ナターシャ@らんとむ?!

 わたしの脳裏に、おかっぱフラッパースタイルのらんとむさんが合成されました。

2010/11/05

2011年 公演ラインアップ【シアター・ドラマシティ、東京特別】<3月~4月・宙組『ヴァレンチノ』>

11月5日(金)、2011年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、シアター・ドラマシティ、東京特別公演の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。

宙組
■主演…(宙組)大空 祐飛

◆梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ:2011年3月8日(火)~2011年3月20日(日)
一般前売:2011年1月9日(日)
座席料金:全席7,500円
◆東京特別(日本青年館):2011年3月26日(土)~4月2日(土)
一般前売:2011年2月13日(日)
座席料金:S席7,500円、A席5,000円

ミュージカル
『ヴァレンチノ』
作・演出/小池修一郎
  
1986年に杜けあきを中心とした雪組により宝塚バウホールで初演され大好評を博した作品。
1920年代に活躍した不世出の映画スター、ルドルフ・ヴァレンチノの半生を描いたミュージカルで、これまで再演の呼び声の高かった名作が男役として今や円熟期にある大空祐飛により甦ります。

 またしても、カリンチョさんの代表作の再演っすか。

 古すぎる作品の安直な再演には反対ですが、再演に拒絶反応が出るのは、時代云々よりも演出家の問題が大きいと思う。
 78年の柴田作品がダメで、86年の小池作品がOKっつーのは、その差8年にあるのではなく、現在活躍している演出家の作品であるかどうかということの差だ。
 『ヴァレンチノ』がたとえ78年作であっても、演出家が小池せんせならばOK。
 その作品が名作か如何かではなく、その作品を作者自身が現在演出できるのかどうか。
 現在活躍している演出家ならば、過去作品も現代に合わせて作り直すことが出来るが、すでに引退した演出家の作品では、時が止まったままの古い作品をそのままこの現代に再演するしかない。
 初演時代には名作だったのかもしれないが、現代にはそぐわない。過去はいつでも美化される、初演は良かったけれど再演はダメだった、再演は演出が悪いキャストが悪い、新演出したところは全部ダメ、昔のままが良かったのに、昔のままですが今観たらこんなもんなんですよ、ああもーめんどくさい。
 演出家が自身で采配をふるえば、それは再演ではあってもひとつの「新しい作品」。変化させられる、再生させられる。
 だから、それができる作品ならば、古い時代の作品の再演でも、わたしの「再演アレルギー」は出ない(笑)。
 あ、植爺除く。彼はもう終わっている認識なので、彼が彼自身の作品を再演するとしても、アレルギー発動(笑)。

 んで、いわゆる「思い入れのあるあの作品を再演されるなんて嫌っ」という意味での再演アレルギーは、わたしにはほとんどありません。
 そんなもん、『エリザベート』が再演されたときに克服しました。初演『エリザベート』ファンをなめんなー(笑)。
 てことで、素直に楽しみです、『ヴァレンチノ』。

 ただ、この作品の2番手の役が思い出せないのです。

 カリさんが主役で、相手役がともちゃん、そしてもうひとりのヒロインがタカネくん……としか、おぼえてない。
 でもって当時の雪組は、カリさんトップ、いっちゃん2番手、タカネくんが3番手だったので、この場合2番手はタカネくん。

 てことは。

 らんとむが、ナターシャ役?!

 という認識に行き着くという。

 や、わたしが想定しているのはカリンチョさんが卒業間近に上演された、再演版です、初演は知りません、さすがに。画面がーがーのビデオで見た記憶はあるが……あのビデオ、まだどこかにあるだろうか?

 らんとむ氏がバウに出るかどーかわかりませんが、タカネくんの役だったらすごいなああ。
 キ、キレイダトオモウヨ、タブン。
 らんとむ氏がガイジン顔の美形なのは事実だし。でも、美男が女装したからといって、美女になれるかは……イ、イヤキット、キレイダトオモウヨ、タブン。

 ゆーひ×らんとむ(女)かぁ……それは一度見てみたい気も……トップになる男役スターは、みんな一度は女役経験するもんなー。

 いや別に、ふつーに男の役やってくれていいです、ええ(笑)。

 ゆーひさんのルディはふつーに楽しみっす。
 カリさんとはまったく別のモノになるだろうなああ。

 
 それとそれと。 
2010/11/05

2011年 公演ラインアップ【宝塚バウホール、東京特別】<3月・宙組『記者と皇帝』>


11月5日(金)、2011年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、宝塚バウホール、東京特別公演の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。

宙組
■主演…(宙組)北翔 海莉

◆東京特別(日本青年館):2011年3月4日(金)~3月10日(木)
一般前売:2011年1月30日(日)
座席料金:S席6,500円、A席5,000円
◆宝塚バウホール:2011年3月17日(木)~3月27日(日)
一般前売:2011年2月12日(土)
座席料金:全席5,000円

バウ・ポピュリスト・コメディ
『記者と皇帝』
作・演出/大野拓史
  
19世紀後半のサンフランシスコを舞台に、破産を契機として、自分が「皇帝」であるという妄想にとりつかれ、その言動が市民の人気を集めた、「初代合衆国皇帝にしてメキシコの守護者」こと「ノートンⅠ世」と、その人気を当て込み、虚実入り混じる記事で部数を競い合う新聞記者達の、奮闘と恋を描く、ポピュリスト・コメディ(人民喜劇)。

 大野せんせの新作うれしい!!

 充電期間は十分だよね? きっと濃ゆい大野ワールドだよね?
 演じるのがみっちゃんなら、これまた実力十分だし。
 楽しみだー!!
 スカステのニュース内で、まっつの「スター★キラキラファイル」が放送されました。

 『麗しのサブリナ』東宝「NOW ON STAGE」で言っていた、「はじめて『雪組の未涼亜希です』って言った」ってヤツですな。

 「NOW ON STAGE」で言っていたときに、あのコーナーのことかな?と思い、だったらいいな、と思い、そこにもまた、組替えの意味を知ったよーな気がしました。

 タカラヅカ・ニュースは開局した7月を機にコーナーが一新されます。
 今やっている「スター★キラキラファイル」も今年の7月からスタート。

 2007年7月 「スター☆ボイス一問一答」
 2008年7月 「スター★セレクトQUESTION?」
 2009年7月 「スター★セレクトStage」
 2010年7月 「スター★キラキラファイル」

 という流れ。

 どーゆー基準で出演者が選ばれているのかわからないけれど、花組にいたときのまっつは、出してもらえませんでした。

 これ以前は学年や立場的に出られるコーナーではなかったけれど、2007年の「スター☆ボイス一問一答」には登場しているの。
 だからあのときは、「まっつもこーゆーところにまぜてもらえる人になったんだなあ」と喜んだんだけど、ソレが最後で、以後、出してもらえなかった(笑)。
 登場しないなんて夢にも思わず、翌2008年は毎週楽しみに待っていたなあ、「スター★セレクトQUESTION?」、まっつはどう答えるのかしら、と。みつる、壮くん、りせ、みわっち、めおくんと来て、よその組ではもちろんそのかも登場していて、下級生や別格の人たちだって登場していて、次こそはまっつだ、次こそは……と。
 ……出ないまま終わるなんて、思ってなかったから。
 7月になり、新コーナースタート、それでもわたしは夢をつないでいた、2009年「スター★セレクトStage」、去年はきっと人数調整で出られなかっただけよ、去年はごめんなさいってことで、今年は出してもらえるはずよ、まっつはどんな答えをするのかしら、と毎週……。あやねちゃん、めおくん、まぁくん、だいもん、みつる、壮くん……よその組ではもちろんそのかも登場していて、下級生や別格の人たちだって登場していて、次こそはまっつ、次こそは……? 
 またしても、出ないまま、終了。
 特に2009年は『宝塚巴里祭2009』があり、例年の『巴里祭』は記者会見付き、演出家や主演者のトーク付きと、ニュース内でいろいろオリジナル・コーナーが放送されていたのに、まっつだけ一切ナシ。枠がなかったわけじゃない、過去の『巴里祭』ダイジェスト映像をえんえん流していたので、単に「作らなかった」だけ。もちろん記者会見もなかったし。
 そっか、タカラヅカ・ニュースの中の人は、まっつをキライなんだ……。と、やさぐれました(笑)。コーナーを2年連続はずされて、それまであったコーナー消滅させてまで、まっつを映さないっつーのは、つまりそーゆーことだろうと。
 これからDSはトーク・コーナーなしにする方針なのかと思ったら、あやねちゃんのMSはちゃんとあったし。ほんとに、まっつのときだけ「意志を持って、作らなかった」んだなあ……。
 スカステの中の人の好みなのか、劇団の指示なのか。どっちにしても、しょぼん。

 2年連続はずされて、「今年もまた、まっつだけ出してもらえないんでしょ?」なキモチでやさぐれていた(笑)ので、「NOW ON STAGE」でそれらしき番組を収録したと言っているのを見て、今までスルーされていただけに、あのコーナーに出られるんだったらいいな、と思い……そこでもまた、組替えってこういうことなのか、と思った。
 ずっと出してもらえなかったコーナーに、組替えしてはじめて出られる。花組にいたら、出してもらえないままだった。

 なんだか切ない。
 わたしは花組のまっつが大好きだったんだけど、ほんとに花組は人いっぱいで、ちょっとしたスカステのコーナーすらメインどころで回しきれないほどぎゅうぎゅうなんだなあ。

  
 とまあ、いつもの愚痴です、毎度すまん。貪欲なため、よその芝生が青く見えてねえ、「あの人がもらってるのに、わたしもらってない」とひがむ、わたしのやーらしい根性ゆえです、はい。

 とりあえず、2007年12月10日の「スター☆ボイス一問一答」以来3年ぶり、ニュース画面にひとりでバストアップになるまっつ。

 なんつーか、さわやか。
 髪の色も明るいし、服もさっぱり白だし。

 ちなみに、「スター☆ボイス一問一答」は真っ黒です、髪も服装も(笑)。←改めて見返した。

 わたしはまっつ好きだからいいけど、ふつーの人の目にはどう映るんだろう?
 ぶっちゃけあんましキレイでないような……ゲフンゲフン。絵を描く上でのわたしの理想的ラインを持っている人だが、でもやっぱ、個性的な顔だなあ、と思ってみたり。万人向けの美形ぢゃないよなあ。若くもないしなああ。でも好きだなああ。

 質問内容は「観ると絶対に泣いてしまう場面」「観るとスカッとする場面」「スカステ初登場」「スカステで番組を持つとしたら」。

 「観るとスカッとする場面」なのに、自分が演じていてスカッとする役を語り出すまつださん……。
 しかもその役が、張良先生@『虞美人』……。

 他人を操り、手玉に取り、命ばかりか歴史まで操る役。そのドS役を「スカッとする役」で挙げますか。
 いや、たしかにそりゃ、スカッとする役だとは思うけど……ラスボスっちゅーか歴史の陰の主役っちゅーか諸悪の根元やもん。その通りの役なんだけど、ほんとにそう思ってやってたのか(笑)。
 本人はいちおー、「スカッとするとは違うけど」と言いつくろっていたけれど。でも、「ある意味楽しい」って。

 そんだけ役になりきってたんだろう。
 張良先生は、きっと楽しんでいたと思うもの。思い通りに人を操れたときは、スカッとしていたと思うよ。
 しかし、ドS……(笑)。

 最後の質問、「スカステで番組を持つとしたら」どんな番組がいいか。
 先にこのコーナーに出演済みのそのかくんが、「まっつとふたりで視聴者の悩みに答える番組」と答えていたのは、周知のこと。
 だから注目は、まっつがなんと答えるか。

 予想通り、まっつはそのかの「そ」の字も出しませんでした(笑)。

 ええ、何度も引き合いに出して悪いが、わたしのツボなエピソード。
 お茶会で「『ファントム』でやってみたい役は?」と聞かれたそのかが、「エリックがまっつで、私がキャリエール」と答えた、という話。
 いや、聞いたのは君がやりたい役であって、まっつのことは聞いてないから! という(笑)。
 そしてもちろんまっつは自分のお茶会で、ほんとにただ自分単体でやりたい役を答え(カルロッタだっけ?)、そのかの「そ」の字も出さなかったという。

 いいなあ、このふたりの関係(笑)。
 ありがとうそのか、なにかにつれてまっつの名前を出してくれて。まっつはあの通りのマイペースっぷりだけど、それでもそのかがまっつを好きでいてくれるのがうれしい。
 ヅカスペで園松が観られますように!!

 
 そしてこれは、すごくファン目線の思い込みなんだろうけど。

 まっつって、「嘘のつけない人」なんだろうなと。
 「雪組に組替えして……まいりました」という挨拶に、一瞬逡巡が見えた気がして。

 組替えの是非のことではなくて、ただ単に、この映像の収録時、まだ彼は花組で、これから東宝公演がまるまる残っている「花組の未涼亜希として燃焼するぜ!」なとき。
 この状況で、「今もう雪組です、組替え完了、過去完了形で喋ります」ってのが、とまどいあるんだろうなと。
 こんな挨拶、ただの台本だからとすらすら喋るんじゃなく、文法の時制に逡巡するあたりが、正直な……器用ではない人なのかなと。

 や、うがちすぎなんでしょう。ファン心理ってイタいわー(笑)。

 とにかく、ひさしぶりのまっつがうれしいです。
 まっつまっつまっつ。
 雪組公演『ロミオとジュリエット』の、友会フルエントリしたのには、理由がある。
 ひとつは前に語ったとおり、「まっつを前方席で見たい」という、まっつ愛のため。
 もうひとつの理由は。

 今、「宝塚歌劇団」が斜陽になっているから、だ。

 
 わたしが友会抽選を利用しなくなったのは、「良席観劇の期待心<<<カス席の恐怖心」ゆえ。
 「最前列で観られるかも!」というわくわく感より、「2階7列目だの、旧A席に8000円取られる」という恐怖心が上回ったため。
 うん、席種変更され、S席が8000円に値上げされたころから、入力しなくなっていた。

 5500円だった席が8000円になり、7500円だった席が11000円になった。
 たしかに2階後方席は5500円から3500円に値下がったけれど、そんな座席は前売りで買う必要がない。当日劇場に行けば、いくらでも売っているので、前売りのメリットがナニもない。

 抽選入力による「アタリなうれしい席」の数は増えなかったのに、「売りつけられたらショックな席」の数は1.5倍ほど増え、負担する価格まで上がった。
 リスクばかりが増え、得るものはわずか。
 これじゃ、入力なんかできない。

 また、発足当時の友会の配席ぶりは、実に非道なモノだった。

 コストパフォーマンスのいい席が売れ残って誰も坐っていないのに、高くて観にくい、自由意志で購入できるなら誰も買わないだろう位置の席に、何故か客が密集して坐っていた。
 それが、友会席だった。
 一般発売ではまず売れないような、ひどい席を拒否権のない会員に売りつけていた(笑)。

 自分が友会で当たった席がそうだったから、よくわかる。
 なんでセンターブロックが空いてるのに、端っこブロックにこんなにぎっしり坐っているの? てな。周囲をうかがえば、同じように「友会最低」と憤慨している人、券面に名前が印字されているから友会だとわかる人……ああやっぱりココ、被害者席だわ、と(笑)。

