恋する彼ら。@マリポーサの花
2008年9月11日 タカラヅカ ネロがセリアのどこを愛したのかはわからない。
顔か? 顔なのか?
それしかとくに思いつかない。まあ、そうであってもおかしくないくらい、セリアは美女なわけだし。
正直、ソレはどーでもイイ。
厳密にはちっともよくないが、とりあえず、他に重要なことがあるから、今はどーでもイイということにしておく。
ネロが何故セリアを愛したのかはわからないが、セリアが何故ネロを愛したのかは、わかる。そしてわたしは女であり、女の視点で物語を見る。
ヒロイン・セリアの恋に感情移入できるのだから、この物語の「恋愛」については、ソレだけでクリアできちゃうんだ。
説明台詞の少ない正塚芝居だ、短い会話の断片から必要な情報をより分け、状況を想像で補っていく。
いわゆる「行間を読む」作業が楽しい。
答えはあえて提示されていないのだから、観ている者の数だけ、感じ方がある。
つーことで。
セリアの、ネロとの出会いを想像する。つか、わたしのなかではすでに決定稿として存在しているんだが(笑)。
友だちと連れ立って行った、ナイトクラブ。
セレブとか芸能人とかが利用する、特別な店。現代でもあるよね、そーゆーの。若い女の子ならあこがれがあるはず。
セリアはお金持ちのお嬢様だけど、いわゆる社交界でホホホと笑っているタイプじゃない。なにしろ父親がアレだ。そーゆー世界と疎遠であっても不思議はない。
お嬢様だけど、セレブな人々の集う場にはあまり行くことがない。親米政権の大統領と懇意な金満主義的ナイトクラブなんて、興味を示したらパパが激怒するぞっと。
でも、若い女の子だからやっぱり、興味はあるわけで。
こっそり、行ってみたわけだ。
そしたらそこは、キラキラの夢の世界で。
ゴージャスで洗練されていて。されど適度な猥雑さがあって。
親に内緒でこっそり冒険しに来た20代半ばの女の子にとって、どれほど刺激的で魅力ある場所だったか。
で。
ただでさえ舞い上がっているところに、ステキなショータイム。
ステージにいる、あのイケメンは誰?!
歌って踊るトップスター。
彼の名が「ネロ」だと知る。
どうしよう、かっこよすぎる、ステキ過ぎる。ファンクラブに入会するには、どうすればいいの?!
聞けば彼は、この店のオーナーでもあるらしい。
青年実業家であの美貌で歌って踊れる大スターなの?! なにソレすごすぎる!!
……一目惚れですよね。
仕方ないですよね。
「ねー、タカラヅカって一度観てみたいなー(笑)」「行ってみる?」「うん、ヒマだし一度観てみよー、話の種に」程度で大劇場行って、「水さんステキ!!」と、目をハートマークにして、その後の人生誤ってしまう人々と、同じパターンですよね。
こーしてセリアが「トップスター・ネロ」に一目惚れしたあとに。
彼女の父・イスマヨールがアメリカ企業の接待でネロのナイトクラブに足を踏み入れ、ネロと運命の出会い(笑)をしてしまうわけだ。
大統領の私的な誕生パーティ会場、になるほど、ネロの店が「政府御用達」であることは有名なんだと思う。通常のイスマヨールならそんな店、足を踏み入れないだろう。だから彼がそこにいたのは、政府の後ろ盾をカサに着て一方的な取引を持ちかけるアメリカ企業側が、店を指定したためだろうさ。
政府にすり寄ることで甘い汁を吸っている、と思い込んでいたナイトクラブの経営者ネロが、真に国のことを考え、損得抜きに努力したいと願っている青年だとわかり、そのギャップにイスマヨールは惚れ込むんだと思う。
さすが親子。
どちらもネロに一目惚れ。
問題は、ヒロインの一目惚れ場面を描かず、その父親のフォーリンラヴ場面は丁寧に描いていることだな、正塚よ(笑)。
ネロに熱烈に恋したイスマヨール@バツイチ長年やもめ男は、迷わず家族に紹介する。
新しい仕事のパートナーだからって、いきなり娘を呼びつけて紹介する必要はない。なのに、すげー強引に紹介する。
「セリア、こっちへ来なさい。呼ばれたらすぐ来る! 彼が新しいお母さんだ」
と、言わんばかりの勢いで。
でもま、そこまでは気が早すぎるので、とりあえず「仕事のパートナーだ」と紹介したら、なんと娘のセリアはすでにネロを知っていた。
「ネロさんね。本名ですか?」
なにしろ彼はトップスター。ステージで歌い踊る芸能人。芸名でもおかしくない。
「私も雇って下さい」
だって憧れのトップスターが、突然自分ちにいるんだよ? とにかくアピっておくしかないでしょ?!
