わたしは、『仮面の男』に郷愁を持っている。
 いろんな意味で波乱の幕開きとなった『ロミオとジュリエット』、別箱公演を経て、新生雪組の最初の通常公演……「これから」の雪組にわくわくしていた。
 新人公演の役付を見ても、下級生が新たに抜擢されていて、「未来の雪組を担う力」を感じ、わくわくした。

 新公主演・バウ主演と独占し続けていた咲ちゃんに代わり、翔くんが初主演を勝ち取ったり。
 まなはるが2番手役のダルタニアンだったり。
 あすくんが3番手役のアトスだったり。
 イリヤくんが三銃士のひとり、アラミスだったり。
 えーちゃんが準ヒロインのコンスタンスに抜擢されたり。

 すでにいろいろ活躍していたさらさちゃんといのりちゃんは、それぞれ難しい大きな役割を得ていて。
 大人っぽい持ち味を活かして、タジィと雛ちゃんは親父&おかみを演じてて。

 スター候補生いっぱい、脇を締める実力派もいっぱい、雪組に死角なし!

 無邪気にわくわくしていた。
雪組 退団者のお知らせ
2015/06/04
下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。   
雪組
此花 いの莉
雛月 乙葉
透水 さらさ
悠斗 イリヤ
花瑛 ちほ

2015年10月11日(雪組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団

 遠いなあ。
 遠くなっちゃったなあ。あの、わくわくは。

 キムくんがいて、まっつがいた、あの時代は。
 千秋楽前に、『1789-バスティーユの恋人たち-』を観に行った。

 や、ほんとは楽に行くつもりだったの。チケット持ってたし。
 でも、急遽『アル・カポネ』観に行くことになったので、『1789』楽は手放した。……ったく、なんで東西で千秋楽重ねるのよー、どっちかしか行けないじゃん!
 楽には行けなくなったけど、『1789』は観たい。
 つーんで、その2日前に観劇。
 本公演は初日付近にしか観ていないから、優に1ヶ月ぶり。

 まさお節が、ひどくなってた。

 うわああああ(涙)。

 まーさーおー。
 せっかく、マシになってた独特の節回しが、また復活してる~~。

 せっかくイイ声なのになあ。もったいない……。

 この独特の節回しは、まさお氏がノッている、という証拠なんだろう。矯正されてマシになっていたのに、また野放しってのは、それだけ彼が自由に舞台に立っているということだろう。
 役者がノッているのはいいことで、それで舞台全体の熱が上がればヨシ。
 実際、イキイキしてるもんなあ、まさお……。大暴れ、って感じ。彼のこういうところが、愛されてるんだろうな。

 わたし個人としては、大変残念に思うのだけど……。


 コマが、よりコメディアンになっていた。

 うわああああ(涙)。

 個性の見えない革命家トリオ。キャラ立ちするためなのか、ダントンさんはお笑いをすげーがんばってた……。
 ちょっと愉快、程度でいいのに、アドリブ入れてさらに派手に客席を笑わせようと、あざとい芝居になってたっす……。でも客席、そんなに笑ってくれないし。ナニこの空回り感……。

 コマは三枚目得意だし、ウィラード@『フットルース』では話題騒然のかわいらしさだったけど……月組に行ってからは、彼の笑いのセンスはどうもすべりがち。月組と相性悪いと思ってるっす……わたしは。
 なにもダントンさんでそんなにお笑いがんばんなくていいのに。や、3個イチ脱却を命題にしているのかもしんないけど。
 でも、そっちをがんばるのはチガウ……。と、わたしは思う……。


 初日付近の方がよかったなあ……。

 と、肩を落としつつも。

 やっぱこの作品好き。

 千秋楽までのカウントダウンがはじまっている中、一丸となったパワーがより強い渦を作りだしている印象。

 オランプはわかばちゃん。
 ヒロインが似合う。まさおと似合う。
 彼女は自分が主役にならない、あくまでも「タカラヅカのヒロイン」。主人公は男役、彼女はその相手役。
 なのに、華やかでしっかりと顔が見える。ヒロインとして活きている。

 アントワネット@ちゃぴの貫禄。
 わかばちゃんを小娘扱いする、大人の女。……わかばちゃんの方が上級生なのにね。
 それを変だと思わせない存在感。

 ペイロール@マギーのかっこよさ。
 この役がこんだけかっこよく見えるのは、大きく見えるのは、まぎれもなくマギー個人の力。

 新公観たあと「1幕ラストはカット相応」とか言ったけど、今でもそう思ってるけど、ごめん、やっぱ好きだこれ!
 テンション上がるわーー!

 音楽が好き、そしてまさおの歌声も好きよ。良くも悪くも、唯一無二の個性。
 楽しいなあ、『1789』。

 新公で気になった横顔の彼を探そうとしたんだけど、わかんなかったっす。

 はーちゃんのソレーヌをもう一度観たかったな。日程がここしかなくて、結局はーちゃんは1回しか観られなかったのが残念。

 構成と配役がいびつで、観るたびに「修正したい、改稿したい」とじれじれする、それも含めて、興味深い、楽しい公演なのだと思う。
 ドラマシティで、まぁみりが観に来ている回があった。

 まぁみりですよ、まぁくんとみりおん!
 そして、舞台にはだいもん。

 『CODE HERO』トリオが勢揃い!! ……胸熱……。

 『CODE HERO』だけに限らず、まぁだいはずっと一緒だったしね。
 みりおんは、新公でだいもんの役をやった、唯一の娘役だし(笑)。

 あー、前日欄でわたし、「だいもんメインの公演は初日・楽を観ている」てなことを書いてるけど、『CODE HERO』抜けてたわ。『CODE HERO』は千秋楽観てない。さすがに遠征してまで観られなかったよ、あのトンデモ作品。わたしの経済力では無理。あの作品にそんだけかけられなかった。……だいもんの黒幕ぶり素晴らしかったけど(笑)。

 ジェンヌさんが観劇に来る際の是非はいろいろあると思う。関係者が良席で観ることだの、そのジェンヌたちのマナーだの、舞台上のジェンヌ内輪受けサービスだの。
 わたしは歓迎だな。舞台の上でしか見られない芸能人に、それ以外で会えるのはラッキーだと思うし、それゆえに舞台上のジェンヌのテンションが上がっていつもとはチガウものが見られるのもラッキーだと思う。
 まあ、ルキーニ@だいもんにかまってもらえるかもとはかない期待を抱いて臨んだ唯一のSS席観劇の日、れおんくんたち星組のみなさんがぞろりと現れちゃって、ルキーニの関心はすべてそっちへ行ってしまった、てな、もの悲しい思い出もあるけどね……(笑)。

 仲良しのまぁ様が客席にいることで、だいもんが張り切りまくってくれるなら、それはそれでヨシ!
 『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』はだいもんが客席いじりする場面はないので、あくまでもふつーに進んでいくんだけど。

 フィナーレの「Chicago」のラストの歌い上げで、「ヒューー!!」って歓声上げたの、まぁ様っすか?
 ジェンヌさん以外でそういうことを、芝居のフィナーレでするとも思えなくて。
 わたしには誰の声かわかんなかったんだけど。
 それ聴いてただいもんさんがさ。

 にぱーーって笑ったの!!

 「Chicago」のラストって、帽子と手で顔隠れるんだよね、たしか。
 客席から見えないと思って、だいもん、素で笑ってる!!
 や、わたしこんとき、1列目だっけか2列目だっけかの通路際あたりにいて。
 隠した顔、横からのぞき込めたのね。

 だいもんのあのでかい口が、にゅ~~って横に伸びた。
 ルフィ@『ONE PIECE』みたいに。
 すっげうれしそうに、素で笑ってるの!!

 かっ……かわいい。

 美声で歌いきり、めっちゃキザにポーズ決めてるくせに。そのポーズの奥で、にぱーーって笑ってる。
 歓声浴びて、ウケてるの。よろこんでるの。
 かわいい。
 なにこれかわいい。

 あの声、まぁ様? まぁ様にひやかされて、照れてんの? よろこんでんの?
 ったく、仲良しだな!(笑)


 「Chicago」のラストっていつも笑ってるもんなのかな? と次の観劇時にチェックしたけど、そのときは笑ってなかった。めっちゃスカシた顔でポーズ決めてた。
 また、ちょっと後ろの席になると、表情まで見えないわ。ポーズもだけど、ライトの加減で。
 前方のドセン以外でないと、のぞき込めない……。

 だからたまたま、あの席にいたから見えたんだ。
 梅芸会員席GJ! よくぞわたしにあの席を割り当ててくれた!!
 梅芸の抽選販売は、大抵ろくな席が当たらない、というのがみんなの共通認識だと思う。わたしもそうだ。いつも「なんで会費+手数料払ってこんなクソ席?」と思うよーな、後ろの壁とお友だち席があたりまえに来る。もしくは落選続きで「会費の意味ナシ」てなもん。
 でもなあ。ときどき、すげーツボな席が来たりするんだよなあ。
 わたしは『フットルース』の制作発表に招待してくれただけで、もうなんの文句もナイ、ってくらい、感謝し続けてるけど。
 ほんとに心から観たい公演のみ、ぽこっと良席が当たる不思議。わたしの念が伝わるのかしら……。宝塚友の会は、ぜんっぜんなんにも伝わらないのにねええ。

 DVDにはどの程度捕獲されてるのかな。キメのスカシ顔までナナメアングルで入れて欲しいな。


 とまあ、まぁみりが来ていた日の話を書いてるわけですが。
 実はわたし、まぁみりが来ていることに最初気づいてなかったの。いっつも後方席でばっか観てるから、たまの良席に浮かれて前ばっか眺めてて、後ろに誰か来ても気づかなかったのよね……。
 で、作中のアドリブで、「イケメンのエジプト人」の話が出て、??となったんだ。だいもんの昔なじみのエジプト人……? 『愛と死のアラビア』?←意識が古い

 幕間に「ジェンヌさん席」(ジェンヌさんが来たときいつも用意される席・学年や立場によってチガウけど、まあ大体決まってる)を振り返ったら、まぁ様がいて。
 エジプト人って、まぁくんか!! はっ、そうか、ラダメス!! と、めっちゃ遅れまくって思い至った。

 しかし、この公演でもだいもん、アドリブ無茶振りされてたね!(笑顔)
 ナニ、雪組ではだいもん、いじりまくられる運命?
 みんな容赦しないなあ。で、だいもんさん、いちいち真面目に返すなあ。そりゃいじりたくもなるか……(笑)。

 わたしはアドリブのためのアドリブは好きではないので、歓迎はしないけど、否定する気もなく、だいもん氏のうまいとは言いがたい返しをニラニラ眺めていた。
 がんばれー(笑)。
 観た直後は、いいもん観たー、という気持ちになる。
 が、時間が経てば、やっぱつまらんなー、という気持ちになる。

 だいもんがすごいから、観ているときは誤魔化されちゃうんだけど。
 やっぱり、つまらないわ。『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』

 そして、そうであるゆえに、わたしのだいもん株がにょきにょき上がる。
 こんなつまらない箇条書きあらすじみたいな話で、あそこまで盛り上げるだいもんすげええ。
 なんかいいもん観たー、と思わせるだいもんすげええ。

 はっ、これは劇団の計算? 駄作をわざとあてがって、それをねじ伏せる様を見せてファンを増やそうという? 獅子が我が子を千尋の谷へあえて落とすような?(チガウ)
 そんなどーでもいいことを考えるくらい、作品への評価と、主演への評価が掛け離れています(笑)。

 つっても、実はそれほど嫌いってわけでもない、『アル・カポネ』。
 原田くん作品は好きではないけれど、わたしの地雷には触れないっつーか、植爺ほど嫌じゃないのね。
 植爺は生理的にダメだけど、原田くんはつまらない、程度。マイナス方面にもあまり大きく針が動かない。平坦なの。

