なんの確証もなく、ただ考える。

 まっつファンの、まっつファン的偏った視野により、『Red Hot Sea』を再構築する場合、決してはずせないのは、「幽霊船」だ。
 まっつは、「幽霊船」の歌手として出演。
 これが確定ならば、おのずと他のことも見えてくる。

 「幽霊船」に登場しているのだから、その直後の「コーヒールンバ」には出られない。
 従って、今回不在の壮くんのポジションにまっつが入ることはない。部分的な移動はあっても、ただ単純に「ひとり抜けましたー、だからひとり上がりますー」で役付きがそのままスライドすることはない。

 また、幽霊役をやっているのだから、妖精さん役も、物理的にできない。

 幽霊船の最後の場面に、妖精さんは登場するわけだから、無理。
 ええ、ただ単純に「ひとり抜けましたー、だからひとり上がりますー」で役付きがそのままスライドした場合、壮くんのポジにみわさんが、みわさんのポジにまっつが入ることになってしまうが、…………いやいやいや、マジでソレだけはありえないっ。
 中村Bならナニも考えずに「ひとり抜けましたー、だからひとり上がりますー」をやるかもしんないけど、いちおー草野だし、草野がナニ考えてるかわかんないけど、とりあえず番手による役目持ち上がりはナイはずっ。

 まっつが妖精さんだったら、スーツケース引きずって全国ついて回るしかなくなりますので、あってもらっては困ります。

 まっつの妖精さんが見たいわけではなく、それくらいありえないこと、という比喩ですわな。
 キャラクタ的(まっつは女装やフェアリーは似合わないと思う。まともに見たことないけど、「やめておけ。な?」と思う)にも、路線的(女装させたりフェアリーさせたりするのは、劇団が路線として推したい人のみです、通常)にも、まっつではありえないので、そんな役目が回って来るとしたらあってはならない「なにかのはずみ」なので(例・『エンター・ザ・レビュー』の兄鳥)、この目に焼き付けておかなければなりません(笑)。

 つまりソレはありえないってことで、話を戻す。

 まっつが「幽霊船」に出る。
 ここをスタート地点に考えると、まっつだけでなく周囲も見えてくる。や、わたしの偏った視界(笑)に。

 妖精さん役は、誰か。
 ……頼む、もうみわさんに子役とか女役とかさせないでくれ。わたしは男役のみわさんが見たいんだ。

 みわっちが壮くんのポジションに入って、妖精さんは他の若手でいいんじゃないの?

 妖精さんは大きな役なので、娘役なら2番手相当の人が相応しい。
 男役なら、売り出したい、今後バリバリプッシュしたい若手くんで。
 男役としての魅力は出せないけれど、とりあえず観客に存在を認知してもらえる役だから、若手の売り出しには最適の役。(つまり、ベテラン男役スターのみわさんに、貴重な男役人生の1公演費やしてまでさせなくても、てな役だ。『Paradise Prince』のみっちゃんの役と同じで)

 みわさんの「コーヒールンバ」、みわさんのロケットボーイ、そして「スカートめくりの男」!!(そんな役名だっけ?)

 もしもみわっちがまた妖精さんだとしても、まっつは壮くんのポジには入らないと思う。そんなことしたら、組内バランスのおさまりが悪い。
 あくまでも「幽霊船」をやりつつ(こだわる)、部分的に壮くんの仕事もする、ぐらいかな。あ、絶対に「ロケットのお兄さん」は回ってこないと思う(笑)。

 めおくんやまぁくんも自分たちの役をこなしながら、壮くんの仕事も分け合う感じ? 彼らはみつるが抜けた分のポジションアップがあるから、それに加えて壮くんの仕事もしたら、かなりオイシイことになるのでは?
 それともここで一気にまぁくんを壮くんポジにすこんと入れちゃう? 未来のスターとして、育てるつもりならばアリだと思う。

 や、でもほんと、みわさんは壮くんの位置でヨロシク。妖精さんは若手くんで。

 まっつは幽霊船の歌手やってくれれば、それでもう文句はないです。
 あのセクスィ・ワイルドなまっつを、再び見られるのなら。
 (セクシー・ワイルドってのは、クール・ビューティの反対語ですよ、みなさん!)

 てゆーかぶっちゃけ、出番減らされるかもしれない、とは思ってますよ、『エンター・ザ・レビュー』がそうだったように。「幽霊船」だけはそのままでありますように。なむなむ。

 
 なんの確証も情報もなく、勝手にほざいてるだけですよー(笑)。予想なんて間違っていてナンボ、思い込みでナンボ。まっつまっつまっつ!(とりあえず言ってみる)
 どうなるんでしょうね、ほんと。

 まあ、タイトルに『II』がついてるから、多少は変わるんだと思うが。

 ひとつだけ、確実に変わるとわかっていて、心から喜んでいることがある。

 棺桶は、飛ばないよね?
 全ツでは無理だよね?

 これだけは、心底うれしいわ。

 
 花組の次回公演の出演者がそれぞれ発表になりました。
 全国ツアー『哀しみのコルドバ』『Red Hot Sea II』と、壮一帆主演バウホール『オグリ! ~小栗判官物語より~』の。

 まっつは予想通り、全ツです。
 おサカナまっつ再びっす(笑)。色もそのままグリーンなのかな。

 芝居はわたしにとっての鬼門、柴田+中村Aなんで、期待せずにいます(笑)。
 初演はさすがに知らない。ヤンさんの再演は、初日を2回見ました。大劇場初日と、阪神大震災で公演中止、劇場飛天(現梅芸メインホール)で急遽上演再開された初日を。……飛天での初日、最後の挨拶でヤンさんが泣き出したことも、おぼえてる。

 
 キムシンの久々のバウ作品、出演者の顔ぶれがナニ気に濃い気がする……(笑)。
 演出家によって役者の好みはあるんだろうな、そこはクリエイターであり、人間だから。
 キムシン作品での壮くんは愉快なので、とてもたのしみだ。
 でもって2番手はみつるだよね? 壮くんとみつるって、『黒蜥蜴』の刑事チームじゃん。キムシン絶対、このあたりのヒトたち好きだよね、あのときのみつる、みわまつよりオイシイ扱いだったし。

 だからこそここに、さおたさんの名前がないことが、残念だ。組長が全ツに行くのはデフォだから、さおたさんがバウだと思ったよ。そして、壮・さおた・みつるという、なつかしの刑事トリオ再びなノリを期待できたんだが。
 それはまたいつか、に託そう。

 キムシンはポスターセンスいいから、壮くんのビジュアルが心から楽しみだ。

              ☆

 話は変わりますが、わたしが大昔に書いた記事に拍手をぽちってくれている方々(複数? それともひとり?)、えーとその、うれしいんですが、もしよかったらナニがよくて拍手クリックしてもらえてるのか、教えてもらえないでしょうか……。

 や、そもそも拍手なんてまったくもらえないのよ。
 なのにその数少ない拍手の割合が、ここ数ヶ月全体の半数近くをひとつの記事が占めているってゆーのは、ちょっとびっくりってゆーか。

 書き下ろし記事ならともかく(つってもここ2ヶ月くらいナニも書いてないよーな)、2002年に書いた記事っすよアレ……。
 しいちゃんと、トウコのことしか書いてないと思うんだが。……トウコファンの人かなあ、クリックしてくれてるの……と、想像してるんですが。

 て、ココに書いても読んでくれてナイかなあ。
 もしトウコちゃんの記述ゆえにクリックしてくれてるんだったら、再度記憶掘り起こして新しくあの公演の想い出書きますよ~~! と、言ってみる……。
 りせが、へなちょこじゃなかった……!!

 へなちょこりせ、と言い続けて数年。そのへなちょこぶりも含め、愛でてきた。

 最初の出会いは、『月の燈影』か。あまりのへたっぴさに、「どーしてこの子がこんな役を?!」と人事に理不尽さを感じ(笑)、その後『エリザベート』で「どこを見てもこの子が出てる、この子が目に付く」状態から、顔がすげーきれいなこともあり注目し、「そうか、あんなにダメダメだったのは日本物がヘタだってだけなのね」と誤解した。うん、誤解。『エリザベート』がまだ良かったのは、子役だったから。へたっぴでも子役はなんとかなるもんなんだ。
 何故かずっと抜擢され続けたけれど、男役としての技術は向上しないまま、おバカな役やかわいこちゃん、子役ならハマるけれど、オトナの男にはなれないまま現在に至る。

 それでもこの子に惹かれたのは、りせの持つ「いびつさ」もまた、タカラヅカというファンタジーが許容していたためだろう。

 りせの演じる悪役が好きだった。

 ギュンターとか、ロドリーゴとか。
 (http://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-1238.html@新人公演『落陽のパレルモ』感想)

 あれほど抜擢続きだったのにさすがに最近はソレもなく、扱いが落ち着いてしまったタメに、「悪役」なんてオイシイ役は回ってこず。……あああ、バウでもDCでもなんでもいいから、まとまった期間のある公演で、りせの悪役が見たかったよ……。

 りせの最後の作品である『太王四神記』にて、女兵士役が回ってきたのは、演出家の愛情だとは思う。
 男役としての技術の低さ、へなちょこさを補うには、男勝りな女兵士役はうってつけだと思う。
 実際、カクダン役は良かった。
 りせの美しさが前面に出て、いろんなアレさは目立たなかった。

 てゆーか、ほんとーにフェアリーなんだなと思う。
 男ではないけれど、女性まんまでもない、不思議な存在。不思議な魅力。
 中性というのでもない、りせは。
 男としても女としても、等しく「足りていない」ものがあり、それゆえの不安定さ、いびつさが彼を「そこにいる」と注目させるのかもしれない。

 カクダンは1幕最後で死んでしまうので、その後は名も無き男役としてあちこちにまざっている。王宮で大仰な衣装着て右往左往していたり、戦場で楯持って走り回ってたり。
 細い、男役としてはへなちょこな姿で。

 や、もお、ほんと、いいんだよ。
 へなちょこでもなんでも。
 りせはりせだからイイ。
 間違いなく彼もファンタジー、現実ではない世界で生きる人。

 彼がこの花園を去ることにはわたし的に覚悟と納得を決めていたので、わりと冷静に俯瞰して眺めているところがあったんだが。
 それでも千秋楽、フィナーレの男役姿で胸に花なんか飾られて出てこられたら、涙腺決壊しますよ。

 満面の笑みで踊る姿が、まぶしくて。愛しくて。

 へなちょこ言うのがたのしかった。マイナスの言葉、悪口に分類される言葉かもしれない、ファンの人からすれば不快な表現だったかもしれないが、愛でる意味で使ってきた。
 他に呼び名の上にそう付けて呼ぶ子はいない。特別な思い入れ。

 へなちょこ、であってほしいと思っていたのかもしれない。
 キャラとして、そうあってほしいというフィルターで見ていたのかもしれない。

 最後の最後。
 袴姿で挨拶をするりせは、へなちょこなんかじゃなかった。

 感情に溺れることなく端正に言うべきコトを言葉にして、途中半端に起こった拍手を笑顔で受け流した。
 一部の観客たちは話の流れとは無関係に「ありがとうございました」という言葉に反応して勝手に拍手をはじめるんだよな。アレ、なんとかして欲しい。話聞いてりゃまだ途中だってこと、これからも話が続くことはわかるだろうに、単語にのみ反応して「終わりの拍手」をするの。
 せっかく淀みなく話していたのに、一部の「話の内容は聞いてませんが、単語だけ耳にして終わりだとカンチガイしました」な拍手で話をぶった切られてしまったりせが、それでも揺らぐことなくそれらを制したことで、オトコマエさを表していた。

 かっこいい。
 かっこいいよ、りせ!
 へなちょこなんて言ってごめん。

 オトコマエにやるべきことを果たしたりせが、カーテンコールでまとぶさんに促されてイレギュラーに挨拶するときには涙声で、でも泣き崩れることなく言葉を発する姿がまた、オトコマエだった。

 ジェンヌはみないつか卒業していく。
 向かう先がどこであれ、ナニであれ、幸多かれと心から願うよ。

 東宝公演千秋楽まで、フェアリーとして輝き続けてくれ。

 
 1ヶ月公演ってほんとに、短い。
 中日とか博多とか、今までの外のハコでの公演くらいの感覚だ。はじまったと思ったら、もう終わり。
 短いおかげか大作だからか客入りは悪くなく、どの組もまんべんなく1年通して平日ムラ通いする身には新鮮な客席だった。そりゃ満席にはなってないけど、平日のムラでましてや1月にあんだけ入ってるのは、昨今めずらしい(笑)。花組比でも、前回の『愛と死のアラビア』のときなんかは……ゲフンゲフン。
 そして、次のトウコちゃん退団公演のチケ事情に震撼する……。

 今の花組でこの『太王四神記』を観ることが出来て良かったと思う。
 長い歴史の中、劇団はいつも変化してきたのだと思うが、その狭間にこのキャストでいられること。
 それをとてもゼイタクに、また誇りに思う。

 これから先、ナニが変わり、どこへ向かうにしろ。
 今さらですがよーやく、『太王四神記』の感想雑記。……初日からずっと書きたかったことなのに、なんでこんなに書く暇がないんだろう……。

・幕開きがヒョンゴ@まっつのせり上がりから、てのはびっくりだ。テンション上がる。てゆーか、絶対遅刻できねえと、プレッシャーもかかる(笑)。
・カジン@あやねちゃんが男前すぎる。かっこいー。
・男たちを率いてがしがし戦っているいかにもおっかなそーなガタイのいい女丈夫セオ@みわっちに対する解説が「戦で傷ついた人々を救う心優しい乙女」なのは、どうかといつも思う。心優しいなら、人殺しせずにみんなの後ろで手当だけしてればいいのに。
・「虎族と熊族が争っていた」と中立の解説で、ファヌン@まとぶが最初から熊族の味方だから、首を傾げてしまう。カジンも戦う人だけど、セオだって絶好調に戦って人を傷つけていたから、片方だけの肩を持つのは変。神様なら公平にしようよ。そうじゃないならふつーに公式サイトのあらすじに準じ、悪者虎族、彼らに虐げられた熊族、という説明にすればいいのに。
・ヒョンゴの説明って、そーゆーとこがおかしいんだよなあ。(ヒョンゴのせいぢゃないっす)
・ファヌンの歌が好きだ。
・ヒゲなしプルキル@壮くんが拝めるのはこの神話時代のみ。
・プルキルのデコバンドは、眉毛の二股隠しですか?
・や、見事に眉毛端の上部分だけ隠してるし(笑)。
・まっつのザ・解説は、初日のクールさはどこへやら、どんどんパッショネイトになってゆき、「ファヌン様は天の弓を射た!」とか、すげー盛り上がってシャウトしてまつよ。
・黒朱雀は当日B席からは見えない(笑)。

・老人マスク壮くんを最初に見たときはツボった。なにしろ壮くんだし。
・されどすぐにそんなもん、どーとゆーことはなくなる。なにしろ壮くんだし。
・空に輝くチュシンの星。2階席からは見えない(笑)。
・怒濤の子役ラッシュ。そんな中、ひとり本役&子役を務める一花。何故一花だけ本人が子役もやってんの、イケコ?(笑)
・自分以外のなにかのために一生懸命な人ってのはわたしのツボなので、神器を守るために、家族を守るために、次々犠牲になっていく人々の姿に涙。娘を守るために自害する母、子どもたちを逃がして殺される父、妹を守るために捕まってしまう姉、兄……。
・「わたしはその子にスジニという名前を付けた。鷹という意味で、黒朱雀にならないよう願いを込めて」
・ヲイ。女の子になんて名前を付けるんだ、雲雀とか小鳩とかもっと他にいくらでもあるだろうが。
・女の子、というものをカケラもわかっていそうにないヒョンゴ(15歳)に、眩暈を覚える……スジニがあんなふーに雄々しく育ってしまう要因は、最初からあったんだよね……。
・キハ@姫花がかわいい。
・プルキルの子守歌がイイ。母たちの歌声も美しいが、壮くんのたのしそーでうれしそうな歌声ときたら……!
・眠るキハと傍らに坐るプルキルの背中が、好々爺と孫のようで、かわいらしさに身悶え。……ココでかわいらしくなっちゃーイカン気もするが、壮くんだからイイの。

・コ将軍@めぐむがかっこいい。かっこいいかっこいいかっこいい。うおー。
・少年タムドク@ののすみがかわいい。てゆーか、ほんとにうまい。
・少年ホゲ@れみちゃんは……女の子だ。少年ぢゃない。子役って誰でもできるってもんでもないんだなー。ののすみのうまさが際立つ。
・アタマの弱い子のふりをする……はずが、タムドクがほんとにアタマ弱い子に見えるのはどうかと。「じしゅれん???」(首傾げ)
・箱入りで世間知らず、略語なんか知りませんって意味なのか? 正式な文法での会話しかしたことないって意味なのか?
・かわいいからいいんだけどな(笑)。
・「君が王なら僕は将軍になる」……2回目以降は泣きポイントに。

