記憶合わせと、ハイタッチと。@ラブ・シンフォニー
2010年11月23日 タカラヅカ 再演である以上、以前の記憶をめぐる時間旅行になるのは仕方がない。
花組全国ツアー公演は、3年前に同じ2本立てで中日劇場で公演済み。同じ顔ぶれで同じことをしていて、そこに取り返せない「時間」があるから切ない。
芝居はそれでも物語に没頭できるから忘れていられる部分もあるが、ショーになると記憶の答え合わせみたいになる。
ああ、ここはこうだった、ここはこうなるのか。
なまじ『ラブ・シンフォニー』は再再演、3回目だ。短い期間に3回も公演してりゃー記憶も新しい。
てゆーかわたしは、いったい何回『ラブ・シンフォニー』を観たことになるのか。オサ様退団で通いまくり、まとぶお披露目にも通ったんだ。まさかまた、観るはめになるとは思わなかった。「いかにも中村B」な、「悪くはないけど、良くもないショー」を。
タカラヅカはスターありきだが、中村Bはスターに合わせて作品や場面を作れない……だけでなく、アレンジもできない。
デビュー当時から使い続けているテンプレートに曲や衣装を当てはめていっているだけ。自動生成マシンみたいなもんだな、「いかにもタカラヅカ」なモチーフを放り込んでおけば、お約束通りのいつもの「中村B作品」が出来上がるので、あとはそこに出演者を上から1、2、3とあてはめていけばいい。
テンプレ通りだから、それは「タカラヅカ」であることに間違いはない、とても普遍的なモノが出来る。「タカラヅカ」自体をよく知らない人が1回だけ観ると、「うわあ、タカラヅカだわあ。きれいー!」と思える作りなので、需要のある作風だと思う。
ただ、贔屓組はヘビーリピート前提で、全組全公演まんべんなく観劇、それを10年以上続ける……ごくふつーレベルのヅカファン(笑)には、いつどの組でナニを観てもまったく同じ、という作風はつらい。
たとえ今回の『ラブ・シンフォニー』を観るのははじめて、であったとしても「この作品、既視感しかない……」ということになるので。
そんな毒にも薬にもならない『ラブ・シンフォニー』。
現実に何十回観劇済みだがそれ以上におなかいっぱいになりつつ、作品が平板であるから余計に思考はいろんなところに飛ぶ。
オサ様の歌声や、まとぶんの気合い入りまくりのあれこれ。彩音ちゃんの笑顔。
まっつがいないことは、それほど気にならない……彼の立ち位置は全部無意識レベルに刻み込まれているため、いちいちそこを見てしまい「あ、いない」となるが、それは大してなんとも思わない。
組替えでいないというより、バウに出演中だからいないとか、『巴里祭』出演中だからいないとか、過去にもあった不在感覚でしかない。まだ、実感していないんだ、まっつが花組にいないこと。全ツとバウの出演者一覧に名前がなかったときの方が、ずっと寂しかった。
初日初回はまさに答え合わせ。
花盗人な壮くんが、センターパーツで現れたときに、ぶはっと吹いた。
そうか、ここも昔のままか!
初演でまとぶんが気合いのセンターパーツで歌い踊った場面、再演で壮くんまでもが同じ髪型にして現れ、「髪型まで決まってるのか!」とウケた。
2度目の再演でもまた、同じ髪型なんだ。そうそう、そうなんだね、えりたん。そこはそうなんだ!
