出遅れましたが。

 まとぶん、次期花組トップスター内定、おめでとうございます。

 いい加減携帯電話、パケホにするべきだよなあ……。今月絶対すごいことになってるわ……。
 いやあわたし、旅行中だったのだわ。それで月組新公も観られなかったし。CANちゃんに良席譲ってもらってたのに〜〜、くやしいよう。(わたしの代わりにnanaタンが堪能してきてくれたことが救い)

 旅先で、えんえんネットチェックしてました。リロード掛けまくり。噂ではここ数日がキモだったから。なにか発表あるかなって。
 携帯、何度電源が死んだことだろう……ネットだの長電話だのし過ぎだっつーの。(れちあさん、お世話になりました)

 
 花組を次いでくれるのはまとぶだと信じていたけれど、正式に発表になってすげーうれしいっす。

 まとぶんは、トップスターになることを前提として、大切に育てられてきた子だなあ、という印象。
 早くからの新公連続主役、しかも1回は『ベルサイユのばら−オスカルとアンドレ編−』のオスカル。
 上級生新公主演経験者を追い越し、学年逆転して路線を駆け上る。(番手逆転後、その上級生は退団)
 日生劇場で『雨に唄えば』で準ヒロイン。男役が演じる女役で、話題になるようお膳立て完璧。
 外部出演『シンデレラ』の王子様。あの鳳蘭の舞台で、OG層の好印象もゲットだぜ!
 新体制になったワタさんトップお披露目公演『王家に捧ぐ歌』以降、組替えしてきた新公主演経験上級生より上のポジションを与えられ、ここでも学年逆転して路線を駆け上る。
 ANAのイメージ・ガール。順調なバウ主演。増え続ける露出。

 最も「トップスターになることは決まっているんだな」と思えたのは、花組への組替えが決まったあとに行われた月・雪・星合同の『ゴールデン・ステップス』。
 当時まとぶんは星組の3番手。なのにただひとり、トップスターと同じように銀橋を1曲歌いながら渡った。
 他組の3番手には、そんな場面はなかった。
 キムとかおいしい扱いは受けていたけれど、「銀橋ひとり渡り」は絶対にさせてもらえない。タカラヅカのルールからして、『TCA』などの複数組出演公演、劇団全体に関わる特別イベントで「銀橋ひとり渡り」をしていいのは、ごく限られたスターのみだ。

 真飛聖は花組に、トップスターになるために行くんだ。

 それがわかり過ぎて、いろいろ微妙だったりもした。
 劇団、意思表示はっきりし過ぎ。ゆみこはどーなっちゃうんだよ?!と、やきもきもしたさ。

 トップスターになることを前提として、大切に育てられてきた子。
 同期のタニちゃんのありえないくらいの激しい抜擢ぶりの陰になって目立たなかったかもしれないが、昔から特別コースを歩んできた子だ。

 準備万端整えて、来年研13の終わりにトップスター就任。大劇お披露目時は研14か。

 ずっと抜擢されてきた彼。エリートにはエリートゆえの苦労があったと思う。
 まとぶに追い越されたりなんだりした人たちのファンだったりもしたので、複雑なキモチを抱いていたことも正直あったが、そんなモヤモヤも払拭してくれるくらい、まとぶはまっとーに成長してくれた。

 高校球児ぢゃないけどさ、トーナメントで負けたあとは、自分たちと戦ったライバル校を応援したいじゃん。
 オレたちを負かして上へ行ったんだから、絶対優勝しろよな。でもって、お前らが、どんだけすごいか日本中に教えてやれ。
 オレたちに勝ったお前らが、弱いなんて許さない。日本一にならなきゃ、許さないからな。
 ……わたしは高校球児でもジェンヌでもないが。そーゆー気分。

 わたしの好きな人を追い越して路線として歩いていくんだから、それだけのものを見せてよ。
 納得させてよ。
 あなたにスターとしての技量や魅力がなければ、つらいだけじゃないか。

 まとぶがトップスター候補として特別扱いを受けることは、納得している。
 それだけの美貌と華を持った人だと、わかっている。
 でもまだ、足りない。まだソレ、持って生まれた素質だけじゃん。ソレだけじゃ足りないよ。
 もっと輝いて。責任を果たして。

 ……なんて、明確に考えていたわけではないが。
 どこかに、しこりはあったと思う。ノルさん退団公演の『ベルばら』の頃からな。

 それが、だ。

 まとぶはエリートコースに相応しいだけの男として、着実に進歩し続けた。
 声高にセールスしない、どっちかっつーとなんかじれったい、不器用ささえ見せながら。

 責任を、果たしてくれた。
 や、わたしの勝手な言い分であり、思い込みに過ぎないことはわかっているが。

 歌も演技も華も、「真ん中」に相応しいだけのものを見せてくれるようになった。
 いい男だ。と、心から思えるようになった。

 だからうれしい。
 まとぶが、花組を継ぐ。
 わたしの大好きな寿美礼ちゃんのあとを継いで、大好きな花組を盛り立てていってくれるんだ。

 オギーショーでアレな使われ方をしたり、刻の霊であんまりなことになっていたりと、受難続きだが、それでもまとぶ個人の力は増していると思う。

 内定おめでとう、まとぶん。
 最後の公演、寿美礼サマをしっかり支えてあげてね。……や、あの人のもとで2番手やるの、すげー大変だったと思うけど。思いっきり割喰ってたと思うけど。最後まで絶対大変だと思うけど(笑)、それでも、オサ様との並びが好きだよ。『Appartement Cinema』は萌え萌えだ〜〜。

 オサまとが観たいよ。
 ふたりががっつり組んだ作品が観たい。
 頼むよ『アデュー・マルセイユ』。なむなむ。

          ☆

 まとぶん次期花トップ内定は朗報だし、さおたさん・越リュウ副組長内定もめでたい。
 みとさん組替えはさみしいが……いろんな組で活躍してくれることを願う。てゆーかぜひ雪組でゆみこと共演してくれ。あと、オギー作品には出演してくれ。

 
 まことにめでたいのだが。

 この人事発表の直後、チェリさんから来たメールがすばらしい。

Title「まちお先輩が」
Text「飛ばされた(AA省略)」

 よりによってソコをつっこむか!

 まとぶオメ!とか、さおたさんとか越リュウとか、話題には事欠かないのに、この2行だけっすか!(笑)
 ウケたので速攻返信したんだが……霧に包まれていきなり圏外になっちまったので、送信できたかどうか謎。(どこにいたんだ)

 旅行中に祭りがあるとつらいっす……(笑)。携帯、いい加減買い直さないとなぁ。


 出遅れておりますが。

 『舞姫』再演おめでとー!!

 
 今さらですが、「2008年宝塚歌劇公演ラインアップ」について。

 えー、なにより意外というか、がっかりしたのは、「2008年宝塚歌劇公演ラインアップ」と言いながら、2008年の4分の1期間しか発表しないこと。

 大劇場は3月公演の月組まで。
 バウは最初から「1〜3月」と明記。
 中日・青年館・DCもまた、3月まで。

 3月スタートで、千秋楽は5月のはじめです、だから3月までぢゃないです、なんて言い訳ナシね。4月・5月スタートする公演についてなんの発表もされていないのだから。

 昔はもっと、まとめて発表してたよね? たしか大劇なら半年分、バウのようにシリーズとして統一コンセプトで公演するモノは、主演者とタイトルは1年分近く一気に出ていたと思う。

 それが、なにを思ったか、4分の1だけ。4分の1だよ? 少なっ。
 雑誌の「次号予告」じゃないんだから、直前の情報のみじゃなく、例年くらいには出して欲しいんだけど。

 これから3ヶ月ごとに「2008年宝塚歌劇公演ラインアップ」発表があるってことか……。やれやれ。
 雑誌とちがってナマの舞台は、実際に観客が足を運ばなければならないんだから、予定は早く出してくれるにこしたことはないっつーに。

 その昔、「スパークヒップス」とゆー会社?があってだなー、すごくいい作品を上演していたのに、オギー信者にとっては「神!」なカンパニーだったのに、とにかく上演予定を前もって宣伝してくれなくてなー。
 前もって教えてくれたら、絶対観に行ったのに! そんな公演やってるなんてぜんぜん知らなかった! てゆーか公演1週間前に教えられても遠征計画立てられないよ! ……という悲鳴を複数聞いたぞ。
 そーやってスパークヒップスは、いつの間にか消えていった……。

 スパークヒップスは極端すぎる例だからアレとしても、ナマモノをリアルタイムで追いかける人種には、情報はできるだけ早いトコ必要ってことさ。

 
 どうして3ヶ月分しか発表しなくなったんだろう。
 バウなんてシリーズ公演だから、全組発表してこその宣伝効果もあるだろうに。

 劇団のすることは、ほんとよくわからんなー。

 
 とまあ、それは置いておいて。

 花担まっつ担としては、『舞姫』再演にくるくる踊ってます。

 相沢@まっつに会える〜〜!!