・カクダン@りせ登場! うわ、ほんとに女役なんだ。
・……男役やってるときと、ほとんどちがいが無……ゲフンゲフン。
・女近衛兵士たち、すげーかっこいー。黒尽くめに長い黒髪!!
・声だけで登場、「誰だ?」とざわざわやって、ジャジャンとタムドク@まとぶ登場……演出家、植爺だっけ?
・しかしこの登場の仕方、かっこよくない……。ときによっては拍手もろくに起こらない……。
・タムドクがバカにされている王子様って設定なのはわかるが、「私の練習相手だ!」……ふつーに言えばいいようなことですげーもったいつけてカッコつけて登場されても、「この王子、バカっぽい……」て感じぢゃないっすか? や、そーゆー設定なんだろうけど、しかし、せっかくの初登場場面なんだ、もう少しなんとか……。
・一方、タムドクとチョク・ファン@しゅん様の立ち回りに割って入るヨン・ホゲ@ゆーひ登場の、かっこいいこと。拍手も起こりやすい。
・どっちが主役かわからん……。あくまでも、演出が。
・子役から大人の本役に変わるわけだから、役者の顔の見分けも付いていない一般客に、どちらがどちらの少年だったのか一発でわからせるために、どちらが主役なのか理屈ではなく感覚的にわからせるために、登場の演出は考えるべきだろ。
・銀橋はすごくデジャヴ。たしか「俺たちはVieil Amiだ」ってやってたよねまとぶ。
・無邪気に笑うホゲがかわいい。

・だいもんが歌ってる! 群衆場面でセンターでソロって……!(震撼)
・だいもんがカモと仲良し。つか、カモで人を殴ってる……!
・真瀬くんが歌ってる! ふつーにソロもらってますがな。(震撼)
・街の人たちを眺めたいのだが、結局一度も見ることが出来ていない。
・銀橋にスジニ@みわっち、ヒョンゴ@まっつ登場。
・登場からすでに、スジニに振り回されているお師匠様。
・着替えの間だけ、お師匠様は大切な神器を手放す。
・修道僧みたいなずるずるローブをどうかと思っていたんで、「着替える」のひとことに目を輝かせたんだ、かっこいい姿になるのかなって。
・どこの水戸黄門ですか……。
・着替えたらさらにアレな格好になるとわ……っ。イケコっ!!(ソコ坐りなさい!)
・ヒョンゴたちを見ていると、どうやらホゲが登場したらしいことがわかる。けど結局まともに見られたことがない……。ヒョンゴとスジニのいちゃいちゃ小芝居を見ているうちに、ゆーひさんたちはいなくなってしまう。
・「チュシンの王かな?」って人を見かけると、神器が反応するか試すヒョンゴ。点検中の作業員みたいだ。
・スジニにチラシ配りを命ずるお師匠様は、日に日にアクションが派手になっていく。
・サリャン@みつるとキハ@彩音が登場しているらしいが、あまり見たことがない。
・手相占いしてるお師匠様が眉を八の字にしながらセンターに出てきてくれてから、よーやく真ん中を見られる。……でもそのときはもう、サリャンもキハもいないよーな。
・街の人たちののコーラス好きだ。

 うお、文字数切れ。
 ふつーに文章にして書くと、まとめたり取捨選択したりして短くなるんだけど、箇条書きだと前後の脈絡なくだらだらと思ったことだけ書けるから、結局長くなるんだよな。
 どっちがいいんだろ。

 まあとにかく、『太王四神記』感想雑記。

・書庫にて、キハ@彩音と出会うタムドク@まとぶ。
・初見では思い至ってなかったが、観劇後「ちょっと待て。タムドクが生まれたとき、キハはすでに姫花だったよね?」……日本語変ですが、よーするに、年齢設定に疑問がわき上がった。
・タムドクが赤ん坊人形でしかないときにしっかり姫花で美少女だったキハ。そう気づいてから見ると、キハの少女ぶりっこがなかなかすごい。いつもの妹キャラのよーだ。
・天地神堂、というものがわからない……(笑)。ここで語られる天地神堂にはツッコミだらけだ。
・芝居の進行上仕方ないとわかっていても、罪を犯している(口止めが必要な行動を取っていた)初対面の巫女に、ぺらぺら秘密を喋り、病身の父王のもとへ連れて行くタムドクは、すげーアタマの弱い子に見える。
・毒を簡単に見抜くキハすげえ。
・が、ほんとうにすごいのはキハなのか? あまりに出来過ぎてないか?
・むしろ「毒を仕込んだのは天地神堂で、この見習い巫女をアタマが弱いとされている王子に近づけ、王が毒を盛られていたことを暴いた功績で、王家に取り入ろうとしている?!」とか考えるのが「賢い王子」の思考じゃないだろうか。
・書庫での出会いと展開があまりに理不尽なもんで、ついうがったことを考えてしまう(笑)。

・ヒゲヒゲヒゲ。華麗なる、ヒゲの競演。
・美中年プルキル@壮くん登場!!
・ドジョウヒゲ! 三つ編み!! 二股眉毛!! キャ~~~っ!!(狂喜乱舞)
・はっちさん、ふみか、王子、らい、レネ……いい仕事してるよ、素晴らしいよ。ヒゲ、ヒゲ、ヒゲ。
・らいがそれでもおしゃれさんキャラなのが笑える。あの細い三つ編みはナニ? こだわり?(笑)
・ホゲママ・セーム@じゅりあ、絶好調の悪演技。GO!GO!じゅりあ!
・しかしやりすぎってゆーか、叫びすぎ声裏返りすぎで、台詞が物理的に判別不可能になってないか? ヤン王の血統疑惑とか、もっとわかるように説明しないと、初見の人にはただの金切り声にしか聞こえないんじゃあ……?
・にしても、GO!GO!じゅりあ!(どっちやねん)
・やりすぎな人は好きさ。

・タムドクとすれ違うホゲ。ここが、まともなホゲの最後の瞬間。幸せなホゲの、最後の瞬間。……そう思うので、せつない。
・銀橋はすごくデジャヴ。たしかたったひとりの友人を任務のために切り捨てるしかなかったハルノスミレ様が、そのことを嘆き苦しんでいるのかと思いきや、脈絡なく「自由に恋は出来ない、だってソレがオレの使命、運命」と歌ってたなあ。
・親友を失って嘆いてたのに、いつの間にか女と自由に恋愛できなくて辛い、てな話にすり替わっている……!(白目)
・イケコのパターンなの? にしても、やめようよ。親友を失ったことだけでいいやん。なんでそこに無関係な女の話を出すのよ? 親友を傷つけたこと、裏切ったことなんか、その程度にしか思ってないみたいよ? 女と恋愛する方が大事みたいよ?
・親友を失って傷ついている、ところへ、やさしい言葉を書けてくれる女登場→Fall in Laveでええやん。
・欲張って銀橋ソロになにもかも突っ込むから、主人公は不誠実な男まっしぐら。
・それともイケコにとって同性との友情も異性との恋も混同して語っていいくらい、同じモノなのかしら。
・銀橋で「恋がしたいよ」と歌っていたので、そこにキハ登場で渡りに船、に見えるところがイヤン。だからあの歌詞なんとかしてくれ……。
・書庫での出会いその他への疑問、引っかかりをうまく克服できた日は、おそるおそるキハを抱きしめるタムドクに感情移入できる。日によってチガウ。引っかかったままだと、ここでもまだキャラの心情が遠い。
・でもまあ、回数を重ねるうちに、まとぶのアツさに持っていかれるようになった。
・悪いのはイケコであって、タムドク@まとぶじゃない。恋愛が描けない・表現できないのはいつものイケコであって、タムドク@まとぶじゃない。脚本や演出の粗を、まとぶんが力技でねじ伏せていく。それでこそ、トップスター!

・悲しみのヨン・ホゲ@ゆーひが、美しい。
・なんであんなにかっこいいんだ? 美しいんだ?
・ストーリーそっちのけで、ひたすらゆーひくんだけ見てしまう。それだけで元が取れる気がする!(鼻息)
・椅子に座り込んでいる姿が絶品です。
・目の表情だけでごはん三杯イケます。

・人形キハ登場。これまた美しい。そして、喋り出すとその素っ頓狂さにびびる。……に、人形だから、仕方ないって。
・舞うキハが美しい。
・キハとホゲの並びが美しい。

・美しいっていいな。タカラヅカっていいな。

・ホゲ様のソロ入ります。
・コレもイケコらしく、歌詞は整合性に欠ける(笑)。
・でもいいんだ、なんかそれらしい単語を並べてゆーひくんがひたすら美しく色っぽく苦悩してくれるから。
・や、この歌詞をまともに読み解くと、「愛していたタムドクに裏切られた。もう生きるすべもない。これからはキハを救いに、彼女を愛するしか生きる道はない」……えーと?

・ヤン王とタムドクの会話は、意味がよくわかりません。
・言っていることはわかるけど、文章のつながりというか、何故その話にその話がつながるのかわからない。植爺脚本によくありがちなヤツ。
・ジェラールとマリアンヌも、つながらない会話をよくしていたから、イケコ・クオリティなんだろー。
・言っていることはわけわかんないんだけど、それに心をのせることで「なんかわかんないけどわかったよーな気がする」と持っていってくれる、まとぶと星原先輩がすごい。

・つーことで武道クジ売り場面。ここもわたしの視界はかなり限られている(笑)。
・ヒョンゴのことはまたいずれ語るとして、セドル@よっち、チュムチ@まぁくんの田舎モノ対決がかわいい。てゆーかよっちがこんなに喋って演技してるってすげえ。
・パソン姐さん@一花がかっこいい。あの剣さばきは感嘆モノ。
・ここで台詞もなくまざっているときの、イルス@マメにときめく。
・なんか今回マメ、すげー色男ぢゃねえ?? 初日から釘付けだったんだけど?

 途中だが、一旦切る。

 だらだら箇条書きにて『太王四神記』感想。

・武道くじの最初のコーラスにて、ヒョンゴ@まっつの杖を使っての武道パフォーマンスと歌声が、すげー好きです。無駄にキレがあってかっこよく、朗々と美声。でも姿は水戸黄門。
・イルス@マメの「田舎者(冷笑)」が、すげー好きだー。かっこいー。美形ー。イヤナヤツ~~!(笑)
・タムタム@まとぶん登場をあまり見たことがないのは、いつもチガウところを見ているせいです。わたしの視界が彼をとらえるのは、まさに「タム……タム……」という自己紹介場面にてです。
・さおたさんを、ここではじめて発見した。
・初見時、承前のヒョンゴ解説場面は情報量が多すぎて捕獲できていなかった。ので、最初がこのあたり。
・おかえりなさい、さおたさん! と、思っている間もなくなにもせず、彼の出番は終わる。え? あの人ナニ? なにやってたの??
・初日の幕間、「高翔さんが出ていたことに気づいたモノは何人いるか」を仲間内で確認しあった。わたしは「気づいたもん!」と意気揚々と答え、「ブーっ、2ヶ所に出ていました」と正解を告げられしょぼん(笑)。
・しかし、何故あの場面に出て、なにもせずに終わったのかは(この時点では)わからない。だもんで仲間内の会話はエスカレートする。

「あれっぽっちの出番じゃ気づかないよ」
「毎回チガウ場面に出ててもわかんないかもね」
「それが演出かも。あるときはくじ場面、あるときは宮廷場面と、出る場面が毎回チガウ!」
「真ん中だけ見てたらわかんない。貴方は高翔さんを見つけられるか!」
「観劇後にどこに出ていたか、目撃情報が飛び交う」
「新しいね! やるな、イケコ!」(やってません)

・いやその、お帰りなさい副組長、ってことで。(どんなまとめ方)

追記
 友人から訂正入りました。
 さおたさんの出番は3ヶ所です、ええ。2幕の台詞にもあるよーに、武道会にもいます。
 この箇条書き、初日付近に書いたテキストにあとから書き足したりなんだりしてUPしてるんで、まちがったとこ気づかないままUPしちゃったよー。
 つーことで、答えは3ヶ所、みんなもカグン将軍を探そう!(そーゆー話じゃない)

・ここでタムタムはスジニ@みわっち他と出会って友情をはぐくんでいるらしい……出会ってすぐに終了だからよくわかんないが。
・てゆーか、お忍びタムタムの話がもっと見たいぞーっ。
・王子様はちゃんと財布と現金を持っているらしい。貨幣価値もわかっているらしい。ボられることもなく、ちゃんと生きているっぽいのは……ん? すでにヒョンゴ一味にカモられてる?(負けるとわかっている黒クジを買わされている?)

「えーと、ポンファ通り名物は……」
「ダメだよタムタム、『ポンファ通りガイドブック』なんか広げて歩いてたら! おのぼりさんだってひとめでわかってカモられちまうよ!」
「そ、そうか。だがこの、おすすめデートコースに載っている……」
「なんだよタムタム、デートの下見してんのかー。相手どんな子?(小指立て)」
「いや、そのまあ……美人だな(ぽっ)」
「こいつ~~!!」
「言ってくれるねー!」
「うむ、ここはひとつ私が相性占いを」
「はい、お代はこちら」
 まだスジニは恋愛感情ナイからふつーに男子な会話で……って、はっ。ちっとも箇条書きになってないぞヲイ。

・天下一武道会のかっこよさときたら!!
・太鼓の音が腹に響いて、素直にぞくぞくわくわくする。
・最初はもうどこを見ていいやらで目がうろうろして……結局、審判@アーサー見てた。(あれ?)
・や、だってあのアーサーがあんな目立つ役を! 声出してるよ、声!
・そして、2回目以降は脇で騒いでいるヒョンゴ先生ガン見……って、なんか負け犬気分。真ん中見ろよ自分。
・登場人物全員集合な派手な場面って、単純に好きだなあ。盛り上がるよなあ。
・てゆーかヨン・ホゲ様@ゆーひくんがかっこ良すぎる……。

・「行こう、キハ。今を逃すと、僕はもう自由になれない!」→駆け落ち、という展開にぽかーん。
・い、いやいいんだ。本当に王位を捨てるつもりなら、これくらいやっても。公衆の面前で責任投げ出して女と逃げたアホ王子なんて、民衆も貴族も政治家も、軍人、天地神堂……あらゆる人たちが「ダメだこりゃ」と思うだろう。あきれかえって終了、だろう。
・とゆーことで、ここでもうプルキルたちの計画は、実行する意味はなかったと思いますが? タムドクを追う必要ないっしょ。追って人知れず暗殺するならアリだけど、軍隊出して征伐するほどのこともない。
・四部族長の息子たちを殺して責任をなすりつけるまでもなく、「王様になんかならない、女の子がイイ!」と逃げ出した件は立派な理由だ。ヤン王@星原先輩がどんだけ息子可愛さにダダこねても取り返しがつかない。それでもタムドクを王に、と権力を行使するなら、五部族が一致団結して反乱を起こしてヤン王を倒すしかない、その理由として十分なくらいの「アホ王子ぶり」だ。
・……ここでしっかり描くべきだったのは、すげーさらりと終わった「タムドクとヨン・ホゲの口ケンカ」だと思うんだが。
・あの事件以来、ふたりが直接会話するはじめての場面だって、イケコはわかってるんだろうか……。

・プルキル@壮くんの呪文を堪能しつつ、タムドクとキハ@彩音ちゃんのいちゃいちゃを楽しむ。
・てゆーか肩をはだけられるのが、みょーにやらしい。
・ふたりのLOVE会話は、真面目に文章の意味を考えると混乱して疲れるので、意味は深く考えず、「なんかラヴいことを言い合っている」とだけ理解する。役者の心の演技を楽しみ、イケコのわけわかんない脚本は無視する(笑)。
・てゆーか、「生まれた場所で、今夜僕はもう一度生まれ変わりたい。君とふたりで」(手を差し出す)とゆーのは、すげーえっちな台詞で、うろたえました。
・またまとぶんがね、瞳をキラーンとさせるんですよ、ココで。
・これから初えっちだぜ、という若い誠実な男の子の意気込みというか鼻息というか、変にリアルでこまります(笑)。

・まとぶんの……ぢゃなくて、タムドクのやる気満々さを見たあとだから、翌朝のタムドクカップルとホゲのやりとりがなあ。どこまで下世話に受け止めていいのか迷う(笑)。
・ホゲちゃまの台詞は言葉通りに受け止めるもんなの? それともふつーに「ずいぶん早起きだな、それとも朝までお楽しみか?」と変換していいの?
・対するタムドクも「無事初体験済ませました、気分すっきり大人です(フッ)」と返したんだと思ってイイの? こいつ、服を直しながら(ついでに微妙にニヤけて・笑)の登場で、ついさっきまでハダカだったんかい?!な勢いだしなあ。
・ソレで思わずホゲは「炎の巫女よ、俺とのことは遊びだったのか?」と問いつめた、と。キハには「なんのこと? わけわかんない」とスルーされて終了。
・女に不自由したことなかったのにねえ。タムドクみたいな世間知らずのチェリーボーイに持っていかれるなんて、ホゲ様大ショック!!