 そんなことが平気でまかり通っていた。
 でも、「最前列で観られるかも!」という期待感があったから、耐えられた。実際、最前列センターはあったんだ、友会席に。友会は嘘はついていない。カス席埋めに会員を利用しているだけで、エサである良席チケットもたしかに存在したので、詐欺ではない。

 その期待感を失ったとき、友会利用はしなくなった。

 
 そんな人は、わたしだけでもないんだろう。
 新公とかトップ退団の千秋楽とか、特別な公演のみ入力するけれど、それ以外では利用しない。
 席を選べない前売りを利用するより、当日劇場に行って、自分で納得して購入する方がいい。前売りは、予定が変わって当日行けなくなったりというリスクもあるし。

 友会の前売りは、どんどん余るようになった。
 HPに販売状況が発表されるので、よくわかる。
 みんな抽選入力しないんだ。前売りを買わないんだ。

 とーぜんだよな、劇場はいつ行っても残券余裕たっぷり。
 友会で当たった席より良い席が窓口でどーんと売れ残っているのを見たら、もう友会なんかバカらしくって使ってられるかっての。

 ……と、わたしはすっかりやさぐれていました。

 
 が。

 友人から、教えてもらったのです。

「最近の友会は、そうでもないよ(笑)」と。

 昔は、悪い席から会員に押しつけていた友会。それこそ、2階7列目から配券していたと思う。
 
 でもソレは、宝塚歌劇に力があったからこそ、できたこと。
 当日までに2階7列目まで売れる、という自信があったからこそ、できた。
 たとえ会員が「悪い席をわざと押しつけている!」と文句を言っても、「ナニをうがった見方をしているんですか、劇場S席はほぼ満員でしょう? たまたまアナタの席よりいい席に空席があっただけのことですよ。友会は会員様のために、より良いお席をたくさんご用意しているのです(にっこり)」と言い逃れられる程度には、客が入っていたんだ。

 だけど、タカラヅカはどんどん斜陽になり。

 1階S席、旧A席ぢゃない、昔からのS席すら埋まらないような時代になった。
 2階席は1列目センターと、値下げされたLR1列目だけにしか人がいない、あとはB席センターブロックや当日B席しか売れていない、そんな時代の到来だ。

 ここまで誰も坐っていない状況で、友会会員に「2階7列目」は売れない(笑)。

 7列目どころか、1列目だって売れてないのに。1階席だって売れてないのに。
 会員に悪い席から販売したら、そーゆー悪どいことをしているのが、バレバレですよ。
 でもって、どーせ売れないんだから、2階7列目でも1階21列目でも同じっすよ。一般で売れるかも、と思って残しておく必要はないっすよ、売れない売れない、キニスンナ。

 友会抽選で売り切れるのは、SS席のみ。S席だってふつーに売れ残っている。
 つまり、昔は2階7列目までほぼ売れると踏んでいたから、そこから押しつけていたけれど、今はもう1階18列目までしか売れないのに、2階7列目は押しつけられないってことだ。

 ふつーに、前方席から配席している。
 18列目までしか売れていない日は、ほんとにいちばん悪い席でも18列目で、わざわざ2階7列目はナイ。
 そして実際最近は、あきらかに友会席だとわかる、不自然に悪い席に人が固まって坐っている、という事態は見あたらない。
 ふつーに、後方席には人がいない。

 
 わたしは「ハズレ席が増えた」から入力しなくなった。
 今までは2階7列目までにおびえるだけだったのに、そこに1階25列目まで、つーのも増えた。
 アタリが1階6列目まで(微妙な数字・笑)だとするのなら、1階25列目までの19列と2階7列目までの7列、合計26列は「ハズレ」だった。
 アタリが6、ハズレが26ぢゃ、確率低すぎて参加できない。(そこに1列の座席数を加えたら、ハズレ席数はものすごい数で、アタリはほんのわずかだってば。ややこしいので今は列でだけ例にするけど)

 しかし今は、最後列が18列目とかになっている。ハズレが12しかないわけですよ。
 ハズレの確率がすごーく下がっているわけですよ。

 これなら、入力してもいいや。

 そう思いました。

 全日程がそうでないにしろ、「SSしか売り切れていない回」ってのは、エントリした人の何割かがSS当選した回ってことだ。
 それでもはずれることはもちろんあるけど、悪くても18列目とかなら、別にいいじゃん? 2階7列の恐怖を思えば。

 
 いやあ、「宝塚歌劇団」が斜陽になってくれたおかげで、チケットがますます取りやすくなりましたな。

 ヅカファンとしては悲しい状況なんだけど、びんぼー人ゆえに実に利己的な目線でいうと、ありがたい状況になっています。
 ごめんよぉ。
 びんぼー人は心まで貧しくていかんわぁ。

 
 がんばれ歌劇団、と思いつつ、「今って昔ほどひどい配席じゃないですよ」ということを、伝えてみる。
 あくまでも、わたし個人のデータ・感覚だけれど。
 昔さんざん酷い目に遭ったため、「2階7列目の恐怖」でうなされたりするけど(笑)。 

 くじ運の悪いわたしは、相変わらず抽選結果で「……微妙」となってますが(笑)。
 でもって、11月です。
 月が変われば、スカステの番組発表がある。
 わたしは毎月、「ナニかまっつないかな」といそいそチェックし……大抵うなだれて終わるのです。

 それが今回。

 カウントダウン番組に出演!!

 わーいわーい。
 このテのイベントにまっつが呼んでもらえるの、わたしがファンになってからはじめてですよ。わたしが知らない過去に出たことあるのかしら。
 スターかスカイフェアリーズかレポーターズしか出られないのがスカステイベント番組。そして花組で番手スターでもなくスカフェにもかすっていない新公主演経験者って、まっつとめおくんしかいないという事実(今後はあきらも含まれるわけだが)。
 みわっちは3番手だからイベントに呼んでもらえるし、みつる、まぁくん、だいもん、まゆくんはスカフェなのでイベント御用達の面々。
 おかげでまっつは、イベントはいつもスルーだった。出られなくて当たり前、たとえそのかが「そのか枠」として月組でイベントにしょっちゅー出演していても、路線のひしめく花組にはそんなもん存在しない。(つか、まっつぢゃあ「キャラ枠」としてイベントに出すわけにも……ゲフンゲフン)
「オール・リクエスト宝塚名曲!カウントダウン2011」
【出演者】
専科:美穂圭子
花組:愛音羽麗、悠真倫、花野じゅりあ、初姫さあや
月組:明日海りお
雪組:未涼亜希
星組:如月 蓮
宙組:北翔海莉、美風舞良、天羽珠紀、大海亜呼

 花組にいたら、依然出演できなかったんだなああ。
 
 各組3番手格の人と、スカステ常連面子。れんたはスカフェだし、あとはレポーターズだし。例外はさあやのみという。つか、さあやは次期レポーターズ候補ってとこか。

 毎年年末のスカステのカウントダウン番組を見てはいるが、この番組の特長というと、おもしろくないってことなんだよね(笑)。
 パーティらしくホテルの1室らしいところに組ごとに集まってぐだぐだ喋る、「次は*組のみなさんです。*組さぁーん」カット変わって「はい、*組です! 盛り上がってますよお」「いえーい」……てな実に盛り下がる流れ。
 話す内容は、1年間を振り返ったクイズとか、来年の抱負とか。大体みんな、似たり寄ったりのことを言う……人としてとーぜんだわな、こんなテーマじゃ。それを5組分5回繰り返すから、見ていてつらい。
 場を仕切る組子のキャラに丸投げしてある手抜き番組なので、スベリだすと誰も止められない。
 同じようなイベント特番をクリスマスにも放映するため、トップスターが登場してにぎやかに盛り上げるのはそっちで、大晦日はトップ以外のスターや、スカフェやレポーターズのみとかで地味にまとめるんだな。日本人、クリスマス好きだから。

 毎年あまりにつまらなかったせいか(笑)、今年は趣向を変えてリクエスト物にしたのね。
 リクエスト物・ランキング物になれば、台本がお粗末でも場は持つ。過去映像さえあればいいんだから。ぶっちゃけ、現役生徒が誰も出演していない、外部ナレーターの解説のみでも(笑)。

 放送時間は2時間ほど?
 そのうち何曲流して、出演者のトーク部分は何分あるんだろう?

 出演者は一同に集めての収録だといいなあ。
 過去のカウントダウン・パーティは組ごとに別収録だったもの。
 出演者が少ないから、みんな一緒だと思いたいな。

 よーするに、わたしにまつみわを見せろってことなんですけどね(笑)。

 あと、仲が良くないイメージしかない同期、まっつとみっちゃんが並んでどんな会話をするのか見てみたい(笑)。
 わたしがナマまっつをはじめて見たのが、『天使の季節』の新公ステージトーク、そこで彼はみっちゃんからのビデオレターを見て、とても正直に「仲良くないオーラ」を出していたので、その印象が強くてなあ。みっちゃんの不思議ちゃんな喋りと、対するまっつの「北翔空気読め」なぶつぶつコメント……ああどーしてあのときわたし、まっつファンぢゃなかったんだろう。ファンだったらすげーウケてたろうに。(両人とも、今思えばすごく「らしい」姿だ)
 つか、まずまっつはみっちゃんをなんて呼ぶんだろう? まっつが言う「みっちゃん」は通常みつるのことだし。

 組ごとに別々の収録で、ただコメント述べるだけだったら、寂しいなあ……。
 てゆーかそれじゃ、雪組としての仕事をほとんどしてない(ヅカスペしか出てない)まっつに、雪組の1年を振り返るトークは無理だしな。

 
 まあナニはともあれ、リクエスト番組です。
 まっつのブリドリには参加しそびれた(笑)ので、こっちはいっちょ噛みしてみるかと。

 んでもって、全国5万人のまっつファンのみなさんは、まっつのどの曲をリクエストします?
 や、どーせ名だたる名曲、スターの曲ばかりがランキングされ、まつださんに出番があるわけはないんだけど、ひょっとしたら「ちなみに、**さん関連ではこの曲がいちばん人気でしたよ」と出演者枠の紹介があるかもしんないぢゃないですか(笑)。
 番組内ではなくても、スタッフから裏ネタとして本人に伝わるかもしんないぢゃないですか。

 いちばんネタ的に楽しいのは、「海馬の帝国」@『MIND TRAVELLER』ですかね?

 歌と映像がちょびっと流れるだけで、まず爆笑できる、という意味で。
 名曲というより、迷曲ですけどね。
 

 まあよーするに。

 まっつ切れなんです、まっつネタに飢えてるんです。
 今はちまちまと来年のスケジュール帳のまっつ表紙を作っているところですが……ナマまっつが足りないよお。
 まっつ出演のヅカスペまで、まだ1ヶ月半あるよお。

 11月です。
 寒くなってただひとつの良いことは、猫がひとなつこくなることです。目が覚めたとき、布団の中にぬくぬくの生きた毛皮が丸まってる幸福。
 ウチの猛獣は相変わらず猛獣で、いろんなモノと闘い、いろんなモノをぶっ壊し叩き落としてますが、寝てるとかわいーです。
 全身筋肉、余分な脂肪ナシ、実用的な短い毛皮に包まれた、小顔で手足細長しっぽ長のドーベルマンのようなカラダ付きで、今まで飼ってきたどの猫より手触りが良くない・固いのですが、それでもくにゃりとした触感は至福の気持ちよさです……つくづく猫ってすげえ。最低の手触りの猫でも、他の動物よりキモチいいって……。

 そんな今朝の夢っつか、悪夢は、友会の抽選結果でした。

 『ロミオとジュリエット』の抽選結果メールが送られてくる日ぢゃないですか。

 明け方までいろいろやっていたわたしは、夢うつつにケータイの着信音を聞き、枕元のケータイのチェックをしました。

 ああ、抽選結果のメール来てる……今回は久しぶりにフルエントリしたんだ……最近もう友会入力忘れてたりほとんどしてなかったりだったけど、まっつを前方席で見たい!という切望ゆえ、当たりやすいっちゅーかまず入力したらハズレはナイだろう平日まで、びっちり入力していたんだ。

 友会入力しないのは、「良席観劇の期待心<<<カス席の恐怖心」ゆえです。
 期待より恐怖の方が大きい「友の会」ってどうなのよ。

 でも今回は「まっつを見たい」キモチが恐怖心を凌駕。愛の力ってすげえ。
 わたしのよーなカネもツテもない一般人以下のファンが前方席に坐れる唯一の機会が、友会抽選ぢゃないですか。どんだけリスクが大きくても、賭に出てこそファン、燃えろわたしの愛っ。
 てことで、ほんっとにめずらしくフルエントリ。

 その結果が、ぴーぴー鳴るメール着信音、3連発。

 3連発? 4公演入力したのに? もう1通は1分位遅れて到着。
 わたしはメールをざーっとチェックした。「続きを受信」するまでもない、冒頭を読むだけで当たりハズレは文面でわかる。
 ケータイでチェックするのは当落のみ、座席番号はPCで確認している、ケータイの小さな画面は面倒くさいから。つかわたし、基本ケータイでネットしないし、mixiくらいで……ああ、起きてPC立ち上げなきゃ……むにゃむにゃ。

 ええ。
 ケータイ手にしたまま、2度寝しちゃったんですよ、猫を脇に乗せた体勢で!!

 脳裏にあるのは、抽選結果。そして、かわいいけどうれしいけど、重い毛皮の固まりが圧迫。

 悪夢、一直線。

 ……悪夢とは、抽選にはずれることをいうのではありません。

 カス席が当たりまくることを言うのです。

 夢の中でわたしは、友会カードを食券販売機のようなモノに差し込んでました。
 すると、機械の下、食券が出てくるところから、ガチャンと友会発行のあの柄のチケットが出てくるのです。
 友会カードで抽選販売されたチケットが、印字されて出てくる自動発券機らしい。郵送より事故がナイんぢゃね、それって?

 んで、出てきたチケットを見て、わたしはショックを受けるのです。

 2階7列4番って!!

 ショックのあまり、番号までおぼえてる(笑)。
 平日でコレってひどくね? 満員御礼の舞台ならともかく、客がいないことがデフォルトのムラ平日ですよ? 全組平日に観劇してるから知ってるけど、どこの組がどうぢゃなく、ほんとにムラの平日はアレなんですってば。
 2階S席はセンターブロック最前列にしか人がいなかったりするのに、なのになのに7列目の端って、どーゆーこと? 選択肢のない友会会員に「絶対売れない席」を押しつけるのが目的?!

 いや、友会がそーゆーところだと、わかっていた。
 わかっていてわたしは、まっつ愛のために賭に出たんだ。
 伸るか反るか、失敗すればどん底だとわかっていて、それでもわたしは一縷の望みに懸けたんだ……!! あああ、まっつ……!!

 そして、恐怖はこれだけではすまない。
 何故なら、当たったのは1枚ではないからだ。
 別の平日がもう1枚、当たっているのだ。

 わたしは震える手で、券売機を操作した。
 もう1枚、チケットがガチャンとはき出される。

 ああ、それは…………っ!!

