キラキラと美貌で、コスチューム。@新人公演『TRAFALGAR』
2010年6月8日 タカラヅカ 宙組新人公演『TRAFALGAR』観劇。
りくくん、れーれ新公初主演おめでとー。
りくくんが93期研4、れーれが92期研5と、若い新公だね。また、2番手を務める愛ちゃんも93期だし、新人抜擢、未来への期待がどーんと掛かった配役なんだろう。
しかし……。
久々に、「大変」な新公を観た(笑)。
新公ってのはどこかしら大変な部分があり、足りないモノを抱えつつ、若さとパワーで突っ走るもんだ。また、技術や経験の少ないキャストがメインどころにいても、他のメインどころに結構実力者を配置することで、足りない部分を支え合い、自爆しないように配慮してある。
主演が下級生なら2番手やヒロインが経験豊富とか、安定した主演の下に抜擢2番手を付けるとか。
主演とヒロインと2番手、全員初心者マーク付き、つーのはなかなかスリリング(笑)。
ネルソン@りくくん。
文化祭で「鼻の君」と呼んでいた、あの華やかなダンサー。わたしの好みの顔なもんで、初舞台から目につきまくっていたし、また劇団も期待しているらしく早いウチから扱いが上がっていた。芝居の役付きはどーにもならんとしても、ショーの出番、立ち位置で差別化。いずれ新公をさせるつもりだろう、てのがわかる扱い。
ここで主演に踏み切るのは順当な流れなんだろう。
実際、華と美貌はすごい。
が。
……いやあ、もお、大変だなー(笑)。
ダンサーって歌は苦手の法則があるんですかね。
男役はまず「男役として発声し、歌わねばならない」から、ただ歌う以前に障壁があるわけなんだけど、それにしてもえらいことに。
『TRAFALGAR』は静かにはじまる系の作品ではなく、どーんっと派手に、発散するオープニング。最初からテンション上げてアクセル全開にする必要がある。
もちろんりくくんもそうやって登場した。気合いの入り方はすごい。が。
爆発させようと力んだ分、ひっくり返った声は割れたまま行けるとこまで行くしかない!状態。
なんとも壮絶な。
ネルソンは大人の役。なんせ、士官になる年齢の息子がいておかしくない年齢。
いやぶっちゃけ、新公でそんな大人が演じられるわけないじゃん。月組のたまきち(94期研3)なら余裕でできるかもしれないが(笑)、ふつーの若者には無理だ。
りくくんももちろん、子持ちはおろか大人に見えていたかもあやしい。
これがスーツ物なら、さらにえらいことになっていたのかもしれない。
だがこれは、キラキラのコスチューム物で。
軍服キラキラ、ドレスわさわさの世界観、なんかもお、年齢とか時間の流れとか、無関係な域に達していた。
みんなお人形みたいにきれいだから、なんかよくわかんないけど、もおそれでいいんじゃ? みたいな。
そしてネルソンさんって、かなり素直なキャラクタなのね。本役さんはアレですが、脚本だけで見ると熱量だけで突っ走っていい役。
無理に大人に見せようとか、できないことはしなくていいから、ただ素直に突っ走ればヨシ。
恋に、戦闘に、人生に。
これも新公に多々あることだけど、「若気の至りだと思えば、すべて決着」というのがある。「なんで主人公はこう決断したんだろう。行動したんだろう」と疑問に思う脚本で、大人な本役さんが演じていると引っかかることでも、新公で若者が演じていると「若いから、暴走しちゃったのね」「若いんだもの、仕方ないわね」で済む。
ネルソンとエマ@れーれの不倫も、「若さゆえの暴走」で納得できる。
その、がむしゃらな熱量で。
りくくんは芝居も特にうまくはなかったけれど、素直に走り続けている姿がネルソンの素直さに合って、言動に嘘のないキャラクタになっていた。
途中派手に転んでしまったりして、劇場の空気を止めていたけれど、それでも起きあがって芝居を続けて、健闘していた。
持って生まれた華はあるのだから、修練の場を経て、実力を磨いて欲しい。
んで、彼の同期、2番手・ナポレオン@愛ちゃん。
最初に登場した瞬間、美貌で、目を引いた。
……えーと。
愛月くんが美しい人、美貌の人だということは、知っています。知識として、知っている。前回の新公も観ているし。
でもわたし、彼を美貌だと、美しいと思ったことが、ほんとのとこ1度もなくて。
わたしの目は、好みの人以外ろくに映らないという、とても狭い視界しか持たないのですよ。好みの顔立ちでないと、目にも入らないし、記憶にも残らない。顔立ちがわからないと、あとはただうまいかヘタかの技術面だけが気になり、愛ちゃんのことは、前回の新公も、今の本公も、「技術足りてない……」ことばかりが残念な記憶になっている。
だもんでマジではじめて、知識としてではなく、自分の意識として、感情として、思った。わかった。
愛ちゃん、きれー!!
