そんでもってアーサー。
 毎度思うことだが、彼は、センターで歌い踊るときの輝きが半端ナイ。

 新人公演『麗しのサブリナ』にて。

 公演がはじまる前はストーリーテラーという役自体に期待したんだが、ストーリーテラーをするのは最初だけで、あとはモブにまざってしまうので、アーサー的には残念。
 彼の得意とする、センターを取るミュージカル場面が1箇所だけなんだもの。

 唯一のセンター、料理教室場面では本領発揮、がなりを入れた余裕の歌声。

 でもモブに混ざってしまうと、やっぱりモブになってしまう。
 もともとストーリーテラーがそういう役だというのを差し引いても、あれ?という感じ。

 モブ生活の長い人だからかなあ?
 本公演でも新公でもバウでも、ぜんぜん役が付かなくて、その他大勢ばっかやってきた雑草育ちの人だから?
 前回の『虞美人』新公ぐらいだよね、「役」を演じたのって。

 1~2場面にちょろっと出るだけの「役名」のある役はやったことあっても、結局はアルバイトのモブの方がたくさん出ている状態、みたいな。
 本公演でも新公でもバウでも、とにかく「役」がつかないよね、アーサー。起承転結・物語・作品を通して必要な、生きた「役」。

 本公演は仕方ないとして、新公やバウでも、ろくに通し役もらったことない人なんだ……。
 張良せんせやコ将軍は通し役だし、いい役ではあるけれど、やっぱ場面ぶった切りでボツボツ出る役だったし新公自体ダイジェスト版だったし、なんかじっくり芝居しているアーサーを見たことがない印象。

 やっぱ本気で「役」を演じているアーサーを見てみたいっす。
 ストーリーテラーは、今までやって来たモブのアルバイトとあんまし変わらなくて、研7の新公最後の役がコレだったってのは、残念かなあ。や、『麗しのサブリナ』には役自体ほとんどナイので、ストーリーテラーが出来たことはとてもありがたいのだけど。

 新人公演『外伝 ベルサイユのばら-アンドレ編-』の革命場面のベルナールとか、本公演『虞美人』の馬と鹿の居酒屋場面とか、アーサーの真ん中スキルはすごいと思う。
 真ん中で「好きにやっていいよ」となると、不遜な輝き方をする。

 でも、脇に退くと、脇の顔になってしまう。
 戦闘意欲があることは伝わるんだけど、それはモブのときも感じるので、ストーリーテラーとしての目新しさはない。
 モブなんて本公演でもどこでもやってんじゃん、その場限りのおかしな医者役とか、今までもこれからもありそうじゃん。なにもここで今やらなくても……てな。

 アーサーの主演が見たかったよ……この人を大劇場の真ん中に立たせたらどうなるのか、心から見たかった。
 モブのときと真ん中のときと、派手さや輝度がぜんぜんチガウんだもんよー。ナニこの不自由な特性。

 モブになってしまうとはいえ、ストーリーテラーはオイシイ役でもあるので、クラブの歌手もノリノリだったし、医者のコミカルさも楽しそうに、退場時に突然二枚目に戻るあたりトート閣下を意識してる?な感じだったし(笑)、電話ボックスの男も船員もキザでかっこよかったさ。

 んで、船員として数分前に登場していたにもかかわらず、最後の挨拶時に、紫の総スパンに着替えて出てきたのは、なんなんだ(笑)。
 客席からも勢いよく笑われていたぞ。
 つか、挨拶時のその他大勢に過ぎない人が出オチで笑い取るって、はじめて見た。

 挨拶のときって、好きな衣装を着ていいものなの?
 たしかにみんな、最後の場面出来ていたモブの衣装ではなく、役がある人は役の衣装に着替えていたりするけど。

 好きな衣装を着てよし、で、アーサーはわざわざアレを選んだの??

 えーと。
 煌雅あさひって、そーゆーキャラ?(首傾げ)

 下級生時代からアーサーアーサー言って眺めて来ているけど、彼のキャラクタなんかカケラも知らないままだからなー。
 最初に眺めるようになったときって、表情ナッシングでガチガチに固まったまま「やらされている」「振付を懸命にこなしている」だけの、実に不器用なシンガーだったわけだし。
 こんだけ表情のナイ子が、よく舞台人を目指す気になったなと、ある意味感心したくらいに。

 その、顔が固まったまま懸命に歌っていた子が、いつの間にか笑えるようになり、客を釣れるよーになり、舞台真ん中でぱーっと輝くようになり。

 でもって、意味なく紫の総スパンか。

 ……ヘンナヤツ(笑)。

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