いろいろとヘトヘトなんだが、老体にムチ打って、バウホールへ行った。

 朝、大阪に着き、しかも仕事があったりしたんだが、それでも時間を捻出して駆けつけた。

 『BUND/NEON 上海』千秋楽。

 ヅカファンなら、行くしかない。

 そう思ったんだ。

 『BUND/NEON 上海』は出来の良い作品じゃない。ツッコミどころは満載……とゆーか、グダグダにぶっ壊れた脚本(笑)。別に、感動作品ってわけでもない。
 涙腺の弱さには自信のあるわたしが、まったく泣けないし。

 でもコレ、おもしろいんだわ。

 ツッコミも含めて、おもしろくてしょーがない。
 観ていて、わくわくする。

 ……前日欄に腐った感想を書いているが、それはわたしの中のごく一部、大部分のわたしは純粋に観劇しているのよ、と言ってみる(笑)。

 腐女子萌えはともかくとして、わたしがタカラヅカに求めるモノはナニかって考えたの。

 タカラヅカにはいろんな魅力がある。そして、人の好みは千差万別、ヅカに求めるモノも、人の数だけあるだろう。

 他の人はわかんないが、わたしがヅカに求めるモノは、異世界に連れて行ってくれる、おもしろさなんだと思う。

 観ている間だけ、別の世界に夢中になれる。
 アニメとかゲームとかに通じる……というか、わたし的には同一線上にある、たのしさ。
 問答無用でわくわく出来て、そしてさらに、キャラ萌えして二次創作できる系のたのしさ。
 触発されて、「わたしもなにか書きたい、創作したい!」と思わせてくれるよーな。

 なんかのためになるとか賢くなるとか、生き方が変わるとか、世のため人のためになるとか、そんなことぜんっぜんないけど、とにかくたのしい。
 2時間現実を忘れ、理屈を忘れ、ファンタジーに酔える。

 ソレが、わたしが「タカラヅカ」に求めているモノだ。

 『BUND/NEON 上海』には、ソレがある。

 けっこーいろいろとギリギリで、それでも行くかどうか迷ったときに、思ったんだ。
 わたしにとって「タカラヅカ」ってなに。
 なんでそもそもわたし、ヅカファンやってんだろう。

 萌えるからじゃん。

 萌え、なんて言葉や概念がなかったころから。
 それゆえにわたしは劇場へ通った。

 それなら、近年いちばんの萌え作品、『BUND/NEON 上海』を見納めないでどうする!
 ナマで観て、感じて、五感で味わって、細胞に叩き込まなきゃダメだろ、こあら。
 名作ぢゃないから(笑)、絶対再演されないし!

 ああそうか、わたし、タカラヅカが好きなんだよなあ。
 ただもおたんに、舞台の上がたのしいから、好きなんだ。

 ご贔屓が出来て、他にも大好きなジェンヌさんがたくさんいて、人事とか人事とか人事とか(笑)、納得できないことや悲しいことがいろいろあっても。

 よーするに、「舞台」が好きなんだ。

 ご贔屓が出てなくても、好きなんだ。

 だって、たのしいから。
 わくわくするから。
 子どものころ、アニメを見てわくわくしていた、たのしんでいた、あのころのままに。
 もう大人だから、色恋その他、ねっとり濃い系が好きだけど(笑)。

 タカラヅカを好きなら、『BUND/NEON 上海』は見なきゃダメだろ、と思った。
 こんなタノシイ作品、また数年はめぐり会えない可能性が高いんだから。

 だから、無理をしてでも行ったんだ、千秋楽。

 チケットはサバキでGET。ムラはいいとこだ、行けばなんとかなるんだから(笑)。

 そーやって、観劇して。

 思った通り、たのしかった。

 男役が格好良くて、娘役がきれいで可愛くて。
 なんでそーなんのかさっぱりわかんないけど(笑)、最後はハッピーエンドで主人公とヒロインが清々しく笑顔で旅立っていくし。
 フィナーレのミニ・ショー付いてるし。
 明るく楽しいパレードで、発散して終わるし。

 コワレていたって、おもしろい。わけわかんなくっても、キャラクタが魅力的。

 だいもんすげー、まぁくんぴかーっ、れみちゃんきれー。
 ふみかノリノリ、スミレコード、スミレコード!(笑)
 ゆまちゃんかわいい、姫花天使、いまっちかわい~~、圭子ねーさまステキ、さおたさん変態でカッコイイ(笑)。
 じゅりあこわいよこわいよかっこいいよ、まりんうまいし実は彼が「月笙」って呼ぶのも萌えだ(笑)、しゅん様二枚目、よっちかわいいよよっち、萌子エロかっこいー、瀬戸くんの肩のライン好きだー、まゆくんの芸風って後ろから膝かっくんしてぇ(笑)、力仕事まかせろ銀華くん力持ち! みちるタンGOGO!

 ああ、タカラヅカって、コレだよな。

 小難しいことも説教も啓蒙もなく、ただ単純にシンプルに、わくわくさせる。

 キレイで萌えがあって、キャストをさらに好きになる。

 観終わったあとに、もう1回観たいと思わせる。

 タカラヅカにはいろいろあれど。

 コレも、タカラヅカだ。

 名作だから好きになるわけじゃない。大作だから感動するわけじゃない。
 ただ「楽しい」ってだけで、ぜんぜんOKだ。

 そして、『BUND/NEON 上海』は、たのしかった。
 何十回リピートして楽しいかどうかは知らないが(笑)、時間見つけて気軽に通うには、十分だ。

 千秋楽、カーテンコールのあと、フィナーレの最後の歌とダンスがもう一度あった。
 役を引きずらないこのフィナーレが好きだ。
 だいもんがにかーっぱかーっといつものだいもんに戻り、劉の面影皆無になっているところがイイ。だいもん、いつもながら顔芸やりすぎだから!!(笑)
 ふみかのかっこつけた笑顔、れみちゃんの全面の笑顔。
 黒かったり悲しかったりするキャラを演じていた人たちが、すべて一気にリセットして、きらきらきらきら笑って終わるのがイイ。

 キモチイイ。

 最後、作者の生田くんまで登場して(モヤシ系ヲタク青年に見えました……・笑)、すげーお祭りムード。
 ジェンヌたちと同世代の若い男の子なんだもんなー、そりゃ同志として舞台に引っ張り出したくもなるか。

 や、たのしかったよ、ありがとう。
 行って良かったよ。出会えて良かったよ。

 タカラヅカってやっぱ、おもしろいよ。

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