愛を伝えて、この胸に。@ドン・カルロス/Shining Rhythm!
2012年3月9日 タカラヅカ「ちょ……っ、面白かったんですけど?!」
「ねえ? 面白いよね? なんでっ?!」
……芝居の幕が下りるなり、後ろから聞こえてきた会話に、ウケた。
みんなキムシンを、信用してなさすぎ(笑)。
面白い、ことに驚愕の声があがっている。あちこちで。
良かった、ことに驚愕の声があがっている。あちこちで。
雪組『ドン・カルロス』『Shining Rhythm!』 初日。
『ドン・カルロス』、わたしは好き。
もともとキムシン好きだから、大抵美味しくいただくつもりだったけど、ほんとに美味しかった。
原作もオペラも知りません、無教養ゆえ。
ただ、なんとなーくストーリーは知ってます。
パパと息子と継母の三角関係で、結局パパが息子殺しちゃうんだよねー、とか、そんな大雑把な感じで。
キムシン版はカルロスが継母に恋愛していない設定なので、もうそこからチガウし、もともとわたしの聞きかじりなんて正しくもなんともないし。
予備知識にもなってない。
ので、わりとまっさらな状態で観た。
カルロス王子@キムの友人たちは、ネーデルラントの惨状を嘆き、若い義憤ゆえに立ち上がろうとしている。でもカルロスは取り合わない。宗教絡みだからね、ヘタに手を出せば王族でも貴族でも極刑確実。
カルロスが日和見的な態度を取ったのは、友人たちを死なせたくないから。若さゆえに突っ走ってもいいことないって。だから、自分だけでなんとか出来ないかを考える。
そんなカルロスに、継母イサベル@あゆみがコンタクトを取ろうと躍起になっている。女官のレオノール@みみをメッセンジャーにして。
父王フェリペ二世@まっつの后で、以前の婚約者でもあったイサベルにふたりきりで会うのはまずいって! 常識人のカルロスは拒絶するが、イサベルはなんか引き下がってくれない。
で、フェリペ二世はカルロスとイサベルの仲を疑う。息子と妻に裏切られているのではないかと。この困った親父はポーザ侯爵@ちぎを使って、カルロスを探らせるんだな。
ポーザ侯爵はネーデルラント解放を強く願う青年、友人のカルロスに拒絶され術を失っていたこともあり、ネーデルラント総督の座を懸けてフェリペ二世の犬になる。
継母との仲を疑われても困る、カルロスが愛しているのは幼なじみのレオノールただひとり。イサベルとの密会のためにレオノールにわくわく会っているんじゃない、レオノール自身とラヴラヴしているだけなのに……。
レオノールを介してイサベルと秘密裏に会っているところを、フェリペ二世に暴かれた。家族間も絶体絶命、持っていた聖書から異端者の疑いまでかけられた。
カルロスは裁かれることになる……。
カルロスが、いい男だ。
わたし、この子好き。
ものすごく好き。
「王子」という宿命の中で、精一杯戦っている。生きている。自分が出来ることを、自分で考え、誠心誠意、やっている。
暴走することは簡単だけど、責任を考え、踏みとどまる。
行動に筋が通っているの。
イサベルに会いたがらないことも、ポーザ侯爵たちの願いを退けることも。どちらも、相手のことを考えている。
で、結局イサベルに会うことを決めるんだけど、何故そうしたかが、泣かせる。
7歳のときからずーっと愛してきたレオノールが、別の男と結婚するとわかったから。たったひとつの愛さえ、許されない。だから、誰かのためにできることをしたい、って。
自分がつらいから、かなしいから、それならせめて、自分以外の人たちが泣かずに済むよう尽力したいって。
イサベルの孤独も、ネーデルラントの人々も惨状も、救いたい。みんなに幸せになって欲しいのだと、孤独な王子は微笑む。
レオノールが、いい子だ。
わたし、この子好き。
ものすごく好き。
身分をわきまえ、相手を思いやり、自分を律する強さ。
もとはおてんばな女の子なんだろう。だけど凛として自分の道を生きている。
自分から無茶を言わない、耐えて耐えて、隠した心が時折見える、切なさ。
カルロスもレオノールも、分をわきまえている。
無責任なことはしない。
宿命の中で、自分たちに許された範囲で、精一杯に生きている。
だから。
仮面舞踏会の夜が、切ない。
別れを前提とした、今この一瞬だけの恋。
囚われのカルロスに会うため、ぼろぼろの姿で牢獄へたどり着く姿に、泣けて仕方ない。
