『太王四神記』感想箇条書きの続きっす。

・「別れの儀式」ってなんやねん。
・「忘れ物だ」といい、イケコってこーゆーあざとい演出うまいよなー。
・辻褄合ってなくても流れとしておかしくても、とにかくあとでネタにして遊べるくらいベタなことをさせるのは、ヅカの演出家として正しい。
・まあ、「俺のガーディアン・エンジェル」に勝るモノはないかと思いますがね。(真顔)
・以上、小池修一郎作花組トンデモLOVE台詞集でした☆

・いつの間にやらタムドク親衛隊になったコムル・トリオとその他いろいろたち。
・てゆーか、だいもんが歌いまくってる。
・キハ@彩音を連行中のチョク・ファン@しゅん様の前に現れるコ将軍@めぐむ。何故か歌う。
・歌う必要はまったくないところで、何故かひとりミュージカル。イケコってお気に入り生徒にはこーゆーことするよなあ(笑)。
・てゆーかめぐむかっこいー。

・「テジャ城へ」と歌う人々の合唱はかっこいい。

・誰かわたしに、ヤン王がナニを考えているのか、教えて下さい。
・愛し合うふたりを引き裂くためにキハを悪者にする、まではいいとして。
・自分が死んでどうするよ?!
・タムドク@まとぶんを王にするまでは死ねないんでしょ? タムタムはアホの子だから、チュシンの星の力をもってしても、タムタム自身の力では王になれない、父王の助力と庇護がないとダメだって、ずーーっとそう言ってきたじゃん!!
・そう、ヤン王@星原先輩は誰よりも息子を信じていない。タムタムがひとりではなにもできないと信じ続けている。
・そんな子を放り出して、突然死ぬのはおかしすぎる。

・カクダン@りせVSサリャン@みつる。
・カクダンが部下の女兵士たちに「楯になれ!」と命令するのが好きだ。それだけの信頼関係が、信念があるんだね。
・取り乱し、号泣するキハが切ない。そりゃ泣くわ。ヤン王、わけわかんなすぎ。

・プルキル@壮くんのマジック・タイムが素敵。
・ハンドパワー、なんか出てます出てます。
・吹っ飛ぶ演技かわいい。プルちゃんラヴ(はぁと)。
・目を剥き出して顎を上げていちいち台詞言うのかわいい。プルちゃんラヴ(はぁと)。
・「オマエの中に、ナニかが宿っている!」……いやん(笑)。
・昨日の今日でコレかあ、一発必中、タムタムってもー。と、初日から見ていてテレたぞヲイ。

・はい1幕クライマックス、テジャ城です。
・てゆーかチョ・ジュド@ふみか、働き者だなあ。イイ声だなあ。
・城門が開くと、そこにセドル@よっちたちの死体が。何故かココでわたしはいつも『鳳凰伝』を思い出す……。
・ここの展開も謎。
・「4部族長の息子たちを殺したのはタムドクだ、成敗する」って……必要ないじゃん?
・テジャ城に着く前に殺しておけよ。どーせヨン・ホゲ@ゆーひの味方しかいないわけでしょ? どこで殺しても同じこと。
・そんなことより重要なのは、テジャ城までの道中、タムタムとホゲがどんな会話をしたかだ。
・ホゲはいちおーテジャ城までは今まで通りの友人の振りをしているわけでしょ? ケンカ中かもしれないけれど、殺そうとしていることは伏せているわけだし。

「なあさっきの、舞いを見せてくれってなんだ?」
「…………」
「君も彼女を知っているのか? あ、わかった! 高句麗一武道大会の開会式だ、キハが舞っていたな。うん、アレは美しかった」
「…………」
「彼女はその、まあ、僕の……」
「…………」
「うん、そして昨夜は……(思い出し笑い)……なあ、聞きたい?」
「…………」
「聞きたいだろ? な?」
「……………………(怒)」

 沈黙に耐えきれなくて道化のごとく早口のあんちゃん風に喋り続けるタムタム。クールに無視し続けるヨン・ホゲ。
 しかしだんだんアライグマくんのこめかみには怒りマークが……。

 そしてついにテジャ城到着。
「誰も手を出すな、こいつは俺が始末するっっ!!(むきーーーっ)」

・……ああ、くだらない想像ばかり流れ出る。
・だってこの脚本、わけわかんなさすぎるんだもん。キャラで遊ぶしかないわー。

・ヨン・ホゲ率いる敵に囲まれタムタム危機一髪! なところへスジニ@みわっちたち登場!
・「やめろ~~!」「ナニモノだっ」「タムドク様の仲間だよ!」のやりとりを変だと思うのはわたしだけだろーか。
・えーとふつーは、危機一髪に割って入るのは第三者か、襲いかかる側を止められる立場の者じゃないの?
・タムドクを殺そうとしているときに、タムドクの仲間に「やめろ」って言われて手を止めているホゲ軍のみなさん、変。
・カクダンの近衛隊が伝令ヨロシク割って入るなら、ホゲ軍が手を止めても仕方ないけどさ。スジニがってのはおかしいわ。
・てゆーかいい人たちだな。「やめろ!」「はい」てか?

・カクダンがもたらした情報「巫女のキハがチュモ神剣でヤン王を刺し殺した。ヤン王は、チュモ神剣をタムドクに渡しチュシンの王になれと伝えろ、と遺言した」……そして手渡されるチュモ神剣。
・父親を殺した凶器なんですけどコレ、渡されても。

「今の話、どこに突っ込めばいいんだ?」
 呆然とするタムドク。
 なんでキハがチュモ神剣? つかキハと父上になんの接点が? キハは自分ちに帰ったはずだし? でもって凶器を私に? なんで? 凶器にトリックが隠されてるとか? 指紋つけちゃっていいのかコレ?
 話が突拍子も無さ過ぎて、フリーズするタムドクの前で、カクダン、がくりと頭を落とす。えっ、りせここで終わり?
「ヲイっ、この状況で事切れるな、わけわかんねえ!!」

・嘆きのタムドク、チュモ神剣をかざして吠える
・蛍光灯、点灯。
・じゃなかった、ライトセイバー点灯。
・じゃなかった、チュモ神剣、発動。

・「あなたこそ、チュシンの王!」ヒョンゴ@まっつの声、いいなあ。
・でも、水戸黄門ルックで杖をかざす姿は、かっこよくないなあ(笑)。
・いちいちセリ上がりして、何故かまたセリ下がるタムドク。……上がったままじゃいかんかったんか?
・主要人物それぞれのソロと大コーラスで幕を閉じるのはイイ。
・ホゲ様のソロがせつない。

・でもつい、『スカーレット・ピンパーネル』の1幕ラストの豪華絢爛盛り上がりまくりのクライマックス → 幕、がアタマにあって、「なんて寂しい画面……盛り上がらない……」「ハッタリが足りない……コレやるんならサイトー演出にしろよ……」と思って肩を落とした初日のオレ。
・や、もう慣れたから、コレはコレでいいんだけどね(笑)。
「♪あなたは国を捨てる」
「ああ。生きるために」
「♪私も国を捨てる」
「そしてふたりきりで生きてゆく」

 と、盛り上がり、ラダメスとアイーダは14番目の月が満ちる夜、手に手を取ってエジプトをあとにした!
 ラヴラヴな一夜を過ごしたふたりの前に、ケペルが兵隊率いてやってきた。
「悪の組織に有力貴族の息子たちがさらわれた、助けに行くんで手伝ってくれ。ああ、その女は家に帰れば?」
「わかった、そんじゃアイーダ、またな!(すちゃっ)」
「…………えええっ?!」

 またなじゃねーだろ、帰れじゃねーだろ。
 駆け落ちじゃなかったの? なにもかも捨てたんじゃなかったの?

 一夜過ごしたあとなにごともなかったかのようにそれぞれ家に帰るってことは、だ。

 ただ、えっちしたかっただけか、タムドク?!!

 や、いきなりラダメスとアイーダなのは、それくらいありえない展開だっつー例です。

 「結婚するまでは絶対イヤ」と言ってえっちはおろか、キスもさせてくれないガードの堅い女の子を口説くために、「交際に反対している家も父も捨てる。結婚しよう」と口先だけで約束して、手に手を取って駆け落ち→えっちした翌朝、「俺、用事あるから、またな。気を付けて帰れよ」とさわやかに去っていく男って……ありえねえ。

 箇条書きでお送りしていた『太王四神記』感想ですが、ちょっくらふつーに、いつものノリで書いてみます。

 『太王四神記』に辻褄の合わないところは数々あれど、いちばんイヤなのは、ココだ。

 タムドク、さいてー。

 その前の場面で彼は、王位を放棄する。
 「王にはヨン・ホゲが相応しい」と父王はおろか、国民たちの前で宣言する。

 これは、「立派な行為」では、まったくない。謙虚なわけでもない。
 ただの責任放棄だ。

 王の息子として特権を得て生きてきたのに、なんの責任も果たさずにオイシイとこ取りで、面倒なことは他人に押し付けた。
 これで臣下であるヨン・ホゲをバックアップする旨を告げるならば、「国を支える責任」を自分の器量に合わせて担うつもりだとわかるが……彼は、女と逃げた。

 蝶よ花よとぬくぬく育てられ、いざ重い責任を果たす段になると、「やーだよ、ボクは自由に生きるんだ!」と女と逃げ出す。
 それも、全国民の前で。
 父王の面目も丸つぶれだし、国の屋台骨が傾いてもおかしくない愚行。

 ……もちろん、それだけのことを「覚悟」を持ってするならいい。
 こんなバカ王子を、親バカゆえに後継者にしようとしたヤン王は、「国を滅ぼしかねない愚王」「王としての資格なし」と謀反を起こされるかもしれないし、人望を失った王を戴いた国は、他国にあっけなく侵略されるかもしれない。
 国を滅ぼすかもしれない、それほどの言動を、タムドクがすべて覚悟の上で取ったならば、それでいい。
 ヤン王が殺されても、ヨン・ホゲが王になる方が高句麗のためだと判断し、自分が悪者になるつもりならば。

 「覚悟」があるなら、いい。
 しかし。

 それほどものすげーことをしておいて、だ。

 翌朝、あっさりと元に戻っちゃうんだ。

 高句麗の王子様に、戻るの。
 テジャ城で、自分でちゃんとそう名乗ってるし。

 ヨン・ホゲが迎えに来たら、なんの疑問もなく「王子様」として行動する。
 つまり彼は、口先でキレイゴトを言うだけで、覚悟はおろか、なにも考えていないし、なにも失うつもりはないの。

 自分の権利だけは大切に抱きしめて、責任は放棄。

 タムドクについて走り出したキハは、なにもかも捨てたはずだ。天地神堂も、火天会も。いずれ火天会の手に落ちるかもしれない、とは危惧しているだろうけど、それでも彼女は自分の意志でタムドクについてきた。
 それまでの世界を捨てて、タムドクだけを信じて。

 なのに、翌朝になったら「君、帰っていいよ」って……!!(白目)

 つまり、えっちしたかっただけ? プチ家出したかっただけ? 本気にしたアタシがバカだってこと?!!

 悪の組織にさらわれた臣下を助ける、のはたしかに大切なことだし、そこで助力しようとするのはタムドクのやさしさだろう。
 でもね。
 臣下を助ける、のは、王子の仕事だ。
 タムドク、君、昨日自分から「王子であること」を捨てたよね? 放棄したのは王位継承のみだけど、あの場でそう宣言して女と逃げたってことは、王子であることも捨ててるよね? キハに「ただの市井の男になってもいいか」と前に言っていたから、そーゆーことだよね?
 それとも、「王子様としての特権は捨てる気ないけど、好きな女の子と好きな土地で暮らすんだ」ってこと?

 王子であることを捨て、ただの男になったのならば。
 なにもゼイタクできないとか、王宮でのうのうと暮らせないとか、そーゆーことだけじゃないんだよ。

 軍を率いて、困っている国民を助けることも、できないの。

 タムドク、君は自分で捨てたんだよ。火天会に誘拐された4部族の息子たちを助けに行く権利を。どんなに助けたくても、君にその権利はない。
 王位を放棄するってのは、そーゆーことだ。

 あれほど無責任かつ無神経なことをしておいて、恥ずかしげもなく「高句麗の王子」と名乗りを上げる。
 自分がいかにも「正義」という顔をして。

 王位を譲るのなんのって、ただの口先だけなんだ。彼は王子でない自分なんて、まったく想像も出来ないんだ。
 自分を信じてなにもかも捨ててついてきた女の子に「大丈夫、また会える」とか言ってキスしちゃうんだ。
 また会える、わけないだろ。
 なにもかも捨てた彼女に、帰る場所なんてない。戻れば彼女がどれほどの咎めを受けることになるのか、自分のことしか考えられないタムドクは想像すらしない。

 自分のしていることの愚かしさを自覚せず、いつも自分を正しいと思っている無責任で無神経な子ども。

 貧困に喘ぐモノの前で、「パンがなければお菓子を食べればいいのに」と笑うよーな、善良であることを言い訳にした、無知さ愚鈍さ。

 こんなヤツに、王の資格なんかない。

 ……ホゲがキレるわけさ。こんな、自分の言動の意味も理解できていない男に「欲しかったらやるよ」って言われ、這いつくばってありがたがるほど、自尊心欠如してないっつーの。
 酷すぎるよ、コレ。

 テジャ城へ行くなら、その前にきちんと「もう私は王子じゃないから、軍を率いて助けに行くことは出来ない」と言わせるべきだ。助けたい、力になりたいのは山々であると表現した上で。
 それでも、と強くヨン・ホゲが求めるので、今回限りということで、捨てることになる祖国への罪滅ぼしのつもりで同行する。
 キハはもちろん、天地神堂へ帰らせたりしない。ふたりが過ごした山小屋へ匿っておく。臣下を助けたら、ふたりで新天地を目指すために。……それが、ホゲでもプルキルでもいいから手下によって拉致られて王宮へ連れて行かれる、と。
 で、あとの展開へつなげる。

 イケコ作品は「心」がつながっていないんだ。
 その場その場でてきとーな、表面的なことしか言わないししないから、もうめちゃくちゃ。
 もうあきらめてるんで、はじめから脳内補完して観ているけれど、ほんとこの謎の展開だけは、なんとかしてほしい。

 「タムタムのプチ家出の巻」でしかないじゃん、これじゃあ。たった一晩かよ、彼が「市井の男」だったのって。
 そしてその一晩でやったコトって、アレだけですか……。

 酷い。
 『逆転裁判-蘇る真実-』観てきました。

 とりあえず、ゲームまんまでウケる。
 なんつーんだ、作品を構成する方程式が『逆裁』なの。骨格が『逆裁』だから、あとはどう肉付けしてもそれは『逆裁』でしかありえないっていうか。

 こりゃ是非原作ファンに観て欲しいなと。
 「丸コピ以外認めない」右翼ファン以外、「スピリッツさえ間違っていなければ、メディアミックスなんだから新たなジャンル用に再構築されるのはOK」って人なら、愉しめるんじゃないか?

 演出の鈴木圭は「オリジナルはビミュンだけど、アレンジ力に秀でた人」とわたしは思っている(笑)。彼のオリジナル作品は両足上げて後ろにひっくり返るくらいアレだったけれど、新公演出時に見せる的確なアレンジぶりは高く評価。
 今回もいわばアレンジものだから、彼の得意分野だよな。

 意外だったのは、彼もアニメ的ノリを理解する人だったこと。

 ヅカでアニメやる人は、サイトーくんのみかと思ってた。
 OPの潔いアニメっぷりには膝を打ってよろこんだわ。なんだよー、アニメやれるんじゃーん。サイトーだけにアニヲタやらせてないで、スズキくんもこれからがんばれよー(笑)。

 物語は『逆裁1』の追加シナリオベース? そこにいろんなものをミックスしたっぽい。霊媒ネタは出てこず(笑)。

 熱血弁護士フェニックス・ライト@らんとむは、2年前に一方的に別れを言い渡された恋人レオナ@まちゃみが殺人犯として逮捕されたことを知る。
 レオナは犯行を認めているが、彼女の人間性を信じるライトは弁護を名乗り出、無実を証明するために奔走する……。

 キャラの再現率の高さに、ウケた。
 ナルホドくん@らんとむはハマることが、この企画が噂段階だったときからわかっていたし、ミツルギ@七帆も思った通り。や、らんとむ主演で『逆裁』やるなら、ミツルギは七帆しかいないと拳を突き上げてわめいていたクチですからあたしゃ(笑)。
 だからこのへんはもう、「わかっていた」ことで。

 マヨイちゃん@れーれ登場時に、いちばんびびった。
 原作まんまかよ?!(白目)
 あのアホウな髪型、アホウな衣装……すげえなヲイ。
 そして天然ぶりもすげえ。
 つか、かわいいなー。

 そしてヤハリ@大ちゃん……美貌しか取り柄のない彼(失礼)が、体当たりで三枚目を演じてますよ!! やはり(笑)うまくはないんだが、それでもなんか愛しいオーラと輝きを持つ。

 イトノコ刑事@みーちゃんが、素敵すぎる……。
 彼のキメポーズが、原作通りのアタマの横を掻くアレなんだけど、そのときの表情がね、いちいちちゃんと「イトノコ」になるの。
 フィナーレの挨拶時、出演者が次々登場して一礼するときに、みーちゃんはこのキメポーズをするんだが……この一瞬でちゃんとイトノコ刑事の顔をしてみせるのよ。
 すげえ。
 役者だわ。
 でもってこの表情がすごい好きだー!!
 もともと好きな顔なのに、好きな表情されて、ちょっとどうしよう!ってくらいときめいた(笑)。

 ナツミ@あおいちゃんはもー……配役見たときから「はいはい」って感じだったが(笑)、ほんとにナツミまんまだった。や、期待を裏切らない人だ。

 裁判長@ふーりじんに髪があったのが残念。
 なんでハゲぢゃダメだったんろー? すみれコード?