 で、平坦だから、勝手に妄想して眺めることは出来るしね。
 役者萌えで乗り切れるっていうか。
 ベン@ひとこのソロが苦手(ひとこに罪はない)なこと以外は、わりに平穏に眺めていられる。

 だいもんが好きで、れいこが好きで、まなはるが好きで、雪組のみんなが好きで。
 それならぜんぜん平気、いい公演だー! てな。

 ……時間が経つと、やっぱつまらんなー、になるんだけど……。なにこのループ。

 けどもとにかく、千秋楽は観ようと思った。

 ええ、これまた、チケット用意してなくてね。
 なんでこう、前もって動かないのかしら、わたし。まっつ以外の人の舞台って、チケ取りすることに気がつかないのね。
 実際に公演はじまってから、それもずいぶん経ってから、ふと気がつくのよ。そうだ、千秋楽観に行こう……あ、チケットない。って。
 『BUND/NEON 上海』も『Victorian Jazz』も、初日も千秋楽も観たわ。で、どっちも、千秋楽のチケットは持ってなくて、公演はじまってから探したんだわ。
 だいもん中心の舞台で千秋楽観てないのって、『New Wave! -花-』だけか。や、あれはお芝居ぢゃなかったしなー、贔屓組以外のショー公演の千秋楽はアウェイ感強すぎて手が出なかったっつーかなー……。

 『BUND/NEON 上海』も『Victorian Jazz』も、だいもんのために、千秋楽行ったんじゃん。なにはどうあれ、最後を観よう、見届けよう、って。
 なら、『アル・カポネ』も行くべきじゃね? つか、なんで「行く」という選択肢を思いつかなかったんだ??

 自分でもわからない。
 なんでいつもいつも、こんなにぼんやりしてるんだろう。

 それであわててチケット探して。
 行こう、って思い立ったの、ACT公演はじまってからだし。
 で、チケット入手出来たの、楽の数日前だし。

 言い訳に、東京で仕事関係の人に会う予定入れたりしてな(笑)。お仕事で上京したついでにタカラヅカ観まぁす、テヘ、みたいな? ……誰に言い訳してんだ。

 や、赤坂ACTシアターはじめて行きました……って、大昔、まだ今の建物になる前に行ってるわ、『不滅の棘』千秋楽。記憶が古すぎて、劇場名が同じ、というだけしかわかんねえ。

 ただもう、だいもん体験をする、というだけの意味で行きました。

 で、体験しました。
 ミッション・コンプリート。

 ……て、それだけかい。

 や、DCから間開いた分、作品に対する萎えが大きくなっちゃってて。前述の通り、時間が経つと、つまらない、になっちゃうのよ。
 だから記憶の確認、としてしか作品に入れない。

 それよりも、出演者の熱を浴びに行った、という意識。

 やっぱ雪組好きだあぁぁ。

 出演者ひとりひとりが、愛しい。
 なんだろう、すごく真面目な、まっすぐな熱を感じるの。
 千秋楽だからとハメを外したりしない、愚直に品行方正に、内側にパワーをたぎらせている感じ。
 いいなあ。好きだなあ。

 そして、だいもん。

 『Victorian Jazz』のとき、劇場内を切なそうに眺めているように感じた。次にいつここへ戻って来られるのだろう、と、終わる時間を愛おしむように、噛みしめるように。
 帰っておいで、と思った。
 舞台の真ん中が、君の生きる場所だから。
 ここが、相応しい人だから。
 そう思ったことを、思い出した。

 今回もまた、同じような感じはあった。
 でも、わたしの意識の違いだろうか、それほど切なそうには感じなかった。

 だって。
 だいもん自身も、わかっていると思う。

 彼が、真ん中に立つ人だって。

 『Victorian Jazz』のときはまだ、そんな明確な意識はなかったのだと思う。
 彼の生きるべき場所はここだけど、彼以外のすべてがそう思うか、そうさせるかは別。
 次にいつ、ここに戻って来られるかわからない。二度とないかもしれない。彼が生きるべき場所はここなのに、周囲がそれを許さないかもしれない……そんな、切なさ。儚さ。

 でも今はチガウ。
 ドラマシティという劇場を、そして赤坂ACTシアターという劇場を、完全に掌握し、このハコではまだ足りない、もっと大きな空間を征することができるはず、と意気を上げている今は。
 わかっているはずだ。
 客席にいる者も、だいもん自身も。

 また、戻ってくるって。
 どの劇場であるかは問わない。
 舞台の、真ん中に。

 それが、自然なことだから。

 魚が海に、鳥が空に帰るように。そこでしか生きられないように。
 舞台もまた、彼を欲するだろうから。

 変わっていないのに、変わった。
 それを肌で感じるために、わたしはここまで来たんだなあ、と思った。


 彼はたぶん、一生舞台と関係して生きるんだろうなあ。
 たとえこの花園を卒業しても。
 舞台が彼を欲し、彼も舞台を欲するのだろう。

 うらやましい。

 人生と両思いになれるなんて。

 や、それは、「トップスター」とかの称号とかカタチとかいうもののことではないよ。
 彼がそれを得る・得られない、とは無関係に、彼は舞台の神様に愛された人、求められた人だと思うから。

 自分の切望する世界で生きる、切望するモノに選ばれるなんてな。
 わたしは、わたしの切望する才能は得られなかったよ。自分の至らなさを知りながら、それでも生きていくしかない。
 だからやたらとまぶしいな。
 だいもんさん、今絶頂ぢゃん? や、これからまだまだ上があるにしろ、いつだって現在を切り口にするわけだから、今現在のだいもんは絶頂っすよ。
 役者としてのひとつの旬を迎えていると思う。

 その充実オーラを浴びて、うれしくて、わくわくして、少しさみしい。

 とにかく、もっともっとだいもん。
 彼を眺めていたいと思う。
 それで結局、「スカーフェイスに秘められた真実」ってなんだったんだろう?

 『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』について、どういう答えが出たのかは知らない。
 や、世の中では。

 原田くんがどんな「真実」を思い描いてこの作品を書いたのかは、わからない。
 そして、わたし以外の人が、どんな「真実」を受け取ったのかは知らない。

 まあぶっちゃけ、それはどうでもいいんだ。

 わたしがものすごく気になること、これだけは受け入れられない、という部分は、そこじゃないから。

 アル@だいもんは、脚本家のベン@ひとこを拉致監禁して、わざわざ自分語りをする。
 世の中的にアル・カポネは大悪人、ゆえにベンは、彼を悪党とした映画脚本を書いている。
 アルはそれゆえにベンを拉致した。
「真実を知って欲しい」と。

 アルは言うんだ。
「フィクションだから自由にしていい」と。
 実在の人物をモデルにしているからって、本当のことのみしか書いてはならない、ということはない。伝記じゃないんだ、教科書じゃないんだ、盛り上げるために史実を変えてもかまわない。
 ただ、嘘を書くなら、それが正しくないこと、ほんとうはどうだったかを理解した上で、盛り上げるための嘘を書いて欲しい。
 真実を知って欲しい。
 その上で、好きに書くのはかまわない、と。

 アルが語る「真実」は、ベンが「常識」として知るものとは、ずいぶん違っていた。

「真実はひとつだ。だが、その捉え方は人の数だけある」

 だから、作家は好きに書いていいのだと、アルは言う。

 わたしはこのくだりにいたく共感した。  
 フィクションというものの本質。
 どんな出来事も、人の数だけ捉え方がある。だから物語は無限の可能性を持つ。

 なんだ、原田くんもクリエイターなんだな、想像すること・創造することに意義を見いだしているんだ……そう共感した次の瞬間。

 ベンは喜々として歌い出す。

「♪彼は言った。真実はひとつではないと」

 ちょ……っ!!

 ベンさん? あなた、人の話聞いてました?
 アル・カポネさんは言ったんですよ、「真実はひとつだ」と。

 その会話の直後に、なに正反対のこと言ってんのおおおっ?!

 でもって、さらにベンは歌う。

「♪彼は言った。俺は悪なのか?と」

 言ってねえええっ!!
 アルは自分にとっての真実を語ったのみで、「だから俺は悪じゃない」とは言ってない。

 アルが言ったのは、自分にとっては真摯に生きた結果だが、それを悪だと判断する者がいることはわかる、ということだよな?
 それが「真実はひとつだ。だが、その捉え方は人の数だけある」だよな?

 アルの語ったこと、全否定。
 てゆーか、ベンは、カケラも理解してない。

 またね、ひとこのキラキラ笑顔がね、この「カケラも理解してませ~~ん♪」「つか、真逆の意味に受け取ってま~~す♪」を加速させていてね……。

 ギャグかと思ったよ……。
 「いい場面ね」と盛り上げておいて、どっしゃーーん!と落とすんだもん。
 笑うとこ?

「真実はひとつだ。だが、その捉え方は人の数だけある」
 といった直後に、同じ意味として、
「真実はひとつではない」
 と言わせるいい加減さに絶望した。

 捉え方は人の数だけある、を、「その人にとっての真実」ということで、「真実はひとつではない」とした、のかもしれない。
 ならば、そう説明しなければならない。
 真実はひとつだ=真実はひとつではない、という方程式が成り立つための過程が必要だ。
 今のままだと「答えは〇だ」と書かれた参考書を見たひとこが、「わかった、答えは×だとここに書いてある!」と叫んでるようなもの。や、〇でしょうが、なんでこれが×なの、×に見えるの、正反対ですがな、あなたバカなの、目が見えないの?! てことになる。

 真実はひとつではないから、なんでも好きに書いていいんだ、と、真実はひとつだが、その捉え方は人の数だけあるからなんでも好きに書いていいんだ、は、まったく違うんだよ……。
 これを「同じ」だと思っている人がクリエイターだなんて、ありえないっす……感性が雑すぎるっす……。


 そして、ベンが「彼は言った、俺は悪なのか?と」と歌うことで、「その捉え方は人の数だけある」すら、否定した。

 アルは断定していない。
 かまってちゃんの誘い受ばりに、「俺は悪くない」とチラッチラッと「真実」を語ってはいるが、限定はしていない。
 あくまでも、「その捉え方は人の数だけある」というスタンスでいる。
 それは、ここまでの『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』という作品のカラーだった。
 この作品を見て、「アル・カポネ」をどう捉えるかは、観客ひとりひとりにゆだねられていた……はず。
 が、ここでベンが「カポネは悪じゃない」と歌ってしまうことで、答えを解説してしまった。

 『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』……その「真実」とは、「カポネはいい人」。
 ベンひとりの偏った捉え方、という描き方ではなく、「作品テーマ」として歌われてしまうんだ。
 だからこそ、ラストシーンでベンの映画が締めに使われる。

 原田くんがどんな「真実」を思い描いてこの作品を書いたのかは、わからない。
 そして、わたし以外の人が、どんな「真実」を受け取ったのかは知らない。
 でも。
 方法的に、構造的に、ここで決めつけちゃってるのよ!


 原田ェ……。
 ほんとに、雑な意識で作家やってんだなあ。


 この作品がうすっぺらいのは、ベンの歌うテーマ曲に集約されていると思うよ。
 それで結局、「スカーフェイスに秘められた真実」ってなんだったんだろう?

 たぶん、多くの人が同じ疑問を持ったと思う。『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』観劇後。

 稀代の悪党アル・カポネ。
 実は彼、本当はいい人だったんです☆ てか?


