひとりできーきーヒステリー。
……というストーリーの流れが、ものすごーく説得力あります、新人公演。
本公演では、そのへんの流れが実感できず、「あのいい女が別れるとか騒ぎ出すって、ナニがあったの?」「あの真っ直ぐな男が浮気ってそんなバカな?!」と首をひねっていたんだがな。
この安っぽいおばさんと、ふつーにおっさんなふたりなら、ふつーにあり得そうだ……。
思わぬところで説得力、これでいいのかマサツカ?!
蘭ちゃんは本公演のポーリーンはすごくキュートだし、ショーでもかわいいから、等身大のかわいこちゃんは十分こなせるんだと思う。
これからの課題は、セクシー系衣装の着こなしや大人の女の所作を勉強だなー。や、若手路線娘役は、かわいこちゃんさえできればソレでいいのかもしんないけどさ。本公演ではこんな役はまず回ってこないだろうし。
でも、記憶を失ったアリステア少年@みりおを、ふたりで支えていこうとムーアとエスメラルダが決心するところ、マジで泣けたんですが。
もー、このふつーのおっさんとおばさんに感情移入しまくりだよー。うんうん、そうだよねえ。男と女って、子どもでもないままごとでもない、ともに生きる男と女って、こーやって人生荒波乗り越えていくんだよねえ。
誘拐事件のあと、救出されたエスメラルダがでかいムーアに全身で抱きついているのを見て、また泣けた。
よかったね。おじさん、すげーがんばったんだよ、奥さん助けるために!!
小僧っこが若気の至りで暴走して大騒ぎして、こわいもの知らずのはねっかえり小娘を助けるんじゃなくて、分別も足枷もある大人の男女がダイナマイト持ち出すまでの騒ぎをやるから、泣けるんだ。
……新公なのに(笑)。
本公演より、不思議な説得力と、感情移入度。なにこの渋い『人間交差点』な感覚。(通じるよね、『人間交差点』。渋く地味な大人の人間模様を描いたコミック。たしかドラマ化もされてたぞ)
王子様とお姫様ではない、リアルな感じがたまらん。
もうひとりのヒロイン、ヘレナ@愛風ゆめちゃん。
こちらも研2の抜擢。マサツカ芝居を懸命にこなしていた。ちょっと固い気はするけど、ヘレナってもともとそんな役だしなあ。
ときどき花組の仙名さんに見えた。
……で、そーいや文化祭のダンス場面で、「あ、仙名さんだ……ん、仙名さんより可憐だわ、誰だろう」と思うとそのたび愛風さんだったことを思い出した。
やっぱ似てるのか? わたしの目がそうなっているのか?
仙名さんは入団してからどんどん可憐になってきているから、余計愛風さんとまざっちゃうのかなー。や、ふたりが別の組でよかった(笑)。
研2の珠城くんも愛風ゆめちゃんも、文化祭に続いてマサツカ芝居なんだね。その点はまだ経験値があるだけ良いのかな。
正塚せんせのあの独特の台詞回しは、ヅカ的大芝居が染みついた人には難しいみたいだし。(ex.やたらクドい演技になりがちだった某星組『愛短』・笑)
ヘレナはなんだか、とても寂しそうな女の子に見えた。しょぼんとした背中が印象に残る。
アリステアが少年だし、ヘレナもまた、恵まれない生い立ちのけなげな少女。
もっと笑顔の多い役で、ゆめちゃんを見てみたいなー。
エスメラルダもヘレナも、正塚の「ヒロイン衣装」を着ていないので、どっちもヒロインではないんだろうな、とエスメラルダの衣装に着目したために今さら考えたよ、新人公演。
あのピンクのワンピースなー。もしくは、単色のシンプルな肩出しドレス。あ、大劇場ではもっと華美な衣装に意識的に変更されてたっけ? ……まあいいや。
前回の新公でルキーニ、今回はまさかのマヤさんの役だった宇月くん。
なにしろ役のない正塚芝居、主要数名をのぞいていちばんイイ役はマヤさんの役に決まっているから、専科さんの役だからと残念がることはない。
実際オイシイ役なんだけど。
……新公は、いくつの設定?