 
 目が覚めた。

 もー、心臓ばくばく。

 そして、自分がまだベッドの中で、猫と一緒で、チケットの座席番号は未確認であることを知る。

 よかった。
 夢だ。2階7列4番は夢だっ。わたしはまだ席番確認してないっ、PC立ち上げてないっ。

 こわかった。
 こわかったよーーっ。

 友会って大抵、「こんな席なら、当たらない方が良かった」な席ばかり当たるんだもの、ムラ。だから入力しなくなってたんだよ。

 わたしがお金持ちならイイ、こんなみみっちいことで一喜一憂しない。
 でもわたしには、はっせんえんは大金なの。「1列後ろは5500円」の席で観るくらいなら、はじめから5500円の席で観たいの。んで、浮いたお金でまた別のチケットを買うのよ。
 びんぼーなのよ、びんぼーがみんな悪いのよ。うきーっ。

 悪夢でした。
 朝から(もう昼です)無駄に消耗しました。

 
 抽選結果は、案の定平日だけ当たってました。
 席は……微妙。

 うなされるほど悪夢ぢゃないけど、しかし、手放しで喜べないというか、うーん。てな席。
 下を見ればキリがないけど、なにしろわたしはびんぼーなので、うーん。

 びんぼーが憎い。

 ほんとのとこ、わたしに甲斐性がないのがいちばん悪いんですけどね。
 なんでびんぼーなのに、こんなカネのかかるモノを好きになっちゃったんだろう。
 で、まだ続いている『はじめて愛した』感想。

 なんか久々に楽しかったんだもん。
 こんだけ「キャラクタ」に魅力を感じる公演はイイよなー。
 物語的にどうよとか、キャスティングに疑問はあっても、キャラ萌えできるとそれだけでリピートが楽しくなる。

 女性キャラはヒロイン・レイチェル@あゆっちの他はナタリー@夢華さんとジャンヌ@きゃびいぐらい。レイチェルママやぼんぼんの愛人やメイドさんや弁護士もあるけど、物語の中で「キャラクタ」として書かれているのは3人だけだよね。
 愛人@かおりちゃんはすごく難しい役で、それをまた的確に演じていてすごいと思うけど、でも物語の中では「顔」のある役ではない……もったいないことに。

 その、たった3人しかいない女性キャラの中、ナタリーはいい役なんだけど、容姿と役が合っていない感じ。大人ばかりが出てくるこの物語の中で、彼女の「若さ」と「幼さ」はハイライト的に活かせるはずなんだが、演じている夢華さんは柄違いの感が強い。
 等身大の役だろうに、なんであんなに大人びて……つーか、若さがなく見えるんだろう。顔立ちのせいかなあ。
 ぼんぼんジュリアーノ@咲ちゃんが、心の幼さはともかく、年齢的にはもっと大人の役なのに子どもっぽすぎるのと、対照的。
 劇団期待の下級生に経験を積ませるのはもちろん大切だけど、足りなさすぎると作品として見る場合そこが残念だなぁ。

 ナタリーがもっと、見るからに若いきらきらした女の子なら、レイチェルとの関係もガイ@キムとの関係も、変わって見えただろう。
 なにより、クリッツィ@コマとの関係も。
 クリッツィ好きな者としては、それが惜しくて仕方ない。
 ナタリーって、『ラストプレイ』でいうところのポーリーン@蘭はなちゃんだよねえ。クラブで歌い踊る、若くてちょっと考え無しな、現代的な女の子。かわいいは正義、だけで生きてる系の。だから好意を持っている年上の男に、平気で「次のステージも見ていってよ」と言える。
 夢華さん、ふつーにうまいんだけどね。きらきらした美少女ってわけじゃないので、「かわいいは正義」系の女の子の役はつらい。
 ナタリーがいい年の大人の女だと、物語のニュアンスが変わっちゃうんだよなあ。

 ので、ナタリーのことは置いておいて。
 もうひとりの女性キャラ、ジャンヌ。

 ジャンヌ最高。

 場をさらう、って意味では、彼女は半端ナイぞ。
 登場からキャラ立ちしているけれど、圧巻はヒステリー場面。
 レイチェルを尋問する刑事@ちぎに食って掛かる!

 殺し屋ガイを愛していると言うレイチェルを「おかしい」と言う刑事に「謝れ!」と詰め寄るジャンヌの剣幕、言葉の雨霰。
 止めようとする相棒刑事@ホタテを振り切り、吠える、暴れる。

 そして言うだけ言って、刑事に謝らせて、わーっと泣き出す。

 彼女の感情の流れがリアルで、たまらん。
 他人のために本気で怒って、怒鳴って、緊張の糸が切れて号泣。これは、わかる。わかるよジャンヌ。
 てゆーか、一緒に泣いた(笑)。
 彼女の剣幕が本気だから、食って掛かる彼女とたじたじの刑事は滑稽だから、観客は笑っているけど、たしかにおかしいけど、でも泣けた。
 
 他人のために、やさしさゆえに感情を爆発させる、その姿がおかしいものか。

 それが滑稽な風情でも、笑えることとは別に、泣ける。
 本気ってのは、伝わるから。誠実さってのは、届くから。

 刑事も彼女にたじたじで追い出されてしまうけれど、きっとあのあと「すげー女だなヲイ」って話したと思うけど、悪くは言わないと思うんだ。
 ジャンヌが間違っていないこと、そしてレイチェルのために本気で怒っていたゆえだって、わかるから。
 刑事ふたりはまともにいい人たちだから、自分たちが罵られたからといって、ジャンヌを悪人認定はしないはず。
 むしろ、落ち込んだと思うぞ、レイチェルを好きな刑事くん。言い過ぎたのは事実だもの。それを自覚するだけの度量のある男だもの。そして相棒がそれをなぐさめる、と(笑)。

 ジャンヌがすごいと思うのは、そうやって、「やさしさの表し方」を知っていること。
 怒るべきときに怒り、いたわるべきときに、いたわる。

 レイチェルがどん底にいるとき、特別なことはナニも言わないけれど、ただ「夕飯食べにウチへおいで」と声を掛け、出て行く。「こんなときひとりでいない方がイイよ」と押しつけてそばにいたりせず(笑)、相手を尊重して、その意志に任せる。「おいで」とあたたかい居場所を用意して、待っていてくれる。
 これは、すげー上級者ですよ。
 心底、見習いたいと思った。

 若かりしころ、落ち込んで夜の道ばたに坐り込んで泣いていたとき、「帰ろ」とナニも聞かずに迎えに来てくれた、先輩(美人)のことを、思い出した。背中なでられて、べそべそ泣き続けたっけ……。先輩んちでお風呂借りて、そこでも丸まって泣き通して、でもお風呂から出たあとはなんとなく、生きていける気になったなあ。
 てなことを、思い出してよりじーんとした。が、若かりしころの自分が、なんでそんなに泣いていたのかはおぼえていないという……あんときは生きるか死ぬかの大問題だと思ったからこそ、あんなに大騒ぎしていたはずなのに。がーん、トシとったなオレ。

 そんな大きさ、やさしさのある大人の女になりたいですよ、無駄にトシ食うだけでなく。
 自分はダメダメなままですが、だからこそ、ジャンヌのような女性にはあこがれます。大好きです。

 アンリ@りんきらも、めちゃいい男だしなああ。でぶだけどさぁ。恐妻家ですっかり尻に敷かれちゃってるけど、そこがまたいいんだよなあ。

 最後のどんでん返しのキモとなる、アンリ製の防弾シャツ。縫製係のジャンヌが手を抜いたために、ガイは大ケガするわけで。
 そのことを悔やむジャンヌと、彼女の手抜きを知らずに自分の設計ミスだと悔やむアンリ。

 アンリがジャンヌにダダ惚れだということが、わかるイチ幕(笑)。
 彼女への大いなる愛で、すべてを背負い、包み込むアンリと、そんな夫の言葉をまったく聞いていないジャンヌ。
 イイ。ここが、すごくイイ。
 大好きだ(笑)。

 きゃびいはいい役者になったなああ。しみじみ。
 待ちに待った、「2011年スケジュール帳」の発売日です。

 9月には来年のダイアリー売り場が作られるこのご時世において、毎年11月発売のタカラヅカ・スケジュール帳。
 半年分の演目をどーんと一気に発表していた頃とは違い、毎年発売が難しくなっているんぢゃないかな。公演の年間スケジュールがひと目でわかるページがあるとかを売りにしているのに、肝心のスケジュール欄が空白だったり、意味ねー!!なことも、過去にあった。

 今年はまだマシ。
 あと2日で11月とはいえ、10月中に発売だし、年間スケジュール(どの組がどの時期にどこで公演しているか)は発表されているし。

 わたしは昔からスケジュール帳は使い込む方。7色ペンとミニスタンプやシールを持ち歩き、出来事別に色やシールを変え、マンスリーページにびっしり予定を、ウィークリーページにイラストや日記、ポエム(笑)まで書き込む人間だった。若い頃は手帳と筆記用具類だけでポーチ1個分だったさ。
 今はおばさんなのでそこまでしてないが、カスタマイズは基本。

 マンスリーページに全公演の初日新公千秋楽をチェックし、発売日と友会入力日も発表されている分は全部書き込む。
 書き込むというか、わたしの場合、オリジナルで作ったシールを貼る。大きさや色、枚数など、過去の経験から最適なモノをいちいち作っている。
 観劇予定と実際に観劇済みシールも別に作る。2010年までは花組が他組の3倍という偏ったシールだったが、2011年用に雪組が他組の3倍にデータを変更。
 このシールデータの変更や微調整、印刷してカットし、手帳に貼り込む作業がけっこー時間を食う。ふつーに半日仕事(笑)。

 そのため、1日でも早く、手帳が欲しい。
 11月はじまりの手帳なら、9月発売でもいいよってくらい。

 そういった準備のこと以外に、今年はものすごーく新しい手帳を欲していた。

 とゆーのもだ、わたしの今年のスケジュール帳ってば、お茶をこぼしてガビガビなんだわ、早々に。
 表紙だってカスタマイズしているし、中身もオリジナルシールと書き込みでいっぱい、とっても充実した自慢の1冊なんだが、どんだけお気に入りでも黄緑のシミとガビガビバリバリのページは如何ともしがたい。
 少しも早く、新しい手帳が欲しかった。

 つーことで、発売日にいそいそとキャトルレーヴへ。
 今年も表紙はリバーシブルなのね、ピンクとグリーンの2色並んでいるわ、例年通り手帳用のシールも売っているわ、フッそんなわずかな観劇予定シールで足りると思っているのまったく足りないから買わずに自分で作るわよ、と売り場を眺めると。
 トップスターの表紙?

 なにやら新商品。
 スケジュール帳リフィル(2枚組) 価格840円(税込)とな。

 スケジュール帳の表紙は透明カバー。中の紙を変えることで、いくらでもカスタマイズ可能。だから去年から中身の紙が両面印刷のリバーシブルになっているくらいだ。

 そのスケジュール帳に合わせて、トップ5人+トドの写真印刷済み表紙が売られている。
 うわー、みんなきれー、かっこいー。
 タカラヅカスケジュール帳でなくても、B6サイズの手帳なら使えますよっと。

 しかし、表紙ったってぶっちゃけただの紙なのに、それが840円……。ボるなあ、歌劇団。

 手帳1冊握ってレジに並ぶわたし、ヅカ手帳なんて恥ずかしいモノ、買う人はどれくらいいるのかしらねと毎年思うんだが……さすが発売日だからか、列の人はほとんどが手帳を持っていた。しかも、ゆーひくんの表紙率高し。さすがはビジュアル王。

 わたしは表紙は買いませんよ。
 や、売っていたなら買いますけどね、ご贔屓写真の表紙が。
 売ってないから買えません(笑)。

 いいのよ、自分で作るから。

 手帳を早く手に入れたいのはもうひとつ、大きな理由がある。

 オリジナル表紙を作るため。

 B6サイズの手帳ですから、ポストカードサイズ。なにも専用表紙を販売してくれなくても、劇団がポスカを発売してくれていたら、それを入れれば済む。
 だがMyご贔屓はポスカ未発売。表紙に入れられるモノがない。ヅカ手帳のサイズが2LサイズからB6サイズに変更になったときに、さんざん嘆きました(笑)。2Lサイズのときは、劇団発行の舞台写真を入れられたのに。

 表紙がないなら、作るしかない。ポスカがないなら、作るしかない。
 つーことで、毎年自作に励んでおりまっつ。

 どーせサイズはわかってるんだから、手帳が発売される前から表紙画像を作っておくのもイイが、いちおー毎年、オフィシャル表紙のロゴを流用したりして「手作りだけど、劇団発行っぽく」しているの(笑)。
 だからやっぱり、手帳が発売してからでないと、現物が手元にないと、表紙を作れない。

 てなわけで、発売日買いですよ。

 あ、今回は透明カバー外にポケットがついてない。
 2010年版のみ、カバー外に大きな全面ポケットが付いていた。便利といえば便利だが、引っかかって邪魔だったんだよねー。そこから汚れていくし。なくなったのは、やっぱ不評だったのか。

 2009年版にはあった見開きマンスリーページの、縦一列のスケジュール欄が復活。コレがあると現在の公演をラインで書き込めて便利。

 なんつっても巻末のスター情報ページが感慨深い。
 トップのページにはキムが載っていて、2番手のページは半分が入れ替え、まさお、みりお、ちぎが載っている。5組で2番手は6人か……。

 2012年の手帳は、どうなってるんだろうか……。

 
 なんにせよ。

 お茶をこぼしたりせず、きれーに使うぞー。
 しつこく続く、『はじめて愛した』感想。

 クロード@しゅうくんが、かっこいい。
 これほどかっこいい彼を見たのははじめて。
 体格的に悪役を振られることは多いけれど、クロードは大仰な記号的悪役ではなく、「生きた」悪の部分が物語の棘のように存在感を出している。

 最初はいきなり暴力シーン……つっても、殴られている側。
 殴ってるのがジュリアーノ@咲ちゃんで、はっきり言ってごめんよへたっぴだから、「こんなヘタレに殴られてるから、ヘタレ以下の人??」と誤解されそうだ。(ジュリアーノがヲヅキだったら本気でこわかったろうなあ、暴力シーン・笑)。
 まあ、脚をタコのよーにして「うわーんっ」と暴れているギャグマンガの子どものよーなジュリアーノは、他の役者と格が違いすぎるので置いておくとして。
 見るからに格下のバカに殴られながら登場の、クロードさん。
 ジュリアーノがアレだから気付いてなかったけど、敷物に血が飛び散るほどひどい折檻だったらしい。

 どう見たって、強そうなのはクロード。なのにアホボンに殴られ、罵られるまま。
 その気になれば、あのへろへろに遅い拳をかわして、むちむちしたカラダを殴り倒すことくらい、簡単だろう。
 でもそれをせずに、じっと耐えている。

 ジュリアーノに対しては、コミュニケーションを放棄しているらしく、ほとんど話さない。
 だからクロードの立ち位置がわからなかった。
 アホボンに殴られ威張られ、黙して従うのは、アホはアホとしてそんなぼんぼんを好きだからだろうか? 忠義心だろうか? ぼんぼんの親父に義理があるとか?