 脚本家のベン@ひとこは、監獄で貴族生活中のアル・カポネ@だいもんのもとへ拉致されてきた。ベンがアルをモデルにした映画の脚本を書いていたためだ。アル・カポネといえばみんなが知ってる大悪党、ベンの脚本でももちろん悪党として描かれている。
 真実を知って欲しい、とアルは自分の半生を語りはじめる。
 真っ当に働き成功したいと夢見る若者であったこと、愛する女性メアリー@せしこを守るために顔に傷を負い、ギャングに目を付けられ、ブルックリンにいられなくなったこと。
 移民であること、顔に傷があることなど、ギャングとして生きるほかはなかったこと、義に厚く誠実に、ファミリーと仁義を守り、自分に与えられた場での頂点を目指してきたこと。
 その結果が映画のモデルになるほどの「稀代の悪党」となったこと。

 「わかってくれとは言わないが、そんなに俺が悪いのか」……えー、要約すると、そういうことっすね。ギザギザハートの子守歌。

 ベンをすっかり虜にしたあと、刑期を終えて娑婆へ戻ったアルさん。今度は知り合った保険屋の青年@かなとにこれまた自分語りスタート。うっかりたまたまギャングの大ボスやってるけど、世が世なら真っ当に成功していたはずだぜベイベ、カタギの友だち欲しかった、と。
 ギザギザハートの子守歌リプライズ。この保険屋の青年ってのは、捜査官のエリオットなんだけどね。エリオットもすっかりアルの虜。

 だけど結局アルは、重ねた悪行ゆえに破滅。弁護士のオヘアさん@あすを、ちゃんと口説いておかなかったからだよ! 裏切られちゃったよ! 仁義とか人情ですべてOKとしてきた世界観で、何故か唯一アルの人情攻撃、ギザギザハートの子守歌が通じなかった……って、そっか、オヘアさんには自分語りしてねーよ、ツンデレのツンしか見せてねーよ、ぬかったよ!!

 収監されるアルの前に、ベンからの渾身のラブレターを携えてエリオット登場。
 ただの悪者として描かれていた映画脚本が、変更されていた。アルの生き方を肯定するラストに。
 拉致監禁してまで、自分語りした甲斐あったね、アル!
 そしてエリオット。他人のラブレターで口説くとか、雑だなヲイ。終了。


 …………アル・カポネの真実?(首かしげ)

 断っておくが、「ギザギザハートの子守歌」が悪いと言ってるんじゃない。
 「本当はいい人だったんです☆」でいいんだ。
 タカラヅカなんだから、本当に救いのない悪党の話、残酷で血なまぐさい話をしなくていい。つか、悪党を主人公にした時点で、「本当はいい人」にするべきだ。それがお約束だ。
 アル・カポネの真実が、仁義のマイホームパパでもいいんだ。

 問題は、その描き方。

 「本当はいい人」以外に、なんの視点もない出来事箇条書き話は、だれる。

 妻メアリーとの恋愛メインなら、そこに視点を置く。
 ベンもエリオットもいらん。アルの真実はメアリーだけが理解していればいい。
 メアリーとは出会ったその日にラヴラヴで、次の場面で駆け落ちまで話が進み、そのあとはなんの障害もなくただスイートマイホームしてるだけ。
 これで2時間描くにはネタが少なすぎるけど、本気で恋愛やるならオリジナルエピソード盛りまくって、心ひりつくラヴストーリーにだって出来るはずだ。命ぎりぎり愛可能な設定なんだから。

 エリオットとの敵同士の友情をやるなら、ちんたら一代記やってないで、シカゴ時代から描くべき。
 強敵と書いて「とも」と読む、少年マンガ的な盛り上がり。

 原田くんの作風って、「書きたいこと」「伝えたいこと」が見えないんだよな。
 だから、自分の作品好きじゃないのかな、やりたくてやってる仕事じゃないのかな、という気になる。
 子どもに無理矢理作文書かせたら、出来事だけ羅列して原稿用紙埋めるじゃん。

 タイトル『運動会』
「朝、起きました。顔を洗いました。朝ごはんを食べました。朝ごはんはハムエッグとトーストです。牛乳も飲みました。食べ終わったら歯を磨きました。靴を履いて学校へ行きました。今日は運動会です。楽しかったです」

 運動会について、なんも書いてねええ!!みたいな。
 テーマは運動会なのに、なんで朝起きたところから書くの、朝ごはんのメニューとかそれ、どうでもいいから。運動会について書いてよ、なにをしたの、なにがあったの、どう楽しかったの。
 トーストを食べたことも歯を磨いたことも嘘じゃない、ほんとにあったことだから書くのは間違いじゃないけど、それを書いたために肝心の運動会についての記述なくなるなら、意味ナイから。
 このテの作文から伝わることは「書きたくない」。作文なんて書きたくない、めんどくさい、嫌々やってるから出来事だけの羅列、だって楽だものね、あったことを箇条書きするのは。自分の気持ちを考えて言葉にするとか、難しいことはしたくない。要はマス目が埋まればそれでいいんだもの。

 原田くんは、出来事箇条書きしながら、ナニを訴えたかったのかな。
 アル・カポネの真実?

 箇条書きだからこそ伝わると、思ったのかな。
 あえて「視点」など作らず、ウィキペディア的な「あらすじ紹介」みたいな作品にするのが、彼の萌え・こだわりなのかもしれない。
 とりあえず、「アル・カポネはホントはいい人」と言って、それが伝わっているんだから、成功?

 間違ったことをたくさんしているけれど、彼は彼なりに精一杯生きたんだよ……ほろり。
 彼が悪の道に進んだのは、彼のせいではないんだよ……ほろり。

 てことで、いいのだろう。

 ……他に真実があったのかな? わたしの理解力の問題かもしれん。
これだけ見れば「樽男」と記憶される公演に。@アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―
 実は、とっても期待してました。
 梅芸オリジナル・キューピー。

 『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』
 わざわざ、キューピーもらえる日を選んでチケ取りしましたとも。

 先行イメージで作られるキューピーだもの、きっときっと縦縞黒スーツの激渋キューピーよねっ。
 顔に傷は入れてもらえるのかしら? 服がありがちスーツな分、顔に筋1本入れる手間で予算使っちゃうかな?
 カポネ関係なく、スーツ姿のキューピーってだけでオシャレでかわいいから、汎用性あっていいよね。多くの人が「欲しい☆」と思うモノを作ってこそノベルティの意味ありってもんだもんね。

 で。

 当日、もらったキューピー見て、目を疑いました。

 樽っ?!


 ……………………何故にこうなった。

 あまりのひどさに大ウケして、幕間に即行ミクの方へUPした(笑)。
 いや~~、ひどいわ~~。
 想像のナナメ上を行くわ~~。

 帽子やヒモが雪組カラーだったり、ちゃんとわかって作ってるあたり、さらにひどいわ~~(笑)。

 や、舞台を観た人はまず「樽!!」っていうしね。
 樽のインパクト半端ナイけどね。

 しかし、これはナイわ……。
 だいもん氏のはじめての……ひょっとしたらもう次はないかもしれない貴重な梅芸キューピーが、「アル・カポネ」というよりも、「樽」……。

 このキューピープレゼントの日が初見だった人は、入口で樽キューピーもらって「???」となるよね。
 そして客席入って舞台上の樽見て、「これかーーーー!!」ってなるのか……。

 樽なら樽で、もっとしっかりひと目で樽とわかればいいけど、そうじゃないから、ヤなんだよなあ。
 このキューピーだけ見た人はダンボールの服を着たキューピー? とか、さらし首キューピー? とか、まったくわかってもらえない可能性高いのがやだなー。
 スーツなら、わかんなくても「かわいい」で済むのにさー。わからないと「かわいくもない」ってのは致命的ぢゃね?

 と、文句ぶつぶつ。

 造形の雑さはともかく、なんか引っかかるなと思っていたことは。
 友人から、「黒ひげ危機一髪wwwww」とレスが付き、それか!! と腑に落ちた。


 文句しこたま言いつつ、愛用してます(笑)。
 はい。
 『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』2回目の観劇時、わたしは2列目にいた。

 わたしは最前列でもオペラグラスを使う人だ。
 後方席でオペラグラスを使うと役者の顔が見える。前方席で使うと、表情の細部まで見える。
 わたしは、細部まで見たい人だ。

 映像ではなく、ナマの舞台だ。
 決められたカメラアングルしかない映像ではなく、坐った席によって見えるモノは違ってくる。
 わたしは、そのときその座席でしか見えないモノが見たい。
 最前列でオペラグラスなしで舞台全体を見るのももちろん好きだし、ここぞという場面で、役者の表情の筋の動きやまつげのふるえまで見つめたいとも思う。

 なんのツテもカネもない一般人ゆえ、前方席に坐れることなど滅多にない。
 だからこそ、味わい尽くすためにも、膝にはオペラグラス準備。いつでも、好きなだけ好きなように、楽しめるよう。

 しかし、周囲にオペラグラスを使っている人は、いなかった。
 えー。わたしだけぇ?
 なんか、やりにくいなあ。や、わたし、ひと目気にするんですよ、空気読むんですよ。小心だから。
 でも、使うけどね、オペラ!

 誰も同志がいない、ロンリネスなオペラ使いをしていたというのに。

 アル@だいもんが悪者@イリヤくんに顔斬られました、メアリー@せしこの部屋に逃げ込みました、メアリーのベッドで眠りました……。
 で。

 いっせいに、周囲のオペラグラスが上がった。
 1列目だろうと、2列目だろうと。見渡す限り、ざざざっと。

 ちょ……っ。
 なんなの突然!!

 みんな、そんなにだいもんの寝顔が見たいのかっ!!(笑)

 見たいよな。
 そりゃ見たいよな。
 見るよな。
 「2列目だもん、オペラグラスいらないよね」なんて人たちも、「ちょ……っ、これは……!!」ってあわててオペラグラス出すよなっ?!

 同志よ!!

 わたしはひとりではなかった……!
 孤独なロンリーウーマンではなかったのよ!
 みんなと同じ、世界はひとつ、心はひとつ、なんのへだたりもなく求めるモノは同じだったのよ!!


 いやあ、内心大ウケしました。
 みんな、正直過ぎるわ……(笑)。

 幕間、
「オペラいらないと思ってたのに」
「思わずオペラグラス使っちゃった」
「悪いかなと思ったけど、ここはもう見るしかナイ! と思って……」
 などなど、周囲の会話が聞こえてきて、さらにウケる。
 いずこも同じ……。
 みんな、考えることは同じなのよ。

 寝顔に食いつくのは、ヅカヲタのサガと言っていいでしょう。

 いやあ、もちろんわたしも、盛大に食いついてます、だいもんの寝顔。

 おかげで、せしこさんとカレンさんの会話は耳でしか聴いてません……。
 『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』初見時の感想あれこれ、とりとめなく。

 なんつってもまず、樽?

 ロビー入ったらだいもんサイン入りの樽が展示してあって、さらに客席へ入ると緞帳は上がってて、舞台に、樽がでーーん。
 あれは、すげーインパクト。
 見た人にしかわかんないだろう、口で言って伝わるもんでもない。
 樽がでーーん。

 すごい。


 でもって、本編は。

 だいもん、歌少ない。

 てっきり、歌いまくりだと思ったもんよ。や、だってせっかくだいもんだし。
 意外に、歌は少なかった。
 『ファンシー・ガイ!』の方がよっぽど歌ってたなと。
 ニーズがわかってねえな。


 そしてなんといっても、エリオット出なさすぎ。
 アル・カポネっつったらエリオット・ネスとの愛憎だろ? なんでエリオットなかなか出て来ないの? みーちゃん登場が1幕ラストだった『ジュ シャント』再びかい。ニーズがわかってねえな。


 悪者できる雪男たちに胸熱。
 
 や、上級生ならギャングぐらい任せろ! になるのはわかるよ?
 でもさ、下級生多いこのメンバーで、実際まだ新公学年の下級生たちが、しっかりギャングやってるのを見て、すげえなと。

 あ、叶くんは除外ね。
 彼がギャングでもボスでも任せろ!なのはもうわかってるから! まかせて安心な研5(笑)。
 だから、感心したのは彼以外。

 少年っぽかったイリヤくんがあったりまえの顔してボスやって、彼にくっついてる子誰よ、あんな中堅いたっけ? と思ったらまだ研3とか。
 おーじ、たっちーの安定っぷりもさすが!だし。


 女の子たちは、出番ナイね……。
 まとめてショーガール。
 しかし、えーちゃんがピンスポ浴びて登場したときは、テンション上がったわー。かっけー!


