それでもうだうだ考えている、ジュリアン@きりやんのこと(笑)。

 初演は知らないし、そもそもどーゆー意図があって描かれたモノなのか知らない、この『アルジェの男』って話。
 ただ、現在の『アルジェの男』を見て感じたことを記す。

 硬質なのがいかんのかなあ。
 ジュリアンはとても真面目で固くって、色気と遊び心に欠ける。
 人生楽しんでいる風があれば、また違って見えるのかも。
 真面目だけが取り柄の小役人、言われるままに仕事をするつまらない男に見える。
 そりゃあ、一目ですべての人が平伏すような華やかな美貌があるなら「社交界の花」として、ただそれだけで納得させてくれると思うけど、なにしろジュリアンの中の人はきりやんで。彼の売りはそんなところじゃない。
 人生に対する余裕がないから、女にもてるよーにも見えない。台詞だけで「ステキ」と言われているが、どうステキなのかがよくわからない。
 見た目で納得させるタイプではないのだから、行動やエピソードで納得させてくれなくちゃ。
 なのに、再演だからか、演出の大野くんの目にはきりやさんが絶世の美少年に映っているせいか、ジュリアンの魅力については書かれていないんだ。

 また、ジュリアンはとても大人で、もう迷いなんか卒業しきった人に見える。
 不惑の人っていうか。
 人生固まっていない若造に見えない。知識と経験があり、石橋を叩いて渡る人に見える。
 だからすごく公務員的で事務員的なわけだけど。
 あとはマイホームのための40年ローンを地道に返しつつ、毎日書類にはんこ押して生きます、みたいな。

 エリザベート@りっちーとアナ・ベル@みくちゃんに対しても、色気がないために、真意がどこにあるのかわからない。
 エリザベートには魅力を感じていないらしい。彼女を「跪かせてやる」と言うけれど、それは単にみんなの前でバカにされた仕返しとして言っている。
 アナ・ベルのことはかわいいとは思っているのだろうけど、利用して捨てていいレベルの興味らしい。
 なんつーか、女体(って言い方もアレだが)への下心もなく、女たちが持つ背景への下心も大してなさそうで、もちろん彼女たち個人にも興味なさそうなまま口説かれても、ドキドキしない。

 利用するつもりが愛してしまった、とか、本人に興味ないけどエロ大好きだから口説くの楽しい、とか、ステップアップのための手順のひとつ、野心メラメラですから!とかなら、女を口説く場面も見ていて楽しいんだと思う。
 計算違いで心が動いてしまった、ってのは女子の大好きなパターンだし、心はなくてもエロエロむんむんなお色気シーンはサービスショットだし、明確な目的のためなら際立つ悪がかっこいいし。
 でもジュリアンには、どれもない。
 本人に興味ないし、エロも好きではなさそう。それによってなにがしたいのか、人生の目標も見えないまま、ただ「だって脚本に書かれているから」的都合で女を口説く。
 それじゃつまんないよう。


 ジュリアンは余裕の色男じゃいかんかったんか。
 真面目な小役人ではなくて、仕事も出来るけどそれだけではなく人生も楽しんでます的な男じゃダメなのか。
 その楽しんでます部分で、「仕事をがんばる」か、あるいは「余裕で女を口説く」、どちらかをやって欲しい。
 仕事が思い通りに出来るなら、男として人生は充実しているだろう。ジュリアンが有能なところをきちんと描いてくれれば、女に対してクールであってもいい。有能な男がパーティでセレブたちにちやほやされるのは当然。
 もしくは、色男面をクローズアップ。友だちも多くて人気者、女たちをスマートに口説くが、修羅場にはならない。それなら社交界の花でもおかしくない。
 それでいて、心にどこか隙間を抱えている。
 人生楽しんでいるはずなのに、「本当にコレでいいのか」という疑問が、心のどこかにある。
 という二面性があればなあ。

 最初から最後までジュリアンは、パリでの生活を楽しんでいるように見えないんだよなあ。
 そりゃ、友だちもいない、遊びも知らないまま5年間も、ただ仕事だけしてたんだもんなあ。
 そりゃ、それらを捨てるのも大したことじゃないよなあ。

 それでも、その生活に「目的」があればなあ。
 目的も特になさそうだもんなあ。


 とまあ、ジュリアン探しばかりしてますが、こんだけ気になるのは、結局ところジュリアンはなんか魅力的なんだと思う。
 あの小役人的で苦行僧みたいなところが、なんか興味をかき立てるんだと思う。

 てゆーか、コレが大野くん的な霧矢大夢の萌えなのかなあ。
 クチビル噛んで耐えている美少年、ってやつ。

 余力があれば、ジャック@まさおとのラヴストーリー書いてみたいくらいだ(笑)。ものすごーく暗い、救いのないヤツ。

 ジュリアンがいろいろと不自由で。
 わけわかんなくて。

 気になる(笑)。
 『アルジェの男』の話。

 なんだかんだで、けっこーツボはある……のか?
 なんか語りたくなるっつーかツッコミたくなるというか。単にわたしがきりやんスキーなだけか(笑)。

 ジュリアン@きりやんが、わからない。

 彼の野心ってなんなの?

 アルジェにいたときのジュリアンは、「いずれパリで一旗揚げる」話をする。
 きりやんの外見では良くわかんないけど、多分ここでは彼、10代の少年なんだよね? それか、せいぜいハタチくらい?
 なんつーか、クライド@タータンがハタチそこそこだったのと同じくらいわかりにくいよな、と突然『凍てついた明日』の話をしてみる(笑)。

 いつかパリに……と夢を語る若者。
 レオン@じゅりぴょんのことを思い出したりもする、はい突然『マラケシュ』です……って、どっちもオギーか。
 植民地で食い詰めている若者にとって、まだ見ぬ都会はそりゃー夢だろう。

 ジュリアンが語るのは、「パリで贅沢な暮らしをする」こと。
 具体的にどうしたいとは、語られない。

 田舎の少年が「オラ、東京さ行くだ。東京にさえ行けば、ビッグになれるだ」と漠然と考えている。
 それはいいけど、どうビッグになるんだ?
 たとえばアイドルになるとか俳優になるとか、芸能関係は東京でなきゃダメだもんな、だから東京!ってのはわかる。
 そこにしかない業種……でなくても、首都にはあらゆる業種の中心部が集まっているから、地方でトップになるより中心の隅っこに引っかかっておいた方が、未来につながりやすい、と考えるのもアリか。

 しかしジュリアンの「パリに行く」は、「オラ、東京さ行くだ。東京にさえ行けば、ビッグになれるだ」の域を出ていない。
 パリに行ってどうしたいのか、語られていない。

 贅沢な暮らしをする、というのは確かに目的であり、夢である。
 だがそれは、どういう意味でだ?

 一攫千金、遊んで暮らして、それでいてお金持ちになりたいのか。
 やりがいのある仕事でばりばり働いて、その結果として地位や富を得たいのか。
 同じ「贅沢な暮らし」でも、このふたつは天と地ほどチガウ。

 遊び暮らすことが目的なの? なにもせずにお金だけある生活が最終目的?
 ジュリアンが語る夢は小学生の作文以下のリアリティで、それでいったいどうしたいのか、感情移入がしにくい。

 「お金持ちになる」という夢のために、ボランジュさん@リュウ様の運転手をするジュリアン。
 仕事の傍ら学校にも通い、真面目に勉強したそうな。

 そうしてボランジュさんの秘書になり、最終的には政府の書記官になったそうな。
 とゆーとだ、彼の目標は政治家だったのか?

 ジュリアンが真面目に働いたり、勉強したりしているところは書かれている。
 パリに来て5年も経つのに、下町に行ったことなかったそうだ。どんだけ。
 『黒い瞳』でも思ったけど、柴田作品って時の流れ変だよね。ベロゴールスクに赴任して数ヶ月も経っているのに、警備隊の少尉なのに、砦に行ったことなかったんだって。まるで数日前に赴任してきたみたいに「新任のニコライに東の砦を案内してます」って言ってたし。この数ヶ月、砦にも行かずどこを守備していたんだ、って話。
 それと同じ、数ヶ月前にやって来たならともかく、5年間、一緒に飲みに行く友だちもなく、下町や歓楽街も知らなかったらしいよジュリアン。下町はともかく、5年間ぼっちのまま、そんな男嫌だ。
 柴田せんせの中の時間軸はどうなっているんだろう。

 まあそれはともかく、ひたすら真面目だと描かれるジュリアン。
 この真面目さってのが、どうにも目的が見えない。
 いずれ政治家になる、という夢があるならそれを語ってくれなくちゃだわ。
 ただボランジュさんの人形として、言われるまま命令されるままの仕事を日々こなしているだけの人に見える。
 または、ボランジュさんの跡継ぎを狙っているなら、そのことも明確にしてくれなきゃだわ。

 「パリで贅沢な暮らしをする」だけならもう、叶っているんだもの。
 いい服を着ていいものを食べて、セレブなお屋敷で美女と踊ったりしている。
 最初にアルジェで語っていた夢は叶った。
 でも、そのことについての言及はない。
 ナニがしたいの?

 夢は叶っているけど、ジュリアンは別に幸せそうじゃない。
 そりゃそーだ、働き蟻みたいに、毎日ひたすら働くだけ。
 人の数倍働いてるんだから、人の数倍儲かっていても、それほど不思議なことじゃない。

 最後にそれまでのモノを全部捨てるわけだから、ジュリアンが幸せそうではいけないのかもしれないが、苦行僧みたいに見えるんだよなあ、ジュリアン。
 耐えることだけが目的で、なにがしたいのかがさっぱりわからない。

 はっきりと「夢」を打ち出して欲しかった。
 「大統領になって、国を動かしたい」でもいいし、「億万長者になって世界中を旅して回りたい」でもいい。「アルジェ総督になって故郷へ凱旋、俺を見下していた奴らの鼻を明かしたい」でもいい。
 ボランジュさんの下僕を淡々と務めているだけの男には、ちっともわくわくしない、ときめかない。
 真面目で事務仕事ができるだけの男を、何故ああまで褒めそやすのかがわからない。
 すごく小役人っぽい……。
 ボラさんの仕事にすごいアイディアを出すとか、彼の危機を救うとか、なにかしらエピソードがあれば「優秀なのね」とわかるけど、言われた仕事をただ四角四面にこなしているだけじゃあ、どう「すごい」と思えと?

 ボラさんが何故ジュリアンを買っているのかもわからない。
 ジュリアンに隠れた才能があったのかどうかも、描かれていない。生まれの不幸のため発揮できないままでいたが、実はものすごい才能があり、ボラさんの庇護の元で花開いている……という様子もない。

 やっぱ単にボラさんがホモで、好みの美少年を拾い、思いのままに調教して飼っている、ってだけ?
 だからあんなにジュリアンは苦行僧めいているの?
 夢のために努力している人に見えないんだもの。

 アルジェの無学な少年のうちは、「パリで贅沢な暮らしをする」が夢でもいい。
 ただそのあと、ボラさんのもとで知識を得るに従って、なにかしらビジョンを持って欲しいわ。
 その「夢」……えーと、「野望」と言わなきゃなんないの?この話の場合……を語って欲しい。
 その明確な目的のために、手段を選ばず……でもいいし、やりがいを持って仕事をしている、でもいい。
 とにかく言われた仕事をしているだけの小役人とか修行僧は嫌よ~~ときめきがない~~。

 目的もなく日々淡々としているから、それらを全部捨てると言い出しても「はあ?」だし。
 カタルシスが薄い。
 それまでさんざんこだわっているからこそ、捨てるときが大事件。
 目的もわかんないまま過ごしていた日々を捨てると言われても。

 とにかく、ジュリアンがわからない。
 わたしには。
ひとつひとつ。@インフィニティ
 宝塚友の会チケット会員先行販売のお知らせ61号が届いた。

 おお、表紙キムくんだー。
 と思って、スケジュール帳に入力日をメモするために裏表紙を見た。……正直、中身ってあまり見ない。裏表紙のスケジュール一覧表さえあれば事足りるから。

 いちばん上の大劇場スケジュールから順番に、手帳にシールを貼りつつ。
 ああ、『エドワード8世』とかも、もう載ってるんだ、来年の話なのに……とぼーっと考えつつ。

 気付く。

 『インフィニティ』が、載っていることに。

 うわわ、そうか、もう載っちゃうんだ。
 友会入力日とか、発売日があるんだ。(そりゃあるだろう)

 あわてて、冊子の中身を見た。

 後ろからめくりだしたら、なかなか該当ページにたどり着かなかった。そっか、バウホールってけっこう前に掲載なんだ!(落ち着け)
 冊子のど真ん中に、みりおくんの『アリスの恋人』と並んで掲載。
 青年館付きのみりおくんとちがい、バウのみのまっつは書くことが少なくて、ちんまり(笑)。
 他にバウのみ公演があればキチキチ1ページにまとめられちゃうんだけど、かなめくんも青年館付きなので。
 そーやって東上付きバウ公演にはさまれたまっつバウは、のびのび余白たっぷりに1ページもらってます。なんてゼイタクな(笑)。

 写真は『ロック・オン!』。
 直近のショー作品写真ってコレしかないし。

 そして、公演スケジュールを、改めて見た。
 日にちの発表を眺めるのと、公演日として眺めることは、こんなに違うんだと。
 はじめて、知りました。

 木曜はじまりの月曜楽なんだ、とか、金曜日は1回公演なんだ、とか。
 ふだんは自分の行きたい日を決めてから、入力時に確認する程度だから、「全体」としてスケジュールを見るのははじめてかも。

 全部で17回かあ。
 『宝塚巴里祭2009』は4回だったから、4倍以上の回数だねえ。すごいねえ。

 友会冊子にまっつが載っているなんて、はじめての経験なので、思わず画像保存しました、記念記念、宝物!(笑)

 『宝塚巴里祭2009』は劇団の「公演」ではなかったので、主演したところでどこにも記録は残らなかった。
 友会冊子にも載らないし、年に一度出版される「ステージアルバム」や「REVUE本」はおろか、「組本」にすら載らない。他の『巴里祭』、ディナーショーやトークショーなどのイベントものがそうであるように。
 一過性のスカステニュース、「歌劇」「GRAPH」に「情報」として載ったのみ、舞台写真(公演終了後も販売継続されるモノ)の発売もないため、「記録」として残る媒体では、2009年の夏、まっつは「どの花組公演にも出演していない」ことになっている。
 それが、寂しかった。
 いくら、心のアルバムにしーっかり焼き付いているとしても、だ(笑)。

 でも今回はそうじゃない。
 劇団の「公演」だ。通常の過程を踏んでいくんだ。通常の記録に残るんだ。

 じーーん……。

 うれしい。
 うれしいよお。

 はじめての経験なので、1個1個大切に噛みしめて、わくわく楽しんで行こうと思う。

 まっつが友会冊子に載ってるー。うれしい~~。しみじみ。

 この冊子、大切にしよう。
 ひとつひとつ、噛みしめていくことにしている。

 キャトルレーヴ梅田店にて、『ハウ・トゥー・サクシード』公開記念キャンペーンてのがあった。

「期間中、キャトルレーヴ梅田店対象商品を1点でも含む初回2000円以上お買いあげのお客様に、1000円ごとにポイントがたまるスタンプカードをお渡しします。」
 で、集めたスタンプごとにプレゼントがもらえる。
 スタンプ5つでL版写真。
 スタンプ15……つまりカード1枚全部スタンプで埋めると、フォトカード。さらにWチャンスでキムくんサイン色紙。

 別に、めずらしいこっちゃない。
 梅田で公演しているときは、毎回なにかしらやっている。

 めずらしくもないことなので、思いっきりスルーしていた。
 グッズは必要最低限しか買わない、だってチケット代だけで精一杯だもん。
 まっつが載っているからプログラムは買う、ポスターと、同柄のクリアファイルも買う。でも、それだけかな。

 スタンプを集めてもらえる景品とやらにも、興味がなかった。
 キムくんの色紙、とあるように、こーゆー場合の景品は大抵トップスターの写真だ。
 キムくんも好きだし、写真をもらえたらそりゃうれしいけど、不必要なモノを1万5千円分も買うより、その金額でチケットを買うよ。

 思いっきりスルーしてたのに。

 梅芸ロビーの特設売店に宣伝として飾ってある、その「ポイントカードの景品写真」が、キム+ちぎ+まっつの写真だった。

 えええ。

 キムくん単体、枠が広がってもトップコンビか、2番手までだと思ってた。
 まっつもいるの??!

