ねえ奥さん、ご存じでした?
 来月発売される、トウコちゃんのパーソナルブック、特定の書店で予約すると、未公開ピンアップポストカードがもらえるらしいですわよー!!

 そんなこと周知の事実ってやつで、「今さらなに言ってんの?」かもしれないが、わたしは知らなかったので、びっくりしましたのさー。

 ので、いそいそと予約に行ってきました。
 梅田のブックファーストへ。阪急系列の書店ですな。キャトルレーヴでもやってるのかな?

 美しいトウコちゃんの写真ならば、1枚でも多く欲しいぢゃないですか、お客さん!!
 予約するだけで1枚多く手に入るのなら、予約ぐらいしますですよ。

 ……けっこー恥ずかしかったけどな……ちらし握りしめて、書店のカウンターをたらい回しにされるのは(予約はサービスカウンターでしか受け付けてくれないらしい)。

 まあ、恥ずかしいついでにカウンターのおねーさんに質問したところ、今後発売される人たち(確定しているだけで、あさこ、ゆーひ、きりやん、かしげ、水、タニ)に、このような予約特典がつくかどうかは未定だそうです。

 ちらしはA5サイズでフルカラー、男前なトウコちゃん(胸はぺたんこ)のバストアップが大きく載り、あと小さくホストのよーな黒い開襟シャツのあさこちゃん(笑)が載ってます。
 残りの5人の写真は小さく顔だけ。
 トウコちゃんがかっこいいので、ありがたくもらってきましたともさー。

 予約〆切は、25日。
 あと1週間ですわよ、奥さん!
 みんなでトウコちゃんのポスカをGETするのだー!!

     
 花組公演『La Esperanza(ラ・エスペランサ)−いつか叶う−』の感想。

 タンゴダンサーを目指す青年カルロス@寿美礼ちゃんは、画家志望の娘ミルバ@ふーちゃんと出会う。夢を追う者同士として意気投合したふたりは、それぞれコンテストで優勝したら一緒に「自由に生きるペンギン」を見に行く約束をした。
 しかし前途洋々だったはずのふたりの未来は絶たれ、ペンギンを見に行くこともできなかった。カルロスはホテルのボーイ、ミルバは遊園地で働きはじめた。夢を失っても前向きに生きていくふたりが、ペンギンを見に行く未来はあるのか?

 演出家は、正塚晴彦。
 ……正塚だってば。
 正塚のはずなのに。

 なんか、愉快なことに(笑)。

 正塚晴彦といえば、自分探し。主人公は後ろ向きでささくれていてかっこつけていて斜に構えていて、うだうだ悩んで同じところで足踏みする自分に陶酔しているのがお約束。
 主人公が斜め向いて生きてるから、物語の展開も重苦しいものが多い。
 たとえコメディであったとしても、基本スタンスは変わらない。
 正塚作品は追従を許さない独特のカラーがある。

 なのに。
 どーしたことだ、『La Esperanza』。

 ぜんぜん正塚らしくないんですけど?(笑)

 主人公カルロスが、ものすっげー軽やかだ。
 重さ命の正塚が、何故こんな軽い男を主人公に??

 カルロスの巻き込まれた事件自体はけっこー重い。
 兄@さおたのギャング抗争に巻き込まれ、平和な日常が一転、兄逮捕、ダンスパートナー・フラスキータ@あすかは流れ弾に当たってダンサー生命断絶、当然カルロスもダンス業界追放。
 夢に向かって真面目に生きていた青年がこんな目にあったら、ふつー人生はかなむって。絶望して曲がっちゃうって。

 今までの正塚作品の主人公なら、この事件をきっかけに暗いすさんだ男になって、裏社会で自堕落に生きていたりするのよ。
 まず影のある主人公が描かれて、あとから「彼の暗い過去」ってことでこの事件が語られるのが定番よね。

 ところがどっこい。
 カルロスはへこたれない。
 なにがあっても前向き、自然体。
 絶頂で摘み取られた夢も、パートナーへの罪悪感も、不本意なはずの新しい仕事も、みんな受け止め真面目に生きていく。

 どどどどうしたんだ正塚! 
 こんなのぜんぜん、正塚らしくないよっ?!

 カルロスだけじゃない。
 彼を取り巻く人々も、みんな軽やか。
 なにかしら問題は抱えているにしろ、悲劇ぶったり斜に構えたりせず、ナチュラルに人生に向かい合っていく。

 悪人ゼロ。みんないい人(笑)。

 
 いやあ、ウケました。この「正塚らしくなさ」に。

 そっか、新しいことがやってみたかったんだね、正塚せんせー。
 今までとまったくチガウ主人公で、チガウ物語を書いてみたかったんだねえ。

 狂言回しのゴールドバーグ@まやさんに、それをちゃんと台詞で言わせているよ。狙いはカルロスたちの「軽やかさ」にあるのだと。
 やたら深刻ぶって、重い重い話と苦悩だけを描けばそれで、「いい話」になるわけじゃない。悲劇だけがドラマチックなわけじゃない。明るくさりげないなかにある真実だって、同じように大切な輝きがあるはず。

 新しい作風に挑戦するにあたり、失敗したらシャレになんねー、と思ったのか、物語の構成自体は「これでもか正塚」のワンパターンで来た。
 スーツもの、すれ違う群衆たち、そのなかのメインキャラ、人生やら青春を歌うコーラス、「今まで5万回は観た」正塚定番の演出。
 なるほどなー、絵柄を変えなければ「いつもと同じ」と観客に誤解させることが可能だもんな。前回の大劇場作品『Romance de Paris』に似たシーンをことさら挿入したりしてさ。似てるのは表面だけだけど、その効果は大きいわ。観客を騙すことができる。
 大衆は柔軟性に乏しいから、あからさまに新しいものを突きつけると拒絶反応起こすから。「ほーら、いつもと同じだよー」と見せかけて、その奥で好き勝手なことをしている(笑)。知能犯だわ。

 本質部分は変わっていない。
 どんなに軽やかに笑ってやりすごしていても、カルロスは正塚作品らしい「心」を持っている。
 迷いなくゆるぎない生き方の中に、永遠の命題である「自分探し」が息づいている。

 
 まったくもって、おどろいた。ウケた。
 「一見ものすごーく正塚」な絵柄で、その実「ものすっげー正塚らしくない話」で、だけどやっぱり本質は「絶対正塚晴彦」な作品なんて。

 ついこの間、谷先生も「谷先生らしくない作品」を書いてたよねえ。
 どうしたんだ、みんな? なにかあったの? 新しい作風にチャレンジする、新しい自分を欲するよーななにかあったの?(笑)

 なんにせよ、わたしはとてもたのしんだ。

 『La Esperanza』、わたしはこの作品が好き。

 キャラクタのひとりひとりが好き。
 わたしも自由を求めるペンギンだから。

 
 でもな、正塚せんせー。
 声を大にして言いたい。

 コレ、大劇場向きの作品じゃないから。

 キャラクタの心を読まないとついていけないよーな芝居は、大劇向きじゃないって!
 小説みたいだよ、この話。行間読ませてナンボでしょ。
 行間読まない人には、ただのつまんない話だって!(笑)

 行間読まない人、よ。読めない人、じゃない。
 読まなくていいんだもん、ふつーは。大劇場作品にそんなもんいらないからね。
 必要じゃないから、あえて読まない。そのスタンスは正しいの。
 まちがってるのは、正塚の方。

 今まで見た中で、最高に大劇向きじゃなかった。ドラマシティですらない。バウホール一直線だわ。
 こんな作品を堂々と大劇場で上演しちゃダメだよー。わたしはたのしいけどさー(笑)。

 
 この作品の失敗は「そもそも大劇場向きでない」ということに限るのよねー。バウホールで上演していたら、なんの問題もなかったのに。
 それ以外の失敗部分は、狂言回しの存在だろうなぁ。いや、これもひょっとしたら、「大劇場だから」ってことで無理矢理付け加えて自爆したクチかもなー。
 そもそも小ホール向けの「行間を読む芝居」だったから、それをちょっとでもわかりやすくするために、作ったんだよねえ、あの狂言回し役って。
 大劇場だから、という努力はわかるけど、失敗してるし。
 誰が見てもいらないよねえ、アレ。
 いつも思うことだが正塚、まやさんのキャラと演技力に甘えきって、手を抜いているよねえ。外枠だけ作ってまやさんに丸投げしているというか。意義があやふやでもラインが甘くても、まやさんならなんとかしてくれるからいいや、ていう姿勢が透けて見えるっていうか。
 だからいつもいつも、まやさんの役は「余分」に見える。いなくてもいいのに、無理矢理いる。いらない役なのに、まやさんの力で存在感を持ってしまうので、作品自体のバランスが崩れる。
 まやさんがいい役者だからこそ、こんな使い方はしないで欲しいわ。
 

 大劇以外で再演してくんねーかなー、少人数で。
 それがこの作品の正しい姿だと思うよ。

       
 花組公演『La Esperanza(ラ・エスペランサ)−いつか叶う−』『TAKARAZUKA舞夢!』を観てきました。
 ちなみに、水くんのお誕生日です。18歳だね水くん、おめでとう!(いや、隣に坐った見知らぬ人が「え、いくつになるかって? 18歳に決まってるじゃない」と答えていたので、それを信じることにします・笑)

 言いたいことが山ほどある、愉快な公演でした。
 だがとにかく、まずこれだけ言わせてくれ。

 『La Esperanza(ラ・エスペランサ)−いつか叶う−』を観て、両足ばたつかせて転げ回りそうになったことがあるんだ。

 
 「男役・彩吹真央は、女と恋愛させるより男と絡めたい」というのが、全世界の共通認識と思っていいってことですか?


 
 またか。
 またなのかー!!(笑)

 またしてもゆみこちゃん、女っ気ナシかい!
 しかも、相手役はまたしてもオサ様かい!!

 オサ×ゆみこを劇団は奨励しているの??

 大爆笑させていただきました……。
 ごちそうさま。心を込めて合掌。

 
 さて、いつも初日に観に行くのが通例の大劇場公演。
 初日がコミケだったために行けなかったので、けっこーストレスでした(笑)。
 早く観たい、早く観たいぞー。
 寿美礼ちゃんファン仲間でついでに水しぇんファン仲間のデイジーちゃんからの初日速報を得ても、心はそわそわ、早く早くこの目で観たいー。

 おかげで、大阪に帰り着いたその日のうちにムラまでひとっ走りしてましたわ。
 夕方からは別の予定が入ってるっつーに、なんでこう無茶なスケジュールばっか組むかなわたし。

 
 なんにせよ、わくわくどきどきの花組公演。大好きな寿美礼ちゃんと、大好きな水くんが同じ舞台に立っているのよー。ぽわわん。

 芝居の内容は置くとして。

 とにかくゆみこちゃんの役にウケてしまったわ……。

 幕間にわたしがそう言うと、ノーマル嗜好のデイジーちゃんは眉間に皺を寄せながら、
「緑野さんなら、絶対そう言うと思った……」
 と、溜息をついてくれました。

 そう言うデイジーちゃんもね、真顔で言うのよ。

「この芝居のヒロインって、フアン@ゆみこちゃんでしょう?」

 本気で思ってそうなとこがこわい……デイジーちゃん、ふーちゃん大嫌いだからなー(笑)。

 
 さて、フアン@ゆみこというのは、どういう役か。

 けなげなヲトメ、みたいな役です(笑)。

 生まれつき病弱なフアンくんには、あこがれの人がいた。ハンサムでセクスィ〜でかーっこいい、素敵な素敵なタンゴダンサー、カルロス@オサ様だ。
 なにしろ初恋、なにしろ高嶺の花。
 遠くでただあこがれるだけの日々。

 ところが、どーゆー運命のいたずらでしょうか。
 片想いの相手、夢の王子様カルロスが、フアンの前にあっけなく光臨した。
 身内の不始末のせいでダンサー生命を絶たれたカルロスは、フアンの働いているホテルに就職してきたんだ。しかもフアンと同じ、たたのボーイですよ。あのきらきらダンサー様が、ホテルの下っ端ですよ。
 あこがれの王子様が、同僚?!!
 とまどうフアン。
 でも、ほんとうのことは言えない。ずっとずっと好きだったなんて……どうして言えるだろう。同僚として一緒にいられるだけでも奇跡なのに。
 恋心を封印して、フアンは生意気な態度でカルロスに接する。共通の会話が欲しいもんだから、タンゴダンサー志望だということにして。