お金持ちのお嬢様が、ナイトクラブで太股丸出しで踊るなんてこと、ふつーありえないって。客筋はいいとしても、所詮は酔客だよ? そんな連中相手に芸を見せるわけだよ? それでもやっちゃうくらい、この恋、手に入れてみせる!! と、拳握っちゃったわけでしょ、セリア!
しかも、ライバルは実の父親だし!!
とーぜん反対する父を、「仕事のパートナーなんでしょ? 彼の店で働くことを反対するなんて、彼を信用できないって言ってるのと同じことよ? 彼にそう言っちゃおうかな」と脅迫し説得し、「弟のリナレスをお目付役にするなら」という条件付きで、憧れのネロと同じステージへ。
踊る相手もリナレス、帰りもリナレスと一緒。悪い虫が付かないように。……弟と抱き合って踊るって、実際に弟のいるわたしからは信じられない行為だが、人種がチガウからアリなんだろうな、きっと。
父VS娘の恋の争いは、そこかしこで。
「もう当分は会えなくなるのかね?」「寂しいかぎりだ」……パパ、ネロくんにモーションかけまくり。
そんなムードにしてたまるか、セリア来襲。
「話が済んだなら、ネロを借りていい?」「10分なら」「じゃあ、待ちます」……とびかう火花。
パパだけじゃなく、弟のリナレスもどさくさにまぎれてネロと絡んでたりするので。
「あなたは敵じゃない。そう思うから話すんだ」……秘密を打ち明け、懐に入り込みますよ!!
「あなたは嫌いな人間じゃなかった」……背中を向けて、声を震わせての告白。ネロ、揺れまくり(笑)。
セリア、ピンチ!!
父も弟も、キミよりはるかにわかりやすくアピールしてるって!!
てゆーか、おそるべしDNA。親子3人ネロLOVE。
ネロを手に入れるのは誰だ?!
ま、負けないもん、いちばん最初に彼に恋したのは私なんだからっ。
がんばれセリア、父親や弟に、恋する男を取られたら、女としての立場がないぞっ。
……と、まあ。
どーしてネロがセリアに恋したのかはわかんないけど、セリアがネロに恋して、彼に愛されたくて彼の側をうろうろしていたことは、すごーくよくわかるのですよ。
や、女ですから!!(笑)
顔か? 顔なのか?
それしかとくに思いつかない。まあ、そうであってもおかしくないくらい、セリアは美女なわけだし。
正直、ソレはどーでもイイ。
厳密にはちっともよくないが、とりあえず、他に重要なことがあるから、今はどーでもイイということにしておく。
ネロが何故セリアを愛したのかはわからないが、セリアが何故ネロを愛したのかは、わかる。そしてわたしは女であり、女の視点で物語を見る。
ヒロイン・セリアの恋に感情移入できるのだから、この物語の「恋愛」については、ソレだけでクリアできちゃうんだ。
説明台詞の少ない正塚芝居だ、短い会話の断片から必要な情報をより分け、状況を想像で補っていく。
いわゆる「行間を読む」作業が楽しい。
答えはあえて提示されていないのだから、観ている者の数だけ、感じ方がある。
つーことで。
セリアの、ネロとの出会いを想像する。つか、わたしのなかではすでに決定稿として存在しているんだが(笑)。
友だちと連れ立って行った、ナイトクラブ。
セレブとか芸能人とかが利用する、特別な店。現代でもあるよね、そーゆーの。若い女の子ならあこがれがあるはず。
セリアはお金持ちのお嬢様だけど、いわゆる社交界でホホホと笑っているタイプじゃない。なにしろ父親がアレだ。そーゆー世界と疎遠であっても不思議はない。
お嬢様だけど、セレブな人々の集う場にはあまり行くことがない。親米政権の大統領と懇意な金満主義的ナイトクラブなんて、興味を示したらパパが激怒するぞっと。
でも、若い女の子だからやっぱり、興味はあるわけで。
こっそり、行ってみたわけだ。
そしたらそこは、キラキラの夢の世界で。
ゴージャスで洗練されていて。されど適度な猥雑さがあって。
親に内緒でこっそり冒険しに来た20代半ばの女の子にとって、どれほど刺激的で魅力ある場所だったか。
で。
ただでさえ舞い上がっているところに、ステキなショータイム。
ステージにいる、あのイケメンは誰?!
歌って踊るトップスター。
彼の名が「ネロ」だと知る。
どうしよう、かっこよすぎる、ステキ過ぎる。ファンクラブに入会するには、どうすればいいの?!
