祖母の七回忌。

 時の流れは速い。
 夢の中には当たり前に出てくるけどね。祖母も祖父も。彼らがいることが「日常」の風景だからでしょう。

 しかし、お坊さんがお経を上げている間ずっと、猫が仏壇の上にいたんですが……あれっていいのか?
 線香が煙かったらしく、顔をしかめながらも仏壇から降りない。
 法事の最中、猫と追いかけっこをするわけにもいかず、参列者全員がはらはらしながら猫の挙動に注目。

「猫は仏典を守るために連れてこられた動物ですから」
 と、お坊さん。苦笑しながら許容。
 仏教との相性は悪くはないのかもしれないが、猫よ、法事の間はおとなしくしてくれよ。飼い主がこまるよ。

 平日に行うことでわかるように、大袈裟な法事ではないのだ。
 だが、それでも親戚はやってくる。
「こあらちゃん、仕事はどうなの?」
 と聞かれるのがつらい。
 はあ、まあ、ぼちぼち。
「あれから本は出たの?」
 あれからって、いつからですか。
「本屋で探してるんだけど」
 探さなくていいです。
「読んだけど、ぜんぜんわからなくて」
 だから言ってるじゃん、読んでもわからないから読まなくていいって。
「こあらちゃんの書くものは難しいから」
 ……対象年齢がちがうだけです。難しいものなんか書いてません。そんなアタマはありません。
「ねえ、名刺ちょうだい」
 その名刺持って、なにする気ですか。今、切らしてます。つーか永遠に切らしている予定です。

 頼むから、触れないでくれよ、わたしの仕事のことは。
 興味津々されると面倒だー。
 つーか、わたしからひとことも言ってないのに、なんで親戚ってみんな知ってるのかしらね。
 犯人はわかってるけどね。親が吹聴してまわったらしいからね。やれやれ。
 どうせ特殊な職業だよ、後ろ暗い人生だよ、わかってるから、放置してくれー。

 中でも叔母のひとりが、わたしの本を探すのに必死になっている模様。
「似たような本がたくさんあるのね、びっくりしちゃった」と。
 てきとーに会話をしながら、わたしはびくびく。
 わたしの本を読むのはいい。うれしくはないが、まだいい。
 だがな叔母よ、わたしの本を探すときにまちがって、ボーイズを手に取らないでくれよ? たぶん、近くにあるだろうからさ。
 んでもって、ヘンな混同や混乱はしないでくれよ?
 んでもって、還暦を過ぎてBLに目覚めたりとか、しないでくれよおおお??

 いろんな意味でびくびく(笑)。

 

総天然色。

2003年3月9日 その他
 わたしの見る夢は、いつも総天然色だ。

 そしていつもストーリーがある。
 そしていつも、おもしろい。

 時間と気力のあるときは、夢を書き留めたりしてたんだけどねえ。
 書いたからって、なにがあるわけでもないんだよな。
 言葉が追いつかないっていうか、イメージはちっとも伝わらず、記憶は失われていく。
 続きを見たい夢がいっぱいあるよ。
 解きたい謎がいっぱいあるよ。

 夢の中で会う人、あれはいったいなんなんだろう。

 さっきうたた寝しているときに会った人たち。
 彼らはなにをどーやって、わたしの夢に出てきたんだ?
 知らない人たちだった。
 他の登場人物はみんな知っている人たちばかりだったのに、ふたりだけ新しい人と出会った。
 マンションでひとり暮らしをしている濃い顔立ちの男の子。ダンスか俳優の養成所に通っているらしい。背はわたしよりも低い。年齢は20代半ばくらい?
 彼の部屋に当たり前に出入りしている、30歳くらいの女性。恋人ではなく、近所の友人らしい。ごはんを作ったりしているそうな。髪は長くて自然な茶色。服装はフェミニンなスーツ。
 わたしは何故か、ベランダから彼らの部屋に遊びに行き、挨拶をする。
 はじめまして、お噂はかねがね。
 今ちょうど話していたとこなのよー、まざっていきなよー。
 6畳の狭い和室には、スーツや派手系の服が壁いっぱいに吊られている他はひどく殺風景な、男のひとり暮らし。
 ……ストーリー的には、うちの弟の友人ってことで、つながっているんだけどね。
 それはともかく、なんで「彼ら」なんだろうってことが疑問。