 はっちさんと並んで遜色ないあすくんに、わけもなく誇らしい気持ちになる。
 はっちパパの友人役で見劣りしない実力!!
 そりゃ若いことはわかっちゃうけどさ。でも、今のタカラヅカで研8で、はっちさんと肩ならべて芝居出来る男役がどんだけいんのよ。
 やっぱあすくん、うまいなああ。

 てゆーか、ブルックリンからシカゴに舞台移ったとき、みんな変わり身早すぎだから。

 あすくんにしろ店の子たちにしろ、カポネ追っかけてた悪者ギャングたちにしろ、次の場面でもう別の役とか、無茶だから!
 モブやるには適さないくらい、ちゃんと役付いてた・役を生きてたから、一瞬で「モブの客です」とやられても混乱する。
 原田くん、雑……。


 せしるさんはたぶん、原田作品のヒロインに向いているのだと思う。
 「美女」という記号のみを記すのが原田くんなので、せしるの美貌は有効。
 問題はそれ以上の広がりを表現出来ないことにあるんだけど、まあ所詮原田作品のヒロインだから、そこ止まりでもいいんだと思う。
 とりあえず、「美女」でなくてはならない役なので、美女でよかった。


 まなはる初登場時、まなはるだと思ってなかった。
 新聞配達の子ども、だと思って見ていたので、声が子どもじゃなくて、びっくりした。
 え、子役の女の子じゃないのか! 男役? しかも、けっこう年齢上設定?? ……つか、まなはる??
 まなはるがなんで、わざわざ子役?
 さっきまでふつーに、バイトで大人の男やってたのに? 子役のバイトまですんの?

 まさかその子役が、本役だと思ってなかったから(笑)。
 ソロまであるしさー。実際、せしこよりヒロインポジションぢゃね? まなはる……。
 原田くん、ほんとまなはる好きやな……。


 朝風先輩、やりすぎです。

 モブの朝風くんはちょーかっこいいんだが……本役のギャングは、ドリフ的なギャグなのか、本気なのか、反応に困る感じ……。


 ところでシカゴ時代のだいもん氏が超絶かっこいいっす。
 見ながらあたしゃ、「クラップやろうぜ!」という言葉が脳内回って仕方なかった。あああ、ご贔屓のクラップシューター、かっこよかったなああ、と過去に浸りつつ。
 クラップってダンスにしやすいのか? サイコロ振るカポネさんかっけーっす。


 がおりさんはうますぎてイヤン。
 求められる仕事をきっちりこなしてくれてます。
 スタイルいいから、スーツ似合うよなー。


 あれ? くらっちの息子役って、こんだけなの? くらっちが演じる以上、もっとナニかあるのかと思ってたよ。


 ひとこはひとこ。
 裏切らないなあ(笑)。
 彼の持つ明るさ、ひょうひょうとした雰囲気が活きてる。


 はっちさん、2役やる必要はなかったと思う……。
 印象強すぎる人だから、別人できないのなー。


 樽の中のだいもん美しい。

 や、いつでもどこでも樽の中だけど。
 かなとくんが歌ってる後ろでいちばんでかい樽が回って、ソファーにふんぞり返ったカポネさん出て来るんだけど、ここのカポネさんが、ちょーぜつカッコイイ!
 息詰まるくらい、美しい。

 瞳うるうるかなとくんと相まって、ドS様風味のだいもんが素晴らしいコントラスト……!!

 2幕のだいもんのエンジンかかりっぷりすごいな……どんどん加速していく。

 メガネのクールビューティあすくん! 声まで変えてるんだね。さすがだね!

 おーじの憎ったらしさ半端ナイ……。この子もなんでこんなにうまいの……おそるべし95期。


 わかってたけど、「有名人の一代記・出来事羅列のただの箇条書きあらすじ」まんまやな。
 だいもん力技っぷりすごい。
 平坦な脚本を、力尽くで牽引してる。

 フィナーレあってよかった。
 花担友人たちと、かわす会話がある。
「だいもん、初日の方が面白かった」
「だいもんが初日にやり過ぎてるのは、いつものことでしょ」

 目新しくもない、ありがち会話。
 だいもん氏は初日にぶっ飛ばしすぎて、そのあと我に返るのか、ちょっと抑えに入る。反省するのかな? 模索するのかな? ……で、続けているうちにどんどんヒートアップして、最後の方になると暴走する。
 リピート観劇し甲斐のある人だと思う。

 まあとにかく、初日は他のどの回ともチガウことが多いと思う。

 『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』もまた、初日がすごかった。
 と、2回目の観劇で思った。そうか、あれは初日だったからか……。今日観たら、それほどじゃなかったな……や、十分すごいけど、初日ほどじゃない……という、いつものコース(笑)。
 わたしは今回チケ運よくて、前方席でしか観てないのだけど、初日はオペラグラスなしのズーム体験をした。
 オペラ使ってるわけじゃないのに、主演の人がぐわわーってアップに見えるの。
 裁判のシーンね。
 れいこも出てるしあすくん見たいし、オペラ下ろして全体を観てたの。情報量多い場面だから、多層構造を楽しみたくて。
 なのに。
 気がついたら、カポネ@だいもんがアップになってる。オペラ使ってないのに。
 わたしの視界、わたしの視神経が、だいもんに釘付けになっている。
 視界の外側のエリオットにも気持ちを割きつつ……カポネしか、焦点が合わない。
 ときどきあるんだ、こういうこと。ほんとときどき、滅多にあるもんじゃないけど、たしかにある。
 テレビ画面のように、舞台役者がぐーんとアップになる。
 他を席巻し、たったひとりがその空間を支配する。
 そりゃわたし、そこそこいい席で観てたけどさ。いちばん後ろの端席でこうなるかはわかんないけどさ。
 それにしても。

 快感。
 肌が粟立つ、ぞくぞくする。血が奥の方から熱上昇する、この感じ。
 気持ちいい。
 すげー気持ちいい。
 これがあるから、ライブパフォーマンスというジャンルは廃れないんだろう。自宅で寝転んでモノ喰いながら楽に無料で得られる娯楽はいくらでもあるのに、編集加工して完璧にした映像を映画館で安価に見られるのに、安くないチケット代と時間と労力かけて劇場へ行き、舞台上だけでなく客席のコンディションだのに左右される完璧ではありえないもの……生の舞台が、有史以来続いていること。

 そして、舞台役者という職業が絶えないことにも、納得する。
 テレビタレントと違って、儲からない仕事なのにねえ。れおんくんがタカラヅカ的には伝説の大スターでも、世間的にはほぼ無名、であるようなもので。知名度という点でライブのみのアーティストは不利。そして知名度は収入に直結するから、重要。
 同じ役者という商売でも、ぜんぜん違う。

 だいもん見てて、思う。
 気持ちいいんだろうな。
 舞台で生きる、舞台を掌握し、世界を牽引する……それはまぎれもない快感なんだろう。

 カメラがズームするみたいに、カポネがアップになった。
 彼の咆哮が、世界を引き剥がした。
 わたしのいる現実から、めりめりと生々しい音をたてて、彼のいる場所へ。
 力尽くの行為、引き剥がされたところから肉片や細胞の破片が舞う。きしみ、悲鳴が上がる……「世界」の。
 その感覚は、現実ではない……現実社会では味わえないものであり、だからこそ、まぎれもない快感である。
 引き剥がされ、釘付けになるわたしも、世界を引き裂き支配するだいもんも。
 快感を得ている。
 ……それは過分に苦しみも含んで。熱の中で一気に押し流されるため、区別している間もなく。

 初日を観たあとわたしは、すぐにでも観に行きたいと思った。
 作品がいいとか面白いとかいう観点ではなく、単純に、だいもんを、浴びたかった。
 あのオーラ、客席を鷲掴みして自分の元へ引き寄せる、あの波動を浴びたかったんだ。
 翌日はれおんくんのラストデイだったから、無理だったけど。
 なんつーか、劇薬摂取により、瞬間的に中毒症状が出てたのね。だいもんだ、だいもんをくれ、だいもんが切れたら大変、禁断症状、ハァハァ……っ、的な?(笑)
 でもま、あくまでも瞬間的なモノだから、日程的に不可能だったためとはいえ、次の観劇日まで時間が空いた。……ら、治まった(笑)。
 むしろ、「あれ……? 思ったほどすごくない……?」と、拍子抜けした。
 初日マジックだったのか、たんにわたしのコンディションとかカンチガイとか、理由はわからん。
 それで、だいもん中毒になることは避けられた。幸か不幸か。

 だいもん氏は憑依型の役者だと思うが、またそれゆえに濃度に差があるのかな、とも思う。
 手を抜いてるとか技術が足りてないとかではなく、生理の部分、「舞台は生き物」という意味で、耽溺度がチガウのではないか。
 いつだって彼の舞台はアツく、これ以上ない真摯さで高いクオリティを展開してくれる。それだけで十分、ふつうの役者ならそこに行くまでも大変、てなもんだが、だいもん氏には「そこから先」があるんだな。
 だから、彼の舞台は中毒性がある。

 わたしはあの快感を、知ってしまったからなあ。
 だいもんが、いつもではないけど確実にいつか見せてくれる、あの「舞台がぎゅいーんとなる瞬間」(アタマ悪い表現)を、知っている。
 だから、もっともっとだいもん。
 わたしは、だいもんを求めている。


 そして。
 だいもんが他の役者たちをぶっ飛ばしてしまったあの初日の記憶を引きずったまま。
 やたら思い出すのは、トウコ主演の『龍星』だ。
 トウコの圧倒的実力と熱量でねじ伏せた、ピカレスクロマン。トウコと、彼以外の出演者たちとの「格」の差がすごかった。役者としての格。舞台人としての格。disるわけではなく、わたしの目に映った事実として。2番手のれおんくんは劇団愛以外なにもかも不足で、ウメちゃんもまたどたばたしているだけだった。みなみちゃんは実力はあったけど、出番がほとんどなかった。
 トウコが、力技で支えきった。他との差が圧倒的だった。その孤軍奮闘ぶりが、役柄的に効果を上げていた、面もあったろうな。
 あのときのトウコを、思い出した。
 雪組カポネチームは、当時の龍星チームほどいろいろいびつだとは思ってないけど……それでも、だいもんひとりが抜きんでている感は否めない。
 それできっと、思い出しちゃうんだろう。

 ……だいもんで『龍星』観てみたいな。きっと壮絶だぞ(笑)。
 わたしはだいもんスキーです。
 それは昔からなので、自分ではあまり意識していなかった。んで、自分が昔書いた記事を発掘して、今さらながらに驚く。「恋」とか書いてるよヲイ、完璧に忘れてたけど!←
 わたしは広く浅くのヅカヲタなので、好きな人がいっぱいいるのです。いつもなにかしら好きなジェンヌさんにきゃーきゃー言っているので、ガチファン以外はファン名乗り許さん!という人には不快かもしれません、すみません。
 ピュアではないかもしれんが、だいもんが好きです。

 まあそんなわけで、めちゃくちゃよろこんで、わくわくして駆けつけた、『アル・カポネ―スカーフェイスに秘められた真実―』初日。

 そして、思い知る。
 わたしは月城くんが好きだ、と。

 ……あれ??
 だいもんでしょ? だいもんファンの端くれでしょ? 何故月城くん(笑)。

 えーと。
 なんの予備知識もなく観た、初日。いやその、実在の人物で有名人だから、予習してなくてもある程度のキャラ配置はなんとなくわかっている。前田慶次といえば直江兼続よね、てのと同じように、アル・カポネといえばエリオット・ネスよね、てなもんで。
 ちゃんと調べたわけじゃないけど、ふつーに生きてたら耳に入る情報。
 それで勝手にわくわく。カポネ@だいもん、エリオット@かなとくんってことはつまり、だいもんとかなとの愛憎劇よねっ?!

