最近記憶の衰えが激しいなあ……と、つぶやきつつ、新人公演『美しき生涯』覚え書き。

 うれしい驚きは、疾風@りくくんの声。
 あれ、こんな声だっけ? ちゃんと男役の声になってる。
 声がイイと芝居もうまく見えるし、舞台映えするよねー。これから楽しみだわ。
 顔立ちが舞台向け……というか、個性的だから、コスプレ似合う。となみちゃんがスーツよりドレスがハマったのと同じ方程式。

 温度のある、人間くさい疾風。
 ちゃんと茶々@瀬音リサちゃんを想っているのがわかる。
 冷徹なことを言っても、まず心があって温度があって、その上で冷たいことや厳しいことを言っているらしいよ、この忍者さん。
 ついでに、銀橋で三成@愛ちゃんと「光と影」って歌われると納得する(笑)。

 さぎり@えりちゃんを口説くシーンに色気がないことと、最後たつの@うららちゃんに刺されて死ぬところに色気がないことに、本役さんの妙な得意分野っちゅーか味?に思いを馳せつつ「がんばれ(笑)」と思った。
 そーいや死ぬところの衣装、膝が見えないんだね……テルの膝見せはファンサービスだったのか……?

 
 主人公三成@愛ちゃんは、期待したほどコスプレが似合っていない気がした。何故だ。
 前回のロバート@『誰がために鐘は鳴る』は美しかったのに。ブルース@『記者と皇帝』だって格好良かったのに。
 もちろん、長身小顔さんなんで、頭身の高さは気持ちいいんだけど……あのみょーに肩幅ばかり強調した衣装の数々は、もっとアニメ的な顔立ちや芸風の人が似合うのかもしれない。

 とても素直で可愛い三成で、本役さんより説得力があった。
 というのは新公でよくあることなんだけど、人間として幼い思考や言動の主人公を演じる場合、大人である本役さんより、若者が演じる新公の方がすんなりハマって無理がないんだよね。
 キャラが中二だから、愛ちゃんが若々しく青春芝居をしていると違和感がない。
 いるいる、こーゆー男の子! 思春期ゆえの潔癖さと理想の高さで、自分でこうと目標掲げたら、それ以外はやせ我慢しちゃう子。間違ってるんだけど、本人は大真面目、自分の正義に酔っている。いい子なんだけどなあ、周りの大人がしっかりと彼のことを見て、アドバイスしてあげたら、もっと楽に生きる方法も気づけるだろうに。親とか先生とかは彼の優等生で手が掛からないところばかり見て安心して、放置しちゃうんだよね。鈴木先生がここにいたら、どんな指導をしたんだろう、と思ってしまうような男の子。(ドラマ『鈴木先生』がナニ気に好きな人の感想である・笑)

 また、三成がちゃんと光……タカラヅカの主人公らしい、まっすぐな輝きを持っていることに着目。
 裏方じゃないですよ、支えに回る人じゃないですよ、そんなややこしいことしなくても、まっすぐに真ん中で主役ですよ、な光。
 主演するに相応しい資質だね、愛ちゃん。
 この健やかな光が、派手で豪華、だけど太陽というよりは月や闇のある蒔絵のイメージの、今回の三成コスプレ群に合わなかったのかな。

 
 さぎり@えりちゃん。色気のない疾風相手に、ひとりでお色気を放っているのがツボだった(笑)。
 そう、女が悶えて見せたら、とりあえず男がうまいよーに見えるのよ!(笑) さすがクノイチ、男を騙す(「こんなに喘いでるんだから、オレ、うまいんだよな」と自惚れさせる)演技に長けている。
 えりちゃんってほんと、コスプレの人で、アニメキャラの人だと思う。
 さぎりという女がどうというより、「クノイチの悲劇ってこんな感じ」という、アニメ・マンガ的設定が彼女が演じることによって際立っている。
 寂しげな顔とか、決意の顔とか、二次元萌えキャラ系。
 タカラヅカでは良い資質だと思う。わかりやすいのはイイ。

 あとはスタイルのバランスがよければなあ。
 衣装を選ぶというか、脚は出さない方がいいというのは、萌えキャラとしては残念だなー。
 細すぎて痛々しい。蘭はなちゃんやみみちゃんの脚と共通項。
 美貌と萌えキャラ特質をさらに活かしていってほしいなー。実力は問題ないし。つか、えりちゃんアテ書きの主要な役を見てみたいっす。

 そして彼女が新公の長として挨拶をしたことに、軽く驚く。
 そうか、そんな学年なのか……月日が流れるのは早いなあ。

 
 茶々@瀬音リサちゃんは、うまかった。
 実力には問題なし? ふつうに眺めていられたし、三成とも恋愛しているのがわかった。
 でも見ていてときめかないのは、なんでだろう……。
 せっかくのヒロイン物芝居で、これだけお飾りではない重要なヒロインなのに、吸引されない。ここが舞台の真ん中!とわからない。
 ヒロイン経験の少なさゆえかな? 慣れてくればもっときれいに華やかに、タカラヅカのヒロインに見えてくるのかしら。
 日本物は難しいよね。

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