 実際にそんな友人が弟にいないだろうことは、確認しなくてもわかる。だってただの夢だからな。
 ストーリーや設定はどうでもいいの。ただの夢だから。

 でもさ、なんで彼らは「顔」があるの?
 名前があるときもあるしさ。

 現実にこれだけたくさんの人がいて「顔」があるなかで、なんでまたわたしは、わざわざその「顔」を夢の中で作り出したんだ?
 知ってる人とか芸能人とか、誰にも似てなかったぞ?
 なんでわざわざ、彼らに会ったの、わたし?
 わたしの頭の中で、なにが起こっているの?

 無意識のキャスティング機能が働き、「この設定、この役割にはこんな顔」って合成されたりしているのかしら。
 それくらいなら、知ってる顔や芸能人をそのままスライドしてきてくれてもいいのにな。

 いちいち統計はとっていないので、どんな夢をよく見るかはおぼえていないけど、「車窓」と「移動する箱」の夢はよく見たな。
 エレベータだったりジェットコースターだったりもするけど、とにかく動く箱の中にいる。窓がある場合は電車なんだろうな。
 殺人事件もわりとある。解決に乗り出すのだ。
 夢の中で本を読むことも多い。いつも最後まで読めない。くやしい。

 そういや最近、「地球を救う夢」はあまり見なくなったな。

 

年齢詐称。

2003年3月8日 その他
 年齢を誤魔化しますか?
 サバを読みますか?

 友人オレンジの載ったマンガ雑誌のアンケートを出した。
 マンガ家はアンケートが命、その順位によって命運が決まる。
 これまでも、彼女の掲載された雑誌はできるだけ買い、アンケートを出してきた。
 だがなオレンジよ。
 なんであんたは少女マンガ家なんだ? 載っている雑誌が10代の少女向けなんだ?
 おばさん、きついよ。アンケートに答えるの(笑)。

 以前、彼女が某大手少女マンガ雑誌で書いていたころ、何ヶ月おきかで掲載されるたびにいそいそアンケートを出していたのだが。
 そのときもさ、大変だったよ。
 だって「今、あなたの学校で流行っているものを教えてください」とか質問されるんだよ?
 今、学校で? 行ってねーよ、学校なんて(泣)。卒業して久しいよ。
 トシ相応の答えをしていいなら、楽なんだが。
「少女マンガ雑誌を読むにふさわしい年齢を詐称して書くように」
 と、指導を受けているのさ。
 高年齢者に支持されるマンガ家、というレッテルを持ちたくないというのだ。雑誌の対象年齢者にファンが多い、というイメージが大切なため。
 それに下手にトシを書いて、友だちだってバレてもイカンしな。
 だから泣く泣く、若者を詐称してアンケートに答える。「学校で流行っているもの」を想像して書く。……きつい。

 今回は少女向けえっち雑誌ってことで、質問が全部えっち系だった。遠い目。
 19歳を詐称するわたしは、「今の19歳のコのえっち観はどんなもんじゃろなー」とか思いながら書いた。何人経験しているのが、リアルですか? どんなプレイにあこがれているのがリアルですか、世の10代のお嬢さんたち? ばばあにはわかりません。

 わたしが年齢詐称をするのは、友人のためのアンケートのときのみです。
 あとは、誤魔化したことない。

 どうも人間、二手に分かれるようで。
 誤魔化す人と、誤魔化さない人。
 そしてどうもわたしは、誤魔化す人とは性格的に合わないようだ。
 今までの経験上。

 わたしが苦手なタイプのひとたち、彼女たちがそろって詐称組だったんだよなー。
 わたしより年上だったのに、アンケートで書くときはいつも「25歳」。
 合コンでは「トシは言わないように」と箝口令。

 人の目はそんなに気になりますか。
 ってゆーか、そんなに「よく見られたい」ですか。
 いろんなものでヨロイを作り、硬い棘で周りにぶつかり、なぎ倒しながら生きる。
「女はトシをサバ読んで当たり前」だと思いこんでいるから、わたしがふつーにトシを答える事実に驚愕していた。「なんで正直に答えるの、緑野ちゃんってバカ?」てな。
 わたしからすりゃ、「嘘をついて当たり前」なあなたたちの感性に驚きましたが。