・いかん、どんどん話が下世話に……。

 続く。
 カラダ中の水分なくなるかと思うくらい、大泣きしてきました。
 『My dear New Orleans』『ア ビヤント』初日。

 予備知識ナシ。
 とりあえず、唯一持ってる今回の公演チケット、B席券1枚握りしめてムラへ行く。ええ、ことごとく全滅し、初日B1枚が、わたしのチケットのすべて。……まあ、花組だってあらかじめ持ってたの、平日S席チケ1枚だけだったしな……幕開いてからいろいろいろいろ手に入れた。

 猫に叩き起こされほとんど寝てないので、感想走り書きして寝る。

 芝居は、ものすごーく、あざとい(笑)。

 なんつーんですか、あまりにも退団者仕様というか、いちいち「さあ泣け!」とやられます。
 で、まんまと大泣き(笑)。

 や、幕が開いて、扉を開けてトウコが光をバックに登場して、ピアノの前にひとり坐るだけですでに泣けてくるので、芝居の内容以前の、わたしの問題かもしれませんが。

 ストーリーはいつもの景子タンです。

 やー、コレ、『HOLLYWOOD LOVER』じゃん、と、途中からデジャヴまくりましたが(笑)。
 「映画作るぞー! 夢に向かってみんながんばるぞー!」な部分を「人種差別になんか負けないぞー!」に変換すると、あとはみんなスライド可というか。

 成功した主人公が、ヒロインとの別れの記憶のある街へ戻ってきて、現在の彼女と出会ってあれこれするのが『ハリラバ』で、過去の彼女とのあれこれの話になるのが今回の話で、主人公とヒロインの展開は同じ、ラストシーンもほぼ同じ。
 なにより、ヒロインの部屋のセット使いが同じでなあ……(笑)。

 四畳半的物語で、すげー小さな世界で狭い人間関係のみに終始。
 物語に起伏は少なく、同じテンションでえんえん話が続き、キーになる曲のカラーが似ているため、インパクトが相殺されている感じ。
 抜きどころもなく、とにかく同じテンションなので疲れる。

 よーするに、ただのメロドラマです。

 ラヴストーリーというより、メロドラマ。『ハリラバ』がそうだったように。
 天下国家も関係ないし、謎もなければどんでん返しもない。淡々と場面が流れ、すげー些細なやりとりのみで終始する。

 でもって、それらをトウコの歌声で、つなぐ。

 退団とかこれまでの軌跡とかタカラヅカとか、そーゆーものに絡む、そーゆーものを連想する歌を、トウコががんがんに歌い上げ、仲間たちが唱和する。

 泣ける。

 あざといけど、泣けるんだよー。

 
 とりあえず、トウコのメロドラマが見たいとゆーハートは満たされます。

 真正面切って、トウコがあすかを口説きまくります。
 愛の言葉雪崩のよーに熱くつづり、片想いトウコ炸裂。その愛を受け入れられないあすかは心裏腹に拒み、押すトウコ、逃げるあすか、とゆーメロドラマ本懐ぶりを眺められる。
 ラヴシーンはすげー思わせぶりに暗転。
 ソファで抱き合ってキス……なんだが、トウコが徐々にあすかに覆い被さっていく……のがわかるかわからないか、で見えなくなるので、ドキドキ。

 景子作品の良さである、衣装センスの良さ。
 あすかちゃんのドレスはどれもすげー美しいし、トウコもかっこいい。
 でもって、しいちゃんが美しい。

 ヒロインあすかと恋敵@しいちゃんのダンスに、いきなり泣いたさ。あんまり美しくてな。

 しいちゃんの役が、唐突な銀橋ソロ含めいろいろ謎だったが、とりあえずかっこよかった。

 でもって、トウコを口説くすずみんに萌えた。

「ボクと一緒にニューヨークへ行こう! シアワセにするよ!」みたいな。……あれ、ちがったっけ?

 れおんのシスコンというか、行き過ぎた姉への愛情には?マークをトバしつつ、ともみんの扱いの良さにびっくりしたり、みやるりの美貌がわかりやすいところに配置されていて眼福だったり、あかしがまたしてもあかしだったり、しーらんを好みだと思ってみたり、ベニーがほんとに美しかったり、組長が父なのか母なのか混乱したり、まあいろいろ。

 とにかく泣けた。

 
 ショーはいつものフジイくんです。

 さすがサヨナラショー職人。
 泣かせどころがわかってる。

 なんか妖精さんが出てくると幕間に聞いて、「藤井と言えば白ヅラ」と震撼しつつの観劇、妖精さん@れおんが登場……ふつーにイケメン。
 なんか『イーハトーヴ』っぽいっす、れおん。

 トウコは場が暖まってから「これぞタカラヅカ!」な登場。エリマキトカゲから黒燕尾、女装までほんといろいろ。
 てゆーか、最前列、美味しすぎ。
 客席降りまでは想定内だが、センターだとトウコのお尻を触れるの?!
 客席から銀橋に戻るとき、トウコちゃんは客席の年輩男性を指名、カラダを押してもらっていたよーな?
 アレ、毎回やるの? マジ?

 それにまいけると女の子たちが、トウコ写真のビラを配っていたぞ。わーん、うらやましー。

 何故かれおんとあかしの倒錯的な男×男ダンスは一場面まるまるあるし(藤井クオリティ)、ともみんとあかしはダルマ姿も披露だし、てゆーか、ともみんはいいとして、女装あかしに下からすがりつかれて、れおん的にはどうなんだろうとか。
 もちろんトウコとれおんの男×男ダンスもがっつりあるし。や、退団トップと次期トップの絡みはお約束だが、だからこそれおん×あかしはいったい……?と(笑)。

 や、わたし的にベニー×しい様に食いつきます。
 芝居の役とかぶりまくるパトロン@しい様、スター@あすか、横恋慕する主人公@トウコ。
 このしい様に、ボディガード@ベニーがくっついてるんですよ、ふがーっ!!
 ベニーがクールなの、ワルい顔してるのよー。
 しいちゃんもすげーかっこいいしっ!!

 しいすずもお約束、トウコとしいすずもあり、他退団者場面もあり、すげー盛りだくさん。
 
 あすかは出番自体は少ないのかな。
 だけどその比重が「タカラヅカ娘役トップ」って感じだ。
 要所要所で強い印象を残す。

 ひとりぼっちのトウコの歌から、全員の大合唱になるくだりは、鳥肌もん。
 トップスター安蘭けい、星組の安蘭けいを見た。

 でも、ここにあすかがいないことが不満だった。
 この爆発的感動シーンに、あすかがいない。お着替えのため、次の場面へのつなぎに出るために不在ならイヤだな、ひどいなと思っていたら。

 ここに彼女が「いない」ことが、演出だった。
 すべてが終わったあと、「遅かったのね」と歌う彼女の姿に涙。

 そして再び舞台上でめぐりあうふたりの姿に、涙。

 
 トウコちゃんはあちこち泣いているわ、挨拶でも泣いちゃうわ……しかしソレすらネタとして笑いにしてしまうところが素敵。

 こっちも泣きすぎて疲れた。
 糖分補給しよーと帰りにスイーツ食べて、……口に合わなくてさらに疲れた(笑)。

 足りないのは糖分じゃなくて、瞳(トウ)分だ!!
 もっともっとトウコを!!

 てことで、限界。もう寝るっす。明日、起きられるかなあ。
 『逆転裁判-蘇る真実-』観てきました。

 とりあえず、ゲームまんまでウケる。
 なんつーんだ、作品を構成する方程式が『逆裁』なの。骨格が『逆裁』だから、あとはどう肉付けしてもそれは『逆裁』でしかありえないっていうか。

 こりゃ是非原作ファンに観て欲しいなと。
 「丸コピ以外認めない」右翼ファン以外、「スピリッツさえ間違っていなければ、メディアミックスなんだから新たなジャンル用に再構築されるのはOK」って人なら、愉しめるんじゃないか?

 演出の鈴木圭は「オリジナルはビミュンだけど、アレンジ力に秀でた人」とわたしは思っている(笑)。彼のオリジナル作品は両足上げて後ろにひっくり返るくらいアレだったけれど、新公演出時に見せる的確なアレンジぶりは高く評価。
 今回もいわばアレンジものだから、彼の得意分野だよな。

 意外だったのは、彼もアニメ的ノリを理解する人だったこと。

 ヅカでアニメやる人は、サイトーくんのみかと思ってた。
 OPの潔いアニメっぷりには膝を打ってよろこんだわ。なんだよー、アニメやれるんじゃーん。サイトーだけにアニヲタやらせてないで、スズキくんもこれからがんばれよー(笑)。

 物語は『逆裁1』の追加シナリオベース? そこにいろんなものをミックスしたっぽい。霊媒ネタは出てこず(笑)。

 熱血弁護士フェニックス・ライト@らんとむは、2年前に一方的に別れを言い渡された恋人レオナ@まちゃみが殺人犯として逮捕されたことを知る。
 レオナは犯行を認めているが、彼女の人間性を信じるライトは弁護を名乗り出、無実を証明するために奔走する……。

 キャラの再現率の高さに、ウケた。
 ナルホドくん@らんとむはハマることが、この企画が噂段階だったときからわかっていたし、ミツルギ@七帆も思った通り。や、らんとむ主演で『逆裁』やるなら、ミツルギは七帆しかいないと拳を突き上げてわめいていたクチですからあたしゃ(笑)。
 だからこのへんはもう、「わかっていた」ことで。

 マヨイちゃん@れーれ登場時に、いちばんびびった。
 原作まんまかよ?!(白目)
 あのアホウな髪型、アホウな衣装……すげえなヲイ。
 そして天然ぶりもすげえ。
 つか、かわいいなー。

 そしてヤハリ@大ちゃん……美貌しか取り柄のない彼(失礼)が、体当たりで三枚目を演じてますよ!! やはり(笑)うまくはないんだが、それでもなんか愛しいオーラと輝きを持つ。

 イトノコ刑事@みーちゃんが、素敵すぎる……。
 彼のキメポーズが、原作通りのアタマの横を掻くアレなんだけど、そのときの表情がね、いちいちちゃんと「イトノコ」になるの。
 フィナーレの挨拶時、出演者が次々登場して一礼するときに、みーちゃんはこのキメポーズをするんだが……この一瞬でちゃんとイトノコ刑事の顔をしてみせるのよ。
 すげえ。
 役者だわ。
 でもってこの表情がすごい好きだー!!
 もともと好きな顔なのに、好きな表情されて、ちょっとどうしよう!ってくらいときめいた(笑)。

 ナツミ@あおいちゃんはもー……配役見たときから「はいはい」って感じだったが(笑)、ほんとにナツミまんまだった。や、期待を裏切らない人だ。

 裁判長@ふーりじんに髪があったのが残念。
 なんでハゲぢゃダメだったんろー? すみれコード?

 アカネ@せーこちゃんは、キャラがまともになってた。や、原作に比べて。
 フィナーレでイトノコ刑事@みーちゃんと並んでいるのがささやかなツボ。……『パラプリ』新公カップルだ~~。

 若手だらけで衣装の着こなしもアレレな人たちの多い中、すっしーの美しさは群を抜いていて安心だった。
 や、若手くんたちはモブばっかでちょい気の毒だったが……。コラボ公演だから、小劇場での必須事項である下級生育成は、今回は度外視しているっぽい。

 レオナはオリジナルキャラクタだけど、やっぱイメージ的にはトモエさん? だったらいっそトンデモ衣装を……い、いや、なんでもない。
 まちゃみはスーツ姿のクールビューティ得意だから、コレでいいかと。

 ナルホドくん@らんとむと、レオナ@まちゃみのラヴラヴ学生時代映像が、恥ずかしすぎます……(笑)。まさかキスシーンまであの大きさで見せられるとは思わなかった。
 や、漢らんとむは、恥ずかしくてナンボだと思っているので、正しいのですが。

 
 ゲームの裁判シーンまんまの法廷場面を観ながら、もうひとつの法廷モノ公演を思い出していた。

 そう。斎藤吉正演出『カラマーゾフの兄弟』を。

 『逆裁』ヅカ化が決定したとき、サイトーにやらせろよ!と思った。なんでスズキケイなんだよ、ここはサイトーだろう!と。

 直近にタカラヅカでふたつの法廷モノ公演があり、共に若手演出家作品。
 ひとつは文豪ドストエフスキー原作の『カラマーゾフの兄弟』、ひとつはゲーム原作の『逆転裁判』。……原作だけで言うなら、真逆。
 されど舞台で法廷をやる以上、ルールが決まっているというか、絵柄は限定されるんだよね。
 証人台が中央で、左右に弁護士・検事、奥が裁判長。周囲に傍聴・陪審員。
 証人は裁判長に向かうのではなく、客席に向かってパフォーマンス。

 同じ構図で同じように裁判をやり……しかし、原作に合わせて表現方法が根本から違った。

 なにしろ「裁判」だから、どちらもドラマティックであり、逆転に次ぐ逆転で審議が進む。
 歌とダンスで表現し、とことんシリアスに悲劇とカタルシスを構築した『カラマーゾフの兄弟』。
 ゲームと同じ手法でロジックのみ(や、ネタ自体はツッコミだらけだけど・笑)に終始する『逆転裁判』。

 まったく別アプローチの法廷モノを観ることができて、興味深かったっす。

 サイトーもスズキもいい仕事してますよー。

 
 この公演の意義はなんといっても「異文化コラボ」であることだと思う。
 ヅカファンと原作ゲームファン、どちらにとっても「心地よい」作品である必要があるし、宝塚歌劇団の目的が「客層を広げる」ことである以上、「原作ファンにすり寄りすぎた内容」でもダメなのね。
 これをきっかけにヅカという妙な文化(失礼)に、興味を持ってもらわないとイカンわけだから。

 感心したのは、やりすぎなくらい、ベッタベタのフィナーレ。
 本編無視して、突然展開する「タカラヅカ・ワールド」!!

 『カラマーゾフの兄弟』で本編無視してヲタク全開だったサイトー趣味走りすぎフィナーレと逆!!(笑)

 あー、いくらヅカでも、現代舞台のバウ芝居では、あそこまで世界観と乖離したフィナーレはやりません。
 男役群舞はふつーにスーツで踊るし、主要人物もぴらぴらの王子様ルックで出てきたりしません(笑)。
 本編を踏襲した、それをちょい派手にしたあたりでフィナーレやります。

 それが『逆裁』では、いきなりディープにタカラヅカ。
 世の中の人が連想するであろう、「タカラヅカ」な姿。

 ゲームを再現したために地味だった画面を払拭する勢いで、ヅカ全開。
 うん。
 ヅカファンだけ相手にしていれば、このやりすぎなフィナーレはチガウんだけど、そうじゃないから。
 「新しいお客さん、Welcome!!」精神の表れだから。

 ヅカのものすげーヅカっぽいところもあえて見せる。
 そして、そのあとは観客に委ねる。「宝塚歌劇」という特殊な文化を愛してもらえるかどうか。

 そのバランス感覚が、アレンジャー鈴木圭の非凡なところだと思う。

  
 最後はらんとむと一緒に客席も含め全員で「異議あり!」ポーズキメて終幕でした。
 たのしかったよ。
「♪あなたは国を捨てる」
「ああ。生きるために」
「♪私も国を捨てる」
「そしてふたりきりで生きてゆく」

 と、盛り上がり、ラダメスとアイーダは14番目の月が満ちる夜、手に手を取ってエジプトをあとにした!
 ラヴラヴな一夜を過ごしたふたりの前に、ケペルが兵隊率いてやってきた。
「悪の組織に有力貴族の息子たちがさらわれた、助けに行くんで手伝ってくれ。ああ、その女は家に帰れば?」
「わかった、そんじゃアイーダ、またな!(すちゃっ)」
「…………えええっ?!」

 またなじゃねーだろ、帰れじゃねーだろ。
 駆け落ちじゃなかったの? なにもかも捨てたんじゃなかったの?

 一夜過ごしたあとなにごともなかったかのようにそれぞれ家に帰るってことは、だ。

 ただ、えっちしたかっただけか、タムドク?!!

 や、いきなりラダメスとアイーダなのは、それくらいありえない展開だっつー例です。

 「結婚するまでは絶対イヤ」と言ってえっちはおろか、キスもさせてくれないガードの堅い女の子を口説くために、「交際に反対している家も父も捨てる。結婚しよう」と口先だけで約束して、手に手を取って駆け落ち→えっちした翌朝、「俺、用事あるから、またな。気を付けて帰れよ」とさわやかに去っていく男って……ありえねえ。

 箇条書きでお送りしていた『太王四神記』感想ですが、ちょっくらふつーに、いつものノリで書いてみます。

 『太王四神記』に辻褄の合わないところは数々あれど、いちばんイヤなのは、ココだ。

 タムドク、さいてー。

 その前の場面で彼は、王位を放棄する。
 「王にはヨン・ホゲが相応しい」と父王はおろか、国民たちの前で宣言する。

 これは、「立派な行為」では、まったくない。謙虚なわけでもない。
 ただの責任放棄だ。

 王の息子として特権を得て生きてきたのに、なんの責任も果たさずにオイシイとこ取りで、面倒なことは他人に押し付けた。
 これで臣下であるヨン・ホゲをバックアップする旨を告げるならば、「国を支える責任」を自分の器量に合わせて担うつもりだとわかるが……彼は、女と逃げた。

 蝶よ花よとぬくぬく育てられ、いざ重い責任を果たす段になると、「やーだよ、ボクは自由に生きるんだ!」と女と逃げ出す。
 それも、全国民の前で。
 父王の面目も丸つぶれだし、国の屋台骨が傾いてもおかしくない愚行。

 ……もちろん、それだけのことを「覚悟」を持ってするならいい。
 こんなバカ王子を、親バカゆえに後継者にしようとしたヤン王は、「国を滅ぼしかねない愚王」「王としての資格なし」と謀反を起こされるかもしれないし、人望を失った王を戴いた国は、他国にあっけなく侵略されるかもしれない。
 国を滅ぼすかもしれない、それほどの言動を、タムドクがすべて覚悟の上で取ったならば、それでいい。
 ヤン王が殺されても、ヨン・ホゲが王になる方が高句麗のためだと判断し、自分が悪者になるつもりならば。

 「覚悟」があるなら、いい。
 しかし。

 それほどものすげーことをしておいて、だ。

 翌朝、あっさりと元に戻っちゃうんだ。

 高句麗の王子様に、戻るの。
 テジャ城で、自分でちゃんとそう名乗ってるし。

 ヨン・ホゲが迎えに来たら、なんの疑問もなく「王子様」として行動する。
 つまり彼は、口先でキレイゴトを言うだけで、覚悟はおろか、なにも考えていないし、なにも失うつもりはないの。

 自分の権利だけは大切に抱きしめて、責任は放棄。

 タムドクについて走り出したキハは、なにもかも捨てたはずだ。天地神堂も、火天会も。いずれ火天会の手に落ちるかもしれない、とは危惧しているだろうけど、それでも彼女は自分の意志でタムドクについてきた。
 それまでの世界を捨てて、タムドクだけを信じて。

 なのに、翌朝になったら「君、帰っていいよ」って……!!(白目)

 つまり、えっちしたかっただけ? プチ家出したかっただけ? 本気にしたアタシがバカだってこと?!!