 あのねあのね、相沢くん、ほんとステキだったのよ。みんなに観て欲しいのよ。
 こあら、盛大にのろけちゃいますわよ。
 あの男、本気でステキだったんですってば。
 きゃ〜〜!!

 ……いやその、『舞姫』はバウホールならではの濃密な物語だったので、青年館という大きさもさることながら、あらゆる意味で環境の悪いハコで上演してどーゆーことになるのか、不安でもあるんですが。
 まっつの芝居も正直バウサイズだしな……大丈夫なのかな……うおー、のろけのはずが弱音になっちったよー。なんでこー後ろ向きなんだあたしは〜〜。

 あ、キャストは変更無し、と信じて語ってます。変更なんてとんでもない! 下級生まで全員変更無しでお願いします。みとさんも出演よろしく!!

 
 中日は『メランコリック・ジゴロ』ですか。
 すみません、わたし初演観てません。わたしが花組を意識的に観はじめたのは、『ベイ・シティ・ブルース』からです。当時わたしは雪担で、基本雪組しか観なかった。
 『ベイ・シティ・ブルース』以降花組を欠かさず観るようになったのは、雪組から花組へ、ミユさんが組替えになったため。ミユさん組替え以降は本公演全部観てる。
 ミユさん以前もまったく観ていないわけではないが(『夜明けの序曲』初演も『名探偵はひとりぼっち』もナツメさんの『ベルサイユのばら』も『スパルタカス』も、その他いろいろ観てるけどな)、機会があれば観る、程度だった。全部観る、じゃない。
 そしてたまたま、『メランコリック・ジゴロ』は観ていなかった。当時は正塚晴彦も知らないし。(正塚認識は、翌年の『二人だけの戦場』から。あくまでも雪担)

 だからとくに感慨ナシ。
 オイシイ話(や、イロイロと・笑)だと聞いているので、ソレはたのしみかなっと。
 もらいもののビデオがどっかにあったはずだが、はたして発掘できるだろうか。
 予備知識イラナイ派なので、ナニも知らないまま行くかも。
 まとぶんのプレお披露目、まとあや、プラス我らが壮くん!と、楽しみな布陣。よいスタートを切ってくれることを祈る。

 そして、もしもまっつが出演するなら、初日から遠征することになるなー。

 
 バウの『蒼いくちづけ』もまた、初演を観ていません……。
 20年前はまだわたし、ヅカファンぢゃなかったもの……。や、大阪人のたしなみとして、子どものころから観劇していたけど、ファンじゃないから通常の大劇場以外の公演なんて、存在することもわかってなかったよ……。

 耽美なんだよね? なにしろシメさんだし。
 耽美か……。
 ……めおちゃん、まぁくん、がんばれー。

 
 雪組の大劇場演目は、素直にたのしみです。
 だってわたし、キムシンダイスキだし! 初のオリジナルかー、どんなことになるのかなー。わくわくっ。
 不安なのはショーの中村A。雪組で中村Aショーつーと、『サジタリウス』じゃん……。センスなかったよな……。頼むから、水くんに着ぐるみ着せたりしないでよー。

 
 星組DCの『赤と黒』も、演出家の名前で肩を落としています。
 柴田+中村Aっすよ……鬼門だ……。
 このコンビでおもしろかったものなんて、1本もないじゃんよー。駄作率100%じゃんよー。
 初演、再演ともに観ていません。32年前の作品だもんよー。18年前の再演当時わたしは雪担だったんで、月組は観ていません。大劇場も機会があれば観る、程度の初心者ファンに、バウホール公演のことなんか知りようもありませんって。
 柴田+中村Aの古い古い再演モノ、つーだけで震えてきます。うわー。
 救いは、トウコとあすか、このふたりなら駄作も名作に力業で変えるかもしれん……役者の力に期待。

 
 月組大劇場公演『ME AND MY GIRL』に、盛大に溜息をつく。
 わたし『ME AND MY GIRL』、好きぢゃないのだわ……。
 天海主演公演を観る限り、好みの作品ではなかった。
「悪いのはユリちゃんで、作品じゃないわよ! ウタコさんのを見れば、すばらしさがわかるはず!」
 と、ざらざらの画面のビデオを見せられもしたし、実際天海のよりおもしろいと思ったけれど、やっぱり好みかと聞かれると「べつに……」と答えるにとどまった。
 それはたぶん、『雨に唄えば』をおもしろいと思うけれど好きだと思えないとか、そーゆー類いの話だ。
 いい作品だし、名作なのもわかるけれど、わたしの好みではない。
 つーことで、わくわくできない演目に肩を落とす。や、ゆーひとそのかのために観るけどさー……複数回は観られないだろうなあ……。
 なんかツボでも見つけられるといいなあ。

 
 宙組は、誰だよ、大野&オギーだって言ったの〜〜。期待したぢゃないかぁ。
 開けてびっくり、石田&酒井でこれまた肩を落としています。
 酒井はいいんだ、ショーを作る分には。
 問題は石田だ……。

 トドロキ+石田って、ろくなもんぢゃないよ……。
 トドファンだからこそ、勘弁して欲しいのよ……。

 石田せんせの描く、男尊女卑、自己中、強さと無神経さの混同、とゆーすごーく厭な価値観を、トドロキはこれまたすごーく厭なテイストで拡大させるのよ。
 トドロキは骨太の持ち味の男だからこそ、男ゆえの無神経さがふつーより響くのよ。

 トドロキがタニちゃん率いる宙組と共演、つーのは、ある意味異種格闘技というか、異世界すぎて興味津々です。
 萌えがあるといいなー。

 
 未来はいつも、今よりすばらしいと根拠くなく信じることにしているので、文句は言ってもたのしみにしています。
 来年のタカラヅカもまた、生徒にもファンにも幸福なものでありますように。


 「2008年宝塚歌劇公演ラインアップ」が出て。

 なんだよ2008年とか言いながら、3ヶ月分だけかよ! とか文句言いつつも、なにかとわくわくしておりますが。

 それとはべつに、ヘコむことがある。

 来年には、オサ様がいない。

 
 ケロのときにも思ったんだけれど。
 退団するというのは、「未来を断ち切られる」ことなんだよなあ。

 もう妄想して楽しむことも出来ない。
 オサ様でこんな役、こんな作品。
 ゲームをやってもアニメやマンガを見ても、なにか気に入ったものがあるとつい、ヅカ・キャスティングをしてしまう。
 他組の上演作品でも、「花組でやったら……」と想像してしまう。

 そのときに、ほんとに他愛ない想像でしかないときに。

 オサ様の花組では、考えられなくなるのだという事実が、痛い。

 『暁のローマ』をオサ様花組で観たかったなー。
 カエサル@オサ様で、ちゃんと彼の出番も物語も描いて。月組はブルータスが主役だったから、カエサルの出番も比重も下げられていたけれど、カエサル主役バージョンで。
 ブルータス@まとぶ。オサ様を愛し、しかし裏切ることになる悲劇の人。ドMな芸風炸裂!!(笑)
 アントニウス@壮くん。またしてもオサ様の友人、つーか、オサ様側の人。波越くんといい頭中将といい、彼の定位置。
 カシウス@みわっち。れっつ、びじゅある系!! 耽美まかせろ! 黒い役まかせろ! みわさんの魅力炸裂ヨロシク!
 オクタビアヌス@まっつ……ははは……はははは。壮くんと、まっつのカーテン前漫才!!想像するだけでサムくて笑える。

 とかな……いくらでも、オサ様花組で妄想できるのよ。

 そういう他愛ない時間を、もう持てなくなるんだ。
 その事実が、痛い。かなしい。

 未来が楽しみでないわけではなく、まとぶの新しい花組も祝福し、実際よろこんでいる。これからも花組を愛していく。

 それとはまったく別に、オサ様がいない未来がつらい。

 もう「春野寿美礼」の新作予定はありえないんだろうか……。


 あれは毎年恒例、淀川花火大会の日。
 夜空に青いラインでなにかしら意図のあるカタチが花開いた。
 なんらかのキャラクタ花火らしい。
 しかし河川敷を埋め尽くした観客からの反応はナシ。みんなふつーに眺めている。