 そういった人とはどんどん疎遠になり、友だちづきあいがつづくのは、トシを誤魔化さずに生きている人たちばかりになった。
 ありのままの自分で、ふつーに生きている人たち。大した自分じゃないが、わざわざ実際以上に「よく見せよう」とはしない、ふつーな生き方。

 つーか、年齢が恥ずかしい、とは思うのよ。
 わたしは35だが、「35歳の大人の女性として、自分は至らなさ過ぎる」という、恥ずかしさ。
 もっとオトナになれ、自分! と、いつも思う。
 そういう意味ではいつも恥ずかしいと思っているが、トシを誤魔化すお嬢さんたち、あれはもっと別の意味よねえ。
 だって35を32だって言ったって、「大人の女性」にはちがいがないから、至らなさ加減は同じじゃん。
 あ、そか。わたしの場合、恥ずかしいのは年齢じゃなくて自分か。至らない自分が恥ずかしいんだ。今ごろ気づくあたりが恥。

 とにかくわたしはこれからも、トシを誤魔化さずに生きていきたい。
 つーか至らない自分をなんとかして、年相応な人間になりたい。

 友人のためのアンケートでは、少女になって苦悩するけれど。
 ……ほんとに苦悩。途方に暮れる質問ばかりだった……(笑)。

 

  
 大人ってすばらしい……、の、18禁BLゲームプレイ日記なんですが。

 いろいろ思うところはあったんですが、そのいろいろの部分が全部飛んでしまいました。

 ……萌えたので。
 萌えてしまったので。

 わたしには、出会った様々なジャンルのものを、「タカラヅカでキャスティングして遊ぶ」という癖があります。
 ごくナチュラルに、「この役はヅカでやるなら**ちゃんねー」とか考えてたのしみます。

 ええ。
 やりましたとも。
 大人のBLゲーム『俺の下であがけ』でも。

 つーかまず、獲物のひとり、貧乏元気少年を「なんとなくきりやんって感じィ」とか思ってプレイしてたわけですよ。
 んでもって、主人公の鬼畜社長に影として付き従う忠実な秘書、これが「ケロ……」なイメージだったわけっすよ。
 こうなると、シューマッハで固めたくなるじゃないですか、人として!

 主人公の鬼畜社長はどーするかなあ。
 鬼畜で攻だけど、受もできる人。クールビューティー。んでもって、秘書がケロ。
 つーと、リカちゃんかゆーひだよなあ。リカ社長にケロ秘書だったら『LUNA』ふたたび、でオイシイよなあ。
 でもまあ、わたし的にはゆーひがいいなあ。

 とか、勝手なことを考えつつ。

 子持ち青年を落とし、次に花屋を落とし、最後に貧乏少年を落とし。

 獲物3人は受攻グッド・バッドすべてコンプリート。
 んで、最後のお楽しみの秘書を攻略にかかりました。

 獲物として明記はされていないけど、秘書が落とせることは明白だしなっ。

 いざ秘書にターゲットを絞ってみると。

 ……そこに繰り広げられるのは、抱腹絶倒のバカップルのいちゃいちゃ世界。
 な、なんやねんこれはっ。
 秘書のことを自分の一部として疑いもせずに頼り、甘える鬼畜社長。そして、鬼畜社長を絶対のモノとし、彼のことしか考えていない冷静秘書。
 社長がまだ10歳にもならないころに出会い、ずーっとそばにいる7つ年上の秘書。君は光、僕は影。
 いちゃいちゃいちゃいちゃ。
 25歳のクールビューティ社長と、31歳のごついオヤジ秘書が、えんえんえんえん、こっ恥ずかしい日々を繰り広げる。

 決定。
 社長はゆーひ。秘書はケロ。

 このふたりができあがっている恋人同士や夫婦なら、ここまですごくない。
 性的関係のない、上司と部下でコレをやっているから、見ているこっちはのけぞりまくる。
 プラトニックって、ヤりまくりの汁だく関係よりはるかに、エロいよね……。