見た目はふつーにナイスガイ。
ムーアの仲間。つか、ムーアがおっさんなので、見た目だけならムーアより若い。立ち姿も声も青年。
なのに一人称「儂」、「この年で階段はきつい」などの台詞。
いくつなんだグラハム?!
青年なんじゃないの?
よくわかんない役になってました。
いっそ脚本変えて青年にしてしまうとか(一人称「私」、「インテリに階段はきつい」とか)、年配の役なら髪に白いものをまぜるとかヒゲを付けるとかすればいいのに。
正塚芝居のこだわり? 脚本も変えないし、外見をいじることで役を作る言い訳はさせないってか?
マヤさんの役は通常オイシイのに、どっちつかずのせいであんましオイシクない……。
若い男の子の外見で、マヤさんの演技のコピーをして同じ滑稽な台詞を言っても、べつにおもしろくないし……この落ち着きの悪さはナニ?
宇月くんうまい子なのに。マヤさんの役だとワクテカしたのに。
マサツカ芝居って、新公だからといって演出変更禁止だっけ? 本公演アドリブ禁止みたいな感じで?
たしかにコピーは上達の基本だから、本来の脚本演出通りに与えられた役を演じることは必要だと思うけど、新人にはハードル高いよな。
ヒロイン?ポジションのエスメラルダ@蘭はなちゃん。
…………エスメラルダの服って、トンデモなかったんだ……!
や、本役のあいちゃんだと、気にならなかった。つか、気にしてなかった。いかにも高そうな女が着そうな服だな、としか。センスがいいかどうかより、記号として裏社会の美女が着そうな服と。
それが、新公を見て、服の悪趣味さに、びびった。
なにあのひどい服! ムーア@珠城くん、女の趣味悪っ。
蘭はなちゃん自身はとても若く顔立ち自体は幼いんだけど、服装が大人っぽいもので、着こなせないとすごく「カンチガイしたおばさん」風味になるんだと、思い知った。
演技以前に、着こなし、身のこなしの話。そして、視覚として最初に「うわ、イケてない格好の女」というのが飛び込んでくると、演技以前に「安い女」というイメージに支配されてしまう……わたしは。
本公演では、夢にも思わなかったよ。こんなにひどい服装だったのか、エスメラルダ。
というか、アテ書きだからだよな。「あいちゃんなら美しく着こなせる」という前提であの服なんだろう。
蘭ちゃんがどうこうではなく、「娘役・城咲あい」は達人の域なんだと再確認。
値段だけは高そうな悪趣味な服を好んで着る女と、そんな女を恋人にしている男。
男が浮気をしたらしく、女は怒って出て行ってしまった。男の友人が仲裁に入るが、女はひとりできーきーヒステリー。
……というストーリーの流れが、ものすごーく説得力あります、新人公演。
本公演では、そのへんの流れが実感できず、「あのいい女が別れるとか騒ぎ出すって、ナニがあったの?」「あの真っ直ぐな男が浮気ってそんなバカな?!」と首をひねっていたんだがな。
この安っぽいおばさんと、ふつーにおっさんなふたりなら、ふつーにあり得そうだ……。
思わぬところで説得力、これでいいのかマサツカ?!
蘭ちゃんは本公演のポーリーンはすごくキュートだし、ショーでもかわいいから、等身大のかわいこちゃんは十分こなせるんだと思う。
これからの課題は、セクシー系衣装の着こなしや大人の女の所作を勉強だなー。や、若手路線娘役は、かわいこちゃんさえできればソレでいいのかもしんないけどさ。本公演ではこんな役はまず回ってこないだろうし。
でも、記憶を失ったアリステア少年@みりおを、ふたりで支えていこうとムーアとエスメラルダが決心するところ、マジで泣けたんですが。
もー、このふつーのおっさんとおばさんに感情移入しまくりだよー。うんうん、そうだよねえ。男と女って、子どもでもないままごとでもない、ともに生きる男と女って、こーやって人生荒波乗り越えていくんだよねえ。
誘拐事件のあと、救出されたエスメラルダがでかいムーアに全身で抱きついているのを見て、また泣けた。
よかったね。おじさん、すげーがんばったんだよ、奥さん助けるために!!