 アカネ@せーこちゃんは、キャラがまともになってた。や、原作に比べて。
 フィナーレでイトノコ刑事@みーちゃんと並んでいるのがささやかなツボ。……『パラプリ』新公カップルだ~~。

 若手だらけで衣装の着こなしもアレレな人たちの多い中、すっしーの美しさは群を抜いていて安心だった。
 や、若手くんたちはモブばっかでちょい気の毒だったが……。コラボ公演だから、小劇場での必須事項である下級生育成は、今回は度外視しているっぽい。

 レオナはオリジナルキャラクタだけど、やっぱイメージ的にはトモエさん? だったらいっそトンデモ衣装を……い、いや、なんでもない。
 まちゃみはスーツ姿のクールビューティ得意だから、コレでいいかと。

 ナルホドくん@らんとむと、レオナ@まちゃみのラヴラヴ学生時代映像が、恥ずかしすぎます……(笑)。まさかキスシーンまであの大きさで見せられるとは思わなかった。
 や、漢らんとむは、恥ずかしくてナンボだと思っているので、正しいのですが。

 
 ゲームの裁判シーンまんまの法廷場面を観ながら、もうひとつの法廷モノ公演を思い出していた。

 そう。斎藤吉正演出『カラマーゾフの兄弟』を。

 『逆裁』ヅカ化が決定したとき、サイトーにやらせろよ!と思った。なんでスズキケイなんだよ、ここはサイトーだろう!と。

 直近にタカラヅカでふたつの法廷モノ公演があり、共に若手演出家作品。
 ひとつは文豪ドストエフスキー原作の『カラマーゾフの兄弟』、ひとつはゲーム原作の『逆転裁判』。……原作だけで言うなら、真逆。
 されど舞台で法廷をやる以上、ルールが決まっているというか、絵柄は限定されるんだよね。
 証人台が中央で、左右に弁護士・検事、奥が裁判長。周囲に傍聴・陪審員。
 証人は裁判長に向かうのではなく、客席に向かってパフォーマンス。

 同じ構図で同じように裁判をやり……しかし、原作に合わせて表現方法が根本から違った。

 なにしろ「裁判」だから、どちらもドラマティックであり、逆転に次ぐ逆転で審議が進む。
 歌とダンスで表現し、とことんシリアスに悲劇とカタルシスを構築した『カラマーゾフの兄弟』。
 ゲームと同じ手法でロジックのみ(や、ネタ自体はツッコミだらけだけど・笑)に終始する『逆転裁判』。

 まったく別アプローチの法廷モノを観ることができて、興味深かったっす。

 サイトーもスズキもいい仕事してますよー。

 
 この公演の意義はなんといっても「異文化コラボ」であることだと思う。
 ヅカファンと原作ゲームファン、どちらにとっても「心地よい」作品である必要があるし、宝塚歌劇団の目的が「客層を広げる」ことである以上、「原作ファンにすり寄りすぎた内容」でもダメなのね。
 これをきっかけにヅカという妙な文化(失礼)に、興味を持ってもらわないとイカンわけだから。

 感心したのは、やりすぎなくらい、ベッタベタのフィナーレ。
 本編無視して、突然展開する「タカラヅカ・ワールド」!!

 『カラマーゾフの兄弟』で本編無視してヲタク全開だったサイトー趣味走りすぎフィナーレと逆!!(笑)

 あー、いくらヅカでも、現代舞台のバウ芝居では、あそこまで世界観と乖離したフィナーレはやりません。
 男役群舞はふつーにスーツで踊るし、主要人物もぴらぴらの王子様ルックで出てきたりしません(笑)。
 本編を踏襲した、それをちょい派手にしたあたりでフィナーレやります。

 それが『逆裁』では、いきなりディープにタカラヅカ。
 世の中の人が連想するであろう、「タカラヅカ」な姿。

 ゲームを再現したために地味だった画面を払拭する勢いで、ヅカ全開。
 うん。
 ヅカファンだけ相手にしていれば、このやりすぎなフィナーレはチガウんだけど、そうじゃないから。
 「新しいお客さん、Welcome!!」精神の表れだから。

 ヅカのものすげーヅカっぽいところもあえて見せる。
 そして、そのあとは観客に委ねる。「宝塚歌劇」という特殊な文化を愛してもらえるかどうか。

 そのバランス感覚が、アレンジャー鈴木圭の非凡なところだと思う。

  
 最後はらんとむと一緒に客席も含め全員で「異議あり!」ポーズキメて終幕でした。
 たのしかったよ。
 カラダ中の水分なくなるかと思うくらい、大泣きしてきました。
 『My dear New Orleans』『ア ビヤント』初日。

 予備知識ナシ。
 とりあえず、唯一持ってる今回の公演チケット、B席券1枚握りしめてムラへ行く。ええ、ことごとく全滅し、初日B1枚が、わたしのチケットのすべて。……まあ、花組だってあらかじめ持ってたの、平日S席チケ1枚だけだったしな……幕開いてからいろいろいろいろ手に入れた。

 猫に叩き起こされほとんど寝てないので、感想走り書きして寝る。

 芝居は、ものすごーく、あざとい(笑)。

 なんつーんですか、あまりにも退団者仕様というか、いちいち「さあ泣け!」とやられます。
 で、まんまと大泣き(笑)。

 や、幕が開いて、扉を開けてトウコが光をバックに登場して、ピアノの前にひとり坐るだけですでに泣けてくるので、芝居の内容以前の、わたしの問題かもしれませんが。

 ストーリーはいつもの景子タンです。

 やー、コレ、『HOLLYWOOD LOVER』じゃん、と、途中からデジャヴまくりましたが(笑)。
 「映画作るぞー! 夢に向かってみんながんばるぞー!」な部分を「人種差別になんか負けないぞー!」に変換すると、あとはみんなスライド可というか。

 成功した主人公が、ヒロインとの別れの記憶のある街へ戻ってきて、現在の彼女と出会ってあれこれするのが『ハリラバ』で、過去の彼女とのあれこれの話になるのが今回の話で、主人公とヒロインの展開は同じ、ラストシーンもほぼ同じ。
 なにより、ヒロインの部屋のセット使いが同じでなあ……(笑)。

 四畳半的物語で、すげー小さな世界で狭い人間関係のみに終始。
 物語に起伏は少なく、同じテンションでえんえん話が続き、キーになる曲のカラーが似ているため、インパクトが相殺されている感じ。
 抜きどころもなく、とにかく同じテンションなので疲れる。

 よーするに、ただのメロドラマです。

 ラヴストーリーというより、メロドラマ。『ハリラバ』がそうだったように。
 天下国家も関係ないし、謎もなければどんでん返しもない。淡々と場面が流れ、すげー些細なやりとりのみで終始する。

 でもって、それらをトウコの歌声で、つなぐ。

 退団とかこれまでの軌跡とかタカラヅカとか、そーゆーものに絡む、そーゆーものを連想する歌を、トウコががんがんに歌い上げ、仲間たちが唱和する。

 泣ける。

 あざといけど、泣けるんだよー。

 
 とりあえず、トウコのメロドラマが見たいとゆーハートは満たされます。

 真正面切って、トウコがあすかを口説きまくります。
 愛の言葉雪崩のよーに熱くつづり、片想いトウコ炸裂。その愛を受け入れられないあすかは心裏腹に拒み、押すトウコ、逃げるあすか、とゆーメロドラマ本懐ぶりを眺められる。
 ラヴシーンはすげー思わせぶりに暗転。
 ソファで抱き合ってキス……なんだが、トウコが徐々にあすかに覆い被さっていく……のがわかるかわからないか、で見えなくなるので、ドキドキ。

 景子作品の良さである、衣装センスの良さ。
 あすかちゃんのドレスはどれもすげー美しいし、トウコもかっこいい。
 でもって、しいちゃんが美しい。

 ヒロインあすかと恋敵@しいちゃんのダンスに、いきなり泣いたさ。あんまり美しくてな。

 しいちゃんの役が、唐突な銀橋ソロ含めいろいろ謎だったが、とりあえずかっこよかった。

 でもって、トウコを口説くすずみんに萌えた。

「ボクと一緒にニューヨークへ行こう! シアワセにするよ!」みたいな。……あれ、ちがったっけ?

 れおんのシスコンというか、行き過ぎた姉への愛情には?マークをトバしつつ、ともみんの扱いの良さにびっくりしたり、みやるりの美貌がわかりやすいところに配置されていて眼福だったり、あかしがまたしてもあかしだったり、しーらんを好みだと思ってみたり、ベニーがほんとに美しかったり、組長が父なのか母なのか混乱したり、まあいろいろ。

 とにかく泣けた。

 
 ショーはいつものフジイくんです。

 さすがサヨナラショー職人。
 泣かせどころがわかってる。

 なんか妖精さんが出てくると幕間に聞いて、「藤井と言えば白ヅラ」と震撼しつつの観劇、妖精さん@れおんが登場……ふつーにイケメン。
 なんか『イーハトーヴ』っぽいっす、れおん。

 トウコは場が暖まってから「これぞタカラヅカ!」な登場。エリマキトカゲから黒燕尾、女装までほんといろいろ。
 てゆーか、最前列、美味しすぎ。
 客席降りまでは想定内だが、センターだとトウコのお尻を触れるの?!
 客席から銀橋に戻るとき、トウコちゃんは客席の年輩男性を指名、カラダを押してもらっていたよーな?
 アレ、毎回やるの? マジ?

 それにまいけると女の子たちが、トウコ写真のビラを配っていたぞ。わーん、うらやましー。

 何故かれおんとあかしの倒錯的な男×男ダンスは一場面まるまるあるし(藤井クオリティ)、ともみんとあかしはダルマ姿も披露だし、てゆーか、ともみんはいいとして、女装あかしに下からすがりつかれて、れおん的にはどうなんだろうとか。
 もちろんトウコとれおんの男×男ダンスもがっつりあるし。や、退団トップと次期トップの絡みはお約束だが、だからこそれおん×あかしはいったい……?と(笑)。

 や、わたし的にベニー×しい様に食いつきます。
 芝居の役とかぶりまくるパトロン@しい様、スター@あすか、横恋慕する主人公@トウコ。
 このしい様に、ボディガード@ベニーがくっついてるんですよ、ふがーっ!!
 ベニーがクールなの、ワルい顔してるのよー。
 しいちゃんもすげーかっこいいしっ!!

 しいすずもお約束、トウコとしいすずもあり、他退団者場面もあり、すげー盛りだくさん。
 
 あすかは出番自体は少ないのかな。
 だけどその比重が「タカラヅカ娘役トップ」って感じだ。
 要所要所で強い印象を残す。

 ひとりぼっちのトウコの歌から、全員の大合唱になるくだりは、鳥肌もん。
 トップスター安蘭けい、星組の安蘭けいを見た。

 でも、ここにあすかがいないことが不満だった。
 この爆発的感動シーンに、あすかがいない。お着替えのため、次の場面へのつなぎに出るために不在ならイヤだな、ひどいなと思っていたら。

 ここに彼女が「いない」ことが、演出だった。
 すべてが終わったあと、「遅かったのね」と歌う彼女の姿に涙。

 そして再び舞台上でめぐりあうふたりの姿に、涙。

 
 トウコちゃんはあちこち泣いているわ、挨拶でも泣いちゃうわ……しかしソレすらネタとして笑いにしてしまうところが素敵。

 こっちも泣きすぎて疲れた。
 糖分補給しよーと帰りにスイーツ食べて、……口に合わなくてさらに疲れた(笑)。

 足りないのは糖分じゃなくて、瞳(トウ)分だ!!
 もっともっとトウコを!!

 てことで、限界。もう寝るっす。明日、起きられるかなあ。
 だらだら箇条書きにて『太王四神記』感想。

・武道くじの最初のコーラスにて、ヒョンゴ@まっつの杖を使っての武道パフォーマンスと歌声が、すげー好きです。無駄にキレがあってかっこよく、朗々と美声。でも姿は水戸黄門。
・イルス@マメの「田舎者(冷笑)」が、すげー好きだー。かっこいー。美形ー。イヤナヤツ~~!(笑)
・タムタム@まとぶん登場をあまり見たことがないのは、いつもチガウところを見ているせいです。わたしの視界が彼をとらえるのは、まさに「タム……タム……」という自己紹介場面にてです。
・さおたさんを、ここではじめて発見した。
・初見時、承前のヒョンゴ解説場面は情報量が多すぎて捕獲できていなかった。ので、最初がこのあたり。
・おかえりなさい、さおたさん! と、思っている間もなくなにもせず、彼の出番は終わる。え? あの人ナニ? なにやってたの??
・初日の幕間、「高翔さんが出ていたことに気づいたモノは何人いるか」を仲間内で確認しあった。わたしは「気づいたもん!」と意気揚々と答え、「ブーっ、2ヶ所に出ていました」と正解を告げられしょぼん(笑)。
・しかし、何故あの場面に出て、なにもせずに終わったのかは(この時点では)わからない。だもんで仲間内の会話はエスカレートする。

「あれっぽっちの出番じゃ気づかないよ」
「毎回チガウ場面に出ててもわかんないかもね」
「それが演出かも。あるときはくじ場面、あるときは宮廷場面と、出る場面が毎回チガウ!」
「真ん中だけ見てたらわかんない。貴方は高翔さんを見つけられるか!」
「観劇後にどこに出ていたか、目撃情報が飛び交う」
「新しいね! やるな、イケコ!」(やってません)

・いやその、お帰りなさい副組長、ってことで。(どんなまとめ方)

追記
 友人から訂正入りました。
 さおたさんの出番は3ヶ所です、ええ。2幕の台詞にもあるよーに、武道会にもいます。
 この箇条書き、初日付近に書いたテキストにあとから書き足したりなんだりしてUPしてるんで、まちがったとこ気づかないままUPしちゃったよー。
 つーことで、答えは3ヶ所、みんなもカグン将軍を探そう!(そーゆー話じゃない)

・ここでタムタムはスジニ@みわっち他と出会って友情をはぐくんでいるらしい……出会ってすぐに終了だからよくわかんないが。
・てゆーか、お忍びタムタムの話がもっと見たいぞーっ。
・王子様はちゃんと財布と現金を持っているらしい。貨幣価値もわかっているらしい。ボられることもなく、ちゃんと生きているっぽいのは……ん? すでにヒョンゴ一味にカモられてる?(負けるとわかっている黒クジを買わされている?)