 クロードはただの「ジュリアーノの手下」とするには目立ちすぎている。
 台詞や出番が多いわけではないけれど、最初から「あれ?」と目をとめたくなるドラマを抱えている。
 カッセル@ホタテが、「刑事の片割れ」にしては目立ちすぎるように。

 ストーリー的に主要人物ではないのだけど、ただの脇で名前もない、刑事とか手下とかでくくられてしまっても仕方ない、そんな役がドラマを感じさせる……そこがツボです。

 キレやすいだけのゆるいおぼっちゃんにえらそーにされ、でもなんかただの端役にしては存在感、レイチェル@あゆっち相手にはぺらぺら喋ってとりつくろって下っ端感、カッセルごときに(笑)にやっつけられちゃう、カッセルともども立ち位置不明感、そして最後のアレ。
 
 最後のアレが、さいこーです(笑)。

 街中で突然狙撃されたジュリアーノ。驚いて駆けつけるけれど、それ以上ではなく。ジュリアーノ本人にどやしつけられ、いちおー介抱するふりはするけど、本心ではなく。
 絶命したジュリアーノに「清々したよ」で、死体放置。

 ただの下っ端にしてはなんか引っかかる、名前もない「手下」ではないのは、これだったのか!
 台詞だけならクロードは、異を唱えずにジュリアーノに従っている。
 だけどなんか引っかかる……彼がどう思っているのか、どんな立ち位置なのかわからない……そう思っていたのは、最後で昇華される。
 だからなのか、と。

 わたし的クロードのツボは、妻帯者であることです(笑)。

 ジュリアーノに言われるんだよね、「レイチェルを見つけてこないと、お前の女房ごと殺してやる」とかなんとか。
 あ、女房いるんだ。
 結婚しているかいないかはともかく、決まった女がいるんだ。

 ひとりものではない。
 ……それが、クロードという男を考えるのに大きく左右するよな。

 ひとりものなら、嫌気がさせばどこへでも行けるかもしれない。自分ひとりが戦い、殺されれば済むなら、反抗も出来るだろう。
 でも、妻がいるなら。
 愛した女がいるなら、そうもいかないよね。
 黙って耐えるしかないよね。リーマンはつらいやね(笑)。

 なんのしがらみも、守るべきモノもないまま、アホボンに仕えているのと、守りたい生活があるから耐えているのとでは、まったくチガウよなー。
 クロードひとりのことなら、ジュリアーノに好き勝手させて不満そうにしていると「それだけの器の男」だけど、妻のためにあえて留まっているなら、今の状態は彼の器とは別に考えられるもんな。

 でもっでジュリアーノのアホさ加減もいいよな。
 自分の愛する女を捜させるために、部下の愛する女を殺すぞと脅すなんて。
 どんだけ無神経かつ、身勝手。
 そりゃクロードにも愛想尽かされるわ。

 余分なことは言わず、死体を放置する姿が冷酷で、プロっぽくで素敵です。

 
 ジュリアーノの手下はあとふたり、ザッキーとレオくん、こちらはキャラ不明、名前はあっても「手下1、2」レベル。
 ナニかやっていたかもしれないが、わたしにはわからなかったよごめん。
 どちらもイケメンで、ジュリアーノチームは無駄にカッコイイ(笑)。

 でもってわたし、やはりレオくんの顔が好きです。
 ナニをしているでもないのに、目に入る。
 声を出すとけっこーあちゃ~な感じなんだがな(笑)。
 台詞無しで舞台横切っていくだけで「あ、今の!」と思う。ポイントはやはり横顔か(笑)。
 で、まだ続いている『はじめて愛した』語り。

 で、まだ続いている、クリッツィ@コマ語り(笑)。

 クリッツィがケンカ弱いとこが好きっす。

 ケンカ弱くて、クロード@しゅうくんにはボコられるわ、駆けつけてきたカッセル@ホタテには一蹴されるわ。
 問題は、クリッツィがケンカに強いか弱いかではないの。

 理不尽な暴力をかざされたときに、逃げるという選択肢がないことなの。

 弱いのに彼は、当たり前に女の子をかばって立ちふさがった。
 とりたてておびえている風でもない。そりゃ勝つ気満々でもないが、ガクブルしながら楯になったわけでもない。

 弱いのは結果であり、これからもクリッツィは当たり前に、女の子を背中にかばうんだろう。
 ……弱いから、なんの役にも立たないにしろ(笑)。
 

 でもってわたしは、カッセルが好きだ。

 彼の「まともさ」が好き。
 相棒のベルモンド@ちぎがあまりに熱血刑事なので、それにつきあわされているカッセルの「ふつうさ」が最初、ナニか裏があるんぢゃねーの?ってくらい、疑わしかった(笑)。
 だってあまりにもカッセルひとりまともすぎて……。他はみんな、リアルだけどナニかしら「フィクションらしいドラマチックさ」を持っているのに、カッセルだけナニもない。んで、ナニもないただのモブ、人数合わせ、刑事はふたり一組だからとりあえずもうひとりいます的な人にしては、目立ちすぎている。
 だから最初は、ナニかあるのかと……(笑)。

 ほんとに、「ただのいい人」で「ふつーの人」で「まともな人」でした。

 …………。
 萌え~~っ。カッセルの、ふつーさ萌え~~!

 あのうるさすぎる相棒持ちながら、あんだけふつーでいられるって、どうよ?!(笑)
 横で高速回転空回りして発熱通り越して火熾ししてるよーなベルモンドがぎゃーぎゃーゆってて、それに引きずられるでなく自分のスタンスでつきあってられるのって、すごい!
 隣では公私混同で目撃者の女の子に惚れて空回りして、オチたり煮えたぎったりしてるのよ。それが仕事の相棒よ? どんだけうざいよそんなの(笑)。なのにカッセル、ふつーについていくし。

 で、ナニ気に強いし。

 本職!って感じに乱暴なクロードを、クリッツィがまったく歯の立たなかった相手を、簡単に転がしてしまうし。

 ベルモンドがきーきーうるさいだけで実は弱そうだから(金と力のない美男の見本)、地味でおっさんくさいカッセルがナニ気に強いところがまた、素敵にコントラスト。

 質実剛健なとこがたまらん。
 あんだけ強くて、威嚇で吠えることもできて、なのにあのベルモンドに従っているとことか。
 従うっていっても部下とか下僕ではなく、ふつーに相棒で、異を唱えることもないから従うっていうか、ほんとうにチガウと思ったらチガウと言うだろうっていうか。

 まともで強い真面目な男が、大暴れヒステリー女@きゃびいに振り回されっぱなしで終わるとことか。

 好みすぎる(笑)。

 
 で、話はクリッツィに戻る。

 レイチェル@あゆっちを守ろうとして、クロードにボコられるクリッツィ。
 転がされながらも立ち上がり、向かっていこうとしているのに……そこに駆けつけたカッセルに、暴漢と間違えられ、ぶん投げられる。
 ……あの可哀想さが、萌え(笑)。
 観客も容赦なく笑うしな。

 クリッツィの素敵なところは、そのことでぎゃーすか騒がないこと(笑)。
 女の子を守ってケガをしながら闘っていたのに、駆けつけた刑事にさらにケガをさせられるってどうよ?
 文句言っても泣き言言っても仕方ないのに、ナニも言わない。

 クリッツィをカッコイイと思うのは、こーゆーとこだ。
 三枚目的に描かれているクリッツィだから、ここで「ひでぇよ」と泣き言を言わせ、カッセルに食って掛からせることは簡単、観客も大笑いするだろう、その滑稽さに。
 だけどそんな描き方はしない。

 クリッツィはナニも言わない。
 腹は立てているが、カッセルをなじることなく立ち上がって、荷物拾って歩き出す。

 で、自分が最初にぶっとばした相手が悪者ではなく、守ろうとした女の子の関係者だとわかったカッセルが、「あ」って顔でクリッツィを見るのも好きだ(笑)。
 舞台上で、台詞で、いちいち詫びたりなんだりで時間を取ることはないが、暗転の間際、クリッツィが積み上げた荷物を、カッセルがいくつか手伝って持ってあげる、あの展開が好き。

 クリッツィは、いちいち謝られたくないのよね。
 男だから。
 自分が強ければ、ひとりでなんとかできていたのに、それが叶わずカッセル登場となった。
 カッセルが現れ、自分を投げ倒したのは、自分が弱かった結果。
 だから自分を暴漢と間違えたカッセルをなじらない、でもムカつくから目も合わせない。

 そしてカッセルは、間違いは間違いだから、悪いと思っている。怒って目も合わせないクリッツィに、詫びの意味で荷物を持つ。
 や、実際「すまん」ぐらいは口にしていると思うし。クリッツィは「別に」ぐらい返していると思うし。

 この、「男」ならではの関係に、萌え。

 
 わたしは、クリッツィのこと最初、アッシュ@マヤさんの仲間だと思っていた。チームだと思っていた。
 だから最後、作戦決行前後の彼の身の振り方に、誰も言及しないのが不思議だった。
 アンリ@りんきらとガイ@キムは、レジスタンス時代からの親友、アッシュもその時代を知る関係者。ナタリー@夢華さんはアッシュの家族。
 クリッツィだけ時代と次元が違う。
 彼は、アッシュがパリで殺人仲介業をはじめてからのつきあいだろう、年齢的にも。
 チームの一員ではなく、フリーの立場のまま、関わっていた。だから作戦が終わればもう関係はない。

 そもそも仲間仲間友情絆とべたべたしない、コトが終われば解散!な関係なんだ、アッシュたち。
 そしてまた、ナニかあるときには力を貸したりするんだろう。

 そんな彼らに関わっていたクリッツィだから。
 一仕事終わって行くあても帰るあてもない。まあてきとーにどうとでもするさ、な彼を、ナタリーが口説く。一緒に暮らそうと。
 ナタリーは今回の件で少し成長したとはいえ、基本が依存心の強いふつーの女の子だ。クリッツィを愛しているというよりは、誰か事情を知っている男と暮らしたかったんだろう、ひとりになりたくなくて。もちろん、クリッツィに好意はあるにしろ。
 そしてクリッツィも、そんなこんな全部わかってて、頷く。それもアリかと。

 
 で、ここで問題なのは。

 ナタリーはアッシュの店を守っていくそうな。てことは、彼女と一緒に暮らすクリッツィもまた、パリに残るということで。

 カッセルと、会うよね?

 クリッツィは情報屋としてのパイプを捨てるとは思えないし、結局はパリの裏社会を泳いでいくのだと思う。
 するととーぜん、パリ市警のベルモンド&カッセルコンビに、今後も関わる公算大よね?

 ……楽しみだ(笑)。
 それでも続いている、『はじめて愛した』の感想。

 クリッツィ@コマが好きだっ。

 アッシュ@マヤさんチームの情報屋。つっても、ばっちりべったり仲間というわけではなく、彼自身はフリーであるっぽい。
 アッシュやガイ@キムを好きで、なんとなく近くにいる感じ。

 コマはいい役者になったな。つか、マサツカ芝居と合うんだろう。ハリー作品のときは空気がチガウ。
 なんかなつかしい、と思うのは、彼がまとう朴訥とした雰囲気が、若い頃のきりやん@『PJ』を思い出させるのか。

 正塚作品は、台詞による情報量が少ない。
 コトバで解説するのではなく、「ああ」とか「うん」とかの短い日常のやりとりで、背後にあるモノを想像させる。
 だから、コトバ以外の部分の雄弁さが、キャラクタを分ける鍵。

 これまでのマサツカ芝居でコマは、台詞も出番も少ない役を与えられ続け、印象的に空気を動かしてきた。テンポだけで客を笑わせる芝居をしてきた。
 段階踏んで着実に前進しているイメージ。
 あれらの役があり、今回のクリッツィ役がある。

 クリッツィもまた、「いつものコマ」に分類できる役だ。
 本人は真面目だけど、客に笑われるまぬけな役。ほっこり息抜き的役割。ああ、なんていつものコマ。

 でもさ。

 クリッツィって、めっちゃかっこよくない? 耽美キャラぢゃない?

 まず、見た目のギャップ。
 単純に、美形です、クリッツィ。
 オーディエンスとして、役と離れて歌ってるとこだとわかりやすいよね、見た目だけならほんとキレイですってば。

 下っ端体質でいろいろとアゴで使われたりケンカ弱くて簡単に転がされたり、しているけれど。
 三枚目的立ち位置にいるけれど。

 ひとりで佇んでいるときとか、主要人物の話をじっと聞いているとき、見つめているときが、やたら美しいですが。

 西洋の教会とかの神像だの彫刻だの美しさではなく、原色と毛皮で塗り分けられたジャングルの神像や仮面の美しさっていうか。
 血と肉と大地を感じさせる、プリミティヴな美しさ。

 土臭いとか泥臭いとか(笑)、そんな意味でもありますが。

 白く美しい教会の像はわたしにとって遠い世界の出来事で、きれいねと思ってもソコ止まりだけど、毒々しい色の大地の面は思わず二度見するっちゅーか手にとってしまうような、吸引力がある。

 なんか、やばいな。
 やばい美しさだ、コマ。

 ひとことで言うと、色っぽいんだと思う。
 ……生々しく。

 おきれいな高尚な美しさは遠く眺めるだけだけど、生々しい美しさはわたしに関与してくる。絡め取ろうとしてくる。だからびびる(笑)。

 持っているモノがエロ気十分なのに、朴訥で鈍くさいキャラを演じている。
 そのギャップに、くらくらくる。
 黙っているときの美しさ、妖しい耽美っぷりと、口を開いたときの下っ端感。それはギャップであり、乖離ではない。
 自然に融合している。
 いや、あの耽美っぷりと下っ端感が、たまらん。それこそが、リアルな色気になっている。

 単純に腕っ節が強いとかクールとか、そーゆーものは美しさとして「わかりやすい」から表現方法として取られがち。
 ケンカ弱いとか、女の子にパシリ扱いされてるとか、マイナスになる要素を持ちながら美しさや色っぽさを醸し出しているから、コマさんやばい(笑)。

 そして、語りすぎないキャラクタ。

 ナレーションで、全解説しないし!(重要)

 ガイはちょーカッコイイ男だけど、モノローグ(録音)でうだうだ言い過ぎなんだよっ。モノローグ全カットしてくれ、その方が絶対カッコイイ。
 あんな解説なくても、短いナマの会話だけでも心情の表現は出来るし、背景だって想像できるし、客だって理解できるよ。……ヅカの客は1から10までコトバで説明しないと理解できないって、マサツカおじさんが絶望している結果があのナレーションの洪水かもしれないが。

 ともあれ、脇役であるおかげで、クリッツィはアホなモノローグをうだうだつぶやかないので、男ぶりが上がってますのよ。

 ナタリー@夢華さん相手に「たぶん、なにか飽きるんだよ」とか語っているところ。
 アレこそがマサツカ芝居の真骨頂だよなああ。
 言葉少なすぎて、ナニ言いたいのかわかんないところ(笑)。

 ヅカファン相手には全部コトバでどう思ったからどうだったとか、解説しなきゃいけないから、主役にはあーゆー芝居はさせられない。
 主役の顔さえ、かっこいい衣装や姿さえ見てれば満足なヅカファンには、無粋なモノローグ(録音)芝居を押しつけておいて、主役ファンがどーでもいーとスルーしているだろう脇に、ずっぽりマサツカ芝居をさせる。
 正塚せんせの上から目線っつーか、悦に入った考え方が透けて見える……よーな気がしないでもないんですが、それでもやっぱ、このわけわかんねーやりとりこそを、もっと見たいと思うな。