 どうもフアンにはタンゴの才能があったらしい。カルロスは自分の失った夢をフアンに託して教師役に徹する。
 フアンもよき生徒を演じる。
 ああ、至福の時。

 でもね。
 フアンは、病弱なんだってば。生意気で陽気だから元気に見えるけど、えーっと、心臓が悪いんだったけか。
 激しい運動は禁じられているの。
 プロダンサーになんかなれるはずがない。コンテストに出たりしたら、それこそ生命が危なくなる。
 それがわかっていて、フアンはダンスを続ける。
 カルロスのために。
 愛する人のそばにいるために。
 彼の失ってしまった夢を叶えるために。
 命を懸けて。

 ……死んでもイイ、って、思ってたんだよねええ、フアン。カルロスのために。
 愛を胸に封じ込めたまま、よき生徒のまま、命を懸けたんだね。
 だから倒れるまで踊り続けたんだよねええ。

 けなげだよねええ。

 
 てゆーか。
 なんなの、このものすげー役は(笑)。

 で、倒れたあとは怒濤の告白だし。うっわー、どえらいことになってるよー。てか、超マイペース男のカルロスも、フアンのことで本気でキレて怒鳴ってるしさー。
 お前ら、おもしろすぎ。

 
 寿美礼ちゃんはもちろん、ものごっつーかっこよくて、わたしの目は終始ハート型のままだし、ゆみこちゃんはけなげに陽気にかっとばしてるし。
 たのしかった……すっげーたのしかったよ……(笑)。

 
 芝居の詳しい感想は欄を改めるとして、ショーの方でもオサ×ゆみこ萌えしたんで、そこだけ語っておく(笑)。

 『TAKARAZUKA舞夢!』では、ゼウス@オサ、パリス@ゆみこ。
 パリスは3女神から、

「いちばん美しいのは誰?」

 と、選択を迫られる。
 このときのパリス@ゆみこちゃんが最高です。

 3女神に選択を迫られるたびに、パリスはゼウス様を見るのです。

 つまりソレって、この世でいちばん美しいのは、ゼウス様って言いたいんだよねえ? ほんとは。

 いやあ、パリスがゼウスを選ぶのかと思って、どきどきしたよー(笑)。

 わたしにしてみりゃ、ナルキッソス@水しぇんだの耽美美少年@みわっちだのより、はるかにときめいたわ。

 
 他の感想はまた別の欄で。

    
 好きだった彼が女になっても、変わらずに愛し続けられますか?

 タカラヅカが特異である最大の要因が、「男役」というものの存在だ。
 女性が演じる男性。「舞台」という「嘘」を共有する世界においての「男性」。
 現実がどうあれ、そこにいる瞬間、その人はまちがいなく男性なのだ。

 他の世界ではありえない。
 タレントやアイドルを好きになっても、その人が芸能界を引退することはあっても、肉体的に亡くなることがあったりしても、存在自体が「消滅」することだけはない。その人はたしかに生きて生活しているのに、その存在はすでにない……なんてことは、ありえない。
 タカラヅカの男役は、退団と共に消滅する。
 「男性」としてのその人はいなくなってしまう。

 ヴァーチャルだと割り切りながらも、心の一部分で真剣に恋していた理想の男性が、肉体だけをこの世に残し、魂が消えてしまうんだ。

 記憶喪失の青年と知り合い、真摯に愛し合っていたのに、あるとき彼の記憶が戻り、それと同時に彼は記憶を失っていた間の記憶を失ってしまった。
 元の記憶を取り戻した彼はもう、わたしの愛したあの人じゃない。変わらぬ姿で彼はそこにいるのに、わたしの愛したあの人ではないんだ。

 アンドロイドだと知りながら、わたしはあの人を愛した。真剣に愛し合ったのに、トラブルにより彼は破棄され、代わりに同じ型の新しいアンドロイドが支給された。なにひとつ変わらない同じロットの製品だけど、同じ姿をしているけれど、同じ声同じ表情でわたしを呼ぶけれど、彼はわたしの愛した彼ではないんだ。

 てなもんだよな。

 せつなくて、いいよなー。ほろり。

 タカラヅカは夢の世界。夢はどこかしら、せつないものを孕んでいる。
 いつかくる「永遠の別れ」を知りながら、懸命に今を生きる。愛する。人間という愛しくも愚かな生き物特有のちから。

 そのせつない愛しさを噛みしめてきましたともさ、成瀬こうきトークショー in 東京オペラシティ。

 2年前、この日記を書き始めたばかりのころ、わたしの愛したノーブルな紳士は夢の花園を卒業していった。
 大好きだったよ。彼の気品、そして端正さ。彼という存在を通し、わたしが今ここで女という性に生まれることができてよかったと思わせてくれる、そんな男性だった。
 心をときめかせながら、舞台に立つ彼を見つめたさ。

 その、わたしの愛した彼が、「女性」として、そこにいた。

 …………えーっと。
 醍醐味だよなあ……タカラヅカの。
 他では味わえないよなあ。好きな男が女になってしまった、なんて体験。

 もともとわたしは舞台の上のナルセくんしか知らないので、舞台を降りた彼がどんな人だったのかは知りません。お茶会とかも参加したことないしな。
 男役でなくなったからといって、たぶんトーク自体は変わっていないだろうと思う。
 それでも、目の前にいる人は、もうあのころの彼ではないのだなあとしみじみ思った。

 考えてみれば、わたしは好きな男役の卒業後の生の姿を見るのは、これがはじめてだったんだ。

 舞台を観に行ったりはしたよ。「女優」としてがんばっている姿を応援しに行ったりはしたさ。
 でも、素顔のトークショーははじめてだ。

 だもんでとーっても、興味深い。
 ステージの上の彼(彼女)が、というより、自分自身の心が。

 せつなさが快感……。
 過ぎ去ってしまった時、還らない美しいものを、傷みごと愛しているこの感じが……た、たのしいかも……。

 
 わたしはもともと気が多く、またしつこいので、一度好きになった人はずっと好き。
 性別が変わったって、好きなままだよ(笑)。

 だからナルセのことだってずっと好き。
 男役じゃなくても好き。

 それがわかっているから、余計に痛む胸を安心してあやしていられるというか。

 花は散るから美しい。
 終わりがあるからこそ、今を大切だと思える。
 咲いては散り春はめぐり陽はまた昇る。

 同じ花は咲かなくても、わたしは春を愛しいと思う。

          ☆

 そーいや去年はたしか、コミケのあと幕張までゆうひくんのトークショーに駆けつけたんだよねえ。
 今回もまた、コミケ3日目のあとダッシュでナルセくんのトークショー。スケジュールきつすぎだっての(笑)。

        
 宙組東宝公演『ファントム』話のつづき〜〜。

 あまりの美しさに感動し、涙し……そしてわたしは、ヲトメだからさー。
 たかちゃんに抱かれる花ちゃんを見て、自分が可憐な花ちゃんになってたかちゃんに抱きしめられているよーな錯覚を味わうのさ……ふふふ……いいなあ、醍醐味だよなあ、ヅカのトップコンビはこれくらい異世界を構築してくれなきゃだわー。

 
 大劇版と東宝版は、ラストシーンが変わってました。
 噂で聞いていたので、おどろきはしなかったけど。
 しかし、それもまた微妙だよなあ。
 わたしは大劇のラストシーンは嫌いだし、失敗だと思っているけど、かといってこうも安直に訂正されると納得できないものを感じてしまうわ。
 ラスト、エリックひとりが昇天するならするで、演出変えろよ、その直前を。なにもかも大劇のままなのに、ラストだけとってつけるなんて、なんてヘボいのかしら。演出家への不信感をさらに募らせる結果になったわ。
 ……新公のラストが良すぎたってことかしらねえ。
  

 せっかくだから全体を見ようと、オペラグラスは膝の上で観劇していたんだけどねえ。
 やっぱり2幕からはオペラあげまくりー(笑)。
 エリック@たかこのヒロインぶりを見逃してなるものかっ、と。

 キャリ×エリはいいですよ! 鼻息。
 キャリパパの歪んだ愛情、そしてエリックの純粋な愛が、すばらしいBLになってます。

 てゆーか、『ファントム』という作品に置いて、オペラ座の怪人エリックが美しい、というどーしよーもない二律背反を納得いくように解説するには、ソレしかないよねえ?

 愛する者を独り占めしたくて、地下に幽閉するキャリエール。
「お前は醜い。ゆえに誰からも愛されない」
 そう、洗脳しつづける。
 べつにエリック、醜くないのにね。子どものころはたしかにひどい痣があったけれど、成長してからは治ってきている。医者に診せるなりなんなりしていれば、もっと早く治ったんじゃないのか?てな感じには、痣が小さくなってるよ。
 でもエリックはソレを知らない。
 8歳のころ「海の化物を見た」と思い込んだままの、醜い顔だと信じ込んでいる。キャリエールの思惑通り。

「どこがオペラ座の怪人やねん、めちゃくちゃハンサムなにーちゃんが顔を剥き出しにして元気に踊りまくってるやん!!」
 という、観客のツッコミは、これで全部答えが出るよねー。
 エリックは美青年、ちーっとも醜くない。ただ、キャリエールが嘘を教えていただけ。

 天使のような少女クリスが、あの程度の痣を見ただけでびっくりしてケツまくって逃げる、てのもおかしいもんなー。
 彼女はその汚れなき心ゆえ、キャリパパの歪んだ愛を知ってびっくらこいたのよー。
 びっくりしたし恐怖も拒絶もあったけど、愛は愛として受け止める柔軟さを持っているから、キャリエールを責めることもせず「エリックに謝らなきゃ」とだけ必死になって言うのさ。キャリパパの罪を暴くよりも、自分がエリックを傷つけたことだけを悔やむのさ……いい子だ、クリス……ほろり。

 脳内補完も含めて、大好きだわ、『ファントム』。

  
 ああ、帰ったら『Crossroad』のビデオ見直そう……たかこと樹里ちゃんで超ラヴラヴホモ作品……樹里ちゃんがかっこいーのなんのって……。たかこがかわいーのなんのって……。
 腐女子をヅカにハメるときは、まず『Crossroad』を見せましょう、あまりにナチュラルにホモなんで、大抵の腐女子は一発でオチてくれます、な名作。
 あ、わたしはアルフォンソ×デュシャンです。逆でもいいけど。
 主役がたかちゃんで、相手役が樹里ちゃん、ヒロイン不在、という素敵作品『Crossroad』。

 樹里ちゃんとたかちゃんは、映りがいいカップルだよねええ。しみじみ。

     
 言葉の裏側を読むなんてこと、知らなかった。
 微笑んでいる人は、たのしかったりうれしかったりしているのだろうと思っていたし、親切にしてくれる人はやさしい人なのだと思い込んでいた。

 私は子どもだった。

 カルロッタが私を陥れようと画策していたなんて、夢にも思わなかった。
 やさしく微笑みながら、その裏で爪を研いでいたなんて知らなかった。そんな感情があることさえ、想像したこともなかった。
 先生−−エリックからそのことを聞かされても、私はほんとうのところ、理解できずにいた。カルロッタの笑顔ややさしい言葉のひとつひとつが、全部嘘だったなんて。人が、そんなふうに嘘をつくなんて。私には、理解できない。

 私がそう言うと、エリックはおどろいたように、やさしく笑った。
「そんな君だから放っておけない。君のことは、僕がここで守る」
 そう言ってくれた。

 ここ……オペラ座の地下。闇の満ちた異世界。
 彼はここで育ったのだという。

 外の世界を知らない彼は、無邪気に自分の領地を案内する。森に湖、木々や鳥たち、そしてお城。どれも私の目には彼が言うようなすばらしいものには映らない。いびつで奇妙なものたちに見える。
 たとえて言うなら、子どものころにした「ごっこ遊び」だろうか。掘っ立て小屋をお城に見立てたり、積み上げた薪を山に見立てたりして遊んだ。ひっくり返したテーブルを海賊船だと信じてみんなで乗り込んだり、箒の馬に乗って野を駆けた。……あの感じだった。
 偽りのお城にいる彼は、大きな子どもだった。本物の森も湖も知らない、あわれな少年だった。

 違和感があった。
 私はたしかに世間知らずな子どもだけど、それでも「おかしい」と感じることはできた。
 エリックは、おかしい。
 知り得た事実と、真実の間に齟齬がある。

 エリックの生い立ちは聞いた。オペラ座の元支配人キャリエールさんから、全部聞かされた。
 彼がどうやって生まれ、何故オペラ座の地下に住んでいるのか。
 キャリエールさんが、彼の実の父だということも。
 