 あー……ラインハルトとキルヒアイスがいるよ……。同人で腐るほど見たふたりがここにいるよ……。

 つーか、オスカル様とアンドレがここにいるよ……。

 とにかく、社長と秘書がおもしろすぎた。
 ゆーひとケロ、だと思うと愉快さ倍増、のたうちまわって笑いました。

 秘書の落とし方がよくわからなかったので試行錯誤、いろいろやってよーやく、そのときがやってまいりました。
 それまで鬼畜社長がなにをしても黙って付き従っていた忠実な秘書がついに、社長に告白!
 そばにいることが当たり前だった、そんな相手から愛を告げられ、社長、ガーーーン……。
 告白のあとすぐさまある事件が起こって、社長は打ちのめされる。生きる目的を失った彼の前に、秘書が……。
「どうか私に、あなたのおそば近く一生お仕えすることを……ただそれだけをお許しください……!」

「俺には、お前が居ないと駄目だ……。こんな情けない男でも俺が好きか?」
 ……アンタ、オスカル様ですかっ?!(笑)

「ずっと……ずっとお慕いしておりました」
「なら。俺を離すな。これからずっと」

 秘書はあくまでも丁寧語。社長はあくまでも命令形。
 いいですなあ。
 で、このあとねちっこいラブシーンに突入。
 キスが長いのなんのって。

 えーと、社長は鬼畜だけど美青年です。受もできる人です。
 一方秘書は知的だけどごつい感じのオヤジです。体格も、このゲーム中いちばんいいです。縦にも横にもでかいです。

 オスカルとアンドレだしな。
 なにより社長、今傷ついてて甘えっこムードだしな。最初にベッドに倒れ込んだときが、秘書上の社長下だったしな。
 油断して見ていました。

 社長は秘書に聞きます。
「お前は俺のことを抱きたいのか…?
 それとも俺に抱かれたいのか……?」
 なんて直接的なんだ社長!!
 でもわたしもそれ、聞きたかった!!
 はっきりしてくれ!!

 そして社長は言います。

「……お前のことが抱いてみたくなった……」

 そうきますかっ!!
 男前だ社長!!

 パソの前で爆笑。
 つくづく、予想を裏切ってくれる人だ。
 頬を染めて恥じらうオヤジ秘書。それを余裕で押し倒す美人社長。

 しかもまー、いちゃいちゃいちゃいちゃ。

 そうか、考えてみればそれまで落としてきた男たちは、みんな「獲物」だったわけで、最終的に両想いになってハッピーエンドとはいえ、基本は強姦だったのよねえ。
 和姦はこの社長×秘書だけなんだわ……。

 おかげで、甘い甘い。
 受が筋肉質のごつくてでかいオヤジとはいえ……ラヴラヴえっち。

 しかし、ケロ×ゆーひ のつもりで見てたのに、フタを開けてみたら ゆーひ×ケロ だったよ……ま、いっか。

 つーと、花屋はブリスでゆーひの彼氏だったこともあるわけだし、タニちゃんってことにして、少年がきりやん、子持ち青年だけがいないけど、そーだな、ステファン先生のイメージでリカちゃんにお願いして、と。
 あら、キャスティングできちゃったわ!(笑)

 ああ、たのしいゲームだわ、『俺下』。
 たぶん、ヅカ・キャスティングのおかげで、ふつーの人より何倍もたのしんでプレイしました。
 まだセクハラ・イベント見てないし、写真も全部集めてないし、きのこイベントもたぶんまだ見てないのがあるし。
 もうしばらくはたのしめそうだ。

 あ、秘書攻バージョンもやらなきゃなー。

 
 某有名ネット書店。
 購入金額が1500円以上は、送料無料。

 目的の友人の作品が載っている雑誌は税込み600円。
 600円の本を買うために、送料を出すのはバカらしい。
 ではあと900円分、なにか買おう。
 でもなにかって?

