タカラジェンヌはフェアリーであり、彼らに勝手に夢を見るのがヅカファンやってる醍醐味だと思っている。
 わたしは彼らがどんな人なのか、生身の人間としての姿は知らないし、知りようがない。舞台上の姿を眺め、勝手にイメージを描いているだけのこと。
 真実ではない。わたしが見たいように見ている、感じたいように感じている、それだけのこと。

 それをわかったうえで。
 ええ、わたしは彼に夢を見ている。

 夕霧らい、ムカつく(笑)。

 今回、『Red Hot Sea』でもお、心から、ムカついた(笑)。

 こいつ絶対、自分をかっこいいと思ってる。イケメンだと思ってる。
 自分がかっこいいと思って、自信満々にかっこつけてやがんの。

 フィナーレのパレードののち、幕が閉まるまでのわずかな間、らいらいは灯台の中に入って、ポーズ取ってます。
 片手を高く上げて灯台に付き、腰をこうくいっとひねって、もう片手を腰に置いて、どこを見るでもなくうっとりしていやがります。

 どこのナルシスト様? ネオロマ系のタカビーキャラですか?
 なんなのそのお高い風情は。
 かっこよすぎて、ムカつく(笑)。

 なんかね、すべてお見通しみたいで。
 そーよ、アンタがイケメンなのもすげーかっこいいのも事実だよっ、でもだからって、なによその態度。そのかっこいいと思ってかっこつけてるとこが腹立つのよーっ、ドキドキするぢゃないのお〜〜、冗談ぢゃないわよお〜〜。

 はい。
 ただのドリームです。ほんとーの夕霧氏がナニ思って腰ひねってるのか、夕霧氏がどんな人かなのか、わたしにわかるはずもございません。

 だけどわたしには、とてつもなく、魅力的なドリームです。

 カンチガイスレスレの高慢チキ男にときめく、とゆープレイですよ!(プレイ言うな)

 それにしてもパレードのときのらいがかっこいいんだわ。好みド真中なんだわ。あのラフにばさばさした髪型が、超好み!
 もともとらいらいはわたしの好みの顔なのよ。好みの男が好みの髪型でかっこつけてるのよ。あーもー、かっこよくてムカつくわ〜〜。なによ、「アタリマエ」って顔ですましちゃってさ。なによなによ。……うおおお。

 例の1列目1番に坐ったとき、らいらいが集中攻撃してくれてね。幕が降りる直前までずーーっとわたしをかまっていてくれて。目線ははずせないわ、笑顔とウインクがんがん来るわ、もー、もー、どうしようかと。
 べ、べつにアンタを見てたんぢゃないからねっ。席が端っこすぎてまっつが見えないから、それで仕方なくアンタを見てたんだからねっ。カンチガイしないでよね!! ……と、ツンデレぶってみることもできないくらい、わたしはミもフタもなく、恥ずかしいほど大喜びしていたのだろーと思う……。

 その昔、ハーレクイン・ロマンスにハマッていた友人が、内容を教えてくれたことを、思い出す。
 まだ未読の新刊を手に、「この本のストーリーを教えてあげる、読まなくてもわかるから。女が男に最初に出会ったとき、こう思うの、『なんて失礼な男!!』」って。
 最初は、相手にムカつくこと。
 これがハーレクインの鉄則。相手が西部の大金持ちかアラブの富豪か大会社の社長か敏腕映画監督か、肩書きがチガウだけで、ストーリーの流れは全部同じ。

 ムカつくこと。
 それこそが、恋の予感。

 らいらいを見ていると、「ああ、コレか」と思う。らいらいに対して「きぃ〜〜っ☆」とか「ムカつく〜〜♪」と思うのは、ときめきの裏返しだ。

 らいには、「悪い男ドリーム」が炸裂する。

 惹かれちゃいけない、アイツは悪い男、愛したら絶対不幸になる……そう思いつつもずっぽりハマっていく昼メロ的ドリーム。
 100の涙に暮れながら、1の微笑みに至福を味わう人生。

 
 なにしろジェンヌはたくさんいるから、好きにいろんなドリームを描けていいわあ。
 「あのジェンヌさんって絶対いい人だよね」とか決めつけるのと同じノリで、「あの子性格悪そう〜〜。萌え〜〜」とか勝手にドリーム。
 芝居で「黒い役」「悪役」が「オイシイ役」と呼ばれるのと同じ、勝手に悪い男ドリームでドキドキ。

 あー、らいらいはイイよなあ。
 ……しかし、アーサーには見つめられたら恥ずかしくて正視できないのに、らいは平気なんだな。あ、みわさんもだ。
 わたしにとってみわさんとらいは同じカテゴリ? でもってアーサーはまっつ系なのか。
 や、わたしがいつも臆面なくまっつガン見出来るのは、彼がぜんぜん目線をくれないからです。まっつがみわっちや、らいみたく、ガンガン一本釣りする人なら、びびってガン見できてません(笑)。


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