 こみあげる違和感を押し隠し、私はエリックに懇願した。仮面を取り、素顔を見せて欲しいと。
 彼はその醜さゆえにいつも仮面をつけ、オペラ座の地下でしか生きることができないでいる。真実彼を愛し、共に生きるなら、彼の醜い素顔をも愛さなければならない。
 キャリエールさんは無理だと言った。それほどエリックは醜いのだと。エリックから逃げるようにと、私を説得し続けていた。

 私はそれに反し、ここにとどまることを選んだ。エリックを愛することを選んだ。
 どれほど彼が醜いとしても、私の愛が揺らぐことはない。
 だからどうか素顔を見せて。

 私の願いを聞き、愛を信じ、エリックはついに仮面をはずした。

 ずっと隠されていた、彼の素顔。
 その顔は…………。

 たしかに、痣はあった。顔の右半分に、痛ましい引きつれたような痣がある。
 でもそれは、私が想像していたほどの致命的な醜さでもなかったし、おぞましさもなかった。

 むしろ彼は、美しかった。
 肖像画で見る彼の母親の美貌を正しく受け継ぎ、父親であるキャリエールさんの端正さを正しく受け継いだ、美しい青年だった。

 そのとき私は、すべてを悟った。

 私の喉からは、悲鳴が漏れていた。
 拒絶が音となり、表情となっていた。

 言葉の裏側を読むなんてこと、知らなかった。
 私は子どもだった。
 あまりにも、子どもだった。

 何故エリックは、オペラ座の怪人にならなければならなかったのか。

 人としてのよろこびもたのしみもすべて奪われ、こんないびつな地下でいびつな世界で育たねばならなかったのか。

 とりたてて醜いわけでもないのに、「醜い」と信じ込まされ、苦悩と慟哭のなかにいなければならなかったのか。

 
 すべては、ひとの心ゆえだ。
 欲望ゆえだ。

 ジェラルド・キャリエール。
 やさしく温厚な紳士。多くの人から頼られる人格者。
 私のことを心配し、親身になってくれた人。

 それは全部、偽りだった!

 周到な陰謀。
 キャリエールさんは、仕方なくエリックをここに閉じこめたんじゃない。父親が息子にそんなことをするなんておかしい。いくら顔に痣があるからって、親だと名乗りもせずにただ閉じこめるなんて、ありえない。オペラ座の怪人伝説を作って人を遠ざけるなんて、バカげている。
 第一、地下に幽閉しなければいけないほどの醜さって? どれほど醜ければ、そんなことがまかりとおるの?
 感じていた、違和感。
 事実と真実の間の齟齬。

 それは陰謀。

 キャリエールさんは、エリックを独占したかったんだ。

 愛する女性そっくりの息子。
 神に背く愛だから、地上では成就できない。
 ならば、神の光の届かない場所で。
 誰にも邪魔されず、誰の目にも触れさせず、禁忌も法律も倫理もなにも教えず知らせず、その存在を独占する。

 やさしい顔をして。親切なふりをして。
 私のことを心配するふりをして。
 ほんとうは、私を遠ざけたかったんだ。
 エリックから。

 私は悲鳴を上げる。止まらない。
 こわい。こわい。こわい。

 いったい何年、ここにいたの、エリック。こんなおぞましいかなしい場所に閉じこめられていたの。
 父親であるはずの男の、エゴによって。

 ひとりの男の、あまりにも歪んだ愛が、こわくて私は悲鳴を上げた。
 逃げ出した。
 夢中で走った。
 泣きながら、走った。

 言葉の裏側を読むなんてこと、知らなかった。
 私は子どもだった。
 あまりにも、子どもだった。

 こんなに恐ろしくも悲しい愛があることを、知らなかった。


          ☆

 よーやく宙組東宝公演『ファントム』を観てきました。ふふふ、感動直撃の1階3列目〜。

 『ファントム』に関してはわたし、これまであまりに萌えが先行していたので、冷却期間をおいてこうして改めて鑑賞しますと、とても新鮮でございました。
 作品というか、演出に文句は山ほどある。キャストの配役や配分についても文句は山積みだ。
 キャラ萌えだけで全部ごまかされるよーなもんじゃない。

 それでも。

 この作品は、わたしをときめかせる。

 思わず『パッサージュ』を観たくなってしまう、最後のデュエットダンスで(『パッサージュ』でトド様が地響きみたいな声で歌っていた曲だよねえ?)、なんか涙が出たよ。
 あまりに、美しくて。
 ダンスの技量がどうとかいう話ではなくて。
 宝塚の男役と娘役、その美しさに涙が出たんだ。

 日本刀とかさ、実用を極めるがゆえに実用を超えた美を持つものがあるじゃん。
 アレなんだわ。

 たかちゃんと花ちゃんは、この世で夢を見させてくれる存在なんだ。タカラヅカという存在なんだ。

 踊るふたりは美しい。
 その美しさがわたしをときめかせ、また癒す。

 美しい。美しいよお。どきどきして、しあわせだよお。
 このどきどきが、泣けてくるくらいの感動が、またわたしを幸福にするよお。

 うつくしいものは、こんなにも力を持つ。
 ひとを、救う。しあわせにする。

 それは、すごいことだ。
 すごいよなあ。
 なんかもー心から、しみじみ思ったよ……。

 あー、もう文字数がない……つづくー。

     
 毎年恒例の、夏の家族行事。
 今年は青春18切符で天橋立へ。
 よーするに電車に乗りたい父の提案。

 両側が海、という不思議な光景のなかを自転車で快走する。自然の驚異、天橋立。
 歩くにはちと長いので、レンタサイクルがおすすめ。駅前よりも天橋立近くまで進んだ方が安い店があるよん。

 ちゃんと山の上に登り(リフト利用)、股の間から眺めたよ。
 なるほど、アタマを下げてのぞくことによって平衡感覚を失わせ、天と地の区別を曖昧にさせるんだね。
 名前通り、天に架かった橋のよーに見えたさ。

 
 さて、本日8月9日夕刻、こうやって家族行事にいそしむわたしのもとに、一通のメールが届きました。

>有難うございました。成仏できそうです。CAN子

 横からそのメールを読んだ弟が、声を上げる。

「なにごとだ、ソレ?!」

 ……たしかに、なにも知らない人が見たら仰天するメールだなあ(笑)。

「今日は月組の千秋楽だよ。あるスターさんが退団するの。最後の舞台は、やっぱりその人のファンが観るべきだと思うからさー、チケット譲ったんだよ。それに対してわざわざお礼と報告をしてくれたんだ。CANちゃん律儀な人だから」
「……成仏って言うんだ……?」
「見送るファンも、心の整理をつけなきゃなんないの。そうでないと、怨霊と化す場合があるからね」
「すごい世界だ……」

 絶句する弟の横で、わたしは返事を打つ。

>お見送りご苦労様ですm(_ _)m
>(以下略)

 それを横からのぞいた弟が、やはりつぶやく。

「成仏……怨霊……お見送り……すごい世界だ……」

 人の心が織りなす世界だ、複雑怪奇魑魅魍魎(笑)。

      
 わたしはあまり、噂を信じない。
 とことん腐女子なので、真実だとわかるもの以外は全部「虚構」と割り切ったうえで遊ぶ方がたのしいんだ。
 だからなにを聞いても、表面的にソレで動揺しても、なにか思うところがあったとしても、根っこの部分はがんとして動かない。
 噂に流されるほど若くもなければ、純粋でもないってことだな(笑)。

 その話を聞いたのは、6月1日だから、2ヶ月以上も前か。ムラでは『ファントム』が上演中だった。

「**ちゃんは**だから、**なのよ」

 と、ムラにある某ホテルの某レストランで隣のテーブルにいたおばさま方が、人事関係の話に花を咲かせていた。
 語っているのはひとりのおばさまで、あとの人たちは聞き役らしい。

 けっこう毒のある話だったので、わたしは「ほえー、すげーことを『事実』として断定で語ってるなぁ」と、聞くともなしに聞いていたんだが(わたしも友だちと喋りながらメシ食ってたわけだから)。

「で、次の月組は『エリザベート』で、さえちゃんがトートをやるわけよ!」

 おばさまは断言する。

 さえちゃんトートか……ビジュアルはいいけど、それ以外はものすげーチャレンジャーだなあ。劇団もそこまで命知らずじゃないよなあ。

 断定系で語る、ワケ知り顔のおばさまの話を耳にしても、あまり気にしない、本気にしない。公式発表があるまで踊る気はナシ。
 愉快なネタなら、「虚構」と割り切って脳内だけでたのしむけど、それ以外はスルーが基本。言いふらす気もないし、憤慨する気もない。

 人事に限らず、誰が性格悪いとか、誰が誰を虐めたとか、退団の本当の理由だとか、もー、耳に入る噂は全スルー。わたしは舞台しか観てない一般人だから、わかりようのないことは気にしないの。
 あ、でもいいことだけは信じたいなー。誰がやさしいとか、性格いいとか、そういうことは。誰と誰が仲がいいとかも(ふふふ)。
 その方が平穏(笑)。
 

 そして本日、2005年上半期ラインアップが発表された。

 ほんまにやるんや、『エリザベート』。

 チャレンジャーだな、劇団。
 演目だけではなにもわからない、大きすぎるタイトル。
 他の組、他の演目なら、これだけで十分なんだけど、現在の月組ではかなしいかな、主要キャストが発表にならないと「発表したうちに入らない」と思ってしまう。現在の組子だけでできるタイトルではない、と思ってしまうからさ。
 
 
 さてさて、件のおばさまは、キャストのことも語っていた。

「シシィ役は、花總さんが特別出演するのよ」

 …………そのときは、さえトートってだけでも愉快な想像なのに、そのうえお花様光臨ですか! と、笑い話としてNice!と思ったんだけど。

 さえトートが現実になったわけだしな。

 お花様シシィが現実だったらどうしよう(笑)。
 愉快なんで、わたしとしてはべつにかまわないんですが。

 
 それよりわたしは、『王家に捧ぐ歌』のウバルドが誰かの方がよっぽど心配です。
 ケロちゃんがいいよう。ケロで見たいよう。

     
 オークションやら掲示板に、『花供養』が花盛りの今日この頃。
 もちろんわたしは観に行きますよ、『花供養』。
 『花供養』のために2回も上京する予定だと言ったら、友人のチェリさんに「ほんとうにハマコさんファンなんですね!!」と感心されちゃいました。てへ。

 …………って、チガウ。
 わたしは、トド様ファンだってばーっ。

 デイジーちゃん、はじめて会う人に「ハマコさんとまちかめぐるさんのファンの緑野さん」って紹介するのやめてよーっ。
 好きとファンは別なのよ。わたしは気が多いから好きな人はいっぱいいるけど、ファンだと明言するのは数人だけだもん。数人、てあたりからすでに、気が多いってことなんだけど。

 まあとにかく、トド様のことはずっと好きです。
 ずっと好きだから、べつにもうTCAで主役みたいなカオしてくれなくても、大劇主演してくれなくても、かまわないんだけどな。ただの脇役になって、本専科さんみたいなお仕事に専念してくれても、ぜんぜんかまわないんだけどな。
 それでもずっと、好きでいるから。出る舞台は全部観に行くから。
 求道者のような生き方ごと、見守っていくから。

 とゆーことで。
 今回もばたばたと行ってきました、トド様の個展。

 ちと毎日忙しすぎて、時間が取れなくてねー。先年みたいにじっくり眺めることはできず、駆け足で見て回っただけなんだけど。

 さらにこなれてきた印象。
 数は少なくなっていたし、小品ばっかだったけど。
 手慣れてきた感じがした。技巧的にアップしたかどうかはわからないけど、第1回のときに感じたひっかかりのようなものがなくなっていた。技巧云々よりも、「表現する」ということに慣れたんだな、という気がした。

 真面目で細かくて、美しい絵。
 壮大なものより、せせこましい構図を好む。なにもないよーなシンプルな絵は苦手なのか、あるいは興味がないんだろう。
 自然と建造物のみ。人物画は存在しないし、風景画でも人物は排除されている。
 明確なテーマなどは感じられず、てきとーに好きなモノを好きに描いたような印象。個展タイトルである『心の旅』そのままなんだろう。

 美しいけれど、わたしの好きなタイプの絵ではない。
 わたしはもっと饒舌な絵が好き。
 表現したいこと、叫びたいことが画板からほとばしっているような絵が好き。トド様の絵は端正すぎる。お行儀が良すぎる。この絵は、「描かなければ死んでしまう」てな叫びをこめて描かれたモノじゃない。
 ……ま、当然だけど。