「えーと、ポンファ通り名物は……」
「ダメだよタムタム、『ポンファ通りガイドブック』なんか広げて歩いてたら! おのぼりさんだってひとめでわかってカモられちまうよ!」
「そ、そうか。だがこの、おすすめデートコースに載っている……」
「なんだよタムタム、デートの下見してんのかー。相手どんな子?(小指立て)」
「いや、そのまあ……美人だな(ぽっ)」
「こいつ~~!!」
「言ってくれるねー!」
「うむ、ここはひとつ私が相性占いを」
「はい、お代はこちら」
 まだスジニは恋愛感情ナイからふつーに男子な会話で……って、はっ。ちっとも箇条書きになってないぞヲイ。

・天下一武道会のかっこよさときたら!!
・太鼓の音が腹に響いて、素直にぞくぞくわくわくする。
・最初はもうどこを見ていいやらで目がうろうろして……結局、審判@アーサー見てた。(あれ?)
・や、だってあのアーサーがあんな目立つ役を! 声出してるよ、声!
・そして、2回目以降は脇で騒いでいるヒョンゴ先生ガン見……って、なんか負け犬気分。真ん中見ろよ自分。
・登場人物全員集合な派手な場面って、単純に好きだなあ。盛り上がるよなあ。
・てゆーかヨン・ホゲ様@ゆーひくんがかっこ良すぎる……。

・「行こう、キハ。今を逃すと、僕はもう自由になれない!」→駆け落ち、という展開にぽかーん。
・い、いやいいんだ。本当に王位を捨てるつもりなら、これくらいやっても。公衆の面前で責任投げ出して女と逃げたアホ王子なんて、民衆も貴族も政治家も、軍人、天地神堂……あらゆる人たちが「ダメだこりゃ」と思うだろう。あきれかえって終了、だろう。
・とゆーことで、ここでもうプルキルたちの計画は、実行する意味はなかったと思いますが? タムドクを追う必要ないっしょ。追って人知れず暗殺するならアリだけど、軍隊出して征伐するほどのこともない。
・四部族長の息子たちを殺して責任をなすりつけるまでもなく、「王様になんかならない、女の子がイイ!」と逃げ出した件は立派な理由だ。ヤン王@星原先輩がどんだけ息子可愛さにダダこねても取り返しがつかない。それでもタムドクを王に、と権力を行使するなら、五部族が一致団結して反乱を起こしてヤン王を倒すしかない、その理由として十分なくらいの「アホ王子ぶり」だ。
・……ここでしっかり描くべきだったのは、すげーさらりと終わった「タムドクとヨン・ホゲの口ケンカ」だと思うんだが。
・あの事件以来、ふたりが直接会話するはじめての場面だって、イケコはわかってるんだろうか……。

・プルキル@壮くんの呪文を堪能しつつ、タムドクとキハ@彩音ちゃんのいちゃいちゃを楽しむ。
・てゆーか肩をはだけられるのが、みょーにやらしい。
・ふたりのLOVE会話は、真面目に文章の意味を考えると混乱して疲れるので、意味は深く考えず、「なんかラヴいことを言い合っている」とだけ理解する。役者の心の演技を楽しみ、イケコのわけわかんない脚本は無視する(笑)。
・てゆーか、「生まれた場所で、今夜僕はもう一度生まれ変わりたい。君とふたりで」(手を差し出す)とゆーのは、すげーえっちな台詞で、うろたえました。
・またまとぶんがね、瞳をキラーンとさせるんですよ、ココで。
・これから初えっちだぜ、という若い誠実な男の子の意気込みというか鼻息というか、変にリアルでこまります(笑)。

・まとぶんの……ぢゃなくて、タムドクのやる気満々さを見たあとだから、翌朝のタムドクカップルとホゲのやりとりがなあ。どこまで下世話に受け止めていいのか迷う(笑)。
・ホゲちゃまの台詞は言葉通りに受け止めるもんなの? それともふつーに「ずいぶん早起きだな、それとも朝までお楽しみか?」と変換していいの?
・対するタムドクも「無事初体験済ませました、気分すっきり大人です(フッ)」と返したんだと思ってイイの? こいつ、服を直しながら(ついでに微妙にニヤけて・笑)の登場で、ついさっきまでハダカだったんかい?!な勢いだしなあ。
・ソレで思わずホゲは「炎の巫女よ、俺とのことは遊びだったのか?」と問いつめた、と。キハには「なんのこと? わけわかんない」とスルーされて終了。
・女に不自由したことなかったのにねえ。タムドクみたいな世間知らずのチェリーボーイに持っていかれるなんて、ホゲ様大ショック!!

・いかん、どんどん話が下世話に……。

 続く。
 ふつーに文章にして書くと、まとめたり取捨選択したりして短くなるんだけど、箇条書きだと前後の脈絡なくだらだらと思ったことだけ書けるから、結局長くなるんだよな。
 どっちがいいんだろ。

 まあとにかく、『太王四神記』感想雑記。

・書庫にて、キハ@彩音と出会うタムドク@まとぶ。
・初見では思い至ってなかったが、観劇後「ちょっと待て。タムドクが生まれたとき、キハはすでに姫花だったよね?」……日本語変ですが、よーするに、年齢設定に疑問がわき上がった。
・タムドクが赤ん坊人形でしかないときにしっかり姫花で美少女だったキハ。そう気づいてから見ると、キハの少女ぶりっこがなかなかすごい。いつもの妹キャラのよーだ。
・天地神堂、というものがわからない……(笑)。ここで語られる天地神堂にはツッコミだらけだ。
・芝居の進行上仕方ないとわかっていても、罪を犯している(口止めが必要な行動を取っていた)初対面の巫女に、ぺらぺら秘密を喋り、病身の父王のもとへ連れて行くタムドクは、すげーアタマの弱い子に見える。
・毒を簡単に見抜くキハすげえ。
・が、ほんとうにすごいのはキハなのか? あまりに出来過ぎてないか?
・むしろ「毒を仕込んだのは天地神堂で、この見習い巫女をアタマが弱いとされている王子に近づけ、王が毒を盛られていたことを暴いた功績で、王家に取り入ろうとしている?!」とか考えるのが「賢い王子」の思考じゃないだろうか。
・書庫での出会いと展開があまりに理不尽なもんで、ついうがったことを考えてしまう(笑)。

・ヒゲヒゲヒゲ。華麗なる、ヒゲの競演。
・美中年プルキル@壮くん登場!!
・ドジョウヒゲ! 三つ編み!! 二股眉毛!! キャ~~~っ!!(狂喜乱舞)
・はっちさん、ふみか、王子、らい、レネ……いい仕事してるよ、素晴らしいよ。ヒゲ、ヒゲ、ヒゲ。
・らいがそれでもおしゃれさんキャラなのが笑える。あの細い三つ編みはナニ? こだわり?(笑)
・ホゲママ・セーム@じゅりあ、絶好調の悪演技。GO!GO!じゅりあ!
・しかしやりすぎってゆーか、叫びすぎ声裏返りすぎで、台詞が物理的に判別不可能になってないか? ヤン王の血統疑惑とか、もっとわかるように説明しないと、初見の人にはただの金切り声にしか聞こえないんじゃあ……?
・にしても、GO!GO!じゅりあ!(どっちやねん)
・やりすぎな人は好きさ。

・タムドクとすれ違うホゲ。ここが、まともなホゲの最後の瞬間。幸せなホゲの、最後の瞬間。……そう思うので、せつない。
・銀橋はすごくデジャヴ。たしかたったひとりの友人を任務のために切り捨てるしかなかったハルノスミレ様が、そのことを嘆き苦しんでいるのかと思いきや、脈絡なく「自由に恋は出来ない、だってソレがオレの使命、運命」と歌ってたなあ。
・親友を失って嘆いてたのに、いつの間にか女と自由に恋愛できなくて辛い、てな話にすり替わっている……!(白目)
・イケコのパターンなの? にしても、やめようよ。親友を失ったことだけでいいやん。なんでそこに無関係な女の話を出すのよ? 親友を傷つけたこと、裏切ったことなんか、その程度にしか思ってないみたいよ? 女と恋愛する方が大事みたいよ?
・親友を失って傷ついている、ところへ、やさしい言葉を書けてくれる女登場→Fall in Laveでええやん。
・欲張って銀橋ソロになにもかも突っ込むから、主人公は不誠実な男まっしぐら。
・それともイケコにとって同性との友情も異性との恋も混同して語っていいくらい、同じモノなのかしら。
・銀橋で「恋がしたいよ」と歌っていたので、そこにキハ登場で渡りに船、に見えるところがイヤン。だからあの歌詞なんとかしてくれ……。
・書庫での出会いその他への疑問、引っかかりをうまく克服できた日は、おそるおそるキハを抱きしめるタムドクに感情移入できる。日によってチガウ。引っかかったままだと、ここでもまだキャラの心情が遠い。
・でもまあ、回数を重ねるうちに、まとぶのアツさに持っていかれるようになった。
・悪いのはイケコであって、タムドク@まとぶじゃない。恋愛が描けない・表現できないのはいつものイケコであって、タムドク@まとぶじゃない。脚本や演出の粗を、まとぶんが力技でねじ伏せていく。それでこそ、トップスター!

・悲しみのヨン・ホゲ@ゆーひが、美しい。
・なんであんなにかっこいいんだ? 美しいんだ?
・ストーリーそっちのけで、ひたすらゆーひくんだけ見てしまう。それだけで元が取れる気がする!(鼻息)
・椅子に座り込んでいる姿が絶品です。
・目の表情だけでごはん三杯イケます。

・人形キハ登場。これまた美しい。そして、喋り出すとその素っ頓狂さにびびる。……に、人形だから、仕方ないって。
・舞うキハが美しい。
・キハとホゲの並びが美しい。

・美しいっていいな。タカラヅカっていいな。

・ホゲ様のソロ入ります。
・コレもイケコらしく、歌詞は整合性に欠ける(笑)。
・でもいいんだ、なんかそれらしい単語を並べてゆーひくんがひたすら美しく色っぽく苦悩してくれるから。
・や、この歌詞をまともに読み解くと、「愛していたタムドクに裏切られた。もう生きるすべもない。これからはキハを救いに、彼女を愛するしか生きる道はない」……えーと?

・ヤン王とタムドクの会話は、意味がよくわかりません。
・言っていることはわかるけど、文章のつながりというか、何故その話にその話がつながるのかわからない。植爺脚本によくありがちなヤツ。
・ジェラールとマリアンヌも、つながらない会話をよくしていたから、イケコ・クオリティなんだろー。
・言っていることはわけわかんないんだけど、それに心をのせることで「なんかわかんないけどわかったよーな気がする」と持っていってくれる、まとぶと星原先輩がすごい。

・つーことで武道クジ売り場面。ここもわたしの視界はかなり限られている(笑)。
・ヒョンゴのことはまたいずれ語るとして、セドル@よっち、チュムチ@まぁくんの田舎モノ対決がかわいい。てゆーかよっちがこんなに喋って演技してるってすげえ。
・パソン姐さん@一花がかっこいい。あの剣さばきは感嘆モノ。
・ここで台詞もなくまざっているときの、イルス@マメにときめく。
・なんか今回マメ、すげー色男ぢゃねえ?? 初日から釘付けだったんだけど?

 途中だが、一旦切る。

 今さらですがよーやく、『太王四神記』の感想雑記。……初日からずっと書きたかったことなのに、なんでこんなに書く暇がないんだろう……。

・幕開きがヒョンゴ@まっつのせり上がりから、てのはびっくりだ。テンション上がる。てゆーか、絶対遅刻できねえと、プレッシャーもかかる(笑)。
・カジン@あやねちゃんが男前すぎる。かっこいー。
・男たちを率いてがしがし戦っているいかにもおっかなそーなガタイのいい女丈夫セオ@みわっちに対する解説が「戦で傷ついた人々を救う心優しい乙女」なのは、どうかといつも思う。心優しいなら、人殺しせずにみんなの後ろで手当だけしてればいいのに。
・「虎族と熊族が争っていた」と中立の解説で、ファヌン@まとぶが最初から熊族の味方だから、首を傾げてしまう。カジンも戦う人だけど、セオだって絶好調に戦って人を傷つけていたから、片方だけの肩を持つのは変。神様なら公平にしようよ。そうじゃないならふつーに公式サイトのあらすじに準じ、悪者虎族、彼らに虐げられた熊族、という説明にすればいいのに。
・ヒョンゴの説明って、そーゆーとこがおかしいんだよなあ。(ヒョンゴのせいぢゃないっす)
・ファヌンの歌が好きだ。
・ヒゲなしプルキル@壮くんが拝めるのはこの神話時代のみ。
・プルキルのデコバンドは、眉毛の二股隠しですか?
・や、見事に眉毛端の上部分だけ隠してるし(笑)。
・まっつのザ・解説は、初日のクールさはどこへやら、どんどんパッショネイトになってゆき、「ファヌン様は天の弓を射た!」とか、すげー盛り上がってシャウトしてまつよ。
・黒朱雀は当日B席からは見えない(笑)。

・老人マスク壮くんを最初に見たときはツボった。なにしろ壮くんだし。
・されどすぐにそんなもん、どーとゆーことはなくなる。なにしろ壮くんだし。
・空に輝くチュシンの星。2階席からは見えない(笑)。
・怒濤の子役ラッシュ。そんな中、ひとり本役&子役を務める一花。何故一花だけ本人が子役もやってんの、イケコ?(笑)
・自分以外のなにかのために一生懸命な人ってのはわたしのツボなので、神器を守るために、家族を守るために、次々犠牲になっていく人々の姿に涙。娘を守るために自害する母、子どもたちを逃がして殺される父、妹を守るために捕まってしまう姉、兄……。
・「わたしはその子にスジニという名前を付けた。鷹という意味で、黒朱雀にならないよう願いを込めて」
・ヲイ。女の子になんて名前を付けるんだ、雲雀とか小鳩とかもっと他にいくらでもあるだろうが。
・女の子、というものをカケラもわかっていそうにないヒョンゴ(15歳)に、眩暈を覚える……スジニがあんなふーに雄々しく育ってしまう要因は、最初からあったんだよね……。
・キハ@姫花がかわいい。
・プルキルの子守歌がイイ。母たちの歌声も美しいが、壮くんのたのしそーでうれしそうな歌声ときたら……!
・眠るキハと傍らに坐るプルキルの背中が、好々爺と孫のようで、かわいらしさに身悶え。……ココでかわいらしくなっちゃーイカン気もするが、壮くんだからイイの。

・コ将軍@めぐむがかっこいい。かっこいいかっこいいかっこいい。うおー。
・少年タムドク@ののすみがかわいい。てゆーか、ほんとにうまい。
・少年ホゲ@れみちゃんは……女の子だ。少年ぢゃない。子役って誰でもできるってもんでもないんだなー。ののすみのうまさが際立つ。
・アタマの弱い子のふりをする……はずが、タムドクがほんとにアタマ弱い子に見えるのはどうかと。「じしゅれん???」(首傾げ)
・箱入りで世間知らず、略語なんか知りませんって意味なのか? 正式な文法での会話しかしたことないって意味なのか?
・かわいいからいいんだけどな(笑)。
・「君が王なら僕は将軍になる」……2回目以降は泣きポイントに。

・カクダン@りせ登場! うわ、ほんとに女役なんだ。
・……男役やってるときと、ほとんどちがいが無……ゲフンゲフン。
・女近衛兵士たち、すげーかっこいー。黒尽くめに長い黒髪!!
・声だけで登場、「誰だ?」とざわざわやって、ジャジャンとタムドク@まとぶ登場……演出家、植爺だっけ?
・しかしこの登場の仕方、かっこよくない……。ときによっては拍手もろくに起こらない……。
・タムドクがバカにされている王子様って設定なのはわかるが、「私の練習相手だ!」……ふつーに言えばいいようなことですげーもったいつけてカッコつけて登場されても、「この王子、バカっぽい……」て感じぢゃないっすか? や、そーゆー設定なんだろうけど、しかし、せっかくの初登場場面なんだ、もう少しなんとか……。
・一方、タムドクとチョク・ファン@しゅん様の立ち回りに割って入るヨン・ホゲ@ゆーひ登場の、かっこいいこと。拍手も起こりやすい。
・どっちが主役かわからん……。あくまでも、演出が。
・子役から大人の本役に変わるわけだから、役者の顔の見分けも付いていない一般客に、どちらがどちらの少年だったのか一発でわからせるために、どちらが主役なのか理屈ではなく感覚的にわからせるために、登場の演出は考えるべきだろ。
・銀橋はすごくデジャヴ。たしか「俺たちはVieil Amiだ」ってやってたよねまとぶ。
・無邪気に笑うホゲがかわいい。

・だいもんが歌ってる! 群衆場面でセンターでソロって……!(震撼)
・だいもんがカモと仲良し。つか、カモで人を殴ってる……!
・真瀬くんが歌ってる! ふつーにソロもらってますがな。(震撼)
・街の人たちを眺めたいのだが、結局一度も見ることが出来ていない。
・銀橋にスジニ@みわっち、ヒョンゴ@まっつ登場。
・登場からすでに、スジニに振り回されているお師匠様。
・着替えの間だけ、お師匠様は大切な神器を手放す。
・修道僧みたいなずるずるローブをどうかと思っていたんで、「着替える」のひとことに目を輝かせたんだ、かっこいい姿になるのかなって。
・どこの水戸黄門ですか……。
・着替えたらさらにアレな格好になるとわ……っ。イケコっ!!(ソコ坐りなさい!)
・ヒョンゴたちを見ていると、どうやらホゲが登場したらしいことがわかる。けど結局まともに見られたことがない……。ヒョンゴとスジニのいちゃいちゃ小芝居を見ているうちに、ゆーひさんたちはいなくなってしまう。
・「チュシンの王かな?」って人を見かけると、神器が反応するか試すヒョンゴ。点検中の作業員みたいだ。
・スジニにチラシ配りを命ずるお師匠様は、日に日にアクションが派手になっていく。
・サリャン@みつるとキハ@彩音が登場しているらしいが、あまり見たことがない。
・手相占いしてるお師匠様が眉を八の字にしながらセンターに出てきてくれてから、よーやく真ん中を見られる。……でもそのときはもう、サリャンもキハもいないよーな。
・街の人たちののコーラス好きだ。

 うお、文字数切れ。
 りせが、へなちょこじゃなかった……!!

