新人公演『復活 -恋が終わり、愛が残った-』の感想、覚え書き。

 主な配役が発表になったとき、わたしとその周囲では、テンションが上がってなかった。
 鳳くん、みりおん、がりん、って……。
 なんと新鮮味のない新公……。

 いや、それは観客のエゴであり、演じる彼らはいつも全力投球、大変なんだとわかっているけど。
 それにしても、もう少し別の子にチャンスを与えてもいいんじゃないかなあ、花組……。

 つーことで、わたしが真ん中の3人に新鮮味を感じていないためかもしれないけど、真ん中の3人に関しては印象が薄い。
 別にものすごくヘタでもないし、かといって、先入観を覆すほどすばらしい、神がかった出来でもない。
 及第点取りました、というだけの印象。

 鳳くんが、まさにソレ。
 悪くないけど、発見もない。彼ならこれぐらいやるだろう、と思った通りの出来。

 『ファントム』であれだけ素晴らしい歌唱でヒロインとして存在したみりおんだけど、今回はあんまし……。
 彼女の本領発揮は、「ミュージカル」なのかな。
 芝居メインだと、薄く単調なよーな。

 えりたんは「属性えりたん」なので、新公で彼の役を演じる子は大抵大変なんだけど、がりんくんはその上さらに、「大人の男に見えない」という大変さも加わっていた。
 かわいこちゃん顔なのは仕方ないけど、そろそろもう少し、男になってくれてもいいのになあ。


 今回の新公で、驚いたのは、シモンソン@柚カレー。

 ごめん。
 わたし、勝手に決めつけてた。

 柚カレーくんと言えば、美形。アイドル系。妖精ちゃん。
 すなわち、「うまくない」。

 タカラヅカにおける美形アイドルは、へたっぴだと、決めつけていた。

 顔だけ眺めていればよし、キレイだからそれでよし、そんな気持ちでいたんですよ。
 だから。

 ふつーにうまくて、驚いた。

 えええ?!
 柚カレーって、うまいの? 芝居できたの?
 知らなかった!!

 わたしだけでなく、東宝で新公を観た友人のドリーさんが、まったく同じことをつぶやいていてウケた。
 そうなの、美形アイドルちゃんだから、へたっぴだと勝手に決めつけてたよー!
 ごめん、うまかったんや!!

 いやはや。

 ふつーに、いい男でした、シモンソン。

 地に足の付いた、説得力のある男。
 この男ならそりゃ、カチューシャもなびくわ、てな。

 うれしい驚きでした。
 美形に対して、偏見持ち過ぎだ、自分……(笑)。


 それから、和海くん。
 まず最初のコサックの歌手ソロで、場を圧倒したよね。
 ちょ……ナニこの歌ウマ?!てな。
 和海くんもなかなか役つかないもんなあ。歌えるし、芝居もできるのになあ。
 
 セレーニンは、役としては固すぎた気もするけど、本役もそんな感じだし、いいのかな。


 ファナーリン@マイティがうまいのは予想通り。
 つか、新公だと安定したうまさだよね。『カナリア』みたく、いきなり本公演で男役3番手やらされたら未熟さが前に出ちゃうけど、周りも新公レベルなら十分うまいよね。


 アニエス@仙名さんが、わたし的にいまいち……。
 仙名さんって、なんでこう、ゴールの手前で派手にすっころんであがいている、という印象になるんだろう。や、あくまでも、わたしの中で。

 うまい人だと思うし、ナニが足りないってわけじゃないんだけど、ナニかがチガウ。
 今回は、本役のアニエスをなぞろうとしたのが、最大の失敗じゃないのか?
 本役のアニエスは、狙ってそうしているんじゃなくて、台詞回しにしろ表現のひとつひとつにしろ、あれが精一杯なんだ。あれ以上できない、なんとか芝居しているように見える、ぎりぎりのラインで切り取ってあるんだ。
 そこを真似てどーする。
 本役のことは全部忘れて、まったくチガウ、オリジナルのアニエスを作って見せて欲しかった。
 へたなアニエスを、そのへたっぴなところまでコピーして演じている、なんともとほほな出来に見えた。わたしには。
 頼むよ仙名さん……もっとはじけて見せて~~。応援してるからさ~~。


 んで、本役のアニエス……新公の役は、女闘士マリア・パーブロアの、姫花。
 えーと。
 新公は、本公演ほど練習する暇がなかったんだね……(笑)。
 いつもの、姫花。
 そーだよな、アテ書きじゃないもんな。姫花の芝居がマシに見える瞬間を切り取るような役として作られてないもんな。
 かえって安心するくらい、いつもの姫花でした(笑)。
 強い女の役が、アニメの萌えキャラみたい。幼児の顔した女の子が、肌もあらわな衣装でいかつい武器を持ったりロボットに乗ったりして戦っている、テレビ東京系真夜中アニメのキャラみたいだー。

 姫花は姫花なので、も、それだけでいいっす。


 ミッシィ@べーちゃんは、ほっこり癒やし系。でも、貴族令嬢にはあまり見えなかったような……。

 ミッシィ父@輝良まさとは、ほんと男前。どこにいても目につくし、また、見てしまう……本筋関係なくても、とにかく目を引く……。


 カルチンキン@日高くん……(笑)。
 いや、ごめん、(笑)付けて。
 めぐむの役ばっかだね、新公。
 カルチンキンはラブシーンのある、色っぽい役。なんだけど、そうか、役が色っぽいんじゃなくて、めぐむが色っぽかったのか。
 同じことをやっているはずなのに、日高くんにはもお、「がんばれ」と思いました。
 女を黙らせるキス、って、難しいんだね……(笑)。

 マルチェンコ@いまっちがイイ声なのは、言うまでもなく。
 最後の役がコレか……。仕方ないか。

 ワーニコフ@タソはうまいけど、わかっている範囲内というか、まりんの役だから本人も狙っている感が見えていたのは、ちょっと残念。
 もっとストイックにやってくれた方が好みだな。


 本公演で、だいもんの歌声からはじまることで驚いたけれど、新公ではその同じ歌が、まったくもって別モノだった。
 とゆーのも、聞こえてきたのが女の子の声だったからだ。
 この歌、新公では娘役が歌うことになったのか! と声の主を探すと……あれえ、ちゃんと兵士が歌ってる。
 うまいヘタよりなにより、女の子の歌声だった、というのが印象的。

 ミハイロフ@優波くん、学年にしては、よくやっていたかな。
 顔が好みではないので、印象の底上げもされず。
 本役がかっこいいのは、役がカッコイイからではないんだなと再確認。

日記内を検索