 トド様の描いた絵だからこそ、興味を持てる。
 好きな人の描いた絵だからこそ。

 美しい人が美しい絵を描く、なんて、素敵な設定じゃないか。外見に似合った趣味に乾杯。

 そう。
 わたしがトド様の個展でいちばん微笑ましくもとほほな笑いを浮かべてしまうのは、犬の絵だ。

 第1回のときもあっんだよね。トド様作の犬の絵。アムールちゃん、つーんですか、トド様写真集にも出てた犬?
 トド様がその犬のことを大好きなのも、かわいがっているのもわかるんだけど。
 他と比べて、下手だし。
 トド様、風景画ばっか描くのは、生き物描くの苦手だからなんだね……としみじみしてしまう、「死んだよーな目をした犬の絵」。「不自然な媚びをまとった剥製のような絵」……。
 犬の絵だけ、なにだかキモチわるいっす。「生きてない、この犬、絶対生きてないよっ」てな居心地の悪さを感じるの。なのに、その犬は妙に媚びた「かわいいでしょ、このポーズ」みたいな姿をしている。

 端正な風景画の中に、このとほほな犬の絵を混ぜてあるところが、もう。
 トド様、バカだなー。かわいいなー。
 と、思う(笑)。

 モデルの犬への愛情ゆえ、その絵がイケてないことに、気づかないんだね。その犬を好きでもなんでもない、知らない人間が見たら、気味の悪いほどの媚びが発せられていることにも、気づかないんだね。
 この不自然な「媚び」を絵にしてしまうほど、トド様の目にアムールちゃんはかわいいく映ってるんだろうな。

 不細工なはな垂れガキの写真を持ち歩いて、「かわいいだろ、オレの息子!!」と誰彼構わず自慢して歩くバカ親父のよーな、とほほな微笑ましさを感じます。普段が頑固でストイックな「日本のお父さん」であるだけに、息子の話だけに相好を崩す感じが、さらに……。
 かわいいなー、トド様(笑)。でもちょっと恥ずかしいなー(笑)。

 またしても発売日をすっかり忘れていたので(ファンの発言か)、トークショーには行けませんでした。第1回のときは、掲示板でGETできたんだが、今回はそれもなかった。オークションは倍額以上になったので手が出ず(トド様ファンは金持ちが多いから、太刀打ちできん)。
 トド様はお喋りがうまいわけでもないし、エンタティナーでもないので、トークショーに参加する意義は「その美しいお顔を間近で見る」だけだしなー。東京会場のカス席が売れないのは絶対そのせいだしなー(笑)。トド様を遠くで見ても意味ないもんなー。
 大阪のトークショーには行きかったのことよ。生トド様を見たかったわん。

       
 日記の背景色を変えました。
 ふと、オムライスが食べたくなって。
 オムライスへの熱い思いを、表現してみました。

          ☆

 さあて、本日は大忙し。
 朝から月組東宝の並び行って(ああ、またも1番乗りはダフ屋かい)、チケット買ったあと速攻帰宅し、並びグッズ(折りたたみ椅子とかな)を家に放り込み着替えてダッシュ、11時から梅田でプチ同窓会!!
 わーん、会うの何年ぶり? みんな変わってないねー。名字も変わってないねー(笑)。ホテルのランチ・バイキングで死ぬほど喰らう。甘いモノ苦手なのに何故、デザートも全種類制覇しようと果敢な努力をしてしまうのでしょうか(答え・食い意地が張っているから)……甘くて死ぬ……口と胃が気持ち悪い……。
 某紅茶店に移動して、うまい茶をすすりながら(なんでみんな、あれだけ食べたあとでまた甘いモノを食べられるの……? わしゃ無理じゃー)、喉が嗄れるまで喋り倒す。
 解散後は電車に飛び乗り、一路ムラへ。
 花の道のベンチでかねすきさんたちと喋り倒したのち、さあいよいよお楽しみのかしちゃんお茶会だーっ!!

 
 かしげちゃんは、レア感のないジェンヌさんでした。
 つーのもだ、客席遭遇率が高くてな。わたしのよーに平日の昼間にひょこひょこ観劇していると、生徒さんに遭遇しやすい。そしてかしちゃんはマメにいろいろ観に来る人なので、出現率が高い。
 自分の席に行くため歩いていたら、横からかっしーが現れて、ふたりで並んで席まで歩くことになったりとか、したなあ。あれはびっくりした。つか、横を歩いている人がかっしーだと気づくまでにタイムラグがあった(ジェンヌがひとりでふつーに並んで歩いてるなんて、誰が思うよ! 気づいたあとは心臓ばくばくだった・笑)。

 入り出待ちをしない人間なんで、客席で会う以外、生ジェンヌを見ることはないんだが、平日観劇ライフを送っていたら遭遇率は高いよほんと。

 とまあ、かっしーのことはそうやって昔から客席でしょっちゅー見かけていました。

 ので、今回はじめてお茶会に参加し、生かっしーを目の前で見て(登場時に全テーブルを回ってくれる)驚愕したこと。

 細っっ!!

 ジェンヌさんはみんな細いです。舞台で太めに見える人も、実際はめちゃ細い。別の星から来たよーなスタイルの人たちだってことはわかってる、知ってる。
 かっしーが細いことだって知っていた。

 しかし、この細さはやばいだろ。

 …………かっしー、ほんまに今、過酷な生活してんやなあ。ここまで痩せるか……すげーよ。
 激痩せしていても、かっしーは美人さんでした。ほんとに美しい人でした。
 が。
 今のかっしーは、本来の美貌の何割かは削がれています。痩せすぎ。ほんとうはもっともっと美しい。知ってる。
 なんかいろんな意味で痛々しくて、胸がきゅんきゅんしますわ……。今わたし、生涯で最高潮にかっしーを愛しているかもしれない……(最高潮って、あとは落ちるだけなんかい。と、セルフツッコミ)。

 さて、お茶会のかしちゃんを眺めていて思ったことは、画面と音声が合っていない、ということでした。

 わたしの目は、壇上にいる美しい女性を見ている。
 だがわたしの耳に届く音声は、ちと舌足らずなかわいいアニメ声。

 えーと、あの美しい大人の女性が、この子どものよーな喋り方をしている……ん、だよ、な?
 吹き替えじゃないよな。これたしかに、かしちゃんの声だよな。テレビでインタビューに答えていたりする、あの声だよな。

 ショー『タカラヅカ絢爛』でわたしが嫌いなあのスポーツクラブのシーンの、妖精フェロ@かしちゃん。
 あのキャラって、作ってるわけじゃなかったんだ……。てゆーか、地??

 あー、えーと、シーンが嫌いなだけで、フェロが嫌いなわけじゃないよ。妖精たちはかわいいけど、シーンが嫌いなの。タカラヅカで2公演も続けて上演する意義があるシーンだとは思ってない。

 お茶会の内容についてはこんなとこで書くもんでもないと思っているので、いつも通りに書かないっす。だから感想のみに終始するのさ。
 かしちゃんのことは「天然さんだろーなー」となんとなーく思っていたけど、確信。ほんまに天然や。いろんな意味で。

 でも、歌うときだけは急に男前になる(笑)。鎌足の銀橋の歌〜〜。
 さすがだー。かっこいー。

 ああそれにしても、今まで参加したことのあるお茶会の中で、いちばんここに書けない感想がいっぱいあるお茶会でしたよ(笑)。天然に見えていて、あれが全部計算された演技だったりしたら、すごいのになー、とか、思ってしまうし。謎が深まるかっしー。ミステリアス(笑)。

 そして思うのだ。
 これからも、かっしーを応援していこうと。
 お茶会に行くと、その生徒さんをさらに好きになるもんだ。
 謎の多いところごと、夢をふくらませて応援していくわん。

 ……にしてもかっしー、マジに美人さんだー。ここまできれいでなくてもいいだろうに、ってくらい、きれい。溜息。

        
 見るつもりはないのに、どーしても目についてしまう人、というのがいる。
 雪組ではまちかめぐる、月組ではマチオだった。
 だのに何故かしら、もうマチオさんはあまり目に入らないの。彼よりも、目に入る人がいるから。
 
 紫水梗華ちゃん。

 とにかくもー、どこにいても目に入ってくる。気がつくと見ている。

 わたしと紫水梗華ちゃんの出会いは日が浅い。出会いったって、客席にいるわたしにとっての、出会い、にすぎないけどな。

 彼女をはじめて意識したのがリカコンのときだ。

 もちろん、それまでにも存在は知っていたさ。『シニョール・ドンファン』はけっこうな回数観ていたし。
 知っていることと、認識することは別だ。

 リカコンのときにわたしは、改めて紫水梗華っちゅー人に出会った。

 ……だって、こわかったんだもん。

 リカコンのとき、わたしは貧血を起こしていた。へたばっていて、とても立てる状態じゃなかった。
 オペラグラスも持てない、拍手もできない。背もたれにそっくり返るよーに坐り込んで、呼吸するのに必死。

 そんなときに、客席降りがあった。
 通路をたたたーっと軽やかに駆けてくるジェンヌさんたち。
 会場はノリノリ、みなさん総立ち!!

 の、なか。
 たったひとり、坐り込んでいるわたし。

 よりによって通路際。客席降りがあると聞いて、わざわざ押さえた席。
 ええ。
 通路を走ってきた娘役さんに、睨まれました。

 ここここわーっ。
 わたしは、震え上がりました。
 い、今の娘役さん、あの子だよね、『ドンファン』のマリー役の!
 睨まれちゃった、睨まれちゃったよーっっ。
 わーん!!

 …………もちろん、わたしのカンチガイ、思い違い、ということも十分あります。
 みんなが総立ちで盛り上がっているなか、ひとりだけ立つことができない後ろめたさゆえに、勝手にそう思ってしまったのかもしれません。
 また、彼女の目つきがもともと鋭いとかで、ただ視線を合わせただけでそんなふうに見えてしまうのかも、しれません。

 なんにせよわたしは、びびりまくりました。
 こわいよこわいよ、あの子こわいよーっ。

 強烈な刷り込み。
 ああ、忘れられないアナタ(笑)。

 以来、どこにいても彼女を見てしまいます。また、一度おぼえてしまうと、どこにいても目立つ顔であり、人なんだわ。

 …………かっこいいよ、ね。紫水梗華ちゃん。ポッ。

 顔だけ見ると男役だもんねえ。カラダもごつい系だしねえ。ダンスしゃきしゃきだしねえ。いやあ、かっこいー立ち役娘だわー。
 とくに『タカラヅカ絢爛?』ときたら、見せ場もあるしさー。あの豊かな表情がかわいいのよーっ。刺さりそうな顎と、悪役顔!! いよっ、男前!!(娘役です)

 いつもの下手端最前列に坐っていたので、下級生はいつもすぐ目の前。わたしは紫水梗華ちゃんをいっぱいいっぱい目で追っていたのだけど、彼女は一度も目線をくれませんでした。くすん。
 ひろみちゃんにスエニョパティしてもらえたからいいもん。ありがとひろみちゃん!!

 
 あと、赤いタイツの越リュウ様が真横で、鼻血吹くかと思いました。
 太股。
 リュウタロー様の、太股っっ!! ハァハァ。

 なんか、越リュウの赤いタイツ姿って、他の誰よりも見てはいけないものを見てしまった……って気になるよねえ。

 
 ゆうひくんは今日も微妙に胸にあて布してました。
 なんであて布復活しちゃったんだろ。
 いつだったか2階席で観たとき、ゆーひくんの大胆すぎる胸元に目が釘付けでした。
 てゆーかその、見えてたんですけど。

 ちくしょお、さすがだおおぞらゆーひ、サービスいいぢゃねえかっ!!