 『ロック・オン!』の画像で作った合成フォトカード。いちばん大きく真ん中にキム、その左右にちぎまつ。
 ご丁寧に非売品とある。

 くらり。

 その写真が欲しいわけではない。
 まっつがポストカードの4分の1くらいの大きさに載っているだけで、とりたてて写りがいいとかゆーもんでもない。
 だがしかし。

 まっつが、非売品の景品になったのは、はじめてのことなんだ。

 キャトルレーヴではなにかっちゃー売れ残り……ゲフンゲフン、お勧めの商品を複数袋詰めして1円単位まで一切おまけナシの定価で、セット売りをする。
 そのときの言い訳が「非売品写真付き」「非売品ポストカード付き」。
 そのセットのためにわざわざ作った非売品ではなく、過去に使用した「非売品の、売れ残り」ってやつ。
 売れ残りに売れ残りをセットして、抱き合わせ販売。ザ・キャトレ商法!!

 「非売品ポスカ付き」と書かれたセットを見るたびに、「あー、このポスカ、まだ残ってるんだあ」となまあたたかいキモチになる。
 何年使い回す気だろう、と。

 でもそうやって非売品ポスカを作ってもらえるのは、スターだけだ。
 わざわざ印刷するわけだからなー。まとまったロットで発注するんだろーしなー。
 スターでない人には、その売れ残りの非売品すらない。
 まっつも長くジェンヌをしている人なので、過去に何度かキャトレ梅田で特集にまざり、「未涼亜希セット」なるものを作られている。
 ジェローデル特集のときなんか、雪組トップスター水夏希様と並列して並べられていたぞ。
 水くんはもちろん「非売品ポストカード付き」のセット販売、まっつは過去の舞台写真をただ複数袋詰めしただけのセット。どちらも定価で売られているわけだから、水くんはポスカ分お得、まっつはセットを買う価値どこにもナシ。脈絡のない写真をセットで買うより、好きな写真を選んで買った方がいいって。

 なんのトクベツ感もないセット。
 しょぼんな記憶。

 ……だから。
 今ここで、はじめて、まっつが非売品グッズになった。
 3人写りのひとりであろーと、大きさはポスカの4分の1部分であろうと、そんなこたぁどーだっていい。
 まっつが、非売品カードに入れてもらっている、という事実のみが重要。

 まっつを景品にすることで、購買客が増えると、キャトルレーヴの中の人が考えたってことだ。
 別に、キムくん単体でも、キムちぎでもいいのに。『H2$』という作品の性質からして、フィンチとローズマリーとバド、この3人しか重要じゃない、この3人までを景品にしても当然なのに。
 そこにあえて、まっつまで入れた。入れて、くれた。

 その心意気やヨシ!

 ならば。

 その心意気に、全力で応えよう!!

 てことで。

 いやあ、がんばりましたねー、グッズ購入。
 なにがなんでも1万5千円、キャトレ梅田で買わなきゃなんないんだもんよー。
 いつもは買わないものまで、いちいち買ったもんよ。

 まっつメイトもみんなそれぞれがんばっていたみたいだ。
 キャトレの中の人、売り上げが良くなって、これからもまっつグッズを出そうとか思ってくれないかな??(笑)
 3人写りのポスカだから、まっつファンだけががんばっているわけじゃないだろうけどさ。なかでもまっつファンは、「こんなこと、最初で最後かも?」なキモチがあるから。さらにがんばっていたんじゃないかと(笑)。

 わたしは結局あと3000円ってとこで、友人の「いつの間にやらまとぶファン」のCANちゃんがまとぶんDVD買うっつーんでカード託して、無事全部集まったわけなんだが。(てゆーか2枚目のカードもスタンプ13個まで溜まって、そこで終了したという……)
 CANちゃんの協力がなかったら、『ロミオとジュリエット』CDを買うつもりでした、スタンプの数あわせに。
 『ロミジュリ』はわたしのなかのトクベツなので、いつかは買うと思うけど、なにしろ今お金なくてだな……てゆーかいつもなくてだな……なかなか買えないのよー。しくしく。

 他のスターさんの「非売品ポスカ」が、最初にスタンプカードの景品として作られたときはとてもレアな、特別なモノとして扱われていたのに、その後は「ただのセット売りのおまけ」としてしか扱われず、レアでもなんでもなくなることは、何度も何度も見てきた。
 だから今回のフォトカードとやらも、今無理に1万5千円も不要な物を買ってまでがんばって手に入れなくても、そのうちどーでもいいセットに同梱されていると思う。
 いくらでも手に入ると思う。

 わかってる。
 わかってるけど、あえて。

 今、祭に参加したんだ。

 まっつに関することはひとつひとつ、体験していくんだ。噛みしめていくんだ。


 しかし、景品になったまっつ、ってイイなあ。しみじみ。
 景品まっつ……体育坐りしてリボン掛けられ、「景品」というタグを首から掛けられたまっつ……ふふ……ふ。←変態注意報
 『ハウ・トゥー・サクシード』のスーツ男たちを見て、「雪男ってリーマン似合うなあ」と感心するのは、『愛のプレリュード』のスーツ男たちがホストにしか見えなかったため。

 この組カラーの違いが愛しい(笑)。

 もしも花組で『H2$』をやっていたら、スーツ男たちはみんなホスト系だったんだろうなと。

 『Dance Romanesque』のキラキラ月色男子たちを見て、アイドルっぽいと思い、これが花組だったらギラギラホスト銀橋になり、星組だったらオラオラ野郎銀橋になるんだろうなとウケる。

 『タカラヅカスペシャル』ででもいいから、全組銀橋対決とかしてほしーなー。いや、梅芸に銀橋ナイですが、イメージとして。
 花組が黒タキでギラギラ登場、客席釣りまくり、キザりまくり。ナルシー上等。
 月組がアイドル衣装で登場、どこぞのユニットのよーにキラキラ客席アピール。
 雪組がシンプル黒燕尾で登場、端正に大真面目に客席へご奉仕。
 星組がスパンラテン衣装で派手に登場、オラオラ大騒ぎ。
 宙組がカラースーツで登場、フリーダムに個人技を競ってください。

 トップスターは登場せず、2~3番手かそれ以下の中堅あたりでやるとさらに、組カラーが見えると思う。トップはトップってだけでイメージ出来上がっちゃってるから。

 見たいなー。


 と、全組モノの妄想を前振りに、年末の『タカラヅカスペシャル2011』の話。

 これに、雪組がきちんとしたカタチで出演しないことが、残念でなりません。
 『タカスペ』といえば、1年の締めくくり、その年の公演のパロディ上演じゃないですか。

 わたしは、『ロミオとジュリエット』に、ヅカヲタ人生最大級のハマり方をしました。『ロミジュリ』さえあれば他はナニもいらない!と思ったほど『ロミジュリ』命です。

 『タカスペ』に雪組が出演していれば、もう一度、『ロミジュリ』に出会えたのかもしれない……。

 「世界の王」あたりを、もう一度聴けたかもしれない……。

 まともに「公演を振り返って1曲」でもいいし、パロディだって見てみたい。
 『ロミジュリ』は有名作品だから、パロディしやすいはず。
 著作権がいろいろ言われるのかもしれないけど、『ロミジュリ』は『麗しのサブリナ』ほどきつくないらしいのは映像関係見ててもわかるし。『逆転裁判』や『エリザベート』パロがOKなんだし、そのへんは大丈夫っぽいかなと。

 『ロミジュリ』パロ見てみたいなあ……。あいつらでドタバタ喜劇見てみたい……。

 今のところ雪組の出演者は「未定」になっており、誰がどんなカタチで出演するのかはわからない。
 数年前のように「4回公演中1回だけゲスト出演」の可能性だってある。
 ゲスト出演にすぎない場合は、凝った演出なんかなくて、ただシンプルに歌うだけで、パロディや芝居なんかできない。
 当時のキムテルぐらい、劇団が「将来のトップ」として推している子たちが番手にいるなら、最初から出演者欄に名前も載せ、彼らだけで「雪組コーナー」も作るだろうけど。

 所詮「未定」だからなあ。出演したとして、ちゃんとした「雪組コーナー」はナシかなあ。
 他組がパロディをがっつりやっているのに、1曲歌って終わり、かなあ。

 『タカスペ』が残念、なのもたしかだけど、『ロミジュリ』に会える機会が……最後の機会がなくなったことで、落胆しているのです(笑)。

 や、「雪組コーナー」ががっつりあったとして、『仮面の男』パロかもしんないけど(笑)。

 『ロミジュリ』を観たい。ロミオに、マーキューシオに、そしてベンヴォーリオに、会いたい。
 とっても今さらですが、『ファントム』の話。

 わたしの花組への愛着っつーか郷愁はとても強く、今でも切なくて仕方がない。
 なにがどうってわけでもないんだけど。
 ただ、花組というと、切ないなあ。

 その切なさが全開になったのが、ショレ@みわっちを見たときだ。

 みわさんはほんっとーに骨の髄まで花男で、かつ、路線スターなんだ。「花組の真ん中」に立つために育てられてきた人だ。
 抜擢も早かったし、立ち位置や役割、メディアや販売物の扱い、すべてにおいて劇団が「スター」として育てた由緒正しい人だ。
 彼はショレのような「脇」の役をやってなお、正しく「スター」なんだ。

 年功序列の花組だから、どんだけスター路線の人でも長らく脇の役をやる。大して出番も台詞もない、見せ場なんかまったくないよーな役も経験している。
 でも「将来のスターが、今は端役を演じている」のと「脇役」はチガウ。
 みわっちはずーっと前者だった人だ。

 役の数が足りないから端役なんじゃなくて、ショレ役は脇の役。路線スター様の役じゃない。
 それでもみわっちが演じると、ショレは路線の役となる。
 もちろんショレはヒゲのおかしなおじさん、三枚目で安い悪役だ。いきなり二枚目的な路線の役に変わるわけじゃない。
 でもみわさんの演技が、芝居が、あくまでも「スター」のものなんだ。
 自分が真ん中に立ち、空気を動かすことを当然とした芝居。どんな脇役であろうとも。
 それは芝居の良し悪しとか空気を読むとか、そーゆー次元ではない。育ち方というか、役者の血肉部分の話なんだなと。
 ……なまじ我がご贔屓が、由緒正しき脇育ちで、真ん中でオーラ出してしかるべきときに「脇としての引いた演技」をしてしまうだけにね……「お育ちの違い」ってのは、こうまで出てしまうものなのかと。

 みわっちの「スター」ぶりに、心奮えた。

 ショレ役としてソレが正しいかどうかは知らない。
 みわさんゆえに1幕のキャリエール@壮くんの影が薄くなっていることの是非も問わない。
 ただわたしは、正しく「愛音羽麗」であり続けるみわっちに、胸が熱くなった。

 ただもお、みわっち好きだ、と思った。

 『ファントム』の役替わり公演中、ショレの出番中、ただひたすら「みわっち好きだ」「みわっち好きだ」と盛り上がり続けた。

 なんつーんだろうなあ。
 変わり続ける激動のタカラヅカにおいて、なにがあっても揺るがない、変わらない、「みわっち」に、救われた。

 変化を拒絶するつもりはないけれど、順応性の乏しい年寄りとしてはいろいろ郷愁に駆られることが多くて。
 昔は良かった、ではないけれど、距離を感じて寂しく肩を落としているところに、変わらないモノを指し示してくれる、喜び。
 取り壊された母校のビニールシートに喪失感を味わっていたのに、角を曲がると思い出の桜の木が一本だけ無事で残っていた、そんな感じっつーかね。
 今を否定するわけではまったくなくて、ただもう懐かしさに涙する感覚っちゅーかね。

 ああもおみわっち、好きだなああ。(某所の妄想配役、医者役がみわっちなのは、そんなくだりがあったせいなんですよ、と、関係ないことをつぶやいてみる)

 みつるが演じていたときよりも、ショレがスターの役になっている。そして、カルロッタ@いちかの比重が上がっている。
 ショレとカルロッタでドラマが見える。出来上がっている。『ファントム』の本筋から逸脱した盛り上がりっぷりがすごい。

 シャンドン伯爵が「スター」の役だったように、ショレを「スター」の役にしてしまう、みわっちがすごい。
 観ていてわくわくする。
 彼を真ん中に、素直に画面を構築し、物語を構築できる。
 ショレがキャラ立ちしている分、カルロッタの可愛らしさ、愛らしさも上がっている。彼らが登場するとそこでさらに物語がふくらむのがわかる。
 『ファントム』という物語自体は、ショレがどれほど「スター」であっても揺るがない。エリック@らんとむは勝手に物語している。それを邪魔することなくショレは物語に厚みを出す。膨らます。
 「スター」が多く、「主要役」「個性的な役」が多い物語になっているんだ、『ファントム』Bパターン。シャンドンは放っておいても「スター」的な場面があるからね。ショレにはナイから、役者が自力で盛り上げて、「スター」を増やしてしまった。
 面白いなあ。

 いやほんとのとこ、こんだけショレとカルロッタの比重が上がっているのはおかしいんだろうけど。
 つか、がんばれキャリエール。

 わたしはBパターンの方が好きだな。
 弱肉強食っぽいところが、花組って感じがする(笑)。


 でもってわたしこの公演、改めていちかのすごさを思い知った。
 ショレ@みわっち効果もあるんだろうけど、それにしてもカルロッタすげえ。
 あのキャラクタの息づいた姿。
 初日に観たときよりはるかに立体感を増し、ドラマを増して、華やかに存在していた。
 ほんとに、うまい役者なんだ……。
 ラルゥ@『スカウト』を観たときの衝撃を思い出したわ……。


 ところで、メルシエさん@さおたさん、噂には聞いていたけど、初日に観た美麗キャラと微妙に違っていて残念っす。
 いや、それでも十分かっこいいんだけど、美中年なんだけど、チガウのよ、初日にあんだけときめいたあの姿をどーして変えてしまったの……!と(笑)。
 出版物とかには、美麗メルシエさんで記録されているのかしら。

 ソレリ@きらりの芝居の安定っぷりと美貌に感動しつつ、歌のアレさに微笑ましくなり、生き生きした本来のポジションの姫花にほっとして。

 やっぱ花組好きだと再確認。

 でもってスカステニュースのあきらに見とれる日々……。マジかっけー。やばい。絶対やばいよあの人。見ていてどきどきする。←
 よかったね大野せんせ!