すっかり忘れていたのに、思い出した。
みわさんの小雨降る♪のタメと吐息っぷりに悶絶したこと、キンバラのゆまちゃんの胸、スパニッシュの壮くんのダンスのやばさ(笑)、女の子にキスするときはクチを開けてのらいらい……順不同に書いてますが、流れの順番に次々思い出してくる。
初回は3階席でまったりと、そして2回目は1階センターブロック通路際……てことで、まとぶんのハイタッチ狙います!席(笑)。
答え合わせをしているうちに、甦ったんだ。
中日で、まとぶんにハイタッチしてもらったこと。(それも、1回2回ぢゃない・笑)
この人が、ウチの組のトップさん……敬意と憧憬とトキメキを込めて、毎回手を出していた。
最初にそうやってタッチしてもらった、その人に、最後が見えてからまたタッチしてもらう……それは、とても大切なことに思えた。
けじめというのもおかしいが、節目を受け止める心構えとして。
……実際は、よりによってその回に、今回あたり現れるんじゃないかと思ってはいたけどほんとーにまっつが客席にいて、しかもわたしの席から丸見えなところに坐っていて、こちらがさらに平常心でなくなってしまったため(笑)、まとぶさんのハイタッチ狙いが微妙に遅れてしまいましたが。
なんとかタッチしてもらえたけれど、中日のときほどばしって手のひら全体でなく、かすめた程度。
狙うぜ!とか思っていたくせに、自分的にダメダメな結果に落ち着くあたりが、まあわたしらしいかと。
それでも、客席の手をいちいちぱしぱししていくまとぶさんのことは、正面から見られたわけで。
お披露目公演でそうだったように。
記憶が、二重写しになる。
その姿に、切なくなる。
時が経つ、それは切ないことだ。
出会いと別れの繰り返し。それを、改めて思う。
贔屓が舞台にいない分、いつも無意識に贔屓ばかりを見ていたいろんな箇所で、いろんなところを見られる、それは楽しい。
大好きな花組。贔屓の組替えは寂しくてならないが、良かったと思えることは、花組のみんなをたっぷり見ることが出来る、ようになること。何十回観たってダメなんだよ、まっつが出てたらまっつしか見られないの、いつも同じ顔して踊ってるだけとわかってるのにさ、他の人たち見たいのに!!
だからある意味新鮮な画面。まっつしか見えていなかった場面が、あららフリーダム、あっちもこっちも見放題!
で、めおくんの腰振りに釘付けになったり、襟が片方出ていないあきらにはらはらし、仕方ないかまだ若いし経験不足だし……と思った目線の端に同じように片方襟が出てない人がいて、誰かと思ったら王子だったり(笑)、じゅりあの靴を見たり、よっちのエロ流し目を見ていたたまれないキモチになったり、らいのウインクを捕獲したりと大忙しだ。
いつも同じ中村B作品、何十回と観た『ラブ・シンフォニー』。
既視感と答え合わせ、切なさと発見と。
ウチの組のトップさん、ウチの組。
ハイタッチしてもらった、指先。
楽しいのに、ふいに鼻の奥がつんとする。
思わぬところで、泣きたくなる。
花組全国ツアー公演は、3年前に同じ2本立てで中日劇場で公演済み。同じ顔ぶれで同じことをしていて、そこに取り返せない「時間」があるから切ない。
芝居はそれでも物語に没頭できるから忘れていられる部分もあるが、ショーになると記憶の答え合わせみたいになる。
ああ、ここはこうだった、ここはこうなるのか。
なまじ『ラブ・シンフォニー』は再再演、3回目だ。短い期間に3回も公演してりゃー記憶も新しい。
てゆーかわたしは、いったい何回『ラブ・シンフォニー』を観たことになるのか。オサ様退団で通いまくり、まとぶお披露目にも通ったんだ。まさかまた、観るはめになるとは思わなかった。「いかにも中村B」な、「悪くはないけど、良くもないショー」を。
タカラヅカはスターありきだが、中村Bはスターに合わせて作品や場面を作れない……だけでなく、アレンジもできない。
デビュー当時から使い続けているテンプレートに曲や衣装を当てはめていっているだけ。自動生成マシンみたいなもんだな、「いかにもタカラヅカ」なモチーフを放り込んでおけば、お約束通りのいつもの「中村B作品」が出来上がるので、あとはそこに出演者を上から1、2、3とあてはめていけばいい。
テンプレ通りだから、それは「タカラヅカ」であることに間違いはない、とても普遍的なモノが出来る。「タカラヅカ」自体をよく知らない人が1回だけ観ると、「うわあ、タカラヅカだわあ。きれいー!」と思える作りなので、需要のある作風だと思う。
ただ、贔屓組はヘビーリピート前提で、全組全公演まんべんなく観劇、それを10年以上続ける……ごくふつーレベルのヅカファン(笑)には、いつどの組でナニを観てもまったく同じ、という作風はつらい。
たとえ今回の『ラブ・シンフォニー』を観るのははじめて、であったとしても「この作品、既視感しかない……」ということになるので。
そんな毒にも薬にもならない『ラブ・シンフォニー』。
現実に何十回観劇済みだがそれ以上におなかいっぱいになりつつ、作品が平板であるから余計に思考はいろんなところに飛ぶ。
オサ様の歌声や、まとぶんの気合い入りまくりのあれこれ。彩音ちゃんの笑顔。
まっつがいないことは、それほど気にならない……彼の立ち位置は全部無意識レベルに刻み込まれているため、いちいちそこを見てしまい「あ、いない」となるが、それは大してなんとも思わない。
組替えでいないというより、バウに出演中だからいないとか、『巴里祭』出演中だからいないとか、過去にもあった不在感覚でしかない。まだ、実感していないんだ、まっつが花組にいないこと。全ツとバウの出演者一覧に名前がなかったときの方が、ずっと寂しかった。
初日初回はまさに答え合わせ。
花盗人な壮くんが、センターパーツで現れたときに、ぶはっと吹いた。
そうか、ここも昔のままか!