 悪の組織にさらわれた臣下を助ける、のはたしかに大切なことだし、そこで助力しようとするのはタムドクのやさしさだろう。
 でもね。
 臣下を助ける、のは、王子の仕事だ。
 タムドク、君、昨日自分から「王子であること」を捨てたよね? 放棄したのは王位継承のみだけど、あの場でそう宣言して女と逃げたってことは、王子であることも捨ててるよね? キハに「ただの市井の男になってもいいか」と前に言っていたから、そーゆーことだよね?
 それとも、「王子様としての特権は捨てる気ないけど、好きな女の子と好きな土地で暮らすんだ」ってこと?

 王子であることを捨て、ただの男になったのならば。
 なにもゼイタクできないとか、王宮でのうのうと暮らせないとか、そーゆーことだけじゃないんだよ。

 軍を率いて、困っている国民を助けることも、できないの。

 タムドク、君は自分で捨てたんだよ。火天会に誘拐された4部族の息子たちを助けに行く権利を。どんなに助けたくても、君にその権利はない。
 王位を放棄するってのは、そーゆーことだ。

 あれほど無責任かつ無神経なことをしておいて、恥ずかしげもなく「高句麗の王子」と名乗りを上げる。
 自分がいかにも「正義」という顔をして。

 王位を譲るのなんのって、ただの口先だけなんだ。彼は王子でない自分なんて、まったく想像も出来ないんだ。
 自分を信じてなにもかも捨ててついてきた女の子に「大丈夫、また会える」とか言ってキスしちゃうんだ。
 また会える、わけないだろ。
 なにもかも捨てた彼女に、帰る場所なんてない。戻れば彼女がどれほどの咎めを受けることになるのか、自分のことしか考えられないタムドクは想像すらしない。

 自分のしていることの愚かしさを自覚せず、いつも自分を正しいと思っている無責任で無神経な子ども。

 貧困に喘ぐモノの前で、「パンがなければお菓子を食べればいいのに」と笑うよーな、善良であることを言い訳にした、無知さ愚鈍さ。

 こんなヤツに、王の資格なんかない。

 ……ホゲがキレるわけさ。こんな、自分の言動の意味も理解できていない男に「欲しかったらやるよ」って言われ、這いつくばってありがたがるほど、自尊心欠如してないっつーの。
 酷すぎるよ、コレ。

 テジャ城へ行くなら、その前にきちんと「もう私は王子じゃないから、軍を率いて助けに行くことは出来ない」と言わせるべきだ。助けたい、力になりたいのは山々であると表現した上で。
 それでも、と強くヨン・ホゲが求めるので、今回限りということで、捨てることになる祖国への罪滅ぼしのつもりで同行する。
 キハはもちろん、天地神堂へ帰らせたりしない。ふたりが過ごした山小屋へ匿っておく。臣下を助けたら、ふたりで新天地を目指すために。……それが、ホゲでもプルキルでもいいから手下によって拉致られて王宮へ連れて行かれる、と。
 で、あとの展開へつなげる。

 イケコ作品は「心」がつながっていないんだ。
 その場その場でてきとーな、表面的なことしか言わないししないから、もうめちゃくちゃ。
 もうあきらめてるんで、はじめから脳内補完して観ているけれど、ほんとこの謎の展開だけは、なんとかしてほしい。

 「タムタムのプチ家出の巻」でしかないじゃん、これじゃあ。たった一晩かよ、彼が「市井の男」だったのって。
 そしてその一晩でやったコトって、アレだけですか……。

 酷い。
 『太王四神記』感想箇条書きの続きっす。

・「別れの儀式」ってなんやねん。
・「忘れ物だ」といい、イケコってこーゆーあざとい演出うまいよなー。
・辻褄合ってなくても流れとしておかしくても、とにかくあとでネタにして遊べるくらいベタなことをさせるのは、ヅカの演出家として正しい。
・まあ、「俺のガーディアン・エンジェル」に勝るモノはないかと思いますがね。(真顔)
・以上、小池修一郎作花組トンデモLOVE台詞集でした☆

・いつの間にやらタムドク親衛隊になったコムル・トリオとその他いろいろたち。
・てゆーか、だいもんが歌いまくってる。
・キハ@彩音を連行中のチョク・ファン@しゅん様の前に現れるコ将軍@めぐむ。何故か歌う。
・歌う必要はまったくないところで、何故かひとりミュージカル。イケコってお気に入り生徒にはこーゆーことするよなあ(笑)。
・てゆーかめぐむかっこいー。

・「テジャ城へ」と歌う人々の合唱はかっこいい。

・誰かわたしに、ヤン王がナニを考えているのか、教えて下さい。
・愛し合うふたりを引き裂くためにキハを悪者にする、まではいいとして。
・自分が死んでどうするよ?!
・タムドク@まとぶんを王にするまでは死ねないんでしょ? タムタムはアホの子だから、チュシンの星の力をもってしても、タムタム自身の力では王になれない、父王の助力と庇護がないとダメだって、ずーーっとそう言ってきたじゃん!!
・そう、ヤン王@星原先輩は誰よりも息子を信じていない。タムタムがひとりではなにもできないと信じ続けている。
・そんな子を放り出して、突然死ぬのはおかしすぎる。

・カクダン@りせVSサリャン@みつる。
・カクダンが部下の女兵士たちに「楯になれ!」と命令するのが好きだ。それだけの信頼関係が、信念があるんだね。
・取り乱し、号泣するキハが切ない。そりゃ泣くわ。ヤン王、わけわかんなすぎ。

・プルキル@壮くんのマジック・タイムが素敵。
・ハンドパワー、なんか出てます出てます。
・吹っ飛ぶ演技かわいい。プルちゃんラヴ(はぁと)。
・目を剥き出して顎を上げていちいち台詞言うのかわいい。プルちゃんラヴ(はぁと)。
・「オマエの中に、ナニかが宿っている!」……いやん(笑)。
・昨日の今日でコレかあ、一発必中、タムタムってもー。と、初日から見ていてテレたぞヲイ。

・はい1幕クライマックス、テジャ城です。
・てゆーかチョ・ジュド@ふみか、働き者だなあ。イイ声だなあ。
・城門が開くと、そこにセドル@よっちたちの死体が。何故かココでわたしはいつも『鳳凰伝』を思い出す……。
・ここの展開も謎。
・「4部族長の息子たちを殺したのはタムドクだ、成敗する」って……必要ないじゃん?
・テジャ城に着く前に殺しておけよ。どーせヨン・ホゲ@ゆーひの味方しかいないわけでしょ? どこで殺しても同じこと。
・そんなことより重要なのは、テジャ城までの道中、タムタムとホゲがどんな会話をしたかだ。
・ホゲはいちおーテジャ城までは今まで通りの友人の振りをしているわけでしょ? ケンカ中かもしれないけれど、殺そうとしていることは伏せているわけだし。

「なあさっきの、舞いを見せてくれってなんだ?」
「…………」
「君も彼女を知っているのか? あ、わかった! 高句麗一武道大会の開会式だ、キハが舞っていたな。うん、アレは美しかった」
「…………」
「彼女はその、まあ、僕の……」
「…………」
「うん、そして昨夜は……(思い出し笑い)……なあ、聞きたい?」
「…………」
「聞きたいだろ? な?」
「……………………(怒)」

 沈黙に耐えきれなくて道化のごとく早口のあんちゃん風に喋り続けるタムタム。クールに無視し続けるヨン・ホゲ。
 しかしだんだんアライグマくんのこめかみには怒りマークが……。

 そしてついにテジャ城到着。
「誰も手を出すな、こいつは俺が始末するっっ!!(むきーーーっ)」

・……ああ、くだらない想像ばかり流れ出る。
・だってこの脚本、わけわかんなさすぎるんだもん。キャラで遊ぶしかないわー。

・ヨン・ホゲ率いる敵に囲まれタムタム危機一髪! なところへスジニ@みわっちたち登場!
・「やめろ~~!」「ナニモノだっ」「タムドク様の仲間だよ!」のやりとりを変だと思うのはわたしだけだろーか。
・えーとふつーは、危機一髪に割って入るのは第三者か、襲いかかる側を止められる立場の者じゃないの?
・タムドクを殺そうとしているときに、タムドクの仲間に「やめろ」って言われて手を止めているホゲ軍のみなさん、変。
・カクダンの近衛隊が伝令ヨロシク割って入るなら、ホゲ軍が手を止めても仕方ないけどさ。スジニがってのはおかしいわ。
・てゆーかいい人たちだな。「やめろ!」「はい」てか?

・カクダンがもたらした情報「巫女のキハがチュモ神剣でヤン王を刺し殺した。ヤン王は、チュモ神剣をタムドクに渡しチュシンの王になれと伝えろ、と遺言した」……そして手渡されるチュモ神剣。
・父親を殺した凶器なんですけどコレ、渡されても。

「今の話、どこに突っ込めばいいんだ?」
 呆然とするタムドク。
 なんでキハがチュモ神剣? つかキハと父上になんの接点が? キハは自分ちに帰ったはずだし? でもって凶器を私に? なんで? 凶器にトリックが隠されてるとか? 指紋つけちゃっていいのかコレ?
 話が突拍子も無さ過ぎて、フリーズするタムドクの前で、カクダン、がくりと頭を落とす。えっ、りせここで終わり?
「ヲイっ、この状況で事切れるな、わけわかんねえ!!」

・嘆きのタムドク、チュモ神剣をかざして吠える
・蛍光灯、点灯。
・じゃなかった、ライトセイバー点灯。
・じゃなかった、チュモ神剣、発動。

・「あなたこそ、チュシンの王!」ヒョンゴ@まっつの声、いいなあ。
・でも、水戸黄門ルックで杖をかざす姿は、かっこよくないなあ(笑)。
・いちいちセリ上がりして、何故かまたセリ下がるタムドク。……上がったままじゃいかんかったんか?
・主要人物それぞれのソロと大コーラスで幕を閉じるのはイイ。
・ホゲ様のソロがせつない。

・でもつい、『スカーレット・ピンパーネル』の1幕ラストの豪華絢爛盛り上がりまくりのクライマックス → 幕、がアタマにあって、「なんて寂しい画面……盛り上がらない……」「ハッタリが足りない……コレやるんならサイトー演出にしろよ……」と思って肩を落とした初日のオレ。
・や、もう慣れたから、コレはコレでいいんだけどね(笑)。
 箇条書きとゆーか、過剰にだらだら書き『太王四神記』感想、よーやく第2幕。

・またしても、幕開きがヒョンゴ@まっつ! またしても絶対遅刻できねえとプレッシャー(笑)。
・何故かヒョンゴ先生とコムル村の人々、ここだけヘアバンド付き。
・いつもまっつガン見していたもんだから、玄武マークが背景に映ってるの知らなかった。玄武が出てくるの、ここだけだよね?
・はい、玄武は消え、あっちゅー間に見慣れた朱雀マークに。

・「ヤン王様、何故自ら死を選んだのですか」……わたしも聞きたい。
・嘆きのキハ@彩音の背後に、ヤン王@星原先輩の亡霊が。
・いちばんの悪役っちゅーか「困ったちゃん」はヤン王なんじゃないの?
・プルキルよりタチ悪いよコイツ。
・話をかき回すためだけに存在しているとしか思えん。

・タムドク@まとぶん、ヨン・ホゲ@ゆーひ、キハの三重唱はいい感じ。
・3人とも、まったくチガウことで勝手に悩んでるあたり、人生模様ですな。
・てゆーかお前ら、会話しろよ、コミュニケーション取れよ。

「ウチはさあ、家族全員B型だから、食卓の会話とかすごいよー」
「どうすごいの?」
「みんなひとりひとり勝手に自分の話してて、誰の話も聞いてないの」
「ソレでいいの?」
「うん、みんな他人の話なんか聞かないから、そもそも自分の話を聞いてもらっていないことにも気づかないの。勝手に別の話して、でもみんなで一緒に『はっはっはっ』って笑ってるの。すごい平和」
 と、にこやかに言っていたB型の友人の話を思い出す。(我が家は全員A型)

・この芝居の柩ふたつめ登場。
・妊婦も出産も多いが柩も多い作品。
・天地神堂にて被告人不在のまま裁判開催。
・すげー人口密度。舞台の上、人間だらけ。
・いちいち五色に別れた人々が素敵だ。派手な舞台は大歓迎。
・人数が足りなくて、よく見れば女の子たちも男装して混ざってるし、りせもちゃっかり混ざっている。
・てゆーか4部族長の息子たち殺害の件はどーなったんだ? いつの間にかヤン王殺人事件になってる。息子たちのことは「済んだこと」? ただの事実として流されてますよ。
・コ将軍@めぐむの人望無さ過ぎ。

・タムドク様、堂々と登場。……ヒョンゴって王国のおえらいさんたちにもの申せる立場の人間だったんだ。へー。
・仮にも裁判の場で、ヨン・ホゲ派の巫女が「陛下は自害した」と証言しているのに、なんの問題にもならないって……。
・ヤン王の亡霊(声)登場、さらに事態を引っかき回す。
・「父親殺しは誰か」という核心に迫る話の途中だっつーにキハ、ホゲからチュモ神剣を奪って、タムドクを刺す。
・てゆーかお前ら、会話しろよ、コミュニケーション取れよ。
・死から復活までがけっこう簡単すぎて、ときどき客席から笑いが起こる、まとぶんが気の毒な演出。
・キハを抱き留めるホゲ様かっこいー。
・でも、オロオロしているヒョンゴ先生をつい見てしまう。

・「父上の遺言、しかと受け取りました!」……えーと?
・ヤン王の遺言って、「チュシンの王になれ」?
・…………えええ、タムドクもう決意しちゃってるの? いつどこで? あ、ライトセイバー点灯したとき、なんか降りてきた?
・たしかにあの瞬間だけ、なんかいろいろ王様らしいこと歌ってた。
・でもタムタム、王として覚醒したあと口にしたことって、「どんな王になるか」「どんな国にするか」とか王様らしいビジョンはなにひとつなく、「キハの真意が知りたい」「彼女のハートが気になる」だけじゃん?
・マジで気づかなかった、タムタムが王として目覚めていたなんて。
・王位は譲る、ってさんざん言ってたのになー。
・で、王になるって決意も、神様絡みってゆーか、自分の意志とは別の運命とか宿命とかの部分で。
・タムドクとしては、ちゃんとモロモロにけじめ付けて王としての覚悟や決意をつけて……ての、なかったよなあ。
・神様が降りてきた瞬間だけ王様らしいこと歌って、もとのタムドクになると女のことしか言わないって、こんな色ボケ王様、やばいって……。

・とまあ、キハのことしか言わなかったチュシンの王・タムドク様。
・キハとの会話は途中でぶっちぎられ、なんの解決も見ていないのに、次の瞬間から「神器探しに行くぞー!!」
・ちょっと待て、キハの真意は? ヤン王殺害の真実は??
・ナニがしたいんだ、タムドク!