 や、カップリング重要、どんだけ好きなジェンヌでも、許容範囲外の相手とでは萌えられない。その昔、トド単体でどんだけ美しくても、絡む相手がタータンだと耽美にならなかったように。相手がぶんちゃんとかコムちゃんになった途端、腐女子以外も食いついて来たように。組む相手重要。
 だかられいこ相手は願ったり叶ったり! 神様ありがとう! わたしの萌えジェンヌ同士でかけ算配役にしてくれて!!

 そうさ、最初から萌える気満々で観たさ。不純上等、わたしはアニヲタあがりの腐女子っす。

 エリオットがぜんぜん出て来なくて、かなとくんアルバイトばかりで、相当じれじれした1幕。
 出てきたーー! と思ったら、1幕終わるし(笑)。
 や、でも、どんだけアルバイト多くても、1幕ラストのかなとくんを「アルバイトのモブキャラ」とは思わなかった。エリオットキターーッ! と思った。
 だって、カポネに一目惚れしてたもん。
 自分をかばうギャングの姿に、あの大きな目を見開いてたもん。

 わーいわーい、エリオット@かなとくん、美しい~~!! 期待通りの美しさと……神経質さ。
 なんだろ、かなとくんって、ずどんとした鈍さと、小物感あふれる神経質さが同居している(笑)。
 で、2幕ではちゃんと2番手らしくカポネに絡む。……なんで1幕からこれができないかな、ほんとに原田くんってまなはる好きだな(『ニジンスキー』から一貫してのまなはる二枚目遣い、こーゆー使い方をするのは原田くんだけ)。や、わたしもまなはる好きだからいいけど、原田くんはわかりやすすぎ。

 んで、楽しく楽しく初日を終えて。
 だいもんとかなとくんだと、どっちが右側か悩むなあ。どっちも右が似合う属性の男だもんなあ、なんて阿呆な悩みを抱いて帰宅。あ、まなはるは左側ですよ、彼はいつだって!!(笑)

 そして、遅れて他人様の評を耳に(目に)するのだ。
 エリオットの言動が意味不明とか、裁判後の彼の台詞がぽかーんだとか。
 ……え??
 原田くんの脚本が、いつもの「有名人の一代記・出来事羅列のただの箇条書きあらすじ」に過ぎないことは痛感しているので、それに関することはわかるのだけど。
 エリオットが意味不明? カポネを喜々として追い詰めて行きながら、いざ逮捕となるとためらったり、挙げ句の果てに「彼は僕の親友だ」。
 まあたしかに、2幕ぽっきりで無理矢理書こうとしているせいで、ずいぶんハイスピードに展開してたけど。加えて、「親友」という言葉のチョイスにはセンスを感じなかったため、「おいおい、そこで『親友』かよ」と盛大に突っ込んだけど。
 エリオットの心理展開には、なんの疑問もなかった。

 だって。
 エリオット、カポネのこと好き過ぎるもん。

 エリオットの大きな瞳が、揺れる揺れる。なにをしようが、なにを言おうが、「カポネLOVE」って書いてあるんだもん。
 使命とやり甲斐とオスの闘争本能と、情と憧れと愛がちらちらきらきら瞬いてる。
 悪を憎む気持ち、捜査官としてギャングを許さない・逮捕するという気持ちは揺るがないのだろうし、強敵に闘いを挑むこと、追い詰めること自体は狩猟本能が沸き立つのだろう。
 だが、ひとりの人間として、男として、カポネに憧れ、惹かれているのもまた、事実。
 矛盾と嘘と逡巡が、彼を駆り立てもするし、足踏みもさせる。
 ……脚本がいいとは思わないよ? これをやりたいなら何故1幕を「ただのあらすじ」にしたのかと問いただしたいさ。でも、こんな脚本でも、エリオット単体では、ラストシーンへの関係性へ、心の動きが嘘にならないようにつながれていた。

 『アル・カポネ』初日。
 わたしは、月城かなとを見ていたのだなと思う。
 や、観ている間は、そんなこと意識してないから、気づいてないけど。
 わたしはだいもんスキーだけど、だいもんだけオペラグラスで追いかけるのではなく、かなとくんも見ていた。
 かなとくんを通して、だいもんを見ていた。

 そして。

 彼の瞳を通して描かれる望海風斗は、絶品なのだ。

 脚本にあるものより、さらにさらに深みを増して表現される。
 同じ出来事でも、それを伝える人がその対象をどう思っているかで、違ってくるでしょ?
 ただ事実のみを羅列するか、なにもかもを好意的に受け取り美しく変換してドラマチックに表現するのか。「フィルターが掛かる」状態。
 エリオットがいちいち傷つき、いちいち揺れ動いているもんだから。
 その揺らめきの原因たるカポネはさらに魅力的だってば。

 も、すっげー楽しい。
 カポネとエリオット。

 だからもう、心から、月城かなとにありがとう。
 だいもんスキーとして。
 君の瞳に映るだいもんは絶品だ!! と。
 ごちそうさま! と。

 ひたすらわくわく、興奮のまま初日を終えました。
 原田脚本がアレなのはともかく、役者たちは面白いなと。

 ……かなとアイズ抜きに公演を観て、いろんなところで首を炊げるのは、もっとあとの話(笑)。
 『1789-バスティーユの恋人たち-』のダントン@コマを観て思う。

 『ロミオとジュリエット』で、男役のコマが観たかった!

 雪組の『ロミジュリ』で、コマは乳母役だった。フィナーレでは、トップスター・キムくんの相手役のひとりとして、美女として踊っていた。
 コマつんの乳母は大好きだし、泣かせてもらった。それ以外を思いつかないくらい、雪組『ロミジュリ』本編はあのまんまが最高だった。(夢華さんジュリエットは不要、フィナーレもおかしいと思ってる。キムみみデュエダンが観たかった!!)

 それでいてなお、思う。
 もしもコマつんが乳母役じゃなかったら。

 モンタギューの男とか、キャピュレットの男とかをやっていたら。
 男役として、ハンサムな青年役として、あの哀しく美しい世界に生きていたなら。

 どんなコマくんが見られただろう。

 めっちゃ好みだったんじゃないか?

 わたしはコマつんの暗い、ゆがんだ役が好きだ。
 三枚目もうまいよ、かわいいよ、それは知ってるよ。でもねでもね、コマつんの真骨頂は毒のある役だと思ってるの!
 生まれたときから憎む敵がいる、あの哀しい世界で、あたりまえに憎しみと暴力を日常としたコマつん……って、想像しただけでたぎるわ……!
 どんだけ美しく、そしてヤヴァいものを見せてくれただろう……!!

 狂気という点では、モンタギューよりキャピュレットかなあ。
 ティボルト@ヲヅキに心酔してる若者とか、いいんじゃないかなあ。
 孤独な猛牛ティボルトを、一歩下がったところから見つめてる小柄な美青年。
 キャピュレットの男たちって、ティボルトに敬語で話すのよね。ティボルトにとって対等な仲間じゃないのよね。だからこそティボルトは孤独なぼっち男で、取りまきはいても友だちはいないのよね。
 コマももちろん立ち位置は取りまきのひとりで、ティボルトからはろくに顧みられてない。
 コマが一方的に、心酔しているの。ティボルトのためならなんでもしちゃうぜ!な男なの。
 あ、コマつんはクールビューティーね。ティボルト命でも、傍目には冷めて見える。なにも語らずデレることなく、行動だけが過激。
 ティボルトに愛されることより、盾になって死ぬことによろこびを感じるような。

 だからこそ、ティボルトを失った後の復讐燃え上がりぶりが冷たく、苛烈で。

 ……てなドリームがこう、すばばばばっ、とわたしの中を……!!
 ヲヅキ×コマって、『青い鳥を捜して』以来の萌えですわよね!(笑)

 あああ、観たかったなー。コマのキャピュレットの男。
 美しかったろうな、エロかったろうな。
 そして、哀しかったろうな。

 ダントンさんが、強くカッコイイのに、どこか哀しく見えるように。
 コマくんの持つ「毒」「ゆがみ」は、哀しみや切なさを彷彿とさせる。
 そこがいいのよ~~。


 と、今さら詮なきことをつらつら語る。
 過去ばかり見る、後ろ向きな年寄りですから。
 海馬がポンコツなもんで、初舞台生って基本あまり興味ない。
 文化祭を毎回楽しく観ているし、叶う限り好みの子のチェックはするけれど、この残念なのーみそはまともに記憶してくれず、すぐに忘れちゃうんだな……。
 舞台で、見つけられなくなるの。
 それでも昔はもっと、がんばって記憶を紐づけようとしていたんだけど……ここ数年はほんと、手放してたなあ。無理、って。
 文化祭で目を付けて、入団したらわかんなくなって、5年位したら新公とかで「あの子いいな。文化祭でナニやってた子だっけ」と調べて、「ああ、あの子かああ」とここではじめて納得する。
 それが最近のパターンだった。

 でも101期生の文化祭は、なんかえらく感動して。
 その後もちょっと、記憶の整理をしておこうかなと。

 というのもだ、初舞台で見失うのが常なのに、縣千くんがやたら目に付くんだもん。
 『1789』楽しく観劇していると、モブってる彼が、目に付く。
 95期のカレーくん以来っすよ、こんなに目に付くの。や、95期はわたし的にちゃぴとまゆぽんを意識して追いかけてて、カレーくんは意識してなくても目に飛び込んできた(笑)。

 そうこうしているうちに、組配属が出た。早っ。
第101期初舞台生 組配属について
2015/05/12
2015年に初舞台を踏みました、第101期生の組配属(6月2日付)が決定いたしましたのでお知らせいたします。
☆印は女役   
花組
愛乃 一真(まの かずま)
夏葉 ことり(なつは ことり)☆
咲乃 深音(さきの みおん)☆
芹尚 英(せりな えい)
凜香 百音(りんか もね)☆
翼 杏寿(つばさ あんじゅ)
涼香 希南(りょうか きな)
龍季 澪(たつき みお)   
月組
天紫 珠李(あまし じゅり)
結愛 かれん(ゆい かれん)☆
彩音 星凪(あやおと せな)
礼華 はる(れいか はる)
花時 舞香(はなとき まいか)☆
甲海 夏帆(こうみ なつほ)
佳乃 百合香(よしの ゆりか)☆   
雪組
縣 千(あがた せん)
日和 春磨(ひより はるま)
優美 せりな(ゆみ せりな)☆
琴羽 りり(ことはね りり)☆
美華 もなみ(みか もなみ)☆
麻斗 海伶(あさと みれ)
朝澄 希(あさずみ まれ)
望月 篤乃(もちづき あつの)   
星組
碧海 さりお(あおみ さりお)
颯香 凜(さやか りん)
夕陽 真輝(ゆうひ まき)
彩園 ひな(あやぞの ひな)☆
麻倉 しずく(あさくら しずく)☆
天翔 さくら(あまかけ さくら)
草薙 稀月(くさなぎ きづき)
星蘭 ひとみ(せいら ひとみ)☆   
宙組
鷹翔 千空(たかと ちあき)
真名瀬 みら(まなせ みら)
惟吹 優羽(いぶき ゆうは)
雪輝 れんや(せつき れんや)
水音 志保(みずね しほ)☆
花城 さあや(はなしろ さあや)☆
鷺世 燿(さぎせ よう)
湖々 さくら(ここ さくら)☆

 縣くん、雪組か!!

