主役とは、物語を牽引していく人のこと。@新人公演『クラシコ・イタリアーノ』
2011年10月25日 タカラヅカ 新人公演『クラシコ・イタリアーノ』観劇。
あっきー、うららちゃん、初主演おめでとー。
なんかもー、よく泣いた。
もちろん作品の力が大きいのだけど、それでもどんどん引き込まれましてね……サルヴァトーレ@あっきーに。
この作品はほんとに主役ただひとりだけの物語なんだわ。
景子タンがゆーひくんのために渾身の書き下ろしをしただけあって、サルヴァトーレだけが主役、他は彼を盛り立てるための仕掛けでしかない。
だからこそ、サルヴァトーレがコケると全部コケる。
本公演観ているときは、そこまで感じなかったの。
だってトップスターが舞台を牽引することも、ひとりで全部持っていくことも支えることも、比重半端ナイことも、当たり前だもの。
ゆーひくんがそれをしていても、なんの違和感も疑問もなかった。他のいろんな生徒がその分割食って出番やドラマがなかったりしていることは、わかるけど。今回はそういう作品なんだなと思うのみ。
だけど新人公演。
なにしろ、新人公演。
幕が開いた当初、他の新公に漏れず「あー、大変やなー」と思った。
なにが悪いとかじゃなく、新公だから、いろいろ足りていない。それがまず目につくから、わりと引いた感じで眺めていた。あー、大変やなー、がんばれー。
そして。
どんどん、気づきはじめる。
この芝居、なかなかどーして極端じゃないか? 主役の比重めちゃ高くね? 主役が全部担うの? ここもあそこも? ここまで主役?
と、思ったのは、あっきーが、ばーんと前へ出て走り出したからだ。
ゆーひさんだったら、それが当たり前だし、また、他のキャストも安定しているのでひとりだけ前にいることがそこまで目立たない。
しかし、あっきー。あっきーなのに。
終演後、宙担の友人ジュンタンにもちらりと本音を語ってしまったのだが、わたしにとってのあっきーのイメージっていうのが、「小物」だったのだわ。
顔立ち自体は好きなので、最近なんとなーく目に入る子ではあるけど、だからどうということもなく、ぶっちゃけ新公主演するとは思ってなかった。下級生の愛りくが先に主演して当然と思える、新公2~3番手あたりが定位置で違和感なしっていうか。下級生スター固定の新公は百害あって一利なしだから、めぐり合わせで1回くらい主演できるといいね、と言われるあたりに過ぎないっていうか。
そーゆーイメージの子だったので、期待薄目というか、ヘタ過ぎて目立つこともないだろうし、まあそこそこふつうに務めて幕、涙の挨拶で新公らしくほっこりして、それで終わると思っていた。幾多の新公と同じように。
……ごめん。
あっきー、ナメてた。
なんかどんどん彼が「前へ」出てくる。
歌がイイとか演技がいいとか、特になにか秀でているわけでもないと思うんだが。
芝居は本役のコピー、台詞回しその他、よく勉強しましたね系。
なんだけど、新公という輪郭のゆるい舞台を、彼が背中に全部背負って、ひとり走り出したんだ。
ああ、主役だ。
サルヴァトーレって、ほんっとーに主役だわ。
そう思った。
んで、本公演と同じように泣けた。
いろいろ足りていないはずの新人公演で。
主役が主役として、ほんとうに走りきったんだ。この比重半端ナイ作品で。
ゆーひさんのための、男役集大成みたいな役を。
底力のある子だったんだ。
重いモノを担がせたら、その分馬力を出す。
……普段の舞台、普段の比重の扱いだと、そこまで輝いていない気がするんだけど……これから彼は、どう成長していくだろう。
楽しみだ。
んて、この芝居って主役の比重半端ナイ、と思ったその原因のひとつに。
ヒロインがどこにいるのか、わからなかった、ということがある。
ののすみって、ほんっとーにうまいんだなああ。
ミーナという役がののすみアテ書きである強みはあると思う。しかし、それにしたってこの比重、この扱い、ミーナはやっぱヒロインじゃないよー。別にちゃんとしたヒロインがいて、2番手娘役あたりがかわいくがちゃがちゃやる役だよ。
それでもミーナがあれだけちゃんと目立っていたのは、ののすみだからだったんだな。
新公だと、ミーナ役自体が視界に入らない……。
期待の美貌の新進娘役うららちゃん。
芝居も歌も良かったんだと思う。声もきれい。
しかし。柄違い過ぎる。
ぽっぽさんや柚長が、若い女の子の役をやっているように見えた。
本気で美人系のキツイ大人っぽいおねーさんが、若さだけが取り柄の小娘役をやっているような違和感。柚長美人だけど、美人はナニしたって正義!とはいえ、小動物系女子高生役はさすがにキツイっすよ、というか。
芋っぽい格好がまた、致命的に似合わない。ダサかわいいとかじゃなく、気の毒な感じになる。
何故この作品、この役で彼女をヒロインにしたんだろう……。
いや、持ち味とチガウ役は勉強になるだろうけど、若い彼女にはまず、柄にあった役で「ヒロイン」として立つ場を与えることが必要なんじゃ?