なんか新鮮な驚きだった。きれーな子だったんだ、へええ。(遅すぎる)
つまりそんだけ、良かったのだわ、ナポレオン登場。
物語最初にどーんとぶちかまさなければならない役、ある意味主役より度胸必要じゃね?という。
その最初の難題を、華麗にクリアしてくれたの。
その気持ちよさが、好みを超えてわたしに届き、この狭い視界(笑)に食い込んできた!
歌も、ネルソンさんよりはうまい!(比較対照がソコ?!)
……ただ残念なことに、最初がすごく良くてわくわくしたのに、あとになるほど色を失っていった。
素直に感情のまま走っていいネルソンと逆に、ナポレオンは最初から最後まで「作って」いなければならない役。
りくくんが感情のままに走り出して後半どんどん良くなるのに、ナポレオンは最初のまま一本調子だった。それが相対して、ナポレオンが沈んでいくように見えたんだと思う。惜しい。
素直に感情を出せない役、ナニか喋る・する前に腹の中で溜めて作って、よーやく出す、しかも型をハズしてはならない……ナポレオンは難しい。
いろいろ敷居が高くて分が悪かったと思う。自由に感情を出せない、表情を作れない役だから、引き出しのない若手には表情1個で押し通すしかないのかもしれない。
残念なことはあったけれど、それでも最初の華と美貌は素晴らしかった。これからも、わたしの目を奪って欲しい。
にしても、美貌勝負な新公だわ、としみじみ。
若手抜擢にありがちなまるまるぷくぷくちゃんではなく、ふたりともほんとにすっきりキレイで、技術はともかく(笑)、「タカラヅカだわ!!」と思える。
あとは経験と技術を得られれば鬼に金棒、将来が楽しみだ。
りくくん、れーれ新公初主演おめでとー。
りくくんが93期研4、れーれが92期研5と、若い新公だね。また、2番手を務める愛ちゃんも93期だし、新人抜擢、未来への期待がどーんと掛かった配役なんだろう。
しかし……。
久々に、「大変」な新公を観た(笑)。
新公ってのはどこかしら大変な部分があり、足りないモノを抱えつつ、若さとパワーで突っ走るもんだ。また、技術や経験の少ないキャストがメインどころにいても、他のメインどころに結構実力者を配置することで、足りない部分を支え合い、自爆しないように配慮してある。
主演が下級生なら2番手やヒロインが経験豊富とか、安定した主演の下に抜擢2番手を付けるとか。
主演とヒロインと2番手、全員初心者マーク付き、つーのはなかなかスリリング(笑)。
ネルソン@りくくん。
文化祭で「鼻の君」と呼んでいた、あの華やかなダンサー。わたしの好みの顔なもんで、初舞台から目につきまくっていたし、また劇団も期待しているらしく早いウチから扱いが上がっていた。芝居の役付きはどーにもならんとしても、ショーの出番、立ち位置で差別化。いずれ新公をさせるつもりだろう、てのがわかる扱い。
ここで主演に踏み切るのは順当な流れなんだろう。
実際、華と美貌はすごい。
が。
……いやあ、もお、大変だなー(笑)。
ダンサーって歌は苦手の法則があるんですかね。
男役はまず「男役として発声し、歌わねばならない」から、ただ歌う以前に障壁があるわけなんだけど、それにしてもえらいことに。
『TRAFALGAR』は静かにはじまる系の作品ではなく、どーんっと派手に、発散するオープニング。最初からテンション上げてアクセル全開にする必要がある。
もちろんりくくんもそうやって登場した。気合いの入り方はすごい。が。
爆発させようと力んだ分、ひっくり返った声は割れたまま行けるとこまで行くしかない!状態。
なんとも壮絶な。
ネルソンは大人の役。なんせ、士官になる年齢の息子がいておかしくない年齢。
いやぶっちゃけ、新公でそんな大人が演じられるわけないじゃん。月組のたまきち(94期研3)なら余裕でできるかもしれないが(笑)、ふつーの若者には無理だ。
りくくんももちろん、子持ちはおろか大人に見えていたかもあやしい。
これがスーツ物なら、さらにえらいことになっていたのかもしれない。
