春野寿美礼をすごいと思う。

 わたしはオサ様の崇拝者なので、この人の天才ぶりについては手放しなんだけど。
 それにしても、すごい。

 『アデュー・マルセイユ』は小池のオリジナル作品にしては驚異的に壊れていないのだが、ツッコミどころの多さは相変わらずだし、わたしの好みからはずれていることをのぞいたとしても「ソレってどうよ」的部分も多分にある。
 ……んだが、そーゆーもんを寿美礼サマがまるっと超えていく。

 脚本の粗や凸凹を、寿美礼サマが力尽くでなめらかにしてしまうんだ。
 その異次元感覚に酔う。

 作品のアラを力尽くで持っていくといえばトウコちゃんがそうだが、彼女の場合は演技力で、熱と緻密な技術によって地ならしするの。(技術だけでなく熱が加わるところがトウコの素晴らしいところ・笑)
 トウコの持っていきぶりは、地続きなの。
 地に足がついている。凸凹や亀裂を、トウコが埋めることで平らにする。
 でもオサ様は。
 平らにしようなんて、ハナから考えていない。別次元へワープする。
 RPGゲームで、戦闘になると別フィールドになる感じ。
 そこは別世界だから、ナニも気にしなくていいの。いびつなものも凸凹も亀裂もない、てゆーか大地自体ない、四次元空間。そこでオサ様は好きなだけ歌い、大暴れし、「主役」になる。
 で、役目が終わると、ひょいってまた元の世界に戻る。
 わたしたちはそのたび異次元へ連れて行かれ、元の世界に投げ戻される。
 この繰り返し。

 すげえ。すげえよ、春野寿美礼。

 地球にいたはずのわたしは、突然宇宙空間にいて、寿美礼サマの歌を聴いており、魅了されて思考ストップしているところをいきなりまた地球へ投げ出される。
 この落差。
 精神的なアップダウン。
 役者としてすごいのも正しいのもトウコちゃんだと思うけれど、寿美礼サマのディメンション・マスターというスキルも素晴らしいぞ。

 これほどの能力を持った人が、今後現れるのだろうか……。

 寿美礼ちゃん、辞めるのやめないかなぁ……。
 退団撤回してくれて、ぜんぜんいいのになぁ……。
 ぼそぼそ。


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