・気になるのは、タムドクとホゲとキハの会話だ。

・タムドクは仮の王、ホゲは仮の将軍、キハはホゲ派の神器の守り主として、みんな王宮(もしくは王都)にいるんだよね?
・あとになってスジニ@みわっちが簡単ぷーにヨン家に紛れ込んでキハと話しているように、お互い行き来は出来るし、会話しようと思えばできるんだよね?
・とっとと話し合えば済む事じゃないの? 3人ともそもそも誤解でしかないんだし。
・てゆーかお前ら、会話しろよ、コミュニケーション取れよ。

・この作品がキモチワルイのは、主人公たちがみんな、他人と話すことが出来ない人たちであることだ。
・もともと親友だったり恋人だったりするのに、そして当人同士すぐそばにいるのに、会話しない。
・最初にちゃんと話し合っていれば、なんの問題も起こらないのに、それをしない。
・別々の国にいるとか、会うことも出来ない、とかならわかるけど。親友だったら、恋人だったら、立場やしがらみいろんなものをなんとかやりくりつけて、話し合うべきだろ。自分のためだけでなく、相手の苦悩を和らげてやるためにも。
・ヨン夫人自殺後にタムドクとホゲがはじめて言葉を交わす武道会の場面にしろ、その後まとまった時間一緒にいただろうテジャ城往路にしろ、ヤン王殺害後にタムドクがキハとはじめて言葉を交わす天地神堂の場面にしろ、タムドクを選んだキハがまたホゲをヨイショする側に戻ってきたことに対してのホゲの心中も、とにかく肝心の場面が、心情が、なにも描かれない。
・観客の想像に委ねる、のではなく、たんに作者が無神経に見える。そこまで気が回っていないのがアリアリ。だって一ヶ所二ヶ所じゃなく、全部なんだもん。
・気にしてないんだな、最初から。この物語を、この人物たちを描く上で。

・自分のことしか考えられない、自分の話しかできない、他人の話を聞くことが出来ない人たちが、親友同士、恋人同士ですれ違い、敵同士になることで苦悩する物語を綴られても困る。

・てゆーかお前ら、会話しろよ、コミュニケーション取れよ。頼むよ。

 この作品のテーマかなあ。「人の話はちゃんと聞きましょう」「他人とコミュニケーションを取りましょう」。
 ……まあともかく、感想箇条書き、別欄へ続く。

 『太王四神記』過剰に感想だらだら書き。

・2幕になると構成がパターン化してるよーな。
・なにかひとつの事柄に対し、タムドク@まとぶと仲間たちわいわい→ホゲ@ゆーひとパパたち、またなにかあって、タムドクたちわいわい→ホゲわいわいの繰り返し、その合間にちょっとプルキル@えりたんネタ、とゆーか。
・あまりに同じことを繰り返すから、新公ではそのへんがばっさりカットしてあって笑った。たしかに、まとめられるよな、アレ。

・それでも、どんどんすさんでいくホゲ様はかっこいい。

・かわいい衣装皆無のタムドク軍において、タルビ@ののすみの浮きっぷりときたら(笑)。
・や、かわいいよ。かわいいけど、スジニ@みわっち、パソン@一花と衣装の世界観がまったくチガウ感じ。これだけ和を乱すわざとらしい衣装もありなら、なんでスジニもそっち系にしないんだ。
・ヒョンゴ@まっつはどんどん下世話になっている気がする……や、基本「村長さん」なんだけど、あちこちの反応が「陽気なおっさん」化しているというか。どうしたんだまっつ(笑)。
・テレながらタルビの話をするチュムチ@まぁくんに対する「こいつぅ」的な反応とか、登場したタルビに「可愛いじゃん!」と鼻の下を伸ばすヒョンミョン@だいもんに、スジニとふたりして足蹴り喰らわせるとか。ヒョンゴがどんどん愉快な人に……。
・人望のないコ将軍@めぐむ、部下のひとりも連れずにタムドク軍へ。
・裁判のときもただうろうろしているだけだったし、いいとこなしの見かけ倒し将軍だが、ここでちゃんと見せ場有り、後ろから襲いかかるチュムチを吹っ飛ばしてくれるのは、かっこいい。
・てゆーかココがないとやばかったよ、コ将軍の描き方(笑)。
・フッケ将軍@まりんは素敵にまりんだ。
・パソン姐さん特製鎧はかっこよくてうれしい。タムドクもよーやくかっこいい衣装になってくれてうれしい。
・旅立つタムドク軍の背中と、歩き方が、なんかおちゃめ。

・チョロ@めおちゃん、水煙草を吸いながら登場。
・素敵に時代劇。
・台詞にコブシ回ってます。
・「カンミ城もなめられたものよのう」素敵に悪代官。
・このやりすぎ感がたまらん。
・カグン将軍@さおたさんは、いくつなんだろう? 見た目は美老人だが、現役戦闘員。タムドク相手に立ち回りだもんな。
・きっと強い将軍なんだろうけど、見た目が細身の老人なので、彼に勝つタムドクがそれほど強く見えない件。
・杖を持ったヒョンゴはどーやって戦うんだろうと思ったら、戦わなかった。
・鎧着て剣を帯いて、戦場を……ただ、走り回ってた。
・戦闘になるかも、てなときに、女の子スジニの背中にかばわれてしまう働き盛り30代男ってのは、どーなんだろう。
・チュムチの剣を抜くアクションは大変そうで、いつもどきどきする(笑)。でも、あーゆー大仰さは好き。
・真ん中で槍を振り回して大暴れ、のチョロ、がんばれ。
・初日あたりは、チガウ意味でドキドキハラハラ(笑)。
・ここでチョロが強そうで格好良くないと、説得力がなくなるんだ、がんばれめおちゃん、機敏で流れるような動きを……!
・遠くからだと、仮面の男チョロの仮面がはずれたのかそーでないのか、わかりにくい。
・仮面もその下の醜い痣?のよーな皮膚も、色が似ているのでわかんないのな。仕掛けのために、その痣も顔から盛り上がっていて「上から付けている」のが丸わかりなので、仮面との区別がつきにくい。
・チョロとカグン将軍の関係は、萌えだ。
・チョロに仮面を与えたのはカグン将軍だよね? それって、なんて『ファントム』?
・顔のウロコが取れる場面は、いつ見てもドキドキ。ウロコがうまく落ちてくれないときやら、あまりにあからさまにチョロが仕掛けを脱ぎ捨てる様やら、舞台って大変だよなー、と。
・「案外いい男だねー」と「これが俺の顔か」の流れがイイ。
・めおちゃんのナルシーぶりが際立って素敵。(役名で言いましょう)
・「今日よりタムドク様を敬い、伏して従います」とゆー台詞が好きだ。

・タムドク→ホゲ交互だから、タムドクの次はホゲのターン。どこのシミュレーションRPGかと。
・イルス@マメのソロ。うわー、マメが歌ってるー。マメの歌声好き。てゆーかイルス好き。感情が豊かで単純な、愛すべき男。
・ゆーひくん、本領発揮。
・ゆーひの得意分野だよな、コレ。
・闇に堕ちた英雄ホゲの、破滅への暴走。
・チョク・ファン@しゅん様がまともでかっこいい。彼が堅実である分、ホゲの歪みが際立つ。

・下手からせり上がるプルキルの手が、猫みたいだ。
・猫飼ってる人ならわかるよね、手首を内側へ折りたたんで坐ってるアレ。香箱坐りって言うんだっけ。
・黙って猫みたいな手をしてせり上がってくるおさげドジョウヒゲの壮くんが、素敵すぎる。ツボ過ぎる。
・キハの台詞「あり得ないわ」が激しくデジャヴ。皇后様、がんばって。
・しかしプルキルもいいとこないよな。大見得切って水晶玉のぞいたのにキハ@彩音ちゃんを見失うわ、神器がどこにあるのかはっきりと探せないわ、「前世の記憶を取り戻せ」とやればそれは叶わず「あれ、子どもの頃の記憶が戻っちゃった、反省反省☆」……2000年生きてなお、なにひとつまともに出来てませんが、この男がラスボスでいいの、この話?

・はい、次はタムドクのターン。
・唐突なスジニ花嫁話。
・スジニがはじめてかわいい服を着せてもらう。ピンクがいいよね。明るい色がいいよね。
・しかし、スジニの比重が低すぎて、いきなり恋愛ネタ入れられても困る。
・ここに至るまで、スジニはヒョンゴ、ヒョンミョンと3個イチ扱いに過ぎない。原作知らなくても、設定だけでオイシイキャラクタだとわかるのに、ほっんとーに描き方を失敗してる。
・みわっちはかわいいし、よく演じているけれど……やっぱ役不足だわ。みわっちがもったいない。
・さらに、黒朱雀ネタを入れられても、半端すぎて困る。
・対するタムドクもなあ。すごく鈍感で無神経な男に見える台詞はなんとかしようよ。スジニのキモチをわかった上で、応えられないことを暗に言っているのだろうけど、日本語のつながりが変だから、空気読めない人になってる……。
・ああ、このへんもなんてイケコ・クオリティ。
・「最初は親友だと思っていた相手を好きになっていた」へ返す台詞が「私と同じだ」って、アンタ……。
・「私と同じ」がスジニの後半の台詞「好きになったのは、恋してはいけない相手」に係る言葉なんだろうが、そのあとに「だが」と続くので流れがおかしくなっている。スジニもすでに「恋してはいけない」と否定しているんだから、同意の文章に否定の接続詞を使うなっつーの。
・おかげで、同意しているのは「親友を愛した」って部分に聞こえる……。

 続く。

 な、なんかとんでもないことになってるな、宝塚歌劇団。

2009/02/12

次期雪組主演娘役について

この度、次期雪組主演娘役に愛原 実花(雪組)が決定致しましたので、お知らせ致します。

主演娘役としての公演は、2009年7月31日に初日を迎える雪組宝塚大劇場公演『ロシアン・ブルー』-魔女への鉄槌-、『RIO DE BRAVO!!』からとなります。

 いや、とんでもってゆーか、えーとえーと、とりあえずナニを言えばいいのか。
 えーと、そうだ、みなこちゃん、雪組娘役トップスターおめでとう。

 月組の例があるから「娘役トップはなくなるんじゃないか」とか、月組の例があるから他組から「誰??」な下級生男役が娘役トップとして特別出演したりするかもしれないとか、いろいろ危惧していたけれど。
 ちゃんと娘役トップの地位は健在で、そして組内からスター娘役の昇格だ。なーんにもトンデモなことぢゃないさ。そうだよな、順当なことだよな。

 でも、なんかトンデモな印象があるのはどうしてだろう。

 とゆーことを、まず考えてみたいと思う。
 みなこちゃん個人がどうこうではなく、「組内からの昇格」なのに落ち着きが悪いのは何故か?

 みなこが2番手を経験することなく、周囲の異動もなく、自組でトップになるから、だ。
 

 他組からの異動なら、2番手経験なくトップ、てのは、娘役の場合はないわけじゃない。月組へ組替えトップ就任の檀ちゃんとか、花組へ組替えトップ就任のふーちゃんとか。月のえみくらもそうだな。

 しかし彼女たちも、同組内では2番手経験なしではトップになれるはずがなかった。だって現時点で2番手ではない組でトップになるには、2番手以下自分の上にいる人たちをすべて追い抜くことになる。
 当時雪組にいた檀ちゃんが貴咲美里、愛田芽久、紺野まひるという新公・バウヒロイン経験者たちを全員すっとばして雪組でトドロキの相手役になるはずがなかったように。
 当時宙組にいたふーちゃんが、2番手の彩乃かなみを脇に追いやって宙組でトップスターになるはずがなかったように。
 もしも檀ちゃんがあのまま雪組でトップになるなら、もしもふーちゃんが宙組でトップになるなら、上の番手の娘役すべてが他組へ異動になっていたはずだ。

 タカラヅカは不思議なところで、冷徹に人事を行うわりに、一度番手らしきものがついた人たちは、下手に順位をいじったりしない。
 同組内で順位の追い越しは、滅多なことではやらない。徐々にレールを逸らしていくことは同組内でもあるけど、いきなりポジションを上げたいときは組替えする。生徒の面子を潰すようなことはしない。(唯一月組は下級生抜擢、下克上、上級生2番手と、なんでもありーのの組、というイメージ)

 
 現在3番手以下娘役がトップになるには、通常組替えが必須。
 是非はともかく、タカラヅカは同組内であからさまな下克上をしない組織だから。本人が動くか、あるいは上の番手が他組へ異動になるか。
 花組の現在の娘役トップ彩音ちゃんは、2番手なしで自組でトップ就任しているが、その場合2番手娘役だったあすかちゃんは専科に異動になっている。トップスター桜乃彩音の下で、脇役として遠野あすかが同じ舞台に立つことはなかった。

 「2番手経験なし」で「周囲の異動なし」で「同組2番手を追い越して」トップ就任ってのは、かなり特異な事態だ。

 てゆーか、わたしの記憶にない。
 たかだか20年しかファンやってないんで昔のことはわかんないし、20年前は今ほど情報なかったし全組観ているわけじゃなかったから、記憶が確かなのはせいぜい10数年でしかないわけだけど。

 「2番手経験無し」だけなら、娘役の場合、過去に例がないわけじゃない。だがその上「自組で下克上トップ」でさらに、「追い抜かれた人の異動なし」という、記憶にない事態が加わるので、せっかくの組内昇格なのに「えらいこっちゃ」な人事に思えてしまうようだ。

 や、そーすると「雪組の2番手娘役って誰よ?」って話になるよな。
 たしかに今の雪組には固定された2番手はいなかったと思う。公演ごとに娘役たちの比重は違っていた。
 だが2番手を固定していないならなおさら、これまでにみなこを2番手にすることもできたわけだ。なのに、それもなかった。
 おそらく次の公演でみなこが2番手役なんだろうけど、トップ内定を発表された現時点で番手外であったという事実の奇異さは覆らない。
 また現時点で、過去公演で2番手を務め現在在籍している、いづるん、さゆちゃんという、固定ポジではなくても2番手格の人たちの異動も発表されていない。
 いづるんは新公主演していない別格ポジの人だからまた別としても、新公ヒロイン、バウヒロイン、DCヒロイン、WSヒロインと短期間にヒロイン稼業を独占しきったさゆちゃんをそのままにして、下級生のみなこによる異動なし下克上ってのは、今までない出来事だ。

 それゆえに、第一報を受けた感想は、とんでもないことになってるな、宝塚歌劇団。になるわけだ。

 今後あわてて辻褄合わせするのかな。
 組替えが発表になったり?

 なんだかなあ。
 人事へのとまどいは置くとして。

 次期雪組娘役トップスター・愛原実花、について私感あれこれ。

  
 みなこちゃんは文化祭から見ている。わたしの観た回が、彼女が挨拶をする回だった。
 とにかく個性的な顔立ち(笑)で、センターでがしがし踊っていた印象。

 どこにいても目立つ、印象に残る顔っていうのは、舞台人としては武器だと思う。が、「タカラヅカの路線娘役スター」としてはどうだろう、と思っていた。

 いや、「美」の基準はひとそれぞれで、一概に言えるものではないけれど。
 わたしの個人的感覚に過ぎないけど。

 阪急電鉄は毎年お正月ポスターを作成し、そこに研1生を使う。そこには成績上位のかわいこちゃんが選ばれている。なにしろ歌劇団だけの話ではなく、一般人相手の広告だからやっぱビジュアルが考慮されているんだなという印象を持っていた。まあ、成績優秀入団者はビジュアルも兼ね備えている場合がほとんどだし。
 男役と娘役が毎年交互なので、娘役の順番である90期では、首席入団で美人のくまくまちゃんがポスターに載るんだろうとか、成績がちょっとふるわなくても他の美人な子だろうと深く考えずに思っていた。
 少なくとも、ビジュアル重視だろうから成績2番で演劇界的に超有名人の娘であっても、みなこちゃんではないだろうと。あいようこお姉様だって、そこまではしてないし、と。
 や、そこでまず驚いた。新年ポスター、みなこですか。
 新年会で集まった非ヅカファンの友人たちが、待ち合わせ場所の阪急梅田駅にどかどか貼ってあるみなこポスターを見て「ねえ、タカラヅカの人ってみんな美人なんじゃないの? それともなにか美人の基準がチガウの?」と無邪気に聞いてきて、答えに窮したなあ(笑)。

 舞台での実力があるのはたしかだから、素顔でテレビタレント的使い方はしないでほしいと思っていた。
 スカイフェアリーズはテレビでニュースを読むのが仕事だから、舞台での実力者ぢゃなく、顔だけで選んでくれと切望したさ。みなこちゃんが雪組スカフェに決まったとき。
 ぶっちゃけわたし、彼女の顔が苦手でなあ。みなこちゃんがスカフェやってたときは、雪組キャスターのニュースは早送りして見てなかったんだわ……おかげで相棒のがおりくんの存在をまったく知らないままだった。

 舞台での抜擢も続いていたが、ジェンヌは経験を積めばみな美しくなるのだから、えーとその、マデレーネとか絶世の美女役をやるならば、もう少しスキルを磨いて美しくなってから演じて欲しいもんだと思ったりもしていた……ゲフンゲフン。

 そんなふーに、ずーーっと苦手だったみなこちゃんだが、やっぱ舞台人は舞台が勝負だよね。
 舞台での姿がすばらしいので、苦手意識は払拭された。

 顔が好き、ならそれだけで底上げされるもんだけど、苦手というマイナス地点からスタートして、それを超えていくんだから、なまじ好みの子よりすげーよ。
 
 てゆーか、役者としてのみなこは好きだーっ。

 好みの顔では、ごめん、今でもまったくないのだが、ぶっちゃけ個性的過ぎる顔だなと思っているが、舞台はテレビぢゃない、舞台上で絶世の美女に見せてくれれば問題ナシ。

 だから水くんの相手役として、がっつり芝居してくれる、ゆみこやキムともがっつり芝居してくれると思うのは純粋に楽しみだ。

 ただ。
 トップスターになるってことは、退団へのカウントダウンがはじまるってことだ。今のご時世、いったい何作やれるのかわからない。
 役の幅も狭くなり、たとえばこの間の静香@『忘れ雪』とか、通常はポニー@『凍てついた明日』みたいな役はできなくなるってことだ。下手すりゃ「美女」という設定しかないただそこにいるだけの人格ナシお飾り役しか来なくなる可能性だってある、ヅカの大劇場ヒロインなんて。

 もったいない。
 「役者」愛原実花にとって、もったいないことだと思うんだ。
 トップになるのも選択肢のひとつだけど、みなこちゃんには別格スターとして、長く、いろんな役で活躍してほしかったかなあ。

 演出家が「真ん中」としてみなこを輝かせる脚本を書いてくれることを、祈る。トップ娘役月影瞳にボニー・パーカー役をやらせたオギーみたいにね。

 水夏希と共に、魅力ある世界を見せて欲しい。
 また、ジェンヌはみんなキャリアを積むごとに美しくなるし、立場によってもさらに美しくなる。みなこちゃんはたしかに個性的、つーかまあ、アレな顔立ちだけど、ここからどれほど変わっていくのか楽しみでもある。
 

 13日には新聞にみなこトップが記事として載ったため、コアでもないヅカ仲間たちから彼女の素顔についての危惧メールが相次いだが……大丈夫だよ、きっとこれから美女になるんだよ。前例もあるし。

 いやその、雪組には昔、「花總まり」というトップスターがいてね。や、ほんとに大昔だけど。
 その彼女が研4だかでトップスターになったときの素顔はもう……。
 トップ就任前後あたりの頃だったと思うが、ヅカ施設だけでなく阪急の駅すべてに、彼女が素顔でにっこり笑う「ラガールカード」の巨大ポスターが貼られていてねぇ……当時流行っていたピンク系のアイメイクが瞼をさらに強調し、糸のような目をさらに細く見せていた、そりゃーもー語りぐさになるご尊顔でしたよ。
 非ヅカファン友人たちにこぞって、「あのキモい人、ヅカの人なの?」と言われ、言葉に窮したというか途方に暮れたというか。