 念願の、大野×きりやん、オリジナル作品!!(かけ算表記はよせ)

 却下されても却下されても、企画を出し続けた甲斐あったね、大野くん!
 ……てのは、わたしの妄想ですが(笑)。

 なまじっか、大野せんせのきりやんドリームについて書いたあとだったからさあ。http://koala.diarynote.jp/201107292113489418/

 創造者と表現者の幸福な出会い、両想い状態ってのは、1観客としてもわくわくする。
 役者に惚れ込んだ演出家が、その役者のために書き下ろした渾身の作品ってのを、観てみたいじゃないか。しかもその演出家が才能ある人であればなおのこと。

 マサツカとのんちゃんとか、オギーとコム姫とか。
 幸福な出会いは、観客をも幸福にする。
 オギーとトウコは劇団の阿呆のせいで観られなかったが、大野くんときりやんは間に合った、観られるんだ。

 それがうれしい。
 すごくうれしい。
月組
■主演・・・(月組)霧矢大夢、蒼乃夕妃

◆宝塚大劇場:2012年2月3日(金)~3月5日(月)
◆東京宝塚劇場:2012年3月23日(金)~4月22日(日)

ミュージカル
『エドワード8世』-王冠を賭けた恋-
作・演出/大野拓史

ブリリアントステージ
『Misty Station』
作・演出/齋藤吉正
 んで、わたしはやっぱり、きりやさん好きなんだなと実感した。
 次回の月組大劇場公演の演目と演出家が発表になり、この顔ぶれがうれしくてならないのと同時に、予感を持って「ああ、もっときりやんを見なければ」と思った。
 ビジュアル面での旬は過ぎてしまった感があるので、ビジュアル命のタカラヅカである以上、彼がほんとに若い、少年時代から愛でてきたモノとしてはちょい切ない部分があったんだが。
 それでも、彼との別れが迫っているとしたら、それは寂しくて切なくて仕方がない。

 や、先のことなんかわかんないけども。

 ただ、大野×きりやんなら、間違いなく素晴らしいモノを見せてくれる、観客を幸福にしてくれると期待している。

 そして。

 大野せんせ、きりやんドリームは自重してくれ。と、心から思う(笑)。
 きりやんを絶世の美少年だと信じ続ける大野くんのドリームは素晴らしいと思うけど、なまあたたかく見守ってるけど、でもいい加減になんつーかあのー現実をだなあ……きりやさんの芸風とキャラはソコぢゃないっつーかだなあ……頼むよタクジィ。


宙組
■主演・・・(宙組)大空祐飛、野々すみ花

◆中日劇場:2012年2月1日(水)~2月24日(金)

ミュージカル
『仮面のロマネスク』
-ラクロ作「危険な関係」より-
脚本/柴田侑宏 演出/植田景子

ファナティック・ショー
『Apasionado!!II』
作・演出/藤井大介

 『仮面のロマネスク』キターーッ!!

 わたしは柴田せんせの古い古い再演作品は苦手な人間ですが、柴田作品がすべて嫌いなわけではありません。古いのがダメなのよ。時代に合っていないんだもの。
 柴田先生の晩年作品、歴史区分で「現代」に分けていいあたりの作品には、いろいろ好きなモノがあります。
 『仮面のロマネスク』は、わたしのなかでは「柴田せんせの最後の佳作」だと思っています。これ以降はもう無理、創作者としては終わってしまったという認識。(『黒い瞳』『激情』『凱旋門』は佳作だが、柴田作品ではなく、わたしの中では謝作品分類)

 今『アルジェの男』を観ていて、『仮面のロマネスク』とのかぶりっぷりが気になるけれど、『アルジェの男』の方が先だったわけだから、古くからのヅカファンならば『仮面のロマネスク』を観て「『アルジェの男』とかぶりまくりだわ」と思ったのかなあ。
 『アルジェの男』はオリジナル扱いだけど、『赤と黒』が根っこにあるのは周知のことだろうし、『仮面のロマネスク』も原作がある。
 原作がどうあれ自由に料理していいのが創作、柴田せんせは同じモチーフを使って何度も書く人なんだろうな。きっと他にも似た作品がいろいろあるんだろうな、わたしみたいな昭和を知らないヅカヲタにはわからないことだけど。

 ゆーひさんの超色男、しかもコスプレで!!を期待しています。
 上着を脱ぎながらの「次はセシルだ」が楽しみでなりません。

 ただこの話、いいのは男役はトップのみ、2番手以下みんなしどころがないんだよね。
 2番手役はただのまぬけだし。3番手は出番もろくにないおっさん役だし。そーゆーとこも『アルジェの男』とかぶるよなあ。

 あのまぬけ男の役を演じるみっちゃんは見たくないなあ……。みっちゃんの気のいい田舎モノ役はもういいよ……本気の二枚目をやらせてやってくれよ……。
 ともちんのヒゲ男も想像がつく……。またか、的な役と立ち位置。
 いや、このふたりが中日組とは限りませんが、テルがバウである以上みっちゃんが中日だろうし、ともちんは博多に出てなかったので今度はこっちかなと。(でないと『Apasionado!!II』の主要部の顔ぶれがまったく同じになってしまう)

 あと、トゥールベル夫人はえりちゃんで見たいです。あの薄幸オーラは絶対えりちゃん!!

 ただ、ショーが『Apasionado!!II』なのがしょぼんです。無印時代から、好きじゃないんだよ。そして、誠意のないアレンジをされた『II』にもしょぼんだったんだよ。
 しかもこのままだと男1、2、娘1は同じ顔ぶれっすよ。再演の再演でキャストも同じじゃ途方に暮れますわ……。

 中日の楽しみは、圧倒的に芝居の方だなー。


 かなめくんのバウと花組の大劇場公演は、苦手な演出家作品なのでテンションが上がっておりません……。
 観ればきっと楽しめると思う、作品はどうあれ、ジェンヌの力で。
 らんとむさんでショーを観られるのはうれしいし。

 イシダせんせはもう仕方ないけど、原田くんは若いんだからさー、もう少しなんとかならないんだろうか。これから芸風が変わってくれるといいな。


 あと、これは今年のラインアップだけど、『タカラヅカスペシャル2011』も発表になってたか。
 そっか、雪組出ないんだねえ。
 こーゆー全組モノのイベントに、贔屓が出ないと寂しいっすね。や、それはめずらしいことじゃないんだけども。

 雪組出演は現時点で未定だけど、まっつが出る可能性は、キムくんとちぎくんにかかっていると思う。
 まっつの立場では、雪組代表として出演させてはくれないだろー。まっつより上のポジションの人が出るならば、まっつも出られると思う。去年の『タカスペ』で、まさおが出演したからこそ、そのかが出られたみたいなもんで。
 去年のまさお、その前のまぁくん、その前のキム、と、劇団推しの人しか「組の代表です」と全組モノのイベントには出してもらえないもの。
 まあともかく、出演してくれるとうれしいけどな。花組のみんなと並んだところが見てみたいっす。
 雪組生1周年記念も兼ねて。
 腐った話ですまん。

 やっぱりジュリアン@きりやんとジャック@まさおは、なんかあったかなあ。
 と、『アルジェの男』2回目の観劇で思ったのことよ。

 しかしどっちがどっちよ、つーとやっぱし、ジュリアン受になるなあ。
 わたしは大抵まさお×きりやんなんだよなあ。まさおは最近受化の一途をたどっていて、昔のやんちゃぶりが嘘のようなんだが、それでもきりやさん相手だと攻キャラかなあ。ヘタレ攻だけどな(笑)。

 ジャックの空回りぶりと、ジュリアンのなんか「耐えてます」ムードが倒錯的でな(笑)。
 ぶっちゃけ、ヒロインのはずのサビーヌ@まりもちゃんとより、ジャックとの間に「過去の恋愛関係」を感じてしまう。
 ジュリアンの「ジャックとのことは黒歴史、なかったことにしたい」様子と、ジャックの「あんなに愛し合ったじゃないか、忘れたのか灼熱の日々を」と言いたげな様子がねー。
 無駄にリアルというか(笑)。

 ジャックに、「君はどこに」@『スカピン』を歌って欲しい。
 「マルグリット」の部分を「ジュリアン」に変えて、「少女」を「少年」に変えて。

 んで、「謎解きのゲーム」を、ジュリアンとジャックとボランジュさん@リュウ様で歌って欲しいですな。
 パーシー@ジュリアンの夫……もとい、公式パトロンのボラ様、マルグリット@ジュリアン、ショーヴラン@ジャックで。

 ジャックはジュリアンに過去の関係を盾に取って「ボランジュを陥れる手伝いをしろ」と言い、ジュリアンは「そんなことはできない、でも……」と苦悩。

 まんまハマり過ぎてて、ちょっと嫌(笑)。

 ジャックのわけわからなさと病的なところが、ツボであるらしい。
 あと、服のセンスが悪いところと、小物感バリバリなところと、結局ジュリアンのこと好きそうなところが。
 こいつキモチワルイ!感じが、かえって好ましいというか、気になってしょーがない。
 これでジャックが不細工ならただのウザ男だが、なにしろ美形なので(笑)、すべて許せるというか。

 ショーヴランがマルグリットを「俺の女」と思い込むような日々があったように、ジャックにもジュリアンを「俺の子猫ちゃん」と思い込むような蜜月があったんだと思う。
 ふたりがさらに若く、あんまモノ考えてなかった頃に、うっかりデキあがっちゃったんじゃないかな。
 ジュリアンは早々に軌道修正したけど、ジャックはいつまでもそこで立ち止まっているというか。

 最初のアルジェの酒場でも、ジュリアンに声を掛けるのはジャックなんだね。「こっち来いよ」って、自分のテーブルに呼ぼうとする。
 (ジャックや仲間たちを捨てて)パリへ行く夢で意気を上げるジュリアンの話を、暗い瞳で聞いていたかと思うと、言いがかりか嫌がらせとしか思えない賭を持ちかけるし。……ナニ、仕返し? 自分を軽んじるジュリアンへ?
 そしてジュリアンが掏摸に失敗し、ボランジュに捕まったときは喜んでいる、彼が投獄されることを見越して。……刑務所へ入ればもうパリには行けないから? この街にずっといるから?

 ジャックのジュリアンへの絡み方は「好きな子に意地悪する男子」そのまんまだ。
 いつもいつも、ちょっかいをかけるのはジャックの方。

 んで、ジュリアンを追いかけて、ジュリアンの女だったサビーヌとパリで暮らしているし。
 ジュリアンのことをずっとストーカーしていたらしいし。ジュリアンがサビーヌの店に現れたとき、ジャックもまた現在のジュリアンのことをよーっく知っている様子だった。
 サビーヌはジュリアンに近付くまいとしているのに、ジャックは機会が出来れば嬉々として会いに行くし。
 恥ずかしい男だなー。

 このジャックとジュリアンの関係で、ナニがイイかっていえばもう、ジュリアンが心底嫌がっていることですよ!!(笑)

 ここまでヒロイン(笑)に嫌われるダーリンもめずらしい。
 で、ジャックの方はそこまで嫌われているとは、思っていないところがもお、萌えですな!(笑)
 つい苛めちゃってるけど、俺の本心わかってるよな、オマエだってほんとは俺のこと嫌ってないよな的カンチガイぶりがもお、ステキ過ぎる。まさにショーヴランだろオマエ。


 もしもジャックが殺されず、サビーヌとジュリアンが駆け落ちをし、アンリ@みりおがジュリアンを撃ち殺したとして。

 そのアンリがアナ・ベル@みくちゃんの墓の前に報告なんぞに行ってるときに、同じよーにジャックがアンリを射殺したと思います、冷徹に。

 うわソレ観たい(笑)。
 ジャック、愛の絶唱。


 ところで、ジュリアンを射殺するアンリがステキ過ぎます。
 みりおくん、笑ってるもんよ。うっすらと。
 こえええ。アンリこええ。
 みりおくんがあの甘い美貌でドSに徹すると、ものすげーこわいっす。
 ショー『Dance Romanesque』面白かったー!

 ドラマティックな物語が続き、すげーお得感。
 ほらわたし、雪全ツでドラマのない、「えんえんだらだら続く中詰め」だけで構成された三木ショーをリピートしまくってたもんだからさあ。
 んで、次に観たのが宙組稲葉くんの「メリハリはどこに?ショー」だったからさあ。
 きっちりと線引きした、濃い場面をぴしっぱしっと見せてくれた中村Aに拍手。『ミロワール』といい、中村Aはショーの方がイイよ、芝居より。

 オープニングから客席降り! 楽しい、テンション上がる。
 銀橋の階段が、いつもとチガウから期待しました。客席降りがある場合、銀橋に階段が設置されてるんだけど、通常はセンター通路にしかないの。「SSに坐る金と甲斐性のある人間しかお呼びじゃないんだよ」っつーかね。ムラのセンター通路の両脇はSSだからねー。
 なのに今回はサブセン通路にまで階段が設置されていて。サブセンまで客席降りアリ、2階席もアリ!
 大盤振る舞い!