 インフォメであらかじめパンフレットを入手していたわたしは知っていた。あの謎のキャラクタ花火が、世界陸上2007のマスコットキャラクタ「トラッフィー」だということを。

 大阪は、なんとか盛り上げようとしていたわけだ。世界陸上というイベントを。
 しかし、実際の大阪人の反応は。

「…………」
 全スルー。

 てゆーかそもそも誰も知らないのだ、そんなキャラクタ。
 世界陸上が開催されることも、そのキャラクタも。大阪人、興味なし。

 トラッフィーくん花火が上がっていたときはしーんとしていた観客が、そのあとドラえもん花火やキティちゃん花火には歓声を上げていた。キャラクタ花火が上がれば、みんなきゃーきゃー言うもんなんだって。
 トラッフィー花火には、反応する人ナシ……アレ作るの、技術もお金もいったろうになあ。

 とゆーわたしの家には、何ヶ月も前からトラッフィー人形が置いてある。
 土着大阪人で、家が自営業だったりするもんで、仕方ないのだ。大阪の地元関連企業、組合、商店街、その他いろいろな組織にて、「我々の手で世界陸上を成功させよう!」なんてことになっている、らしい。
 それで父もキャラクタ人形や大会ポスターを押しつけられたそうな。募金箱まであるぞヲイ。父は「んな誰も喜ばないイベントのために」募金を集めるのが嫌で、自分で募金のかわりにカンパし、なんとかやりすごしたらしい。
 誰もよろこばないかどうかは知らんが……わたしの住んでいるあたりでの知名度はゼロに等しい。
 本日(日にちズレているが、書いているのは25日だ)の世界陸上スタートにあたり、近所の人たち(若者から年寄りまで)にウチの親たちが世間話ついでに話題を振ったらしいが、「なにそれ?」「興味なし」のどちらかの返答しかなかったそうな。会話にもなりゃしねえ。
 チケットも売れなかったらしいしなー……(父の友人たちはみんな義理買いしていたっぽい。大変だな、大阪某組合)。

「大阪でやったのがまちがいだ。大阪人は陸上に興味がない」
 というのが父の見解だが。
 それでもとりあえず、大きな祭りがあることは、いいことなんだろう……たぶん。

 せめて、大会のマスコットキャラクタがかわいければなー。
 某古城博覧会のマスコットキャラみたく、博覧会コンテンツよりキャラが人気で騒がれる、とか、グッズがバカ売れして騒ぎになる、とか、そーゆーのがあればまだ、地元も潤うし活気づくのになー。
 トラッフィーのかわいくなさ、センスの悪さはなんなんだ……。ゆるキャラ全盛期になんでこんな、昭和時代のテーマパーク(バブル崩壊と共に閉園)みたいなノリのキャラクタなんだ?

 とまあ、はじまる前から問題いっぱい♪って感じの『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』に行ってきました。

 が。

 いやあ、大変だった。
 なにがってそりゃ、会場の、手際の悪さ。

 会場前の午後3時に長居競技場前に到着したんですが、入場ゲートをくぐれたのは4時でした。
 1時間、周囲を彷徨った……。

 炎天下を1時間、何キロ歩いたかなー。ははは。

 とゆーのも、だ。
 先にこうめさんが北ゲートで並んでくれているので、合流しよーとしたんだ。
 んで、御堂筋線長居駅下車で、北ゲートを目指す。しかし。
 指示板が、ほとんどない。どっちへ行けばいいのかわからないんだな。
 総合案内所でとりあえず地図だけもらったんだが、これがまた見にくい地図で。……てゆーかちゃんとした「会場マップ」というものではなく、「OSAKA2007NEWS Vol.6」という機関紙で代用なの!!
 ちょー待て! 「世界」レベルのイベントで、会場マップ作ってないの?! どこまでお金ないんだ大阪?!

 情報量の少ない小さなマップを片手に、北ゲートを目指す。競技場が見えているから、あっちだよなー、と見当を付けて。

 しかし。
 行き止まりだらけなのだ。
 道はあるけど、通してくれない。
「北ゲートに行きたいんですけど、どう行けばいいですか?」
 指示板がほとんどないので、スタッフに聞く。
「ええっと、あっちの道へ回って下さい」
 言われた通りに行く。
 行き止まり。関係者以外はお断り。道路封鎖。
 また戻って、今度は別のスタッフに聞く。
「北ゲートに行きたいんですけど、どう行けばいいですか?」
「あっちの道へ回って下さい」
「道路が封鎖されていたんですけど、どうすればいいですか?」
「敷地外まで出て下さい」
「この場所からは、どのコースを通って出ればいいですか? あの筋が封鎖されているんですよね?」
「…………」
 スタッフ、答えなくなっちゃったよー。スタッフもわかんないんだよー。

 やー、この繰り返しでねー。
 地図はあるけど汎用的な注意書き地図があちこちに設置されているだけで、「現在地」が載っていない(笑)。
 仕方なくスタッフを見つけて質問するんだけど。
「北ゲートに行きたいんですけど、どう行けばいいですか?」
「この道をまっすぐ行って左です」
 言われた通りに行くと、行き止まり。
 行き止まりは大抵、道路封鎖されているの。で、そこのスタッフに聞く。
「北ゲートに行きたいんですけど、どう行けばいいですか?」
「ここの道を戻って、左へ行って下さい」
 戻るんかい。

 何回繰り返しただろう……。
 わたしだけでなく、多くの人たちが回遊魚のように彷徨っている。
「入口、どこなの……」
 と口々に言いながら。

 指示板の少なさが、致命的。
 たぶん、駅からゲートへの最短距離にのみ設置されているんだと思う。長居駅から南ゲートまではまっすぐたどりつくことが可能。(ただし南ゲートはありえないくらい混んでいた。いつ入場できるかわからんくらい)
 しかし、一歩「モデルコース」をはずれると、なんの案内もない。
 長居駅から北ゲートを目指すとなると、どう行けばいいのか案内もなければスタッフも道順がわからないときた。
 北ゲートにはJR鶴ヶ丘駅からしか行けない、鶴ヶ丘駅から北ゲートに行く、それ以外は存在しない、と考えていた模様。
 また、競技場をとりまく広大な長居公園内にはなんの案内も祭りの飾り付けもなく、ふつーののどかな休日の公園で、世界的イベントがやっている様子はどこにもない。ふつーはもっと盛り上げていそうなもんだが……。
 公園を歩いてゲートを目指そうとしたら、迷うことは必至だな。

 よーやくたどりついた北ゲートは、南ゲートの混みようが嘘のように空いていた。
 しかし。

 ここでも、案内が致命的に少なかった。

 3000字書いてなお、会場に入れておりません(笑)。続く〜〜。


 遠大な旅をしてたどり着いた北ゲート。
 しかしそこでは、さらなる試練が待ち受けていた……! ってことで、『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』に行ってきました〜〜話、その2。
 

 ゲート入口でセキュリティーチェックがあるんだが、なにをどうすればいいのか説明が不足しているため、来場者がいちいちスタッフに「なにをすればいいの?」と質問しているんだわ。
 わたしも質問した。
「ビニール袋を問答無用で渡されたんですけど、コレ、なにするもんなんですか?」
「携帯電話と腕時計、カメラ、財布を入れて下さい」
「パソコンとゲーム機はどうすればいいですか?」
「え?」
 スタッフ、固まる。パソコン持ってくる客だっていくらでもいるだろうに、何故返答に窮するんだ。
 携帯やカメラだけなら電化製品、精密機械をよける意味でだと判断するけど、財布もとなると、単なる貴重品だけ別にしろって意味? 目的と判断基準を教えてくれずに名称だけ言うから、「じゃあこれはどうなの?」って質問されちゃうんじゃん。

 セキュリティーチェックを済ませ、中へ入ると設置されたテントにてなにかやっている。
 飲み物をプラスチックのカップに淹れているコーナーだった。
 ああ、ドリンク販売コーナーか。
 と思ってスルーしようとしたが。
 なんとなーく引っかかって、足を止めた。販売にしては料金表とかなにもないからだ。

 わからないから、聞いてみる。
「ここはなにをしているところですか?」
「ペットボトルは持ち込み禁止なので、ここで中身をカップに移しています」
 はあ?
 それならそれで、なんで案内しないんだ?
 誰もナニも言ってないんですよ。看板もないし。

 どうやら、わかりやすくペットボトルを手に持っているなりしている人には、個別で声を掛けている模様。何故そんな手間なことをしているんだ。
 わかりやすく持っている人だけではないだろうに。現にわたしは、鞄の中に水筒替わりに愛用しているペットボトルを入れていた。
 ソレを言うと、
「大丈夫、ここを通っても、入口で止められますよ、ペットボトルを持っていたら」
 ソレ、2度手間じゃん。なんの意味があってそんなまだるこしいことをしているんだ?
 最初にきちんと案内を徹底すれば1回で済むことじゃん。そのたびに人の流れを止めて渋滞を巻き起こすのか?