 へなちょこりせ、と言い続けて数年。そのへなちょこぶりも含め、愛でてきた。

 最初の出会いは、『月の燈影』か。あまりのへたっぴさに、「どーしてこの子がこんな役を?!」と人事に理不尽さを感じ(笑)、その後『エリザベート』で「どこを見てもこの子が出てる、この子が目に付く」状態から、顔がすげーきれいなこともあり注目し、「そうか、あんなにダメダメだったのは日本物がヘタだってだけなのね」と誤解した。うん、誤解。『エリザベート』がまだ良かったのは、子役だったから。へたっぴでも子役はなんとかなるもんなんだ。
 何故かずっと抜擢され続けたけれど、男役としての技術は向上しないまま、おバカな役やかわいこちゃん、子役ならハマるけれど、オトナの男にはなれないまま現在に至る。

 それでもこの子に惹かれたのは、りせの持つ「いびつさ」もまた、タカラヅカというファンタジーが許容していたためだろう。

 りせの演じる悪役が好きだった。

 ギュンターとか、ロドリーゴとか。
 (http://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-1238.html@新人公演『落陽のパレルモ』感想)

 あれほど抜擢続きだったのにさすがに最近はソレもなく、扱いが落ち着いてしまったタメに、「悪役」なんてオイシイ役は回ってこず。……あああ、バウでもDCでもなんでもいいから、まとまった期間のある公演で、りせの悪役が見たかったよ……。

 りせの最後の作品である『太王四神記』にて、女兵士役が回ってきたのは、演出家の愛情だとは思う。
 男役としての技術の低さ、へなちょこさを補うには、男勝りな女兵士役はうってつけだと思う。
 実際、カクダン役は良かった。
 りせの美しさが前面に出て、いろんなアレさは目立たなかった。

 てゆーか、ほんとーにフェアリーなんだなと思う。
 男ではないけれど、女性まんまでもない、不思議な存在。不思議な魅力。
 中性というのでもない、りせは。
 男としても女としても、等しく「足りていない」ものがあり、それゆえの不安定さ、いびつさが彼を「そこにいる」と注目させるのかもしれない。

 カクダンは1幕最後で死んでしまうので、その後は名も無き男役としてあちこちにまざっている。王宮で大仰な衣装着て右往左往していたり、戦場で楯持って走り回ってたり。
 細い、男役としてはへなちょこな姿で。

 や、もお、ほんと、いいんだよ。
 へなちょこでもなんでも。
 りせはりせだからイイ。
 間違いなく彼もファンタジー、現実ではない世界で生きる人。

 彼がこの花園を去ることにはわたし的に覚悟と納得を決めていたので、わりと冷静に俯瞰して眺めているところがあったんだが。
 それでも千秋楽、フィナーレの男役姿で胸に花なんか飾られて出てこられたら、涙腺決壊しますよ。

 満面の笑みで踊る姿が、まぶしくて。愛しくて。

 へなちょこ言うのがたのしかった。マイナスの言葉、悪口に分類される言葉かもしれない、ファンの人からすれば不快な表現だったかもしれないが、愛でる意味で使ってきた。
 他に呼び名の上にそう付けて呼ぶ子はいない。特別な思い入れ。

 へなちょこ、であってほしいと思っていたのかもしれない。
 キャラとして、そうあってほしいというフィルターで見ていたのかもしれない。

 最後の最後。
 袴姿で挨拶をするりせは、へなちょこなんかじゃなかった。

 感情に溺れることなく端正に言うべきコトを言葉にして、途中半端に起こった拍手を笑顔で受け流した。
 一部の観客たちは話の流れとは無関係に「ありがとうございました」という言葉に反応して勝手に拍手をはじめるんだよな。アレ、なんとかして欲しい。話聞いてりゃまだ途中だってこと、これからも話が続くことはわかるだろうに、単語にのみ反応して「終わりの拍手」をするの。
 せっかく淀みなく話していたのに、一部の「話の内容は聞いてませんが、単語だけ耳にして終わりだとカンチガイしました」な拍手で話をぶった切られてしまったりせが、それでも揺らぐことなくそれらを制したことで、オトコマエさを表していた。

 かっこいい。
 かっこいいよ、りせ!
 へなちょこなんて言ってごめん。

 オトコマエにやるべきことを果たしたりせが、カーテンコールでまとぶさんに促されてイレギュラーに挨拶するときには涙声で、でも泣き崩れることなく言葉を発する姿がまた、オトコマエだった。

 ジェンヌはみないつか卒業していく。
 向かう先がどこであれ、ナニであれ、幸多かれと心から願うよ。

 東宝公演千秋楽まで、フェアリーとして輝き続けてくれ。

 
 1ヶ月公演ってほんとに、短い。
 中日とか博多とか、今までの外のハコでの公演くらいの感覚だ。はじまったと思ったら、もう終わり。
 短いおかげか大作だからか客入りは悪くなく、どの組もまんべんなく1年通して平日ムラ通いする身には新鮮な客席だった。そりゃ満席にはなってないけど、平日のムラでましてや1月にあんだけ入ってるのは、昨今めずらしい(笑)。花組比でも、前回の『愛と死のアラビア』のときなんかは……ゲフンゲフン。
 そして、次のトウコちゃん退団公演のチケ事情に震撼する……。

 今の花組でこの『太王四神記』を観ることが出来て良かったと思う。
 長い歴史の中、劇団はいつも変化してきたのだと思うが、その狭間にこのキャストでいられること。
 それをとてもゼイタクに、また誇りに思う。

 これから先、ナニが変わり、どこへ向かうにしろ。
 なんの確証もなく、ただ考える。

 まっつファンの、まっつファン的偏った視野により、『Red Hot Sea』を再構築する場合、決してはずせないのは、「幽霊船」だ。
 まっつは、「幽霊船」の歌手として出演。
 これが確定ならば、おのずと他のことも見えてくる。

 「幽霊船」に登場しているのだから、その直後の「コーヒールンバ」には出られない。
 従って、今回不在の壮くんのポジションにまっつが入ることはない。部分的な移動はあっても、ただ単純に「ひとり抜けましたー、だからひとり上がりますー」で役付きがそのままスライドすることはない。

 また、幽霊役をやっているのだから、妖精さん役も、物理的にできない。

 幽霊船の最後の場面に、妖精さんは登場するわけだから、無理。
 ええ、ただ単純に「ひとり抜けましたー、だからひとり上がりますー」で役付きがそのままスライドした場合、壮くんのポジにみわさんが、みわさんのポジにまっつが入ることになってしまうが、…………いやいやいや、マジでソレだけはありえないっ。
 中村Bならナニも考えずに「ひとり抜けましたー、だからひとり上がりますー」をやるかもしんないけど、いちおー草野だし、草野がナニ考えてるかわかんないけど、とりあえず番手による役目持ち上がりはナイはずっ。

 まっつが妖精さんだったら、スーツケース引きずって全国ついて回るしかなくなりますので、あってもらっては困ります。

 まっつの妖精さんが見たいわけではなく、それくらいありえないこと、という比喩ですわな。
 キャラクタ的(まっつは女装やフェアリーは似合わないと思う。まともに見たことないけど、「やめておけ。な?」と思う)にも、路線的(女装させたりフェアリーさせたりするのは、劇団が路線として推したい人のみです、通常)にも、まっつではありえないので、そんな役目が回って来るとしたらあってはならない「なにかのはずみ」なので(例・『エンター・ザ・レビュー』の兄鳥)、この目に焼き付けておかなければなりません(笑)。

 つまりソレはありえないってことで、話を戻す。

 まっつが「幽霊船」に出る。
 ここをスタート地点に考えると、まっつだけでなく周囲も見えてくる。や、わたしの偏った視界(笑)に。

 妖精さん役は、誰か。
 ……頼む、もうみわさんに子役とか女役とかさせないでくれ。わたしは男役のみわさんが見たいんだ。

 みわっちが壮くんのポジションに入って、妖精さんは他の若手でいいんじゃないの?

 妖精さんは大きな役なので、娘役なら2番手相当の人が相応しい。
 男役なら、売り出したい、今後バリバリプッシュしたい若手くんで。
 男役としての魅力は出せないけれど、とりあえず観客に存在を認知してもらえる役だから、若手の売り出しには最適の役。(つまり、ベテラン男役スターのみわさんに、貴重な男役人生の1公演費やしてまでさせなくても、てな役だ。『Paradise Prince』のみっちゃんの役と同じで)

 みわさんの「コーヒールンバ」、みわさんのロケットボーイ、そして「スカートめくりの男」!!(そんな役名だっけ?)

 もしもみわっちがまた妖精さんだとしても、まっつは壮くんのポジには入らないと思う。そんなことしたら、組内バランスのおさまりが悪い。
 あくまでも「幽霊船」をやりつつ(こだわる)、部分的に壮くんの仕事もする、ぐらいかな。あ、絶対に「ロケットのお兄さん」は回ってこないと思う(笑)。

 めおくんやまぁくんも自分たちの役をこなしながら、壮くんの仕事も分け合う感じ? 彼らはみつるが抜けた分のポジションアップがあるから、それに加えて壮くんの仕事もしたら、かなりオイシイことになるのでは?
 それともここで一気にまぁくんを壮くんポジにすこんと入れちゃう? 未来のスターとして、育てるつもりならばアリだと思う。

 や、でもほんと、みわさんは壮くんの位置でヨロシク。妖精さんは若手くんで。

 まっつは幽霊船の歌手やってくれれば、それでもう文句はないです。
 あのセクスィ・ワイルドなまっつを、再び見られるのなら。
 (セクシー・ワイルドってのは、クール・ビューティの反対語ですよ、みなさん!)

 てゆーかぶっちゃけ、出番減らされるかもしれない、とは思ってますよ、『エンター・ザ・レビュー』がそうだったように。「幽霊船」だけはそのままでありますように。なむなむ。

 
 なんの確証も情報もなく、勝手にほざいてるだけですよー(笑)。予想なんて間違っていてナンボ、思い込みでナンボ。まっつまっつまっつ!(とりあえず言ってみる)
 どうなるんでしょうね、ほんと。

 まあ、タイトルに『II』がついてるから、多少は変わるんだと思うが。

 ひとつだけ、確実に変わるとわかっていて、心から喜んでいることがある。

 棺桶は、飛ばないよね?
 全ツでは無理だよね?

 これだけは、心底うれしいわ。

 
 花組の次回公演の出演者がそれぞれ発表になりました。
 全国ツアー『哀しみのコルドバ』『Red Hot Sea II』と、壮一帆主演バウホール『オグリ! ~小栗判官物語より~』の。

 まっつは予想通り、全ツです。
 おサカナまっつ再びっす(笑)。色もそのままグリーンなのかな。

 芝居はわたしにとっての鬼門、柴田+中村Aなんで、期待せずにいます(笑)。
 初演はさすがに知らない。ヤンさんの再演は、初日を2回見ました。大劇場初日と、阪神大震災で公演中止、劇場飛天(現梅芸メインホール)で急遽上演再開された初日を。……飛天での初日、最後の挨拶でヤンさんが泣き出したことも、おぼえてる。

 
 キムシンの久々のバウ作品、出演者の顔ぶれがナニ気に濃い気がする……(笑)。
 演出家によって役者の好みはあるんだろうな、そこはクリエイターであり、人間だから。
 キムシン作品での壮くんは愉快なので、とてもたのしみだ。
 でもって2番手はみつるだよね? 壮くんとみつるって、『黒蜥蜴』の刑事チームじゃん。キムシン絶対、このあたりのヒトたち好きだよね、あのときのみつる、みわまつよりオイシイ扱いだったし。

 だからこそここに、さおたさんの名前がないことが、残念だ。組長が全ツに行くのはデフォだから、さおたさんがバウだと思ったよ。そして、壮・さおた・みつるという、なつかしの刑事トリオ再びなノリを期待できたんだが。
 それはまたいつか、に託そう。

 キムシンはポスターセンスいいから、壮くんのビジュアルが心から楽しみだ。

              ☆

 話は変わりますが、わたしが大昔に書いた記事に拍手をぽちってくれている方々(複数? それともひとり?)、えーとその、うれしいんですが、もしよかったらナニがよくて拍手クリックしてもらえてるのか、教えてもらえないでしょうか……。

 や、そもそも拍手なんてまったくもらえないのよ。
 なのにその数少ない拍手の割合が、ここ数ヶ月全体の半数近くをひとつの記事が占めているってゆーのは、ちょっとびっくりってゆーか。

 書き下ろし記事ならともかく(つってもここ2ヶ月くらいナニも書いてないよーな)、2002年に書いた記事っすよアレ……。
 しいちゃんと、トウコのことしか書いてないと思うんだが。……トウコファンの人かなあ、クリックしてくれてるの……と、想像してるんですが。

 て、ココに書いても読んでくれてナイかなあ。
 もしトウコちゃんの記述ゆえにクリックしてくれてるんだったら、再度記憶掘り起こして新しくあの公演の想い出書きますよ~~! と、言ってみる……。
 いーかげん長くなりすぎた、『イゾラベッラ サロンコンサート(第8回 未来優希)』これでラスト。

 日本物が好き、とハマコは「もののふの詩」と「この世にただひとつ」をチョイス。どちらもハマコ自身が公演で歌っている。初演『エンカレッジコンサート』と再演『心中・恋の大和路』。
 プログラムには「フィナーレ」として「この世にただひとつ」が記載されているけれど、実際はこの曲までが「フェイバリット」だったみたい。ひとくくりだった。

 『メナムに赤い花が散る』を観たことはない。いつぞやのTCAで、マリコとタモさんでクライマックスを観たくらい。その記憶だけで言うなら、是非トドロキ主演で観てみたいです。歌はハマコで、王様は……以前はコムちゃんが良かったんだけど……今なら誰だろ。あ、全編やらなくていいから、あのホモくさいラストシーンだけヨロシク(笑)。
 でもって、初演の『エンカレ』は観てないっす。まっつの出ていた花組リプライズしか。チケット取れなかったよなあ、たしか。月組なんか、2回もサバキ待ちしたのに空振ったんだ(きりやさん目当てだった)。

 「もののふ」と「この世に」、どちらもドラマティックな悲劇ソング。
 ハマコの声質にもキャラにも合っていて、素直に酔える。

 『恋の大和路』お稽古にて、ハマコは演出の谷先生に「このヘタクソ」って死ぬほど言われたらしい。当時すでにハマコは歌ウマ認定されていた下級生だったんだが……それでも身も蓋もなく罵られていたそうだから、すげえな。

 『恋の大和路』はダイスキ作品で、ラストはダダ泣きして顔面崩壊、大変なことになった作品だが、やはり「古い」ことも確か。いつか再演があるのなら、改稿の上でしてほしい……良さは残して、現代でも失笑せずに済むセンスにして欲しい。
 一言一句、一挙手一投足昔のまま完全模写しないとクレーム付ける層が少なからずいるだろうから、無理だろうけどさあ。
 再演されたとして、もうハマコの歌声では観られないか……。ラストの絶唱役は若者の役だから、ハマコの学年には回ってこないわ。

 だかこそ、こういうコンサートの場でしか、ハマコの熱唱を聴くことは叶わないんだ。
 当時の想い出を振り返るからこそ、時の流れを知り、現実を知る。

 
 ドラマティック悲劇で盛り上げたあとに、ノリノリの「One Night Only」で終幕。
 タカラヅカらしい、クドかっこいい男役姿を、伸びやかな声に載せて。

 うん、プログラム上では最後。

 でも知ってますとも、記載されていないだけで最後にもう1曲あることは。
 ナニが来るかはお楽しみ。

 一旦退場したハマコは、みんなの手拍子に引かれて戻ってくる。
 曲は、「Joyful」だ~~!!

 わたしにとって『Joyful!!』というと、まずコムちゃんが浮かぶ。同時上演の植爺芝居で、ハマコがまさかの2番手(笑)で、銀橋をソロ一曲ぶちかましながら渡っていったことを。
 みんなかしちゃんの役がなんだったか、そもそも出ていたかどうかおぼえてないのに、ハマコの「憎む~~憎む~~♪」はおぼえてるんだもんなあ(笑)。

 遅れて、水しぇんお披露目の中日を思い出す。ここでもハマコがショーでは2番手だったような(笑)。
 中日劇場程度では、ハマコには小さすぎる、と中日のたびに思ったもんだ。

 自在に声を替え、音を転がし、ハマコが歌う。
 Joyful Joyful、喜びの歌、歓喜の歌。

 音は、こんなに気持ちいい。
 歌は、こんなにたのしい。

 カラダ全部を楽器にして、ハマコが響く。

 それは決して、命ギリギリの熱唱ではなく。
 余力を十分に残しながら、本人も客もリラックスできる位置で、自在に音を繰り広げる。

 たのしい。
 たのしい。
 たのしい。

 音楽に愛された人って、こんなに豊かなんだ。
 おだやかに手の内で、ひとを遊ばせることが出来るんだ。

 おもしろい。
 興味深い。
 癒される。
 テンション上がる。

 いろんなプラスの感情がわき上がって、ころころ身体の中で音を立てている。

 踊っていいなら、踊りたかったな。
 立ち上がって、ふつーのコンサートみたいに。

 ハマコの赦す音に委ねて、一緒に溶けて揺れたかった。

 
 ハマコは決してコンサート自体には慣れていなくて、あわあわしている面も見えたし、本人が何度も口にしていたように、十分緊張していたんだろうけれど。
 それでも、確固たる技術と経験は、彼を縛り付けはしなかった。むしろ、遊ばせていた。ゆるく、自由に。

 気持ちよかったよ。
 本当に。

 しばらくなかったくらい、「タカラヅカ」を浴びた気分。

 ハマコの歌は、かっこうの「タカラヅカ浴」だ。日光浴とか森林浴とか、そーゆー感じで。

 
 コンサート終了後、舞い上がったままのわたしとくりすてぃーぬ(もしくはえりざべーと)ちゃんは、出口近くを注目していた。

 や、シビさんのときは、シビさん自身でお見送り+握手サービスがあってね、すげーうれしかったんだわ。たっちんは一切無し。歌が終わったらいなくなってしまった。
「ハマコなら握手あるかな?」「ハマコと握手したーい!」と、行く前からわきゃわきゃ言ってたんだが。

 出口近くに、ハマコの姿発見!!

