文化祭への観劇意欲が薄れている。
 昨年までは、なにがなんでも観たい!と思っていたが、今回はなんか義務感でチケットを探していた。
 なんでかっつーと、『ハロー!ダンシング』を観たせいだ。星組ではあまり感じなかったんだけど、雪組がえらいことになっていてね。「文化祭とどこがチガウの……? 文化祭レベルの公演、毎月のよーに長い期間ワークショップとかゆー名前でやるんじゃん、無理して文化祭にこだわる必要ないじゃん」って。
 それでなんか、自分的にテンション落ちてたんだけど。

 それでもやっばり文化祭に行って。

 目からウロコ。
 『ハロダン』と文化祭は、ぜんぜんチガウ!!

 同じ「1回だけ観る」なら、文化祭の方がたのしい。
 内容的にも、技術的にも。

 文化祭は「日舞」「ヴォーカル・コンサート」「芝居」「ダンス」と盛りだくさんだし、公演時間もそこそこ長い。出演者数も多い。少人数で75分間ダンスのみの『ハロダン』とはまったくチガウ。

 ダンスのみに焦点をあてて考えても、文化祭の方が「場が持つ」んだ。
 何故ならば、文化祭のダンスは「タカラヅカのダンスではない」から。

 タカラヅカにはタカラヅカならではのダンスがある。
 ダンサーとして技術が高くても、「タカラヅカ力」が低い人はかっこよく見えない。娘役でももちろんそうだが、男役は顕著。

 『ハロダン』がキツイのは、「タカラヅカ力」が低い人たちばかりで、「タカラヅカのダンスショー」をやっていることだ。

 衣装の着こなしや立ち姿、所作のひとつひとつができていない「オンナノコ」たちが、見よう見まねで「タカラヅカ」をやっている……ソレが、キツイんだわ。
 もちろん、彼らが勉強中の身であり、これから「タカラヅカ力」を上げていくのだということはわかっている。どんなにダメダメだろーと、場数を踏むことで経験値を重ね、レベルアップしていくのだとわかっている。
 そのために、『ハロダン』が必要であることも、納得しているさ。(値段には疑問ありまくりだが)
 わかっていたって、キツイもんはキツイ。

 文化祭は、「タカラヅカ力」は問われない。
 男役も娘役も関係なく、みな同じレオタード姿で同じ振りで踊る。もしくはみな同じドレスで踊る。
 性別に分かれて「タカラヅカ」的に踊るのは、ほんのわずかな時間だ。
 あるのは純粋なダンス。
 人数も多いので空間を持て余すことなく、活き活きと踊っていられる。

 「タカラヅカ」ってのは、ほんとうに特殊なところだなあ。
 文化祭でそれなりに見せてくれた人も、改めて『ハロダン』で観ると「うっわー」てなことになっていたりする。ただ学んできた技術を披露するのと、「男役」「娘役」に分かれて「タカラジェンヌ」として舞台に立つのとでは、これほどまでにチガウものなのか。

 てな現実を認識した上での、『第93期宝塚音楽学校文化祭』。わたしが観たのは午前の方。いちいち観た回を言わなきゃいけないのは、午前と午後では芝居の出演者がチガウためな。
 文化祭では芸名を発表していないので、名前は書かない。どれが誰のことか、書いているわたし本人だけしかわからない書き方になるが、仕方ないわ。劇団が少しも早く、文化祭で芸名も教えてくれるよーになりますように。

 
 うっかり前日にラスト30分だけ観ちゃったんで、改めて最初から観るのは違和感(笑)。
 前日にプログラムを買っていたわりに予習はしていないから(昨日は帰宅してブログ書くだけで終わっちまったい)、いざ観劇してから、おどろいた。

 なんか短くなってない?

 日舞、全員で1曲だけ?
 あれえ? 今までは、何曲かあったよね? ソロで踊る子とかいて。
 でもって、お琴の演奏は? 去年は三味線もあったよね?
 ピアノ演奏もなし?

 あっちゅー間にヴォーカル・コンサートになってびっくりした。
 少人数でゆっくり踊ってくれる日舞パートやお琴、ピアノ演奏で、何人か顔と名前を一致させておくのがわたしの観劇パターンだったので、ソレがなくなっていて混乱。えええ、まだ誰が誰だかさっぱりわかってないんですけど?!

 ヴォーカルも、たったひとりで歌ってくれる子は覚えられるけれど、何人かで出てこられるとわかんねえ。

 芝居は半分の人数しか出てくれないし、ダンスは基本群舞だし常に動いていて次々入れ替わって、顔なんかよっぽどでないとわかんないから、ほんとにわけわかんないまま終わった……。

 結局、昨日ラスト30分観ておぼえた子しか、おぼえていないよーな。
 今日記憶の確認ができたわけだから。

 昨日「鼻の君」と命名した彼は、歌はアレなのか出番はほとんどナシ。いちおートリオでわずかばかりにソロはもらっていたが、歌ってゆーほど歌ってねえ。雰囲気だけで終わり。
 芝居は出ていない。
 が、ショーになるとガンガンにセンター。大活躍だ。

 初見のときに「変な顔」と思ったんだけど、見慣れると「……かっこいい?」(語尾上がる)つー感じには見える。
 目元は谷みずせ、輪郭というか顔のタイプが成瀬こうき系。貴羽右京にも似ている? 鼻のカタチがもう少しちがったら、正統派に美形になれるのではないだろーか。よーするにわたしの好きな顔だ。
 鼻がでかくてスナフキンっぽい。

 彼を見ていて気になることは、男役は、レオタードのときも胸をつぶすのだろうかということだ。
 性別関係なく踊る文化祭、男役も娘役も平等にガシガシ踊っているんだが。

 鼻の君には、胸がなかった。

 不思議なほど、なかった。

 他の男役は、レオタードでもちゃんと胸がある。どんなに華奢でカラダが薄くても、小さな丘がふたつ見えるもんなんだが。

 鼻の君には、ナニもない。

 ダンスで胸を大きく逸らしても、レオタードに浮かぶのはあばら骨と胸筋のみ。

 少年……? あれは、少年か?
 お尻もぺたんこなんだが。丸みがまったくないんだが。

 不思議な生き物を見る心地がした。
 性別がなさそうなんだもんよ……。

 
 と、とりあえずは「鼻の君」の話だけで終わる。

 翌日欄に続く。


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