 でもって、もりえのドラキュラ伯爵!!
 ちょ……っ、かっけー、すげーかっけーっ!!
 あのスタイルで黒燕尾+赤裏マントっすよ。
 まさおさんのかわいこぶりっこも見どころです(笑)。
 わたしとしては、もっとがっつりもりえ×まさおが見たかった。女子スルーして、まさお口説いてくれよもりえ伯爵様。

 んで、まさかのファントム登場。

 いやその、「ノートルダムの鐘」なんですけどね。
 でも、顔半分に仮面のような模様付きで背中の曲がったカジモドさん@きりやんは、エリック@『ファントム』のイメージというか。やっぱエリックもこれくらいの容貌は物語的に必要なんじゃないかとか。
 しかも、歌ウマ。やっぱりエリックだわ!

 このエリック……もとい、カジモドさんとエスメラルダ@まりもちゃんの物語がイイ。
 ジプシーの花形として輪の中心で華やかに踊るエスメラルダ、蔑まれながらも彼女に花を送ろうとするカジモド、醜い彼にも優しいエスメラルダ……。

 わたしのアタマの中にはつい、脳内が画面焼けするほどリピートした『エンター・ザ・レビュー』の「ラ・ムール」がね……。「愛しのルイーズ♪」「うれしいわ、私もみんな好き♪」が浮かんでしまってね……。
 カジモドを退けてエスメラルダと踊るとしくんに、アレキン、キターっ!! よりによって宇月くんがアレキンかよ!(笑)と、ツボに入っておりました。いやその、らんとむさん演じるアレキンの濃さと赤面具合といったらね……以来アレキンってのは笑いツボ直撃でね……。
 で、アレキンはらんとむなのに、何故かわたしの中でルイーズは彩音ちゃんで、彩音ちゃんが人形みたいな美貌と能面具合(笑)で、ピエロ@オサ様の差し出したパラをポイ捨てしてアレキンにむしゃぶりつくのが焼き付いていて。
 ルイーズに比べて、エスメラルダ優しい!! と、関係ないことで感動。

 で、出ました悪役専科マギー!! 芝居に続いてショーでも悪役。ともちんみたいなポジだよなあ。
 マギーがほんとに悪そうで、強そうで。
 繰り広げられるドラマをドキドキはらはら見守った。

 この「ノートルダムの鐘」場面だけでもすごい見応えあった。

 どう決着付けるのかと思ったら、ラストは微妙……つーか、笑う人と感動する人と両方いそうなので、演出変えて欲しいナリ……。その、オスカルが突然ペガサスに乗って現れたら感動する人と爆笑する人に分かれるとか、そーゆー意味で。
 やりたいことはわかるんだけど、直球過ぎて、三次元ではつらい……。

 ラストで肩を落としたとはいえ、十分楽しかった「ノートルダムの鐘」が終わると、次はがらりと雰囲気が変わって、アイドル男子勢揃いキターっ!!
 みりおくんを中心に、若手スターたちがけっこうな人数登場。7人とか9人とか、ずらりと1列になる人数。
 宇月くん、ゆりやくん、まんちゃん、ゆうきくん、たまきちがいたのは覚えてる。

 ちょ……っ、みりおくんみりおくんみりおくん!!
 なんかすげーかっこいい。きれい、男っぽい。
 この公演、突き抜けてかっこいいです、ステキです彼。
 元気いっぱい歌い踊る月男たちのセンター、発散するキラキラオーラ。
 この場面たのしい。
 みんな格好良くて、どこ見ていいかわかんない。

 所詮カーテン前、な場面なのに、すごいわくわくする。
 そして銀橋、キザりタイム有り。
 若者たちが銀橋に出て、好きなだけ客席を釣りまくるという……。

 これって重要。
 男の子たちは、若いウチからコレ、経験すべき。どこの組でもやってくれ。

 宇月くんがマジ二枚目。なんか色気もあってドキドキする。
 まんちゃんも見るたび美貌が上がってる気がするんだが、さらにステキになってる。

 しかし個人的に、銀橋でキザりまくり、一本釣りしまくっている様子のゆりやくんにツボる……!
 ゆりやくんが、あの顔であんなことを……!!
 いや、彼はあんな顔してて実は肉食系なのかもしれないけど、やっぱりあの顔であんなことをされると……っ、おばちゃん悶絶しちゃうわー。
 (ゆりやくんの「あんな顔」については、過去日記参照。http://koala.diarynote.jp/200906131728351466 フランツとルキーニって。@新人公演『エリザベート』)

 中詰めはふつーに楽しく盛り上がって。
 てゆーか聞き覚えのある曲ばっかで入りやすい。中詰めだけでなく、全体的に。

 でもってクライマックスのカモメ群舞。
 なんか切ない導入で、『アルバトロス、南へ』を意味もなく思い出した。カモメとアホウドリはまったくチガウのにね。
 みんな同じ白っぽい衣装での群舞って、わたしは結構苦手で漠然と「クライマックス場面がコレかあ、長いと退屈になるんだよなあ、やれやれ」とか、引いたキモチで観ていたのに(実は月前作の「ユニコーン」がすごく苦手だった。またコレ系がショーのこの位置かよ、と思った)……どんどん、引き込まれた。

 てゆーか。
 泣いた。

 自分でもびっくりだ、どーしちゃったんだ。

 いつもなら点呼に必死になるのに、そんなことも手放して、ただもお「物語」を観ていた。
 群舞を、全員を観ていた。
 そして、きりやんを、見ていた……。

 まりもちゃん休演部分では、萌花さんがセンターを務めていて、彼女がどうということではまったくないけれど、いっそ若手抜擢とかしてくれた方が今後の月組にとって面白かったんじゃないかなと思った。
 とゆーのも、彼女の横で踊るちゃぴちゃんの鍛え抜かれた背中がねえ……(笑)。この子に娘役スター修業させても良かったんじゃあ……。

 まさおが単独2番手として何度も銀橋渡っていたし、番手がすっきりするのはタカラヅカ的に落ち着くので良いことだ。ヅカのルールは守られている方が好き。

 まりもちゃんもがんがん踊っていてかっこよくて、きりやんも安心のショースターぶりで。

 最後までずーっと楽しい作品だった。
 また観たい。
 『アルジェの男』、ストーリーについての感想、続き。
 その、わたしは柴田せんせの古い古い再演作品がとーーっても苦手なので、つまりはそういう感想です、はい。

 ジュリアン@きりやんを「女を利用して成功する」男とするならば、キャラクタの設定バランスをかなりいじらなきゃだわ。

 まず、世の中的に「女を利用して成功する」のは、潔くないこと、悪いことだとされている。「成功する」のは、本人の才能や努力であるべきだからだ。
 でもこの作品のポイントは、その「悪い」ことをする主人公を「かっこいい」と描くことにある。悪い色男は女性には魅力的であり、観客の大半が女性である宝塚歌劇団には正しいヒーローだからだ。

 「悪い男」は格好いいけれど、そもそもなんでそんな「悪い」とわかっていることを主人公はするのか?
 「成功するため」というが、主人公自身が才能にあふれているならば、女に頼る必要はないだろう。自分ひとりの力では出世できないから女を利用するってことだ。
 これは主人公の「魅力」という面でマイナス。女を抱く以外に取り柄のない男、というレッテルはヒーローに相応しくない。

 主人公には才能がある。実力がある。だが、なんらかの理由・障害があってそれを発揮できない。
 障害を乗り越える手段のひとつとして、女を利用する。……これが、本来の『アルジェの男』、作者が書きたかったジュリアンと女たちの関係だろう。

 だが、この物語のおかしなところは、主人公が才能を発揮できない障害が存在していないことだ。

 たとえば人種や宗教、身分、性別などで絶対に出世できない、成功できない、という場合がある。
 お貴族様しかえらくなれない時代と国で、平民の青年はどんなに才能があっても政治の要職に着くことはできないだろう。肌の色や民族、宗教で差別された時代と国でもそうだろう。
 そんな風に「絶対に、正攻法ではどうすることもできない」場合に、裏技として色事でのし上がるのは物語としてアリだろう。

 しかしジュリアンにはそういった絶対的な障害はない。
 その優れた才能を見抜かれ、ボランジュさん@リュウ様という保護者がしっかり彼を守っているからだ。
 ボラさんはジュリアンがアルジェでちんぴらをやっていたことを全部知った上で、才能のみで彼を評価し、盛り立ててくれている。
 ボラさんがいる限り、ジュリアンの能力はいつも正しく評価され、出世するしないは彼の実力と等しく、不当な扱いなど受けていない。

 この状態で何故、女を利用する必要がある?

 「女を利用して成功する」というテーマを貫きたいのならば、パトロンなんぞ持っちゃいけない。
 ボラさんは狭量なアホ親爺ってことで、ジュリアンを生まれ育ちだけで差別し、不当に貶める存在でなければならない。
 でもボラさんの権力を必要とするジュリアンが、娘のエリザベート@りっちーを誘惑する、という流れ。
 またボラさんがそんな人だから、ジュリアンは他にいいパトロンがいないか虎視眈々としていて、シャルドンヌ夫人@邦さんにコナを掛けられたらひょいひょい乗り、アナ・ベル@みくにも手を出しちゃいます、てな流れにしないと。

 ボラさんがいい人である以上、そんな彼の元で出世できないジュリアンは「無能」ってことになる。能力がないから出世できない、仕事で評価されるのはあきらめて、娘婿になることを選びました……ってか。これならたしかに「女を利用して成功する」わけだが、無能な男はヒーロー失格。

 ボラさんの能力や人格を落とすことでジュリアンを上げるか、ボラさんを上げるためにジュリアンを落とすか。
 二者択一ですよ。

 なのにこの物語は、ボラさんもいい人、ジュリアンも才能ある人、とダブルスタンダード、設定が破綻している。

 女を新たに口説く必要もないのに、わざわざ口説くのはただの「ファンサービス」。
 ほーら、こんな悪い男、女は好きだろ?
 という意味っすか?

 成功するために女を利用する男は悪の魅力があるとしても、「ファンサービス」で女を利用する男はわけわかんないっす……。

 ジュリアンがナニをしたいのか、わかんない……。

 エリザベートと結婚するのは、リーマンには「よくあること」なので変じゃないし、コレは別に「利用している」ほどのこともないしな。
 ジュリアンに現在進行形の恋人がいて、エリザベートと結婚後も変わらずにつきあい続けるならたしかに「利用する」に値するが、恋人ナシで独身だったんだから、別になにも悪くないよなあ。
 元カノのことを内心引きずっているとしても、それは別に裏切りにも浮気にもならないし。元カノも、別の男と5年間も暮らし続けているわけだしな。

 アナ・ベルに何故手を出したのかは、本気でわからん。
 ジュリアンは彼女に惹かれている風でもなかったし、ボランジュさんというパトロンがいるので、出世という意味ではエリザベートで十分、アナ・ベルの出番はない。
 実際、エリザベートを選んでアナ・ベルは一顧だにせずうち捨てて悔いナシ、だったわけだし。
 その程度の女の子に何故……。
 やはり、作者の脳内都合、「その彼に心惹かれ、悲しい運命を辿ることになる三人の女性たち。」という設定がまず最初にあって、ソレに合わせてキャラや物語を捏造した、ように思える。
 「死んだから悲劇」という、簡単な設定のために、なにがなんでもアナ・ベルを登場させ、ジュリアンに手を出させ、彼女を自殺させねばならなかった。
 んで、最終的にジュリアンが非業の最期を遂げる、という、これまた「死んだから悲劇」という、オチ優先のためだけにストーリーやキャラクタが用意されたっていうか。

 ヒロインであるサビーヌ@まりもに至っては、かなりアレなストーカー女だし。
 いや、彼女の歪みや弱さは魅力的だと思う。変な人の方がフィクションでは愉快だったりするから。
 サビーヌがアレな女になっているのは、ねちっこい描き方にあると思う。
 「言いたいことと、言っていることが別」であることを、大劇場クラスの箱で表現すると、あんなウザい演技になるわけだ。
 これがバウホールならば、「本当は愛している。そばにいたい。でも、彼の足手まといになりたくないから、あえて離れる」「でもやっぱり近くにいたいから、追っていってこっそり様子を眺めている」というサビーヌのキモチと行動を気持ち悪くなく表現できたんだと思う。

 ジャック@まさおとサビーヌは、もっと掘り下げて描くこともできるキャラクタなのに、すげー半端な描き方だから、なんともキモチワルイことになっている。

 ジャックの執着になんの決着も答えもないまま、彼の物語はその死で終了。
 そしてジュリアンの突然の心変わり。
 ジャックとサビーヌをもっとちゃんと描いてくれていれば、カタルシスになるだろーに、なんだこの杜撰な展開は……と、思っていたら、怒濤のラスト。

 なんつーか、「ファンが喜びそうなシーンをてきとーにつなぎ合わせてみました」感満載っす……。
 場面場面はアリかもしんないけど、何故その場面になるのか、心のつながりや心の動く理由が、すげーいい加減。
 ヅカファンには「ヅカファン脊髄反射」ってのがあって、この台詞を言われたら勝手にこう脳内補完して解釈するとかパターンが決まっている。それを利用した作りに思える、『アルジェの男』。ヅカヲタの脳内補完に頼った、杜撰な作り……。辻褄合ってないけど、萌えな場面があるからヨシ、みたいな。
 でも、その萌えな場面の描き方が、古い……。

 現代的な作りならば、わたしの単純なヅカヲタ脳がいろいろと脳内補完したんだろうけど、柴田作品の古さはわたしの脳内麻薬を出すに至らず、とても冷静に「そりゃないやろ」とツッコミまくりっす。

 つーことで、ジュリアンさんがわかりません……。
 結局ナニをしたかったんだ、あの人。

 主人公の人格や行動は理解できないけど、作者の都合や計算は見える。
 なんつーか、しょぼんな作品だ。
 ほんとにコレ、名作なんですか。名作なのよね。なにしろ柴田作品だし。柴田作品は名作というのが前提だもんね。
 『アルジェの男』、ストーリーについて感想。
 その、わたしは柴田せんせの古い古い再演作品がとーーっても苦手なので、つまりはそういう感想です。


 実のところ主人公のジュリアンさん@きりやんって、よくわからない。
 ナニがしたいんだか。
 「努力しないで出世する」はずのフィンチがものすごーく努力家で、仕事と真摯に向き合っている……ために起こる居心地の悪さ、それをジュリアンにも感じる。
 公式ページには、「野心を抱き、自分に心を寄せる女性を利用してまで成功への道を駈け上がろうとする青年の姿。青春はその輝きの裏に残酷な翳りをともなう。」とあるんだけど、ぜんぜんぴんとこない。

 ジュリアンってさ、別に女性を利用してないよね?