 と、感激しまくったんですが。
 ここ2回ほどわたしが観たときは、あて布でガードしちゃってるのよー。やーん。見せてくれてもぜんぜんよかったのにー(笑)。

 
 見せっぷりといえば、のぞみちゃん。
 本日もまた、盛大にパンツ見せまくりでした……。

 先日、もち吉に激辛せんべい買いに行く際、楽屋口の前を通ったら、ちょーどのぞみちゃんが出てくるところでした。
 わたしはすっげーナチュラルに、
「あっ、パンツ娘だ!!」
 と、心の中で思ってしまいました。
 ……素顔ののぞみちゃんに会えて、ラッキーです。うふ。

         
 さて、新公の日は、本公演も観てました。『飛鳥夕映え』、ゆうひ鎌足を近くで観るためだけに取った、いつもの1列目下手端。
 鎌足は銀橋渡りあるしぃ、キメ台詞を言うのは下手花道でだしぃ。たのしみよねえ。

「だってだって、かしげ麻呂が下手からせり上がってくるんだもん!! うっきゃ〜〜、どきどきぃ」

 アレ?
 客席で再会したデイジーちゃん相手にわたしの口は、勝手にチガウことをわめいてました。

「かしげ?」
 デイジーちゃんも、とーっても訝しげにわたしを見ます。

 いや、その、このチケットを買ったときはゆうひくん目当てだったけど、いざフタを開けてみたら、かしちゃんの方が好みで……もにょもにょ。

 そして芝居が終わった幕間に。
 デイジーちゃんは断言してくれましたさ。

「かしげ麻呂、いかにも緑野さんが好きそうなキャラでしたね」

 わーん、いかにも、とか言うしぃ。どーせヘタレ好きだよぅ。

 デイジーちゃんは別のお友だちと一緒だったんだけど、そのままわたしとふたりでえんえん盛り上がる。

 『飛鳥夕映え』花組キャスティングで。

 鞍作@おさ、鎌足@あさこ。
 うっきゃ〜〜、ソレ萌え〜〜、萌え狂う〜〜。
 鎌足主役で、鞍作があさちゃんでもいいよな。
 イイです、あたし、通います〜〜。
 軽皇子@ゆみこ、石川麻呂@とむ。
 ハマってますねっ! でも逆もいいかも。
 ゆみこちゃんの泣きの演技は絶品だからねえ。麻呂を見たいかも。

 …………すみません、幕間の客席で妄想配役、とってもイタイ言動ですね。いちお、ひそひそ話ではあったんですが。
 ふたりして寿美礼ちゃんファンなもんでな……つい……。

 しかしゆーひくんの鎌足、どうしてあんな風なんだろね? 小さくまとまっちゃってさ。
 てっきりプルミタス風でくると思ってたんだけど。つか、プルミタスと鎌足のちがいってなに? どっちも逆恨みラヴでしょ? 愛の裏返しで復讐してやる!でしょ?

「プルミタスのときは、相手がケロさんだから、あそこまで愛憎が深く表現されちゃっただけじゃないですか」

 デイジーちゃんは素で大変愉快なことを言う(笑)。
 ううむ、いい考察だねえ、相手がケロだから、か。愛しすぎて憎しみとの区別がなくなってしまった相手を、追いつめていく役。あのときのゆーひくんの暗い情熱、ほとばしる色気、それはすべて、ケロちゃんゆえ、ですかー(笑)。
 機嫌が悪いとショーでもにこりともしない大人げないキャラだから、相手役次第、というのもありえる気がして、微笑ましいですわん。

 
 今回、あさちゃん軽皇子を眺めながら、「軽皇子の愛はどこにあるんだろう」としみじみ考えてしまったよ。

 脚本だけで考えれば、軽皇子もまた、鞍作ラヴだよね。
 この男は好きな相手を褒め称えるのが得意で、見ていて恥ずかしいくらい、隙あれば鞍作を褒めている。
 わたしの目には鞍作がすばらしい人物にはどうあがいても見えないんで、「軽皇子……あんたソレ、ただのあばたもえくぼだから」と、彼がのろけるたびにツッコミを入れてしまうんだけど。
 鞍作を愛しているなら愛しているでかまわないから、もっと行動に移せよ〜〜、はがゆい男だなー。
 なんせ軽は、自己完結している。

「鞍作に相応しいのは、鎌足だ」と。

 そしてなにかと、鞍作と鎌足をくっつけよーとする。
 なんではじめからあきらめて、恋の橋渡しをしますか。鞍作をしあわせにできるのは、君かもしれないだろー?
 恋愛マンガに出てくる都合のいい好青年みたいな役回り。

 わたしとしては、鞍作があまりに魅力に欠けるので、軽様には是非、鎌足ラヴでがんばって欲しいです!!

 軽は鞍作のことを褒めまくるけど、鎌足のことも変に持ち上げるんだよね。
 鞍作と鎌足が両想いになれるよう、身分の垣根を越えられるよう、見守っている。
 そんじゃ軽様、鞍作を好きだと自分でも思ってたけど、じつは鎌足ラヴだった、ってことで、大丈夫だね! 問題ないね?!
 どっちにしろ、「私が彼に愛されるはずがない」って不戦敗の男だから。片恋の相手を、恋敵とハッピーエンドにするために骨を折るよーな負け犬体質の王子様だから。
 軽が愛していたのはじつは鎌足だった説、OKよね。

 そうすれば、軽様と鎌足のくだりが納得いくのよ。

 それまで軽のことなんか歯牙にもかけなかった(なにしろ鞍作しか見ていないからな)鎌足が、突然軽皇子に近づいてきた。
 しかも、「次の帝に」とか、嘘丸出しの持ち上げ方をする。
 軽様、どっきん。いくらなんでも手のひら返しすぎだよ、鎌足。こんなに脈絡もなく軽様口説いたって、真意が他にあるの見え見えじゃん。
 それでも軽様は、鎌足に従う。策略の存在に気づきながらも、伊勢へ行くことを承諾する。
 ほんとーに鞍作を愛し、その身を案じているなら、ここで鎌足の言いなりにはならないよねえ。軽様の方が身分が上なんだから、命令されるいわれはないっつの。

 はじめて、鎌足から自分に近づいてきた。
 そして彼は、鞍作を滅ぼそうとしている。

 軽様は、騙されたふりをして、鎌足に従った。

 そのことで鞍作は殺され、鎌足は愛する者をその手で葬るというとんでもない過ちを犯した。

 たぶん、鎌足はこのあと己れの過ちに苦しむことになるだろう。愛が行きすぎて、相手を滅ぼしてしまったんだから。
 その鎌足を手に入れるのが、軽皇子だ。

 ……ほーら、うまく収まった。
 軽皇子が鎌足のあの底の浅い言葉に騙されたとは、到底思えないからさー。石川麻呂や皇極帝みたいに、不利益があったわけじゃないのに、鎌足に従うなんておかしいもの。
 やはり軽皇子は、結果を知っていて荷担したのでしょう。
 憎い恋敵を死なせ、恋する相手を手に入れるために。……たとえ、無意識にだとしても。

 軽皇子、奥さんを愛しているようにも見えなかったしなー。本命は別にあるから仕方ないわなー。

 ほーら、これならセナゾラだしなっ。軽×鎌足。軽皇子はあくまでも白い王子様。でも、白いだけに卑劣かも、みたいな、人間の暗部を持っていて欲しいです(笑)。

        
 月組新公『飛鳥夕映え』感想のつづきっす。

 わたし的注目配役は、山背大兄皇子@龍真咲くんでした。
 なにしろ本役さんが濃いので(笑)、どーするんだろーなー、まさかあのままじゃないだろーなー、とは思ってたんだけど、薄目に落ち着いていてほっとするやら、ちと物足りないやら(笑)。
 でもふつーにうまいよね。青さがいい感じ。
 ……わたしの目には、お化粧がいまいちに見えたんだけど、どうなんだろ。もっときれいだよね、真咲くん。

 鎌足@もりえちゃん、石川麻呂@めおちゃんには結構不満……つか、これが新公らしさってもんなのかしら。

 軽皇子@ひろみちゃんの役作りが、すっげーかっとばしていたと思うんだけど、アレはどうなの??
 スローテンポな棒読み喋り、どことなく泳いだよーな目線。
 『ベルばら』のルイ16世を彷彿とさせる皇子様でした。
 政治とも皇位継承ともあえて距離を取って生きる、浮世離れした皇子様でした。
 役としてアリな姿だとは思うけど、この役作りだと少なくとも「2番手(3番手)の役」ではないよなあ。なんせルイ16世だからなぁ。アントワネットがフェルゼンと浮気してるのを知ってて笑顔でスルーする人、なるほど軽皇子も小足媛が石川麻呂と浮気してても笑顔でスルーですか、共通項ですか。

 皇極帝@たまこちゃんが、ゆら姐さんのコピーまんまな演技に台詞回しだったので、軽皇子と並べて考えると「この姉に、この弟か……遺伝子ってやつはよぅ」って感じでした。

 今回の新公で発見だったのは、小足媛@青葉みちるちゃん。
 うーまーいー。
 落ち着いた美しさに、情感のある演技。今すぐ本公と替わってくれてもいい……わたし的に……美しい人と恋に落ちる石川麻呂が見たい……。

 丸い牛さんはどんどん出世していくし、長い牛さんも今回役が付いて、こんなに演技して喋ってるのはじめて見たし。
 顔が好みの麻月れんかちゃんは、せっかくの新公で名前のある役だったのに、おヒゲが半分風にそよいでいて、手に汗握らせてくれたし。

 そして、月組公演を観ていると雪組のまちかめぐる氏なみに目について仕方ないふたり、紫水梗華ちゃんと美夢ひまりちゃんにどーしても目がいってしまう。
 紫水梗華ちゃん、新公、半分男役なんやね……そうだよね、君、顔だけ見てたら男役だもんね。身長さえあれば、いい男になったろうに、惜しいなあ。
 生駒役は正直、すげーこわかった……最後の邪悪な笑いが……こここわー。
 ひまりちゃんは、いきなりセンターで歌い出したから、ものすげーびっくりしたよ……役ついてないと思ったら、ちゃんと見せ場もらってんだ……本公演でもいつもいい位置にいるもんねえ。

 主演のほっくんとヒロインのあいちゃんを除けば、「新公らしい新公」ってやつだった。

 だからこそ、カーテンコールにうんざり。

 どうしてヅカファンってこう、対抗意識燃やすんだろうねえ。
 雪組新公で数年ぶりにカーテンコールが起こってから(きりやんの『ノバボサ』以来?)、どの組の新公も、「カーテンコールやらなきゃ! 負けてしまう!!」てなもんで、カーテンコールがお約束になってしまった。
 きっとこれから半永久的にカーテンコールがあるんだろうな……。

        
 最近日記を書きすぎていて(笑)、日付ズレちゃってるけど、新人公演『飛鳥夕映え』観てきましたー。

 ツッコミどころの多い『飛鳥夕映え』の中で、わたしがいちばん盛大にツッコミたかったというか、椅子から落ちそうになった箇所がある。

 ラヴラヴの恋人・瑪瑙がいるにも関わらず、なーんの罪の意識も葛藤もなく、年増の皇極帝と二股情事にふける鞍作。
 なんでそんなおっかなそーな年増と? 悪食にもほどがあるだろう??
 政治のために皇極帝を利用している、という風もない。つーか、なにも考えていないように見える。誘われたら誰とでも寝るのかな。やれやれ。
 作品を通していちばん色っぽいシーンが、年増との浮気シーン、って、どういうことなのよ、タカラヅカ。と、疑問ばかりが浮かんで途方に暮れるこのシーン。
 
 ここまでは、いいんだ。まだ。
 わたしならこんな変な演出はしないけど、まあ、駄作に多くは求めないさ。

 問題は、このあと。
 おばさんとエッチしたあとの、帰り道の鞍作。

 彼は突然、歌い出します。

「ひたむきに生きて〜〜♪」

 ひたむき?!

 おばさんだの芸人だの、誘ってくる女たちと節操なくヤりまくったそのアシで、言いますか、ソレを。

アンタのひたむきなところって、下半身のこと?

ひた‐むき 【▽直向き】
[形動][ナリ]一つの物事だけに心を向けているさま。忍耐強く、いちずに打ち込むさま。「―な努力」「―な情熱」

 誰とでも寝るのが、ひたむきな生き方か……たしかにそりゃ、ある意味ひたむきだな……。
 すばらしい生き方だ……人間というより、動物だと思うけどな……。

 
 とまあ、この展開には両足を上げて椅子から落ちそうになりましたのよ。まさしくギャフンなキモチ。参りました、お手上げです、っていうか。

 二股男がヒロイン以外の女とヤったあとで、歌っていい歌詞じゃないわな……。

「ひたむきに浮気してきました! とっても真面目にしてきました! 夢を求めて生きるボクは、下半身にひたむきです!」
 と歌われてもな……。

 もちろん、作者の意図が「下半身」にないことはわかっているよ。鞍作の独白とも言える歌でしょ。英雄の英雄ゆえの苦悩なんかを歌わせたかったわけでしょ。
 でもそれならさ、どーしてここで歌わせるの?
 おばさんとエッチしたあとで、なんでこの歌なわけ?
 鎌足との溝云々のところとか、政治家は大変だニャ的なところだとか、他にいくらでも歌うべきところはあったのに。
 浮気のあとのしどけない姿で歌うのは、変だよ。鞍作の仕事は女と寝ることか? 彼がホストなら、客と寝たあとで独白の歌を歌ってもいいよ。ああ、仕事に打ち込んでいるけど、大変なのよね、でも夢のためには耐えなきゃね、とか思えるけど。
 鞍作、ホストじゃないし。たぶん。←弱気発言

 
 本公演で、いつ観ても「てめーのひたむきはソレかいっ」と盛大に突っ込んでしまう、このシーンで。

 新公では、ツッコミは感じませんでした。

 
 というのもだ。
 新公ではじめてわかったの。

 そっかぁ、鞍作ってこーゆー人だったんだ……。

 ほっくん演じる鞍作には、説得力がありました。

 少年時代はやんちゃというか、腕白で利発。早熟っていうか、大人相手でもませた口を利いて議論しそうな感じ。さかしくて、ちとムカつきそう(笑)。
 その後青年期に入り、若く優秀な政治家となる。

 …………政治家に見えたの。ホストじゃなくて。

 なんだ、政治のこと考えてんじゃん。下半身より頭脳の方がひたむきそうだわ。

 何故だ。同じ脚本なのに。台詞に過不足はないのに。
 同じコトをやっていて、ひとりは下半身にひたむき、ひとりは夢にひたむきに見えるのは何故?