 コトバが少ないからこそ、その奥にあるモノを想像する。
 クリッツィという男を想う。

 アッシュの手下みたいな出方をするけれど、チーム入りしているわけじゃない。
 彼自身は、フリー。自分の意志で、アッシュやガイに協力している。
 だからいつでも、手を引ける。ひとりでどこへでも行ける。

 誰にも、依存していないから。

 アッシュにはナタリーという家族がいるし、アンリ@りんきらも妻がいる。
 でもクリッツィには家族も恋人も出てこない。最後、ナタリーに口説かれて彼女の店に居着くことを決めるのだから、その時点まで恋人もいないんだろう。

 クリッツィは、ひとり。なんのしがらみも持たない。

 自由であるということ。
 それは、強さだ。

 自由であるということ。
 それは、孤独だ。

 クリッツィの魅力は、「ケンカ弱いから格好悪い」とかわかりやすいところでは三枚目的に描かれているのに、彼に注目しているとその強さ、格好良さが見えてくるというところにある。
 この多重構造(笑)は、おもしろいわー。好きだわー。

 ナタリーに口説かれて、とりあえず彼女の元に身を寄せるけれど、いつでも彼はいなくなっちゃえるんだろうな。
 ナタリーは弱い女の子だけど、クリッツィは強い男だから。
 強くて、ある意味冷酷な男だから。
 不要になれば、ひとりで出て行く。籠の中には入らない。

 オーディエンスとして、ガイの葛藤を歌で見守っていた、あの硬質な眼差しそのままに。

 自分の翼で飛ぶから。
 地味に続いている、『はじめて愛した』感想、ジュリアーノ編の続き。

 ジュリアーノ@咲ちゃんは、レイチェル@あゆっちの弟を殺した。

 レイチェルはそれに絶望し、自殺まで追いつめられる。

 レイチェルも彼女の母@ヒメも、ジュリアーノを責めるばかりで、もちろんそれは当然なんだが、ほんとのとこ、ジュリアーノは弟を殺すつもりはなかったと思うんだ。
 弟がシスコンでもともとふたりがつきあうのに反対だった、というのはわたしの妄想だが(笑)、それ以後、ジュリアーノがギャングだとわかったあと、弟がふたりがつきあうのに反対していたのは物語からわかる。
 
 殺すつもりはなかった。
 ジュリアーノは基本、レイチェルの嫌がることはしたくないんだ。
 喜ばせたいと思っているんだ。好かれたいと思っているんだ。
 なのに、弟を殺すはずがない。
 母子家庭で育ち、家族を愛している、ふつーの娘なんだから。
 愛する女の子の、弟を殺したいはずがない。

 だけどジュリアーノは、キレやすい性格で。キレたら即暴力、即拳銃。ギャングの若様として、そーゆー環境で育ち。
 レイチェルと別れろと言う弟に、ついかっとなって……うっかり、殺しちゃった。
 そんなつもり、なかったのに。

 弟のことでなじられると、ジュリアーノはバツの悪い顔をする。最初からレイチェルを脅すための「見せしめ」として殺したのなら、そんな顔する必要ない。
 殺すつもりはなかった、彼女を泣かせるつもりはなかった。なのに、自分の落ち度でそんなことになってしまった。だから、痛いところを突かれた、という顔をする。そして、キレる。
 間違いを指摘されたら認めたり謝ったりするのではなく、威嚇したり暴れたりして誤魔化して来たんだね。
 誰も彼を叱ってくれなかった。謝り方を教えてくれなかった。
 だからジュリアーノは、暴れ続ける。
 大切なモノを傷つけて、自分も傷ついて。

 
 レイチェルママとジュリアーノの場面が、わざわざあることを考える。
 ヒメに役を付けるため・出番を作るため(笑)とかゆーことは、置いておいて。
 別にレイチェルの母親を出す必要はないんだ。出したとしても、ちらりとでいい。ジュリアーノが母親を人質にしているとわかる程度で。
 なのにわざわざ、しっかりと1場面使って、ふたりのやりとりを見せている。

 それによって、台詞だけで「オマエが逃げたら、母親がどうなるかわからないぞ」と言わせるのとは、違ったモノが見えてくる。

 ジュリアーノがギャングだとバレていなかった頃、彼は当たり前にレイチェルの家族ともつきあっていた。ママにもかわいがってもらっていた。
 ギャングだとバレた途端手のひらを返され、そのことにジュリアーノが傷つくほどには、仲良くやっていたんだろう。
 嫌いな相手、どーでもいい相手に「ギャングだからキライ」と言われても、ムカつきはしても、ショックは受けないだろう。生まれてからずーっと同じ台詞は表で裏で言われ続けていただろうし。
 ママに「ギャングだから」と否定され、ジュリアーノは「痛い」表情をする。一瞬、深く傷つく……すぐにアタマ悪くキレて吠えるけれど。

 ママはたしかに人質で、レイチェルを捕まえておくためのエサなんだうけど。
 スパイ物とかでよくある「母親の命が惜しかったら組織に協力しろ」ネタの場合、母親はどこか遠くに監禁されていて、顔も見られないのがデフォ。「母は元気なの? 会わせて、声を聞かせて!」「お前が命令に従えば会わせてやる」……で、大抵すでに人質は殺されてるのな。死んだという確証がない限り、命令に従うしかないから。
 大人ひとりを生かして見張り続けるのは大変だよ? そんな労力払うくらいなら、殺して「生きている」と思わせる方が遙かに楽。
 ママは地下牢に監禁されているわけじゃなく、ふつーにアパートかなんかで暮らしているわけでしょ。
 そんだけややこしいことを、お金と労力使ってやってるのは、ひとえにレイチェルのため。

 ジュリアーノは、レイチェル自身もだけど、彼女を形作った彼女の背景も愛していたんじゃないかな。

 やさしくてこわいママがいて、美人の娘がいて、生意気な弟がいて。
 「ただいま」と言って、帰る家。

 レイチェルがママにハグして、夕飯の支度を手伝う話をして。紹介されたジュリアーノは、場違い感に棒立ちしていて。椅子を勧められて、あわてて坐って。
 キッチンから聞こえる母と娘の会話や、豪華ではなくても大切に整えられたインテリアを眺めて、時折声を掛けられたら居住まいを正して。
 帰ってきた弟にねめつけられて、睨み返して。こいつ気にいらねえ!と双方思って(笑)。
 家族みんなで囲む食卓、他愛ない日常の会話。
 レイチェルがレイチェルとして育ってきた場所。彼女が笑う場所。

 母親を殺すことだって出来た。でもあえて生かした。家や金を与え、ナニ不自由ない生活をさせた。
 弟を殺すつもりなんかなかった。いろいろとうるさいヤツだったけれど、殺したいとは思ってなかった。あんなに突っかかってこなけりゃ、ナニもしなかったんだ。
 ただ、レイチェルが欲しかった。彼女に、喜んで欲しかった。笑って欲しかった。愛して欲しかった。

 子どもの癇癪まんまにレイチェルを探し、探させ、ガイ@キムの家でよーやくレイチェルを見つけたときの、うれしそうな顔。

 ただ、会いたかったんだ。会えてうれしいんだ。そんな顔。

 
 ジュリアーノはほんとにどーしよーもないアホボンだけど。
 こんな男に人生費やすのは無駄でしかないと思うけど。

 「ギャングに生まれたのはオレのせいじゃない」「だからオレは悪くない」「オレはナニもしなくていい」と、なにひとつ現状を変える努力はせずに、責任転嫁して暴力をふるうだけ。
 まともな人間関係を一切築けなかったから、いちばんの部下にも「清々したよ」と見捨てられる。
 それがとーぜんの、どーしよーもない男だけど。

 ジュリアーノのどーしよーもなさの中に、いたいけな子どもの顔が見え隠れするから、切ない。

 そんなふうにしか育つことが出来なかった、いびつな子どもの悲しさが。哀れさが。

 レイチェルと結婚して、「家族」を作りたかったよね。
 「ただいま」と言って、帰りたかったよね。
 地味にまだ続いている、『はじめて愛した』感想(笑)。

 ジュリアーノ@咲ちゃんに足りていない部分が山ほどあること、成長する未来があるにしろ今この時点で、この舞台上においては足りなさが丸見えでいろいろと残念なこと……は、置いておいて。

 ジュリアーノ萌え。

 ジュリアーノは大学時代、ギャングのぼっちゃんだってことを隠して、レイチェル@あゆっちとつきあっていたという。

 あのー。

 隠せないだろ、性格は。

 出自はたしかに、言わないとわからないかもしれない。手下も遠ざけ、屋敷を出て、ひとり暮らししていたら、誤魔化せるか。
 でも、あの尊大な態度、キレやすい性格は、変えられないだろ。
 ただの知人とかクラスメイトなら、がんばって作った外面(が、あるのか?)しか見ないかもしれないけど、恋人としてつきあったら、どうしても出るだろ、元の性格が。
 完璧に別人を演じられるよーなスキルはないよ、ジュリアーノ。バカ丸出しだよ、ジュリアーノ。
 彼が外面を作っていたとして、純粋に接している時間の長さに比例して、バレたと思う。気に入らないことがあると瞬時にキレ、即暴力、という性格が。

 現在のレイチェルが可哀想だから誤魔化されそうになるが、別にジュリアーノは出会ったときから暴力で脅して拉致していたわけではない。
 昔はふつーにラヴラヴだった、つきあっていた、というから、わからなくなる。

 ラヴラヴだったころって、レイチェルはジュリアーノのこと、どう思ってたの?

 ちょっとわがままでキレやすい、大金持ちのおぼっちゃま?

 高級品身につけてるしぃ、車持ってるしぃ、会うたびブランド品プレゼントしてくれるしぃ、デート豪華だしぃ。
 玉の輿じゃん♪ と、喜んでたとか……? 母親@ヒメも歓迎してたっぽいし。

 それがセレブじゃなくギャングだとわかって、手のひらを返した……?

 そりゃ、ジュリアーノぢゃなくてもキレるわ。

 本人に罪のない、生まれの問題で切られたんじゃあねえ。手のひら返されたんじゃねえ。
 まあ、ほんとのとこレイチェルは、そこまで打算でつきあっていたわけじゃないでしょうが。

 実際問題として。
 「お金持ちでキレやすいおぼっちゃん」のときは、わがままで暴力的なところが「素直で自分に正直、子どもっぽくてカワイイ」と思えても、ギャングだとわかったあとは「凶暴で危険、ナニをされるかわからない」と思えるのは、仕方ない。
 人間として、リアルな心の動きだと思う。
 同じように「思い通りにならないとキレて殴る」行為が、セレブなら許されても、ギャングなら許されない。
 セレブだと思っていたときはイイ顔して、ギャングとわかって恐怖と軽蔑を突きつける、レイチェルとその母の行動は実にありがち、仕方ない。
 リアルですよ、ええ。誰だってアナタだって、そうでしょ?てなもん。

 しかし、現実的にはそうであったとしても、フィクションで、恋愛モノで、ヒロインで、「カタチや肩書きに左右されて、態度を変える」可憐でやさしいキャラ、つーのもなあ。大変だなあ(笑)。

 その後レイチェルはガイ@キムと出会い、彼が殺し屋とわかっても愛するので、肩書きが問題ではないとわかる。
 ギャングだからってのはきっかけに過ぎず、性格的にジュリアーノを嫌うようになったのだろうとは思う。
 ジュリアーノがギャングでなく、セレブであったとしても。母親が「玉の輿よ! どこが不満なの!」と騒いだとしても、レイチェルはいずれジュリアーノと別れたと思う。
 でも、彼女が態度を変えたのはジュリアーノがギャングとわかったときであり、また、彼を嫌だと思うすべての理由をそこに集約させている。や、その通りだろう、ジュリアーノが暴力的なのもキレやすいのも我慢を知らないのも、全部彼がギャングのおぼっちゃまとして育った所以だろう。
 だから彼を否定する理由として「ギャングだから」とするのは仕方ないんだが……ジュリアーノからしたら、納得いかんだろう。

 今までふつーにつきあってきた、恋人同士だった。なのに、ギャングだとわかったら、別れ話。
 こりゃひどい。

 
 レイチェルの心の動きはリアルだし、実際ジュリアーノはひどい男だし、当然っちゅーか、仕方ないと思える展開。
 それでも、ジュリアーノを可哀想だと思わせるものが、咲ちゃんにはある。
 
 クロード@しゅうくん相手に吠えているとことかは、ギャグマンガの脚をタコのようにばたつかせているガキにしか見えないんだが(笑)、そのあとレイチェルママと話しているときに、すごくいたいけな顔をする。

 ギャングだってことを知らなかった頃、ママは今とはまったくチガウ態度だった。
 ジュリアーノのことを、娘の彼氏と認めていた……かわいがっていた、んじゃないか?
 カラダが大きくてわがままで裏表のないジュリアーノは、変にスレた学生たちよりも純真に映ったんじゃないか?

 昔はちがったじゃないか、と笑おうとするジュリアーノに、ギャングだと知らなかったからだ、と返すママ。凍り付くジュリアーノ。
 その傷つきっぷりがね。
 意味もわからず母親に殴られた幼児のようで、主人に殴られた犬のようで。

 愛を、存在を、否定された。
 その痛みが、ストレートに伝わる。

 ジュリアーノがあんまり純に傷つくもんだから、想像してしまうのよ。
 ギャングだと知らなかった頃、ママはすごくやさしかったんじゃないかって。やさしいだけじゃなく、いけないことをしたときはぴしゃりと叱られたり……それがまたこわかったり。
 ふつうに、「母親」として。
 ジュリアーノはレイチェルも大好きだけど、彼女の家に遊びに行くのも好きだったんじゃないかって。ママにやさしくされたり、叱られたりするのも楽しみだったんじゃないかって。

 弟とは仲悪かった気がする(笑)。
 弟は絶対シスコンだし。決めつけ。「あんな乱暴者、やめとけよ」ってレイチェルにことあるごとに言って、ジュリアーノにもつんけんして。
 弟とジュリアーノがケンカになって家の中走り回って、ママが雷落として。
 一緒にごはん食べて。弟とジュリアーノは目が合うとふんっとそらして。弟は高校生くらい、そしてジュリアーノは弟かそれ以下の精神年齢(笑)。

 好きだったんじゃないかな。
 いけ好かない弟(笑)も含めて、レイチェルの家が。家族が。

 単にレイチェルと過ごしてきた時間だけでなく、家族とのふれあいも全部否定されたから、ことさら暴挙に走るはめになったんじゃないか。
 ただ、生まれの問題だけで、なにもかも否定されて。

 
 続く。
 お笑い刑事役、と身も蓋もない形容をしたが、ベルモンド@ちぎが好きだ。

 どうしよう、『はじめて愛した』って、キャラがいちいち好き過ぎる(笑)。

 2回目を観に行ったときに、観客の反応でいちばん驚いたのが、ベルモンド@ちぎだ。
 笑われまくってます。
 初日では笑いの起こらなかったところでも、がんがん笑いが入る。