 そんなところからスタートした花ちゃんだって、天下無敵の美女になった。舞台ではもともと絶世の美少女だったけど、それだけでなく、素顔だって美しい人になった。
 ジェンヌってすげえよほんと。

 みなこちゃんは若さとスタイルと華がある人だから、立場を得たからにはどんどん美しく花開いていくだろう。トップスターはみんなあか抜けていくもの。
 女の子がきれいになっていくのを見るのはうれしい。

 大野&さいとーによる演目もすげー楽しみだし、これからも雪組からは目が離せないな。

 や、まずは次のとなみちゃんサヨナラ公演。愛すべき大輪の華を、そして現在の雪組を心残りなきように心に焼き付けなければ。
 雪担のnanakoさんから「毎週観るよね?」と付加疑問文で確認されてますよ?(笑)

 今わたし、トウコちゃんトウコちゃんで体力もお財布もギリギリなんですが……。退団公演続きすぎだ、劇団! うがーっ。
 だらだら『太王四神記』感想。

・ヨン家での凱旋+婚約パーティ、ここでのホゲ@ゆーひとキハ@彩音の歌が好き。
・互いに無表情で目線も合わせずかわす歌から、冷たいキスまでの流れは萌えだ。
・ゆーひさんのガン見ポイントのひとつですな。特にキスしているときの突き放した眼差しがたまりません。ハァハァ。
・突き放した……キハを、というよりも、自分自身や、他のいろんなものを。
・「欠けている」ときに壮絶な色香を放つのはおーぞらゆーひさんの特色ですから。

・パーティに紛れ込んでくるスジニ@みわっち。……ごめん、やっぱキハの妹には見えない……若い女の子ではあるんだが、キハとは別の方程式で作られている人だわ。
・てゆーか、簡単に行き来して、簡単に会える人たちなんだ?! 絶対に会ったり話したり出来ない設定なのかとも思ってた。じゃあなんでタムドク@まとぶんは、キハやホゲとちゃんと会わないの?? と、我に返ってしまう。
・さらに、ここでのふたりの会話がよくわからない。
・「ナントカ山で過ごした夜は愛してたんだろ?」→「ええ、私の肩の烙印を治してくれた」……肩の烙印を治してくれたから愛したの?? じゃ、他に治してくれる人がいたら、誰でもよかったの?
・「烙印?」→「私は東百済の姫君で悪の組織に捕まって云々かんぬん」烙印について質問したのに、何故か話は横滑りで生き別れの妹の話に。
・「生き別れのお姉さん!」「妹!!」……なんで会話が成立するのか不思議だ。
・てゆーか烙印の話はいらんだろ。あの夜は愛していた、でも今は火天会の人間だからどうすることもできない、と言えばいい。そのうえで、何故火天会に囚われたかを話すべきだ。そーすりゃ妹の話にもつながるのに。
・会話のつながりがおかしいのはイケコ・クオリティだが、あちこちほんとに冷水を浴びせられる。

・王様(仮)として王様の部屋にいるタムドク。
・下手袖の階段上に登場する瞬間のタムドクが、全編通していちばん好き。
・すごく痛々しい表情してるの。脚本上のタムドクはアレ過ぎて考えることをアタマが拒否しがちなんだが(笑)、まとぶんが演じていることで、こちら側へ踏みとどまっている。
・まとぶんのまっすぐさ、アツさ、誠実さで、人格破綻を起こしている脚本上のタムドクをつなぎ止めてるんだよね。トップスターの仕事ですよ、ええ、壊れたキャラクタを力技でまともに見せるのは!
・キハへの愛を歌いはじめるよりも、歌い出す前の表情が好きだ。
・そこへスジニの手引きで現れるキハ。
・てゆーか、簡単に行き来して、簡単に会える人たちなんだ?! 絶対に会ったり話したり出来ない設定なのかとも思ってた。じゃあなんでタムドク@まとぶんは(以下略)。

・神器を差し出すキハもよくわからん。タムドクに渡すってことは今あるものすべてへの裏切りで、プルキルかヨン家かに殺されることは覚悟の上だわな。子どもも、道連れで。
・子どもの命を守るために、ホゲの妻になるんじゃなかったの? 結局どーでもよかったってか。
・自分の命も子どもの命もどうでもいい、タムドクさえ王になるなら、てゆーなら、ややこしいことしないで天地神堂でも政治家たちの集合したときでも、公の場で「朱雀の神はタムドク様がチュシンの王だとゆーてます」と言えば済むことじゃん? こうしてスタンドプレイできるくらい、24時間365日操られ続けてるわけじゃないんでしょ?
・なんかすげー思いつきくさくて嫌だ。
・つーか神器渡す暇があるなら、全部話せばいいのに。
・なにも考えてないだろ、イケコ。……ぢゃなくて、キハ。

・とりあえず、黒いドレスのキハはきれいだ。
・ここの場面のわけのわからなさはすべて、まとぶさんのドMプレイを堪能するためだと思えばヨシ。
・キハに「ホゲ様とデキ婚するのよ」と告げられ、がーー…ん!と白目になるタムドクがイイです。わざわざ相手を傷つけることを選んで言うS女と、そんな彼女に未練たらたらなM男、という、まとあやの正しい愉しみ方その1です。(その2は言わずとしれた「お兄ちゃん♪」ですな)
・プルキル@壮くんなんかよりはるかに強大な魔術師ヤン王@星原先輩の呪いによって、キハは「タムドクに憎まれなくてはならない」と思い込んでいるから、本当のことを話さず、「裏切り女」として冷たい態度を取ってるのだろう。タムタムを傷つけるのだろう。
・だとしたらその直後の朱雀の神器を差し出すのがまたわけわかんない……と、ループするから終了。

・んで、ホゲのターン。いつものメンバーが、いつもの会話。(溜息)
・んで、タムドクのターン。いつものメンバーが、いつもの会話。ただしタムドクがいないので、どさくさにまぎれてヒョンゴ@まっつがセンターにいて、個人的にたのしい(笑)。

・んで、ホゲのターン。ホゲの部屋かな、銀ちゃん×ヤス再び……ぢゃねえ、サリャン@みつる登場。
・「プルキルは火天会の大長老、2000年生きてきた魔術師なのです!!」
・あれ、まだ知られてなかったの?! そのことに驚く。
・だって水晶玉出してアブラカタブラやってたじゃん? どっから見てもただの商人チガウやん。タムドクだってキハが火天会の回し者だって聞いてるんだから、キハにくっついてるプルキルのことぐらいわかってるだろう? もう周知の事実かと思ってた。
・サリャンの肩見せプレイ希望。
・プルキル登場で、肩を押さえて苦しむサリャン。いつぞやのキハと同じってことは、彼もまた同じよーな烙印を施されていると見た。
・ホゲが「恥ずかしがることはない」とサリャンの肩をはだけ、そこにプルキル印が押してあるのを見つけ、「ああっ、ホゲ様が触れると痛みが消える……」
・なんか萌えればいいのかキモチワルがればいいのか笑えばいいのか微妙な想像だなヲイ。
・でも銀ちゃんヤスだから、そんなことにはならない。銀ちゃんはもちろん、ヤスを足蹴にしてナンボだ。
・サリャン亡骸を転がすホゲ様に萌え。
・プルキルはいつもたのしそうでいいなあ。
・イルス@マメ登場時に、サリャン死体をプルキルがさりげなく(笑)隠すのがイイ。

・で、タムドクのターン。いつものメンバーが、いつものよーにわいわい。
・タルビ@ののすみ妊娠発覚。チュムチ@まぁくんが彼女を姫抱っこ。かわいいなあ。しかし何人目の妊婦だこの話。
・初見時にパソン@一花の兄がチュムチだったのかと混乱。だってあのクソ忙しいチュシンの夜の出来事で、パソン兄は「火天会に捕まった」ってヒョンゴ先生語ってたの、ちゃんと聞いたもん。「殺された」じゃなく「捕まった」ってことは生きているってことじゃないの? それがチュムチで、成長して再会したけどお互い気づいてないまま、パソンが兄から預かった神器が、正しく兄の元に渡ったから発動したのかと。
・原作を見た木ノ実さんに聞いたら「チガウと思う」って言われたんで、チガウらしい。
・しあわせカップルに「早くしろ」と槍を鳴らすチョロ@めおくんの表情の変化が楽しい。妊娠報告のときは「ぴよ?」って顔してたりする。

 続く。
 『太王四神記』感想だらだら書きの続き。

・盾群舞が好きだ。
・武道会と並び、本能的にざわざわする高揚感。舞台ってすげえ、生ってすげえ。
・そして、ヨン・ホゲ@ゆーひが、かっこよすぎる。 
・ホゲと、ホゲ軍双璧チョク・ファン@しゅん様、イルス@マメ。この3人の並びが格好イイ。もー、わくわくする。
・そして、女子だけでこの力技なダンスをしているのだということにも、感動する。どんだけがんばってるんだ、みんな。

・作品中、もっとも「カッコイイ!!」と血が沸き立つ感覚をおぼえる場面が、すべてゆーひくん中心の場面であり、主役であるまとぶんがいないということに、演出家に物申したい気分になる。
・いちばんかっこいい場面は主役中心であるべきだろー? や、かっこいいゆーひくんが観られてウレシイけどさっ。

・白虎の神器発動→チュムチ@まぁくんが守り主だったんだ!という展開について、ツッコミはナシ。時間ないから仕方なかったんだな、としか思わない。つっこむべきは他にいくらでもあるからな(笑)。
・神器発動の折、いちいちヒョンゴ@まっつが真横を陣取っていることに、地味にウケている。
・ヒョンゴ先生は「神器鑑定家」? チュシンの王探ししてるときも杖をかざして検査(笑)してたし、なんか彼の扱いは微妙に愉快だ。
・白虎の神器発見→間髪入れず「神器をよこせえええ!!」ホゲ様こわいです。
・でも新公ではこの「見つけた!」「よこせええ!!」のくだりがギャグになっていたので、こわいくらいでいいんだよな。
・「もう俺は後戻りできないんだああっ」……ホゲ様胸きゅん台詞のひとつ。
・なまじオペラ使ってると、火天会が出てきたことが、わかりません。
・初見では、どっから矢が出てきたのかわかんなかった。舞台上の仕掛けのことではなくて、誰が射たのかってこと。弓兵いなかったじゃん?と。
・何回目かではじめて、花道に火天会の人々がいることを知った……。
・「やっと地獄に行けるぜ……」からが、長いです。言うべきことがいろいろあるからなー。朱雀の神器わたさなきゃだし、キハの腹の子のこと言わなきゃだし、プルキル@えりたんのこと言わなきゃだし、ヤン王殺しの真相言わなきゃだし……ええっと、なんか抜けてない? チェックリストは?

・「君が王なら、僕は将軍になる」
・現に今、タムドクが王様で、ホゲは将軍なのにね。どこで間違ったんだろうね……。涙。

・イルスの号泣が激しすぎて、チョク・ファンの棒立ちぶりまで気が回らないわたし。てゆーかここでしっかり苦悩モードに入っているヒョンゴ先生見ていると、他を見逃してしまう件。

・火天会の本拠地名、阿佛蘭寺が読めません! 四露死苦!
・つか、耳で聞くとカタカナ語でしかない。当て字文化に見える。四露死苦!
・自宅でくつろぎモード・ヘアなプルキルに注目。
・おさげぢゃないですよ、大長老様! ストレ~~トなロングヘア~~ですよ! でもドジョウヒゲはそのままですよ!
・あの三つ編みは「お出かけヘア」だったんですねえ。いちいち編んでたんですねえ。かわいいなあ、プルキル。
・赤い衣装の女の子たちゆらゆら、こわくていい感じ。
・「待て! 汚れた手で触るな!」声から登場するタムドクとその仲間たち。この展開はわくわくする。そう、声から登場するなら、これくらいのババーンな登場でないとスベるのよ。
・神器の守り主を含めたタムドク軍勢揃い、の、このメンバーがいい。いかにもゲーム的、アニメ的っていうか。
・美形ロン毛大柄な槍使い(ついでにナルシー)、男装した美少女戦士、モヒカンワイルドな元気男(背中に大刀)、杖を持った軍師、闊達なムードメーカーメタボオヤジ、知勇備えた美丈夫将軍、思慮深き老将軍、お調子者の情報屋……戦闘員ではないけど随行している凄腕鍛冶屋の気っぷのいい姐さん、きゃぴるんかわいこちゃんな食事係……そして、彼らを従える正義まっすぐキラリな王子様!! ずらりと並ぶと、それだけでドラマを感じる。
・このメンバーでアニメやってくれてヨシ、テレ東あたりの深夜枠で1クールでいいから! とか思っちゃうわ。
・わたしこの公演、ストーリーや脚本やいろんなことがどーしても好きになれないんだが、キャラクタは気に入ってるのよー。だからキャラだけ使って別物にしたくてしょーがない。
・てか、イケコ作品っていつもそうだ、わたし的に。
・設定だけ使って、別の話をイチから書き直したくなる。うずうず。

・せっかく勢揃いでわくわくな展開なのに、『SIREN』でゆーところの、屍人ノ巣に主要人物が勢揃いして、竹内が「遅かったか!」とか叫んじゃうあの昂揚感なのに(誰にも伝わらない比喩)、こっからの展開がよくわからない。
・せっかくのラスボス・プルキルとの対決もないし、集めた神器はどっかいっちゃうし、謎のクレーン登場だし、初見ではぽかーんだった。
・何回か見ると、プルキルがひとりで勝手に「うわー」とか言って女の子たちの後ろで変身してじじいになってることがわかった。
・でもじじいになってなにをするでもなし、ただ下手へはけていくだけ。
・それがキハの力らしいとは、何回か見れば想像はつくが、その無意味さ、演出のひどさに憤慨するばかり。
・ファヌンは黒朱雀となったセオを射殺した。ファヌンの生まれかわりのタムドクは、セオの生まれかわりのスジニを……あれ? 転生ネタがすげー無意味?
・ファヌンは黒朱雀となったセオを射殺した。ファヌンの生まれかわりのタムドクは、黒朱雀になりそーなキハを殺す変わりに神器を使って助けた。
・助けるまではいいけど。
・で、どーなったの?

 あと1回だけ続く!

 あー、長くなった。
 でもさー、箇条書きにでもしないと、やってらんない部分があってだね、この作品……。
 とにかく『太王四神記』だらだら箇条書き感想、ラスト!

 
・突然クレーン登場、突然ハッピーエンド。で、幕。

・置いていかれました。それまで、タムドク@まとぶんたちと一緒にロールプレイングしていたのに、突然わたしひとり置き去りされました。ぽかーん。

・今、国はめちゃくちゃだよね? 王位継承を巡っていろんな人たちが対立していて、ホゲが死んだことでヨン家がどう出るかわかんないし、4部族はタムドクが息子たちを殺したと思ってるし、かろうじてホゲを次期王にってことでまとまってるけど、それがなくなりゃ崩壊するよね?
・で、神器がないと王様として認められないと詔下っちゃってる状態で「神器より、国より、愛する女が大事」とやっちゃったタムドクは王として認められず、内乱勃発?! 高句麗人同士で血で血を洗う戦争に?
・てな状況が透けて見えるだけに、クレーンの上でいちゃいちゃして幕、という終わり方に、口ぽかーん。
・話、めっちゃ途中やん?! タムドク、君、なにひとつまともなことしてないやん?!
・自分たちのせいで出来た死体がゴロゴロしている中、「涙がいぢわるして海人サマのお顔がよく見えませぬ♪」だっけか、ラヴラヴいちゃくらシーンでハッピーエンドになった『望郷は海を越えて』と似た絶句感。
・マジでこの男に国を任せちゃダメだから!! 誰がどんだけ不幸になるとか、まったくわかってないアホの子だから! 善良なのはたしかだけど、彼が持っているのは「子どもの正義」でしかないから! 「自分がシアワセなら、みんなもシアワセ」って思ってるだけだから!!

・めっちゃ途中、と言っても、「続編がある」という意味での途中だとは思っていない。これで終了、だとわかるさ。
・途中、と思うのは、このラストシーンまでにやるべきいろんなことが放置されまくっていることに対して。
・『JAZZYな妖精たち』のラストシーンに似た「終わってへんやん!!」ぶり。それまでやって来たこと、積み上げてきたこと全部放り出して、積み木ぶっこわして、踊って歌って終了!と。

・イケコ脚本にドン引きしつつも、そこは深く考えず、どっかーんぶりを楽しむ。
・「ええいっ、やっておしまい!」なプルキル@壮くんの悪代官ぶりとか。
・キハ@彩音ちゃんのロボットダンスとか。
・杖持って走り回ってるヒョンゴ@まっつの役立たずぶりとか。や、あの杖、剣を受けることもできる、強い杖なんだね!(笑顔)
・言動はめちゃくちゃなのに、それでも彼が言うとなんか納得してしまう、まとぶんのまっすぐ力とか。

・クレーンの上でいちゃつくタムタムとキハを見上げる人々。
・触発されてか、ラヴラヴなチュムチ@まぁくんとタルビ@ののすみがかわいい。
・このときヒョンミョン@だいもんは、どさくさにまぎれてスジニ@みわっちを口説いているらしい。それに対するスジニの反応を見るのも、楽しみのひとつ。
・だがさすがに、スジニがヒョンミョンを張り倒したときは、目が点になった(笑)。激しいな、スジニ。
・上手がそーやってたのしそうなのに、下手側の人たちはあまりしどころがないっちゅーか、微笑んで目線をかわすのみ。
・チョロ@めおくんといちゃついてくれてもいいのよ、ヒョンゴ先生?!