 皇極帝と寝たあとに、「ひたむきに生きて〜〜♪」と歌われても、なんとも思わなかった。

 皇極帝との情事は彼の人生の小さな出来事に過ぎず、観客であるわたしは「蘇我鞍作」という人物の全体を観ているので、んな小さな出来事のあとに、大筋である彼の独白がきても、ぜんぜん変だと思わなかったんだ。

 そ、そうか……あのタイミングであの歌を歌っても、「ひたむき」と「直前までの情事」はイコールにならないんだ……。

 鞍作はちゃんと優秀な、若きリーダーに見えた。
 その堂々とした立ち居振る舞い、落ち着いた言動、なによりも説得力となる豊かな歌声。

 歌のポイントは、ほんとに大きい。
 この芝居、ここぞってとこで歌が入る。
 この歌を歌いこなせるかどうかで、盛り上がりがぜんぜんチガウ。

 すげえや、駄作なのに、ちゃんと盛り上げてるよ。
 力尽くで辻褄を合わせてるよ。

 主役としての仕事を、きちんとこなしているよ。

 ちょっとわたし、口が開いたままでした。

 うまいことは知っていたけどね、ほっくん。ほんまにうまかったんやな。
 今までは、本役がリカちゃんで、ほっくんとは致命的に合わない役ばかり新公で演じることになっていたから、どんなに技術的にうまくても観ていてつらいものがあったんだが。
 こーゆー骨太な英雄キャラは、ハマるんだ……。

 ほんと、すばらしかったです、ほっくん。
 
 彼に足りないものは、美貌と華だけです。

 …………うまいんやけどな。
 こんなにこんなに、うまいんやけどな。
 でも、ごめん、ほっくん。
 君やっぱり、真ん中に立つにはビジュアルつらすぎるよ…………。

 
「芝居の最後でさ、瑪瑙が鞍作のこと、『青年』って言うでしょ。アレ聞いてはっとしたよ。そうか、青年なんだ、って。おじさんにしか見えなかったからさー

 帰りの電車で、WHITEちゃんは言う。

「熟年夫婦の物語だと思って観てたから、ラストで正気に返ったよ」

 熟年夫婦……。鞍作と瑪瑙がですか……。
 肯定はしても、否定はできないわたし。

 そんな新人公演。

    
 ようやく行ってきました、星組バウホール公演『花のいそぎ』。作・演出・大野拓史、主演・真飛聖。

 めずらしく友会でそこそこ良席が手に入っていたので、一般チケ取りには一切参加せず、初日や楽にも興味なく、マイペースにたのしみにしておりました。

 物語はあの小野篁を主人公とする、学園ラブコメ、超能力ネタ入り。
 時代設定を平安時代にしてあるだけで、内容的にはラノベまんま。てゆーかコレ、ラノベだよね?(笑) コバルト文庫とかで出てそうな感じなんですが(笑)。

 影に生きる超能力一族に生まれた篁@まとぶんの夢は、遣唐使。「危険物注意」のレッテルを貼られている超能力一族だからね、しがらみのないところへ行きたいと思うのは当然さ。
 留学へのステップとして大学寮文章院の学生になった篁くんは、藤原常嗣@れおん他の学友たちと親交を深め、また時の権力者・藤原冬嗣@ヒロさんの腹心・清原夏野@萬ケイ様の娘、三の君@コトコトとも出会うわけだ。
 三の君と恋に落ちた篁くんだが、時代がソレを許さない。三の君は藤原家へ嫁ぐことが決まっている。若いふたりは仲間たちの声援を背に、手に手を取ってかけおちするが……。

 
 おもしろかった。

 マジ佳作です。
 時代背景を上手に使い、せつない恋愛物語を盛り上げ、かつ現代感覚で学園モノにしてある。
 異世界を舞台に日常ドラマやるのって、実はけっこー難しいんだよね。舞台説明が大変だし、異世界が舞台だと日常ドラマをニーズとして認めない人たちが多いし。
 いいじゃん、異世界ファンタジーで日常ドラマやっても。ふつーの学園モノやってもいいじゃん。
 
 昔、どっかのタレントのエッセイ本で、「SFなんてなくていい」という趣旨の本を読んだことがある。
 「『E.T.』は『子鹿物語』と同じ。わざわざ宇宙人にする必要ナシ。だからSFなんかいらない」とか、そういう論理で構成された本。
 現代を舞台として表現できることを、わざわざ異世界を舞台にして表現するのは無意味だ、ってことだな。

 何故、現代でもいい話を、わざわざ苦労して異世界にするか。

 その方が、テーマを明確に表現できるからだ。

 たとえば「障害を乗り越えて、貫く愛」を表現するのに、現代が舞台だとものすごーく大変なことになる。
 自由恋愛が認められており、物質的にも豊かな現代日本で、「障害」を作るのは困難だからだ。
 それこそ不倫だとか国籍がチガウとか親友・肉親の恋人だったとか、なにかしら理由をつけて、「障害」をでっちあげるわけだが、なにしろ自由な現代だから、そんな障害、本人たちの意志ひとつでどうにでもなることなんだよね。
 ソレをどうにもならないことなんだと、視聴者に納得させるために、いろいろ事件を起こしたり、仕掛けをしなければならない。

 だけど異世界モノなら、そんなややこしいことに時間を費やさず、ただテーマをストレートに表現できる。
 「身分制度」があり、「自由恋愛」が禁止されている世界だった、ということにしてしまえばいいわけだから。「障害」を簡単に作れるから、それを「乗り越え、貫く愛」を描くことに力を入れやすい。

 異世界を描くのは難しい。なにしろ現代とチガウから、チガウことをしっかりと設定し、わかりやすく解説しなければならない。
 と、解説部分では難しいが、テーマ表現という部分では、オイシイわけだ。
 テーマを表現するにふさわしい異世界を舞台にすれば、明確に表現できるからね。

 子鹿でも済むところを、わざわざエイリアンにしなければならなかったのは、テーマをわかりやすく差し出すためなんだよ。
 

 つーことで、わざわざ小野篁でこのふつーの学園超能力ラブストーリーをやった、作者を評価する。
 小野篁である必要はない気が多分にするが(笑)、まあそれはいいだろう。

 おもしろいから、無問題。

 ……にしてもわたしの辞書ソフト、「おののたかむら」だと変換してくんないのだわ。「中臣鎌足」や「蘇我入鹿」では一発変換してくれるのに。「あべのせいめい」もダメだから、陰陽師関係はフォローしてないってことかしらね。

 
 学園モノ云々もよかったけど、せつないラブストーリーで最後をまとめたことがポイント高いなー。

 展開がいちいちスノッブで、ありがち+お約束の嵐、先が読めまくるんだけど、それがまたいい。「お約束」であるということは、「ニーズが高い」ということだから。
 予想通りのキャラの言動と、予想通りのストーリー展開、予想通りのラスト。
 この、期待を裏切らないところがいい。
 それこそコバルト文庫を読んでいるよーな感じで。

 
 いい話だったよ。たのしかったよ。わくわくしたよ。泣けたよ。

 でもさ。
 ……でも。

 萌えない……。

 かねすきさん、わたしまったく萌えなかったわ。
 かわいいお話も、ありがち話も大好きなんだけど。

 かねすきさんが言うように、あまりにも、色気がなくて。

 なんでここまで、色気がないんだろう、この作品……。
 ラブストーリーなのに……泣かせるのに……。

 やはり、出演者の問題かな。

 作品の色気を削いでいるいちばんの原因は、藤原常嗣@れおんくんだと思うんですけど。

 常嗣を色気のある役者が演じていたら、大分雰囲気変わったと思うんだけど。
 とりあえず篁@まとぶんは色気のある男役だと思う。相方に色気があれば、いくらでも艶っぽい男になるだろう。
 しかし、れおんじゃなー。
 どーしてこいつはこー、健康的にがさつなんだろう……(笑)。そこが魅力ではあるけど(笑)。

 れおんを筆頭に、学友たちがもー、色気皆無。
 学園モノであることと、色気がないことは、イコールではないはずなんだが。
 若さと拙さが全面に出ていて、それ以上のものはまだ表現できていない感じ。

 そんななか、ひとりで色気放出していたのが、藤原良房@嶺恵斗

 気の毒に、ひとりお色気状態で、誰も受け止めてくれていない(笑)。
 いやあ、いい男だ、嶺恵斗。
 なんか本公演以外の星組公演では彼ばかりを誉めている気がするが。

 好みの男なんだもん(笑)。

 美形とは言い難いが(眼鏡をはずした人みたいな目つきだよなあ)、その立ち役的スタイルの良さが素敵。

 もともと恵斗くん好きなんですが、それ以上に、この作品の中で、わたしのいちばん好きになるキャラっていったら、そりゃまちがいなく良房でしょう(笑)。
 ヘタレ男好きの緑野が、注目するなら絶対良房。
 好きなキャラを、好きな役者が、好きなタイプで演じてくれていて、カモネギな美味しさでした。うまうま。

 ただ惜しむらくは、作品に色気がない。
 良房と、オヤジふたりが色気振りまいてても、このあっけらかーんと健康的な雰囲気はいかんともしがたい。

 萌えない……。

 
 萌えはないけど、作品はいいです。
 まとぶんきれー。
 れおんくんは、いつものれおんくん(笑)。
 女性陣のお化粧がわたし的に相当イケてないんだけど、それ以外は彼女たちも素敵です。
 フィナーレの男たちの群舞は眼福。タカラヅカファンでよかったと思う絢爛さ。
 観て損はないんで、是非観てくださいな。チケットは掲示板にいっぱい落ちてます〜〜。「完売」の札にあきらめないで。

   
 祝まとぶん、単独バウ初主演。
 ……について、チケット事情を眺めながら、思ったこと。

 1.まとぶんって、知名度あるんだな。
 2.でも人気は番手と学年にふさわしい程度なんだな。

 今年のバウはチケット入手に苦労しない。と、わたしは思っていた。雪組壮くん、月組きりやん、花組ゆみこちゃん、星組まとぶん。このなかでいちばんチケット難なのは、ただひとり2番手のきりやんぐらいだろう、と。あとの3番手の若者たちは、言っちゃ悪いが前売り完売はしないだろう。
 現に壮くんバウは余りまくっていたし、作品もアレレだったので幕が開いてからも苦戦していた。
 ゆみこちゃんも完売せず、ただしこちらはじわじわと売れていった。
 まとぶんも、先手の3番手ふたりと同じことになるだろうと踏んでいた。しかも日本物だしな。わたしの周囲ではカード貸切なども全スルー、壮くんやゆみこちゃんのチケットを余らせて苦労したらしいからな。もう同じ目には遭いたくない、とチケ取りに消極的だったさ。

 ところがどっこい。
 まさかの前売り即日完売、チケット難の嵐がやってきた。

 なんで? まとぶんってそんなに人気あったの?
 どうも腑に落ちない。
 まとぶんはいい男だし、人気があることは知っている。しかし、バウを日本物で即日完売できる器だとは、まだ思っていない。将来そうなるとしても、今はまだチガウだろ。

 なんだか、すごくいやーな感じがしたさ。
 予感は的中、発売からすぐに、掲示板の「交換」コーナーの「手持ちチケット」として、まとぶんバウのチケットがずらずら並びだしたよ。
 しかもものすげータカビー(死語ですか、すんまへん)な交換条件ばかり。

