記者会見の様子を読めないかと公式をチェックしかけて、気づく。
 トップじゃないから、会見はないんだな。

 正2番手の退団は、わたし的に初体験なので、とまどっている。ヅカファンやって長いけど、ルコさんのときはわたし個人ではなんの経験もしていない。
 ファンになりたてでなんの情報もなく、贔屓組以外ではなにが起こっているのかさっぱりわかっていなかった。

 だからはじめての、「2番手退団」だ。

 これだけ衝撃が大きいのは、わたし自身のゆみこちゃんへの思い入れ……97年のゲイル@『嵐が丘』からはじまり、雪花雪という2回の組替えも全部まったり見守ってきた……と、「世の中のほとんどはゆみこファン」とことあるごとに書いてきたように、わたしの周囲のゆみこファン率がとても高く、彼女たちのショックと悲しみを思うだけでつらいということもあるが、さらにもうひとつ。

 「準トップの退団」であるということ。

 95年の歴史のなかでもイレギュラーであり、ここ20年近くなかったことが、起こってしまった。
 今起こるということは、これからも起こるということだ。
 かしちゃんの1作トップに絶望したのと同じ、劇団から裏切られたような気がする。

 だからこそ、会見の記事を見たかったのかもしれない。

 退団発表記者会見があれば、ゆみこちゃんはきっと、きれいな笑顔で現れていると思う。

 なにがあっていつ退団決意に至ったのか、ほんとうのことのみが語られるとは思っていないが、本人が公式の場で語ることを、わたしは信じたい。

 宝塚は、夢の世界だという。
 夢というのは、ゲームに似ている。
 ルールがあって、そのルールを守って楽しもうと思っている者しか、楽しめない。
 夢だからなんでもありだとか、与えられるだけでいいとか、そーゆーもんじゃない。
 女性が男を演じる、そのことを「バカじゃないの、気持ち悪い」と思ってしまえば、もうそれを楽しめない。
 ルールを理解し、遵守した上でないと、ゲームは出来ないんだ。
 宝塚は夢の世界で、タカラジェンヌはフェアリーである。
 現実はそうでないと知っていても、このルールを信じた上でないと、夢は見られない。

 退団者は袴姿でブーケを持ち、「ありがとうございました」と感謝の言葉を別れの挨拶にする。
 その人がどんなものを抱え、どんな事情があって花園を去るのかはわからない。でも、本人が幸せと感謝を語るのならば、それを信じる。

 好きな人の言葉を信じないで、この世のなにを信じられるというのか。

 大好きなスターさんたちが、たくさんの愛と感謝を語って、タカラヅカを去っていった。
 だからわたしは彼らの言葉を信じる、彼らが「見て欲しい」と思うままの夢を見る。

 ゆみこちゃんもきっと、きれいな笑顔で舞台に立つだろう。
 わたしはそれを真実とする。

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