死なないでと爆発する心が、痛い。
耐え続ける少女だったのに。なにもかも飲み込んで、静かに振る舞う少女だったのに。
カルロスとレオノールが、切なすぎる。
このふたりが好きだ。
このふたりの、恋が好きだ。
何故互いに惹かれ合ったのか、求め合ったのか、よくわかる。
また、カルロスの助命嘆願のために、マドリードの人々の合唱になるのもいい。わかる。
彼を救いたい、彼が好きだ……その心の動きが、納得できる。
ポーザ侯爵もなあ。
想像すると、泣きそうになるよ。
このロリコン(笑)、と言い捨てるのではなく、そーゆーの抜きにして、職場で毎日見かける無垢な女の子が、非業の最期を遂げたと知ったら、トラウマになる……ってゆーか、なにかせずにはいられなくなっても、仕方ない。
色恋じゃなくても、笑顔に癒されていた、そんな、特別親しいわけでもない間柄の相手のために、命や人生を懸けることだって、あるよ。
んで、フェリペ二世。
この、ダメ親父(笑)。
いやあ、もお……ツボりまくりました。
そもそも、元凶こいつじゃん? 亡き妻を愛しすぎていて、とか、絵姿相手に独り言、とか、息子にも後妻にもさんざん冷たくする理由が「愛しすぎると、失ったときにつらい、失うのがこわい」ってもお……どこのヲトメか。
そのくせ、勝手に息子と妻の関係疑心暗鬼だし、信頼できる臣下もいないようだし、名前見て咄嗟に誰かわからんよーなポーザ侯爵に頼るしかないし。
イサベルに「愛してます」って言われたら、憑き物落ちるし。
どんだけ愛飢え子ちゃん……っ。
配役発表になったとき「幻覚」って役がたくさんあったから、きっとカルロス王子が幻覚を見るんだわと思っていたんだ。なのに、お前か(笑)。
フェリペ二世のダメっぷりがもお、ステキ過ぎる。
見た目はめちゃカッコイイっす、金髪にヒゲ!! ザッツ王様な気品!
で、嫁のイサベルがまた、この夫に似合いの思い詰め暴走タイプで。
ナニ、結局この夫婦が「愛してる」ってちゃんと言ってなかっただけではじまったの、この大騒ぎ。
はー、素晴らしいっす。
芝居だけで十分ありがとう、だったのに、ショーまで素敵だった。
なにこれ、奇跡? 二本立てで2本とも好きとか!!
「ねえ? 面白いよね? なんでっ?!」
……芝居の幕が下りるなり、後ろから聞こえてきた会話に、ウケた。
みんなキムシンを、信用してなさすぎ(笑)。
面白い、ことに驚愕の声があがっている。あちこちで。
良かった、ことに驚愕の声があがっている。あちこちで。
雪組『ドン・カルロス』『Shining Rhythm!』 初日。
『ドン・カルロス』、わたしは好き。
もともとキムシン好きだから、大抵美味しくいただくつもりだったけど、ほんとに美味しかった。
原作もオペラも知りません、無教養ゆえ。
ただ、なんとなーくストーリーは知ってます。
パパと息子と継母の三角関係で、結局パパが息子殺しちゃうんだよねー、とか、そんな大雑把な感じで。
キムシン版はカルロスが継母に恋愛していない設定なので、もうそこからチガウし、もともとわたしの聞きかじりなんて正しくもなんともないし。
予備知識にもなってない。
ので、わりとまっさらな状態で観た。
カルロス王子@キムの友人たちは、ネーデルラントの惨状を嘆き、若い義憤ゆえに立ち上がろうとしている。でもカルロスは取り合わない。宗教絡みだからね、ヘタに手を出せば王族でも貴族でも極刑確実。
カルロスが日和見的な態度を取ったのは、友人たちを死なせたくないから。若さゆえに突っ走ってもいいことないって。だから、自分だけでなんとか出来ないかを考える。
そんなカルロスに、継母イサベル@あゆみがコンタクトを取ろうと躍起になっている。女官のレオノール@みみをメッセンジャーにして。
父王フェリペ二世@まっつの后で、以前の婚約者でもあったイサベルにふたりきりで会うのはまずいって! 常識人のカルロスは拒絶するが、イサベルはなんか引き下がってくれない。
で、フェリペ二世はカルロスとイサベルの仲を疑う。息子と妻に裏切られているのではないかと。この困った親父はポーザ侯爵@ちぎを使って、カルロスを探らせるんだな。
ポーザ侯爵はネーデルラント解放を強く願う青年、友人のカルロスに拒絶され術を失っていたこともあり、ネーデルラント総督の座を懸けてフェリペ二世の犬になる。