「やたっ、握手アリだっ」
 つーことで、そそくさと荷物まとめてGO! だって、あとになると列が詰まっちゃうからね~~!

 ところが。
 近づくとわかった、ハマコはお見送りのためにそこにいてくれるだけで、握手は無し。お客はみんなただ、そそくさと前を通り過ぎるのみ。

「なんだー、お触りナシ?!」「ハマコ、お高いわ!!」……だからテンション上がり過ぎですよ、この人たち。

 とりあえず、前を通るときに、このコンサートがどんだけたのしかったかを、ハマコ本人に伝えてみる。列を止めたり乱したりは出来ないから、すげー短く焦って……それでも、言う(笑)。
 声を掛けられるとは思わなかったのか、ハマコさんはちょっと目を見開いて、それでもすぐににっこり笑って受け止めてくれた。

 わーい、笑ってもらえたー。
 と、ほよよんしていたわたしは、前の人の背中にぶつかった。……だから舞い上がりすぎだっての。すみません、前を歩いていた人。

 
 あー、たのしかったー、と満足して店を出ながら。

「ハマコ、小さいー!」
 と、くりすタンが今さらなことを言っている。
 目の前で挨拶したら、身長がリアルにわかるからな。

 ハマコが小柄なことは最初からわかっていたので、わたしはなんにも思ってなかった。想定内?

「緑野さんより小さいのはわかりきっていたから驚かないけど、アタシより小さいなんて」

 ……そこかよ?!

 人はみな、自分を中心に考えるからなあ(笑)。
 

 そう、自分中心。

 ハマコンは、思いがけずわたし自身の時間旅行でもあった。
 夢の世界の住人でいることは、想像以上に大変なことだと思う。
 だけどこうやって長い間そこにいてくれることで……彼らの人生は、わたしみたいな一般人の人生にも刻まれていく。

 ずっとずっと、ハマコのままで、プロの未来優希でいてね。
 『イゾラベッラ サロンコンサート(第8回 未来優希)』怒濤の宝塚メドレー終了後は、ハマコの好きな歌、歌いたい歌。

 このバランスがいいよな。
 結局、ヅカと、男役とまったく無関係なのは「甘いささやき」くらいで、「ムーンライト・セレナーデ」は有名すぎるからわたしがおぼえてないだけでどこかの公演で使われていそうだし、「One Night Only」も元ネタはともかく、わたしはヅカでしか聴いてない(笑)くらい、馴染みのある曲だし。

 歴史を振り返ればヅカの曲だし、歌いたい歌も、ヅカ絡みなの。ハマコの歌唱力なら、それを見せつける意味でのカッコイイ曲とか技巧自慢な曲とか、いくらでもあるだろうに。
 ほんとうにタカラヅカを愛しているんだな。

 そして、唯一「宝塚男役」では歌うことが出来ない「甘いささやき」。
 女性が、男性の甘いささやきにヨロメキつつ歌うわけだから、男役のままでは歌えない。『巴里祭』出演時に歌いたいと言い、演出家に却下された過去があるらしい(笑)。

 ……却下した演出家は正しい。

 えーと、その、やはり。
 いろいろと。

 すごかった(笑)。

 ヅカメイクして男役の格好で……女として歌う。

 なまじ表現力のある人なんで、化粧だの衣装だの関係なく、ちゃんと「女」の表情をする。
 正直その、キモ……ゲフンゲフン。

 でもって、歌の合間に入る、「男性の甘いささやき」。
 コレをハマコさんは自分で、めいっぱいの男役声で録音。

 ハマコ(男)の甘いささやきに、ヨロメキつつハァハァ歌うハマコ(女・でも姿は男)。

 ……どうしろと。
 コレを、どーしろと言うの~~~~っ?!!(笑)

 うまいよ。
 ハマコだから、歌はすげーうまいし、その、い、いろっぽいし。
 だがしかし。

 いろいろと困るってゆーか混乱するってゆーか。
 ぶっちゃけ、おもしろい。

 「甘いささやき」でおもしろがらせてどーするよハマコ?!(笑)

 途中から、「そうだ、このささやき声はハマコではないと思おう。……そう、たとえば水しぇん」と考えてみた。麗しき同期愛。
 もったいつけた男声は、がんばって聞けば水くんの声に聞こえなくもない。

 が。

 さらに、ドツボにハマる。

 み、みずしぇんが「君が欲しい……(吐息)」とかゆって、ハマコ(女・でも姿は男)が「ダメよそんな……あン☆」とかゆってる姿に、どーしよーもなくむず痒くなり、ひとり座席で悶える。
 ご、ごめんハマコ。ごめん水しぇん。

 いやあ、すごかったなあ、「甘いささやき」。これからあの♪パローレパローレを聞くと、そのつどツボりそーだわ……。

 たぶんふつーにお着替えタイムがあり、ドレス姿で歌ってくれれば、これほどえらいこっちゃにはならなかったと思う。ハマコ美人さんだしー。ふつーに女性歌手としてなら、なんの遜色なく歌えるのだろーに……スーツ姿で歌うもんだから、もお。
 いいもの観ました、はい。こんな経験、きっと二度とナイ。

 
 女性として「甘いささやき」を歌ったあとで。
 もう1曲、女声の歌。

 本家&東宝版『エリザベート』より、「ゾフィーの死」。
 ヅカ『エリザベート』ではカットされていて存在しない、「皇太后ゾフィー」という人物を表す歌。

 梅芸に本場ミュージカル『エリザベート』を観には行ったけれど、なにしろドイツ語だし、「言葉」がストレートに胸に響くことはなかった。
 東宝エリザは初演時にわざわざ東京まで行ってキャストを替えて2回観た……あと再演を大阪で1回か2回つきあいで観たかな。ソレで納得して、以来一度も観ていない。好みじゃなかったんだなー、いろいろと。……て、初演っていつだよソレ何年前だ、もうおぼえちゃいねえ。
 だからそっちはもうどーでもいいとして、ヅカエリザ限定で話す。

 ハマコが今ここで「ゾフィー」の真実を歌った……そのことで。

 全部、つながった。
 雪組再演『エリザベート』の、皇帝一家の物語が。

 何故、フランツ@ゆみこはあんな人物だったのか。
 何故あのような性格で、あのような生き方しかできなかったのか。愛し方しかできなかったのか。

 何故、ゾフィー@ハマコはあんな人物で、あのような言動で、シシィ@となみへあのように接していたのか。

 全部全部、わかった。
 つながった。
 まっすぐな道が、できた。見えた。

 ゾフィーがどんな人物で、なにを考え、なにを愛しなにを憎みなにを得てなにを犠牲にしてきたか。
 それがわかることで、彼女の息子フランツがわかる。

 たしかにふたりは、親子だ。
 ゾフィーとフランツは、泣けるほどに親子だ。

 真面目で、不器用で、誠実で。
 義務のために、守るべきモノのために犠牲を払い、耐えて歩き続ける。
 自分を殺し、誰かのために生きる。そんな生き方しかできない人。

 強い意志、強すぎるからこそ、凡人に理解されることなく哀しい、損な生き方。

 ハマコが演じたリアルな「人間」としてのゾフィー像に、明らかな「答え」を、「言葉(歌詞)」でもって教えられた。

 ……や、泣くでしょう、コレは。
 短い歌なんだけどね。

 ヅカの『エリザベート』では、ゾフィーはわかりやすい「姑」であり、「敵役」だ。だからこの歌をカットしたイケコは正しい。ゾフィーまで掘り下げるより、ヅカらしいときめきを優先させた方がいいもの。

 でも今こうして、ハマコ自身にこの歌を歌ってもらえて、よかった。
 このカタルシス。
 あっという間に、ここまで持っていくのか。

 歌い終わったハマコは、「歌いながら、フランツの背中が見えるようだった」と話していた。

 ……ええ。
 反応してましたよ、わたしの隣の席の人が。
 その「フランツの背中」と言ったあたりがまた、ちょうどわたしたちの坐っているあたりに向かってハマコ氏が視線を泳がせていたもんでね。え、ここ? ここにフランツ@ゆみこいるの? みたいな。
 ディナーショー以来「アタシのことはくりすてぃーぬとお呼び!」と言ってはばからなかった人が、「やっぱり、(呼び名は)えりざべーとでもいいかも……」と、早々に前言撤回してましたわ。
 ダーリンの恋人の名前を名乗るのがnanaタンのデフォですから。

 隣の席の人がくりすてぃーぬになったりえりざべーとになったり忙しかったが(笑)、それはさておきやっぱ、すごいコンサートなんだよ、ハマコンは。
 ショー『ノバ・ボサ・ノバ』が名作かどうかは知らない。
 1999年の再演は雪月共に観たけれど、大騒ぎするほどの名作だとは思えなかった。初見ではやはり古さに引いたし。リピートしてようやく愉しみ方がわかったかな。

 だがとりあえず、「アマール・アマール」と「シナーマン」が名曲であることは、わかる。

 「シナーマン」には歌唱力が必要だが、「アマール・アマール」はそれ以上にタカラヅカ力が必要とされる。

 わたしがこれらの曲を「名曲だ」と思い、特別に思っているのは、そのためだ。

 特に、「アマール・アマール」。
 この曲は、「タカラヅカ」という文化を表現したモノのひとつであると思う。

 この曲を、さらりとオシャレに歌っては、イカンのだ。

 声を大にして言おう。

 「アマール・アマール」は、恥ずかしくてナンボだ。

 「タカラヅカ」という文化の持つ、異端さ。現実世界との乖離っぷり。それを表した、極端な例のひとつが、「アマール・アマール」だ。
 「ライライライ」とか「アマールアマール」とか他愛ない音の繰り返しの合間に小学生の作文みたいな簡単な文章があるだけのどーでもいーよーな歌詞を、とにかくねっとりとラテン調に、腰振って流し目して舌回して溜めまくって歌うのよーーっ!!
 ラテンっつっても、ほんとのラテンじゃないわよ。日本人が勝手にお茶の間で空想する「ラテン男」よ。アメリカ人が夢見てる「NINJA」みたいなもんよ。
 たぶん本物のラテンな人が見たらプゲラなモノでいいのよ、フィクションなんだから。想像力で楽しむモノなんだから。
 タカラヅカって、そーゆーもんなんだから。

 架空を楽しむ。
 ナンチャッテを愉しむ。
 嘘を嘘とわかった上で、お約束を愛する。

 夢の世界、この世に存在しない世界ってのは、そーゆーある意味オトナのルールの上で、唯一存在できるもんなんだ。

 だから。

 とびきり「タカラヅカ」な存在である未来優希が、「アマール・アマール」を歌ってくれる、という事実に、舞い上がった。

 『イゾラベッラ サロンコンサート(第8回 未来優希)』、宝塚メドレー[II]は、「ソル・エ・マル~アマール・アマール~シナーマン」という、『ノバ・ボサ・ノバ』名曲メドレーだった。

 ハマコはキラキラ付きてらてらな光沢の濃紺スーツ(もっとマシな表現はないのか)を着ていたんだが、このメドレーの前にわざわざ、上着を脱いだ。

 ナッマ着替え! ナマ着替え!!
 すごいわハマコさん、サービス満点! 生着替え付きですよ奥さん!

 いやその、べつにハマコに脱いでもらっても、あんましときめきはしないんだが……。(ヲイ)

 「これから激しい歌を歌うので」脱ぐそうですよ(笑)。
 中はフリフリビロビロ白ブラウス(だからもっとマシな表現は……)に、紺ベスト。お袖のドレープとかとってもファンタジーに王子様なんだが、なにしろ着ているのがハマコだし。(ヲイ)

 まあともかく、わざわざ身軽になっての歌唱ですよ、本気ですよ。

 歌の合間のトークのときは、ふつーに……なんつーかこう、妙齢(微妙な表現)の女性って感じなんだけど。

 いざ歌になると、声も顔も変わる。
 ハマコは小柄だし、体型も顔立ちも女性的で、「男に見える」というわけじゃない。
 だから男になる、のではなく、なにか「別の存在」に変わるの。

 男でもなく、女そのままでもない。
 その半端さが、「タカラヅカの男役」なんだと思う。

 衣装でも化粧でもなく、意志の力で、変わる。
 その変化が、ゾクゾクする。

 
 「ソル・エ・マル」はまあ、腕ならしって感じ。すげー手軽に歌えてしまえるあたりがハマコ。
 そして、次の「アマール・アマール」。

 もお……もお、ハマコ好き。ダイスキ。もお、どうしよう!!

 やらしいの。
 恥ずかしいの。
 濃ゆいの。
 クドいの。
 たまらないの。

 わたしが、「アマール・アマール」に求めるモノすべてを、ハマコが簡単にあったりまえに、表現してくれちゃってるよおおお。

 またわたしたちの席が、すげー良席で。
 今まで参加したイゾラベッラ・コンサートではジェンヌとか理事長とかが坐っていた席で。そーいやここ、シビさんのときトウコちゃん坐ってなかったか? てな席で。(まさにトウコちゃんの席が、あたしの席だよね? nanaタン! と、今書いてて気づいたよ、私信私信)

 ハマコから目線来まくり、客席降りでは目の前で立ち止まりまくり。

 そんな席で、nanaタン……あ、チガウ、今はくりすてぃーぬだった、イカンイカン、ご贔屓の公演ごとに呼び名の変わる友人持つと大変だわ……くりすてぃーぬちゃんとふたり、大喜び。
 つか、ふたりとも喜びすぎてはしゃぎすぎて、大変ですよ……ちょっと落ち着け。

 余裕なのよ、ハマコは。
 キザるのも、客席のファンをきゃーきゃー言わせる(わたしらのことだ)のも、ぜんぜん朝飯前なの。
 「オレのセクスィさにメロメロだな、フッ」て、すごくふつーに思って歌ってるの。むしろ、そんな「大スターと、彼にメロメロなファン」プレイを楽しんでいるよーにすら、見える。

 「歌うこと」自体が、彼にとっては「容易いこと」なんだと思う。
 もちろん緊張して、集中して臨んでいるのだろうけれど、それとは別に、「得意分野での戦い」だから、相手をナメてかかる余裕があるの。相手ってのは客ではなく、試合自体に飲まれないって意味。

 いっぱいいっぱい、ぎりぎりになって「このまま倒れちゃうんじゃあ?」なんて歌い方はしない。
 余力ありまくり、腹八分目ですっていうか。

 ソレが、ニクい。

 「予定のウチですがナニか?」てなキザり具合で、それでも若造ごときが逆立ちしても真似できない濃さで「アマール・アマール」を歌いきって。……ああもー、素敵すぎるー!!

 そして、真打ち「シナーマン」。
 驚異の歌い上げがあるこの難曲を。

 ハマコは、これまた余裕で、歌いきった。

 コレもまた、腹八分目っていうか。このあと50mダッシュ5本ぐらい簡単に出来そうな体力気力っていうか。
 いっぱいいっぱいではない、メーターがレッドゾーンになることないところで、悠々歌ってしまう、その不敵さ!!