・クレーンは立見だと、いちばん高くなったときに首から上が見えない。
・まっすぐ遠いよ立見でも下方に遠いよ当日Bでも近いよ3列目SSでも全体も近くも見えてたぶんいちばんイイ席だよな10列ドセンターでも、とにかくいろーんなとこで何回も見たが。
・クレーンは揺れまくっていて、こわかった。
・アレ、ほんとにこの芝居に必要なの、イケコ……?

 
・イケコ1本モノフィナーレ、本編の幕が下りるなり観客の視線は下手セリに集中。
・だって『エリザベート』も『スカーレット・ピンパーネル』も、まーーったく同じだったもの。
・案の定、2番手ゆーひくんせり上がりで主題歌で銀橋、次がロケット、そのワンパタぶりに客席から失笑が漏れた初日(笑)。
・ゆーひくんの衣装がすごい。ひらひら王子様? でも甲冑風? すげーハンパ感漂う、不思議な衣装。
・それでも、着こなしてしまうゆーひさんがすごい。

・ロケットは花組名物のぷくぷくぶり。
・一定数ふくよかな子がいるだけで、全体的にぱつんぱつんロケットな印象になるのは、どうしてだろう……。
・舞台両端にセットの階段があるため、舞台一杯を使って踊れないのな。さみしい……。
・姫花ちゃんの美貌より、みちるタンの笑顔に釘付けになってしまうのは何故だろう。
・そして仙名さんの筋肉質ぶりを堪能するのだ。おお、あの背中の筋肉、仙名さんを「見た」って気分になるわ。

・ここまではいつもの小池なんだけど、こっからいきなりがらりと変わる。『蒼いくちづけ』の1幕と2幕って感じ。
・オラオラなまとぶさんと、若者たち。
・「ラッシャイラッシャイ」でビートがんがん、て、タカラヅカってすごいとこだよな(笑)。
・女の子たちがマジきれい。かっこいい。
・銀橋を渡るまとぶんが客席を釣りまくるのが好き~~。あのおっきな目が、すごくいたずらっぽく、「おいでよ(はぁと)」って言うのよ。
・ええ、聞こえましたとも、目の前通っていくとき! 「一緒においで、一緒に盛り上がろう、楽しもう」って。目が言ってるの!
・まとぶんのこーゆーとこ好きだー。「オトしてやる」ぢゃなくて「おいで」なんだもん。
・しかし彼はすぐにいなくなってしまうのだ。
・そっから先は若者フリーダム!
・りせ、みつる、めお、まぁのカルテットで1場面って、新しい時代だなあ、と思う。
・りせはこれで辞めちゃうけれど、それでもこの面子が「新しい時代」。彼らの力を素直に感じる。素直に楽しむ。

・そして、黒一色の男役群舞へ。
・ここはもー、あまりのかっこよさに、息が詰まった。
・まとぶんとゆーひ、力の拮抗したトップと2番手のいる贅沢さを堪能。
・てゆーか、ゆーひくんがかっこいー。かっこよすぎる。
・しかし、壮くんの眉毛チェックも忘れてはならないっ!
・プルキル二股眉毛のままかっこつけてますよこの人!!
・発散中のみわさんがまた、すげー勢いで客席釣ってます。
・みわさんの流し目もらわなきゃ、「花組観た」って気がしないよなっ。
・どの場面も、盛り上がるところで途中退場しなければならないまとぶさんが気の毒っす……まとぶセンターにばんっと場面が終わる、てのを作るべきだったと思う。

・フィナーレはマメに持っていかれること多々あり。なんであんなに激しいんだ、彼。ダンスも、そして表情も。
・マメとだいもんが同じフレームにいると、暑苦しさでツボるぞ。
・若者たちはいいなあ、青龍ラッシャイと玄武ファイターズどっちも出られて。
・みんなかっこよくて、目移りして大変だ。

・でもほんとのとこ、まっつ見てるだけで、すべて終わってしまう。

・微妙にアニマルな白いデュエットダンス。
・ほっとする端正さ。美しいカップルだよなー、まとあや。

・エトワールがハルちゃんでおどろいた。いやその、いろいろ。

・パレードはそれぞれ役の衣装に戻って。
・おおっ、仙名さんがWトリオに入ってるー。
・ヒゲ男@らいらいの目線絨毯爆撃がすごい件。
・お辞儀のとき、カクダン@りせの口が「ありがとうございました」と動くのを確認する日々。なんかね、じんとするの。
・真ん中降りの人々が増えている。うん、スターが多いのはいいことだ。
・組長と副組長が降りてくる姿に、ひそかにツボっている。
・華美にごてごてキラキラなはっち組長(衣装で横に広がってます)に、黒尽くめ質素なさおた副組長(すげースリムです)。このふたりのキャラの差がイイの。いやあ、キャラ立ちしてていいわー、花組。
・みわまつの並びが好き。ふたりで階段降りしてくれるの、すげーうれしい。かわいいかわいい。

・しかし、手にしているシャンシャンがボタンにしか見えない。
・よく見ると四神マークだとわかるが、2500人劇場で「よく見る」ことは不可能なんじゃないかと。モチーフにこだわるのはわかるが……。
・と思ってたら、さらに、トップスターまとぶさんの、愉快な羽っぷりにおどろく。
・目出度いカラーリングは、モチーフにこだわったためだとわかるが……わかるが……(笑)。

・最後の挨拶時、プルキルとヨン・ガリョに挟まれたヒョンゴ先生の図に、人知れずウケまくっている。
・派手派手ギラギラ原色に挟まれて、寂しい風情のまっつがツボ。かーわーいーいー。

 と、最後はまっつで締めて、終わるっ。
 『太王四神記』ヒョンゴ@まっつを見ていて、「なにかを思い出す……」と、初日から考えていた。
 ポンファ通りでの服装は、思い出すまでもなく水戸黄門だけど、そーぢゃなくて、コムル村の正装の方。
 白いずるずる衣装をたくしあげて、銀橋をあたふた走っていく姿に、強烈なデジャヴ。
 知ってる。コレあたし知ってる……なんだろう?

 答えはすぐに出た。

 そうか。

 ヘムレンさん@『ムーミン』に似ている。

 ヘムレンさん。
 ムーミン谷の住人。切手だとか蝶だとかの蒐集家として描かれる、おじーさん。長いワンピースのような衣装を着ている。
 ムーミン属のイキモノにしては細長い顔に、目の下のシワ。走るときはもちろん、長いスカートをたくしあげる。
 いつも穏やかな癒やし系、されど根っこは頑固な、愛すべきおじーちゃん。

 い、いかん。『楽しいムーミン一家』を花組で妄想配役してしまう。
 勇敢でお人好しで夢見がちであちこち抜けてる主人公ムーミン・トロール@まとぶはすげーハマると思う。そーすると、そのガールフレンドの女子度が高すぎていちいちウザい(笑)かわいこちゃんフローレン@あやね、ひょろりとのっぽでヘタレなスニフ@壮くんな(笑)。
 んで順番的に、空飛ぶ船を発明することを夢見る発明ヲタクの眼鏡っこスノーク@みわさん……うわ、見たいソレ(笑)。
 そしてなんつったって、小粒でぴりりと辛い超個性的少女ミィ@いちか!! 我が道を行く強さと、姿のかわいらしさ。
 あ、もちろん、ハモニカを吹く美少年スナフキン@ゆーひくんで! クールでドライな台詞の数々を言って欲しい(はぁと)。

 あくまでも、『楽しいムーミン一家』ですよ、『ムーミン』じゃなくて。
 昭和に作られた『ムーミン』はセンスもテーマもかなりアレだし、キャラクタもひでーし。唯一スノークだけはいいキャラだと思ってるけど(笑)。
 平成になってから制作された『楽しいムーミン一家』はセンスもキャラもすごく良かったの。とくにミィの造形が最高。昭和版ではただの「いじわるな女の子」だったけど、平成版では「個性的な女の子」として描いてあるのよ。スナフキンも少年キャラになってるしね、昭和版の小林旭ではなく。

 ……はっ。
 『ムーミン』を語っている場合か。

 わたしが語りたいのは、ヒョンゴ@まっつ。
 ヒョンゴがじじいくさいとかコメディアンとかお師匠様過保護すぎとか、そーゆーことを言いたいわけではなくて。

 ヒョンゴはもっと、美形であってもいいと思うのですよ。

 原作なんか関係ありません。だってココはタカラヅカ。ビバ美形、ビバ美の垂れ流し。

 三枚目に演じているからそうなっているだけで、別に彼の「役割」と実際の「見た目」は、十分美形キャラっぽいじゃないですか。乙女ゲーでも少女マンガでも、軍師様は美形が基本ですってば。そしてタカラヅカはそれらと陸続きの世界観でしょ?

 つーことで。

 ヒョンゴ先生耽美化計画。

 ……そこ、タイトルだけで笑わないように。引かないようにっ。

 ヒョンゴが耽美キャラでも、誰にも迷惑は掛けないよな? を合い言葉に、耽美にすることを考えてみよう。

 まず、外見。
 演じている未涼亜希は美形であるとゆーのは前提なので、異論は認めません。

 水戸黄門衣装はやめて、ロングジャケット着用。2幕で着ているあのテイストで。
 そして、髪型。
 サイドを後ろでまとめるOL風はやめて、自然のまま垂らす。
 ときおり前髪が顔にかかる、のがポイント。
 デコ全開だけではいけません。
 時折前髪が垂れるのが、耽美度を上げるのです。

 台詞は一言一句変えず、ひたすらクールに、アンニュイに。
 表情は変わらず、まるで予言者のように。

 頬にかかる一筋の髪を時折かき上げつつ、淡々と使命を果たす。
 ポンファ通りの人々との合唱も、ひとりクールに。
 インチキ占いも、どこぞの占いの館の教祖キャラクタのよーに仰々しく美形オーラゆんゆんに。
 動作はゆっくりと、しかし個々のポーズだけはびしりと決めて。

 テーマは美、目指すは耽美。

 普段がクール一直線なだけに、クールに無表情に「武道大会~~♪」と美声で歌い、アクションをキメればまちがいなく変な人度が際立ちます。(え?)

 クール過ぎて俗世から乖離してるっぽいくせに、大真面目に「腹が減っては戦が出来ぬ」とか言い出せば、まちがいなく変な人度が際立ちます。(え?)

 そして、どんだけ低温で無表情でも、スジニ相手には、相好を崩すことも重要です。
 スジニに関すること全部が全部ではなく、ほんとーに切羽詰まったとき、スジニのことでだけ、感情を顕わにする。

 一本調子ではいけません。
 一点集中、ココ、とゆーところでだけは「チガウ顔」を見せるのです。きょうび「クールな美形」だけではキャラは立ちません。
 乙女ゲーでも、「意外な一面」のないキャラはいませんから! 設定時の基本です基本。

 知的クールビューティが、一瞬だけ見せる「真実」に、ヲトメはときめくのです。
 そこまで含めて「耽美」です。

 熱血タムドクさんとは、一線を引いて、感情を表現。
 タムタムが嘆き悲しんでるからと自分も一緒になって悲しまないで、クールな表情のまま視線を落とし、髪をはらりと顔に落とす。や、耽美っすから!

 戦場でも杖を持ってあたふた走り回るのではなく、ひとり悠々と動く。斬りかかってくる者には、一瞥をくれるだけでヨシ。美形パワーで臆させるの! 美形はそれでイイの!(え?)

 ……なんかわたし、耽美キャラと変人キャラを混同している気が、しないでも、ナイですね。

 少女マンガ的世界で、「変人」が許されるのは「美形サマ」だけだという認識は、まちがっていないと思う。ええ、ここはまちがってないはず。
 だから是非、「変人」を極めて「耽美」に……!!(あきらかに、ここでまちがっている)

 耽美なヒョンゴ先生が見たいわ。
 水戸黄門衣装以外のとき、黙って立っていれば十分美形サマなんだから、そのまま耽美一直線可能でしょう。
 耽美なまっつ。
 耽美なまっつ。
 ……いかん、想像するだけで笑えるのは何故。うっとりすべきとこなのにっ。
 変にキャラが立ちすぎると、物語の「語り部」である役割にマイナスになる?

 えーと。

 結論。

 ヒョンゴ先生は、今のままでイイです。 
 親を殺した犯人を、許せるかどうか。

 『太王四神記』には、妊婦と出産がてんこ盛りだが、「殺される親」もてんこ盛りなんだよなー。妙な話だよまったく。

 描かれ方に問題ありまくりだと思うし、イケコ脚本はわたしの理解の範疇にないのでスルーするとして、ポイントのみを考える。

 主人公タムドク@まとぶんと、準主役ヨン・ホゲ@ゆーひ。
 ふたりの男たちは共に、愛する人に、親を殺された。

 ホゲの母は親友タムドクに殺され、タムドクの父は恋人キハ@彩音ちゃんに殺された。
 真実はどうあれ、事実としてあるのはこの事柄。

 その結果として、ホゲはタムドクを許すことが出来ず自滅し、タムドクはキハを許してハッピーエンドだ。

 ほんとうのところキハはヤン王@星原先輩を殺してはいないんだけど、たとえ親殺しの犯人であったとしても、タムドクはキハを許している。
 ほんとうのところタムドクはホゲ母@じゅりあを殺していない、彼女の罪を公にすることなく自殺させたことは、彼女と彼女の家族の地位と名誉を守る行為であったわけだし、そんなことはホゲだってわかっていそーなもんだが、ホゲはタムドクを許さない。

 罪を許すか、どうか。

 いい悪いではなく、同じ事柄に対する反応の差がふたりの男の性格の違いであり、魅力だと思う。

 相手を愛しているがゆえに、その罪を不問にする。それほど愛していたのか。憎しみや恨みを超えるほどの大きな愛、寛大な性格。
 相手を愛しているがゆえに、その罪を決して許さない。愛するがゆえに、憎しみや恨みは深くなり、心の闇は広がる。
 どちらが優れているとか愛が深いとかいうことではなくて。
 愛の大きさが同じであったとしても、性格の違いからまったく逆のベクトルに向かうことが、おもしろいなと。

 傷ついたときに「都合のいい言葉」を与えてくれた美女キハに対して、依存的に恋をする、という展開まで、ふたりの男の立場は同じだ。
 チガウのは、与えられた「都合のいい言葉」がタムドクに対してはキハ自身の言葉であり、ホゲに対してはプルキル@壮くんの策略でしかなかったということ。
 ホゲが破滅に向かったのはプルキルという悪意の存在があったためで、それがなけりゃただのケンカや誤解で済んだんだろう。

 いくらでも話し合う余地はあったのに、タムドクとホゲは互いの歩み寄りをしない。
 タムドクは無知で鈍感な子どもなので「親友を失った」と自己完結して、「言い訳をしない」ことで責任逃れをしている。言い訳をしに行けよ、なじられても殴られても、ホゲを愛しているなら、彼の苦悩を和らげるために会いに行けよ、と思うがな。
 言い訳をする(誤解を解く)、というのは自分のためだけではなく、相手のためにもなることだと、理解しない。自分ひとりが悪者になればいいと思っている。憎まれることで罰を得ているつもりかもしれないが、憎むことになる相手のことは考えない。憎むことだって、つらいのに。
 タムタムのアホさは置くとして、親友を殴りに行けなかったホゲにも、歪みがあった。
 タムドクに裏切られた、母を殺されたと思うホゲは、ストレートにタムドクに対して怒りを発散できなかった。
 キハ(=プルキル)によって、「野心」を植え付けられてしまったから。

 母を殺されたといっても、冷静に考えればそれは乗り越えられないことではなかった。
 むしろ、タムドクのもとにひざまづき、母の罪の許しを請わなければならない立場だ。

 それでもホゲは、そうしなかった。
 「ホゲこそがチュシンの王」だと吹き込まれることで、自分にとって楽な方へ流れてしまった。
 「心をさらけ出して話し合う」ことより、「なにも話さず憎む」方が楽なんだよね。
 タムドクが親友のもとに駆けつけて許しを請うことをせず、「言い訳しない、親友を失った」と楽な方に自己完結したように。

 「他者と理解し合う」ということは、ほんとうに大変なことなんだ。
 そのためには「自分」をさらけ出さなければならない。
 隠していた部分、知られたくない部分も明るみに出し、粉々になるまでやりあわなければならない。
 「親殺し」という事柄を軸に、話し合うにはそこまでやらないと、未来はない。
 自己を破壊し、再構築しなければならない。
 子どもならともかく、すでに自我や羞恥心、矜持のある思春期以降にコレに耐えられるモノはそういないだろう。や、結局は乗り越えられるとは思うが、あえてやりたいとは思わないだろう。

 でもね。やるしかなかったんだよ。
 きっとひどい罵りあいになる。今まで隠していた劣等感やねたみそねみ、負の感情、闇の部分が全部明るみに出、羞恥ゆえに死にたくなるくらいの精神サンドバック、精神レイプ状態になるだろーけど、それでも、やるべきだったんだ。
 相手を、愛しているなら。
 これからも、親友でいたいと思うなら。

 それを乗り越えれば、きっとこれまで以上に絆は固くなる。強くなる。
「君が王なら僕は将軍になる」……言葉通りに、賢王と知将の治世は繁栄をもたらしただろう。

 だけど、できなかった。
 タムドクもホゲも、そこまで自分が辛い思いをする気はなかった。
 苦しんで愛を貫くより、楽に別れる方を選んだ。

 タムドクはもともとのアホさゆえに、ホゲはプルキルがいなければ、直接タムドクへ怒りを向けただろうから、絆を深める結果になる可能性もあったが、プルキルの讒言に乗ってしまった。
 結局ふたりとも楽な方に逃げただけ。