 やたら目に付く彼、贔屓組に来ちゃったよ! てことはこれからも、目に付きまくるってことだわ?!

 で、他の気になる子も調べてみる。

 『1789』初日に行ったとき、口上の3人をまずオペラグラスで顔だけざーっと眺めて、あとは後ろの子たちを順番にぼーっと眺めているときに。
 思わずオペラグラスを引き戻されたのが、愛乃一真くん。
 や、顔だけだと「ふーん」止まりでスルーしたのに、声を聞いた途端、思いっきり引き戻された。
 エエ声ですがな!

 文化祭ではわたしが大泣きした「君の名を呼べば」を歌った子ですな! 芝居は出てなかったから「舞台声」を聞いたのが、口上がはじめてだったわけだ。
 歌ウマのエエ声男子! やだ要チェック!!
 花組さんですね。

 でもって、その「君の名を呼べば」のデュエット、娘役は優美せりなちゃん。
 歌ウマ美女……おお、雪組だー!

 染みる歌声「ヴィエント デ ブエノスアイレス」の娘役さんは、夏葉ことりちゃん。花組。

 お芝居で縣くんと組んでいたゴージャス美女は、星蘭ひとみちゃん、星組。
 お芝居は棒読みテイストだったけど、とにかくきれいだった……。

 お芝居のヒロイン、すごくうまかった彼女は結愛かれんちゃん、月組。そっか月組か……彼女はちよっと、愛風ゆめちゃんとかぶる。お芝居からの印象。

 しゅっとした男役さんで、お芝居が気になる首席さんは、鷹翔千空くん、宙組。ああ、彼は感じが宙組っぽいなー……。ていうかこの名前、……。名前だけだと苦手なセンスだわ……(笑)。


 舞台の上で、彼らを判別し、その活躍をわくわく眺められる日を楽しみにしてる。
 好きな人には評価が甘い。
 わたしはとても偏った人間である。

 でもって、生田せんせには甘いのだ。
 好きだから。

 『BUND/NEON 上海』でハートを打ち抜かれた(笑)。(笑)マーク付きでしか語れない「好き」だけど。だいもんファンなら絶対いっくんにオチたはず(笑)。←だから(笑)マーク

 次の『ランスロット』で、けっこう本気で好きになった。
 痛さは変わらず、しかしわたしの好みの方向へ、さらに突き進んでいたから。

 『春の雪』では見直した。つか、原作があると、まともな話を書けるのか!!と、本気で驚いた。
 いっくん成長してる?! このまままともな作家になる?!

 『WMW』で、「ごめん、やっぱりカンチガイだったのね」と、前2作の評価が失墜した(笑)。←だから(笑)マーク

 『ラスト・タイクーン』は、『WMW』がひどすぎたおかげで(?)あまり落胆しなかった。まー、こんなもんか。でもやっぱひでーなー(笑)。←だから(以下略)
 それでもだいもんファンは楽しいかも(笑)。←

 そして『伯爵令嬢』。
 原作があると、まともな話を書けるのか! 再び!
 いっくんに必要なのは、きちんと完結した原作。
 作品的にまともだった『春の雪』と『伯爵令嬢』、共に原作アリ! 『ラスト・タイクーン』の原作は未完。
 ちゃんとした原作があれば、それを「タカラヅカ的に」仕上げる力は十分にある……むしろ、「タカラヅカ」過ぎて赤面するレベル。

 てことで、いったん落ちた評価もまた上がり……や、落ちたといっても、好きは好きのままだったんだけど……さらに、いっくんの新作情報キターーッ!
2016年 公演ラインアップ【宝塚大劇場・東京宝塚劇場】<1月~3月・宙組『Shakespeare ~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』 『HOT EYES!!』>
2015/5/12
5月12日(火)、2016年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、宝塚大劇場・東京宝塚劇場公演の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。   
宙組
■主演・・・朝夏 まなと、実咲 凜音

シェイクスピア没後400年メモリアル
ミュージカル
『Shakespeare ~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』

作・演出/生田 大和
「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「真夏の夜の夢」「オセロ」・・・時代を超えて世界中の人々の心を震わせる数多の作品を生み出した、エリザベス朝イングランドの劇作家、ウィリアム・シェイクスピア。その没後400年の節目となる2016年の幕開けに、宝塚歌劇ではシェイクスピア自身を主人公としたオリジナル・ミュージカルに挑みます。
シェイクスピアの劇作家としての創造力を共に育み、影ながら支え続けた妻アン・ハサウェイの「愛」。彼の才能を見出した後援者、ハンズドン卿との「友情」。そして彼にインスピレーションを与えた、ある夫人との秘められた「恋」・・・シェイクスピアが紡ぎ、遺し、今なお輝き続ける「言葉」の源泉を求めて、「言葉」に恋し、魅せられ、そして愛された男の姿を、史実と戯曲とを交錯させつつドラマティックに描き出します。

ダイナミック・ショー
『HOT EYES!!』

作・演出/藤井 大介
朝夏まなとの大きく真っ直ぐな“瞳”。その瞳に宿る、輝きや情熱から受ける様々なイメージをテーマに、エレガンスとダイナミックさを合わせ持った作品。朝夏率いる宙組の魅力を存分に引き出した、華やかで情熱的なショーをお楽しみ下さい。

 原作なしかよ!!(笑)

 整合性なくしっちゃかめっちゃかになることは、約束されたも同然ですな。
 駄作上等。
 どんだけ無茶苦茶でも、ヲタが萌える作品ならよし。
 わたしの中ではかなり低評価の『WMW』だって、主演ファンはよろこんでたみたいだし。ファンのツボさえ押さえればいい。

 ……ただ、女性とか恋愛とか、書けるんですかね、いっくん。
 『伯爵令嬢』は「女性や恋愛を描けていた」というよりも、「女の子が主人公だった」というだけのよーな気がするんですが。
 女性と恋愛を描くのが苦手、というのが、過去作から共通してイメージされるもんで……ダブルヒロイン物なんて描けるのか??という不安が……。
 女の子ひとりも描けないのに、ふたりか……。しかも、女性キャラの比重高いとそのぶんガチで恋愛描かなきゃならないっぽいのになー……大丈夫か……。

 つか、いかなるばあいもダブルヒロイン物にしなければならない宙組って大変だな。
 5組あるんだから、それはそれでアリかもしれんが。

 デビュー作の主演者、まぁくんへの書き下ろしオリジナル! そして匂い立つ厨二病タイトル! とか、わくわくが止まりません。
 楽しみだなー、楽しみだなー。
 だいもんいないから、今度こそ正味まぁくんが主役の、まぁくんがおいしい話になりますように。

 そして、一本モノ組となり果てている宙組に、ショーがあるのがうれしいです……って、またフジイくんか。正直別の人で観たいけど……とにかく、まぁくんセンターのショー作品ってのがうれしい。
 よい作品になりますように。
 他の感想書くのに欄を使ってしまったもんで、今頃前の週のニュースについて雑談。
タカラヅカ・スカイ・ステージ「第3期スカイ・ナビゲーターズ」「第6期スカイ・レポーターズ」メンバー決定のお知らせ
2015/05/11
タカラヅカ・スカイ・ステージでは、番組を通して宝塚歌劇の最新情報をはじめ、公演の魅力などを皆様にお伝えする次期MCとして、「第3期スカイ・ナビゲーターズ」「第6期スカイ・レポーターズ」を決定いたしました。どうぞご期待ください。  
 
第3期スカイ・ナビゲーターズ
タカラヅカ・スカイ・ステージ開局13周年を迎える本年7月1日より「第3期スカイ・ナビゲーターズ」が登場いたします。スカイ・ステージのレギュラー番組「タカラヅカニュース」のメインMCとして、様々な宝塚歌劇関連情報をお届けする他、当チャンネルのプロモーションにも活躍する予定です。

花組 和海しょう、桜咲彩花
月組 輝城みつる、花陽みら
雪組 久城あす、杏野このみ
星組 夏樹れい、夢妃杏瑠
宙組 星吹彩翔、結乃かなり
  
第6期スカイ・レポーターズ
タカラヅカニュースの各コーナーやその他オリジナル番組に「第6期スカイ・レポーターズ」が出演し、様々な切り口から宝塚歌劇を楽しくタイムリーにレポートいたします。

花組 冴月瑠那、白姫あかり
月組 貴千碧、咲希あかね
雪組 香綾しずる、千風カレン
星組 天寿光希、妃白ゆあ
宙組 松風輝、瀬音リサ   
出演開始日
2015年7月1日(水) 放送分より

 スカイ・ナビゲーターズにおける、わたしの5組認識度の違い。

 無名の下級生を使っていたスカイ・フェアリーズ後期とは違い、スカイ・ナビゲーターズは組の中堅ジェンヌだ。
 中堅というからには、組である程度の足場を持ち、舞台で活躍しているスターたちだ。
 いわゆる路線スターでないにしろ、ファンからの知名度と愛着が一定レベル以上ある人たち、が、選ばれている印象。そこには元スカイ・フェアリーズでスカステでの知名度がある程度ある、というのも含まれる。

 が。
 今回のスカイ・ナビゲーターズに、まったく知らない人がいる。

 全組まったりのんびり観劇して、新公も観ているのに、その人の舞台姿を認識していない。どんな役をやって、ナニが得意なのかも、まったく知らない。

 というところで、「全組まったりのんびり観劇」していても、意識の遠い組っちゅーか、順番があるんだなあ、と改めて思った次第。

 ちょっと前まで、わたしがいちばん遠い組、下級生がわかんない組は月組だったんだけど、今は宙組みたいだ。
 宙組のスカナビの娘さんが、マジまったくわかんねえ……。
 名前を見ても、顔を見ても。舞台での姿が思い出せない。

 たぶん、『ベルばら』と『風共』のコンボが効いたんだよなあ。共に複数回観てるのに、真ん中以外記憶にない。
 そして、別箱公演を観られないことが続いている。バウも全ツも観られなかったもんな。
 ……で、次が『王家』じゃ、ますます真ん中以外は見分け付かないわ……。宙組ェ……。

 でも、雪担でなかったら、雪スカナビのあんこだって、舞台で探せるかどうかわかんないと思うので、ほんとにただ、自分がどれくらいその組を観ているか、という指針でしかない。
 わたしは雪担で、雪公演中の裏になる宙組が、いちばん遠かったんだな、2014年。雪を観ていたら、宙を観られなかった、物理的に。身体がふたつないから、東京にいたら、ムラの宙が観られない、と。

 いい悪いでも好き嫌いでもなく、ああそうなのか、と思った。
 今のわたしの濃度はこんな感じなんだなと。

 好きなジェンヌ、愛着あるジェンヌ、個別認識できるジェンヌが多いほど、タカラヅカは楽しくなる。観劇は楽しくなる。
 だからもっともっと、舞台で認識出来る人を増やしたいなあ。

 次のスカナビが決まる頃には、わたしの認識はどうなっているだろう?
 『王家に捧ぐ歌』前夜祭、すっげー楽しかったーー!!

 前夜祭幕開きの、ウバルド@マカゼが「あの音楽」と共にせり上がって来ただけで、泣けたんですが。
 胸が熱くなって、ぶわーーっと。

 ちょお待て、これだけ? これだけで泣けるの?!