 うん、全力疾走だけが美徳じゃないのよ。
 プロなんだから。
 自分が「イイ声」を聴かせられるゲージ内で、余力を持って仕事をするって、あたりまえなんだよ。
 日本人はいつだって全力疾走、このまま倒れて死んじゃいますまでやらないといけないみたいな風潮だけど。
 や、出来ない人がやらなきゃなんないときは、ほんとにそこまでやっても当然みたいなものはあるかもしんないけど。
 ハマコ、できるんだもん。
 倒れて死んじゃいます、までやんなくても、本人が機嫌良く歌える範囲で、ものすげー歌を聴かせてくれちゃうんだもの。

 余力ありまくりなのが、それですげーたのしそうに自分の声に、歌に酔っている風なのが、音を愉しんでいる姿が、震えるほどカッコイイ。

 うわあああ。
 ハマコ好きだ~~~っ。
 かっこいーーー!!
 ハマコは首席入団。
 76期首席の純名が雪組で、77期首席のトウコが雪で、78期首席の王子が雪で、79期首席のハマコも雪に来たから、まだヅカ歴の浅かったわたしは「雪組って首席の人が配属される組なの?」と思った記憶がある。
 地味に堅実、優等生な芸風……そうよね、芝居と日本物の雪組だもんね、なにはさておき実力最優先よね、とか納得してたっけあのころ。だから首席者が多い、てな。

 ともかく、ハマコは首席入団。
 だもんで初舞台のときも、組長に呼び出されるのは研一を代表してハマコ。

 1993年当時、月組の組長は汝鳥伶サマ。汝鳥さんはハマコを呼び出して、研一生になにかしらの事柄を「伝えるように」と言った。
 ぴっちぴちの初舞台生ハマコさんは、「はい、わかりました!」とよい子のお返事。

 が。
 ハマコさんは、何故かしらそのことを、すっかり忘れていた。なんでかわからんが、伝えなかったらしい。
 言いつけが伝わっていないことに疑問を持った汝鳥さんが、再びハマコを呼び出した。

「この間言ったこと、ちゃんと伝えてくれた?」
 それに対してハマコさんは。

 瞳をキラキラさせて、満面の笑みで答えた。
「はい、伝えていません!!」


 ……それから実に15年以上の月日が流れた。

 汝鳥さんは未だに、ハマコを見るとなにかにつれそのときの話をするらしい。
 ハマコはすでに忘却の彼方。伝言の内容も、そもそも「そんなことあったっけ?」状態らしいし、なにより、言いつけを忘れていたくせに満面の笑みで「伝えていません」ってなんだそりゃ、どんな研一だよヲイってもんらしいが。
 した方は忘れても、された方は忘れないもんなんだ。
 汝鳥さんは語る。
「あの、ハマコが、副組長だもんねえ。しっかりしてきて良かったねえ(笑)」
 てなことを。

 『イゾラベッラ サロンコンサート(第8回 未来優希)』は、ハマコのヅカ人生を振り返るものであり、彼の豊富を語るモノでもあった。

 オープニングは初舞台公演『グランドホテル』『BROADWAYBOYS』から主題歌。

 「ブロードウェイ・ボーイズ」はともかく、ハマコの声で「グランドホテル」を歌われるとテンション上がるわ。てゆーか『グランドホテル』観たい……ふつーに男爵主役で、雪組で。水しぇん主演で。……はっ。となみ姫にバレリーナは無理だわ(ヲイ)。

 その初舞台時の想い出、つーことで、失敗談を話してくれました。

 それから「思い出深い曲をメドレーで」と、曲の解説は後回しに歌い出した。
 前もってプログラムをもらっているから、次の「宝塚メドレー[I]」が「パッサージュ~この世に残らぬ愛~いのち」であることは知っている。
 プログラムには公演名や出典名ではなく、あくまでも曲名が記されている。
 「パッサージュ」とあればソレは公演名『パッサージュ』ではなく、同公演で使用された同名の主題歌のことだろう。

 しかし。

 ハマコが歌い出したのは。

 天使の夢を見たわ
 真夜中にひとりきり
 白い翼広げて
 空に浮かんでいた


 オープニングかよっ?!

 『パッサージュ』という作品の導入、テーマの一部を表す歌。
 びびびびっくりした。

 少女の透明なソプラノで歌われる幻想世界が、ハマコの的確なアルトで綴られる。
 歌詞があるのはここだけなので、そのまま歌声はスキャットになり……「ホリデー」になる。

 そう。
 『パッサージュ』の核。サブタイトルにもなっている、「硝子の空の記憶」と名付けられた場面。
 崩れかけた硝子の町で、一人の男が、死にゆく女に出会う。そのダンス。

 クリエイターのデビュー作には、その本質が詰まっているという。
 オギーのショー作家としての、デビュー作『パッサージュ』。
 その、コアを成す場面。

 陰コーラスは、圭子女史とハマコ。
 切なさと空虚さある静かな歌声が、古いレコードのような、わずかにノイズの入った音で再生される。

 無表情な男女、男の手のひらに操られるように、独特の動きをする女。
 舞台いっぱいの男女カップルたちは、やがてみな終焉を迎えていく。

 美しく、どこまでも美しく、そして哀しい……わたしにとっては、美しすぎて哀しすぎて、おそろしい、場面だった。

 当時『パッサージュ』で号泣し過ぎて、帰り道で貧血起こして倒れたり(迷惑な)してたもんで、もうカラダが条件反射的に反応するのな。
 「ホリデー」を聴くと、泣く。という。

 ハマコの、生「ホリデー」!!

 8年だかの時を経て、夢の空間。
 スイッチ・オン。
 泣きスイッチ入りましたよ、ええ。

 が。

 ……が、なんだよな。

 この「ホリデー」はとーーっても短くて。
 わたしのスイッチ入った途端。

 曲調はがらりと変わる!!

 許されざぁる愛とぉぉお 心にぃ決ぃめぇてえええ

 いきなり仰々しいザ・宝塚的歌謡曲、コブシ回して歌い上げだ、『バッカスと呼ばれた男』だ!!

 わたしの叙情スイッチは一気に地面に人型にのめりこみ、顔に縦線山ほど引いて終了しました。
 こぉの世にぃ残~らぬ愛もあぁぁるうう……って、ああ、歌える自分が嫌。『バッカス』はダイスキだったのよ、通ったわよ、最後は広島まで行ったさ!!(笑) アタシに『バッカス』語らせると長いわよ? ムラ、東宝、全ツと改編されて、3つとも微妙にチガウ話だからねアレ。加えて新公まであるからね。
 新公の悪役しいちゃんがどれほどかっこよかったか、吟遊詩人のレアちゃんがどんだけ美しかったか、ハマコがナチュラルにおっさんだったことも含め、語ると長いわよ~~!(笑)

 ド演歌まっしぐらな「この世に残らぬ愛」に続き、『凱旋門』の「いのち」。鳩の羽ばたきが聞こえてきそうなほど、一音一音を大切に、愛しそうに発音して歌う。

 ハマコが歌う「ハマコの歴史」。
 それは、雪組を見てきたわたしの歴史でもあった。
 どの歌にも、想い出がありすぎる。

 歌い終わったあとで、どの公演の曲だったのかを解説。
 最初の「パッサージュ」は、冒頭の曲だけど、エトワール・バージョンらしい。たしかに、最後に歌い上げがあるから、そっちバージョンだなとそこでわかった。『アルバトロス、南へ』でも、ゆめみちゃん(博多座『パッサージュ』エトワール)が歌ってたよな。
 「ホリデー」は当時録音スタジオで「試合に負けたボクサーのような感じで」歌えと先生に指導されて、「???」状態で試行錯誤して歌ったらしい(笑)。
 すごい表現だな、ソレ……。
 しかもハマコ、当日はきれーに寝過ごしていて、相棒の圭子タンの電話で起きたそうで。起床から40分だかなんだかでマイクの前に立っていて、声がまったく思うように出なかったとか。それでえんえんえんえん歌い続け、声が出る、を通り越してオーバーワークになってから本番だったとか。
 今明かされる。製作秘話(笑)。

 なんにせよ、生「ホリデー」が聴けただけで、あの場に行った甲斐があった。……ほんとにワンフレーズだけだったけどな(笑)。
 わたしはすでに、若くない。
 ぶっちゃけおばさんである。
 しかし、『ノバ・ボサ・ノバ』の初演は知らない。……さすがに。

 知らないけれど、わかる。

 「アマール・アマール」を熱唱するハマコを見て、きっとナニも変わっていないんだと、思う。

 『イゾラベッラ サロンコンサート(第8回 未来優希)』に行ってきました。

 イゾラベッラはこれで3回目。
 最初のシビさんでこれ以上なく堪能、大感激し、「素晴らしいコンサート・シリーズだわ! みんなどんどん出演すべきよ!」と思い、次のたっちんでがっくり肩を落とし、「誰でも出来るわけじゃないんだ……やめておいた方がいい人もいるよなー」と思った。
 歌さえうまければソレでイイ、というものではないんだ、このコンサート。司会進行をすべて出演者ひとりでやらなければならないので、まず「喋って客を楽しませる」ことができる人でないと、空気が凍る。
 たとえばお茶会なら司会者がいて、質問に答えていれば話が進むけど、このコンサートではそれすらない。
 なにもかも、ひとりきり。誰も助けてくれない。
 それでたっちんは、自爆してえらいことになっていた。……気の毒に。
 あーゆー姿はもう見たくないので、歌で選ぶより、キャラクタで選ぶ必要がある。行くか、行かないか。
 そーいやシビさんのときも、歌はもちろんのこと、あの闊達な喋りにも期待して行ったもんなあ。それくらいできゃ務まらないんだよなあ。
 星組の英真組長がこのコンサートに出演するってときも、「歌はどっちでもいいけど、とにかく楽しそうだよなあ」って思った、多分ソレが正解なんだ。
 まず、キャラクタと喋りに期待。歌はまあ、うまい方がいいな。……そーゆー優先順位でしょう、このコンサート・シリーズ。でないと自爆必至。

 つーことで。
 ……ハマコなら大丈夫だよね? ね?

 大丈夫でした。

プログラム
オープニング
 ブロードウェイ・ボーイズ
 グランドホテル
宝塚メドレー[I]
 パッサージュ~この世に残らぬ愛~いのち
宝塚メドレー[II]
 ソル・エ・マル~アマール・アマール~シナーマン
マイ・フェイバリット
 ムーンライト・セレナーデ
 甘いささやき
 ゾフィーの死
 もののふ詩
フィナーレ
 この世にただひとつ
 One Night Only


 プログラムを見た段階で、「ああ、そういうことなのか」と思う。
 とくに意識していなかったけれど、わたしはずーーっと雪担で、雪組だけを観てきた時代が長かったんだ。
 曲名を見て「これってなんだっけ?」と思ったのは「もののふの詩」のみで、コレもはっきりとはおぼえてないけど、「えーと、『メナム』?」ぐらいの知識はあったし、「ゾフィーの死」は今回も一緒に行ったnanaタンが興奮気味に「これって本家『エリザベート』の歌だよね、ヅカではカットになってるヤツ!」と言ってるからわかったし。(本家『エリザベート』も、nanaタンと一緒に梅芸へ行ったなー)
 あとのヅカ曲はふつーにどの作品で何故ハマコがコレを選んでいるのかが、見当つくんだわ。

 「ブロードウェイ・ボーイズ」と「グランドホテル」は、ハマコの初舞台公演だよね、月組の。
 「パッサージュ」は曲名じゃなくて公演名? ナニ歌うんだろう? 「硝子の屋根に~♪」の主題歌? ハマコがソロを歌ってたのは「玻璃の街角・黄昏」場面だけど、アレはすがた香くん他と掛け合いだったし、ハマコで『パッサージュ』と言えば「ホリデー」だけど、アレはスキャットだけだし、たしか録音だったわけだし、ナニ歌うかわかんないなー。
 「この世に残らぬ愛」は『バッカスと呼ばれた男』だ、ハマコが新公主演した!
 「いのち」は『凱旋門』だね、中盤で全員一列になって歌い上げるヤツ。ハマコはベルリン公演出演のために、大劇は出てないんだ。東宝でコムちゃんの役をやってた。博多座ではトウコの役、と、どんどん役付きが上がってたっけ(笑)。ええ、『凱旋門』は大ハマリしてましたから、もちろん1000days楽まで駆けつけ、博多座にも行ったわ。
 『ノバボサ』は語るまでもない、ハマコはみやたんと一緒にピエロやってて、すごい顔して笑ってたっけ。新公ではルーア神父だったよね。
 「この世にただひとつ」は『心中・恋の大和路』だ。コウちゃん主演、2番手ケロって、「渋いなんてもんぢゃないだろ、チケ売る気あるのか劇団」てな配役で(笑)。おかげでサバキであっさり観られたけど。最後のハマコの絶唱でダダ泣きしたっけ。

 ハマコの歴史、「未来優希」の歩んできた道は、全部眺めてきている。
 ああ、そーゆーことなのか。
 そういやシビさんも、自分のヅカでの歴史を振り返る選曲していたっけ。さすがに古すぎてわかんないものだらけだった。
 たっちんは「歌いたい歌」「好きな歌」中心で、ヅカの曲自体は少なめだった。……はじめてのコンサートでヅカ曲を中心にしない、それがたっちんの生きる道を表していたんだ。
 3回目、3人目のコンサートにしてはじめて、わたしはプログラム全体を馴染みのあるモノとして受け止めることが出来た。

 ハマコがなにを歌いたいのか、歌うことでなにを伝えようとしているか。

 こんな小規模コンサートだから、客席はほぼ100%ファンばかりだ。
 そこで「タカラヅカの未来優希」として行う、歌うことの意味。

 
 難しく考えることではなくて。

 「アマール・アマール」を熱唱するハマコを見て、変わらないモノはあると、思った。

 わたしは『ノバ・ボサ・ノバ』の初演を知らないし、たぶん今映像とかで見ても「古っ、ダサっ」と引くんだろうけど、それとは別に、今目の前で歌うハマコを見て「きっと初演の『ノバボサ』の人もこんな感じだったんだろうな」と思った。
 
 この、恥ずかしさ。
 この、古くささ。

 ヅカファン以外が見たら爆笑するかドン引きするか確定の、ものすごく独特で濃ゆい世界。
 ノリノリで歌うハマコはものすげー濃くて、ものすげー恥ずかしくて、……その恥ずかしさが、最高なの。

 たしかにコレは現代じゃない、21世紀じゃないし、平成でもない。
 だけどコレが好きなの。必要なの。
 時代と共に変わることは必要だけど、伝統をすべて捨ててしまえばいいってもんでもないの。

 ヅカなんてね、一般人から見たら「変」の一言だよ。異様な文化だよ。
 でもね、ふつーでない「カラー」があったから、今まで生き残ってきたんでしょう。
 他で代えのきかないモノだから。

 今、タカラヅカはどんどん変わっていっている。
 わたしが年寄りだからかもしれないけれど、変革の予感は、不安でしかない。暗い未来に胸がふさがれる。

 そんなときに。

 95年の歴史の流れの中でわたしごとき若輩者が知りようもないタカラヅカの伝統を、濃さを、異様さを、恥ずかしさを、体現して見せてくれる未来優希に、明るい未来を見た。

 変わらないモノがある。
 大切なモノがある。

 コレを守っていける、伝えていけるタカラジェンヌがいる限り、未来はある。
 陽月華という名前。

 最初はなんにも思わなかったけれど、あるときふと気づいた。

 太陽と月と花。
 タカラヅカが象徴するものに加え、わたしが個人的趣味で「必要だ」と思っている要素を、全部端的に揃えた名前なんだと。

 太陽っていうのは、光。
 タカラヅカスターに必要な、キラキラ。
 そして花は、美しさ。
 タカラヅカスターには、ナニより先に美貌が必須。

 ここまでは、一般論。
 わたしはその上に、「陰」が欲しい。

 ただ明るいだけ、痛みもヨゴレもなにもない、きれいなだけのキラキラ美形には、ほんとうの意味で惹かれない。
 わたしを虜にするのは、ヅカらしい美しさやスターらしさを持った上で、さらに「陰」の部分を持った人だ。

 太陽に対する、月。
 陰を表す言葉だ。

 太陽と月と花。
 見事に、わたしの好みを揃えている。
 しかも余分な説明無しで、ひたすら美しい並び、語感、字面。

 完璧だわ、この名前!

 と、震撼した。

2009/1/26
宙組主演娘役 陽月華 退団のお知らせ

宙組主演娘役 陽月華が、2009年7月5日の東京宝塚劇場宙組公演『薔薇に降る雨』『Amour それは・・・』の千秋楽をもって退団することとなり、2009年1月27日に記者会見を行います。

 予感はあったので、驚きよりも、寂しさと哀しさが強い。
 やはり、そうなのか、と。

 ひたすらあっけらかんとキラキラも出来るし、オギー作品で毒を滲ませることも出来る、陽と月とを併せ持つ美貌のスター。

 めずらしく買った「歌劇1月号」のウメちゃんの絵と文に大ウケしていたさ。
 ヅカヲタでありながら娘役トップスターであるという矛盾を、かろやかに両立してしまう姿に。

 類型に収まりがちなタカラヅカにおいて、前人未踏のキャラクタを造形してくれた、娘役トップスター。
 『バビロン』の女豹ちゃんで一目惚れして以来、ずっと特別な女の子だった。

 
 さみしいなあ。
 さみしいよ。

 どんどんみんな、いなくなる……。
 いつになったら本公演『太王四神記』の感想を書けるんだろう、とか、「それで『カラマーゾフの兄弟』はいつ書くのよ?! イワン様ステキなんだから!」と某ゆみこファンにせっつかれたりしてますが、とりあえず先に、バウ・ピュア・ストーリー『忘れ雪』の感想を終わらせます。

(2008年12月半ばにぼこっとブランクがあるのは、『カラマーゾフの兄弟』その他雑談用、年末のブランクは『タカスペ』用ですってば。ちゃんと書くつもりで空けてあるのよ。と、言い訳する)

 
 眼鏡ヲヅキ萌え。

 コレを書かずに、『忘れ雪』の感想を終えることは出来ません。

 ヲヅキがクールだ。ヲヅキが悪役だ。
 ヲヅキがかっこいい。
 スーツ姿最高!!

