どんな事情があるにせよ、集合日退団はヘビィだ……。

 華城季帆
 澪乃せいら
     2006年12月26日付で退団

 退団、ということを受け止める以前に、「えっ、それじゃあもう会えないの?!」ということに、愕然とした。
 お別れを惜しむとか、最後の舞台に心を馳せるとか、そーゆーこともなく。
 もう、会えない。
 てゆーか、タカラヅカが特殊な場所であるからこそ、彼女たちは、もう「存在」しないのだという現実が、痛い。

 同じ芸名で、なにかしら芸能活動をするとしても、「タカラヅカ」という特殊な世界観での彼女たちではない。まったく別カテゴリの存在となる。
 もう、この世のどこにも「いない」のだ。「存在しない」のだ。かしろきほも、みおのせいらも。
 そんな馬鹿な。

 愕然、呆然ですよ。

 ……事情があったのだろうと思う。なにかよほどのことがない限り、こんな去り方はしないだろう。
 それはわかるけれど、一ファンとしては、退団発表後せめてなにかしら出演したうえで退団して欲しかった。その芸名でタカラヅカで生きてきた「責任」を果たして欲しかった。

 残念だ。
 持ち味はチガウものの、お姫様ドレスの似合うかわいい若手娘役スターがふたりも、本日付けでいなくなってしまったなんて。

 大きな喪失感に、過去の彼女たちの舞台姿がぐるぐる回り続ける。

               ☆ 

 『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』の配役が発表された。

 明智@オサ様、黒蜥蜴@彩音。

 無理とは知りつつ、一縷の望みを託していたんだが、やっぱり無理だよなー。
 オサ様は黒蜥蜴を演じるに相応しいキャラクタだと思っていたので、是非ハマリ役を演じる姿を見たかったんだわ。

 それに、『MIND TRAVELLER』ドラマシティの前代未聞のガラガラっぷりを目の当たりにして、まとぶをプッシュするには「オサ様の相手役」をするのがいちばん確実だと思った。
 オサ様を愛し、憎み、また翻弄される役なら、オサ様ファンにも愛されるだろうし。花組のファン分布パーセンテージはかなり極端なことになっているから、オサ様ファンを味方につけるしか勝機はないんだし。
 まとぶを本気で売りたいなら、料金のバカ高いドラマシティで小池のダメダメオリジナルをやらせるより、本公演でオサ様とがっぷり組ませること、以上の手段はない。

 トップスターのオサ様が今さら女役(しかもヒール)ができないというなら、まとぶに蜥蜴役をやらせるのがいろんな意味で最良だろうと思った。

 とはいえ。

 無理は無理だとあきらめていたし、そのうえで、彩音ちゃんの黒蜥蜴もたのしみなのだ。

 きほちゃんはどうあがいても、母性だとか包容力だとかを出せない人だった。他の技術はとても高い人だったのに。
 反対に彩音ちゃんは、母性と包容力がある。他の技術力が高いとは、とても言えない人なのに。

 トップ娘役候補として歩いてきたきほちゃんは去り、彩音ちゃんはトップ娘役としてこれからもここで戦わなければならない。
 母性と包容力という大きな武器を持ち、彩音ちゃんはこれからどう成長していくのか。
 黒蜥蜴という難役をどう演じるのか。
 たのしみだ。

 寿美礼ちゃんの明智小五郎役は、純粋にわくわくする。
 だってさー、なんかすごーくイヤらしくイヤなヤツになりそうで。インテリゆえの嫌味さというか。「春野寿美礼」のあの爬虫類っぽいナルシーさを、わかりやすく発散できるなとか。
 もってまわった台詞回しとか、クドすぎる歌い方とか、寿美礼様ならではの明智が見たいわー。天知茂を超えるのだ!(笑)

 また、演出家がキムシンだということも、たのしみのひとつ。
 さあて、次はなにをやらかしてくれるんだろう(笑)。

 
 ビジュアル面でも役割でも、いちばん不安なのは少年探偵団浮浪児とやらなんだけど……わたし、大人が演じる無理矢理な幼児が超苦手だからなー。ヤな感じでなければいいなー。

 でもって、書生ってどんな服装かなー。
 やっぱ着物に袴? わくわく。
 クラシカルなスーツ? わくわく。
 それともいっそ学ラン?! わくわくわくっ。
 まっつなら、どれもOKだ! 儚げだといいなあ。うっとり。
 ただし、ザンギリ頭は勘弁。


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