 そこから芋蔓式に悲劇ははじまる。

 因果は巡る、親友にした行いを、タムドクはそっくりそのまま恋人からされることになる。
 つまり、親を殺され、それに対しての言い訳や説明なしでバックレられる、という。
 真実をきちんと話してくれれば、タムドクの苦悩はなかったのに、キハはソレをしない。
 殺人という出来事の真偽よりも、知りたいのは心であるはず。ホゲがそうであったように。だけど、ホゲのときのタムドクと同じように、キハもなにも語らない。

 もしもここでタムドクのもとに、悪意で讒言するモノがいれば、タムドクの人生も歪んだだろう。
 なにしろバカだし、タムタム。

 しかし。
 そーゆー悪者を近づけない徳が、タムドクにあるんだな。彼はアホの子だが、無知であるがゆえの寛大さを持つので、なにも知らない子どもに保護者が同伴するように、また子どもたちが集まってくるように、タムドクの周囲は悪者の入る余地がなくなっていた。
 このへん、運とタイミングだよなー。しみじみ。

 そしてタムドクはまたしても、自分を木っ端みじんにして真実と向き合うことはなく、ただキハを「許す」。
 許すことで、「別れる」。
 憎むことすらしない。
 憎むのも根性のいることなんだが、それすらしないで、いちばん楽な「見なかったことにして許し、無関係になる」ことを選ぶ。
 ……成長してねえ! ホゲにしたのと同じことを、まだ繰り返すかこの男!(笑)

 それでもタムドクは生まれたときから運に恵まれているので、どれだけ彼がアホでも無責任でも、周囲がいい方へ運び、結果オーライでハッピーエンドになる。
 運が悪いホゲは自滅、死ぬことでしか救われないという悲惨な人生を送る。

 どちらがいいとか悪いとかではなく。
 単純に、おもしろいと思うの、ふたりの男の性格と、人生。

 自分の心を守るために、許す男タムドク。
 自分の心を守るために、憎む男ヨン・ホゲ。

 許すという愛情の深さ、憎むという愛情の強さ。

 自己愛の激しさと、愛ゆえの愚行。
 まちがった人間、好きだから。

 アホで無神経なタムドクも、歪んだホゲも、きちんと闇を見据えて描くのはたのしいと思う。魅力だと思う。
 ……イケコ脚本では、疑問符しかないけど(笑)。そこはスルーして。
 嘘だけで固められた世界に、真実があるとするならば。
 闇に閉ざされた世界に、光があるとするならば。

 真実は、あのひとだ。
 光は、あのひとだ。

 あのひとこそが、私が生きる意味。

 『My dear New Orleans』にて描き出される「愛の物語」に号泣する。

 主にジョイ@トウコ視点で描かれる物語ではあるが、そこにあるルル@あすかの想いもまた、短いながら確実な輝きを持っている。

 景子せんせ作品の欠点である多重構造、喋りすぎの後日談、構成は無駄にややこしいのにストーリーが単調かつ散漫だったりして、いろいろアレレなことにはなってはいるが。

 それはともかく、ジョイとルルの「運命」の恋を楽しむことができて、わたしは好きだ。

 差別と貧しさゆえに父親に売られたルルにとって、世界は醜いものでしかない。絶望しかない。
 助けてくれる者もないまま彼女は身を汚し、心を削って生きてきたのだろう。
 世界に絶望したなら、死ねばいい。世界を否定すれぱいい。だけど彼女は心を閉ざしながらも生き続ける。彼女が養わなければならない家族があったとしても、それらすら投げ出す選択肢はあったはずだ。
 それでも彼女が、生き続けたのは。

 たったひとつだけ、救いがあったからだ。

 この汚い世の中で、なんの見返りもなく、良心だけで、優しさだけで彼女を助けてくれた少年。
 彼女を助けたことで罪に問われた少年。

 この世界にただひとつ美しいものがあるとしたら、それはあのひとだ。
 あのひとを想う、この気持ちだけだ。

 少年のその後を知ることは物理的に可能だったろうけれど、心情的にはできなかった。彼女のせいで投獄された彼が、彼女をどう思うか、あのときは胸を張って行った正義でも、後悔しているかもしれない。
 ルルを助けてくれた少年のまっすぐな瞳が生きる救いであったのに、もしも彼の心が曇っていたら、それを見せつけられたら、もうルルは生きていけない。
 だから、あえて彼を探すことなくひとりで生き続ける。戦い続ける。
 また、彼が人生と引き換えに守ってくれた身体も、生きるために売るしかなかった。そんな姿を見せられるはずもない。

 闇の中で、絶望の中で、ルルはあの日の少年を想い続ける。
 彼が真実。彼が光。彼だけが、生きる意味。

 そして、再会のときが訪れた。

 かつての少年は、なんの曇りもない瞳で、もう少女ではないルルを見つめた。

 …………恋をするな、という方がおかしい。

 
 少年ジョイにとっても。
 ルルとの出会いは、心の正しさで生きていけると信じるまっすぐな少年に打ち込まれる、現実という名の杭だった。

 混血児である彼は、おそらく理不尽な目にいろいろ遭ってきただろうが、人生最初で最大の悲劇だったんじゃないだろうか。暴行されている少女を助け、投獄されるなんてのは。
 長く生きていればいろんなことがあるが、なにしろまだ少年だ。自分を取り巻く限られた社会しか知らない。ジョイの性格からして、彼の狭い世界の中では人気者のリーダータイプだったんだろう。才気煥発で顔立ち気だてが良く、大人からも子どもからも愛される、それゆえちょっと無謀なところもある男の子。
 困っている人がいたら迷わず助けたり、悪漢から女の子を守ったりするのは、彼にとっては特別なことではなく、ふつーのこと。正しいことをするのに、躊躇なんてない。……世間を知っていたら、「正しい」だけで生きていけないことぐらいわかるだろうに、当時の彼にはそれがまだない。
 正しいことをしたのに、彼は断罪された。
 それは、どれほどの衝撃か。
 それまでの彼の小さな世界を、生き方を、根こそぎ否定する出来事。

 それでも彼は、「正しさ」にしがみつく。
 俺はまちがっていない、と。

 そう。
 まちがっているのは、「世界」の方。
 世界はこんなにも醜い。そして、「まちがっている」とわかってなお、ジョイにはそれを正す力はない。

 それは、「まちがい」ではないのか?
 「まちがってる」とわかっていて、なにも出来ない自分はもうすでに「まちがっている」存在だろう。

 何百回も言われただろう、「バカなことをした」と。クレオールの少女を助けるためにクレオールのジョイが、白人に暴力をふるうなんて、自殺行為。言われるたびに「俺は正しい」と言いながら……迷った、はずだ。後悔、したはずだ。
 あの少女を助けなければ、こんなことにはならなかったのに……。
 そんな自分の心の弱さすら、否定して。頑なに、唱え続けるだろう。「俺は正しいことをしただけだ」

 現実の苦さ、残酷さ。
 すがりつく矜持と自我。

 迷いの中で、混沌の中で、何度も反芻する。
 泣き崩れた少女のこと。
 絶望した、少女のこと。

 世界は「まちがっている」。
 あの女の子が白人に金で買われるのも、それを助けようとした自分が投獄されるのも、みんなみんなまちがっている。

 だけどジョイはあきらめたくない。
 世界を。
 生きることを。

 ジョイ……「喜び」という名を持つ彼は、前を向こうとする。

 このまちがった世界で、それでもジョイは知っている。光があることを。
 彼には家族がいて、仲間がいる。音楽がある。
 だから彼は、絶望に染まることはない。

 どれほど迷っても、傷ついても。

 そして。
 何度も何度も、反芻する。
 あの少女のことを。

 助けられなかった少女。泣いたままだった少女。
 彼女は、絶望したままだろうか。傷ついたままだろうか。
 生まれてきたことを、後悔したままだろうか。

 ずっとずっと、心に刺さった棘。
 「まちがっている」世界に、置き去りにしてしまった少女。ジョイに力がないばかりに、絶望のまま手を離してしまった少女。

 救いたかったのに。
 笑って、ほしかったのに。

 ジョイは大人になり、少年のときのような無謀さは影を潜めた。できることとできないことを知り、「まちがっている」世界で波風立てず生きていくすべも覚えた。
 心に棘を、残したまま。
 あの日の少女を、歌を、胸の奥深くに残したまま。

 そして、再会のときが訪れた。

 かつての少女は、誰よりも美しくされど空虚さを宿した瞳で、もう少年ではないジョイを見つめた。

 …………恋をするな、という方がおかしい。
 
 
 それは、「運命」の恋だった。

 10年間、ずっとずっと、魂に埋め込まれていた種が、芽吹いたんだ。
 再会した、そのときに。

 ルルの姿を見たジョイが、10年前の彼女のための曲を歌わずにいられないように。
 ジョイをあの日の少年だと気づいたルルが、実力者の愛人の身でありながら、感謝のキスをせずにはいられないように。

 結びついていた魂を再び離すことなんかできないと、彼らの運命が警鐘を鳴らしているんだ。

 
 えーと。
 『My dear New Orleans』の欠点はいろいろあると思うけどさ。

 景子せんせの最大の失敗は、ふたりの出会いを子役にやらせたことだ。

 10年前の出会いのときから、運命は回り出していた。
 なのに、やたら「回想」にこだわる景子タンは『HOLLYWOOD LOVER』に引き続き、別の役者に少年少女時代を演じさせ、気持ちの断絶を作ってしまった。

 チガウチガウ、絶対ソレちがう、大失敗。

 少年ジョイも、少女ルルも、トウコとあすかに演じさせるべきだった。
 そうすればふたりは、「一目惚れよ~~♪」「愛、愛、愛~~♪」と歌わなくても、それらしい台詞のひとつもなくても、まぎれもなく「運命のふたり」を演じてくれただろう。
 そのときは互いの気持ちに気づくことはなくても、今の台詞のままなんの改稿もなくても、大人になって再会したときに気持ちがつながっていただろう。

 年齢の問題?
 んなもん、天下の安蘭けい様ならば、ティーンエイジャーぐらい朝飯前で演じてくれるさ。(ex.ロビンフッド様@『ヘイズ・コード』)
 なにしろ、「運命」の恋なので。
 初日から号泣している『My dear New Orleans』、散漫なところ、浅いところは脳内補完しております。

 特に人種差別と「アイーダの信念」あたりは、いくらなんでもとってつけた感が強く、うすっぺらいので歌だけ聴いてスルーしています。
 恋愛にかまけて仲間を見捨ててるっぽいジョイの男ぶりが下がるしさ、あのへんで。
 大人の演じる幼児が苦手だという個人的都合もあり、すぐに孤児を出す景子タンの手法(ex.『堕天使の涙』)に引く部分もあるんだがまあ、少しでも役を多くしようという努力の表れなら仕方ないのかなあと思ってみたりなんだり。

 てゆーかもー、メロドラマに終始してくれていいよ。

 ジョイ@トウコの「青春の我が町を振り返る物語」として、一点集中して観ているから。

 脳内では少年少女時代も、トウコとあすかだから(笑)。
 子役のミッキーやキトリに含みがあるわけではなく。

 ジョイとルル@あすかの「運命」の恋にだけオペラグラスを合わせて観ていると、十分ドラマティック。

 ええ、ぶっちゃけ大劇場でやる話ぢゃないってだけなんですけどね。
 少人数でバウでやるべき内容であり、演出なんですがね。

 主人公とその恋人の、繊細な心の変化やすれ違い、会話によるやりとりを楽しみ、直接描かれていない行間を読むもので、2500人劇場で役者の顔も見えない状態で、一見さんや団体客相手にやるべき内容じゃない。
 大劇場用にとってつけた部分がみんな、上滑りしている印象。
 バウで少人数でやっているなら、アンダーソン@しいちゃんとレニー@れおんは、役をふたつに分ける必要はなく、リチャード@『HOLLYWOOD LOVER』ひとりで事が足りたんだ。
 『ハリラバ』の焼き直しだから仕方ないっちゃ仕方ないんだが、料理の仕方をあちこちミスっているなと。

 てなことは置くとして、とにかく、メロドラマ上等。

 出会いのときからずっと心をつないで、10年後の再会に至るわけだから、その後の展開も納得なのよ。
 ジョイがルルをストーカーするのも、変じゃないの。ルルだってわかってるの。パーティ会場で別れてハイおしまい、でないことは。
 心を閉ざしているルルは、なにかにつれ壁を作るふりをするけれど、ふりでしかない。
 ルルの部屋で「Sweet Black Bird」をジョイが歌ったその日から、ふたりは恋人同士としてつきあってるんだよね。あまりに演出不足でわかりにくいけど。
 ルルの部屋からジョイが出勤していくとか、あたりまえにあるわけだよね。
 レニーが嫉妬して邪魔をしてくるくらいには、ちゃんとつきあっていたんだよね。

 少年時代の出会いが子役だから「運命」の恋を印象づけにくいわ、再会後の「恋人同士」としてのジョイとルルを描いてくれないわで、景子タン演出のままだとジョイが独り相撲の残念な人になってますよ、どうしましょう。
 10年も前に一度会っただけ、ちょっと喋っただけの女の子がすげー美人になっていたからストーカーして家まで押しかけ、ラヴソング歌って口説いて、でもとくにナニもしていないうちからつきまとっていることが周囲にばれて、見せしめに職を閉ざされ仲間に迷惑を掛けている男、になってますがな。
 しかも肝心の彼女には、衆人のもと「アンタなんか相手にするわけないじゃない」と切り捨てられて。なんかすげー恥ずかしい男に成り下がってますけど?!

 そーぢゃなくて、ほんとにジョイとルルはつきあってたんだってば。エロエロもいちゃいちゃもしてたんだってば。
 自然に息をするように、砂が水を吸い込むように、ふたりでいることが正しいことだったんだよ。

 なんでその場面を描かないのかな。
 心を閉ざしたままのルルがそれでもふと、ジョイに寄り添って真実の顔を見せそうになって、はっとして身を翻す、そんな関係であったとしても、たしかに「愛」によってふたりは共に過ごしていた。
 ルルがありのままの心を開かないのは、彼女の半生にもあるし、アンダーソンの愛人である現在の立場もある。
 そこが引っかかったまま、大人であるところのジョイとルルは愛を重ね、躰を重ね、ある意味ままごとのような時を過ごしていたのに。

 自分の立場とジョイを守るために、ルルがわざとジョイを突き放す。
 「カンチガイしないでよ」と嘯き、アンダーソンに口づけるルルと、それに傷つくジョイのせつなさが際立つんじゃないか。

 ラヴラヴな部分を描かず、いきなり突き放されてもなー。ぶつぶつ。

 恋人としてつきあっていたのに、いきなり拒絶されたもんだから、納得できないジョイは再度彼女に詰め寄り、今度こそ心を得る。
 心のままに生きることなんかできない、生まれてきて良かったと思えない……そんな傷つききった彼女に、未来を、希望を見せる。
 ふたりでやりなおすこと。
 囲われ者のままつきあうのではなく、ふたりだけで生きる未来を。希望を。

 と、持ち上げておいて、レニーのおイタによって全部おじゃん、弟の命と引き換えにルルはアンダーソンと共にサンフランシスコへ行くことになる。

 ルルの家族の描き方も問題ありまくり、ツッコミありまくりなんだけど、まあそれも置いておいて。

 重要なのはメロドラマだから。
 ふたりで手に手を取って愛の逃避行! と盛り上がったところで、女は愛以外の足枷で泣く泣く別れなければならない、というのがポイントですから。ソコへ持っていくための筋立て道具立てが多少変でも強引でも気にしていては負けだ!

 ジョイからしてみりゃ、

1・少年時代に出会った「運命」の恋
2・奇跡の再会
3・ラヴラヴ恋人時代
4・突然の拒絶!
5・拒絶したのは、彼女の心のキズゆえだった! 理由がわかって納得!
6・過去を乗り越えて、ふたりで愛の地平線! ←今ココ

 5章と6章の間で、レニーがバカやってルルがさらに足枷つけられちゃったことなんて、知りようもないから。
 将来を誓い合った恋人に、「さあ、一緒に行こう!」と未来予想図掲げてやってきて、まさか置き去りにされるとは、思ってないから。

 ジョイは最初から最後まで、一貫している。気持ちはまったく途切れていない。
 だから、出来事のひとつひとつに素直に揺れ動く。
 つれなくするルルに追いすがり、かき口説きもするし、騙されて置いていかれて、呆然ともする。

 ジョイの心の揺れ、そしてその恋を凝視する。
 世界の命運も国の未来も関わらない、たかが市井のひとりの男の恋、でしかない、小さな小さな物語。

 だけど。

 そこには、多くのものが、凝縮されている。

 人間の細胞の中に宇宙があるように、ありきたりなふつーの男の恋に、人生に、安蘭けいの、男役集大成がある。

 繊細で、リアルな表現。
 痛々しさ、切なさ、みじめさ。
 こぼれる愛と、よろこび。ついでに、エロ(笑)。

 見たかったトウコが、たしかにそこにある。

 ジョイを見つめ、ルルを愛し、ジョイの愛を受け止めて。
 彼の人生に、涙する。

 「生まれてきて、良かった」……ルルの最後の言葉に、人生の答えを得て、よろこびの声を上げる。

 なにひとつ、まちがってなんか、いなかった。

 寄り道、回り道に思えたことも。
 つまずきも、涙も、逡巡も。
 全部全部、肯定して。

 仲間たちのいる世界で、ジョイは微笑んで旅立っていくんだ。

 ダイスキだよ、ジョイ。そして、ジョイを息づかせてくれる、トウコちゃんがトウコちゃんであることすべてを、ダイスキだと思う。

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