恋は少女を大人にする。@新人公演『麗しのサブリナ』
2010年8月18日 タカラヅカ 新人公演を観ることで、見えてくることがある。
その作品について。
新人公演『麗しのサブリナ』は、本公演とはいろいろ違っていて。
その「違い」はひとえに、主役カップルの、「恋愛」の違いだった。
てことで、みりおん初新公ヒロインおめでとー!!
美貌と実力を兼ね備えた若手のデビューに拍手。
なにより、歌。
サブリナの銀橋の歌が、あーゆー曲だとは、新公観るまで知らなかった(笑)。歌えるって強いね。
サブリナ@みりおんが歌唱力で本役の蘭はなちゃんを上回っているのは、予想できたことだった。
歌えるヒロインってのはいいなあ、と素直に感動。
まあその、ぶっちゃけ蘭ちゃんも今、本公演で「毎日が新人公演!」て感じに初心者マーク付けて奮闘しているわけで。
娘役は若さが勝負、出来上がりが早くて当然、なところがあるから、みりおんの早熟さも意味のあることだろう。
みりおんのサブリナは、大人っぽかった。
ロリータのかほりはしない(笑)。若い女性だった。
そして彼女は、とても素直に存在し、恋をしている。
それはライナス@瀬戸くんとの関係性もある。
ライナスは冷静なおっさんで、度を過ぎることがない。女性の扱いにも慣れ、暴走することはない。
新公のライナスとサブリナは、大人同士の恋愛で、不器用な大人と少女の恋という印象はあまりなかった。
蘭ちゃんのサブリナが終始とまどい、思い詰めている様子なのに対し、みりおんのサブリナは楽しそうに恋をしている。そしてふと思い出したように、悩む。
まとぶんのライナスは内なる情熱との葛藤が大きく、いろんなところで熱情がほとばしりそうになっているんだが、瀬戸ライナスは感情の揺れが少ない。作戦遂行も恋情も予定ラインからはみ出ない。
新公のふたりの方が、より大人で、より「おしゃれ」なのかもしれない。
泥臭い激情に支配されず、淡々と恋愛している。
そしてこのふたりに、「ふつーにイイ子」な弟、デイヴィッド@まゆくんが絡む。
まゆくんはどんどんうまくなるなあ。
声とか佇まいとか、安心できるわー。
今回は主演じゃない分余裕もあるのか、前回の切羽詰まった感はなく、とてもナチュラルにイキイキしていた感じ。
ただ、まゆくんのデイヴィッドは、プレイボーイには見えない。
陽気で善良な若い男の子に見える。まだ若いので自覚がなくフラフラしている20代。大学出てフリーターしてますな感じ。
トラブルメーカーには見えない、気の良い青年。
3度の結婚とやらも、金目当ての年上の女に騙されたんだなと思う。まだ子どもだから、世の中のことがよくわかっていない感じ。
「ボクはドンファンなんかじゃない」と歌うのも、かっこつけたい年頃なんだな(笑)と。誰も君をそんな風に思ってないよ、背伸びしてワルぶってみせても、コドモなのは見たらわかるから大丈夫、てな。
さらに、髪を切ったサブリナと同世代に見える。サブリナがどんどん大人びていくので「キスしてデイヴィッド」「喋り続けて」のあたりでは、デイヴィッドの方が幼く見えてしまう。
サブリナとライナスの恋に、ふつーのイイ子であるデイヴィッドは置いて行かれちゃうのな。あっちは大人だから。
大人ぶって口説いた年上の女の子を、大人の兄貴に取られてしまった。
そして大人だから、サブリナもライナスも立場に囚われてはっきりしない。それを若さの特権、アツい拳一発吹っ飛ばしてしまうデイヴィッド。
好きなら行けよ、彼女の後を追って。……ああもお、大人って面倒くさいな。
って、そんな話だっけ、『麗しのサブリナ』。
ストーリーも設定も同じなのに、演じている人たちの違いだけで、えらく変わるもんだ。
やっぱまとぶんって、どんだけ抑えててもにぎやかな芸風なんだなあ。葛藤の幅が大きいし、サブリナへの愛情、傷つけたときの傷つき方がすごく深い。
そんなまとぶんと恋をする蘭ちゃんは、重い感情を背負わされる分必然的にいろいろ悩み、追いつめられることになるんだな。
そしてなんつっても、壮くん。あの異次元っぷりは、他の追従を許さないんだなと(笑)。
つま先立ちの少女の恋、であり、そんな少女に本気で恋してしまいテンパってる男の物語である、本公演の『麗しのサブリナ』。
若い女性の初恋、であり、立場のある男が自分のスタンスと恋愛の位置取りにとまどう物語である、新公『麗しのサブリナ』。
「恋愛」というセンシティヴな部分で、ずいぶん別物になっているなと。
みりおんのまっすぐでくったくない恋愛は、大劇場向きの資質かも、と思った。
蘭ちゃんの繊細さが、ある意味バウ向きな気もしているのと対照的に。
そしてみりおんは、お化粧や着こなし等、娘役スキルは足りない部分が多々あるので、これから経験を積めばさらにあか抜けてキレイになるはず。『EXCITER!!』の銀橋が、再演の今の方がキュートであるように。
でもって、持ち味が大人っぽいだけに、早く大人になりすぎないことを祈る。娘役の旬は短いし、タイミングが難しいからなあ。
次のバウヒロも楽しみだー。
その作品について。
新人公演『麗しのサブリナ』は、本公演とはいろいろ違っていて。
その「違い」はひとえに、主役カップルの、「恋愛」の違いだった。
てことで、みりおん初新公ヒロインおめでとー!!