「どうしてペットボトル禁止なんですか?」
「安全上の問題からです」
「安全上、どういう危険があるんですか?」
「安全上の問題からです(以下、なにを聞いてもリピート)」
 スタッフ教育ぐらい、しておこうよ……。他の係ならともかく、ペットボトルを取り上げる係がコレだよ、ありえねえ低レベル。

 とゆーことで、わたしの愛用のペットボトル(大きさがわりと特殊であまり売っていないサイズ、ミネラルウォーター専用として何度も機嫌良く使っていた)は問答無用で捨てられた。……もう一度探して買わなきゃ……あのボトルでなきゃヤだなんよー。知ってたら持ってこなかったのにー。(や、これはわたしが事前に調べなかったのが悪いんだが)

 『愛・地球博』が飲み物持ち込み禁止だったので、ソレはそーゆーもんかと納得していたんだが。
 外から持ち込むものは、ナニが入っているかわからないから危険だけれど、中で販売しているものなら安全。飲み物は中で買え。中で金を落とせ。
 という意味かと思ったんだけど。

 不思議なのは、会場内でも「ペットボトル禁止」だったことだ。
 たとえ会場内で購入したモノでも、ペットボトルはとにかくダメ。ペットボトル悪。ベットボトル敵。
 なんで禁止なのかスタッフも知らないうえに、会場内で販売している飲み物は、みんなペットボトルという謎っぷり(笑)。

 なんなんだよー。捨て身のギャグかコレ?

 ペットボトル全面禁止なら何故、ペットボトルを売る? 会場内で。
 売店ではいちいち販売員がペットボトルの封を切り、カップを添えて客に渡すので時間かかりまくり、長蛇の列。
 そして客は、自力でペットボトルからカップに移し、その場でペットボトルを捨てなければならないので、これまた時間がかかる。

 なにより、ゴミが倍出る。
 ペットボトルとプラスチックカップとフタ。

 ペットボトル禁止までは、理由の説明がないにしろ「そーゆーもんか」と納得もするが。
 じゃーなんでペットボトル販売してんだよー。最初からカップで販売すればいいだろー? いちいち販売員がキャップを開けて回収+カップを添える手間と、サーバーから注ぐ手間にどれほどの差が? テーマパークのドリンクスタンドではそうやって売ってんじゃん。

 なんて反エコロジーなイベントなんだ、世界陸上。

 とまあ、すっげーぐだぐだぶり。
 たぶんスタッフの大半がプロではなく、善意のボランティアで成り立っているためだろう。
 かわした会話もここではふつーに書いているが、実際は丁寧語すら使わず大阪弁まんまでけっこー口汚く喋るスタッフもいたさ。ふつーの大阪のおっちゃんなんやろうな。相手を客だとかは思ってないんやろうな。

 まあ仕方ないか……と、半あきらめ。腹を立てる気にもならん。
 にしても1時間の旅はつらかった。
 距離より気温より、スタッフの手際の悪さ、会場の不親切さとか精神面で疲労。

 なにしろS席当日17000円だからなー。A席13000円、B席10500円、C席(自由席)7000円。
 大阪人が、こんな値段のチケットを買うはずがない。 
 実際スタンドはガラガラっす。いちばん安いC席のみほぼ埋まっていた。
 せめてプロ野球チケット+αくらいの値段設定でないと、陸上ファン以外の新規客は動かないだろう。「地元でイベントか、ちょっとのぞいてみるか」程度の人間には高すぎる。

 わたしはもちろん、C席です、はい。びんぼーですから。

 わたしがくたくたになってたどりつくと、先に場所取りしてくれていたこうめさんが、あたたかく迎えてくれた。
 なにしろこうめさん、午前中から並んでくれていたんすよ。まだ入場列が出来る前から会場入りしていたという、気合いの入れっぷり。
 自由席の最前列、しかもドセンター。
「ゼロ番です」
 というあたりナイスだ、こうめさん。
 天皇皇后両陛下の貴賓席の真正面。大階段を模した(笑)白いステージの真後ろ。
 すげー位置だよ、ありがとう。

 しかもこの席、お菓子付きなの。

「わたしが焼いたんですけど」
 と、こうめさん手作りケーキ&クッキー付きなんですよ。

 えー、なになにちょっと、うれしいんですけどっ。
 わたし焼き菓子ダイスキですよ。

 最良の席と、おいしいお菓子。
 苦労してたどりついたあとだけに、身に心にしみる。
 ありがとーありがとー、すげーうれしい。
 
 で、開会式がはじまるまでにわたしたちがしたことは。

「オサ会、水会その他はどこにいるんだろう?」

 でした。
 や、気になるじゃないですか(笑)。できれば共に盛り上がりたいし。

 雪組FCはすぐに見つけられた。
 金モール付きうちわ持参だから。

 「AQUA5」「水」とか書いた、派手派手うちわを手にした軍団がいた。
 雪組みんなで固まっていた模様。「桂」「彩那」「KANAME」等、みんな気合い入ったうちわを手にしている。

「ゆみこがいないっ」
 と、ゆみこファンのこうめさんはウケていた。
 ふたりで必死に探したけど、ゆみこうちわを持った人は見つけられず。
 ゆみこ会だけ別の場所だったのか、うちわを持ってくる人がいなかっただけなのかはわからず。

 祭りだから、あーゆー「昭和アイドル追っかけ隊」のノリはたのしくて好きです。
 横断幕とかあるかと思ったのに、なかったなー(笑)。

 オサ様会は見つけられず。

「でも、はじまったらわかるよ」
「オサ様登場すれば、反応でわかりますよね」

 5万人収容の広大なスタンドでも、その反応で所在地がわかる。
 断言するわたしたち。

 そして実際。

 その通りだった(笑)。

 6000字をはるかに超え、よーやく開会式開始だ〜〜。つーことで、続く。


 会場もスタッフもグダグダだ、手際悪すぎ、ありえねー。なんでも会場側の不手際で、到着しているのに入場できず、開会式開始に間に合わなかった人たちが大勢いるんだって? さもありなん、あの手際の悪さじゃありえるよなー、と力強く頷いてしまう、『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』に行ってきました〜〜話、その3。

 時刻は午後4時50分ほどだったか。
 真夏の太陽がスタンドの客たちをじりじりと焦がし、「いいなー、日陰になってるのは関係者席かぁ」「一般人は直射日光でもあびてろってことよねー」「てゆーか陸上競技を真夏の大阪でやるって正気? 気温もすげえが湿度もすげえぞ」とか、いろいろ基本的疑問を胸に宿しながらも。

 フィールドに、くいだおれ人形の姿をしたパフォーマーが現れた。

 先に言っておくと、「大阪=くいだおれ人形」という発想自体を、大阪人は快く思っていない。「大阪=阪神ファン」くらい、まちがった認識だ。
 宣伝にはわかりやすい「ウリ」が必要。ドラマの中の大阪人がありえない時代錯誤な大阪弁を話すように、「大阪=くいだおれ人形」というわかりやすい「ウリ」を、マスコミが作り上げているにすぎない。
 くいだおれ人形を喜ぶのは大阪原住民以外、地方人だけだ。観光客だけだ。地元民には関係ない。

 マスコミによってイメージ操作されている現実に、萎えまくっているのが現状なんだが……。
 「くいだおれ人形ダンサーズが踊るらしいよ」とかゆー前評判は、わたしの周囲の大阪人たちを失笑させた。その発想の悪趣味さに閉口していたさ。

 それでも。
 「道化師」という記号としてのくいだおれ人形は、いい仕事をしていた。

 ひとりで登場したくいだおれ人形は、フィールドの中央でまず観客の注目を集め、次に同じ衣装のくいだおれ人形パフォーマーたち数十人と共に客席を盛り上げてくれた。

 いろんなカタチ、整ったフォーメーションでフィールド上を移動し、あちこちで陸上競技にちなんだパフォーマンスを披露。
 短距離走だったり、幅跳びだったり。
 バク転してみせたり、転んで見せたり。
 拍子を取って手拍子を先導、これからはじまる祭りへの導入を立派に果たしたと思う。