 自分から女に近付いて口八丁手八丁、騙してエロしてメロメロにしたわけじゃないよねえ?
 ジュリアンを欲する権力者たちが「ジュリアン、オマエが欲しい。娘のエリザベート@りっちーをやるから、息子になってくれ」とか「ジュリアン、アナタが欲しいの。姪のアナ・ベル@みくをあげるから、我が家へ来てちょうだい」とか言い出して、提案を受けただけだよね?
 自分からやってないよねえ。
 遊び半分に女を抱くことも捨てることもしない、生活はストイックで勤勉。努力努力、ひたすら努力の人。
 女を利用する必要なんかどこにもなく、ふつーに仕事面の優秀さだけで出世している。
 なんでわざわざ「自分に心を寄せる女性を利用してまで成功への道を駈け上がろうとする」という設定なんだろう? 女を利用してないのに。
 最初にボランジュさん@リュウ様がジュリアンを雇うとき、「娘との結婚が条件だ」と言い出したとか、ボランジュさんちで働くためにまず娘を口説いて口添えをさせたとかなら、「利用した」になるかもしれないけど。
 ボランジュさんに雇ってもらったのは、あくまでもジュリアン自身に見どころがあったからで、その後彼が出世したのも本人の能力だよねえ?

 アルジェにいたときの恋人サビーヌ@まりもを捨ててはいるけれど、それは彼女が勝手に身を引いたせいもある。ジュリアンがひどい捨て方をしたわけじゃない。合法的に別れているだろ、あれは。

 サビーヌは終始一貫「アナタの邪魔になりたくないの」という後ろ向きな女で、いつもいい子ぶってやせ我慢ばかりしている。
 この女じゃ、捨てられても仕方ないと思うよ。
 「オレはこのままでしは終わらない。いずれパリに行ってビッグになるんだ」てな、ありがちな夢を語る男に、「わたしもついて行く」と言わない。「別れたくないなー、一緒にいたいなー」というオーラをゆんゆんと出しながら、自分からはナニも言わず黙ってじーーっと見つめているタイプ。
 なりふりかまわず、「愛してるの、そばにいて!」と言えばいいのに。泣いてすがればいいのに。
 ジュリアンはまともでやさしい男だから、本当に愛している女にそう言われたら、あっさりパリには行かないと思うよ。もしくは、大真面目に雇い主のボランジュさん相談するとか。結婚を誓った相手がいる、パリへは夫婦で行ってもいいか、とか。
 ボランジュさんはジュリアンが独身かどうか確認せずに雇うことを決めている、つまり雇用条件とは無関係、最初から女房持ちだと言ってあれば、それごと受け入れてくれただろう。
 サビーヌははっきりしない。自分の気持ちをなにも言葉にはせず、重苦しい「私、耐えてます」オーラだけは恨みがましく発散する。
 これじゃ男も逃げるわ。どうすることもできないじゃん。

 で、この「自分からはナニも言わず、要求オーラだけ出す女」の特徴である、ストーカー行為。
 ナニも言わずに追いかけて引っ越しまでし、近くに住みながら男を監視し続ける。
 で、このテの女の特徴その2、依存体質なのでひとりでは暮らせない、別の男にしがみつく。ひとりで慎ましく待っていたりしない。

 ジュリアンは「女を利用している」というより、「女に騙されている」感じなんだよなあ……。
 サビーヌは不幸陶酔タイプのストーカー女だし、エリザベートは自我肥大タイプの女帝だし、アナ・ベルは許容量の少ない短絡思考少女だし。
 公式ページには「その彼に心惹かれ、悲しい運命を辿ることになる三人の女性たち。」とあるけど、「貪欲な三人の女たちに求愛され、哀しい運命をたどることになるひとりの青年。」が正しいと思うわ。
 つか、ジュリアンが女運悪すぎて切ない……。まともな女はひとりもいないのか。

 書き方の問題だと思うけどね。
 この脚本が書かれた40年近く前なら、なにかしら共感のある女性たちであり、主人公だったのかもしれないけれど、現代からするとツッコミどころ満載。
 最初から変人として描かれたエリザベートがいちばんマシってどうなの。
 『アルジェの男』感想続き。

 アンリ@みりお、かっけー!!

 出番の少ないみりおくんを、なんか久々に見た気がする……(笑)。
 なかなか出てこないんだけど、出てくるたびに「二枚目キターッ!」って感じ。
 髪型といい、目元きりりのメイクといい、なんかすごく好みです。美しいです。

 ジュリアン@きりやん中心であらすじを、結末を伏せた状態で書くと、アンリは登場しない。(例・前日欄)
 だけどいい感じに要所要所で登場するんだ。

 アナ・ベルお嬢様@みくちゃんの話し相手で、お嬢様ラヴなんだけど、「いい人ね」で終わってしまう人。

 ねえねえ、わたしこのクソ古い『アルジェの男』という話を観ながら思ったの。
 もしも、この話を好きにアレンジしていいなら、アンリ@みりおは、執事にする!!

 シャルドンヌ侯爵家の執事で、盲目のアナ・ベルお嬢様に仕えているの。
 執事がお嬢様LOVEを大っぴらにできないからあえて黙しているんだけど、そんなの観客はみんなお見通しだぞっと。
 今と台詞も衣装も演出もほとんど変えず、違和感なく執事に変更できる。
 最初の士官様登場もそのままでいいよ、そのあと執事として就職しました、ってことで。や、士官ネタは無意味だから無くして、最初から執事でもいいし。

 ハンサムで優しくていい人なのに「問題外」とスルーされていたり自分から告白できないヘタレだったりするより、「執事だから」でスルーされていたり自重していたりする方が、説得力あるじゃん。
 観客にも立ち位置がわかりやすいしさー。

 まあ、妄想はともかく。

 アンリくんの、あの押さえた感じがとても新鮮で良かったっす。

 でもって、なんつってもラスト。
 ブラックみりお!!

 ステキ。超ステキ。
 こわいよー。

 この作品で悪というと、ジャック@まさおなんだけど、彼はぜんぜんこわくない。むしろオモシロキャラだ。
 それに比べ、アンリってばマジこわい。冷え冷えとしたところがたまりません。

 これから芝居が深化するにつれ、まさおさんがますますイッちゃった変な人になり、みりおくんがますます清廉潔白でキレるとこわい人になるといいな。
 面白いわ、このふたり。


 サビーヌ@まりもちゃん、初日前日に部分休演のお知らせが出て大丈夫なのかと心配したけれど、がんがん踊りまくっている。

 ケガしてるって書いてあるのに、そんなに踊っていいの、痛いんじゃないの、つらいんじゃないの……と、最初はどきどきはらはらだったし、時折ふとそのことを思い出しては、うわー、と思ったけれど。
 観客にそんなことを思わせたくないんだ、と、がつんがつん踊るまりもちゃんを観て思い知る。
 舞台裏を想像して勝手に心配するよりも、素直に今彼女が作り上げているものに酔う。

 いやあ、ナマ腹には感動しました……。
 あの縦に筋の入った腹……! マンガやアニメでしかお目に掛からない、美しい女性の腹だー。

 サビーヌもまた、一見けなげだが実はかなりアレな女性で、変人のジャックとお似合いな人なんだけど、まりもちゃんはアレなことに気付かせない、けなげな演技でした。

 線の細い人がやっていたら、さらに痛いキャラになっていたと思うんで、まりもちゃんの骨太肉厚な感じが救いになっているんだと思う。


 エリザベート@りっちーは3人のヒロインの中で「個性の強いキャラクタ」という位置づけだから、得意分野が生きた感じ。

 アナ・ベル@みくちゃんは、妹キャラだとかわいさ何割増しになるなと改めて感じた。妹キャラ、いいよなー。

 しかし、アナ・ベルのソロ、唐突かつ長すぎて『悲しみのコルドバ』のアンフェリータを思い出した……。
 突然舞台にひとりでえんえん歌いまくるくらい重要キャラなら、それまでにそれらしい描き方があるだろうに……と、演出の不自然さにびびる(笑)。
 あからさまな「泣かせ」目的で、ちょっと引くというか。
 柴田せんせってこーゆーのがあるよなあ。時代のせいかもしれんが。

 3人のヒロインも、一見ふつーという設定だけど、その実みんなかなりいろいろとええっとな人たちで……ジュリアン、大変だな。
 そこへさらに、ジャックも加わるから、公式ヒロインは4人か。
 あとは脇扱いだけどボランジュさん@リュウ様とかシャルドンヌ侯爵夫人@邦さんとかミッシェル@もりえとか立役を入れたらもっと大変か。

 アンリ@みりおは「ジュリアン争奪戦」に加わってはいないけれど、実はいちばん強烈なアプローチをかますわけだしなー。

 この古い古い物語を、自由にいじっていいなら、もっと面白くできるのにね。
 まあとにかく。
 月組公演『アルジェの男』初日観劇。
 感想いきます。

 ジャック@まさおが、変な人だった。

 いや、なんちゅーか……。
 幕が開いて痛感したのは、古い時代の作品なんだってこと。
 台詞回しとか、現代ぢゃねえ……。
 物語の年代がどうこうじゃない、現についこの間までやっていた『ファントム』だって舞台は現代じゃなくロングドレス着用の時代だったけれど、台詞回しは現代だった。
 『アルジェの男』はまさに時代劇。1930年代あたり?のパリとかじゃなく、日本の昭和時代の大衆演劇、という、時代劇。
 わたしはどうもこういう台詞回しとテンポの芝居が苦手らしく、幕が開いて「うわっ、こーゆー芝居なのか、さすが柴田作品パネェな」と冷や汗たらしつつ、慣れるまでにけっこー時間が掛かった。
 いっそものごっついコスプレものなら耐性も付くんだが、ふつーに革ジャン+開襟シャツとか着てる近代物だしな……。

 その独特の台詞回し芝居の中でも、群を抜いてザ・昭和!な台詞回しなのが、ジャック@まさおくんだ。

 他の人の時代劇には、それでも次第になれていったんだが、まさおさんにだけは慣れられない。彼が出てくるたびに、そこに異次元を感じる。

 ひとりだけものすごい台詞回しだから、空気読めない感半端ナイ。もともと変な人なのに、拍車を掛けて、変。

 あとになればもうツボに入ってしまい、ジャックさんが出てくるたび笑えた。ジャックかわいいよジャック。なんて愛らしい生き物なんだ。

 ああ、まさおくんってあのショーヴランを演った人なんだなあ、と思い出した。
 病的で相当変な人だった、あのショーヴラン。
 美形さんなのに、時折みょーなベクトルに暴走する人だ。今回も変でおもしろいぞー。


 んで、ストーリーは。

 ジュリアン@きりやさんLOVE、誰も彼もが彼にフォーリンラヴ!とゆー話でした。
 ガチホモ多すぎです。なにそれこわい。

 アルジェリアの下町で粋がっているジュリアンはみんなのアイドル。
 ジュリアン大好き!な男たちがわんさか。
 その中でもジャックさんは、愛がねじ曲がっているのでツンツンしまくりですが、万事彼に絡まないと生きていけないくらい、ジュリアンに夢中らしい。
 かわいこちゃんのピエール@からんくんも、ジュリアン兄貴LOVE。
 ヒロインのサビーヌ@まりもちゃんがジュリアンLOVEなのは当たり前として。
 男たちの取り巻きを連れているあたり、どこの姫かと。

 ジュリアンの魅力は、若者たち限定ではない。
 アルジェ総督のナイスミドル、ボランジュさん@リュウ様が、ジュリアンに一目惚れ。
 超強引に、脈絡ナシに、ジュリアンを自分の囲いモノにする。
 展開の強引さに、目が点……。キラキラお目々に惚れたとか、恥ずかしげもなく語りますよこのおっさん……。
 慕蘭寿……って、ナニこの変換、ボランジュさんには奥さん@あーちゃんがいるんだけど、この奥さんちょっと電波風味なので、目の前で美少年口説いても大丈夫らしい。

 オレたちのアイドル、ジュリアンが総督の愛人に!! 見損なったよ!! 裏切られた!! ……怒りのジュリアンの親衛隊の前に現れるジュリアンがイイ。
 大野せんせが大好きな、「辱めに唇を噛んで耐えるきりやん」ですな。
 言い訳をせず、黙って嬲られる感じがねー(笑)。

 んで、金と権力でジュリアンを自分のモノにし、アルジェからパリへ連れてきたボランジュさんですが。
 好みの少年を手元に置き、教育し、磨き上げていく。ナニこれ男の夢? 光源氏計画?
 そして彼を半永久的に自分のモノにするための常套手段、自分の娘と結婚させる、ってやつ。息子にしてしまえば、ずーっと独占できるものね。
 つーことで、ひとり娘のエリザベート@りっちーとくっつけようとする。

 プライドの高いエリザベートは父の愛人とくっつけられるのなんか、まっぴらごめん。向こうが自分に夢中ならともかく、興味も持たれていないのに、どうして私があんな男と……!
 と、抵抗してはいたけれど、彼女もやっぱりジュリアンLOVE。父と同じDNAってことですかね。父と娘で同じタイプが好みか、さすがだ。

 んでボランジュさんは、大人のパトロンの余裕を見せつけ、ジュリアンを自由にさせている振りをしてるけど、実はしっかりお目付役を置いている。
 ミッシェル@もりえはジュリアンの同僚、ボランジュさんの秘書官のひとりだけど、ジュリアンの監視役。彼に悪い虫が付かないようにと。きっとジュリアンの行動を逐一ボラさんに報告してるんだろうな。だって、秘書官仲間たち(ボラさんが顔で選んだ美青年ばかり)もみんな、ジュリアン大好きだもんよ。気が気じゃないよな。
 で、このミッシェルはボラさんのお気に入りだけあって、どうやら同じ性癖の持ち主らしい、堂々とジュリアンへ告白タイム。
 客席ぽかーん。

 ボラさんの囲われモノであることに限界を感じていたジュリアンは、ちょっくら反抗期、ボラさんとは別の権力者シャルドンヌ侯爵夫人@邦さんの姪、アナ・ベル@みくちゃんをつまみ食い。
 このままボラさんの手を離れ、こっちでうまくやろうかと思いはしたけど、結局いろいろお得なのはボラさんの娘エリザベートと結婚することだとわかった、のでアナ・ベルごめん、バイバイ。
 だってボラさんは大臣になるってゆーしな。