初演でまとぶんが気合いのセンターパーツで歌い踊った場面、再演で壮くんまでもが同じ髪型にして現れ、「髪型まで決まってるのか!」とウケた。
2度目の再演でもまた、同じ髪型なんだ。そうそう、そうなんだね、えりたん。そこはそうなんだ!
すっかり忘れていたのに、思い出した。
みわさんの小雨降る♪のタメと吐息っぷりに悶絶したこと、キンバラのゆまちゃんの胸、スパニッシュの壮くんのダンスのやばさ(笑)、女の子にキスするときはクチを開けてのらいらい……順不同に書いてますが、流れの順番に次々思い出してくる。
初回は3階席でまったりと、そして2回目は1階センターブロック通路際……てことで、まとぶんのハイタッチ狙います!席(笑)。
答え合わせをしているうちに、甦ったんだ。
中日で、まとぶんにハイタッチしてもらったこと。(それも、1回2回ぢゃない・笑)
この人が、ウチの組のトップさん……敬意と憧憬とトキメキを込めて、毎回手を出していた。
最初にそうやってタッチしてもらった、その人に、最後が見えてからまたタッチしてもらう……それは、とても大切なことに思えた。
けじめというのもおかしいが、節目を受け止める心構えとして。
……実際は、よりによってその回に、今回あたり現れるんじゃないかと思ってはいたけどほんとーにまっつが客席にいて、しかもわたしの席から丸見えなところに坐っていて、こちらがさらに平常心でなくなってしまったため(笑)、まとぶさんのハイタッチ狙いが微妙に遅れてしまいましたが。
なんとかタッチしてもらえたけれど、中日のときほどばしって手のひら全体でなく、かすめた程度。
狙うぜ!とか思っていたくせに、自分的にダメダメな結果に落ち着くあたりが、まあわたしらしいかと。
それでも、客席の手をいちいちぱしぱししていくまとぶさんのことは、正面から見られたわけで。
お披露目公演でそうだったように。
記憶が、二重写しになる。
その姿に、切なくなる。
時が経つ、それは切ないことだ。
出会いと別れの繰り返し。それを、改めて思う。
贔屓が舞台にいない分、いつも無意識に贔屓ばかりを見ていたいろんな箇所で、いろんなところを見られる、それは楽しい。
大好きな花組。贔屓の組替えは寂しくてならないが、良かったと思えることは、花組のみんなをたっぷり見ることが出来る、ようになること。何十回観たってダメなんだよ、まっつが出てたらまっつしか見られないの、いつも同じ顔して踊ってるだけとわかってるのにさ、他の人たち見たいのに!!
だからある意味新鮮な画面。まっつしか見えていなかった場面が、あららフリーダム、あっちもこっちも見放題!
で、めおくんの腰振りに釘付けになったり、襟が片方出ていないあきらにはらはらし、仕方ないかまだ若いし経験不足だし……と思った目線の端に同じように片方襟が出てない人がいて、誰かと思ったら王子だったり(笑)、じゅりあの靴を見たり、よっちのエロ流し目を見ていたたまれないキモチになったり、らいのウインクを捕獲したりと大忙しだ。
いつも同じ中村B作品、何十回と観た『ラブ・シンフォニー』。
既視感と答え合わせ、切なさと発見と。
ウチの組のトップさん、ウチの組。
ハイタッチしてもらった、指先。
楽しいのに、ふいに鼻の奥がつんとする。
思わぬところで、泣きたくなる。