『Shall we ダンス?』で感動したんだ。
 「冴えない中年サラリーマン」という、タカラヅカ的でない役を演じて、きちんと「タカラヅカ・トップスター」として成立させてしまうえりたんに。
 大人になったなあと思う。
 ほんとうに素晴らしいスターさんだと思う。

 それとは別に。

 ふと、寂しくもあった。

 場の空気も相手の呼吸の関係なく、ぺかーっ、てかーっ、と大暴れしていた、あのやんちゃな壮くんを思い出して。

 東宝楽日、長い公演のラストだから、みんないろいろやり過ぎていて、ちょっと芝居を壊すぐらいの勢いだった。
 そんななか、えりたんが「芝居を壊す」側でなく、抑える側に回っていることが……違和感。
 や、当たり前なんだけど。それが正しいんだけど。

 理屈ではわかっているし、感動しているけれど、寂しくもあった。
 えりたんはもう、こんなところまで来てしまっているんだなと。

 最初は、苦手だった。
 共演者が気の毒だったよ、えりたん空気読まないから。好き勝手に存在して、芝居して、光って。へたっぴーのくせに、言動はやたらとえらそうで。
 その傍若無人さに閉口した。
 だけど次第に惹かれ、ついには救われた。
 「現実」を叩き壊す力、それはまぎれもない「フェアリー」としての才能。わたしが「タカラヅカ」に求めるモノ。
 壮一帆は、タカラジェンヌだ。

 あの無軌道な光には、もう会えないのか……。

 今の大人なえりたんももちろん魅力的で、立派なトップさんで、それにはなんの文句もない。
 だからこれはただの懐古主義。
 ないものねだり。
 AとBはこの世に同時に存在しない、Bの良さを認めながらAにも欲を出すなんて無意味だ。未練だ。

 そしてわたしは、未練がましい人間(笑)。

 千秋楽、立派なトップさんとして輝いているえりたんを見ながら、感動すると同時に寂しかった。
 驕りの春は過ぎ、人生は今、実りの秋を迎えているのだと。

 ただ。
 この「実りの秋」はまだ続くと思っていたよ。せっかく長い時間を掛けてここまで育ったんだ、存分に収穫しなきゃ嘘だろう?!

2014/02/12
雪組トップスター・壮 一帆 退団会見のお知らせ


雪組トップスター・壮 一帆が、2014年8月31日の東京宝塚劇場公演『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』の千秋楽をもって退団することとなり、2014年2月13日(木)に記者会見を行います。

なお、会見の模様は当ホームページでもお知らせ致します。

 運動会にえりたんが出ないなんて嘘だ!!
 てゆーか、まだキムシン作やってないじゃん!!

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