継母との仲を疑われても困る、カルロスが愛しているのは幼なじみのレオノールただひとり。イサベルとの密会のためにレオノールにわくわく会っているんじゃない、レオノール自身とラヴラヴしているだけなのに……。
レオノールを介してイサベルと秘密裏に会っているところを、フェリペ二世に暴かれた。家族間も絶体絶命、持っていた聖書から異端者の疑いまでかけられた。
カルロスは裁かれることになる……。
カルロスが、いい男だ。
わたし、この子好き。
ものすごく好き。
「王子」という宿命の中で、精一杯戦っている。生きている。自分が出来ることを、自分で考え、誠心誠意、やっている。
暴走することは簡単だけど、責任を考え、踏みとどまる。
行動に筋が通っているの。
イサベルに会いたがらないことも、ポーザ侯爵たちの願いを退けることも。どちらも、相手のことを考えている。
で、結局イサベルに会うことを決めるんだけど、何故そうしたかが、泣かせる。
7歳のときからずーっと愛してきたレオノールが、別の男と結婚するとわかったから。たったひとつの愛さえ、許されない。だから、誰かのためにできることをしたい、って。
自分がつらいから、かなしいから、それならせめて、自分以外の人たちが泣かずに済むよう尽力したいって。
イサベルの孤独も、ネーデルラントの人々も惨状も、救いたい。みんなに幸せになって欲しいのだと、孤独な王子は微笑む。
レオノールが、いい子だ。
わたし、この子好き。
ものすごく好き。
身分をわきまえ、相手を思いやり、自分を律する強さ。
もとはおてんばな女の子なんだろう。だけど凛として自分の道を生きている。
自分から無茶を言わない、耐えて耐えて、隠した心が時折見える、切なさ。
カルロスもレオノールも、分をわきまえている。
無責任なことはしない。
宿命の中で、自分たちに許された範囲で、精一杯に生きている。
だから。
仮面舞踏会の夜が、切ない。
別れを前提とした、今この一瞬だけの恋。
囚われのカルロスに会うため、ぼろぼろの姿で牢獄へたどり着く姿に、泣けて仕方ない。
死なないでと爆発する心が、痛い。
耐え続ける少女だったのに。なにもかも飲み込んで、静かに振る舞う少女だったのに。
カルロスとレオノールが、切なすぎる。
このふたりが好きだ。
このふたりの、恋が好きだ。
何故互いに惹かれ合ったのか、求め合ったのか、よくわかる。
また、カルロスの助命嘆願のために、マドリードの人々の合唱になるのもいい。わかる。
彼を救いたい、彼が好きだ……その心の動きが、納得できる。
ポーザ侯爵もなあ。
想像すると、泣きそうになるよ。
このロリコン(笑)、と言い捨てるのではなく、そーゆーの抜きにして、職場で毎日見かける無垢な女の子が、非業の最期を遂げたと知ったら、トラウマになる……ってゆーか、なにかせずにはいられなくなっても、仕方ない。
色恋じゃなくても、笑顔に癒されていた、そんな、特別親しいわけでもない間柄の相手のために、命や人生を懸けることだって、あるよ。
んで、フェリペ二世。
この、ダメ親父(笑)。
いやあ、もお……ツボりまくりました。
そもそも、元凶こいつじゃん? 亡き妻を愛しすぎていて、とか、絵姿相手に独り言、とか、息子にも後妻にもさんざん冷たくする理由が「愛しすぎると、失ったときにつらい、失うのがこわい」ってもお……どこのヲトメか。
そのくせ、勝手に息子と妻の関係疑心暗鬼だし、信頼できる臣下もいないようだし、名前見て咄嗟に誰かわからんよーなポーザ侯爵に頼るしかないし。
イサベルに「愛してます」って言われたら、憑き物落ちるし。
どんだけ愛飢え子ちゃん……っ。
配役発表になったとき「幻覚」って役がたくさんあったから、きっとカルロス王子が幻覚を見るんだわと思っていたんだ。なのに、お前か(笑)。
フェリペ二世のダメっぷりがもお、ステキ過ぎる。
見た目はめちゃカッコイイっす、金髪にヒゲ!! ザッツ王様な気品!
で、嫁のイサベルがまた、この夫に似合いの思い詰め暴走タイプで。
ナニ、結局この夫婦が「愛してる」ってちゃんと言ってなかっただけではじまったの、この大騒ぎ。
はー、素晴らしいっす。
芝居だけで十分ありがとう、だったのに、ショーまで素敵だった。
なにこれ、奇跡? 二本立てで2本とも好きとか!!