 さて、ジュリアンを愛しすぎるがゆえに、彼を忘れられない者たちがいた。
 サビーヌとジャックだ。ふたりはジュリアンを追ってパリに来ていた。わざわざですよ、ジュリアンがアルジェを出てすぐですよ。そして遠くから様子を伺っていたそうですよ、ふたりしてどんだけ。
 そう、サビーヌとジャックは、ジュリアンを愛する者同士、傷を舐め合って暮らしている。
 ジャックがサビーヌを抱くのは、彼女がジュリアンの女だからだ。
 忘れられるよりは憎まれた方がイイ、ってことで、ジュリアンの前ではとことん悪なジャック。「迷惑になりたくないの」と泣き崩れるサビーヌ……いや、ストーカーしておいてソレはどうかと。

 ジャックはいつだってジュリアンLOVEだった。折ってたたんで裏返しの愛だけど。
 そして今、大きな仕事が舞い込んだ。そうだ、この仕事ならジュリアンと組める!
 銀橋で「ジュリアンLOVE、ジュリアンのことばっか考えて生きて来たんだぜ(意訳)」と恥ずかしいみょーな歌をイッちゃった目で熱唱してたし。えっと、見ていてとまどうわ、この人変。
 なんかいじらしいほどワクテカとジュリアン口説きに行くんだけど、ジュリアンにとってジャックは過去の汚点、ひょっとしてジャックってジュリアンの元彼かなあ、そーゆー時期もあったのかな、「殺すしかない」と追いつめられるジュリアン、復縁の期待に頬を染めるジャック。

 そんでこっからは悲劇へ一直線。


 えーと。
 すごい話だ。

 ジュリアンってどんだけ美少年設定。
 大野せんせが大好きな、おっさんパトロンが美少年を育て、愛でる話。『更に狂はじ』『月の燈影』『睡れる月』……おっさんパトロンは美少年を愛しているが、美少年はそれをよしとせず、他に愛する人がいる、屈辱を感じながらパトロンに身を任せている……という。

 ちょ、大野せんせ自重しようよ、と思いました、きりやさんドリーム炸裂ぶりに。

 きりやんがすげー真正面から美形やってるし、まさお変だし、まりもちゃんきれーだしナマ腹だし、みりおくん端正だし。
 面白いなヲイ。
 劇団の上演作を決めるのって、どーゆーシステムなんでしょうか。
 まったく知りませんが、今回ちょっと妄想しました。

 前提。大野拓史は、霧矢大夢を絶世の美少年だと思っている。

 ただの美少年ぢゃありません。
 女はもとより、大人の男たちまで惑わす美少年です。耽美キャラです。
 娼婦・小悪魔系ではなく、ストイックで正義の心を持つ美少年です。この心正しい少年が、その美貌ゆえに男たちの餌食になり、されど彼は魂までは堕落することがなく、その清らかさゆえ陵辱に唇を噛んで耐えるのです。

 大野くんの脳内では、そーゆーことになっているんだと思います、霧矢さんのキャラ設定資料。

 前提ですから、事実がどうあれこの認識で読んでください。


 ちっとも演出をさせてもらえないままだった大野せんせ。
 オリジナル作品の企画書を出しても出してもボツにされる。
 劇団のえらい人は言う、「過去の名作の再演なら、演出させてやってもイイよ。企画書を出しなさい」。
 てことで。

「柴田先生の名作『紫子』を再演しましょう! 私が演出します、いや、私にやらせてください!」

「あくまでも、柴田先生の名作を再演するというのが、目的ですよ。柴田先生の作品をこのまま埋もれさせるのは惜しいですから。タカラヅカの至宝ですからね、先生の作品は。偉大なる先生の名作を、私に演出させてもらえるなんて、光栄だなあ、はっはっは」

「やっぱ劇場は中日劇場ですよね、名古屋のお客さんは日本物好きだし。柴田先生の名作は中日劇場向けですよ! あれ? 次の中日劇場公演は、月組ですね。おおっ、トップスター霧矢大夢のプレお披露目公演ですね。いやあ、偶然だなあ、そこまではぜんぜん考えてませんでした」

「霧矢なら大丈夫ですよ、小柄だし実力派だし、絶世の美少年だから、双子の兄妹役を両方とも余裕で出来ますよ。無問題! はっはっはっ」

 と、中日劇場『紫子』を勝ち取り。

「柴田先生の名作『アルジェの男』を再演しましょう! 私が演出します、いや、私にやらせてください!」

「あくまでも、柴田先生の名作を再演するというのが、目的ですよ。柴田先生の作品をこのまま埋もれさせるのは惜しいですから。タカラヅカの至宝ですからね、先生の作品は。偉大なる先生の名作を、私に演出させてもらえるなんて、光栄だなあ、はっはっは」

「企画的に柴田作品を入れられそうなのは、次の月組大劇場公演ですよね。というと、また霧矢大夢が主演の公演ですね。いやあ、偶然だなあ、そこまではぜんぜん考えてませんでした」

「霧矢なら大丈夫ですよ、トップとして充実しているし実力派だし、絶世の美少年だから、3人のヒロインに愛される男の役も余裕で出来ますよ。無問題! はっはっはっ」

 と、今回の公演も勝ち取ったんじゃないのか?


 長年、柴田作品再演時の演出家は中村Aだった。
 どんだけ世の中的に不評でも、柴田作品は中村Aだった。

 大野せんせは2004年にたった一度、『飛鳥夕映え』の演出をしたのみ、柴田作品を任せてはもらえなかった。

 なのに今になって、立て続けに柴田作品の演出。しかも、きりやさん主役。

 この偏り方に、想像力が刺激される。
「霧矢大夢のために、美少年主役のオリジナルを書き下ろしたい!!」
 と熱望する大野せんせ、しかしその企画を却下し続ける劇団。
 追いつめられた大野せんせは「再演でもイイ、とにかくオレに霧矢大夢を演出させろ!」と、きりやんに合った(と、大野せんせが思っている)古い古い柴田作品を倉庫から掘り起こしてくる。
 美少年・霧矢大夢にしか演じられない、女からも男からも熱愛される、美しい主人公の物語を。

 柴田作品とか名作の再演とかは、ただの言い訳で、大野くんがきりやんを好きに書きたかっただけぢゃないの……?

 と、月組公演『アルジェの男』初日を観劇し、痛感しました。

 すごい話でした。

 大野くんの、霧矢先輩へのドリーム炸裂。

 ちょ……っ、大野タクジーったらどんだけきりやさんを美少年だと思ってるの……!!

 大野くんにとって、きりやさんはほんっとにミューズなんだなあ。
 役者として、演出家にこんだけ惚れ込んでもらえたら本望ぢゃないか……?
 いやその、いろいろいろいろ間違ったドリーム抱かれちゃって、そこは大変やなあ、と思うけど……(笑)。


 『アルジェの男』とは、どんな物語か。

 1974年の初演、1983年の再演ともに、観ていません。そんな大昔の話されても……てな。
 ヒロインが3人だっつーのは聞いてました。
 ふうん、主人公モテモテ、3人の美女に愛される話か、と。

 しかし、そんなかわいいもんじゃなかった。
 愛されるのは、ヒロイン3人からだけじゃない。

 出てくる男たち男たち、みんなきりやんにフォーリンラブ。

 きりやんに惚れないのは、もともとストーリー上ちゃんと惚れている相手のいる、みりおとマギーのみ、って……。

 美少年きりやさんの、舞台上100人斬り?!てな展開に、目が点でした。
 次から次へとまあ……。

 大野タクジー、恐ろしい子! またしても自分の霧矢ドリーム炸裂させて!!(白目)


 いやはや、愉快でした。
 いいなあ、大野くん。
 いっそ清々しいほどのドリーミング。

 でも大野くん、君が見ているきりやさんと、現実のきりやさんはかなーり隔たりがあると思うんだ。いい加減、現実の方も見て欲しいんだ。……ダメかな?(笑顔)

 きりやんかわいいよきりやん。
 とりあえず、きりやんスキーなわたしは楽しかった。

 大野せんせとは、居酒屋ででもじっくり語りたいっす……(笑)。
タカラヅカとは無関係な、猫の名前の話。
タカラヅカとは無関係な、猫の名前の話。
タカラヅカとは無関係な、猫の名前の話。
 我が家には、「トコ」という名の猫がいる。

 トコ、もしくはトーコと呼ばれている。
 某トウコさんとは、なんの関係もありません(笑)。

「トウコちゃんファンだからって、猫にトーコって名前付けて!」
 と、友人たちから突っ込まれてますが、濡れ衣ですよ、わたしがトウコちゃん大好きなことと、猫がトーコなのはなんの関係もありません。

 ただの偶然です。(にっこり)

 何故ならば、我が家の王様は母であり、すべての「決定権」は母にあるのです。

 トコに決まったのは、「10月5日に文京区の公園で拾われた猫だから、トーコでいいんじゃない?」とわたしが提案したら、母が「ソレ、いいわ!」と決定したからなの。
 決めたのは母です、わたしじゃない。
 だから、偶然なの。

 母がうんと言わないことは、我が家では通らないのです。
 母はジャイアニズムの権化のよーな人なので、誰も彼女には逆らえないのです。

(最近のジャイアン発言。
「アタシのプリンタが壊れそうなの、寿命だってメッセージが出てるの。1万円くらい負担してあげるから、残りの金額はアンタが出して、新しいプリンタ買いなさいよ。プリンタが新しくなるとうれしいでしょ? そして、アンタのプリンタはアタシがもらって あ げ る」
 突然わたしの部屋にやってきての言葉。
 そう言って、わたしが機嫌良く使っている、わ た し の、プリンタを取り上げようとした。1万円渡されたって、新しいプリンタは買えない、買い換える必要性も感じていないのに、何故いきなりわたしが自腹を切ってプリンタを買わなきゃなんないの?
「だってアタシのプリンタが壊れそうなんだもの」
「それでなんで、ひとのモノを奪うことを考えるの?」
「だってこの前、詰め替えインク買ったばかりだもの。今プリンタ買い換えたら、数千円したインクが無駄になるわ。アンタのプリンタなら同じインクを使っているから、買ったインクが無駄にならない」
「んな自分都合で、他人の持ち物を奪おうとするなっ」)

 トコがトコという名前に決まるまでも、そりゃー大変でした。
 どんな名前を出しても母がうんと言わなくてねー。そして、母が提案する名前は、絶対受け入れられないよーな、とんでもないモノばかりでねー。

 わたしと弟にあるのは、「反対権」。
 それはイヤだ! 認められない! と主張することは出来る。
 だが、「決定権」は持っていない。それを持つのは母のみ。
 おかげでいつも話し合いは泥沼化。


 そして。
 先日、我が家に、新しい子猫がやってきた。

 今までも「子猫いらんかね?」てなお声は何度か掛かったが、もちろん母の気が乗らなかったため却下され続けていた。
 なのに今回は母がすげー勢いで話を進めていた。
 「子猫いらんかね?」の翌日には、もう子猫が我が家にいたもんよ……。

 そして案の定、名前が決まらない。
 母はわたしと弟が「生理的に無理!」と思うようなひどい名前ばかりを思いつく。ここまでセンスのない人もめずらしい……いちおー母はモノカキもやってる人なんだが、とにかく感性がふつーとチガウというか、話していて途方に暮れる。

 子猫がやって来たあたりのことは、mixiの方に書いていたんだが、友人たちはわたしんちの先にいる方の猫の名前が「トーコ」だから当然ヅカ絡みの名前をつけるはずだと無邪気にコメントをくれ……今度こそ「まっつ」って名前つけるよね?てななまあたたかい見守り方をしてくれた(笑)。

 いや、付けないから! まっつなんて……まっつなんて……。

 決定権は持ってない、ソレがあるのは母だけ。母が「まっつ」なんて名前を許すはずがない。
 そう思っていたんだけど。

「ねえねえ、思いついたんだけど、この間見た、タカラヅカのビデオの準主役の人。りょう……なんとかさん? あの親分やってた人」

 母が突然、言い出した。

 わたしは通常、親の家でタカラヅカの映像は見ない。自分の部屋でのみ鑑賞する。
 が、先日『黒い瞳』を親の家のテレビで見ていたんだ。たんに、わたしの部屋のテレビより、親の家の茶の間テレビが大きいから。
 滅多に買わないDVDを、まっつ2番手うれしいよ記念で買って、滅多に買わないだけに大きな画面で見たかったんだ。

 母は他人に興味がない。
 わたしがヅカヲタなのは知っているが、誰のファンだとかはまったく知らない。他人の趣味に興味なんかないのだ。
 わたしも語らない。母にヅカやまっつを語っても人生の無駄だからだ。
 母はわたしがビデオを見ていても、同じ部屋にいても、画面を見ることはしない……基本的に。

 なのに何故かそのときは、一緒になって見ていた。見てくれとは頼んでないのに、勝手に横に坐って、見ていた。
 そして何故か、プガチョフ@まっつをべた褒めしていた。
 わたしは一切解説無し、この人を好きで見ているとかも言わず、ただ母の一方的な語りを聞いていた。

 DNAおそるべし。
 なんの解説もしなくても、同じ人をイイと思うのか。
 ちなみに、今まで母がヅカビデオを見て褒めた相手は、トウコちゃんのみだ。

 母が言う、「りょうなんとか」「親分役」ってのは、未涼亜希、コサックの大将という意味だ。涼という漢字だけおぼえていたらしい。

 ああ、未涼亜希? とわたしが返すと。

「その未涼さん。子猫の名前、みすず、か、あき、にしない? アタシ、あの人好き」

 …………母よ。
 なんつーことを言い出すんだ。

 心から、びびりました。
 母はその未涼亜希さんが、娘の人生狂わしている張本人だとカケラも知らないのですよ!(笑)

 このままでは、子猫は「みすず」か「あき」になるところでした。
 ただコレは、弟が拒否権発動して、ボツ。

 弟は未涼亜希が誰か知っている。姉が毎日「まっつ~~、まっつ~~」とアホみたいに繰り返していることを、知っている。
 そして、心底あきれている。
 そんな名前を認めるはずがない(笑)。

 で、名前が決まらない。
 弟が拒否せず、なにより母が決定する名前でないと。

 そんなとき、わたしはまたムラにいて、仲間たちとわらわらやっていた。
「で、猫の名前はどうなったの?」
 と、会う人会う人聞いてくれる。ヅカ友は大抵mixiの日常日記を知っているわけで。
「まっつになったの?」
 ならねーよ(笑)。

 てゆーか決まらないんだ。
 困ったもんだ。

「1匹目の子がトウコでしょ。それにちなんだ名前にすれば? ケロとか」

 と言い出したのは、ツッコミ担当ドリーさん。
 ケロかー。たしかに、トウコとくればケロだよなああ。
(ドリーさんもわたしもケロファンです。でもケロトウぢゃなく、ケロゆひ派です。でも、トウコといえばケロ。それくらいケロといえば……・笑)

 ありえないよなーと思いつつ、帰宅して母に提案してみる。
 ねーねー、子猫の名前、ケロはどう?
 この子、両目が離れていてカエル顔だし、物怖じしないけろっとした性格だし。

「ケロ? いいわソレ!! 決定!」

 えっ?!
 決めちゃうの?!