聞けば彼は、この店のオーナーでもあるらしい。
青年実業家であの美貌で歌って踊れる大スターなの?! なにソレすごすぎる!!
……一目惚れですよね。
仕方ないですよね。
「ねー、タカラヅカって一度観てみたいなー(笑)」「行ってみる?」「うん、ヒマだし一度観てみよー、話の種に」程度で大劇場行って、「水さんステキ!!」と、目をハートマークにして、その後の人生誤ってしまう人々と、同じパターンですよね。
こーしてセリアが「トップスター・ネロ」に一目惚れしたあとに。
彼女の父・イスマヨールがアメリカ企業の接待でネロのナイトクラブに足を踏み入れ、ネロと運命の出会い(笑)をしてしまうわけだ。
大統領の私的な誕生パーティ会場、になるほど、ネロの店が「政府御用達」であることは有名なんだと思う。通常のイスマヨールならそんな店、足を踏み入れないだろう。だから彼がそこにいたのは、政府の後ろ盾をカサに着て一方的な取引を持ちかけるアメリカ企業側が、店を指定したためだろうさ。
政府にすり寄ることで甘い汁を吸っている、と思い込んでいたナイトクラブの経営者ネロが、真に国のことを考え、損得抜きに努力したいと願っている青年だとわかり、そのギャップにイスマヨールは惚れ込むんだと思う。
さすが親子。
どちらもネロに一目惚れ。
問題は、ヒロインの一目惚れ場面を描かず、その父親のフォーリンラヴ場面は丁寧に描いていることだな、正塚よ(笑)。
ネロに熱烈に恋したイスマヨール@バツイチ長年やもめ男は、迷わず家族に紹介する。
新しい仕事のパートナーだからって、いきなり娘を呼びつけて紹介する必要はない。なのに、すげー強引に紹介する。
「セリア、こっちへ来なさい。呼ばれたらすぐ来る! 彼が新しいお母さんだ」
と、言わんばかりの勢いで。
でもま、そこまでは気が早すぎるので、とりあえず「仕事のパートナーだ」と紹介したら、なんと娘のセリアはすでにネロを知っていた。
「ネロさんね。本名ですか?」
なにしろ彼はトップスター。ステージで歌い踊る芸能人。芸名でもおかしくない。
「私も雇って下さい」
だって憧れのトップスターが、突然自分ちにいるんだよ? とにかくアピっておくしかないでしょ?!
お金持ちのお嬢様が、ナイトクラブで太股丸出しで踊るなんてこと、ふつーありえないって。客筋はいいとしても、所詮は酔客だよ? そんな連中相手に芸を見せるわけだよ? それでもやっちゃうくらい、この恋、手に入れてみせる!! と、拳握っちゃったわけでしょ、セリア!
しかも、ライバルは実の父親だし!!
とーぜん反対する父を、「仕事のパートナーなんでしょ? 彼の店で働くことを反対するなんて、彼を信用できないって言ってるのと同じことよ? 彼にそう言っちゃおうかな」と
踊る相手もリナレス、帰りもリナレスと一緒。悪い虫が付かないように。……弟と抱き合って踊るって、実際に弟のいるわたしからは信じられない行為だが、人種がチガウからアリなんだろうな、きっと。
父VS娘の恋の争いは、そこかしこで。
「もう当分は会えなくなるのかね?」「寂しいかぎりだ」……パパ、ネロくんにモーションかけまくり。
そんなムードにしてたまるか、セリア来襲。
「話が済んだなら、ネロを借りていい?」「10分なら」「じゃあ、待ちます」……とびかう火花。
パパだけじゃなく、弟のリナレスもどさくさにまぎれてネロと絡んでたりするので。
「あなたは敵じゃない。そう思うから話すんだ」……秘密を打ち明け、懐に入り込みますよ!!
「あなたは嫌いな人間じゃなかった」……背中を向けて、声を震わせての告白。ネロ、揺れまくり(笑)。
セリア、ピンチ!!
父も弟も、キミよりはるかにわかりやすくアピールしてるって!!
てゆーか、おそるべしDNA。親子3人ネロLOVE。
ネロを手に入れるのは誰だ?!
ま、負けないもん、いちばん最初に彼に恋したのは私なんだからっ。
がんばれセリア、父親や弟に、恋する男を取られたら、女としての立場がないぞっ。
……と、まあ。
どーしてネロがセリアに恋したのかはわかんないけど、セリアがネロに恋して、彼に愛されたくて彼の側をうろうろしていたことは、すごーくよくわかるのですよ。
や、女ですから!!(笑)