だがこれは、キラキラのコスチューム物で。
軍服キラキラ、ドレスわさわさの世界観、なんかもお、年齢とか時間の流れとか、無関係な域に達していた。
みんなお人形みたいにきれいだから、なんかよくわかんないけど、もおそれでいいんじゃ? みたいな。
そしてネルソンさんって、かなり素直なキャラクタなのね。本役さんはアレですが、脚本だけで見ると熱量だけで突っ走っていい役。
無理に大人に見せようとか、できないことはしなくていいから、ただ素直に突っ走ればヨシ。
恋に、戦闘に、人生に。
これも新公に多々あることだけど、「若気の至りだと思えば、すべて決着」というのがある。「なんで主人公はこう決断したんだろう。行動したんだろう」と疑問に思う脚本で、大人な本役さんが演じていると引っかかることでも、新公で若者が演じていると「若いから、暴走しちゃったのね」「若いんだもの、仕方ないわね」で済む。
ネルソンとエマ@れーれの不倫も、「若さゆえの暴走」で納得できる。
その、がむしゃらな熱量で。
りくくんは芝居も特にうまくはなかったけれど、素直に走り続けている姿がネルソンの素直さに合って、言動に嘘のないキャラクタになっていた。
途中派手に転んでしまったりして、劇場の空気を止めていたけれど、それでも起きあがって芝居を続けて、健闘していた。
持って生まれた華はあるのだから、修練の場を経て、実力を磨いて欲しい。
んで、彼の同期、2番手・ナポレオン@愛ちゃん。
最初に登場した瞬間、美貌で、目を引いた。
……えーと。
愛月くんが美しい人、美貌の人だということは、知っています。知識として、知っている。前回の新公も観ているし。
でもわたし、彼を美貌だと、美しいと思ったことが、ほんとのとこ1度もなくて。
わたしの目は、好みの人以外ろくに映らないという、とても狭い視界しか持たないのですよ。好みの顔立ちでないと、目にも入らないし、記憶にも残らない。顔立ちがわからないと、あとはただうまいかヘタかの技術面だけが気になり、愛ちゃんのことは、前回の新公も、今の本公も、「技術足りてない……」ことばかりが残念な記憶になっている。
だもんでマジではじめて、知識としてではなく、自分の意識として、感情として、思った。わかった。
愛ちゃん、きれー!!
なんか新鮮な驚きだった。きれーな子だったんだ、へええ。(遅すぎる)
つまりそんだけ、良かったのだわ、ナポレオン登場。
物語最初にどーんとぶちかまさなければならない役、ある意味主役より度胸必要じゃね?という。
その最初の難題を、華麗にクリアしてくれたの。
その気持ちよさが、好みを超えてわたしに届き、この狭い視界(笑)に食い込んできた!
歌も、ネルソンさんよりはうまい!(比較対照がソコ?!)
……ただ残念なことに、最初がすごく良くてわくわくしたのに、あとになるほど色を失っていった。
素直に感情のまま走っていいネルソンと逆に、ナポレオンは最初から最後まで「作って」いなければならない役。
りくくんが感情のままに走り出して後半どんどん良くなるのに、ナポレオンは最初のまま一本調子だった。それが相対して、ナポレオンが沈んでいくように見えたんだと思う。惜しい。
素直に感情を出せない役、ナニか喋る・する前に腹の中で溜めて作って、よーやく出す、しかも型をハズしてはならない……ナポレオンは難しい。
いろいろ敷居が高くて分が悪かったと思う。自由に感情を出せない、表情を作れない役だから、引き出しのない若手には表情1個で押し通すしかないのかもしれない。
残念なことはあったけれど、それでも最初の華と美貌は素晴らしかった。これからも、わたしの目を奪って欲しい。
にしても、美貌勝負な新公だわ、としみじみ。
若手抜擢にありがちなまるまるぷくぷくちゃんではなく、ふたりともほんとにすっきりキレイで、技術はともかく(笑)、「タカラヅカだわ!!」と思える。
あとは経験と技術を得られれば鬼に金棒、将来が楽しみだ。