 弟は欠席裁判。いなかったので、意見は伺われず。

 てことで、子猫の名前は「ケロ」になりました。

 前述の通り、わたしがケロちゃんファンであることはまったく関係ありません。

 ただの偶然です。(にっこり)

 何故ならば、我が家の王様は母であり、すべての「決定権」は母にあるのです。
 決めたの母だもん。わたしじゃないもん。

 ケロトウ万歳。

 ケロとトコはとっても仲良しです。2匹で殴り合い噛みつき合い、家中走り回り暴れ回り、舐め合って抱き合って眠ってます。
 『ハウ・トゥー・サクシード』を観て、なんと雪組らしいコメディだろう、と思った。

 フィンチ@キムくんの「重さ」は、作品世界に合っていない。『H2$』としては正しくないのだろうけど、わたしは彼がそーゆー芸風だからこそ余計に好きだと思う。てゆーかもともと『H2$』に代表されるアメリカンな世界観や空気は苦手だし(笑)。

 カリさん時代から雪担だったトドファン的には、雪組の持つ生真面目さや重さ、深刻さが好きだ。
 もちろん好きなモノはそれだけではないので、他組のカラーもそれぞれ楽しんでいるけれど、雪組の暗くて重い感じは肌に馴染んだモノであり、「よく知っている」からこそ安心できるモノである。
 キムくんはトド・タータン時代の雪のカラーを色濃く持つスターだ。時代がそーゆーカラーを求めているかどうかはどうあれ、劇団の中のひと組が、こーゆーカラーを持っていてくれると、わたしはうれしい。

 んで、2番手のちぎくん。
 今回の語りの大部分は、彼について(笑)。

 宙組のリトル・タニちゃん的なアイドルきらきら美少年だった彼。
 わたしが彼を最初に認識したのが、あひくん主演バウ『Le Petit Jardin』。あとにも先にも「これほど人のいないバウ客席を見たことがない」という、衝撃的な公演だったんだが、客席の人口密度が低すぎたせいもあるのかもしれないが、ちぎくんの目線がやたら来まくってだな……。
 たしかにあの列にはわたし以外誰もいなかったし、わたしより後ろには誰も坐ってなかったし、わたしの前にもあまり人はいなくて(だからどんだけ人がいなかったかっていう……)、ロックオンされる確率が通常公演の何倍かであったにしろ、ちぎくんに釣られまくってどきまぎしたという。
 豪快な一本釣りと、「若手スターです、美少年です」という自負にキラキラした感じに、盛大にアテられた記憶がある。

 だからわたしには、「ちぎっちゅーと一本釣りしまくりの、自信満々の美少年」という刷り込みだった。自分が美形だと思ってさ、おばちゃんどきまぎさせてさ、生意気な坊やだわ(笑)。その跳ね返りぶりが微笑ましい。おごりの春を満喫している若者は好きだ。

 でも彼、大人になるにつれて変わっていってないかい?
 タニちゃんの弟分的な扱いだった頃(チギーチュ@『宙 FANTASISTA!』とか)からすでに、最初の印象とは違っていた。変化を感じたのは新公主演するようになった頃からかなあ。
 もっとコワイモノ知らずのイメージだったのに。
 なんだか生真面目な子だなあという印象に。

 ちぎが変わったのかどうかは知らない。
 変わったのはわたしの目線、感じ方に過ぎないのかも。
 最初ほら、釣られまくってどきまぎしたから(笑)。それがちぎの印象のすべてだったから。

 雪組に組替えしてきて、驚くほど違和感がなかった。
 いきなりのポジションアップにとまどっている、いっぱいいっぱいで大変なんだうことはわかる。
 しかし、彼から感じる融通の利かない生真面目さや固さは、とーっても馴染みのあるものだったから。雪組として。

 なんだ、こんなに雪組的な子だったんじゃん。
 宙組だとちびっこすぎて、チギーチュになるしかなかったんだろうな。弟キャラ、アイドルキャラでいるしかない。大人や色男をやるには、周りのおにーさんたちに比べ、身長が明らかに足りなかった。
 でも雪なら無問題。持って生まれた美貌を武器に、クールな二枚目も大人の男もできるよ。

 と、とても雪組カラーな子だと思うちぎくんは、『H2$』でも、その雪組っぽさを見せつけてくれた。

 バド役なのに、おいしく見えない。

 バドってこんな役だっけ? 初演でタモさんが演じたときは、すげーオイシイ役だと思ったのに。

 バドはお笑いキャラなので一見派手だけど、この役を「おいしく」するのは役者自身なんだなと。

 フィンチ@キムがその深刻さと重さで世界観に合っていないのと同じ。
 ちぎのバドも生真面目過ぎて、合っていない。

 ちぎくんバドは、おもしろいけど、ステキじゃない。かわいいけど、かっこよくない。
 バドはステキな役でも、かっこいい役でもない! ステキじゃなくてもかっこよくなくても当然じゃないの! ……ということではなくて。
 どんなにアホなキャラだとしても、それゆえに「ファンタジー」な次元までたどり着くことは可能なはず。
 てゆーかタモさんは偉大だったんだなー……。ファンタジーだったよ、彼……。

 本当に空気読めない系の人か、天然不思議ちゃんが演じたら、バドはもっと軽やかに息づくんだろうなあ。

 生真面目で見ていて肩に力の入るバドは、ものすごく、「雪組のバド」だ。深刻で重いフィンチが、ものすごく、「雪組のフィンチ」であるように。
 思わず、拍手してしまう(笑)。

 ちぎくんがこんなに違和感なく「キムの相棒、2番手」であるのは、こーゆーことなんだなあ、と思う。
 いやはや、もう少しカラーが違っていてもいいんじゃないかってくらい。

 その昔、トドとタータンはとてもカラーの似たトップと2番手で、並びが浮くことはなかったが、個々の魅力を相殺するコンビだった。似すぎるのも、問題なんだよなあ、という。
 さらに当時の雪組が大変だったのは、3番手のコウちゃんまでもが同じカラーだったことだ。
 安定していたけど、地味だわ沈むわ、大変な組だったわ……(笑)。ずーっとファンだったけどな(笑)。

 そしてもキムくんとちぎくん。
 ふたりは思いの外似たカラーだなってとこに、まっつが加わる。
 そう、トド時代とチガウのは、3番手だ。
 まっつは、キムちぎとはカラーがチガウ。
 この3人だと、それぞれのカラーが引き立つなあ。
 「重さ」は3人ともが持っているんだけど、質量がチガウので、沈み方がチガウの。
 実は3人の中でいちばん軽いのがまっつだと思う。彼は地味だが、重苦しくはナイんだよなあ……そのへんとっても花男。
 キムくんはもっとも輝度が高いにもかかわらず、実はいちばん重い。
 いちばんバランスが取れているのが、ちぎくん。ちぎはほんとに、スタンダードなスターだ。

 この3人の並びが大好きだ。
 モンタギュートリオが今でも好き過ぎる。

 ここにヲヅキとコマが入っても、わくわくする。『H2$』ポスターの男5人、大好きだなああ。

 てことで、今の雪組が好きだなあ、という話でした(笑)。
 『ハウ・トゥー・サクシード』について、今ごろあれこれ。

 見た目の若さ可愛らしさで、一見キムみみコンビはこーゆー明るいコメディが似合っている、ように見える。
 実際、ふたりがにこにこキラキラじゃれていると、かわいい。幸せなキモチになる。

 でもさ。
 キムみみのいちばんの得意分野は、そうではないんじゃないかと。

 「まともに考えたらムカつく」系の、他人を陥れたり傷つけたりすることを笑うコメディである、『H2$』。
 主人公たちがどんだけ酷いことをしていても、人間として最低の行動を取っていても、それを観客に気付かせてはならない。
 明るく軽く、笑わせなければならない。

 キムくんは持ち前の明るさとさわやかさ、そして歌唱力他舞台人としての技術で、フィンチを演じてくれた。

 そう、明るく軽く。
 それがもっとも要求される、この芝居。

 なのに、ところどころで、キムの持つ「重さ」が出る。

 1幕にて、ローズマリー@みみちゃんに押し切られてデート、ローズマリーとふたり、下手にある階段に坐って話す。
 そこでローズマリーが「I Believe In You」を歌い出すわけだが。
 それに至るまでのふたりのかみ合っていない会話、どこか迷いや停滞を感じさせるフィンチ、ローズマリーの根拠のない信頼に心の角度を変えていく様。
 そこに、アメリカンな「フィンチ」というキャラクタではなく、日本人のキムくん自身の重みが見える。

 ここではあくまでも、ちらりと。

 そして次が、2幕の重役用洗面室。
 たったひとり、「I Believe In You」を歌うフィンチ。

 そこにいるのは、「努力しないで出世する」ことを望んでいる男じゃない。したいのは出世で、仕事じゃない。どんな会社、どんな職種でも良かった、てきとーに決めろと本に書いてある通りにてきとーに決めた、そんな男の顔じゃない。
 誰よりも努力の意味を知り、仕事への意欲と責任を持っている、ひとりのビジネスマンの顔をしている。
 周囲にいる男たちはみんな敵。仲間のふりして、彼の失脚を願う裏切り者たち。
 敵しかいない場所で、たったひとり、孤独に自分自身を見つめる。
 「I Believe In You」……信じている。自分の力、自分の才能。自分の未来。
 それは『H2$』という物語からはずれた深刻さ。
 繰り返す言葉は、ローズマリーの言葉。彼女が信じると言ってくれた、それを言い聞かせるように自分自身へ繰り返す。

 なんなのこの、突然はじまる、ドシリアス芝居。
 ここだけ見ると、別の作品みたい。

 ほんとうに「努力しないで出世する」ことをヨシとする主人公なら、ここでこうまで深刻なったらイカンやろう。
 別にここで、この仕事で、この人たちの間で成功する必要なんかない、また他のどこででも同じことをすればいい。努力しないで手に入れたものなんて、所詮その程度のモノだ。
 犠牲を払ってのたうちまわって手に入れたものと、たまたま拾っただけのものと、どちらに思い入れるか。
 シリアスにカッコつける場面ではあるけれど、ここまでレーゾンデートルを懸けた深刻芝居である必要はあるのか。
 世界観に合っていない、と思う。

 そしてそらに、今までの違和感が全解放されるのはなんといっても、2幕後半。
 大失態を犯し、すべてを失ってしまったフィンチと、それを慰め、叱るローズマリーの場面。
 ここでマジ泣きしているフィンチは「フィンチ」じゃないと思う。
 そんなフィンチに揺らぐことなく愛をぶつけるローズマリーも。

 『H2$』という芝居を離れ、忘れ、突然繰り広げられる、深刻芝居。
 ここだけ見ると、別の作品みたい。

 ……なんだけど、キムのフィンチとしてはこれが正しいんだよね。
 1幕のデート場面でも、そして2幕の重役用洗面室でも、『H2$』の世界観とはチガウ、キム自身のフィンチを見せていた。
 キムフィンチなら、挫折してマジ泣きして当然。彼はちっとも「努力しないで出世する」なんてのを、やってなかったもの。
 本気で努力して、望んで、がんばっていたんだもの。

 キムはキムとして筋が通っている。
 ……作品無視してるけど(笑)。
 フィンチの挫折をキムは本気で「絶望」として演じすぎているし、そんなフィンチの芝居をみみちゃんも一歩も譲らず本気で受け止めている。

 このふたりで、深刻芝居が観たい。

 こんなバカみたいな無神経コメディではなくて、本気で心のひりひりするような、重い重い芝居が観たいよ。
 と、痛いほど思った。願った。

 キムみみは見た目がかわいこちゃんだから、誤解されるんだねええ。
 大衆向けの大劇場では無理かもしれないけど、中劇場あたりでやって欲しいよ。本気の深刻芝居。

 と、思わせるような芝居を突然繰り広げるフィンチとローズマリーは、『H2$』には相応しくないんだろう。
 作品の世界観を壊している。
 でも。
 だからこそ、愛しい。

 この人を好きで良かったというか、間違ってなかったんだわというか。
 キムみみ、いいなあ。好きだなあ。


 わたしは『H2$』という作品が好きじゃない。
 フィンチもローズマリーも好きじゃない。

 だけど、キムが演じるフィンチは、キムらしい面だけ好きだ。
 脚本にある部分ではない、キムがキムだからこそ勝手に表現してしまっている部分。
 それがあったからこそ、わたしはこの公演を何度も観ることが出来たのだと思う。
 みみローズマリーもまた、そんなキムフィンチに全霊を挙げてついて行っているから、それゆえに好ましいキャラになっているし。

 彼らのそういう芸風が、愛しい。
 『ハウ・トゥー・サクシード』の超色男、バート・ブラット氏(既婚)の、緑野こあら的もっともお気に入り台詞は、

「会議の支度は出来たかい?」

 ですわ!!

 場面は重役用洗面室。
 それまでフィンチ@キムくんの陰口をかわしていた重役たちが、フィンチ登場にとてもわざとらしく「なにごともなかった風」を装う。
 ブラット@まっつは鏡をのぞき、髪を整えながら言うんだ、「会議の支度は出来たかい?」

 これが。
 もおっ、これが、むちゃくちゃエロい。

 鏡といっても、マイムによってそこに鏡があると表しているだけ。ほんとに鏡があるわけじゃない。
 まっつは客席に背中を向けている。

 だから、彼の顔は見えない。
 表情は見えない。
 でも。

 ブラット部長は、それまでのイエスマン三枚目キャラの殻を脱ぎ捨てて、The 未涼亜希! ってな、クールエロを解禁する。

 腹に一物、相手の破滅を望みながら、口先だけで仲間のふりをする。しかし観客へはその本心、冷たさが丸見えである、という場面。
 こーゆーの、まっつの真骨頂。
 震撼するようなクールさ、そして尾てい骨直下型エロヴォイス。

 腹に一物、という台詞だからもお、冴え冴えとエロい。
 この作品中いぢはんのドシリアス、かつエロヴォイスを掛ける相手がキムくんなんだ……!(笑)

 いやあ、もお、ここは全神経を耳に集中してました。
 エロいよまっつ、美声だよまっつ。ハァハァ。

 そして、髪を撫でつける、ショーなどでよくやる「ナルシスってる仕草」ですよ。
 ナルシーな仕草をしながら、とっておきのエロヴォイスを炸裂させるブラット部長。
 女子のいない、男ばかりの紳士トイレで!!(笑) なんか危険!(ナニが)

 んで、鏡はマイム、あるのは枠だけ。
 どうやら両面鏡らしく、男たちは鏡を挟んで向かい合って化粧直し……もとい、身だしなみを整える。

 まっつの向かいはしゅうくん。
 舞台上では、ふたりの間には鏡があり、互いの姿は見えない、鏡だから自分の姿が映っている、という設定。
 だけど現実には鏡なんてナイから、まっつは背中、しゅうくんは顔が見えている。

 まっつの、最高級エロ顔+エロ仕草+エロヴォイスという3コンボを、向かい合って間近で見ている相手は、しゅうくん!!