 たしか5時スタートってことになっていたと思うんだが、くいだおれ人形パフォーマーは10分前から登場していたし、5時ジャストはそのパフォーマンス真っ直中だったと思う。

 結局、何時はじまりだったんだ? まあ、くいだおれパフォーマンスはどっから見てもOKなものだったけど。

 本格スタートは、くいだおれさんたちが会場をあたためたあと。
 わたしたちが坐っている南側スタンド中央に作られた白いステージ上に、太鼓がぞろりと設置され、オサコンでおなじみの石川直氏と黒い衣装に身を包んだ奏者たちが情熱的な演奏をはじめる。
 そしてフィールドには、赤いポンチョ姿のダンサーたちが登場。

 この赤ダンサーたちがすごい。
 長居陸上競技場って、広さどんだけあるんだ? その広大なフィールドを走り回りながら人文字を作るんだ。
 「走」「投」とかの漢字や、「BEAT」「RUN」などの英語。
 この動きが本当にきれいで。

 また、力強い太鼓のビート感が心地よくて。

 アニメーション映画を見ているみたいだ。
 たとえ言葉の意味はわからなくても、人間が作る「カタチ」を眺めているだけでも感動できるよ。意志を持って統一された動きはキレイ。
 打つ、という、もっとも原始的な、だからこそ細胞に響くような音楽のもと、これまた原始的ともいえる人文字によるパフォーマンス。

 赤い衣装は途中で純白に変わる。

 赤ポンチョをひっくり返すと中は白衣装なのね。
 走りながら衣装を着替えるんだけど、中にはどーしても遅い人がいて。
 「がんばれ、急げ!」と手に汗握る(笑)。
 わたしが心配してなくても、ちゃんと次の文字を作るには全員間に合った模様。

 事前に購入した「テレビナビ」によれば第1部がくいだおれ人形パフォーマンスや石川さんの演奏、そして我らが寿美礼サマの国歌独唱、第2部が選手入場、第3部が我らがAQUA5やダンサーたちの音楽イベント、とゆーふーに載っていたのだけど。

 寿美礼サマが登場しないままに、選手入場がはじまった。

 あ、あれ? まさか寿美礼サマを見逃したわけぢゃないのよね? 見逃すはずないよね?

 でも考えてみれば、誰もフィールドにいないときに国歌独唱するわきゃないわな。選手たちが勢揃いした上でするもんだ。

 オリンピックもそうだが、選手入場は長い長い。

 しかし、プラカードと国旗を日本人のボーイスカウト、ガールスカウトが持って行進するだけの国が多くてびっくり。選手、開会式不参加なんだ……。意気込みや価値観、国民性のちがいかな。日本人なら開催地がどこであろうと、スケジュールがどうであろうと、セレモニーにはきちんと出席するだろうから。
 そんなふーに不参加の国もあれば、コスプレして盛り上がっている国もあるし、「暖かい歓迎をありがとうございます」と日本語の横断幕を掲げて行進する国もあり。さまざまだー。いちばん観客によろこばれていたのは、その「日本語」の横断幕を持った国。スイスだっけか。その国の言葉で語りかけてくれること(たとえ選手がその文章を読めない・発音できない・ただプロデューサーなりにやらされているだけだったとしても)は、うれしいことだ。
 「心」が感じられる、ほんのちょっとしたことで、こんなにキモチは動く。

 役者が全部そろったうえで開会宣言だのなんだのとあって。

 ついに。

 寿美礼サマの出番だ。

 
 つーことで、ここで引く。続く。


 さんざん苦労してたどりつき、警備担当スタッフの目つきの悪さに閉口しつつ(ずーっとフィールドやステージに背を向けて、客席だけを見渡し続けるんだよ、客席の真ん中で。視界は遮られるわ、目が合って不快だわ)、運営側の不手際には目眩がするが、それでも『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』に行ってきました〜〜話、その4。

 待って、待って、待ち続けて。
 ついに。
 
 寿美礼サマの出番だ。

 なにしろプログラムがわからないので。
 え? って感じだ。心の準備も何もないときに、寿美礼サマの名前が放送される。英語放送では「ミス・スミレ・ハルノ」で「タカラヅカ・レビュー・カンパニー」なんだ、ということに、なにがどうじゃないけど「へえぇ」と思う。
 起立するよーに言われたので、みんなわらわらとその場で立ち上がる。
 寿美礼サマの歌を、立って聴くことができるんだ。そのことにわけもなく昂揚する。

 寿美礼サマは、緑の袴に黄色い着物姿だった。
 「タカラヅカの正装」で国歌独唱だと聞いていたので黒紋付きだと思い込んでいたから、華やかな姿にびっくり。

 でも、すぐに納得。
 とゆーのもだ、その前にこうめさんと話していたの。
 美智子皇后様が黄色いスーツ姿だったことについて、「何故黄色? めずらしくない?」「大会のシンボルカラーだからか」、「ハンガリー国旗カラーのドレスをまとって現れたエリザベートのように!」「エーヤン」「エーヤァァァン(スローモーション)」……なんつー会話をしておりましたのよー。
 皇后様と同じ色。
 大会のシンボルカラーをまとう寿美礼サマ。きゃーきゃー。

 なんて、ミーハーするヒマもあらばこそ。

 そういう段取りだったのか、誰かがタイミングの指示を出したのかわからないが。
 紹介→場内拍手……の、拍手がまったくおさまっていないうちから、寿美礼サマは、歌い出した。

 うわ、このタイミングで歌うんだ。
 それは、不自然に思えた。
 誰も今この瞬間から歌い出すと思っていなかったから、とまどいを表すように拍手があわてて消えた。

 会場を見渡し、観客の呼吸を感じ、その上で歌う……いつものハルノスミレならそうするはずだ。

 だが、ソレがない。
 まだ観客の用意ができていないのに、拍手がおさまっていないのに、いきなり歌い出した。

 わたしたちの拍手の音も、あの人には届いていないんじゃないだろうか。

 世界大会、おそらくは世界に中継、配信される映像、天皇皇后両陛下臨席、百を超える各国からの参加者、数万人の観客、ファンでもなんでもない人々の視線、アカペラでの国歌独唱。

 宝塚歌劇団、春野寿美礼という名前を背負って歌う。

 どれほどのプレッシャーだろう。
 緊張している、という言葉では表しきれないものを感じた。

 わたしの席は貴賓席の真向かい、オサ様の背中を真正面から見ることが出来た。
 会場の広さは覚悟していたので、とくに遠いとか思ってなかった。むしろ「思っていたより米粒でもないし、ちゃんと見えるもんじゃん」とこうめさんと言っていた。
 肉眼でも「アレがオサ様」だとわかる、だから十分。
 それが、人間の目の不思議なんだと思う。
 オサ様は小さくない。そこにいる。
 だけど。
 わたしは携帯のカメラ越しに、オサ様を見た。
 愕然とする。
 小さい。遠い。
 会場の広さ。大きさ。カメラは正直だ、私感を取り除いたところで、あるがままを示す。

 こんなに広く大きく孤独な場所にいるのか。
 あのひとは。

 あんなに小さく、画面では確認できないくらいの姿なんだ。

 その認識とは逆に。

 歌声は、冴えわたる。

 ぞくぞくと、肌があわだった。
 あの小さな姿、広大な世界。そこに満ちる歌声。
 ことほぐ歌。
 端正に、淀みなく、真っ直ぐに響く歌。

 立っていて、良かった。
 最初から起立して国歌独唱を聴く、そーゆーもので良かったよ。でないとふつーにひとりで、立ち上がっていたかもしれん。

 緊張とか、そーゆー次元を超えて。
 なんかもー、わたしが舞い上がっちゃって。
 寿美礼サマの神々しさ(!)を咄嗟になんと言い表していいかわからず「神妙な顔」とか言って、こうめさんに笑われたり。
 や、もー、どーしよーかと。

 国歌独唱自体は、ほんとに一瞬だ。あっという間だ。
 わたしがふぬけている間に、終わってしまった。心をざわざわさせて、なんか抜け落ちているうちに、終わってしまった。