「昌明さん」
 呼びが、無意味に色っぽくて萌える!!

 
 ……てゆーか。

 ヲヅキの無駄遣い、どーしてくれんだっ。

 そりゃキムもかなめもそうなんだけどさ、あんな作品、あんな役で大変なんだけどさ、それにしたってヲヅキの出番が10分弱ってなんなのソレ。

 こだまっちのバカー、バカー、バカー!

 貴重なテルキタ作品の1本なのに。
 かなめ×キムなんか描いてるヒマがあったら、ヲヅキ×かなめでも描けっ。それが空気読めるヲタクってもんだろうに。あ、かなめ×ヲヅキでも可。『マリポーサの花』ではヲヅキ受推奨だったしわたし!

 
 とまあ、アタマ悪く感情だけで叫んでおく。
 まともに考えるのも嫌だ、この作品。

 
 キムの舞台人としての力量のすごさを見せつけるということにおいてのみは、意味があったのかもしれん。
 あんなにヘタレで途方に暮れさせてくれたかなめくんも、「こんなに立派になって」と親心でじんとくるほど、ちゃんと男役として立ってくれているし。

 ところでかなめくん、ほんとにサックス吹いてたの?
 すごーくかっこよかったらしいが……バーテン見てたんで、わかんない。

 かっこいいテル、はいつでも見られるけど、かっこいいあずりんはそうそう見られないかもしれない、という危機感により、バーテンの小道具ダンス見てた。

 そーいや前に「ケロとみっさまを足して2で割らず、足しっぱなし」のよーな顔の男がバーテンにいたと、書いたところ、ケロメイトから反応ありました。

「それって、髪の毛後ろで束ねてる子だよね?」

 ケロファンの間で、噂になっているらしい(笑)。
 みんな食いついてんだ、ケロに似たあの子に。
 その正直さというか、本能にウケる。

 
 さて、キャストの感想をさらっと記しておきます。

 ヒロイン深雪@みみちゃん、かわいかった。
 ランドセルが似合うってすごいなヲイ。
 電波でコワレたコワイ女の子の役で大変だったと思うが、それでもかわいく演じていた。脚本のひどさを覆し、ときどき健気な女の子に見えたから健闘かと。

 静香@みなこ、うますぎ。
 彼女の心の動きが真に迫っていて、本気でコワイ。ナニかする、この女!(白目)と、台詞で説明しなくてもすごい「引き」を作ってくれる。
 もっとまともな作品で、キムと役者として一騎打ちしてほしい。

 鳴海父@ナガさん。
 こだまっちよ、ナガさんに、悪役をさせるな。
 ナガさんはすばらしい組長さんだが、出来る役はとても限られた人だ。このどーしよーもない作品の、どーしよーもない部分が、ナガさんがこの役を演じることでさらに強調されてしまったってば。
 ナガさんは大好きだが、頼む、悪役はやらせないでくれ。ナガさんが悪いのではなく(ナガさんはそのままのナガさんでいて・はぁと)、こだまっちが悪い。断言。

 深雪の婚約者@そらちん。……えええ、出番アレだけ?!
 いやその、かっこよかったっす。怜悧な美貌が栄え、野心家風に見えました。
 たしさん出番があったら、彼の場合ボロが出たんだろうか……ゲフンゲフン。

 深雪の母@かおりちゃん、すごいうまいんだが……あの衣装はいったい……。
 現代日本が舞台とは思えないセンスの公演なんだが、それにしても深雪母は昭和の母だった……。
 もうひとつの役もリアルでわかりやすくて、こわかったよー。

 ……こわい、としかないのか、役の感想……だってそんな話だし……。あうう。

 清涼飲料水、どろどろ濁流の中のひとすじのサワヤカのどごし、中里@キング。
 あああ、この子がいてくれて良かった……。
 『銀薔薇』以降のいつものキングなんだが、もういいよ、この芸風を貫いてくれ。

 主人公一希@キムの家族、パパ@マヤさん、ありがとう、マヤさんとキムの場面だけ見事に別世界。ほっとしたわ。

 そして素敵なミツル@せしる。
 出てくるだけで爆笑させてくれるのは、この作品のキャラクタとして正しい在り方。
 中でも、

「兄貴のそんなとこ、キライぢゃないゼ☆」

 の、キメ台詞には、客席に前後2列(最前列と2列目……)で坐っていたわたしと友人たちを悶絶死させる破壊力だった。
 いやあ、4人揃って「ぷはあっ!!」と吹き出してたからなあ。声殺して笑うのに必死で、しばらく顔上げられなかったもんなあ。

 せしるは客席のハートを鷲掴みにした。
 断言。

 
 終始そんなノリの舞台だったんだから、仕方ない。

 ええ、通行人のあずりんが、待ち合わせに遅れてきたカノジョ相手にぷんすかして、カノジョが「ゴ・メ・ン♪」とあずりんのほっぺにちゅー、照れたあずりんが、「こ・い・つ、め☆」とカノジョの脳天にチョップとか、見ていてこそばゆさに転げ回りたくなりましたから。
 てゆーかライト暗すぎるんだよ、通行人がろくに見えないだろーがっ。

 あずりんの顔を眺めるのだって、わたしには観劇意欲のひとつだったんだぞー。

 
「ところでさ、なんでミツルはライターの持ち主調べるのに、いきなりスーツだったの? ワルな世界を嗅ぎ回るなら、いつもの格好の方がいいだろうに」
「きっと潜入先がホストクラブだったんだよ」
「チガウチガウ、ホストじゃなくて、ハスラーって言って」
「そうか、ハスラーの店を経営しているのがヲヅキね!」
「いつもはああやって眼鏡掛けてスーツ着てクールぶってるけど、店に出るときはラテンなロレンツォになるの」
「なるほどー、出番少ないのは、裏で別の仕事してたからなのねー!!」

 てな話で落ち着きましたよ、ヲヅキさん。
 新人公演『太王四神記』の感想、これでラスト。

 『Red Hot Sea』の走っていく女の子役を見て、のびやかな肢体という言葉が浮かんだハルちゃん。
 南国ドレスに身を包み、長い手足と凹凸のあるリアルな肉付きがみょーになまめかしくて、あのカラダを「男役だから」と今まで隠していたのか、そりゃもったいない、見せつけて娘役にもなりたかろうなあ、と思ったもんだった。

 そのハルちゃんが、女隊長カクダン役。

 なんつーか……えっちな女隊長さんだなあ。
 いやそのべつに、具体的に彼女がナニかしたっつーわけじゃないんだが、あのボンキュッボンなカラダを見せつけて男装している美女っつーのは、やらしいよなあ、と。
 ドレス着たり肌見せたりしているより、鎧でかためて露出無しで武装している方がさらに禁忌を煽ってるってゆーか。
 よりアニメ的っていうか。アニメの女軍人でいるよな、こーゆー真面目に軍人してるだけなのに、やたら女っぽくてやらしーおねーさん。

 客の目には薬なので、ありがたくいただきます。

 ただし、タムドクの目には毒だと思うよ、このおねーさんは。

 やたら肉感的で、ストイックな言動とは無関係にえっちくさい年上の美女、なんて、子どもの教育によくないってば(笑)。
 こんなしたたる肢体のおねーさんを前にして「ちっとも女らしくない連中だ」と言い切ってしまうタムドク@だいもんのこどもっぽさが栄える。
 子ども過ぎてタムちゃんにはまだ、大人の女の魅力がわかってないんだ。女の子っていうのは、ドレスを着てしとやかにしているだけだと思ってるんだ。

 本公のカクダン@りせは、まさに「女らしくない」女性で(笑)。カラダもぺったんこで、少年のよう。たしかにこの女隊長になら、若いタムドク@まとぶんも特に女を感じることはなかろう、と思ったさ。
 本公のタムドクの年齢設定だと、ハルちゃんのよーな色っぽいカクダンはまずいと思うが、新公の「子ども」であるタムドクにはちょうどいい。

 元アニヲタとしては、このハルちゃん女隊長のビジュアルが、すげー好みだ。『ガンダム』とかでモビルスーツ操縦してそう(笑)。
 あ、アフロディアっぽいのか。……て、わかる人いるのか?(余談だが、故シオザワカネト氏の声ではテレビ版のマリン役がいちばん色っぽいと思ってるっす。喘ぎ声とか絶品だから!)

 
 とまあ、今回は女の子の話から。

 肉感的で色っぽいカクダンが、女近衛兵たちに守られて混戦の場内を横切っていくところに、ドキドキしたわ(笑)。本公でもあの場面好きなの。
 ……女近衛兵の仙名さんが、いつ見ても同じ顔だったのは、たまたまかなぁ。いやその、彼女はどこにいても目に付くんだが、新公ではいつもにも増してこわかった気がする、顔。

 
 パソン@ゆまちゃんが、かわいすぎる。
 あの美貌で剣振り回して、素敵すぎる。
 歌もダンスもイケてる彼女、何故に路線扱いされないんだろう? 博多座『マラケシュ』ではその棒読みっぷりに全世界が震撼したが、そっからどんどんうまくなったじゃん! ナニが不満なんだ、歌劇団!

 
 本公演に引き続き子役の、姫花ちゃんとイブちゃん。
 タムドク@姫花、ヨン・ホゲ@イブ。

 姫花ちゃんのあの舌っ足らずな風情の棒読みは、すごくリアルに「子ども」だ。
 子どもに感情がないと言っているのではなく、どれだけいろんなことを感じていようと、表に出てくる声や台詞は一本調子なことが多い、幼い子は。まだ表現することの経験値が低いために。
 姫花ちゃんの棒読みは、すごく子どもらしさが出ている。
 プロの女優さんが舞台で演じる子役や、プロの声優さんが演じるアニメや洋画吹き替えの子ども役は、すごく過剰に「演技」してるんだよね。棒読みではなく、そこに大人であるゆえの技術を織り込んでいる。
 どれだけ技術のあるプロが演じる子どもより、ほんとうの子どもを使った方が、子どもらしさが出る、ということがある。子どもはただ台詞を棒読みしているだけなんだけど、とにかく「あ、子どもだ」とわかる強さ。
 キハだろうとタムドクだろうと、姫花ちゃんに感じるのはソレ。

 子役だからソレだけでいいし、なにしろ姿はたまらなく美しいので十分なんだが……えーと、大人役はできるんだろうか?

 イブちゃんは「演技」している。
 懸命に「少年」であろうとがんばっている。本役のヒョンゴのイメージがあるからかなあ、こうやって「男の子」を演じていると、まっつに似ている気がする(笑)。もちろん、まっつよりずっと華やかなんだけど。(ヲイ)

 少年タムドクと少年ヨン・ホゲは、本公演でもののすみ演じる「自然な子ども」とれみちゃん演じる「一生懸命男の子の演技をしている女の子」というバランスなので、新公でも同じことになっているのは、ちょっとびっくりした。

 姫花ちゃんは演技しているのかしていないのかよくわかんない風情なんだが、とりあえずリアルに子どもで、イブちゃんはすごーくがんばってるけど、女の子、なんだよなあ。
 

 遊女たちはみなあでやかでかわいーが、誰が誰だかわかんない……しょぼん。
 本公演ではココ、まっつしか見てないから、真ん中でナニが起こっているのか、記憶にないので、新公ではここぞとばかりに見ていたんだが。

 トラジ@萌子が鼻息荒かったことぐらいしか……(笑)。

 しかし、女の子役がほんと少ないんだなあ。

 
 で、他の男の子たちをちろっと書いて終わる。

 ヒョンミョン@大河くん、かわいくてうまかった。本役もヒョンミョンは少年ぽく演じているから、若い子が演じやすいタイプの役とはいえ、溌剌とよくやっていた。
 てゆーか大河くん、研2で中卒? まだ10代ですか……つか、確実に平成生まれ? 若っ。

 イルス役って、わたし的にすげーいい役だと思ってたんだ。初日から、マメに釘付けだったし!
 だから新公イルス@輝良まさとだと知ってわくわくしていたんだが……あれえ? それほどおいしく見えない……。
 この役をおいしく見せていたのは、マメの力技だったのか。


 ポンファ通りの人々がえらいことになってましたな。
 てゆーかヒゲ率高すぎ!(笑)
 ナニかやらないと気が済まないのか、花っこたち!(笑)

 そして、みちるタンのやる気っぷりに涙。二の線は完全に捨てるんだな? マメのあとを継ぐんだな? 心意気やヨシ! がんばれ。

 
 挨拶込みで2時間と、ちょい長めの新公でした。
 がんばって短くしてあったよ。生田せんせー、短縮するのうまくなったね。

 そして、本公演まんまだとしても、舞台人口密度がやたら高く、装置使いがものすごいことになっているわけだから、短縮して変更された分さらにえーらいこっちゃだろうに、みんなよく演じた、仕事した。
 ひとりまちがっても大混乱必至な大所帯で、武道会やら騎馬と楯の群舞やら、大人数の立ち回りやら、よくやったよ。すごいチームワークだ、一致団結だ。
 そのことにも、感動した。

 新公プログラムの活字の詰まり方、ものすごいよ。開けた途端、「黒っ!」と思うくらい、隙間なく活字ぎっしり。紙面に配役が書ききれない勢い(笑)。
 みんながんばったね。
 新人公演『太王四神記』感想の続き。

 ホゲパパ@しゅん様は、どーにも弱っちく見えた。
 優柔不断で他人の意見に踊らされ、確固たる意志がなく流されている感じ。

 ああ、この小物な父の息子じゃあ、ホゲ@鳳くんがあんなにダメっ子なのも当然だよなあ。と、思ってしまった。

 考えてみればわたし、「武人ではないしゅん様」ってはじめて見るのかもしれない。
 しゅん様の演じる役は大抵、知より武。坐ったまま策略を練るより自分で行動する役。アジズ、フィリップ、天城刑事……、今回の本役であるチョク・ファンは言うまでもなく。

 知略の人を演じると、あんなに弱くなってしまうの……?

 
 しゅん様自身のこともあったと思うけれど。

 チョ・ジュド@ネコ、やりすぎだから!(笑)

 ホゲパパの側近、チョ・ジュド。ホゲパパ悪だくみのときは必ず側にいる、ヒゲ男。本役はふみか。

 チョ・ジュドはすげーいい役で、実質的な悪だくみは彼が率先してやっている。だからネコちゃんが張り切るのはわかる。
 わかる、けど。

 張り切りすぎだから! やりすぎだから!
 側近じゃなくて、君が悪の帝王になってるよ!!(笑)

 すげー鼻息で、ぶるんぶるん唸りながら演じてるんだわ。
 スタンドプレイ上等で、いつも前へ出ようという意欲に満ちあふれたネコちゃん。彼のそーゆー心意気やヨシと思っているが、コレはどうだろうな~~。
 ホゲパパとホゲがただの操り人形で、黒幕がチョ・ジュドだというなら、プルキルとの関係を整理して欲しいわ。
 プルキル@まぁくんは本役の役作りを踏襲しているので、チョ・ジュドに操られているバカな人、という設定では演じていないのよー。
 しゅん様も別に、チョ・ジュドに操られているとは思ってないだろうなあ。たんに力負けしちゃってるだけで。

 ホゲパパ、ホゲ、プルキル、チョ・ジュドと4人で登場する場面がやたら多いんだけど、ここがもう、バラバラで落ち着きが悪いったら。
 ホゲパパは力負けして右往左往してるし、ホゲは存在感ないし、プルキルはマイペースだし、チョ・ジュドは暴走しているし。

 おもしろいことになってるなあ、悪役カルテット(笑)。
 

 ホゲママ@きらりがいるときは、きらり圧勝。

 きらりすごい。
 ほんとすごい。
 見事に場をかっさらっていった。

 本役のじゅりあちゃんもうまいけど、彼女とはまたチガウ迫力。より静かに、暗いオーラが出ている。それが沸点に達したときに、なにか切れてはいけないモノが切れて、叫び出す感じ。

 ……なんできらりちゃん、新公主演できなかったのかなあ。
 こんなにうまくて、きれいなのに。そりゃまあ、歌はアレだが(笑)。

 きらりのヒロインも見てみたかったよ。

 
 でもって、色男の話に移る。

 カグン将軍@らいらい。無駄に色男(笑)。
 なんでああも色っぽいかな、じじいのくせに。

 本役のさおたさんがこう、ストイックな美老人であるのに、らいが演じると「まだ現役@いろんなコト(はぁと)」って感じで、ちょっとアセりますな(笑)。
 キャリエールが涸れてなくて、現役であれこれしちゃう人だと、エリックとの関係がやらしくなっちゃって困りますがな! と、わけわかんないことを言ってみる。や、宙組のじゅりキャリとたかこエリックはやらしくて困りましたよな、花組のゆみこキャリとオサエリックは健全でそれはそれはで拍子抜けしたけど……って、何の話?!