 また、マカゼがかっこいいんだわ……すっげー男前っぷり!
 もともと好きな人が、元ご贔屓の役をやっている……あの音楽、あの台詞を喋っている……って、何重にも胸熱というか、揺すぶられますわ、泣けますわ。
 オープニング再現、なにもかもなつかしくて……。おおお。

 まぁくんかっこいー、みりおん歌ウマかわいー、うらら歌がんばってる!
 何故か再現場面が2幕のアムネリスの誘惑(笑)から、月の満ちるころかよ!
 そして気づくんだ。

 わたし、アイーダを見てる。

 上下花道から分かれて銀橋へ出るラダメス@まぁくんとアイーダ@みりおん、気がつくとわたしのオペラグラスはアイーダを追っている。
 無意識だ。
 くり返しくり返し観た初演と再演で、しっかり習性化している。
 この場面、この音楽、この台詞。オペラはどこへ向けられるのか。
 ごく自然に、アイーダを追う。アイーダを観る。

 そっかわたし……ラダメスを観る習慣が、ない。
 アイーダとラダメスの場面はアイーダしか観てなくて、ラダメスはいつも後ろ頭とか横顔だわ……!

 そして、アムネリスとラダメスの場面だと、アムネリス観てたのよこれがっ。習慣ってこわい、ラダメス観た記憶が薄いっ。
 や、その、ラダメスはTCA様がカメラで追ってくれるはずだから、ついそれ以外を優先しちゃうのよね……。
 で、それすべてを差し置いて、ウバルドがいたらウバルド観てるし。

 前夜祭にて見事にラダメス観られなくて、習性の恐ろしさを思い知った。や、今の今までそんなの考えたことなかったし。
 これは意識してかからないと、本公演でもまぁくん見逃すわ……。


 ともかく、
 あれから12年経つワタさんの格好良さにしびれる。

 なんなのこの人こわい。カッコよすぎてこわい。
 『おかしな二人』千秋楽の幕間だっけか、客席のワタさんがわたしの座席の真横で立ち止まってなんかしてた(連れを待ってた? ワタさんしか見てないのでわからん)んだけど、間近で見て息詰まったね、カッコよすぎて!!
 それをしみじみ思い出した。素でも男前、その上、広大な宝塚大劇場の舞台の上でも、変わらず男前なのか……妖精にもほどがある。

 そして、トウコ……(笑)。
 トウコちゃんは、卒業後もちょくちょく舞台観に行ったりトーク聞いたりしているので、感慨もなつかしさも薄いんだけど、当時の最大の萌えポインツ「いやいや」を再現してくれたので、椅子から転げ落ちる勢いで萌えた(笑)。

 「月の満ちるころ」で、「それだけの男を愛したのか」とラダメスに詰問され、黙って首を振るアイーダ……あそこのトウコがもう、めちゃかわで、当時ファンを悶絶させてたのよ!!
 あーれーを、今さら、素顔でやっちゃうとか……。ふつーに女の人のトウコと、今でも男前なワタル兄貴とで。

 あー、もー、好きだったなああ、ワタトウ!!
 ラブシーンで、トウコの踵が浮くがいいのよー。
 トウコアイーダがもう、いじらしくてかわいくてっ、たまらんかったわー。

 トウコを可憐に見せてくれる、ワタさんの包容力も好きだった。
 のーみそまで筋肉!てな、愚直な感じが萌えなのよ。ああいう男がいいのよ、ああいう男だからいいのよ! 熱弁!

 そして、プリミティヴに愛し合うふたりの間に入れない、知性と理性を持った美女アムネリス様……!

 檀ちゃんの歌が、うまくなってた!!

 びっくり。
 当時、どんだけいいところでカマされて、椅子からずり落ちたか。
 檀ちゃん=歌ヘタ、刷り込まれた意識。
 なのになのに、檀ちゃんがまともに「ファラオの娘」歌ってるよーー! 時の流れってこわいよーー!

 それから、なんといっても、パパふたり! チャルさんとヒロさん!

 あの扮装で舞台に登場し、心震えたっす……。

 アモナスロ@ヒロさんの「鳩ちゃんと共に帰って参りましたーー!!」には、ときめきました……!!
 あああヒロさんスキーー!!
 再演の中日公演で、鳩ちゃんとえんえんえんえん目が合っていたのを思いだしたわ……(笑)。

 チャルさんにしろヒロさんにしろ、声がいいのよね……。
 他の誰とも混じらない声。一発で誰の声かわかる。で、ふたりとも歌ウマだし。美声の人って歌もうまいよね。
 またファラオとアモナスロに会えるんだ……わくわく。

 作品が大好きなので、再々演が心からうれしいです。


 ところで。

 開演アナウンスに拍手が入らなかったのは何故?

 まぁくんの、はじめてのトップスターとしての大劇場開演アナウンスよね?
 ある意味トップお披露目よね?
 スタートの最初の最初よね?
 わたし、拍手する気満々でスタンバってて、盛大に拍子抜けしたんですが……?
 や、誰も拍手しないのに、ひとりでカンカン拍手する気力ナイし……。

 本公演初日の開演アナウンスまで「取っておく」ってことなのかなあ。

 で、現役トップファンはおとなしく、終演後拍手をやめずカテコを求めるOGファンの強さというか、しぶとさときたら……(笑)。やっぱ元祖星組っ!てなワタさん、トウコのファンは、あれくらいやるわいなあ。
 そんなとこも含めて、初演ファンは……あのころの星組に通いまくった身としては、ほんとになつかしかったっす。
 前夜祭はつまらない。
 わたしは、そう思っている。
 ご贔屓が出るならそれがなんであろうと観るけれど、出ないのなら、別に観なくてもかまわない、やってくれてももちろんかまわないし、ないよりある方が華やかでいいけど、わたし個人としてはどーでもいい、そんな位置にある催し。

 が。

 『王家に捧ぐ歌』前夜祭は、チガウ。
 開催される、とわかったときに、「行く!」と思った。

 そしてもちろん、当日わくわくと駆けつけて。

 堪能した。

 前夜祭、楽しいーー!!

 ……言うてることチガウやん。
 前日欄まるまるかけて「前夜祭はつまらない」と書き、この記事でも冒頭から「前夜祭はつまらない」と書いておきながら。
 なんなのこの変わりよう。

 だって、楽しかったんだもん。

 イベントとしての構成が「神!」だったとか、今までにない特別の演出があったとかでは、ないと思うのよ。や、『ガイズ&ドールズ』以来行ってないから比べようもないのだけど。

 感じ方の違いは、わたしが、初演ファンだということだ。

 わたしは現ヅカファンで、全組観劇するし、まぁくんはじめ宙組メインどころも好きだ。新生宙組、再々演する側のファンでもある。
 が、再々演メンバーと比べて、圧倒的に、初演メンバーのファンなんだ。
 ワタ・トウ・檀のトリオが好きで、当時の星組による『王家に捧ぐ歌』が好きだった。

 つまり。
 今までわたしが「前夜祭はつまらない」と思っていた理由が、全部裏返る。

・短い → もう卒業して二度と会えない人に会えたから、たった1時間弱でも0が1になるなら、長い。ありがたい。

・知らない人ばかりが出張る → 知ってる人、見たい人が出張ってて、喋って歌ってくれる。

・知らない場面の切り貼り見せられても… → なつかしい、知っている場面、曲ばかり!!

 前夜祭、楽しい!! 観たいモノばかり、楽しいことばかり! きゃ~~っ!

 ……ああほんとに、前夜祭ってOGファン、オールドファンのためにあるもんなんだなああ。
 それを、身をもって知った。思い知った。
 現役ファンが行っても、そりゃつまらないわ……贔屓の出番なくて不満ばっかだわ……。

 『王家に捧ぐ歌』前夜祭。
 ゲストOGばかりがはしゃいでて、現役は小さくなってて終了! でした。正しい前夜祭の姿!(笑)

 わたしが現役スター目当てで行ってたら、絶対ぶーたれてる(笑)。
 まぁくんならともかく、あっきーとかりくくんとか目当てで、初演も初演に出ていたOGもまったく知らなかったら、確実に欲求不満だ。
 苦労してチケット取って、仕事やりくりして遠い大劇場まで出かけて、贔屓のトークは挨拶定型文と一言だけ、パフォーマンスは数分、あとはえんえんえんえん知らない人たちがうれしそうに昔語りして、きゃーきゃー騒いでるのを眺めるだけ、って……それはキツイわー。
 昔の自分がそうだったから、思う。

 しかし今、この前夜祭においては。
 わたしの立ち位置は現役ファンではなく、「初演ファン」「OGファン」。
 ここから観る前夜祭は、めーーっちゃ楽しい~~!!


 ということで、翌日欄へ続く!
 前夜祭って、つまらないよね。

 はじめて参加した前夜祭は、1999年の『ノバ・ボサ・ノバ』だったと思う。
 前夜祭というもの自体がはじめて見聞きするものだったので、よくわかんないまま浮かれて参加した。
 トドファンだったので、彼が出演するイベントには、なんとかして駆けつけなきゃ!的な気持ち。

 参加して、そして。
 なんか、ぽかーんとしたまま、終わった気がする。

 や、いちばんの感想は、「短っ!!」だった。
 なんとか予定やりくりして、あんな田舎のタカラヅカ村まではるばる出かけてだよ、小一時間で終了するとは、思ってなかったんだな。
 ナニをするものなのか、わかってなかったしさ。

 わたしは『ノバ・ボサ・ノバ』って観たことなかったし、今みたいにスカステでなんでも見られる時代でもなかったし、過去の「名作」とやらは、人づてに話を聞くのみだった。
 『ノバ・ボサ・ノバ』については、初演か再演か忘れたけど、とにかく以前の公演を観たお姉様方より、さんざん威かされていたので、それでやたら緊張して前夜祭に臨み、けっこう濃密に集中して観劇したと思う。
 威かされた内容(笑)については、このブログのどこかで語ったことがあると思う……もうどこに書いたのか、発掘できないけど。今は本筋ではナイので、省略。

 意気込んで観ていた分、拍子抜けしたってのは、あると思う。
 前夜祭、って、こんなもん?? と。


 次に参加した前夜祭は、2002年の『ガイズ&ドールズ』だった。
 このときはもう、確実に「つまらない」と思っていた……。


 なんでつまらないのか。

 第一に、時間が短い。
 最初に思ったように、開催時間が短くて、拍子抜けする。
 大劇場で行われる公演って、通常3時間、タカスペなどのイベント物で2時間、新公で1時間半はあるじゃん?
 小1時間で終了、って、すごく短く感じる……。
 本公演3時間拘束に慣れている身には、ギャップゆえに体感時間がさらに短く感じられてしまう。

 えっ、もう終わり??
 と、驚き。

 それによって、次の不満が明確になる。

 贔屓の出番、あれだけ?? えええ?!!