 ちょっと、ぽかーん。

 ちぎくんの演技が変わったわけじゃない。「笑わせよう」と滑稽になったわけじゃない。
 変わったのは、観客の方。

 笑っていい役だと、認識されたんだ。

 初日は観客も手探りだから。『はじめて愛した』ってドシリアスで笑っちゃいけない芝居だよね?みたいな先入観もあるし。
 ベルモンドが同じことをしていても、初日はしーんとしていた。笑っていいとは誰も思ってなかったから。
 なんかスベってる役だなあ……可哀想だなあ……おかしいなあ……でも、ちぎちゃん美形だし刑事だし、コマはいつものコマだから笑ってイイとわかるけど、ちぎちゃんのことはどうなんだろう。みたいな?
 小さな笑いは起こっていたけど、局地的だった。

 でも最後まで観て、結局ベルモンドって空回りした可哀想な刑事で、お笑い担当じゃん?!とわかった。
 『はじ愛』自体2幕はかなりコメディ入ってるっちゅーか、笑ってイイ作品だとわかった、これなら安心しておかしいところで笑える!
 てなもんで。

 「笑ってイイ」と観客が判断したため、ベルモンドはお笑いキャラになっていた。

 わたしは「くすっ」ぐらいはあっても、爆笑するよーな役だとは思っていないので、ガツンガツン笑いの入る客席にちょっと置いてきぼりをらいましたが、まあそれもアリかなと。
 ベルモンドが笑われているのは、彼がかわいいから。中の人が愛されているから。
 ちぎくんを好きな人からすりゃ、彼がナニやってもかわいい、うれしいわけで。そんな人にとってベルモンドのかわいらしさはもお、声に出して笑わずにはいられないわけで。
 笑いは笑いを呼び、「笑ってもイイ」空気はさらなる笑いを呼ぶ。とくにどーってことない場面や仕草にも笑いが起こる。……これが行きすぎると、「TPO関係なく、出てくるだけで客が笑う」になるんだけど、さすがにちぎくんは美形で2番手だからそんな芸人扱いまでは行かず、ぎりぎり踏みとどまる。
 愛のある笑いはイイですよ。

 
 ちぎくんは美しい。
 昔っから美形だが、それにしても今の彼の美しさってナニ?! パネェよマジで!!状態。

 そんな彼が演じる、報われない空回り刑事。
 これがもお、もおっ、たまらん萌えだっ。

 タカラヅカばんざい、タカラヅカってすごい。

 ベルモンドは最初から最後まで空回りし続け、ヒロインに相手にもされない……どころか、敵認定までされてしまう。彼自身は善良で真面目で一途で正しい人なのに、まーーったく報われない。
 ふつーのドラマなら、この役は「愛嬌のある三枚目俳優」が演じると思う。伊藤淳史とか大泉洋とかあたりの。

 なのにヅカでは、超美形のちぎくんなんですよ。
 顔立ちの整い方でいえば主人公のガイより上なのに、空回り振られ役なんですよ。

 でもって、愛嬌系個性系の俳優が演じても十分かわいい役なのに、美形様が演じてしまうもんだから、かわいさ倍増。

 あんだけカッコイイのに美形なのに、あの報われなさはナニ。
 真面目で一途で正義漢で、ナニも間違っていないのに、あの間の悪さはナニ。

 かわいくてかわいくてたまらん。
 見ていてハァハァする(笑)。

 てゆーかこの役、さいこーだ。
 贔屓にやって欲しい。
 わたしのツボ直撃です、ベルモンド。

 わたしは樹@『天の鼓』が好みすぎて身悶えた人間です。「真面目で一途で可哀想な凡人キャラ」は大好物です!!
 ベルモンドを贔屓が演じたら悶絶してると思う、客席で。
 大好きすぎて、大騒ぎしていると思う。
 贔屓はちぎくんほどの一般的汎用的誰が見ても安心な美形ぢゃないが、それでもイイ味は出してくると思うし。

 「この役を贔屓で見たい!」と思うのは、思わせてくれるのは、そんだけ今のベルモンドが、ちぎくんが素敵だから。美味しく見えるから。
 いいなあ、素敵だなあ。

 
 ただ「かわいい」ってだけじゃなく、ベルモンドは悲しく、ある意味「痛い」キャラクタである。
 そこがまた、わたしのツボなんだ。

 正しいはずのベルモンドは、誰も救えない。
 彼自身あんなに一生懸命なのに、誠実なのに、なんの力もない。
 刑事としても、ひとりの男としても、レイチェル@あゆっちを救おうと必死なのに、なんの役にも立っていない……ガイ@キムに簡単ぷーに利用されたぐらいか、彼の使い道、役に立った部分って。

 人生って、世の中って、そんなもんだよね。
 誠意だけで、ナニかできたら、苦労はないよ。

 努力とか愛とか正直とか、そんなもんで成功できるのはフィクションの中だけだよ。

 それが現実だとわかっているから、その現実の中で喘いでいるベルモンドは、痛くて悲しい。
 ベルモンド自身は最初ガイの正体を知らないし、レイチェルのキモチが動いていることも知らないし、最後はだまされて踊らされていることも永久に知らないままだしで、自分の無力さに落ち込みはしても、自分を滑稽だと思うことはないだろうけど。
 観客としてすべての出来事を見ている者からすりゃ、ベルモンドは滑稽でしかなくて。
 誠実に生きているだけの彼が滑稽に見える、その「現実」の残酷さを「痛い」と思う。

 正直者が馬鹿を見る。
 ベルモンドを表す言葉ですよ。
 ひどいよ、こんなのおかしいよ。なんでベルモンドがバカな笑われ役なの、不幸に終わるの、彼こそが成功し、幸福になってくれなきゃおかしいよ。
 理不尽だ。悲しい。悔しい。

 そう思えるキャラクタ。
 ええ、それこそが、萌え。

 ほんとにもー、ベルモンドがかわいすぎる。
 彼の善良さと報われなさがたまらん。しあわせになってほしい(笑)。←笑うのか。
 いやほんと、不幸なとこがたまらなく好きだったりするのね。

 ベルモンド主役でスピンオフ見たいなああ。
 彼がまた、盛大に空回りするのー。んで、そんなベルモンドに、相棒のカッセル@ホタテくんが振り回されるのー。うっとり。

 趣味に走りまくった続編という名の二次創作を脳内で繰り広げると、ガイも登場します、だってわたしガイ好きだから! ガイとベルモンドはもっとちゃんと絡めるべきだと思うの、絶対おもしろいと思うの、あのふたりの温度感。
 ベルモンドのあのしょぼい花束につっこまないガイのクールさっちゅーか、なまあたたかくスルー、半目な感じがいいのよー(笑)。
 高温でくるくる空回るベルモンドを、ガイがてきとーにいなして、マイペースになんかやってるとことか、見たいわー。んで、ぎゃーすかゆってるベルモンドが「聞いてるか?」と言ってきたら、すかさず「聞いてるよ」と答える。んでまたベルモンドがぎゃーすか言い出したらガイはよそ見。「聞いてるか?」「聞いてるよ」「よし、じゃあ行くぞ!」「ああ」「ふたりいればこわいものナシ……って、ちょっと待て、どこ行くんだ、置いていくな!」みたいな(笑)。ガイにはなんの他意も悪意もナシ。ベルモンドが空回ってるだけ。

 でもって今回ほんと、ちぎくんが水しぇんに見えて、びびった……。
 こんだけ声が似てると心臓に悪い……。
 そもそもの間違いは、スナイパーに素手で殺しをさせようとしたことだと思うの。

 殺し屋が、仕事現場を目撃されてしまったことからはじまる物語、『はじめて愛した』

 目撃者は殺す、口を封じる。それはお約束。
 だけどガイ@キムは、レイチェル@あゆっちを殺せなかった。
 何故ならレイチェルは、記憶を失っていたからだ……!

 ってことなんだけど。
 レイチェルの収容されている病院に、ガイが口封じに行くところ、違和感ばりばり。

 ガイは元狙撃兵で、今も狙撃専門の殺し屋。ビルの上からライフルでターゲットをヒットするのが仕事。
 そんな彼が、なんで素手で殺しに行くの??

 わざわざ黒手袋して、眠っているレイチェルに……って、絞殺??
 サイレンサーでプシュッですらなく?

 引き金を引く殺人と、その手で首を絞める殺人は、内容が違いすぎる。
 ぶっちゃけ、スコープをのぞいて引き金を引くことはできても、ナマの腕で人は殺せないんじゃないの? 伝わる感触がぜっんぜんチガウよ?
 一発で即死させる狙撃と違い、首絞めたら相手抵抗するよ? もがくよ? 体液ダダ漏れするよ? 音も臭いもないスコープ越しの世界とは違いすぎるよ?

 ガイはスナイパーなんだから、病室のレイチェルを遠くから狙撃するのがセオリーでしょ? 目撃者だという確証もないから、ろくな警備もされてなかったんだし。

 罪のない目撃者を殺すことに躊躇があるにしろ、それならなおさら、苦しませずに一発でしとめないか? 加えて、病院に忍び込んで殺害すれば、目撃者をさらに増やすおそれがあり、「殺さなければならない罪のない目撃者」がネズミ算式に増加するかもよ?
 そんなバカなことを、プロの殺し屋がしますか?

 マサツカせんせの設定の穴に、最初からつまずきまくりです……(笑)。
 
 でもま、手袋をはめるガイがカッコイイので、無問題。

 
 とゆーことで、「ガイがカッコイイ」話の続きです。

 全編通して格好いいけど、そのなかでもツボに入ったところだけ。

 ライフルを構えていたり、殺し用の手袋装着だったり、「殺し屋」としての姿が美しい、ってのはある。
 それがなんであれ、「プロ」の動きは美しいやね。

 また、実際の戦闘……アクションがカッコイイ、てのはある。
 やっぱ人間、「強い」てのは格好いいのだわ。
 簡単に殴り倒されちゃうクリッツィ@コマは観客に笑われるけれど、バカ息子@咲ちゃんを殴り倒しちゃうガイはカッコイイ。

 それは当たり前のことなんだけど、だからハリウッド映画でも少年マンガでもアクションシーンが念入りに描かれるわけなんだけど。

 そんな「物理的に腕っ節が強い」格好良さを前提として、さらにツボなのが、その「前提」っぷりなの。

 自宅でバカ息子を撃退したあと。
 話しながら、ガイがごくふつーに、ひっくり返った椅子だのスタンドだのを直しはじめるのが、イイ!!

 こっちは丸腰だってのに銃を見せびらかすバカギャング相手に一戦交えて、記憶喪失だとか刑事だとかいろいろありまくって。
 ものすげー大変だったはずなのに、ガイは「日常」の家具を直している。

 別に、大変でも危機でもなかったんだ?
 ガイにとっては「日常」を覆す、取り乱してわけわかんなくなるよーな事態では、まったくなかったんだ!
 という、格好良さ。

 スタンドは元に戻せば済むけど、椅子の脚が折れているのを見て軽く溜息つくのが最高ですねっ。
 ナニその落ち着きっぷり!!

 
 それと、もうひとつ。
 2幕になってから、アッシュ@まやさんが組織に狙われた、それはみんなレイチェルを生かしているせいだ!!と逆恨み逆ギレしたナタリー@夢華さんが、レイチェルを狙う場面がある。

 それに対し、ガイは説得を試みる。
 撃つな、レイチェルを殺したところで組織的にはナニも変わらない、アッシュが危険なのは同じだ、と。それより他に手を打つべきだ、と。

 銃を構えた冷静ではない女の子を説得するのは命がけ。
 ガイの腕ならナタリーを射殺することなんてたやすいだろうにそうはせず、真摯に語り続ける。
 ……てのがカッコイイ、とは思う。しかしこれは前哨戦。

 ときめくのは、彼が突然、「撃つなよ!」と叫ぶところ。

 ナタリーに言ってるんじゃないの。
 ナタリーに銃の照準を合わせている、アンリ@りんきらに言っているの!!

 アンリはガイを助けるために、やっているの。
 ナタリーが引き金を引こうとしたら、その前にアンリがナタリーを射殺するつもりなんだ。
 それがわかっていて、ガイは言う。「撃つな」と、アンリに。

 アンリが狙っていることなんて、ガイが言うまで誰も知らない。
 この場にいないアンリの気配を察して、先回りして牽制するのよ。

 も、役者がチガウって感じ。
 ナタリーがいくら銃口突きつけてすごんだって、格が違いすぎて話にならない。

 ここのアンリもまた、格好いいんだ。
 撃つなと言われても、銃口ははずさない。いつでも撃てる体勢で、姿を現す。
 ガイの言葉を尊重して現時点で発砲はしないけれど、退く気もないんだという意志。
 自分が銃口を向けている相手が、仲間だったアッシュの家族だと知っていてなお、「敵」ならば容赦しない、その冷酷さ。

 ガイとアンリが「プロ」同士であることがわかる。
 そして、お互いを思い合っていることも。絆がそこにあることも。

 うわーーーっ、カッコイイ~~!!

 
 多くは語らない、動作の中で、出来事の中で、男の格好良さを語る、これぞマサツカ節!(笑)
 男の友情はいいよなあ。
 てゆーかこーゆーのを、キムちぎでやってくれよ(笑)。さぞ美しいだろうに……(今回のお笑い刑事役ってば……)。

 いやその、アンリが美貌の男でない、イケてない太ったおっさんだっつーのが、実にリアルに「男の友情」って感じでイイんですけどね(笑)。

 
 修羅場をくぐってきた男だからこそ、あちこちに「本物」の強さが見える。
 ガイ本人はそれをことさら強さだとは思っていない、「当たり前」「日常」だと思っている。
 ソコが、カッコイイのっ!! 力説!

 
 正塚せんせの描くカップルたちは、「数年後には別れてそうだな」と思える人たちが少なくはないんだが(笑)、ガイとレイチェルはふつーに幸福に一緒になっていそうだ。
 それはひとえに、ガイのあたたかさゆえだと思う。

 マサツカ節な主人公はあんまし女を幸せにしそうにないし、ガイだって脚本だけでいうならひどい男だ。
 それでも彼の愛を、未来を信じたくなるのは、彼に体温があるからだ。

 中二病全開にうだうだモノローグしていても、彼の魂には健やかさがある。
 陰は陰として肯定して、そのうえで前を向いて歩いていく強さがある。あたたかさがある。

 彼が、やさしい男だと、わかるから。

 あのやさしい男が愛を誓うなら、きっと女は幸せになれるだろう。

 そう、素直に信じられる。

 だからガイは、こんなにカッコイイんだ。

 ビンゴ必勝法って、ナニかありますか?