 らいがあのガタイで、チョロを後ろから押さえつけると、なんかドキドキしました……って、これはもう、わたしの目が腐っているせい?!

 
 カグン将軍にいいようにされてしまう(語弊有り)美青年チョロ@瀬戸くん。
 いやあ、やっぱ彼、いい男ですなっ。
 輪郭がきれいでいかにも「男役」って感じ。
 ガタイの良さもいいです。

 しかし。

 チョロって、ナルシスト設定ぢゃなかったのか。

 本役のめおちゃんが、剣に映った自分の顔を見て「コレが俺の顔か……美しい」と、うっとりするので、それはデフォかと思ってた。規定演技かと思っていたよ。
 アレはめおちゃんオリジナルなんだ。や、そんな気はしてたけど(笑)。

 瀬戸くんはべつにうっとりと自分の美貌に酔いしれることはなく、ふつーに醜い皮膚のなくなった顔に感動していました。

 らいと瀬戸くんって、いいなあ。
 並びが好みだわー。
 今度、らいがじじいでなくて、ふつーに美青年同士でがっつりなんかやって欲しいわ。

 
 で、色男といえばこの人、コ将軍@アーサー。
 ねーねー、アーサーって、キラキラしてるよね?
 なんか知らんがキラキラと目立つよね? わたしの欲目?

 前回の新公に引き続き、今回もまたヒゲのおっさん役なんだけど。
 それでもキラキラしてるの。なんか彼は少女マンガなの。

 あ、あそこにキレイな人がいる! って感じのキャラなの。……ヒゲおやじなんだけど(笑)。

 今回アーサーは本役の審判役があまりにも格好良すぎて、そのイメージがあるからか、新公はちょっと「少ない」気がした。

 声の出方、通り方が、少ない。
 審判役の声は、半端なく「イイ声」だからなー。
 目の効き方が、少ない。
 審判役の目の効き方、半端なく「きらん☆」としてるからなー。

 1ヶ月以上お稽古して、初日から毎日やり続けている審判役と、本番1回こっきりでしかも出番が(審判役より)多いコ将軍役だ、そりゃ出来上がりが違って当然だけど。

 もっともっと出来るはずだ。
 ああ、東宝の新公も見たい~~。『エンカレッジコンサート』の5回公演で、悪戦苦闘しながら変化していったアーサーだもの、きっと東宝ではもっといいモノを見せてくれるはず。

 にしてもアーサー、きれーだなー、キラキラしてるなー。イイ声だなー。
 ……同意してくれる人、いっぱいいるよね? ね?(いつも少数派なので、自信がないらしい)

 
 続く~~。
 長年ヅカに浸って、ぬるく浅くファンしてきた年寄りの「タカラヅカ」というものに対してのこだわりは。

1.トップスターがいる。
2.組がある。
3.組が、トップを頂点としたピラミッドになっている。
4.トップスターはいずれその栄光の座を退き、次世代へ移り変わる。
5.トップ誕生からその卒業までが一区切り、また次のトップ誕生から新たな時代がはじまり、卒業までが一区切りと、終わることなく続いていく。

 未婚の女性ばかりの劇団で、男役があって娘役があって、ということは前提なので言うまでもないとして。
 その上での決まりごとっていうか。

 別に明文化されたルールじゃないから、歌劇団がなにをどうしようと勝手だろうが、わたしが「タカラヅカ」を知ったときにはそーゆーもんだったし、ファンになってからも概ねそーゆーもんだった。
 95年の歴史からすりゃー、わたしのファン期間なんてたかが5分の1でしかないんだから、なんの判断基準にもならんだろうが、わたしはわたしの希望で一方的にこだわる。

 タカラヅカには、「トップスター」がいて欲しい。
 わたしはあえて一度も「主演男役」とかゆー妙な言葉は使わない。マスコミは依然「トップスター」と表記し、劇団もソレを許している。商売的に「トップスター」の方が正しいとわかっていて、なんらかの内部事情で「主演」という言葉を使っている不透明さを否定する意味で、わたしはトップスターと言い続ける。

 トップスターあってのタカラヅカ。
 そしてこの「トップスター」ってのには、「トップ・コンビ」という意味が含まれる。

 男役単体じゃない。娘役とふたり揃ってこそ、組の顔。組のトップスター。
 ヅカを担うのは男役スターであることは確かだが、それは娘役あってのことだ。

 公演ごとにオーディションで寄せ集められた、個人的に口をきいたこともない人たちではなく、同じ釜の飯を食う一蓮托生の家族のような仲間たち。
 良く知り合うモノ同士だからこその呼吸で作り上げられる、舞台。

 団員を生徒と呼び、上級生、下級生と呼ぶ。
 学校のように先輩は後輩を導き、面倒を見、後輩は先輩を敬い、従う。

 組の頂点に立つトップスターを中心に、2番手、3番手などポジションがあり、いずれトップが卒業すると2番手がそのあとを引き継ぐ。
 共有する、世界。
 去る者も、あとを担うものも、共に同じ組で、同じ舞台を作り続けてきた。

 ファンは組全体の成長を、時の流れを見守り、トップ交代を時代の一区切りとし、また新たな世代を見守り続ける。
 共有する、世界。
 自分自身の人生と同じように、タカラヅカという虚構の中にも、出会いと別れを繰り返す。

 
 それを当たり前と眺めてきて、最近不安ばかりが先に立つようになった。

 トップ娘役は、なくなるのではないか。
 組はなくなるのではないか。

 トップスターがなくなり、組がなくなったらソレはもう「タカラヅカ」じゃない。
 この変貌流転激しい世の中で、ヅカが生き残ってこられたのは「この世でただひとつ」のものがあったからだろう。
 他にはない、代えがない、だから生き残ってこられた。……まあ、ひとつあれば十分、大してニーズはないんだから、とも言えるが(笑)。

 次々とトップスター退団の報が発表される中、先行きに不安を感じていたのだが。
 
2009/01/22

次期星組主演男役・娘役について

この度、次期星組主演男役に柚希 礼音(星組)、次期星組主演娘役に夢咲 ねね(星組)が決定致しましたので、お知らせ致します。
 
 この発表で、心からほっとした。

 トップ娘役は、なくならない。
 つまり、「トップスター」がなくならないということだ。制度がなくならないということだ。

 そして、2番手からの昇格。
 現トップスターと何年も一緒に舞台を作り上げてきた人が、次の時代を継ぐ。
 つまり、「組」がなくならないということだ。制度がなくならないということだ。

 よかった。
 本当に、よかった。

 最近の劇団には、不安と危機感しかなかったもの。
 

 おめでとう、れおんくん、ねねちゃん。ビッグ・カップル誕生っすね。
 長身で華やかなトップ・コンビで、あの濃くてにぎやかでお祭り好きの星組を盛り立てていってください。

 次期体制がわかると、なんかほっとする。
 ラスト・スパートに集中できるっていうか。

 サヨナラ公演の前にわかってよかった。

 
 同時に、組替え発表もあった。

2009/01/22

組替えについて

この度、下記の通り、組替えが決定致しましたのでお知らせ致します。

【雪組】
凰稀 かなめ・・・4月14日付で星組へ
※宝塚大劇場公演『風の錦絵』『ZORRO 仮面のメサイア』千秋楽後に異動(東京宝塚劇場公演には出演致しません)。

【宙組】
早霧 せいな・・・2月24日付で雪組へ
天咲 千華・・・2月24日付で花組へ
※上記二名は中日劇場公演『外伝ベルサイユのばら-アンドレ編-』『ダンシング・フォー・ユー』千秋楽後に異動。
※早霧せいなは雪組東京宝塚劇場公演『風の錦絵』『ZORRO 仮面のメサイア』より出演致します。
  
 退団とはまた別の意味で、組替えはショックだ。
 なんていうか、足元が崩れる感じ。この子はこうで、こう応援する、と決まったスタンスが根底から覆される感じで。

 テルキタ解散が、かなしいっす。

 あのふたりの並びが、ほんと好きなんだよ。劇団は同期萌えを許さないよなあ、いつだって解散させるもんよ。

 かなめくん、ちぎくん、あまちゃき、みんな新天地での活躍を期待しているよ。

 どんな人事異動も、よい方向へ行くために、しあわせになるためにあるのだと、願っているから。

 
 ……タカラヅカは、新陳代謝を繰り返す。
 今のトップが辞めなければ次の人はトップになれない。
 シビアだけど、これが現実。
 あの人のトップスター姿をずっとずっと眺めていたいけれど、それでは2番手の彼のジェンヌ人生が終わってしまう。旬が過ぎてしまう。
 トップの彼に辞めて欲しくない。でも、2番手の彼にもトップになって欲しい。
 どーしよーもないジレンマを抱え、「今がずっと続けばいいのに」と思う、そんなことはありえない、偽善でも虚構でもいいから、みんなみんなしあわせになればいいのにと願う、光を恋いながら闇を抱える。

 美しい夢の世界は、たしかに現実の痛みを伴っている。
 だからこそ、こんなにも魅力的なのだと思う。

 昇格する人も、組替えする人も、そして、組替えしない現状維持?なポジションの人も、どうかどうかみんな、その人にとっていちばんいい結果にたどり着きますように。
 わたしが納得するしないとか好みが理想がとかとは関係なく、ジェンヌさんたちがいちばんしあわせになる結果になりますように。
 新人公演『太王四神記』の感想続き。

 プルキルの眉毛がふつーだった。

 ……って、ソコからですか。
 や、気になるじゃん、「プルキル=二股眉毛」なのか、それともアレはえりたんオリジナルなのか。

 どーやら壮くんのオリジナルだったようです。新公のプルキル@まぁくんはふつーの眉毛でした。

 新公主演経験有りのベテランが、最後の新公で脇に回るの、わたしは大賛成です。
 初新公でいっぱいいっぱいの後輩を支え、かつ自分は余裕を持って最後の新公を終えることが出来、二枚目以外の役で芸幅を広げることが出来る。

 まぁくんがやたら余裕有りに見えました。
 まあもともと、あまりいっぱいいっぱいに見えない子だけど、それにしても余力を残して空気を読んでいる感じが、余計オトコマエに見えた。
 やりすぎるんじゃなく、ここで立ち止まって楽しんでいる風っていうか。

 ヒゲも似合っていて、スタイルいいもんだから目立つわ。
 役柄的には壮くんを真面目に踏襲、そして壮くんより「まとも」に見えた。や、壮くんのプルキルはすごい愉快だからねー(笑)、あそこまで愉快にしちゃうとまたバランス悪いしねー。

 じじい演出は無し、たぶん新公のために特殊マスクの製作はしていないんだろう。神話時代もないんでプルキルは最初から最後までヒゲのおじさん。
 だからラストシーンで彼がどーなったのか、本公演以上にわかりにくいのは残念。

 
 ホゲ@鳳くんは……ヘタではないんだろうけれど、反対になにができるのかよくわからなかった。

 カシウス様@『暁のローマ』新公でも思ったけど、コスチューム物でゆーひの役をやる子は大変だよなあ。まず外見でゆーひくんと比べられるわけだから、分が悪すぎ。
 ゆーひが美しすぎることはわかってるけど、比べちゃ酷だと自戒しているんだけど、それにしたって、いろいろと残念だった。
 ビジュアルの難を吹き飛ばす芸があればよかったんだが……。

 1幕の銀橋の歌が伴奏と無関係になっていたのでびびったんだが、アレは演出? それともわたしのカンチガイ? 音楽と関係なく歌詞を載せているから「ラップ? ここはラップに演出が変わったの?」とびびりまくったんだが。
 その昔マミさんが『ノバ・ボサ・ノバ』で、おそらく彼の歌唱力では歌えないと判断した部分をラップ調にアレンジしていた記憶があるので、鳳くんもそーゆーことなのかと思ったんだが、2幕最初のホゲ銀橋からタムドク、キハとの三重奏はふつーに歌っていたので、別に歌えないってわけでもなさそうだ。

 ビジュアルは置いておいて、このホゲくんに漂うのは「小物」感。
 キャリアが不足しているためだと思うが、表現できるモノがまだ少ない。台詞のないときにどーゆー表情でなにを表現できているかいないか、わかっていない感じ。
 追いつめられていく様もすねた子どものようで、窮鼠猫を噛むってゆーか、小人窮すれば斯に濫すってゆーか。

 だからこそ、ことさら「哀れ」だった。
 見てはならない夢を見た子。プルキルひどいよ、騙すにしてもこんなふつーの子を騙さなくてもいいじゃん。なんつーんだ、「アイドルになれるよ」って騙して中学生からお金巻き上げるえせプロデューサーみたいな感じ? 可哀想に真面目な学級委員くんはその言葉を真に受けて、クラスで集めた給食費に手をつけてしまい、それがみんなの知るところとなり、「オレはもう後戻りできないんだああっ」ってナイフ振り回しちゃう感じ? プロデューサー・プルキルひどい!(えっ)

 いやその、すぐれた人物の破滅とはまた違った意味で、ホゲくんの破滅は可哀想で、胸が痛みました。子どもがこうやって道を踏み外すとき、親の存在が大きいよねー、ホゲパパ@しゅん様、間でおろおろするだけの人だったしなー、と、そっちについて考えちゃいましたわ(笑)。

 なんか鳳くんって、雪のりんきらと不思議とイメージかぶるんだが、いきなりの大役で大変だったと思う。まだまだ下級生、これから経験を積んで技術を磨いて、ついでにほっぺの肉も落として(笑)、どんどんいい男になっていってくれ。

 
 スジニ@れみちゃんがかわいかった……っ!
 娘役が「少年のような女の子」を演じると、一足飛びに「子役」になってしまうのね。幼すぎるのは気になったけれど、それゆえの切なさ、いじらしさがあった。

 ぶかぶかの花嫁衣装を羽織り、本心を隠して強がる姿に涙が出た。

 やっぱスジニは娘役で見たかったよ……みわさんが悪いわけではなくて、みわさんのスジニも大好きだけど、バランスとしてコレは娘役の役だと思う。

 
 ヒョンゴ@真瀬くん、まっつまんまで驚いた。

 まっつを丸コピしてるよ……!(震撼)
 イントネーション、喋り方、ちょっとしたことまで丁寧にコピーしている。歌声や、声まで似てるんですけど?!
 器用な子だなあ。
 よく初主演の子とかが、本役さんまんまコピーしてくることがある。模写は勉強の基本だから、役割が大きすぎるととにかくコピーで消化するんだよね。
 脇役でそこまでまんまなコピーをあまり見かけないのは、丸コピするより自分なりのアプローチをする余地のある比重とか出番だったりするから、かな? または、若手抜擢で丸コピしたくても技術的にできない、という現実だったり?
 真瀬くんは実力者だからなあ。真似るとなると、ここまで出来ちゃうんだな。
 
 本公でまっつばっかガン見しているしている者からすれば、彼の丁寧な「まっつぶり」がすげー興味深かった。やーん、たのしー。
 がんばれ92期男役トップ入団者(首席は娘役だった)。歌の成績も男役で1番だったんだよね? クラシック・ヴォーカルで唯一のソロもらってたから。(ちなみに、だいもんも89期文化祭で唯一のソロ歌手)

 
 にしても、主要な役にキャリアのある子、下級生抜擢、と、バランス良くちりばめてあるな。せっかくの新公「いつもの顔ぶれ」でもつまらないし、かといって抜擢ばかりのなんにもできない学芸会を見せられても途方に暮れるし。
 脇役は芸達者な88期で手堅く固めてあるし。
 
 
 とゆーことで、その手堅い88期・ヤン王@めぐむは、なんか登場の仕方にいろいろおどろいた(笑)。
 幕開き、神話その他カットのため、いきなり登場したからなあ。そして2幕では、まさかの下手セリ上がり(と、そのままセリ下がり)。や、こちらも1幕ラストのテジャ城セットが本舞台にあるため、本公演のように本舞台ののれん裏(のれん、て……)から登場できなかったためなんだけどね。キハ@ののすみだって、三重唱まで武道会の巫女衣装のままだし。

 めぐむを見てはじめて、ヤン王っていうのが「強い」だけの役ではないんだなと気が付いた。
 てゆーか、けっこう弱い、ダメダメなおっさんだなー、と(笑)。
 というのも、めぐむって前回のムハンマド・アリのような押し出しのいいおっさんだと堂に入って格好いいけど、弱い部分を出すとかっこよさが落ちるなと思ったからだ。すまん、めぐむ。
 星原先輩はよわよわな部分を演じてもその威厳が弱まることはないんだけど、めぐむは情けなくなっていたような……。
 本公演のコ将軍がとことんカッコイイことからしても、こーゆー強いおっさんは得意だけど、そこに人間的な部分が加わるとまだ思うようには演じられないのかな。

 めぐむには期待が高い分、点数が辛いかも。
 新公2番手まで行った実力とキャリアの持ち主だもの、これからも楽しみにしてるよお。
 

 つーことで、続く。

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