よくわからない役だ、パリ@まさおって。

 領主の息子だからって、ジプシーたちのリーダーに収まってしまうシュテルク@きりやんが気に入らず、突っかかる。
 勝負を挑み、負け……というか、相手の力量を認め、敗走。

 追いかけてきたヴィオルカ@ちゃぴがひとりで勝手に喋っているのをガン無視、いや、無視するだけでなく、ひとりで歌い出す。
 そこで歌?!(白目)

 そのまま出てこない。

 存在を忘れるくらい、出てこない(笑)。

 出てきたと思ったら、いきなり、シュテルクLOVE。
 いつそんなことに?!(白目)

 そーやってシュテルクたちと一緒に戦争に行って。
 帰ってきたときには、陽気でチャラい、バカップル属性男に。
 アンタ誰?!(白目)

 ……ここまで、人格が一定していない主要キャラクタもめずらしい。
 出番らしい出番が3つだけで、その3場面で全部別人って。

 『ジプシー男爵』は谷正純作の、大変愉快な物語です(笑)。

 いやいやいや、谷せんせーらしい、素敵なキャラクタだと思います、パリ。
 谷せんせのライフワークである「英雄モノ」には、主人公の英雄に惚れて、彼のために生き、彼のために死ぬ男が必ず登場するのです。
 大抵2番手がこの役を振られるよね。『アナジ』『エルドラード』『望郷は海を越えて』『野風の笛』etc. 死ななくても、絶対人生狂わされるの、主人公への愛ゆえに。

 今回はコメディだから誰も死ななかったけれど、「シュテルクのために戦場へ行く」パリは、本来なら華々しく死んでると思いますよ(笑)。

 とにかくパリに出番とか心情表現の場がないもので、彼の行動は唐突過ぎるんだが、谷せんせの脳内では「いつもの2番手男の役」ってことで自己完結しているんだと思う。敵でも味方でも、2番手男は主人公英雄に惚れて死ぬことになってんだから(笑)。
 せめて、ジュパン@汝鳥サマたち相手に「ジプシー男爵だ」と啖呵を切り、ザッフィ@まりもと逃げるあたりで、花道でもいいからパリにスポットあてて、なにかひとこと言わせればいいのに。
 素直に「惚れた」とは言わず、毒づきながらも惹かれている、ツンデレの鑑のよーな台詞を言わせるんですよ。「べ、へつにアンタなんかどうでもいいんだからね、ジプシーが馬鹿にされるのがイヤなだけなんだからっ☆」みたいな。

 んで、徴兵場面でも、まず1回はツンしてみせる。「アンタのためぢゃない」と言ったあとで、シュテルクに見つめられ、盛大にデレて、「領主様だけを行かせていいのか」と大演説。
「アンタのことは、この俺が、認めたんだから」と、あくまでも自分のためだと強調しつつ、べた惚れなのが丸わかりの恥ずかしい人全開、周囲をなまあたたかい半目にさせる男、パリ!!

 それでもがんばってツンツンしていたのが、戦争から帰るとデレしかない男に!(笑)
 どんだけシュテルクに影響されたん、という。

 ちょっといじるだけで、パリは一本筋通るんだけどなー。出番もそのままで。

 
 人格が描かれていなくても、あちこちえらい展開になっていても、パリはおいしい役だと思う。
 わかりやすい「二枚目」という記号で書かれているためだ。
 もっとも、記号なだけではおいしさは生きない。
 演じているまさおが、マジに美形で華々しいので、ただの記号が「おいしい役」になっているのだと思う。

 ツンデレっつーのは、美形がやってなんぼです。ぶすのツンデレなんて、存在自体認められてませんから、この世の中。

 最初の登場場面で、出てきたと思ったら柱の陰に隠れていつまでたっても出てこなかったり、ひとりで黄昏れて「友だちいない人」全開(笑)、相手を無視するにしてもそこで歌い出すってどんだけ変人、とアゴを落とさせたとしても。
 まさおに合ってる、美しい、かっこいい。

 でもって、そんだけアレな性格を見せていただけに。
 戦場から帰ったあとの、チャラ男っぷりがツボっす。

 ナニアレかわいい。

 徴兵場面でヴィオルカと目で会話していたけれど、それにしても久々の再会でそこまでバカップルになるっつーのは、こいつら、よほど恥ずかしい内容の文通をしていたに違いない、と思う。
 タカラヅカも真っ青な愛の言葉が行き交っていたんだろうな……文章ってのはある意味現実より盛り上がるからなー。

 パリとヴィオルカが、ふたりしてちょこんと玉座に坐っているところがもお、かわいくてかわいくて。
 ナニ、ふたりで「王様とお后様ごっこ」でもしてんの?

 おとぎ話ですから。
 彼らが一気にかわいく人格変わってるくらい、ぜんぜんOKっすよ。
 悪い変化ではないもの。ハッピーなんだもの。

 
 てことで、パリくんは好きですよ。
 贔屓がまさおだったら、または、贔屓があの役やってたら、たのしくリピートしていたと思う(笑)。

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