美貌と実力を兼ね備えた若手のデビューに拍手。
なにより、歌。
サブリナの銀橋の歌が、あーゆー曲だとは、新公観るまで知らなかった(笑)。歌えるって強いね。
サブリナ@みりおんが歌唱力で本役の蘭はなちゃんを上回っているのは、予想できたことだった。
歌えるヒロインってのはいいなあ、と素直に感動。
まあその、ぶっちゃけ蘭ちゃんも今、本公演で「毎日が新人公演!」て感じに初心者マーク付けて奮闘しているわけで。
娘役は若さが勝負、出来上がりが早くて当然、なところがあるから、みりおんの早熟さも意味のあることだろう。
みりおんのサブリナは、大人っぽかった。
ロリータのかほりはしない(笑)。若い女性だった。
そして彼女は、とても素直に存在し、恋をしている。
それはライナス@瀬戸くんとの関係性もある。
ライナスは冷静なおっさんで、度を過ぎることがない。女性の扱いにも慣れ、暴走することはない。
新公のライナスとサブリナは、大人同士の恋愛で、不器用な大人と少女の恋という印象はあまりなかった。
蘭ちゃんのサブリナが終始とまどい、思い詰めている様子なのに対し、みりおんのサブリナは楽しそうに恋をしている。そしてふと思い出したように、悩む。
まとぶんのライナスは内なる情熱との葛藤が大きく、いろんなところで熱情がほとばしりそうになっているんだが、瀬戸ライナスは感情の揺れが少ない。作戦遂行も恋情も予定ラインからはみ出ない。
新公のふたりの方が、より大人で、より「おしゃれ」なのかもしれない。
泥臭い激情に支配されず、淡々と恋愛している。
そしてこのふたりに、「ふつーにイイ子」な弟、デイヴィッド@まゆくんが絡む。
まゆくんはどんどんうまくなるなあ。
声とか佇まいとか、安心できるわー。
今回は主演じゃない分余裕もあるのか、前回の切羽詰まった感はなく、とてもナチュラルにイキイキしていた感じ。
ただ、まゆくんのデイヴィッドは、プレイボーイには見えない。
陽気で善良な若い男の子に見える。まだ若いので自覚がなくフラフラしている20代。大学出てフリーターしてますな感じ。
トラブルメーカーには見えない、気の良い青年。
3度の結婚とやらも、金目当ての年上の女に騙されたんだなと思う。まだ子どもだから、世の中のことがよくわかっていない感じ。
「ボクはドンファンなんかじゃない」と歌うのも、かっこつけたい年頃なんだな(笑)と。誰も君をそんな風に思ってないよ、背伸びしてワルぶってみせても、コドモなのは見たらわかるから大丈夫、てな。
さらに、髪を切ったサブリナと同世代に見える。サブリナがどんどん大人びていくので「キスしてデイヴィッド」「喋り続けて」のあたりでは、デイヴィッドの方が幼く見えてしまう。
サブリナとライナスの恋に、ふつーのイイ子であるデイヴィッドは置いて行かれちゃうのな。あっちは大人だから。
大人ぶって口説いた年上の女の子を、大人の兄貴に取られてしまった。
そして大人だから、サブリナもライナスも立場に囚われてはっきりしない。それを若さの特権、アツい拳一発吹っ飛ばしてしまうデイヴィッド。
好きなら行けよ、彼女の後を追って。……ああもお、大人って面倒くさいな。
って、そんな話だっけ、『麗しのサブリナ』。
ストーリーも設定も同じなのに、演じている人たちの違いだけで、えらく変わるもんだ。
やっぱまとぶんって、どんだけ抑えててもにぎやかな芸風なんだなあ。葛藤の幅が大きいし、サブリナへの愛情、傷つけたときの傷つき方がすごく深い。
そんなまとぶんと恋をする蘭ちゃんは、重い感情を背負わされる分必然的にいろいろ悩み、追いつめられることになるんだな。
そしてなんつっても、壮くん。あの異次元っぷりは、他の追従を許さないんだなと(笑)。
つま先立ちの少女の恋、であり、そんな少女に本気で恋してしまいテンパってる男の物語である、本公演の『麗しのサブリナ』。
若い女性の初恋、であり、立場のある男が自分のスタンスと恋愛の位置取りにとまどう物語である、新公『麗しのサブリナ』。
「恋愛」というセンシティヴな部分で、ずいぶん別物になっているなと。
みりおんのまっすぐでくったくない恋愛は、大劇場向きの資質かも、と思った。
蘭ちゃんの繊細さが、ある意味バウ向きな気もしているのと対照的に。
そしてみりおんは、お化粧や着こなし等、娘役スキルは足りない部分が多々あるので、これから経験を積めばさらにあか抜けてキレイになるはず。『EXCITER!!』の銀橋が、再演の今の方がキュートであるように。
でもって、持ち味が大人っぽいだけに、早く大人になりすぎないことを祈る。娘役の旬は短いし、タイミングが難しいからなあ。
次のバウヒロも楽しみだー。