 観たい人の出番が、ものすげー少ないんだ、前夜祭って。
 観たい人 = タカラジェンヌ。
 昔タカラヅカにいた人、ではない。

 タカラヅカファンなので、OGに敬意を払う気持ちはもちろんある。タカラヅカが続いてきたのは先人あってのこととわかっている。
 が、そんな理屈と、実際に客席で受ける感情とは別だ。

 目当てのスターがいるから、わざわざ観に来たのに、その人に出番がほとんどなくて、知らない年配女性ばかりがえんえんえんえん出張っている催しって……びみょー……。

 贔屓と関係ない、OGのトークショーに来たのなら、もちろんそれはそれとして楽しめるのだけど。
 贔屓の次の公演の前イベントだと思って来たら、贔屓に出番なくて、OGさんばっかが喋ってて、フラストレーション。

 んで、ようやく現役のターンになりました。
 名場面の再現やります! 来月からの公演を、一足先にご披露しちゃいます! となり。
 やったー、ご贔屓と、現役タカラジェンヌの舞台を観られるんだー!
 と、よろこんだのも束の間。

 知らない作品の一部だけ観ても、ぽかーん。

 作品は、最初から最後まで、起承転結してはじめてひとつの「作品」である。
 その一部だけ切り取って見せられても、前後もなにもわかってないので、意味がわからない。
 もちろん、ストーリーもキャラもわかんなくても、パフォーマンスだけでも楽しめるけれど……でも、「独立したパフォーマンス」と、「長編作品の一部の歌とダンス」はチガウよ。同じだったら、作品の意味ナイよ。

 えっ、もう終わり?? って、贔屓の出番、あれだけ?? えええ?!! でもって、再現場面はたしかに楽しかったけど、でもけっこうふつうじゃなかった? あんま特別感なかったよ? そんなにいいもんなの??

 ……完璧に、ついて行けてません。
 置いてかれてます。

 それでわたしは、「前夜祭はつまらない」と思うようになったのです。
 お祭り好きで、イベントならなんでも参加したいクチなんだけど。
 「前夜祭」はその限りにあらず。
 よっっっぽどのことがない限り、観なくていいや。
 よっっっぽどのこと、ってのはつまり、まっつがいること、ですな。まっつの出る公演・イベントは全参加基本なので、もしもまっつのいる組で前夜祭があれば、まっつの出番が最後のパフォーマンス5分間のモブダンスだけであったとしても、観に行く。
 それ以外は、……ま、行かなくてもいいや。
 そう思って、その後いくつかあった前夜祭には行ってません。
 まっつのいる組での前夜祭もなかったしね。


 前夜祭ではなく、「新作の制作発表会」は楽しいのになああ。
 新作だから、「初演OG」もいないし、「誰も観たことナイ」から、パフォーマンスは「作品紹介」になり、「すでにある物をただ切り取っただけ」にならず、はじめてこの作品に出会う人へ魅力を感じてもらうための配慮がしてある。
 わたしが参加したことのある「新作の制作発表会」はふたつだけかな……そのうちのひとつ、『フットルース』はほんとに楽しかった……。

 前夜祭は新作の制作発表会じゃない。
 新規客に新商品の魅力を紹介する、のではなく、既存客に既存商品をなつかしがらせて、再度購買意欲を煽るための物だ。

 新規客が、既存客向けイベントに混ざっても、置いてかれるだけっす。
 ドラマを、最終回のひとつ前から見るようなもん。1話から見て盛り上がっている人たちの間に入っても、ぽかーんとなるだけっすよ。
 で、大作一本モノの新人公演というのは、なんとか95分強に短縮されてしまうモノなのです。
 や、挨拶分も入れて、もうちょい長めに上演時間は取ってあるけれど。
 できるだけ、通常の新公と同じ長さにしようと、してある。

 で、一本モノの大半は、新公を観て2時間半いらんやん、1幕モノでええやん!と思う。
 植爺の『ベルばら』とか『風共』とか、わざわざ一本モノにする意味ナシ、90分で終わらせて、55分のショーと二本立てにしようよ!!
 タカラヅカオリジナル大作とやらは、大抵そんな感じ。
 新公で1幕モノにできるんだから、本編からやれよ、てな。
 その程度の濃度しかない作品。

 でも、『エリザベート』『スカーレット・ピンパーネル』『ロミオとジュリエット』などの海外ミュージカルは、「やっぱ短縮版はダメだな、全編観たい」となる。
 わたしはね。

 じゃあ鳴り物入り海外ミュージカル巨編であるところの『1789-バスティーユの恋人たち-』はどうだろう?
 上記のイケコ大作と同じくくりなんだから、新公観て「ああっ、あの場面もカット、この場面もカット、もったいない、残念、つまんない、もっともっと観たい! 聴きたい!」となったかというと。

 2時間半いらんやん、1幕モノでええやん! と、思いました……。

 新公の尺にして、幕間休憩のあとは新作ショー。
 その方がよくないか?

 新公は、ふつーにオランプがヒロインでした。アントワネットの見せ場のひとつである、ベルサイユのカジノ場面ナシ、ふつーに会話から登場。
 ロナン@トップスター、オランプ@ヒロインでやれば、アントワネットに時間割く必要ないから、こんなにさくさく、1時間半でまとめられるよー。

 わたしが初っぱなから絶望した、あの地味で盛り上がらないオープニングは全カット、どうせ地味なら物語からスタートでええやん、ロナン父が殺されるとこからスタート。
 アントワネットの馬鹿騒ぎカットでこちらもドラマから。

 あら、ロナンが突然デムーランたちと親友みたいになってるわ、友情を育む場面がカットされたのかしら……って、されてません、本編からして「出会った」→「大親友」だもん。

 そして新公でもっとも素晴らしいカットは、ロナンとフェルゼンのチャンバラカット。
 フェルゼンをしょーもない悪役に落とす演出がなくなっていて、ふつーに毒にも薬にもならない貴公子止まりで済んでる。

 サービスシーン(?)の拷問もさくっと終わらせて、それよりロナンとオランプのいちゃいちゃをそのまま描きましょう。

 イケコミュージカルの素晴らしいところは、1幕ラストの盛り上がりがすごいことなんだけど……『1789』も確かに良かったけど……物語的に、なくていいしね。
 『スカピン』他上記作品みたいに「物語的に動きがあるから必要!」ってわけじゃないしね。
 ストーリーが大きく変化する、ゆえに盛り上がって「2幕に続く!」になるわけじゃなくて、「そろそろ時間だからいったん終わるよー、とりあえずお約束だから全員集合して盛り上げるよー」だからなー。

 1幕ラストの全員集合カットで、2幕アタマのテニスコートでボディパーカッションになる。内容的に、こっちをちゃんとやってれば、1幕ラストはいらないんだよね。

 重複しているところを細かくカットして、同じ意味のやりとりは1回にまとめる。
 それで大きなエピソードはほぼそのままで、終了。
 フィナーレはなく、人権宣言で幕が降りるから、全員登場出来る。
 何故かアルトワいないよ? とかいう事態にならない。主要人物全員等しくロナンと共に合唱し、感動を盛り上げることが出来る。
 その絶頂で幕、という潔さ。


 え~~、これ、1幕モノでええやん~~。
 ショーと二本立てやったら、贔屓組で再演してくれてもぜんぜんええわ。曲いいし、盛り上がるし。
 「人物の書き込みの甘さや、展開の唐突さは、1幕モノに無理にまとめたせいね」って思えるし(笑)。
 休憩のあとは、まったく毛色の違う、下級生まで大活躍出来るオリジナルショーで盛り上がればいいし。
 大階段に大羽根いっぱい、きらきらにぎやかに「ザ・タカラヅカ!!」すればいいし。

 ふつーにオランプヒロインで、1幕モノで十分っす。
 新公演出で十分っす。

 そう思えてしまう、鳴り物入り海外ミュージカル巨編。
 新人公演から、見えることがある。
 新人公演『1789-バスティーユの恋人たち-』観劇、それゆえに、本公演の革命家トリオに思いを馳せる。

 デムーラン、ロベスピエール、ダントンの3人の革命家たち。
 一緒に出て来て順番に喋って、ダントンだけちょっと扱い落としてあるけど、いつも一緒の上、役割がひとつであるため、3個イチの印象。
 個別化されず、いつもトリオ。個性が感じられない、おいしくない役。

 と、思っていたわけなんだが。

 あれって、3人の実力が均衡しているから、3人同じに見えちゃうのね。
 扱いの落ちるダントンで、「均衡」させてるんだから、コマはうまいんだろうな、と思う。
 そして、ほぼ同じ扱いで、94期と並ばれてしまう89期を、ふがいなく思う。
 いや、たまきちが成長著しいだけで、カチャさんに罪はないのかもしんないが。

 というのもだ。
 新人公演の革命家トリオは、ちゃんと差別化されていたんだ。

 役割はひとつしかないし、個性を出しようのない脚本のままだ。
 3人がそれぞれ個別に個性を打ち出し、差別化に成功したんじゃない。
 ロベスピエール@れんこんのひとり勝ちだっただけで。

 シンプルに、実力で。

 デムーラン@夢奈瑠音くん、ダントン@春海ゆうくん。
 共に96期、研6か。
 彼らも別に悪くない、学年やキャリア相当によくやっていたのだろうと思う。
 それでも、力の差がわかりやすかった。

 れんこん、うまいわ……。

 役割がひとつしかないのだから、3人もいらない、ひとりでいい……初日を観てそう言っていた通りになっていた。
 革命家はロベスピエールひとり、デムーランとダントンはその仲間ポジションで、モブのみなさん寄りにする。そうすれば、革命家はちゃんと観客の印象に残る役になる。

 れんこんくんが、ロベスピエールとしてものすごく斬新な役作りをして、とか、印象的な演技をして、とかではないの。
 本公演のトリオから想像するまんまの、「革命家」というだけのキャラクタに見えた。目新しさも挑戦的な切り口も、特にない。
 だが、その「革命家」という役割を、きちんと演じ、周囲から一歩前へ出れば、こう見える……ということを、実践して見せてくれた。
 ひとりだけ、モブじゃない。役割を持ち、「名前」を持った存在だと、わかった。

 本公演とかで見ると、地味な子なのにな、れんこん。ひっかかりどころのないビジュアルと芝居。
 でも、新公のたびになにかしら、記憶を刻んでくる。
 わたしの鈍い記憶の壁に、がりっと爪を立ててくる感じ。

 役割がないと前へ出てこない子なのかな?
 モブのときはモブの仕事しかしようがないから?


 ソレーヌ@楓ゆきちゃんは、意外に歌で苦戦していた印象。もっと歌える人というイメージだったんだが……よほど難しいんだなー、あの歌。

 んで、すっごく勝手なことを言うと、この役をいちど、美少女で見たかった……。
 本役さんたちも併せてみんな、いわゆる「美少女」ジェンヌじゃないもんよ……。
 や、ジェンヌさんはみんなきれいでかわいいです。それはわかってるんだけど、その「容姿端麗」が基本スペックである美女集団において、中でもキャラ分けがあるじゃん。女役さんだとか子役だとか、個性派タイプだとかお色気系だとか。
 そのキャラ属性「美少女」の人。
 可憐で透明感があって、気品があって。瑞々しい若さがあって。
 そんな正統派美少女がこの役をやったら、どんな印象になるだろう……。
 より痛々しくて、ソレーヌとロナンの哀しみややるせない怒りが伝わるかなあと。
 この際歌唱力より、持ち味重視で。

 そんな娘役さんがいるのかどうか、わかってないのだけど……。
 そういう人で、見てみたかったなと。


 ラマール@朝霧真くんたち3バカトリオは、解説もしなくちゃならなくて、いろいろ大変そうだったなと。
 すげー体当たりぶり。
 振り返っている暇はない、行くぞ!! って感じにただただ走り続けてた。
 えーと。
 正直、ぜんぜん足りてないんだけど、その熱意で全部帳消しになったかなと。
 ま、いいや。がんばれー、てな(笑)。
 個人的に、朝霧くんの顔は好き。わたしの本命じゃない方の好みの系統の顔をしている……。(ややこしいな)


 あ、ちゃぴが出ていることは知りませんでした。
 相変わらずろくにプログラムチェックしてない(笑)。
 トップ娘役キャリア3年のベテランが、新人公演に出ているとか、一切気にすることがなかった。
 男役をしているのをそうと知らずに見たわけなんだけど、男役だった昔と違い、一目で「ああ、娘役さんのバイトだなあ」と思える姿だった。……が、声だけはけっこう男前だったのは何故(笑)。

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