ミーナはなにも出来ずに泣き出してしまう子には見えなかったし、なにもないところで転ぶようなドジっ娘にも見えなかった。文盲の田舎娘にも見えなかった。
知性と落ち着きがあり、美貌と品があった。
……ので、最初から最後まで違和感ありまくり。仮面を付けてプルチネルラをやっていたところぐらいしか、違和感は緩和されなかった。
小動物ではなく、大人の女性に見えてしまうので、ラストシーンも納得できないなあ。
うららちゃんのミーナだと、ちゃんと女優として生きるだろうと思うんだ。まず自分がきちんと自分の足で立たないと、サルヴァトーレのそばに寄ってはいけない、と思っていそう。
「女優としてがんばる。でも、ときどきこうして会いに来てもいい? 迷惑?」
「……迷惑じゃないよ」
という流れで、あとは同じようにラストまで。
知性のあるまともな女性に「自分の夢も人生も家族のことも、全部捨てて好きな男のそばにいたいの、ミャハ」とやられちゃうと、なかなかキツイわ……。恋人でもない女にソレをやられたら、ふつー男は引くと思うんだが。
ののすみミーナは子犬だったからそれが許されるわけで、ふつうはナイわ……。
てことで、うららちゃんに関しては、別の役を見てみないことには、あまりにアウェイ過ぎてよくわかんなかったっす。
ミーナ役が極端なのだとはいえ、意外に出来る役の幅か狭いのかなあ。正統派美人も大変だな。
や、ほんとに美貌の活かせる役で見てみたい、せっかくの美人さんなのに!
あっきー、うららちゃん、初主演おめでとー。
なんかもー、よく泣いた。
もちろん作品の力が大きいのだけど、それでもどんどん引き込まれましてね……サルヴァトーレ@あっきーに。
この作品はほんとに主役ただひとりだけの物語なんだわ。
景子タンがゆーひくんのために渾身の書き下ろしをしただけあって、サルヴァトーレだけが主役、他は彼を盛り立てるための仕掛けでしかない。
だからこそ、サルヴァトーレがコケると全部コケる。
本公演観ているときは、そこまで感じなかったの。
だってトップスターが舞台を牽引することも、ひとりで全部持っていくことも支えることも、比重半端ナイことも、当たり前だもの。
ゆーひくんがそれをしていても、なんの違和感も疑問もなかった。他のいろんな生徒がその分割食って出番やドラマがなかったりしていることは、わかるけど。今回はそういう作品なんだなと思うのみ。
だけど新人公演。
なにしろ、新人公演。
幕が開いた当初、他の新公に漏れず「あー、大変やなー」と思った。
なにが悪いとかじゃなく、新公だから、いろいろ足りていない。それがまず目につくから、わりと引いた感じで眺めていた。あー、大変やなー、がんばれー。
そして。
どんどん、気づきはじめる。
この芝居、なかなかどーして極端じゃないか? 主役の比重めちゃ高くね? 主役が全部担うの? ここもあそこも? ここまで主役?