小僧っこが若気の至りで暴走して大騒ぎして、こわいもの知らずのはねっかえり小娘を助けるんじゃなくて、分別も足枷もある大人の男女がダイナマイト持ち出すまでの騒ぎをやるから、泣けるんだ。
……新公なのに(笑)。
本公演より、不思議な説得力と、感情移入度。なにこの渋い『人間交差点』な感覚。(通じるよね、『人間交差点』。渋く地味な大人の人間模様を描いたコミック。たしかドラマ化もされてたぞ)
王子様とお姫様ではない、リアルな感じがたまらん。
もうひとりのヒロイン、ヘレナ@愛風ゆめちゃん。
こちらも研2の抜擢。マサツカ芝居を懸命にこなしていた。ちょっと固い気はするけど、ヘレナってもともとそんな役だしなあ。
ときどき花組の仙名さんに見えた。
……で、そーいや文化祭のダンス場面で、「あ、仙名さんだ……ん、仙名さんより可憐だわ、誰だろう」と思うとそのたび愛風さんだったことを思い出した。
やっぱ似てるのか? わたしの目がそうなっているのか?
仙名さんは入団してからどんどん可憐になってきているから、余計愛風さんとまざっちゃうのかなー。や、ふたりが別の組でよかった(笑)。
研2の珠城くんも愛風ゆめちゃんも、文化祭に続いてマサツカ芝居なんだね。その点はまだ経験値があるだけ良いのかな。
正塚せんせのあの独特の台詞回しは、ヅカ的大芝居が染みついた人には難しいみたいだし。(ex.やたらクドい演技になりがちだった某星組『愛短』・笑)
ヘレナはなんだか、とても寂しそうな女の子に見えた。しょぼんとした背中が印象に残る。
アリステアが少年だし、ヘレナもまた、恵まれない生い立ちのけなげな少女。
もっと笑顔の多い役で、ゆめちゃんを見てみたいなー。
エスメラルダもヘレナも、正塚の「ヒロイン衣装」を着ていないので、どっちもヒロインではないんだろうな、とエスメラルダの衣装に着目したために今さら考えたよ、新人公演。
あのピンクのワンピースなー。もしくは、単色のシンプルな肩出しドレス。あ、大劇場ではもっと華美な衣装に意識的に変更されてたっけ? ……まあいいや。
前回の新公でルキーニ、今回はまさかのマヤさんの役だった宇月くん。
なにしろ役のない正塚芝居、主要数名をのぞいていちばんイイ役はマヤさんの役に決まっているから、専科さんの役だからと残念がることはない。
実際オイシイ役なんだけど。
……新公は、いくつの設定?
見た目はふつーにナイスガイ。
ムーアの仲間。つか、ムーアがおっさんなので、見た目だけならムーアより若い。立ち姿も声も青年。
なのに一人称「儂」、「この年で階段はきつい」などの台詞。
いくつなんだグラハム?!
青年なんじゃないの?
よくわかんない役になってました。
いっそ脚本変えて青年にしてしまうとか(一人称「私」、「インテリに階段はきつい」とか)、年配の役なら髪に白いものをまぜるとかヒゲを付けるとかすればいいのに。
正塚芝居のこだわり? 脚本も変えないし、外見をいじることで役を作る言い訳はさせないってか?
マヤさんの役は通常オイシイのに、どっちつかずのせいであんましオイシクない……。
若い男の子の外見で、マヤさんの演技のコピーをして同じ滑稽な台詞を言っても、べつにおもしろくないし……この落ち着きの悪さはナニ?
宇月くんうまい子なのに。マヤさんの役だとワクテカしたのに。
マサツカ芝居って、新公だからといって演出変更禁止だっけ? 本公演アドリブ禁止みたいな感じで?
たしかにコピーは上達の基本だから、本来の脚本演出通りに与えられた役を演じることは必要だと思うけど、新人にはハードル高いよな。