さて、男同士で仲良くしている話を楽しげにしてくれる春風さんですが。
 彼の本領はそんなところにはなかった。

 みーちゃんは、女を口説いてナンボだ。

 はい、春風弥里『カサブランカ』お茶会の感想、続きです。

 お茶会恒例のゲームコーナーは、「サッシャのお悩み相談室」だった。
 お茶会開始前に公演やオフについての質問を書いて提出するのと同じように、「悩みを書く」用紙もあった。しかもその用紙には電話番号記入欄が!
 なになに、選ばれたら、みーちゃんから電話が掛かってくるの?!

 うれしがって、思いっきりアホな悩みを書きました。や、別にそんな癖はないし、そんなことで悩んでないんだけど、悩みがアホすぎる方が、選んでもらえるかと思って。
 ウケを取ることしか、考えなかった……悲しき大阪人のサガっつーか。
 いやその、つまらん小細工です。あとで盛大に後悔しましたとも、「やめときゃ良かった……」と。

 実際には、お悩み用紙は内容で選ぶのではなく、抽選と同じように箱の中からみーちゃんがてきとーに引くものだったので、コトなきを得た。良かった……ウケ狙いのアホな内容をみーちゃんに読まれなくて。

 ともかく、みーちゃんが箱の中から用紙を引き、そこに書いてある番号に電話を掛けるわけですな。

 あの、緊張感!!

 みーちゃんから電話が入るかもしれない! という、ものすげー濃いぃ張りつめた空気。
 みんな携帯握りしめて、固唾をのむ。

 そこで、間違い電話をする、お約束なみーちゃんは、天然過ぎて素晴らしいです。や、あのタイミングで素で間違えるって、神!なボケっぷりですよ!!(笑)
 どこに掛かったのか、「チガウ!」とわかるなりみーちゃんは反射的に切ってしまい、「あっ、切っちゃった……」と呆然。「すみません、間違いました」とも言えず、ほんとにみーちゃん自身がびっくりして、ぱっと切っちゃったもんなー。
 ……みーちゃんから、突然電話が掛かってきたどこかの誰か、おどろいただろーな(笑)。

 間違えたのは1回だけ、あとはふつーにTEL。

 せっかく電話という小道具を使っているのに、肝心の「お悩み相談」は電話でではないんだな。
 「サッシャの」お悩み相談なので、バーカウンターで、彼がサーブした飲み物を介して、相談するんだわ。

 わざわざステージ上に、バーカウンターに見立てたワゴンを用意して、みーちゃんはお着替えまでしてやってます。
 お着替えったって、ジャケット脱いで腕まくりしただけなんだけど、それが、めっちゃかわいいの!
 わざわざ退室して着替えるんだよー。そのもったい付け方がもお(笑)。

 メニューはオレンジジュースのみなんだが(笑)、サッシャが淹れてくれるの。
 相談者はジュースを飲みながら、壇上でサッシャと向かい合って話を聞くという。

 悩み自体はとても他愛のないもので。あがり症で困ってますとか、初対面の人とうまく話せないとか、小心系な悩みだったような……みんないい人だな。あと、お孫さんになんと呼ばせればいいか、「おばーちゃん」とはまだ呼ばれたくないし……みたいな相談。

 みーちゃんの回答は、役に立つんだかなんだか。
 内容よりも、彼の「相談者への接し方」「答え方」が興味深かった。

 これは、「サッシャの」お悩み相談である。「みーちゃんの」ではない。

 だから彼は、「サッシャとして」答えるんだ。

 もちろん、お茶会でのゲーム、余興なんだからそこまで難しくしていない、ゆるい応対なんだけど。だけど彼は、「サッシャとして」を忘れていない。
 素の女の子として答えるんではなく、「男」として、相談者の女性に接している。

 だから、「人と打ち解けるには簡単ですよ、ボクは『お客さんの好みのタイプの女の子は?』って聞いてます!」と、リックの店でサッシャがマイクを切られている、隅っこの小芝居でなにをやっているかを話す。
 そうか、客と話しているサッシャは、そんなことを言ってるのか~~、と、公演の話も出来るし、キャラクタもわかるし、また、裏話も聞ける。
「だから、『好みの異性のタイプ』を聞けば、ばっちり会話できますよ!!」みたいなまとめ方をして、初対面からそんなことが聞けるか!!という客席全員からの声なきツッコミをしれーっと流す。

 うまいなー。

 サッシャとしてではなくみーちゃんとして、「私の母(だっけ?)も、孫に『おばーちゃん』とは絶対呼ばせない! ってがんばってました、いろんな呼び方考えてました」と話し、共感をあおった上で、「でも、問題ないです、実際孫が生まれたら、『おばーちゃんでちゅよ~~♪♪』って自分から言いだしましたからっ」と、オチをつける。

 アタマいいよこの人!!

 「お悩み相談」といっても、自分にナニを求められているのか、ちゃんとわかってるのね。
 自分がタカラヅカ・スターであり、今、ファンに囲まれているのだということ。
 自分の一挙手一投足にファンが一喜一憂すること、それをわかったうえで、じらしたり喜ばしたりしている。

 女性に黄色い声を上げられ、ファン心理ゆえに緊張されたり、凝視されたりしていることを、理解し、そのうえで、楽しんでいる。

 や、めっちゃたのしそーだ、みーちゃん。
 女の子にきゃーきゃー言われるの。ラヴ視線あびるの。
 彼が楽しんで「男役」を、「タカラヅカ・スター」をやってくれるから、こちらも素直に「ファン」をやれる。
 彼が創り出す「ドリーム」を享受できる。

 彼がソレを許してくれるから。
 まるで少女のようになって、素敵なスターさんに、きゃーきゃーときめくことができた。

 
 『カサブランカ』から、「過去は聞かない」だっけ、リック@ゆーひさんの歌を歌ってくれた。「大人だー」とそのかっこよさに感心しているのだと、解説した上で。
 これがまた、すげー、うまくて。

 某ゆーひファンと一緒にお茶会参加してたんだが、一緒になって「やばい、ゆーひさんよりうまい……」と聴き惚れる(笑)。
 
 いやあ、たのしかったよ。ときめいたよ。
 みーちゃん、いいなあ。なんかいろいろ感動しちゃったよ。

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