 交換の手札として、バウチケ押さえまくったんだね、みんな……。

 きりやんバウのときと同じだ。
 今年唯一の2番手バウ主演、きりやんのチケットも即日完売、掲示板には「求む」の嵐。
 すごーい、やっぱ2番手バウはチケ難だよねえ、去年がそうだったもんねえ(かしげのぞく)、と思わせる盛況ぶり。
 しかし。

 日が経つにつれ、きりやんチケットの価値は暴落した。

 交換のために押さえていた人たちが、いっせいに吐き出したからだ。
 ものすげー強気な条件で交換の手札として使われていたきりやんバウが、あっちゅー間に「譲る」の嵐、ダンピングで叩き売り。

 みんな、きりバウを、「なんにでも交換可能な魔法のチケット」だと思っていたんだね……きりやんに夢を見ていたんだね。
 去年の魔法が忘れられないんだね。水バウ、あさこバウ、とうこバウ。これらのチケットはみんな、魔法のカードだったよ……なんにでも変身可能だったさ。でもきりやんはちがったね。きりやんがどうこう、じゃなく、魔法の3人の人気がそれだけすごかったってことさ。

 まとぶんバウのチケット事情に関して、わたしはこのきりやんチケットのことを彷彿としたよ。
 とりあえず長くヅカファンやってるから、チケットの売れ行きの予測はある程度つくよ。(予測が立たないのはトド様公演ぐらい。トド様ファンってよくわからない……)

 だからこの、わたしや周囲の予想を裏切るまとぶんバウのチケット難は、通常ならありえないことだと思うんだ。
 どう考えても、まとぶんに水くんやあさこ、とうこと同じだけの人気があるとは思えないから。

 ええ。
 思った通り、日が経つにつれ、まとぶんバウの価値は暴落。
 あんなに強気に交換の手札として使われていたのに、「譲る」やダンピングの嵐が吹く。

 みんな、交換目的で押さえていただけやったんやな……。

 
 これはあくまでも、一般人としてチケット事情を眺めていたわたしの感想であって、真実かどうかはわからない。FCだとかスポンサーとか?芸事世界の裏事情は知りようがないし。
 「チケット難」→「掲示板の交換用手札として氾濫」→「譲る・値引きの嵐」という流れを見ての個人的な見解さ〜〜。

 ここでおもしろいのは、同じ立場であるいっぽくんやゆみこちゃんのバウは、はじめから交換用手札としての価値を認められず、まとぶんのみが認められたということだ。

 どういうことだろね?

 ふつーに公演を観ていたら、まとぶんの人気が去年の3強と同じかそれに継ぐものだとは、思わないと思うんだけど。

 やっぱり最初から交換目的でチケ取りする層というのは、タカラヅカ全体に愛がそれほどないのかもしれないなー。
 まとぶんの人気を読みまちがえたってことだよね。
 なんで読みまちがえるの? まとぶんバウを「なんにでも交換可能な魔法のチケット」だと夢見たわけでしょ。いくらなんでも、華々しすぎるよ、読みまちがえ方が。
 それってつまり、まとぶんに興味がないからなんじゃないの? よく知らないから、カンチガイしたんじゃないの?
 ……まあ、まとぶんを大好きでよく見ている人なら、そもそも交換目的でチケット取ったりしないか。

 
 人にはそれぞれ事情があるので、交換目的のチケ取りが全部悪いとは思ってないさ。
 ただ、そのためにほんとうにその公演を観たい人が、発売日に泣いたのかと思うとせつないだけ。予想外のチケ難ぶりに煽られて、高額チケットをあわてて購入したんじゃないかとか、余計な心配をしてしまうだけさー。

 
 これらの出来事から、冒頭の感想になるわけよ。

1.まとぶんって、知名度あるんだな。
 チケットゲッターたちは、まとぶんのチケットを手に入れれば、他の観たい公演に交換できると思った。もしくは高額で転売できると思った。
 それって、人気ではなく、知名度だよねえ。そんなに有名な子だったかわたしにはぴんとこないけど、名前が先行していたってことなんだろうな。

2.でも人気は番手と学年にふさわしい程度なんだな。
 思い通りの交換はできなかった。また、高額で転売することもできなかった。かといって、自分で観に行くには無理がある。……てな理由がすべてではないだろうが、フタを開けてみればチケットは余り、出回っている。
 まとぶんが人気がないというわけじゃない。そもそも彼くらいの学年と露出度の子に相応しい、ふつう程度のチケット状況に落ち着いた。

 
 そして、交換目的云々の話も含めて、今年前半のバウチケット事情が興味深いさ〜。

 まとぶんだけが、「価値がある」と交換目的の人に認められたという事実。いっぽくんとゆみこちゃんにその価値はない、と思われていた(まあ実際その通りだが)事実。
 これって、興味深い話だよねえ。

 いっぽくん・ゆみこちゃんと、まとぶんのちがいって、なんだろねえ。舞台人としてではなく、ゲッターの評価の真意ね。
 考察するとたのしそうだ。

    
 最近あたし、日記の文章量多いねえ。ストレス溜まってんだねえ(笑)。他愛なく責任のない文章書くことで、発散してるんだねえ(笑)。

 『飛鳥夕映え』の話。
 ええ、まだこの話。駄作なのに何故、ここまで何度も話題にするかな(笑)。

 蘇我鞍作というキャラが壊れているために、どーしよーもなくなっている、この作品。
 前提1では「生まれながらの欠陥」の話をした。

 ので次、前提2にいってみよー。

 前提2は、ある意味タカラヅカ的に正しく、ある意味力技だ。

 蘇我鞍作は、とてつもなく魅力的な男である。

 あなたの愛する、いちばん魅力的な男役を想像するのだ。
 立っているだけで罪! かっこよすぎ! な、スーパースター様を想像するのだ! 存在しているだけで呼吸困難! 視線ひとつで妊娠しちゃうかも! な、セクスィースター様を想像するんだ!

 トップスターに理屈はいらない。
 同じ仕草、同じ台詞で、観客を殺す。他の人が言ったら笑っちゃう台詞だけど、**様が言ったら腰砕けた〜〜! みたいな。

 脚本が破綻していようと、わけがわからなかろうと、スターオーラで煙に巻く。

 正しくタカラヅカ、正しく力技。

 わたしとかねすきさんは、あまり時間のない観劇後、ちらりとだけ話をした。

「鞍作ってつまり、『トップスターの役』なんだよね」

 タカラヅカで「トップスター」という地位にいる人ならば、誰でも似合う役なんだ。

 ワタルくんはぜんぜんOKでしょう。
 懐の深い、雄々しい鞍作。「兄貴、ついて行くぜ!」てなもんで、人望を集めていそう。

 月組前トップのリカちゃんが演じていたら、さぞかしねーーーーっとりと濃い、やんらすぃ鞍作だったでせう。そりゃ女たちが放っておかないわ……浮気も二股も、仕方ないわ、存在自体が罪なんだもん、ということで。

「春野寿美礼さんがやったら、ものすごいことになっていたでしょうね」
 と、かねすきさんは笑顔でおそろしいことを言う。
 寿美礼ちゃんが鞍作を? …………ぶるぶるっ、想像するだけでもおそろしいわ。色気垂れ流しの邪悪(でも外面は天使)鞍作になったわよ……。女はもとより、男たちもたらしまくられていたわね……千人斬り鞍作……ぶるぶる。

 とゆーふーに、「トップスター」ならばそのスターオーラで「説得力」をつけてしまう、そーゆー「器」なキャラクタなんだわ、鞍作。
 スターの色を入れるのが前提だから、器自体は空なの。薄くて書き込み不足で辻褄が合ってないの。
 観客が、自在に「わたしだけの**様」を観られるように、ツッコミどころをたくさん残してあるの。

 ……にしても、ツッコミどころが多すぎっていうか、主人公に「欠陥がある」とまで考えなきゃならんほど壊れている必要はないと思うんだが(笑)。
 まあ、それでもヅカの駄作のなかではマシなうちだもんな、『飛鳥夕映え』。

 
 この『飛鳥夕映え』は、さえちゃんにあてがきされたものではないんだなあ、としみじみ思う。
 「トップスターならば誰でもハマる役」をあてられて、ハマることができないのが、さえちゃんの持ち味なんだもん。
 さえちゃんがトップに相応しくないとは、思ってない。そーゆートップがいてもいいと思う。
 ただ、座付き作者なら、そーゆーさえちゃんに相応しい作品を書いてあげて欲しかったよ。
 お披露目なんだからさー。ご祝儀ってことで、もっと繊細なキャラに書き直してくれればよかったのに。

 コム姫といい、さえちゃんといい、いわゆる「トップスター」らしい持ち味のない人に、いかにもな「トップスター」な役を与えてお披露目公演をコケさせるのが、座付き作者の癖なのかしら。

 
 あー、それにしても。
 鞍作@寿美礼ちゃんで、鎌足@あさこだったらあたしゃ、萌え狂ってたよ……。

     
 戦いに疲れたので、日記でも書くことにする。

 今、冷酷心MAXに『ピクミン』やってるの。最近出た『2』じゃなく、『1』の方ね。時間制限があって、きついのなんのって。

 『ピクミン』ってさあ、子ども向けのフリして完璧大人向けのゲームだよねえ。子どもには残酷すぎるよコレ……いや、自然界はこれくらい残酷であたりまえかもしんないけどさ。
 死体のリアルさだとか、目的のために犠牲はあたりまえな考え方だとかさ……あまりにリアルに残酷で、くらくらするわ。

 えー、『ピクミン』は……ジャンルはなんだろ、アクションパズルとか、そんなかな。
 主人公(妻子持ち)になって、未知の惑星の生物「ピクミン」を誘導し、アイテムを探す。フィールドには危険と敵がいっぱい。主人公は自己の利益ためにピクミンを利用する。

 ピクミンには自我がない。
 主人公の思うがまま。
 母親のあとを追う幼児のように、主人公のあとを追う。
 この性質を使い、主人公はピクミンを敵と戦わせ、アイテムを運ばせる。
 ピクミンは疑うことなく主人公の命令に従う。ただ戦い、ただ死んでいく。

 
 今までどんなゲームやってたって、キャラを殺さないようにするのがあたりまえだったからなー。脇キャラでさえ死んだらリセット押すくらい、キャラを大切にしていたよ。
 しかし『ピクミン』は何匹死のうが気にしてられない。「個」がないから、気にせずに使い捨てられる。
 「生命」を「使い捨て」ることで「大義をなす」ゲーム。……すげえや。
 
 つくづく、よくできたゲームだ。
 キューブにはときおりこーゆーソフトがあるよね。マジすげえや、つーレベルのゲーム。
 PS2なら数倍は売れたし話題にもなったんだろうにねえ、という(笑)。

 ブラックさにくらくらし、ときおり虚しくなりつつも……。

 今、ラスボス戦なんですが。
 強すぎて、辟易。どーやって戦えばいいんだ……。

 すっかり冷酷になったわたしは、黄ピクミンに自爆させてますが。爆弾持たせて、ラスボスに食わせる。

 ちょっとすごい光景よ?
 わたしを信じて、わたしのために、何十匹の黄ピクミンが爆弾抱いて、黙って整列してるの。
 ラスボスに食べられるのを、じっと待ってるの。
 自爆させられるんだってこと、わかっているのかいないのか。わかっていてもせつないし、わからないまま言われたとおりにしているのだとしても、せつないよ。
 どっちにしても、殺すけどな。……そーゆーゲームだから。

           ☆

 『ピクミン』はともかく。

 『飛鳥夕映え』の話がしたかったんだ。

 あまりにも魅力に欠ける、蘇我鞍作という人物に惚れた人たちがわいのわいのやってる物語、それが『飛鳥夕映え』。
 鞍作という人は、周囲の人の台詞でだけ「すばらしい」と言われているが、やっていることといえば、ダンパで女の子をナンパしたり、パパの権力でおいしい地位につけてもらったり、女を二股かけたり、と、ろくなことをしていない。
 いくら台詞で「すばらしい」とか「優秀だ」と言われても、なにひとつ立派な行動をしていないので、そう思えっちゅーのは無理な話だ。
 なにかひとつでも、鞍作本人がすばらしい行動をとっていればいいんだが……それもないしな。
 人として最悪なことしかしていないが、何故だか周囲の人は彼を褒め称え、そのくせ最後はその周囲の人全員に見捨てられる、というよくわからないことになっている。