 歌い終わり、去っていき際オサ様はふと振り返って、ある方向へ手を振った。

 するとその方向から歓声が上がった。

 あ、オサ会めっけ。

 5万人収容の広大な競技場で、それでもオサ会がどこにいるか絶対わかると断言していたが、その通りだった(笑)。

 あー、あそこだー。
 雪組FCとはまったくチガウ場所、北側のスタンド。
 競技場は南北に細長いカタチなので、西側スタンド前で西側に向かって歌うオサ様を、北側からならすごーく遠いとはいえ、なんとか横顔が見られたんじゃないかな。それでオサ会はあそこの席なんだな、きっと。

 いいなあ、会の人。オサ様に手を振ってもらって。
 あの歌を、この場で歌った、そんな超特別な人に今、手を振ってもらえるんだよー、うらやましー。

 オサファンで良かった。タカラヅカファンで良かった。
 今ここで、こんなに誇らしい想いで寿美礼サマを見つめられて良かった。

 
 えーっと。
 そのあとちょっと、記憶が飛んでいる。
 たしか両陛下、選手たちが退場し、広くなったフィールドでいろいろダンスが披露されていたような?
 石川さん登場していた?
 チアリーダーはおぼえてるんだが。すげー数の女の子たちが「きゃ〜〜!」って黄色い声を上げながらわらわらわらわらピクミンみたいにフィールドを埋め尽くしたのが圧巻で。
 若いっていいなー、つながりあうってすばらしいなー、とぼーっと思いつつも、自分のためのリアルタイム記念としてmixi日記をケータイから更新するのに忙しかったり(笑)。
 こうめさんも横で同じコトしてるし(笑)。

 とにかく、ケータイ操作したり喋ったり、大忙しの中。
 はいはいはい、ついに我らがAQUA5の出番ですよー。

 ……というところで、また引く。続く。


 いい加減長いぞ、『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』に行ってきました〜〜話、その5。

 なにしろプログラムがわかっていないから、いつどんな演出ではじまるのかわかっていない。
 しかし、鳴り響く音楽に、「あ、コレかな?」という雰囲気が満ちる。

 コレ……つまり、我らがAQUA5。

 はい、たしかにコレでした。
 登場しました、スタンドの東側、わたしたちの目の前、つーか目の下(?)にある白いステージにAQUA5が!!
 ここか!!
 寿美礼サマが反対の西側スタンド前だったわけじゃん?
 近い。近いよAQUA5!!

「きゃ〜〜っ!!」

 はい。突然、わたしの隣のこうめさん、コワレる。

 ほんとに叫び出したの。
 わたしたち、C席の最前列で、つまり前に座席がなく手すり+通路になっていて自由度の高い場所だったんだけど、ここでこうめさんがすげー勢いで叫び狂う。

「かわいいっかわいいっかわいいっ、四角いっ」

 えー。
 こうめさんは、ゆみこファンです。

「かわいいっ、四角いっ、あああかわいい〜〜、四角い〜〜」

 「かわいい」と、「四角い」を交互に叫び続ける……。

 ここはわたし、水しぇんファンとして、「かっこいい」と「長い」を交互に叫んでおくべきかと、真剣に考えました(笑)。

 こうめさんがあまりに全開っ!なので、わたしは必死になって彼女の腕にしがみつき、重石になっておりました。や、つくづく前が通路でよかったっ。あばれてもなんとかセーフ。

 しかし。
 こうめさんがコワレるのも、わかる。

 AQUA5、かっこよすぎっ。

 目の前っつーか下の白ステージに彼らが現れたときの、ときめきったら。
 すらりとした、あの姿。
 基本後ろ姿なんだけど、歌い踊る彼らはもちろんこっちにもカオを向けてくれるわけで。
 どぉぅっわ〜〜、オトコマエ〜〜。かっこいー。
 脚が、みんなすげー脚長さんじゃないかちょっと。衣装マジック?! かなめくんはもとより、キムや水しぇんだって脚長さんに見えてるよ!(微妙に失礼)

 なに歌ってんのか、ぜんっぜんわかりませんっ。

 聴いてませんから。
 神経全部、視覚に行っちゃって、歌なんか聴いてないよあたしはっ。こうめさんはちゃんとゆみこのソロにとろけていたそーなんで聴いていたみたいだけど、わたしは耳に入ってはいても脳に届いていない状態。てか水くんが歌ってるよヲイ、これ水くんの声ぢゃん、すげーすげー。て、そんなレベルでクラクラ。

 水くん、すげーかっこいいっ。
 前髪がっ、金髪がっ、なんなのあのビジュアル系。最近彼化粧濃すぎる気がして、ちとアレだと思ってはいるんだが、そんなこたぁーどーでもいい、水夏希万歳! でかい口万歳! 水先輩の人類を超えたよーな大口が好き〜〜、ツボ直撃〜〜!!(緑野こあらは、口の大きな人がめっさ好きです。例・大空祐飛)

 水くんはステージにせり上がったらしいが、なにしろわたしたちがいたのはゼロ番。ドセンターってやつっす。つまり、真正面すぎて、見えません!!
 スタンド中段にあるカメラ丸かぶりなんだもんよー。登場時は声はするけど姿は見えない状態だった(笑)。

 けっこう長く東側にいてくれたので、近くで5人組堪能。
 基本水くんを見ているんだが、テルの美しさは勝手に目の中に入ってくるし、キムはもーかわいくてかわいくて。跳ねてるよー、元気だよー。ゆみこはサワヤカ、素顔の方がかっこいいよなー。(あとになって、ひろみちゃんをほとんど見ていないことに気づく。他意はない、単に水くん中心キム寄りの視界だと、反対の端になってしまったせい)

 こうめさんがあまりにきゃーきゃーになっているので負けた感はあるんだけど(笑)、十分わたしも大騒ぎして、騒いでいるうちに終わってしまいました、水5。

 オサ様のときと正反対。
 うおー、発散したー。

 あ、言い訳しておくと、騒いでもぜんぜん大丈夫な場面だったのよ。音楽ガンガンで歓声どんと来い状態だったんで。
 自分たちだけで精一杯、周囲を見る余裕なんてまったくなかったけど(どんだけ・笑)、きっと金モール付きうちわ持参の雪組FCのみなさんも、さぞやハッピーに発散できたことでしょう。
 なるほど、わたしたちの席の近くに雪組FCが陣取っていたわけだ、AQUA5は東側から登場、しばらくステージの上だもんなー。オサ会が北側スタンドにいたように、会はちゃんとご贔屓がよく見える場所を陣取っていたわけね。

 えーと、AQUA5はAQUA5だけでなく、たくさんの白い衣装の人たちと一緒だったような?
 彼らの周囲が男性ダンサーだったことぐらいしかおぼえてない……なにしろ彼らしか目に入ってないもんで。
 日本人男性は背が低くて頭が大きくて脚が短く等身が低いのがデフォルトなんで、周囲にそういう人たちをちりばめることで、AQUA5のスタイルの良さがさらに際立っていた。計算なんだろうか?

 AQUA5が終わったあとは、「やり遂げた感」に満ち……。
 しばらくは余韻でこうめさんときゃーきゃー言いつづけ、そのあとは放心していたような?
 いやその、次がサラ・ブライトマンだったし、彼女もまたわたしたちの目の前から登場、しばらくその場で歌ってくれたので聴き惚れてもいたのですが。
 消耗したココロとカラダに、「木星」の壮大なメロディは染みわたりますなあ。

 白いドレスをたくしあげてフィールドを爆走するサラ・ブライトマンには心底おどろきました。すげえ演出だなヲイ。けっこう距離あるぞ、センターまで?