 ブログ周回遅れ更新がつらい、書くネタは決まっているのに、カレンダーに予定書き込んであるのに、書くヒマがない。

2010/10/22

宝塚大劇場特別企画 【第五回】雪組出演者による「SNOW ドリームトーク&“BINGO”」

【イベント開催日】
2011年1月28日(金) 17:30~予定
※詳細スケジュールは決定次第ご案内いたします。
【会場】
宝塚大劇場内メインロビー
※当日は立見でのご観覧になります。
【抽選対象期間】
2011年1月1日(土)~1月13日(木) ※貸切公演を除く16公演
【イベント参加者抽選方法】
抽選対象公演期間中、毎公演抽選にてご当選者を選出いたします。
幕間に劇場改札付近の特設掲示板にてご当選者の席番号を発表させていただきます。
※引換期限は抽選対象公演日のみです。翌日以降は無効とさせて頂きます。
【イベント内容】
出演者とMCによるトーク&ビンゴゲーム
【出演者】
(雪組)音月 桂、未涼 亜希、緒月 遠麻、早霧 せいな、舞羽 美海、夢華 あみ

 雪組だけやたら人数多いな(笑)。

 イベント出演なんて何年ぶりですか、まつださん。
 見たいよ見たいよ見たいよ。

 だがしかし。
 参加できるとは思えない……。わたしのくじ運のなさときたらもお。

 しかもこの参加者抽選方法って、チケットの座席番号で、でしょう? 確率低すぎだよ。
 あ、そうか、チケット売れてない日を選んで行けばいいんだ。2000人が抽選参加する日より、1000人しかいない日の方が、確率はどーんと上がる!
 と考えて、肩を落とす。花組バージョンのとき、何回機会があったことか、そしてハズレ続けたことか。客席あんなに寂しかったのに……ゲフンゲフン。いやそれでも『虞美人』よりは人口密度があったけれど……ゲフンゲフン。
 ほんっとわたし、くじ運ないのよ。
 唯一、同じ抽選方式だった『AQUA5ライブ』は当たったけど、友人に進呈して自分では行けなかったしな……自分が行く場合はほんっと当たらないもんよ。

 そーやってなんとか当選し、ビンゴに参加できたとして、まっつの賞品Getできる確率って、どんだけ……?

 宙組ビンゴの、みっちゃん賞品を欲しい友人が騒いでいるようですが(笑)、ビンゴって参加者側からは働きかけの出来ない、戦術も駆け引きもナニもない、ただの運任せゲームぢゃないですか。
 幸運な人しか幸せにはなれないのです。

 わたしは某サイトのビンゴゲームに毎回参加してるんですが、今までビンゴできたのはたった2回、しかも最終日にアイテムによるドーピングでよーやく、ですよ? 自力では一度もビンゴできてない、参加し続けてもうずいぶんになるのに。
 そこのビンゴゲームはアイテムによる駆け引きがあるので、どこでどのアイテムを使うかで、多少は自分の力も加わるんだけど。
 ふつービンゴって、こちらからナニも出来ないし。
 わたしのくじ運ぢゃ、無理……。
 40人しか参加者のいないお茶会でも、半数の人がなにかしら当たっていても、わたしはナニも当たらない、そんなくじ運ですから(笑)。ヅカヲタ歴22年で、貸切公演で縦列ごとに当たるサイン色紙すら、なつめさんフェルゼンが1回当たったっきり、しかもそれは見ず知らずの人に右から左にあげてしまって手元にナニも残らず、だったりする、そんなくじ運ですから(笑)。

 
 あまりに遠き道のりに目眩を感じつつ。

 現実的なところでは、スカステで、素顔まっつの賞品解説が流れることに、今からわくわくしておりまつ。

 まっつまっつまっつ。
 ガイ@キムがかっこいい。
 としか書いていない気もする、『はじめて愛した』

 でもそれが最重要なので、ソレについてまだ書く(笑)。

 また記憶喪失モノなのかよ。
 ってことで、プゲラな思いで公式の「あらすじ」を見たの。読むというより、「見た」。予備知識いらない派なので、ちゃんと読んではいない。

 最初の1行しか、まともには読んでなかったと思う。

> 一匹狼の殺し屋バードは、表向きはガイ・コンスタンティンと名乗るフリー・カメラマンを装っていた。

 あー、はいはい、殺し屋ねー。
 この1行ですでに、あらすじを読む気がなくなる(笑)。

 そんでもって、実際に舞台を観て。
 キムらしくない、ぼそぼそとした暗い喋り方のモノローグが続いて。
 なんか鬱屈した世界がそこにあって。
 キムらしくない、大人のかっこいーちょっと枯れた風情の男として、踊っていて。

 そして。

 その闇を感じさせる、でも病みきってはいない「健やかさ」を根底に持つ男が言うんだ。

「俺の名は、ガイ・コンスタンティン。裏の呼び名は、バード」

 や、ここも台詞ではなく、モノローグなんだけど。

 ここでたしか、振り返るのね。顔を見せるのね。ここからが本番、本編スタート!てな。

 あらすじとチガウやん!!
 
 あらすじは、「一匹狼の殺し屋バード」が「表向きはガイ・コンスタンティンと名乗っていた」なのよ。
 これには「あー、はいはい」だったのよ。
 でも実際は逆やん。

 ガイという、心に闇を抱えた男。
 それはあくまでも、ガイという男。
 中心はカメラマンとして生きながら、裏の名前と生き方を持つ、そんな自分に意味を見出せないでいるガイという男じゃん。
 あらすじを見ると、「殺し屋バード」が本来の姿で、「ガイ」は仮の姿だ。
 でも実際は逆、ガイが本来の姿で、殺し屋はあくまでも裏……本来の彼ではない、いびつな部分の話だ。

 心は闇、踏みしめるのは煉獄に続く大地。
 そんな男が、振り返ってつぶやく。
「俺の名は、ガイ・コンスタンティン。裏の呼び名は、バード」

 翼を持たない男が、もうひとつの世界でのみ、翼を持つ。
 あくまでも、裏。
 真実ではない。

 虚構の世界でのみ彼は、鳥になる。

 翼を持たない、地を這う者だからこそ。

 翼を、欲する。

 
 すみません、すでにココで、相当キてます。
 ハートに矢が突き刺さってます。

 「裏の呼び名は、バード」……呼び名ですよ、本名ではなく、名前ではなく、ただの呼び名、記号、その場限りのモノ。

 彼は本来鳥ではないから、飛べないから、だからこそ、「手に入らないモノ」を「その場限りの名」にしているのですよ!! 呼ぶときの音でしかないわけだから、「消えモノ」なんですよ、ナニもない、消えてなくなる仮の名に、はかないあこがれをこめているんですよ。

 ナニその闇っぷり! ナニその痛さ!

 生き方を見失ったまま、殺し屋家業をすることになって。
「で、これからオマエをなんて呼べばいいんだ?」
 とか、アッシュ@まやさんに言われて。
「別に。ガイでいいだろ」
「それじゃまずい。別の通り名を付けるべきだな」
「なんでもいい……そうだ、バード。バードでいいよ」
 この、「なんでもいい」のあとの「……」で、遠い目をして、窓の外を白い鳩が飛んでいくのを追うともなしに、目で追って。

 「そうだ、バード」と、うつろにつぶやいて。
 「バードでいいよ」と、ナニかを失った少年のように言うの。

 もちろん、マサツカだからまやさんだから、この「なんでもいい」のあとの「……」の間に、アッシュはひとり勝手に「強そうな名前がいいな、いや、神秘的な方がいいか」とかいつもまやさんの調子でいろいろ名前を言っていて、観客を笑わせてるのよ。でもガイはおかまいなしに自分の世界に入っているのよ。
 だからアッシュは、
「バード? そんな陳腐な名前でいいのか?」なんて無神経にも言っちゃうのよ。
「いいよ、陳腐で」
 自嘲するように、突き放すように、笑うの。
 ……ガイは。

 って、そんなストーリーまで、どどどっと脳内走るんですが?!

 「一匹狼の殺し屋バード」が「表向きはガイ・コンスタンティンと名乗っていた」とは、まったくチガウ話なんですが?
 あらすじでプゲラして、なめてかかっていた分、最初からガツンとやられまして。
 そっから先は姿勢正して観ちゃったよ(笑)。

 
 実際、誰も彼を「バード」とは呼ばないの。
 彼は「ガイ」であって、バードなんて、どこにもいないの。

 虚構の存在なのよ、「バード」って。
 引き金を引く、そのときだけ存在する「役」なのよ。

 ガイはバードの行う「殺人」に疑問を持っている。
 だけど汚れた自分を知り悩む彼が、痛みや苦悩から解き放たれるのは、彼が「バード」として獲物を狙っているときのみ。

 「バード」であるから苦しみ、「バード」であるときにのみ、苦しみを忘れる。
 逃げ場のない、泥沼。

 その苦悩の根元が、彼が切望しただろう、翼……鳥という名を持つ。
 その皮肉、苦み。

 そんな苦い名を、自分で名乗る彼の抱える、闇。

 でも彼は、根底まで病んでいるわけじゃないの。彼の魂は強く、「健やかさ」をたしかに持っているの。
 だからこそ、痛いの。
 本来の彼がいるのは、ここではない。ナニかまちがって、ここにたどりついてしまったのだと、わかるから。

 「一匹狼の殺し屋バード」なんて、いないじゃないのよーー! ナニこのあらすじーー!!

 まあ、実際ガイが殺し屋バードとして活動するには、仲間が何人もいるわけで。
 一匹狼ではまったくナイので、ここでも「あらすじとぜんぜんチガウ!」なんだけど、それはまあご愛敬ってやつよね、マサツカせんせ?(笑)

 
 んでもって、この虚構の「バード」という男。
 ガイが「バード」として仕事をしている、最初の狙撃シーン。

 これが、美しいの。

 是非後方とかの、「上から見下ろせる席」で見て欲しい。
 名工の仕事姿が美しいのと同じ、磨き上げられた美しさなのよ。

 初日は友会で当たった悲しみの後方カス席(その半額で前方席がいくらでも売っていたのに!涙)だったので、上から見下ろすカタチになり、その美しさが堪能できた。
 次に見たときは前方席過ぎて、横から見るカタチになって、「あ、ここからより後ろからの方がイイ」と思いました、この場面に関してだけは。

 いやあ、マジ美しいです、バードさん。
 んでもって、バードさんの中の人、ガイくんもカッコイイしねえ。
 ガイくんの中の人のキムくんも、すげーカッコイイしっ。

 ああ結局、かっこいいしか言ってないっ。
 先日の『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』東宝千秋楽、終演後。
 何人かの友人と話した。

「ゆうくん、辞めるのかな」

 そう思える、挨拶だった。

 彼が語った言葉をここで全文転記したとして、あの雰囲気が伝わるかどうか。いやそもそも、わたしのポンコツ海馬で正確な記録なんぞできないが。
 「この文章のこの部分をもって、そう読みとれるのです!」とか、分析できるようなモノではなく。

 彼の言葉、様子、場の空気から、そう感じた。

 わたしたち観客を、ファンを、「愛しい」と言った。「しあわせだ」と繰り返した。「限りある今」を強調した。
 
 まとぶんは、理路整然と挨拶の出来る人ではないが、それにしてもテンションがおかしかった。
 たしかに、組替えする仲間がいる、退団する仲間がいる、だから今回の千秋楽は「別れ」のときでもある……しかしそれ以上に、まとぶん自身が「別れ」を語っているように見えた。

 まとぶんはキラキラ笑っていた。涙目で笑っていた。
 なんだか切ない……「予感」に満ちた輝きだった。

 愛と、感謝と。
 美しい人は、泣き笑いしながら、美しい言葉を繰り返した。
 理路整然とした立派なご挨拶ではないけれど、大切なことを自分の言葉で、繰り返した。
 あいしてる。
 ありがとう。
 ひととひとがつながる、もっともうつくしいことば。

 終演後の人混みで、短く会話する仲間たちが、「あの挨拶って」と言葉を濁す。
 うん、たぶん、そういうことだ。
 発表があるとしたら、ここ数日のうちだろう。

 でもそれは、声高に言い回ることではない。
 ここがタカラヅカである以上、別れはある。しかし、発表されるまではただの噂、感想でしかない。

 だから。
2010/10/20

花組トップスター・真飛 聖 退団会見のお知らせ


花組トップスター・真飛 聖が、2011年4月24日の東京宝塚劇場花組公演『愛のプレリュード』『Le Paradis!!(ル パラディ)-聖なる時間(とき)-』の千秋楽をもって退団することとなり、2010年10月21日に記者会見を行います。

なお、会見の模様は当ホームページでもお知らせ致します。

 ああ、来たんだなあ、と受け止めた。

 あのまとぶん見たら、もうナニも言えないよなああ。

 ここがタカラヅカである以上、別れはある。しかし、別れは寂しい。
 てゆーか、切ない。

 千秋楽のまとぶんを反芻するたび、切なくてたまらなくなる。
 予感と実感はチガウもの。
 予感にざわざわして聞いていたあの日じゃない、発表を知ったあとで思い出すと……。

 そうやって、まっつを送り出してくれたんだねええ。
 ああそして、まっつはまとぶんを同じ舞台で見送ることが出来ないんだねええ。
 そんなことも切ない。

 まとぶん組替えと同時に、わたしは花担当になったのよ。でもって、その前は星担だったの。まとぶんのいる組から組へ、替わったんだってば。
 だからまとぶん見ていた時期が、わたし比でとても長いの。さえちゃんの『エピファニー』からだってば、舞台で個別認識したの。出版物の写真では、もっと前から注目してた、あまりに美少女で(かつ、男役らしくなくて)。
 前世紀からだから、10年以上だよ、思い出は。
 苦手だった時代も含め、印象は大きいんだ。好きになってからだって、ものすごく。

 ありがとう。
 ただもお、ありがとう。
 最後まで、見届ける。
 千秋楽は、いつだって特別の日。

 ジェンヌたちだけでなく、ファンも言うんだね、「千秋楽おめでとうございます」。

 『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』東宝千秋楽の日。

 ファンクラブの後ろから、ジェンヌの楽屋入りのギャラリーをした。
 まっつの入りは一瞬で、代表さんがすちゃっとゼスチャーするなり、会の人たちが「いってらっしゃい!」と声を揃えて叫んだのにびっくり。おお、統制取れてるー! ヅカの「会」って感じー!(シロートゆえ、そんなことに感動する)

 ぬいぐるみ抱えて現れた花峰くんはやさしい表情のオトコノコで、声の出ないちあきさんはメッセージを書いたスケッチブック持って、ぴょんぴょん跳ねてた。

 良い日になりますように。豊かな1日になりますように。

 昼公演、そして千秋楽とW観劇、その合間をまっつメイトや、アーサーファン(笑)のせんせと一緒に過ごしながら、ドリーさんのツッコミを聞きながら、あわただしくいろんな人に会ったりなんだりで、ばたばたと日が暮れる。
 
 ちあきさんはやはり声が本調子ではなく、芝居はミュージカル場面が台詞になっていた。
 ブログに感想を書く暇もなかったが、実はわたしの東宝遠征はこの公演これで2回目で、さあやエトワールになったばかりのころにも観劇している。
 そのときのちあきさんは、ほんとに声が大変なことになっていた。

 退団公演で、その美声をたっぷり披露できる公演で、これはとても残念なことだと思う。彼女の胸の内を思うと、1ヅカファンに過ぎない身でも「うわああ」とうめきたくなる。

 でも彼女は不自由な声で、それでもできる限りの演技をしていた。「舞台人」として、そこにあった。

 プロの舞台人なら、歌えない以上代役を立てるべきなのかもしれない。
 これで退団でなければ、そうしていたのかもしれない。

 でも、そうはせず、歌を台詞に替えてまで、ちあきさん自身に演じさせつづける、「タカラヅカ」を好きだと思う。

 正しいかどうかではなく、それが「タカラヅカ」だという事実を、わたしは愛したい。

 いちばん声が出なかったころを見ているだけに、最終日にそれよりはずっと声が戻ってきていること、念願のエトワールもできたことに、心から拍手を送る。
 よかった。
 ほんとうに、よかった。
 本調子でないことはわかっているけれど、ちあきさんの本気の歌声はもっともっと素晴らしいことを知っているけれど、それでも、今、最後にエトワールとして大階段の真ん中に立つ彼女を見られて良かった。