 わたしの感性ではこの話を理解できないので、ここは一発、理解できるようにねじ曲げるしかないな、と思った。

 
 つーことで、『飛鳥夕映え』の辻褄を合わせるための前提、その1。

 蘇我鞍作には、想像力がない。

 鞍作には、「自分」しかない。
 他人に心があり、感じたり傷ついたりするということが、理解できない。
 生まれつき「自己」以外のものを理解できない、そういう精神を持って生まれてしまったの。
 鞍作にとって他人は「ピクミン」と一緒。かわいがりもするし、やさしくもするけど、画面の向こうの疑似生命体と同じで、自分と同じように「心」があるとは思わない。
 利用されて死んでいくピクミンを見て、「可哀想」とは思うけど、利用して殺すことはやめない。だってピクミン、自我ないし。必要だからやってることだし。……てなもんだ。
 生まれつき、欠けているのよ。どうしようもないの。

 鞍作は基本的には、やさしい人。
 だけど他人に心があることを知らないから、傷つけるのも平気。
 雑草を踏む感じ。雑草が痛がるなんて人間は考えないよね。それと同じ。

 だから彼は、自分が気持ちいいことしかしない。
 自分の行動で傷つく人がいるなんてこと、生まれてから一度も考えたことがない。
 瑪瑙を愛しているのも本当。彼女に対して誠実なのも本当。
 だけど、誘われれば誰とでも関係を持つ。自分が他の人間と寝ることで、瑪瑙が傷つくなんて概念ははじめからない。
 政治で誰を踏みつけても平気。パパの権力をカサに着るのも平気。他人の傷みの存在を知らないから。

 だから鞍作はいつも、涼しい顔をしている。
 彼は天使。いかなるときも心に一点の曇りもない、正しく優しい人。

 自分に気持ちいいだけの人生を送っているんだから、そりゃ心に曇りなんかないわな……。
 ひとを疑ったことも、嫉妬したこともない。他人に心があることを知らないから、そんな醜い感情を持つ段階に至っていない。

 鞍作には想像力がない。目に見えないものは知らない。触れないものは、彼には「存在自体がない」ということ。

 そんな鞍作だから、周囲の者には魅力的に思える。

 鞍作ひとりが、圧倒的に特異、エイリアンくらい変わった人物だから。
 情緒に関してだけは日本語通じないけど、それ以外のことは優秀、そして権力者の息子で、美形。
 彼の奇妙さは、全部「よくわかんないけど、すばらしいもの」として受け止められていた。

 人々は、鞍作に勝手にいろんな夢を抱いて、勝手に好意を持っていた。
 ひとりずつがきっと、別の「鞍作」を見ていたのだと思う。

 どれだけ人格に致命的な欠落があろうと、鞍作は権力者の息子。後ろ盾がある以上はすべてプラスにしか見えなかった。

 そう、あくまでも、彼に権力がある場合のみ、だ。

 権力が消えるとき、彼の存在価値も消失する。

 鎌足の暗躍により、鞍作の権力は絶対のものではなくなった。
 後ろ盾が揺らいだ場合、はじめて人々は鞍作の欠陥に目を向ける余裕を持つ。
 鞍作本人はたしかに、類を見ない変わった人だし、天使みたいに美しくてやさしいけど……でも、あの男、変じゃないか? 他人の「心」に興味がなさすぎる。情緒がなさすぎる。

 鞍作が他人の心を想像できない、欠落した人だとわかったとき、皇極帝を含め、すべての人が敵に回った。
 権力もなく、他人を踏みつけるしか能のないお人形さんを、のさばらせておいても仕方ないってことさ。
 
 ……というストーリーラインなら、辻褄が合うんじゃないかしら。

 これは前提その1なんで、他にいくらでも別のパターンはあるんだけども。
 これくらいねじ曲げた設定かまさないと、鞍作が理解できないんだもんよー。
 この設定のうえで、鎌足とか他のキャラの愛憎をねっとり描くのは、たのしそうだけどなー。

        
 ショー『タカラヅカ絢爛?』を観て、ゆーひくんの姿にほっとしたなあ。
 あああ、きれいだー。美しいゆーひくんこそ、ゆーひくん。
 日本物化粧より、黒塗りの方が男前な、日本人ゆうひ。……ふふふ。

 ところで、その美しいゆーひくんを眺めてうはうはしていたとき。
 ふと手前を見ると、舞台の群舞センターの娘役が、ものすげー大胆なスカートさばきで踊り狂ってました。
 プロローグ、ゆーひくんが白い大胆開襟衣装で歌っているところです。

 スカートを手で持ち上げ振り回して踊るので、お嬢さんたちの健康的な太股がちらちらリズム、時折白いパンツまでチラリズム。
 それはいい。太股見せとパンチラは観客サービスってもんだ。

 問題は、だ。
 パンチラはサービスの範疇だが、パンツ全部見せはタカラヅカ的にどうよ?つーことだわさ。

 目を疑いましたさ。

 センターにいる娘役のひとりなんだけど。
 スカートひるがえしすぎて、白いパンツがまるっと全部見えてるんだもんよ。
 パンツだけじゃないよ。
 その上の背中まで、見えてるんですけど?!

 ワンピースの裾を胸の下まで持ち上げた状態。
 へそから下が、まる見え。

 な、なんなの?
 それはもーチラリズムとかサービスとかの域を超えてないか?

 20人くらいいるのかな、同じ衣装の娘さんたち。みんな太股をちらちら、パンツを一瞬ちらり、という程度でがしがし踊っている。
 そのなかにたったひとり、パンツ丸出しで踊っている娘がいるのよ!!

 そりゃ、わたしの本日の席は5列目だから、下からのぞきこむ角度になっているせいも、あるかもしんないけどさ。
 それにしても、パンツとその上の背中だのへそだのまで、見せるのはどうよ。

 口があんぐり開いてしまったわたし、踊るパンツ娘の顔を確認しました。

 その慎みのない娘役は、 楠恵華でした……。

 なにをやってるんだ、のぞみちゃん……。ぐはあ。
 男だからいいのか? パンツ見せても。背中まで見せても?

 いつもゆーひしか見てなかったんで知らなかったけど、オープニングって野郎どももさりげなーくまざってドレス着て踊ってたのね……。
 びびびびっくりしたー。

        
 芝居が終わって客席が明るくなるなり、無邪気な子どもの声が響きました。

「ねえ、なんでみんな寝てたの?」

 微妙な沈黙。

「いやぁねえ、この子はぁ」
「ホホホホホ」
「大きな声で、もう」

 おばさま方の誤魔化し笑いが一斉に上がる。
 「いやだわ」とか「声が大きい」とは言っても、「寝てなんかいなかったわよ」とは誰も言わないんだね。
 その点正直なのだわ。……ちなみに、かなり前列だったんですけどね、おばさま方の席。

 てなことがあった、月組公演『飛鳥夕映え』。今回で3回目、念願のゆうひ鎌足の日!!

 今回の出演者のなかで、誰がいちばん好きかと言われれば、答えはひとつ、ゆーひくんです!
 なにしろゆうひくんは、ある一時期ケロちゃんを抜いて、わたしのなかでNo.1色男であったことすらある、大好きジェンヌさんです。
 彼がプルミタスをやっていたときはねえ……あたしマジ、恋してたからさぁ。めろめろだったのよ、プルちゃんに。あまりにプルミタスを愛しすぎて、当時書いていた同人小説のクオリティが下がったくらいさ……素直にガラ×フアンで書けばいいものを、プルに惚れたがゆえに作品が歪んじゃったのよ……ふっ。青いわね、あたしも。
 そんなこともあったくらい、とにかくゆうひくんは大好きでねえ。プルミタスのころほど頭に血を上らせて惚れきってはいないものの、たぶん永久に「特別なダーリン」なのよ、わたし的に。

 そのゆうひくんが、大劇で2番手の役をやる。

 ああああありえねえ。
 発表を見てうろたえたくらい、いろんな意味で特別視。

 だもんで、指折り数えておりました、ゆうひ2番手の日を。
 役替わり初日、大阪にさえいれば、駆けつけていたと思うのよ。ゆうひくん見たさに。
 いろいろあって、今日よーやく観に行くことができて。
 
 ああ…………。

 
 どーしてわたし、石川麻呂@かしげばっか見てるんですか?(涙)

 
 かしげの石川麻呂、めちゃくちゃ好みです……。
 鎌足より好みだ……どどどどうしよう。

 かっしー演じる鎌足は、かしげがやっているとは思えないほど(えっ)すっげーかっこよかったっす。心ときめきましたとも。
 どーしたんだかしげ、賢い役もできたのか! 悪役もできたのか! 色男もできたのか! と、仮にも2番手スターに対する言葉ぢゃねーな、なおどろきの声をあげていたのは、ついこの間。

 なのにその鎌足より、石川麻呂が好みです……。

 
「緑野さん、ヘタレ男好きでしたね?

 石川麻呂がよかったと語るわたしに、かねすき嬢はあっさり答えを突きつけてくれました。

 うん。
 そうなの。
 わたし、ヘタレ男大好きなの。

 かしげはヘタレな方が萌えるのよ〜〜っっ!!

 石川麻呂、初登場からすでにべそかいてます。
 最初に下手からせり上がってくるじゃん。そのときからもう、トップテンション。瞳が涙できらきら。

 腰ぬけるかと思った……べそかきかっしーに胸きゅん(笑)。

 オープニングはずーっと石川麻呂、泣き出しそうなうるうる瞳のまま。
 きらきら軽皇子、冷徹鎌足と並んで歌っている間もずーっと、うるうる。

 誰かこの男、小突いてやって。ころんとこけてくれるでしょう。……てな不安定さ。

 無邪気でかわいいっちゅーかちとおバカ風味な少年時代から青年時代の半ばまで、誘い受満点なうたたね姿に、生真面目に恋を語るさま、鎌足に脅されてぶるっちゃうさま……それからあとはひたすら、ゆらゆら揺れる瞳でヘタレまくり。
 なんかなにもかも、ツボなんですが。

 よっしゃ鎌足、石川麻呂ヤっちゃってください、どうぞ! 泣かせてください、泣かせてなんぼだ、そんな男!!

 脅迫されても無理矢理ヤられても、きっと石川麻呂は自分を不幸だとは思わないはず。鎌足を憎みも責めもしないはず。
 きっと彼は、「不甲斐ない自分」を責めるんだ……。
 そーゆーオーラ出まくりだった、石川麻呂。

 た、たのしい……。
 たのしいぞ、石川麻呂@かしげ!!

 ちょっと夢中でした、石川麻呂に。
 へ、変だな、わたし、ゆーひくん目当てだったのに! ゆうひはその持ち味から、悪役はぜんぜん問題ナシだと思っていたので、素直に萌えるつもりでいたんだけど。

 やっぱりなんといっても、見た目の美しくなさっての、大きいよね……。

 ゆうひくん、日本物のお化粧、なんとかしてほしいっす……。

 顔立ちが顔立ちだから、似合わないのは仕方ないけどさ。それにしても、いろいろとつらいお顔なんだわ、ゆーひ鎌足。
 ゆうひくんの売りは「美しさ」「スタイルの良さ」「色気」だと思っているので、美しくないとかなりマイナスになるんだよなー……。

 ゆーひは持ち味がクール系だから悪役はテリトリー内だけど、鎌足役は微妙にそこからはずれていることに気づいた。
 ゆーひのいちばん得意な役って、「クール」で「ひねている」役じゃん……。
 斜に構えてないとダメなのよ。プルミタスもそうだし、サー・トービー@十二夜も、じつはものすごい好きだったド・ゴーテ@ゼンダ城も、悪役+ひねた役だったわ。
 ゆうひくんがもっとも魅力的に見える役って、不良青年の役なんだもんよー。

 鎌足って、世をすねてる不良青年じゃないもん。
 もっと前向きな悪役なんだもん。
 努力家だし、真面目だし、大物だし、能動的だし。こんなに前向きな悪役、ゆうひの持ち味じゃないわ。

 ゆーひくん、得意分野に持ち込んでくれてもよかったのになー。
 鎌足をもっとシニカルな不良青年にしちゃってもよかったのに。ゆーひがゆーひらしく、いちばんかっこよく見える鎌足に。

 ゆうひ鎌足のデキが特別悪かったというわけじゃなく、そこそこがんばってはいたけれど、わたし的にはいまいちだった、ということです。
 ファンだから要求が大きくなっちゃってるのかも。
 プルミタスで見た夢を、また見られるかもしれないと、勝手に期待してたからさ。

 それでも、ゆーひ鎌足はあと1回チケット押さえてあるので、もっぺん行くぞー。2番手のゆーひなんて、たぶん最初で最後だから(笑)目に焼き付けておくのだ。

 …………もう一度、石川麻呂@かしげに会えるんだ…………うきゃー。(あれ?)

      

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