と、思ったのは、あっきーが、ばーんと前へ出て走り出したからだ。
ゆーひさんだったら、それが当たり前だし、また、他のキャストも安定しているのでひとりだけ前にいることがそこまで目立たない。
しかし、あっきー。あっきーなのに。
終演後、宙担の友人ジュンタンにもちらりと本音を語ってしまったのだが、わたしにとってのあっきーのイメージっていうのが、「小物」だったのだわ。
顔立ち自体は好きなので、最近なんとなーく目に入る子ではあるけど、だからどうということもなく、ぶっちゃけ新公主演するとは思ってなかった。下級生の愛りくが先に主演して当然と思える、新公2~3番手あたりが定位置で違和感なしっていうか。下級生スター固定の新公は百害あって一利なしだから、めぐり合わせで1回くらい主演できるといいね、と言われるあたりに過ぎないっていうか。
そーゆーイメージの子だったので、期待薄目というか、ヘタ過ぎて目立つこともないだろうし、まあそこそこふつうに務めて幕、涙の挨拶で新公らしくほっこりして、それで終わると思っていた。幾多の新公と同じように。
……ごめん。
あっきー、ナメてた。
なんかどんどん彼が「前へ」出てくる。
歌がイイとか演技がいいとか、特になにか秀でているわけでもないと思うんだが。
芝居は本役のコピー、台詞回しその他、よく勉強しましたね系。
なんだけど、新公という輪郭のゆるい舞台を、彼が背中に全部背負って、ひとり走り出したんだ。
ああ、主役だ。
サルヴァトーレって、ほんっとーに主役だわ。
そう思った。
んで、本公演と同じように泣けた。
いろいろ足りていないはずの新人公演で。
主役が主役として、ほんとうに走りきったんだ。この比重半端ナイ作品で。
ゆーひさんのための、男役集大成みたいな役を。
底力のある子だったんだ。
重いモノを担がせたら、その分馬力を出す。
……普段の舞台、普段の比重の扱いだと、そこまで輝いていない気がするんだけど……これから彼は、どう成長していくだろう。
楽しみだ。
んて、この芝居って主役の比重半端ナイ、と思ったその原因のひとつに。
ヒロインがどこにいるのか、わからなかった、ということがある。
ののすみって、ほんっとーにうまいんだなああ。
ミーナという役がののすみアテ書きである強みはあると思う。しかし、それにしたってこの比重、この扱い、ミーナはやっぱヒロインじゃないよー。別にちゃんとしたヒロインがいて、2番手娘役あたりがかわいくがちゃがちゃやる役だよ。
それでもミーナがあれだけちゃんと目立っていたのは、ののすみだからだったんだな。
新公だと、ミーナ役自体が視界に入らない……。
期待の美貌の新進娘役うららちゃん。
芝居も歌も良かったんだと思う。声もきれい。
しかし。柄違い過ぎる。
ぽっぽさんや柚長が、若い女の子の役をやっているように見えた。
本気で美人系のキツイ大人っぽいおねーさんが、若さだけが取り柄の小娘役をやっているような違和感。柚長美人だけど、美人はナニしたって正義!とはいえ、小動物系女子高生役はさすがにキツイっすよ、というか。
芋っぽい格好がまた、致命的に似合わない。ダサかわいいとかじゃなく、気の毒な感じになる。
何故この作品、この役で彼女をヒロインにしたんだろう……。
いや、持ち味とチガウ役は勉強になるだろうけど、若い彼女にはまず、柄にあった役で「ヒロイン」として立つ場を与えることが必要なんじゃ?
ミーナはなにも出来ずに泣き出してしまう子には見えなかったし、なにもないところで転ぶようなドジっ娘にも見えなかった。文盲の田舎娘にも見えなかった。
知性と落ち着きがあり、美貌と品があった。
……ので、最初から最後まで違和感ありまくり。仮面を付けてプルチネルラをやっていたところぐらいしか、違和感は緩和されなかった。
小動物ではなく、大人の女性に見えてしまうので、ラストシーンも納得できないなあ。
うららちゃんのミーナだと、ちゃんと女優として生きるだろうと思うんだ。まず自分がきちんと自分の足で立たないと、サルヴァトーレのそばに寄ってはいけない、と思っていそう。
「女優としてがんばる。でも、ときどきこうして会いに来てもいい? 迷惑?」
「……迷惑じゃないよ」
という流れで、あとは同じようにラストまで。
知性のあるまともな女性に「自分の夢も人生も家族のことも、全部捨てて好きな男のそばにいたいの、ミャハ」とやられちゃうと、なかなかキツイわ……。恋人でもない女にソレをやられたら、ふつー男は引くと思うんだが。
ののすみミーナは子犬だったからそれが許されるわけで、ふつうはナイわ……。
てことで、うららちゃんに関しては、別の役を見てみないことには、あまりにアウェイ過ぎてよくわかんなかったっす。
ミーナ役が極端なのだとはいえ、意外に出来る役の幅か狭いのかなあ。正統派美人も大変だな。
や、ほんとに美貌の活かせる役で見てみたい、せっかくの美人さんなのに!