 サラの周囲はたしかチビッコダンサーたちだったと思う。わたしたちの席の近くに、出演者の家族がいたのか、すげえ勢いで立ち上がって騒いでいたのが印象的。家族総出、って感じだった……。カメラ必死になって回してて。

 そのあと、じつはすっかり忘れていたので、織田裕二が派手な演出で登場しておどろいた。スモークたいて、そこからどんっ、だもんなあ。
 あー、織田くんいたんだ、そうだった。世界陸上といえば織田くんだったね。

 とゆーことで、あと1回だけ続く。


 あー、織田くんいたんだ、そうだった。世界陸上といえば織田くんだったね。
 とゆーことで、『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』に行ってきました〜〜話、その6。
 

 その昔わたしは『踊る』者だったので……織田くんのCDもけっこうな勢いで持っているし、そもそもコンサートに複数回行ったことがある。
「織田裕二って歌、歌うんだー」「ほら、ドラマの主題歌とか歌ってるじゃん」「えー。でも歌手は本職じゃなくね?」
 とか言うのがふつーの人の感覚だとわかっちゃいるが……それでもコンサ行ってたんだよ、『踊る』者だったから!(笑) 織田くんだけぢゃなく、ギバちゃんのトークショー(歌アリ)とかも行ってたんだよ!(笑)
 某刑事ドラマで同人活動していたヲタクですから、世界陸上だって織田くん目当てで真夜中に見ていたりしたんだよ、ほんの10年前だけどな(笑)。

 なのに今は、すっかり忘れてた……織田くんだー。なつかしー。

 今でもドラマは見てるけど、織田くん駄作にしか主演してくんないから、最後まで見られなくってなー。(なんなんだよ前クールの無神経コメディドラマとか。仕事選べよ……主演と主題歌にこだわりすぎるから駄作しかオファーが来ないんぢゃ……ゲフンゲフン)
 歌手としての織田くんは、ひさしぶり。
 実際にコンサートに行くとびっくりなんだが、織田くんには男性ファンがけっこう多い。野太い声で「ユウジーー!!」とか叫んじゃうんだよ。
 今回もまた、男たちが「オダーーっ!」とか叫んでいて、こうめさんがびびっていた。

 織田くんはなにも変わらずいつもの織田くんで、なつかしさと安心感に満ちていた。俳優でありながらアイドル志向なところも変わらず。……変わらないものっていいなー。よくも悪くも、ほっとするよ。
 遠く北スタンド前にはオーケストラが。すげえな、あんなとこで演奏しても時差が生じるだけでナマで音を合わせて歌うのは無理なんぢゃ……ゲフンゲフン。いやはや、豪華です。

 どうやら開会式のトリが織田裕二だった模様。……さすがTBSだ。
 人間国宝の歌舞伎役者・坂田藤十郎さんが登場したけれど、彼はただ「締め」をするだけらしい。舞台衣装に化粧も完璧、朗々たる口上。

 そのときには開会式に出演したすべての人がフィールドに登場……つーことで、寿美礼サマ+AQUA5も再登場。

 すっごい遠いんだけど、彼らの姿を眺められるだけでうれしい。
 はい、ここでジレンマ。

「大阪締め、どうする?」
「今ここで、あの人たちと一緒にひとつのことに参加したい」
「でも、そのみんなでひとつのことをしている、あの人たちも見たい」

 オペラグラスを使えば、ある程度彼らの表情というかニュアンスがわかる。
 だが、オペラグラスを使っていたら、その最後の「締め」に参加できない。
 
 ああっ、ジレンマ!

 しかも最後にやる「締め」は大阪締めとかいう謎のパフォーマンスで、大阪で生まれ育って数十年、のわたしもはじめて耳にするものだった。
 開会式前に練習させられたんだけど、やっぱり初耳、見たことも聞いたこともないパフォーマンスでわたしの生きてきた範囲の「大阪」には存在しない文化。周囲の座席の人たちも、「知ってる?」「知らない」とざわざわざわ。
 おまけにこの文化、ふつうによくやる三本締めとかとちがい、合わせるのが難しそうだった。
 てゆーか、合わなかった。練習では、カケラも。
 ただでさえ競技場は広い。これだけ広い屋外で、ふつーに三本締めをするのでも時差が生じるだろうに、独特のリズムと聞いたことない掛け声で、数万人の音を合わせようなんて、そりゃ無茶だ。

 いざ本番。
 坂田藤十郎さんの掛け声のもと、みんなでチャレンジ「大阪締め」。

 揃うわけないって。

 見事にバラバラ。無惨というか悲惨というか。
 もっとちゃんと練習させるべきだったよ、TBSの人。練習とは名ばかりの、進行説明だったよね。
 というわたしは本能のまま、オペラグラスをのぞいていた。

 見つめるのは、寿美礼サマの背中。

 大阪締めやってる〜〜。きゃ〜〜。←寿美礼サマならナニをしても大喜びらしい。

 でもそんなわたしの横で、こうめさんもゆみこガン見しつつひとり悶えていたから、きっとみんな同じだろう。オサ会の人たちも、うちわ持参の雪組FCの人たちも。
 ご贔屓の姿を見つめるだけで、ご贔屓がなにかしら動くだけで、きゃあきゃあハートで盛り上がってしまうものだろう。

 でもやっぱ、「寿美礼サマと一緒に、大阪締めとやらに参加したいっ」というキモチも捨てきれなかったので、3回ある最後の拍子、「チャ・チャ」だけ手拍子参加。ええもちろん、揃いませんでしたとも。あたしゃリズム感ないしなっ。

 いいのよ、寿美礼サマや水くんと一緒に「締め」ができたんだもん。参加したんだもん。それだけでいいのよ。自己満足上等。

 進行が押しているようだったので、テレビ中継の時間が気になっていた。
 番組予告欄をチェックして、開会式は午後6時半まで、午後6時45分からニュースって書いてあったけど念のために7時まで録画予約してきた。わたしの録画予約時間より長くなっちゃったらこまるなあ、そうでなくてもニュースの時間だからって途中で中継をやめられても嫌だなあ、と思っていたんだけど。
 藤十郎さんが締めの前に「ご来場の皆様、そしてテレビを通じてご覧になっている世界の皆様方」と言っていたのを聞いて一安心、大丈夫だ、今はまだわたしの録画予約時間内だし、絶対中継も続いているはず。そうでないと出演者が台詞で「テレビを通じてご覧になっている皆様」とか言うわけないし。
 全国中継されているつもりで「テレビを通じて」って言ったのに中継されていなかったら、藤十郎さんが面目丸つぶれ、赤っ恥かくことになるじゃん。人間国宝サマにソレはないだろうから、大丈夫、きっと最後の締めまで中継されている。
 (と、現場では信じ切っていたので、帰宅後録画を確認してぶったまげた。TBSって……)

 と、ここで中継について確信したので、「テレビには映らないはずだから、しっかり見なきゃ!」と気合いを入れ直したのが開会式終了後、自由解散(って……)となったあとの、寿美礼サマたちご一行。

 西側スタンド前にいた彼らが、何故かわたしたちのいる方向へ、フィールドを横断してくる。

 うわー、まさかの続く〜〜。


 こんなはずではなかったのに……まだ続いちゃったよ、『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』に行ってきました〜〜話、その7。今度こそ最終回!

 開会式は無事終了、そのあと自由解散、寿美礼サマとAQUA5はわたしたちのいる方向へフィールドをはるばる渡ってくる。

 きゃあああっ、何故、何故にこちらに?
 フィールド横断ってなんのために? だから、けっこう距離あるんですけど、それでも歩いてきてくれるの?!

 わたしもこうめさんもきゃーきゃー言いながらオペラグラスかじりつき。

 寿美礼サマとAQUA5がにこやかに、たのしそーに歩いている。
 なにを話しているんだろう。晴れ晴れとした顔。

 フィールド横断最終あたりで、寿美礼サマと水くんが肩を組んだ。なになに、オサ×水?! ちょっと待て、なんのサービスなのそれわっ。

 寿美礼サマは袴姿、水しぇんはアイドル調衣装のまま。
 世界観はちがっても、色男なのは同じ。や、素顔の彼らは性別を超えた美しい存在です。

 ベニート×カルロスだぁ。

 と、『La Esperanza』ダイスキなわたしは即座に反応。ベニート@水はカルロス@オサがダイスキで、素敵な爆裂片想いしてたなあ。カルロスは魔性の男で、老若男女問わずタラシまくってたなあ。

 オサ様と水しぇんの肩組み(素顔)なんて、もー、もー、コレをナマで見られただけで、ここまで来た甲斐あったよ!!と、感涙ものだったんですが。

 水くんがゆみこを呼び寄せる。
 ゆみこもやってきて、水先輩と肩を組む。

 ベニート×カルロス×フアンだああぁぁ!!

 カルロス@オサにベタ惚れのベニート@水。そして初恋の人カルロスのために生命懸けで彼の夢を叶えようとするフアン@ゆみこ18歳!!

