チケ難民 元旦早々 サバキ待ち
                -こあら 心の俳句-


 ……なんて、今年一年思いやられる状態ですが、あけましておめでとうございます。
 結局初日は立ち見して、それでも2幕は見知らぬ方に「口上目当てで来たから、もう帰るの。よかったら私の席で観る?」とチケットもらってほくほくS席観劇。……てのも、わたしのヅカファン人生を象徴しているのでしょうか。
 

「しいちゃんの鏡開きを見るの! しいちゃんの袴姿を見るの!」
 と、意気込んで早くから列に並び、真正面から障害物無しで鏡開きを見られたのは良かったんだが。

 ……わたし、誰が出演するか、わかってなかったのね。アタマに「しいちゃん」しかなくて、たしかしいちゃんと相方のすずみんが出演する、とだけ思い込んでいて、司会者が出演者の名前を呼んだとき最初に「立樹遥」って言わないから、心底びっくりした。
 えー、司会者のおねーさんは、「柚希礼音さん」から呼びはじめました。続けて「立樹遥さん、涼紫央さん」……。
 そうか、れおん出るんだ! そ、そりゃそうか。しいすずだけでやるわけないか。
 れおんくんに含みがあるわけではなく、わたしの偏狭な海馬が勝手に自己完結していた模様。

 退団を発表してから、はじめてファンの前に正式に姿を見せ、言葉を発するしいちゃん。
 彼自身からなにかしら退団についての言葉を聞けるのかなと思ったけれど、なにも無しでした。
 あくまでも組子として、タカラジェンヌとしての言葉のみ。退団するトウコちゃんの公演であることのみ。
 自分の退団なんかおくびにも出さず、しいちゃんは終始あの太陽の笑顔だった。
 おひさま色の着物がまぶしい。

 れおんくんはどんどんスターとして貫禄がついてくるね。たくさんの未来と責任を担って、さらにいい男になってくれ。

 すずみんはあのはんなりとした笑顔と、高めのウエスト位置の袴姿がすげーキュート。去り際もひとり手を振ってくれて、周囲からも「かわいい♪」の声があがっていた。

 
 さて。
 95周年の幕を開けた本拠地宝塚大劇場はいろいろとマイナーチェンジされていた。

 鏡開きで一足先に入った大劇場エントランスの絨毯は新調済で、バラ柄がいかにも「ヅカだ~~」な、ふっかふかぶり。
 そして、出演者スチールが、遠く吹き抜けの壁上方に飾ってある。

 旧大劇場時代は食堂などがあるロビーに飾ってあり、現在の劇場になってからは誰も見ない・通らない2階トイレ前にひっそりと飾ってあったやつ。
 トイレ前に飾るより、エントランスに飾るのは正しいけど、あんなに遠い位置じゃ誰が誰かわかりませんがな……劇団のやることって、やっぱどっかズレてるっつーか……。

 鏡開きがはじまるまでヒマだったので、わたしは目をこらしてスチールを眺めてました。
 プログラム写真と同じのはずだから、まとぶ、ゆーひ、あやねの3人だけ写真がチガウ。ポスター仕様の加工がされている。
 他のみなさんはふつーに劇団撮影のスチール。星原先輩からはじまって、学年順に並んでいる。
 遠目であまりよくわかんないけど、男たちヒゲ率高いなあ。髪型もえらいことになってんなあ。
 ……あれ?

 ひとりだけ、写真がチガウ。

 みんな韓国モノ……というか、アジアっぽい歴史物らしい扮装なのに。
 ひとりだけ、すっきりとなんの扮装もしていない人がいる。

 位置からいってアレ、まっつ、だよね?

 何故?
 どーしてまっつだけ、扮装してないの?

 額を出しただけのすっきりした髪型、スタンドカラーのふつーっぽい衣装、って……フィナーレの衣装とか?

 まっつ、役ついてない?!(白目)

 プログラムに、下級生たちは扮装無しのショー衣装で写真載ってるじゃん。アレと同じ?
 学年順で並んでるから、役の付いている人たちの間にまざっちゃってるけど、まっつひとり韓国モノ衣装なくて、フィナーレのショー衣装?

 ……そんなはずないことはわかっていても、びびりましたねー(笑)。

 みんな扮装してえらいことになってるのに、まっつひとり、あまりにまっつのままで。

 ひとりだけ涼しい顔してますよこの人……。

 
 鏡開き終了後、御神酒でほろ酔いのドリーさんと合流したんだが、言われましたともさ。

「まっつの汎用性の高さはすごいね!」

 いやあ、まっつ変わらないねー。すごいねー。と、しみじみ言われた(笑)。

 そこではじめてプログラムを見せてもらったんだけど、ほんとにまっつすげえ。

 どこの国の、どこの時代の人かわからない姿。

「このままヨーロッパ物にも出演できちゃうね」
「ショーもそのままいけるし」
「使い回しいくらでもOK」

 とってもエコなまっつ。地球にやさしいまっつ。

 プログラムの表紙が、今までのイメージイラストから、まとぶんの写真に変わってました。
 まとぶんはすごーくかっこいい。今回はポスターがかっこいいので、その写真流用なのでまたかっこいい。

 しかし……ヅカ写真ばーん、のプログラムは、なかなかに恥ずかしいのでは……?

「なにいってんのよ、ヅカのプログラムは恥ずかしいからいいのよ!」

 ドリーさん、熱弁。
 電車の中で表紙を丸めて人に見られないように気を遣ってこそこそ開くのが醍醐味であると、語る語る。……今この人酔ってるしなー(笑)。

 まとぶんの写真はかっこいいし、デザインも気を遣ってあったので、昔の「スチール写真全身像」を使っただけのナニも考えていない表紙写真よりはマシか。わたしアレ、キライだったのね。ヅカメイク写真が恥ずかしいというより、素人以下のデザインセンスが嫌だったの。
 どの公演だったか今は思い出せていないけど、たしかトド時代の雪組公演からプログラムが一掃され、表紙が写真無しのデザインのみになって、どんだけうれしかったか。写真を使ったかっこわるいレイアウトほど苦手な物はないのよ、素人の年賀状みたいで。
 表紙がデザインになった最初のプログラムは製本その他問題アリまくりで、ふつうにページを繰っているだけでページが空中分解したわねえ……なつかしいわー。当時のネットでも「プログラムがばらばらになりました! こんなのわたしだけ?!」の投稿が目についたなー。や、みんなそうだから、そーゆー仕様だから!
 「素人演芸場の手作りプログラム」から「商業演劇の、プロがデザインしたプログラム」に変更したかと思ったら、「ページが全部はずれていく、冊子としてありえないクオリティ」だったりと、ひとつのことをこなしたら、他のことがダメになる、宝塚歌劇団ってステキなところ。

 さて、新しいプログラムはがんばって「ヅカメイク写真」を「ヅカらしい時代錯誤さ異世界さを大切に、最低限かっこよく」表紙としてデザインしてほしいわん。

 あー、わたしは相変わらず買ってないですが。脚本掲載が復活したら買います(笑)。

 レストランもいちいちマイナーチェンジされていて、フルールのたこ焼きが値上げされてました。ちっ。せちがらい世の中だぜ。

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