 まとぶさんの演技はさらにさらに暑苦しく……(笑)、でも、ムラ楽あたりほどやりすぎてはいなくて、ほっとする。いやその、それはそれで好きなんだけど、ライナスは崩してはならないラインがあると思うの(笑)。

 全部で何回観たことになるんだ『麗しのサブリナ』、そして『EXCITER!!』。
 『EXCITER!!』は、通算何回観たんだ?
 初演時に何回?(おぼえてねー)、彩音ちゃんMSで3回、彩音ちゃんサヨナラショーで2回、そして再演時に……?
 もう一生分の『EXCITER!!』は観ました(笑)。

 でも感想は追いついていないので、ちっとも語れてないけどな。

 めおくんの腰振りのことや、らいのお姫様抱っこ、あきらの眼鏡、いまっちの「ご案内されま~す♪」、見どころだらけで目がいくつあっても足りない。
 てゆーかわたし、まっつばっかり見過ぎだっつーの。

 終演後の人混み、ガードで花道を作る会の人たち、その後ろのギャラリーたち。
 袴姿の退団者。すっきりとした、きれいな顔。
 わき上がる拍手。

 それらの「お約束ごと」ひとつひとつがうれしい、愛しい。「タカラヅカ」ってすごいなと思う。

 繰り返される、感謝の言葉。
 退団者が繰り返し、ファンがまた声を揃えて告げる。
 私服に着替えて楽屋から出てきたジェンヌたちが、それぞれのファンに告げる。ジェンヌの挨拶に聞き入る会のひとたちも、思いは同じだろう。

 そうやってこれからも続いていく、いつもの特別な日。
 特別な、いつも。
「船で泣くかもしれないな」
「泣かないとがっかりするわ」

 とまあ、夜行バスで時計の針を見つめて「まっつが花組でいられるのはあと1時間」とか、「ああ、もう雪組だ」とか、じめじめしていたのですよ。
 んで大阪戻ってから、自転車で華々しくすっ転び、カラダ中痛いわ、まっつもう花組にいないわでなんかめそめそな気分っつーか、意味もなく泣けてくる精神状態なわけですが(笑)。

 なんの生産性もないことで泣けるのは、しあわせですから。
 ええ、「泣かないとがっかりする」んですよ。
 浸る気でいたんですよ、わたしは(笑)。

 なのに。

雪組 宝塚大劇場公演『ロミオとジュリエット』主な配役 決定(2010/10/18)

雪組 三井住友VISAカード ミュージカル
『ロミオとジュリエット』
公演期間:2011年1月1日(土)~1月31日(月)

主な配役 出演者
ロミオ  音月 桂
ジュリエット  舞羽 美海 夢華 あみ
*~*~*
キャピュレット卿  一樹 千尋
モンタギュー卿  飛鳥 裕
モンタギュー夫人  麻樹 ゆめみ
ベンヴォーリオ  未涼 亜希
ロレンス神父  奏乃 はると
パリス  彩那 音
ティボルト  緒月 遠麻
マーキューシオ  早霧 せいな
キャピュレット夫人  晴華 みどり
乳母  沙央 くらま
ヴェローナ大公  大凪 真生
愛  大湖 せしる
死  彩風 咲奈

 なんですと?!
 このタイミングで、配役発表すか。
 まっつ組替えを待って、か。配役表に※印で“~~から組替え”って書くのもなんだしな。

 ティボルト@ヲヅキって、ナニゴト?!(笑)

 イケコ演出の海外ミュージカルの再演・続演では、役の比重・番手は変わらないものだと思いこんでいた。『エリザベート』も『スカーレット・ピンパーネル』もそうだったから。
 オリジナルがあるわけだから、変えてはならないのだろう、と。

 役の比重と番手が固定である、という前提にて、ティボルト=2番手役=ちぎは鉄板だと思っていた。
 星組版でポスターに載り、制作発表にまで出た役が、今回まったくスルーされているのはおかしいなと思ってはいたけれど。

 そうか、役の比重を変えるから、ティボルトは2番手役ではなくなったのか。それでポスターにも制作発表にもお呼びが掛からなかったんだ。

 ……最初からその構想があったというより、なにかしら内部で制作サイドと経営サイドが闘った末の結果、という気もする(笑)。聞こえてきたオーディション内容と違っていることとか。
 事件は現場で起こっている、現場を仕切るイケコが、会議室でモノを考えている人たちに一矢報いたのかなと、思ってみたり。

 
 まっつ組替えと『ロミジュリ』再演が発表になって間もない頃、友人が聞いてきた。

「で、まっつファンとしては、どの役をやって欲しいの?」

 番手とか関係なく、いちばんやって欲しい役、見たい役は? と。

「ベンヴォーリオ」

 即答。明快。断言。

「あ、ティボルトじゃないんだ(笑)」
「ないっす!」

 ティボルトが2番手の役だから見たい、とか、2番手の役だからまっつには回ってこないから考えない、とかではなく。
 単純に役柄として、いちばん好みなのがベンヴォーリオだからだ。
 まっつにいちばん似合う、と思える役だからだ。

 反対に、絶対見たくないのが、ロレンス神父役だ。
 まっつが組替えせず、今の陣容の花組で『ロミジュリ』を上演したら、まちがいなくまっつは神父役だったと思う。
 ロミオ@まとぶん、ティボルト@壮くん、ベンヴォーリオ@みわっち、マーキューシオ@まぁくん、と上から当てはめていけばイイ。たとえまっつが花組で4番目の扱いをされていても、マーキューシオにはならない。若者の花形役はまぁくんに、まっつは専科系の神父役になる。
 花組にいてもできる役を、わざわざ組替えしてまでやってほしくない。なんのために組替えするんだ、それなら花で脇をやっていれば済む。
 組替えするんだから、痛みを伴う別れを経て雪組へ行くのだから、花組にいたら絶対出来ないよーな役をやって欲しい。
 雪組にいっても、いずれは脇に逸れていくにしろ、最初から専科さん扱いはつらい。
 ベンヴォーリオは、完全な脇の人には絶対来ない役。ベンヴォーリオを振られるならば、劇団的にまっつを別格スターと考えはしても、完全な脇役者だとは考えてないということ。組替えご祝儀を含むとしても、最初の役付で劇団の考えを垣間見ることが出来る。

 だから祈るよーな気持ちでいました。
 まっつに、ベンヴォーリオを。
 
 いや、どの役であっても、決まれば心から応援するし、萌えもするけれど。
 発表前に夢を見るなら、ベン様がイイ。

 と、思っていたので。

 ベンヴォーリオ来たーーっ!!

 と、大喜びっす。

 比重が下がり別格が演じてもいい役になったのなら、ティボルトでも良かったのかもしれないが、やっぱまっつのティボルトは罰ゲーム的というか……見たら悶絶系の恥ずかしさが漂ったろうなと(笑)。
 その点、ヲヅキさんなら安心。どんだけエロかっこよく、ワイルドに見せてくれるか、とても楽しみだ。

 ちぎくんはティボルト役者だと思ってたんで、彼のティボルトも見てみたかったんだがなあ。
 加えて、コマのマーキューシオも見たかったんだ……。
 んで、乳母のかおりちゃん……つか、真っ当に娘役の乳母が見たかったんだ……。

 や、マーキューシオは若手の花形役だと思う(華とキラキラ力必須)から、ちぎくんが演じるのは楽しみだし、乳母@コマってすごくプラスアルファな期待感、彼絶対なにかしらやってくれるよね?!、ジュリ母@かおりちゃんって色っぺーなヲイ、現役感むんむん、ヲヅキとの絡みが楽しみだー、とか。

 役の比重が変わるなら、全体的な印象も変わってくるだろう。
 「星組版観たから、もういいや」な人にも「マーキューシオが2番手って、どんな話になってるの?」と興味を抱かせる配役だわ。
 イケコ、うまいなあ。

 
 で、小池先生。
 フィナーレの、下手せり上がり→銀橋主題歌ソロは、マーキューシオですか?

 途中で死んじゃうティボルトかマーキューシオでないと、ゆっくり衣装替えできないよねー。他の人たちみんな、最後まで舞台に出てるもの。ラストシーンはロミジュリと死と愛のデュエットダンスとしても、ティボとマーの空きっぷりの比ではない。
 イケコのワンパタフィナーレありきで、役の比重をいじるにしろティボルトとマーキューシオの2択だったり?(笑)
 観ている間は、どうということはなかったんだが。
 周りが泣いているなか、自分的には「泣いた」うちに入らないくらい、ふつーに観劇していた。(書き方が微妙なのは、「泣いてない」わけではないため・笑)

 だけど。
 幕が完全に下り、繰り返されたカーテンコールの拍手も途絶え、みんながばらばらと席を立ちはじめ、外に向かって歩きはじめたときに、なんか、一気にキた。

 終わった。
 終わってしまった。

 なんだろう。
 悲しい、も多少はあるのかもしれないが、それだけではまったくなく、ただもお泣けて仕方なかった。

 切ないのかな。
 緊張の糸が切れた、そういうことなのかな。

 ただ、まっつと花組の仲間たちを、舞台にあったあの空間を思って、泣いた。

           ☆

 花組東宝公演『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』千秋楽。

 ハバナが、無法地帯だった(笑)。

 それまでは千秋楽だからってそれほど目立ったアドリブがあるわけではなく、いつものMR.YUの新聞くらいのもんだったんだけど。
 ああそれと、エキサイター@まとぶ氏が、まっつにちゅってしてたけど。
 退団者が胸にお花を付けていたり、拍手がとんでもなく大きく暖かかったりもしたんだけど。

 それでも、やっぱりハバナ。
 それも、ファヌン様光臨後から。
 退団者へのライト、爆発的な拍手、それはもちろんなんだけど。
 「生」への喜び、新世界、爆発的なエネルギーがはじける、総踊り部分にて。

 まっつが、総攻撃されてまつ。

 ちょ、みんな。
 次々とまつださんめがけて襲いかかってますがな。
 隙あらば抱きしめようと、肩組もうと、手を触れようと。

 なかでもめおくんがいちばんすごかった……。舞台いちばん奥、目立たない、見えにくい位置だと判断? まっつの華奢な胴に腕回してえいやっと抱き寄せて……抱き上げようとした? 未遂に終わったが。
 失敗したあとも、しばらく腕をはなさず、めおくんの大きなカラダ、長い腕に抱かれたままのまっつが……。や、ふたりとも大爆笑しているので、エロいムードのない野郎同士の抱擁ですが。
 壮くんのスキンシップ度は高めだし、みつるとのハイタッチはタッチを超えてハグっぽいし、じゅりあもカラダごとぶつかってくるし。

 まっつが、笑ってました。
 ハイテンションに、口ぱかーっと開けて。

 ハバナの最後のダンス位置では、とてもわかりやすい場所で、隣のみわっちががんがんまっつにぶつかってきてました。まっつも返してました。ふたりで、いちゃついてました。
 このふたりの並びを、いったい何年見てきたことだろう。いったい何十回、何百回、見守ってきただろう。

 
「まっつ、最後泣くと思う?」
 と、まっつメイトもそーでない人も、そんな話をしていました。
 ジェンヌという商売は妖精さんであり続けること必須なので、総じて彼らは感動屋さん、節目節目に人前で泣き出すことがめずらしくない。
 13年過ごしてきた組と別れる最後の日は、泣いても不思議はない。
 だけど。

「泣くといいね」
「そーよね、泣くといいね」

 まっつに関しては、みんな、もお(笑)。
 「泣かない」という前提でしょう、その答え。

「泣くもんかっ、とがんばりながら、それでも泣いちゃうのがいいね」

 どんだけツンデレ認定なの、まつださん。

 
 実際、まっつは泣くことなく、花組最後の日の終幕を迎えました。
 カーテン前での挨拶も、抜かりはなく。準備してきた台詞を流暢に語っていました。

 隙を見せない人だ。見せたくない、人なんだろう。

 素の声は、カテコでいきなりまとぶんに話を振られたときの、「はい?」という間の抜けた声だろう。
 その直後、まとぶんと退団者の「愛してます」話の流れで、まっつも「花組を、愛しております」と言うんだけど、ものすごく芝居じみたイイ声。
 男役声で、舞台声で、芝居がかってないと、言えないんだろう。「アイシテル」って。
 いや、芝居がかってでも、「アイシテル」って言ったことに、驚きましたが。
 でもって、気合いの入ったイイ声での「愛してます」は、内臓に響きましたが(笑)。

 つか、まっつの愛の言葉、ナマで聞くのはぢめてぢゃね?

 この人、舞台で恋愛する役、ほとんどやってないから。
 「キミを海馬帝国のファーストレディに」とか、「私も彼を想っている」とか、ふつーでない愛の言葉しか聞いたことなかったから。

 そのまんまの「愛してます」が、胸に直撃した。

 まとぶさんは、カテコの前のトップスター挨拶時も、わざわざまっつに話振ってくれたり、ほんとに感謝です。NOW ONといい、ほんとにまっつのこと愛してくれてるんだなあ、とありがたくてならない。

 まっつは終始笑っていて、ナニ気にテンションおかしかった。

 最初に幕が下りたとき、まっつ、幕を追いかけたよね?
 幕が下りるのに合わせて、自分も腰を折って体勢低くして、最後まで手を振ろうとしていた。
 なにをやっているのか、幕の隙間から見える足が片足だけになっていたり……踊ってる?
 えええ、まつださん?! なんなのその壮状態……ぢゃねえ、躁状態。

 まっつが、閉まる幕を追いかけて手を振るなんて。
 幕が下りること、客席と別れることを、惜しむなんて。
 あの、まっつが。

 その後、幕は何回が上がって。
 まっつが幕を追ったのは最初の1回だけ。
 だって、そのあとは、隣のめおくんがちょっかい出してきたから(笑)、それどころじゃない。
 めおくんがあのでかいカラダで、まっつにタックルタックル。最初はされるがまま、でも次第に応えて、まっつもぶつかり返す。
 ふたりでいちゃついているうちに、幕。

 最後は反対側の隣の蘭ちゃんも巻き込んで、ぶつかりっこしていたな。
 蘭ちゃんといえば、彼女の羽根とまっつが地味に戦っていたり、なんかかわいいモノを見られたぞ。

 カテコが繰り返されると、こんなにかわいい姿を見られるんだなああ。
 いや、今まではカテコがあっても、まっつはしれっと手を振るだけで変化のない人だったから、そんなことは考えたことなかった。日替わりだった『スカウト』のカテコ以来か、まっつがナニかやってるのって。

 まとぶんは今回もまた、退団者のブーケを支えてあげていて。ちあきさんも花峰くんも、すごくきれいで。

 舞台のみんながきれいで。
 まとぶんの音頭で、「愛してます」と叫んで。笑って。ウケて。
 盛り上がってわいわいざわざわ終わって。

 終わって。
 下りた幕、流れ出す客席の人々、その中を一緒になって歩きながら。

 泣けて、仕方なかった。

 花組が好き。花組にいた、まっつが好き。
 これからもまっつを好きだけど、それは変わらないというか、毎回ヒートアップしていってるけど、それとは別に、花組が好きで花組のまっつが好き。

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