 究極のタラシ男、魔性のローレライ、カルロスを中心に、「♪楽しみはそこにある♪」と銀橋で歌う3人。カルロス、ベニート、フアン。
 肩を組み、手を取り合い、叩き合い(笑)。

 あの、3人だ。
 あの、トリオだ。

 肩を組んで笑っていた、あの3人だ。

 どうしよう。
 ああもお、どうしよう。
 どきどきする。うれしくてうれしくて、叫び出しそうだ。……って、なんかずっと口は動いていた気もするけど。

 2004年8月16日、水くんの18歳(笑)のお誕生日に観たんだった。3年前に18歳ってことは、今21歳か、オイシイお年頃だね、水しぇん。(ちならみに、元ネタはこちらhttp://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-742.html
 主人公とヒロインが恋愛していない、ということをのぞけば、ほんとうに素敵な、大好きな作品だ、『La Esperanza』。マヤさんの役いらないとか、「それでどんな映画ができるっつーのよ、こんなつまんねー展開で」とか、骨組みに関するツッコミも後を絶たないが、それでも根っこにある「人生肯定」がダイスキだった。
 春野寿美礼の魔性っぷり全開で、ゆみこのけなげさ、水くんの熱血空回りとか、きりやんの男前さとかあすかのうまさ、いちかのキュートさ、まっつの医者(どさくさにまぎれて言ってみる)とか、ステキだらけだった。

 しあわせだった。

 春野寿美礼と出会えて、しあわせだった。

 今、目の前にある光景が、想い出と二重映しになって、しあわせで、切なくて、かなしくて、うれしくて、苦しくて、黙ってなんていられなかった。

 なんかずっと、喋っていた気がする。
 オペラグラス握りしめ、誰も聞いていない実況をしていた気がする。
 オサ様がどーした、水しぇんがどーした、ただ目に映っているものを、実況しつづけた。

 アウトプットしないと、パンクする。
 たくさんのものが流れ込んできて、壊れちゃうよぅ。

 大好きで、うれしくて。
 今、ここにいることが、あの人をたちを見ていられることが。

 いつか終わってしまう、今この瞬間でさえもう終わってしまうことが、こわくて。
 急き立てられるように、声を出していた。

 肩を組んでいた3人は、さらに仲間を呼ぶ。ゆみこが他のメンバーを手招きし、AQUA5全員がつながった。
 反対側のオサ様は、近くを歩いていたドラムの石川さんを見つけて、水しぇんと肩を組んだまま石川さんと握手していた。そのあと彼も肩を組むよーになる。

 そーやって、愛しい人たちは退場していく。北東あたりの出口へみんなばらばらと吸い込まれていく。

 終わっていく。

 最後まで、背中を追いかけた。
 見えなくなるまで見送った。

 
 こうして、わたしの『IAAF世界陸上2007大阪 開会式』は終わった。

 
 彼らを見送ったあと、しばらく座席でこうめさんと話していた。
 イベントは終わってしまったけれど、すぐに動く気になれなくて。

「ねえさっき、握手してましたよね、あれって誰だろう」
 と、こうめさん。
「石川さんでしょ、ドラムの」
「そうじゃなくて、大会の役員みたいな人と」
「えー? そんな人と握手してたかなあ? いつ?」
「だからさっき……」

 いくら話しても平行線です。
 だってわたしたち、主語がチガウもの。

 こうめさんの主語は、ゆみこちゃん。
「ねえさっき、ゆみこが握手してましたよね、あれって誰だろう」
 わたしの主語は、寿美礼ちゃん。
オサ様が握手していたのは石川さんでしょ、ドラムの」

 途中でお互いの主語がチガウことに気づいたんだけど。

「……ごめん、ゆみこ見てない」
 ので、誰と握手していたとかわかんない。
 こうめさんも、視界がゆみこONLYだから、寿美礼サマの話題わかんないし。

 うわー、情報の確認・補完ができないわたしらって。

 同じ場所で同じモノを視ていたって、視界も感じ方も記憶も、ナニもかもチガウんだもんなあ。
 統一な見方はテレビカメラに任せよう。
 わたしたちは、ひとりずつか見たいモノを視る。
 そのために、苦労してここまで来たんだものね。

 そのあとあった午前の部の表彰式に拍手をして、一段落したあたりで競技場をあとにした。
 人混みはもうたくさん、交通機関が混まないうちに帰ることにしよう。

 
 たのしかったよ、開会式。
 オサ様の歌声、AQUA5の美しさ。
 こうめさんときゃーきゃーするのも、たのしかった(笑)。運動会でもそうだったけれど、こういう「声を出していい」イベントって、タカラヅカでは特異だから、たまには新鮮でいいよね。

 運動会も立ち見1000円で観たんだっけか。今回も5000円の価値ありまくりだ、うん。(びんぼー人なので、高いチケットは買えない・笑)

 次にオサ様の歌声を聴くことが出来るのはTCAか……そして次はついに、退団公演初日。

 現実はいつだってヘヴィで、だからこそ、大切で、愛しいのだと思う。


 最初に見たのは、スカステ・ニュースでした。

 水しぇん、ゆみこ、キム、ひろみ、かなめで形成されたユニット「AQUA5」。
 彼らが「六甲のおいしい水」のCMに出るっちゅー話は仲間内から聞いていた。
 だが、民放は限られたドラマしか見ていないわたしは、「ふーん」とスルーしていた。

 だってとてもぢゃないが、捕獲できるとは思えなかったんだよ。今わたしは、WOWOWで放送中の『勇者ライディーン』(75年本放送)を見るのに大忙しだったし。
 全50話一挙放送だよ? 1日4話のペースで消費していかないと、追いつかない。うおー、プリンス・シャーキンだー。あきらくん、性格悪ぅ。飛鳥麗のキャラ設定変更はなんとかならんかったのか。大人の事情ってやつはよぅ。あきらをめぐっての、マリと麗の三角関係、たのしかったのに……くそー。
 てなふーに、大忙し。

 ドラマは今期壮絶に不作で、ゴールデンタイムにおもしろいものが皆無という、例を見ない期間となっているが、かわりに昼ドラの『金色の翼』がおもしろい。
 わかりやすくベタにしてあるけど、設定や展開などに工夫がいっぱい、「うまい」と思える作りだ。

 とまあ、残念だけど水くんのCMは見られないわー。まっつのスカステ5周年コールなんてものは、わたしががんばって捕獲しないと誰も捕獲しないだろうけど、水くんのCMなら、全国5万人の水夏希ファンががんばって捕獲するだろうし、いつかどこかでわたしのところまで回ってくる可能性だってあるわ。

 そうやってさくっとあきらめていたら。

 なんだ、スカステで見られるんじゃん。
 CM撮影風景から放送してくれたので、わくわくと眺めた。

 が。

 何故だ。
 恥ずかしくて、正視できない。

 化粧の濃さは気になるにしろ、水しぇんキラキラ素敵だし、テル美しいし、ひろみちゃんりりしいし、ゆみこは……ええっと、なんかちがってるよーな……キムもなんかちがっているよーな……。
 や、それでも十分美しい、魅力的な彼らが画面にいる。
 それがうれしい。
 うれしくて……どーしてー? どーしてこんなに恥ずかしいのー? アセるのぉ?!

 たぶん、なんちゅーか、「ウチの子がテレビに!」状態なんだと思う。

 誇らしくて自慢しまくりたい反面、はらはらしてドキドキして。

 こ、こまった。
 せっかく録画したのに、1回見たきり封印だ。恥ずかしくて、ドキドキして、繰り返し見られない。

 そんな状態だから。

 ふつーにテレビでCMが流れたりすると、固まってしまうのですよ。

 またよく流れるんだこのCM!!
 ゴールデンタイムのバラエティなんぞの合間に。
 や、わたしバラエティは見ない人だから、他の人が勝手に流している状態で、誰もまともに見ていない、BGMがわりにテレビがついている状態なわけだけど。
 つまりわたしは他の人と喋ったりしているわけで。テレビの方なんか見てもいないわけで。

 なのに、あの曲が流れると、テレビを振り向く。

 どわっ。AQUA5だっっ。

 そして、固まる。

 CMが終わるまでの間、会話もぶったぎり、場も無視して、固まる。時が止まる。

 そーして、CMが終わると妙に憔悴している……。
 あああ、なにやってんだ……。

 でもヅカファン以外は、誰も注目してないですよ、あのCM。
 出演しているのがタカラヅカの人だっつーことも気づいてないんぢゃないかな。
 わたしが固まってCM見ていても、誰もなにも言わないし。

 その程度の認知度。1日の何万本と流れるCMのひとつ。興味ない人には記憶の端にも目の端にも入らない、ただのCM。

 なのにわたしは、毎日何度も時が止まる。

 彼らの歌声で固まり、息を詰める。

 あああ、ただの自意識過剰よ、わかっているわ。
 それでも無視できないの。
 水しぇんダイスキ〜〜。ほろほろ。

 こまったもんだ。


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