 大公様×ベンヴォーリオで踊り狂った身としては、なんて俺得な世界なのと、毎回鼻息荒くガン見していました(笑)。
 しゅうくんもこのときすげー気合い入った、Sなエロ顔してるしねー。
 向かい合っているはずなのに、まっつのカラダ越しにしゅうくんの顔が隠れず全部見えるしねー(笑)。遠近法無視が愛しいわ。

 鏡に向かうまっつのお尻を愛でる時間でもあり、なんとも素晴らしい場面でした、重役用洗面室。


 と、今さら『H2$』まっつ話です。

 ほんとにもお、ブラット部長が格好良すぎてねええ。わたしの時間とお金を返してってくらい、ブラット部長が美中年でしたわ。

 重役用洗面室のストップモーションですが、ブラット部長はまばたきを我慢しません(笑)。
 一緒にいるバド@ちぎくんが「いつまばたきしてるの?!」と危ぶむくらい動かないのに、部長はフリーダム(笑)。

 それが、ふつうのまばたきではなくて、かなりゆーっくりとした動きなの。

 なに、ストップモーションのまばたきだから、ゆっくりスローモーションでやれば許されると思ってる?(笑)

 しかし、このスローモーションまばたきがっ。
 エロいっ。

 いくらわたしだって、3分間ずーっとまっつばかり見ているわけじゃない。他のイケメンたちにも目移りしている。
 でもやはりいちばん長く、そしてよく見ているのはまっつで。
 そーやってちらちらしていても、わりと高確率で、瞼を閉じたまっつを見られる。

 本気でエロ格好良く決めまくったポーズと表情でなわけですよ、鏡のストップモーション。登場している雪男たちが直球ど真ん中でキメ顔しているわけです。(除・バド)
 その本気のキメ顔で、目を閉じるって……。

 えーとえーと、舞台のジェンヌで、そうそうナイよね、客席に真正面向けて、キメ顔で瞼を閉じるのって。

 なんかすっごいエロいんですけどっ。
 瞼を閉じたまっつ。

 それこそ、エアキスシーン的というか。

 ゆーーっくり瞼を閉じていく様、そしてまた、ゆーーっくり開けていく様もまた、みょーにやんらすぃ。

 ブラット部長が美しくて、エロくて、たまりません……っ。

 ここだけビデオ欲しい……っ、3分間、ゆっくりまばたきするまっつの顔だけエンドレス再生したいよ~~っ!(笑)


 あとは会議中の部長も、すげーかっくいいっす。
 なんか唐突に「仕事できる男」風。
 それまでの場面では、いつもどこかしら三枚目的やわらかさがあったからなー。
 重役用洗面室の流れを汲んでいるのか、まだここではマジ二枚目なんだよなー。
 隣の席のマシューズ@にわにわとの仲良しぶりもイイ。
 ってゆーかにわさん、わりと気安くまっつを触ってるよねー。腹心だから? なにしろブラット部長の「机」だもんなあ。


 ブラット部長は三枚目で、きっちり笑わせてくれるし、とっても可愛いんだけど、こうやってピンポイントでがつんっとクールビューティぶりを見せてくれるので、楽しかったっす。

 本の声@まっつも良かったしさー。

 重役用洗面室だけ、もう一度観たいなー。
 アナログ放送終了。みなさん、無事に切り替えは出来ていますか。
 って、ナニを今さら。

 わたしは「地デジ? ナニそれ?」な人間です。
 なにしろ、部屋のテレビはブラウン管ですから。
 液晶テレビ買うお金ナイの、ハイビジョンテレビ買うお金ナイの。びんぼーだから。
 でも気にしてなかったの、その昔スカステ導入時に「CS・BS・地上デジタルハイビジョンチューナ」を買っていたから。
 スカステのために購入したから「スカステチューナ」と呼んでいたけど、全対応してるんだから、これ1台あれば問題なし、いつアナログ放送が終了しても大丈夫、ブラウン管テレビしかなくても生きていけるわ。

 その後、ブルーレイレコーダも買ったので、スカステはブルーレイレコーダ内蔵のチューナで視聴・録画するようになり、最初の「スカステチューナ」は押入行きとなっていた。
 使ってないけど、押入行きだけど、「スカステチューナ」があれば地デジは大丈夫、世の中がどんだけ「地デジの準備は出来た?」と繰り返していても、「大丈夫よ、わたしは7年も前にチューナを買ったわ」と安心していた。

 んで、テレビ画面に「アナログ放送終了まであと何日!」と日にちが出るころになって、いい加減うちもチューナを付けないといかんなと思った。
 ブルーレイ様にも地デジチューナは内蔵されているけど、なにしろあちらはスカステを視聴・録画するだけでいっぱいいっぱい、地上放送は別に必要なのよ。
 んで、もう何年も使っていないチューナを、押入から引っ張り出した。
 苦労して配線する。なにしろブルーレイレコーダ1台、DVDレコーダ2台、ビデオデッキ1台と、そこへさらにコピガキャンセラーまであったりするから、もおカオス。それぞれ連動していたりなんだりでねえ、複雑極まりないのよ、うちの録画機器。

 無事配線完了、さあ地デジよ、とチューナの電源を入れると。
 チューナの液晶画面に現れたチャンネル表示は「CS290ch」になっていた。
 まあ当然だわな、スカステ見るために買ったチューナで、どんだけ他に機能があろうと、がんとしてスカステ以外は使わず、「スカステチューナ」と呼んでいたくらいだもの。
 ちなみにこのチューナではスカステは見る予定ナシ、アンテナもつながないし、有料放送契約をB-CASカードに書き込む予定もない。純粋に地上波放送が見られればそれでイイの。
 なのにチャンネルは「CS290」。CSつないでないんだから、そんなチャンネルに合わせててもしょーがないってば。
 地上に切り替えしなきゃ。切り替えボタンは……と。

 ない。

 チューナ本体には、ボタンがない。
 そうか、チャンネル切り替えとか予約とか、全部リモコンだったよね。さあて、リモコンは……。

 ない。

 このチューナは何年も使ってなかったんだってば。いや、使っていた頃だって、チャンネルはスカステ固定だったからリモコンなんか必要なかった。
 リモコンなんか、もう何年も見たことナイ。どこへやったか、記憶にナイ。
 えええ。
 地デジチューナがあるのに、使えないってこと?
 そんなバカな。

 このままだとわたし、地デジ難民?!

 7年も前、出はじめだからやたら高かった時期に思い切ってフル対応チューナ買ってあったのに、難民化なんて、アホ過ぎるっ!

 ちなみに、メーカーに問い合わせはちょっとしたくない事情があり(笑)、リモコンの取り寄せが出来るかは謎だった。まあ、最悪問い合わせるとしても、7年前の機種だ、メーカーに在庫があるかどうか。あったとして、今から取り寄せてアナログ放送終了に間に合うのか。

 んで、チューナ持ってるのに、新たに買いたくないし。実際問題、今からじゃあどこにも売ってないし。(どの販売店・メーカーもそこそこ値段のテレビやチューナは在庫切れ、アナログ放送終了に間に合わないことを了承の上、予約を取っている状況。バカ高いヤツとかならまだ在庫あるけど)

 ってことで、最後の手段。
 『H2$』千秋楽の日、もちろん出待ちもせずにとっとと梅芸をあとにして、買い物へ行きました。
 東京在住「『H2$』のためになんと夜バスで3往復!」のまっつメイトのさわこちゃんにおつきあい願いまして、ヨドバシカメラへ。

 マルチタイプのリモコンが、「有名メーカーではまったくない、なにしろお客様センターが存在しないくらいだぞ」の某メーカー製の、7年前の機種に対応しているかどうか。
 そこにかかっている。
 商品豊富な大型店なら、中には対応しているモノが売っているかも……!

 「このままでは地デジ難民」とわたしはけっこー深刻だったんだが、さわこちゃんはこの話を聞いて、

「いっそいいっすよソレ、スカステ専用チューナー!! スカステ専用テレビ!! 点けたらいつもスカステ、他はナニも映らない。チャンネル切り替え不要。なんかすごくこあらさんっぽい!」

 と、大ウケしてるし。

 いや、そんな人生イヤだから! スカステしか映らないテレビって、ナニそのヅカヲタ、他すべてを捨ててます宣言。
 たしかにあたしらしいかもしんないけどっ(笑)、まだそこまで社会性捨ててないし!


 ヨドバシカメラのリモコン売り場の商品豊富さと売り場のおにーちゃんの協力(何故メーカーに問い合わせたくないかという、わたしの打ち明け話を聞いて「それは大変ですねー」と笑ってくれました・笑)によって、対応しているマルチリモコンを購入。さわこちゃんもおつきあいありがとー。

 無事、チャンネル切り替えが出来るようになりました。

 脱、地デジ難民!

 ……スカステばっか見てると大変ですよという話。(えっ)
 友人から、「稲葉くんとゆーと『Hallelujah GO! GO!』→あのポスターを、まっつで想像→爆笑」というツッコミをいただき、稲葉先生へのお願いを付け加えたいと思います。
 ロケンロールでイエイなまっつも勘弁してください、お願いします。アレはれおんくんだからイイのであって、まつださんには似合いませんから……お願いします……。

 ポスターこわいな……どんなことになるんだろう。
 ふつーに黒燕尾でいいんですけど……ショーだからってギラギラスパンフリル極楽鳥だったら泣く。


 と、来年の話をしている場合ではなく、まず気になるのは直近の公演、『仮面の男』『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』です。

 わたしは無学無教養ゆえ、デュマの原作を読んでおりません。ディカプリオの映画も見てないし。
 わたしの『三銃士』関連で知っているものといえば大昔のアニメ(アラミスが男装の麗人だったやつ)と、この間の人形劇(三谷幸喜のやつ)ぐらいのもんです。あ、犬のアニメも見てたか……エンディングテーマ、歌えますよ。「今夜はネズミがしきりに騒いで眠れない 猫がドレスを着替えたらしい♪」てな。
 あとはヅカで上演された『ブルボンの封印』『バッカスと呼ばれた男』か。

 原作をちゃんと読んでいるわけじゃないんだが、わたしが知っている『三銃士』には、水戸黄門は出なかったと思う。

 配役がなんかすごーく愉快なことになってるんだが、大丈夫かこだまっち。『メイちゃんの執事』で得た名声を、一気に手放すことにならんことを祈っているぞ。安直に『めぐり会いは再び』からインスパイアとかされないでね。いや、芸人たちってゆーとさー……。

 いつもまっつの扱いに気を揉んでいるもので、彼が三銃士役に入るかどうか、ドキドキしていました。
 や、ふつー3番手なら三銃士の誰かになると思うけど、『ロミジュリ』で3番手だったからといって、次もそうとは限らないじゃん。ひょっとしたら「誰?」てな脇役にオトされてるかもしんない。
 花組時代もそうだった、まっつ比で大活躍した次の公演は、台詞がひとつ2文字だけだったり、再演主要キャラから脇へ学年無視でオトされたりと、上がったあとはご丁寧に下げられる、の繰り返しだったもん。
 アトス役で良かった……。わたしが知る範囲で、どんな『三銃士』でもアトスは男前だよなー。
 ヒゲ無しだといいなー。ブラット部長もそうだけど、ヒゲに頼らなくても、まっつは十分おっさんできるから(笑)。

 そして、アトス@まっつ、ポルトス@ヲヅキ、アラミス@きんぐ……って、アトス、ちっちゃ!!(笑)

 『ロミジュリ』で小さなトリオを見慣れていたわけだが、今度はでかいのに挟まれるんだー。わーい(笑)。


 バウ主演コンビの翔くんとあんりちゃんの新公主演もうれしいです。
 咲ちゃんのひとりっこ政策は、誰のためにもならないと思うので。
 そしてまなはる2番手(笑)。いや、笑ってしまってもうしわけないが、まなはるが2番手(笑)。……たのしみだー。


 『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』は、どんな動物が登場するのか、気になります。
 サイトーヨシマサといえば、ケモノ耳。
 や、耳のないピラニアちゃんが登場したりもしてたけど。基本はほ乳類でしょ?
 トランプでポーカーで、どっからケモ耳なのかは謎だけど、別にアニマルちゃん出してくれていいよ、サイトーくん。リビドーのままに、たのしいショーを作ってね。

 で。
 わたしは別に、まっつのケモ耳は見たくありません。
 猫耳だろーとパンダ耳だろーとウサ耳だろうと、別にどーでもいいです。やってくれてもくれなくても。
 まあ学年とキャラ的に回ってはこないだろーが。

 わたしが見たいのは、まっつのしっぽです。

 あのお尻に、しっぽを。
 黒ヒョウとか、長いのがいいっす。

 耳はどーでもいい、尻だ、尻。まっつといえば尻だろう!(変態発言注意報!)
 まっつにしっぽついてたら、サイトーくんにファンレター書きます。礼状書きます。

 ……ナイことがわかっているので、言うだけ言っておく(笑)。

 ケモ耳つけるなら、下級生のかわいい女の子たちだよね。
 次はどんな動物だろう……。

 あと、キムくんでクールな場面が見たいっす。かわいこちゃんは若手に任せて、キムくんは大人でヨロシク。
 キムくんがかわいい系美少年で、笑顔がステキなさわやかさんだからといって、演出家が安直にソレ系ばかりを押しつけるのが嫌だ。
 キムの得意分野はソレでも、本領は別にあるのに。同じよーな役割ばかりだから、「オギーがいてくれればな」と言っても仕方ないことを後ろ向きにつぶやいてしまうのですよ。
 サイトーくんも前回はソレ系だったので、今回は別の切り口にしてくれるといいなあ。

 サイトーくんはひろみちゃんスキーだからそのへんは心配してないが、しゅうくんもかっこよく使ってください。

 そして、真っ当なデュエットダンスを……! 切実。

 かおりちゃんエトワールだといいな。

 
 9月からかあ。この間まで『H2$』だったのに。
 タカラヅカを追いかけていると季節の巡りが速い。

 そんなこといってたら、あっという間に来年になっちゃうんだろうか……ぶるぶる。

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