 べつに今、欲しい本なにもないよな。
 来月なら友人の殿さんの本とか鷹さんの本とかが出るけど。今月はべつに、なかったよなああ。

 考えたあげく、ゲームを買いました。

 ふつーのお店では買いにくいものを。

 ええ。
 ボーイズラブ・ゲームです。

 600円の本を買うために、6600円使っちゃったよ、ははは。

 じつははじめてやりました、BLゲーム。
 輝く「18禁」のシール。
 ああ、大人ってすばらしいな(笑)。

 ふつーに男向けのゲームならやったことあるのよ。
 『野々村病院』だっけ? タイトル忘れた。
 働いていた店で、動作不良で返品されたやつを、確認のために家に持って帰ってプレイしました(笑)。インストール方法がわからなくて、弟にやってもらったな。あと、ふつーの18禁ソフトもいろいろ、動作確認のためお持ち帰りした。アニメじゃない、実写のやつね。実写のはゲーム性が薄くて、おもしろくなかった(麻雀とか神経衰弱とかで女の子が脱ぐやつ)。
 『野々村病院』はギャグが下品で閉口したのと、女たちが全員ガーターベルト着用で笑ったのをおぼえてる。妖艶なおねーさんも清純そうな娘も、みんな一枚脱ぐと下はガーターベルト着用。わはは。
 あまりおもしろくなくて、1回エンディングを見たあとは二度とやらなかったな。

 あとひとつ、『痕』というゲームをやった。
 これは友人のおにーさんが「おすすめ!」と言って貸してくれた。「ものすごくおもしろいし、感動できる。女性がどう思うのかを知りたい」と。
 わたしはホモネタもあると聞いていたので、ありがたく貸していただきました。
 ……なるほどこれは、おもしろかった。てゆーか、泣いた。主人公の男の子になって、美人4姉妹と同居、選択肢によってストーリーが分岐し、姉妹のうちのどの子かと恋に落ちるわけなんだが。
 全エンディング見ました。たぶん。
 いちばん泣いたのは末娘の話だな。次が次女かな。あれ? 三女かな? えーと、いちばんどーでもよかったのが元気娘。いちばん最初が長女エンディングだったんだけど、これもなかなかせつなくてよかった。
 あと、主人公と父親のくだりが泣けたわ。
 そしておたのしみのホモバージョンも。ちゃんとホモでラブな話だったので、びっくりした。もっとどーでもいい話だと思ったのに、悲劇的な恋の話だった。

 とまあ、男向けはこれっぽっちだけど、やったことがあった。
 しかし女性向けははじめて。

 興味はあったけど、買いたいとは思わなかった。

 だって絵が好みじゃないんだもん。
 好みじゃないどころか、キライなタイプばかり。

 わたし、ショタ属性ないんよ。
 顔の半分以上がきらきらおめめだったり、顎が異様に細く尖ってたり、首が手首より細くてぐらぐらしてたりするの、ダメなんよ。
 それから性別受もダメなんよ。
 男は男らしくなきゃダメなんよ。

 だからBLゲームは買えなかったのだわ。

 でも先日、仕事の担当さんにエスコートされて秋葉原オタクめぐりをしたときに、はじめて好きなタイプの絵のBLゲームを見つけたのだわ。
「あ、あれ、やってみたい」
 とわたしは無邪気に言ったんだが、担当さんはただ、
「すごいタイトルだな」
 と言っただけだった。

 たしかに。
 改めて見てみると、すごいタイトルだ。
 少なくとも、親には見せたくないな(笑)。

 そのゲーム、タイトルを

『俺の下であがけ』

 という。
 ははは。たしかに、これを「やってみたい」と言われても、担当さん(男性)はなにもコメントできないでしょうな。

 えーと、「借金背負わせシミュレーションゲーム」です。
 主人公は消費者金融の社長(男)。コレと狙いを定めた獲物(男)を罠にかけ、借金を背負わせるの。そして獲物の借金が1億を超したら獲物本人をお買いあげ。監禁調教、奴隷一直線!!(爆笑)

 いやあ、おもしろかった。

 微妙にセコいところがさいこーです。
 バカなことを、大真面目にやるのがよし。

 獲物は3人、同級生の花屋と、貧乏少年と、子持ち青年。そして主人公は鬼畜社長。……いいなあ。この設定とチョイスが絶妙だわ。
 年齢が高いのもポイント。
 主人公とその同級生(いちおーメインヒロイン?笑)は25歳。子持ち青年は眼鏡の29歳サラリーマンだしな。貧乏少年もいわゆる美少年ではなく少年マンガ主人公系のやんちゃ少年(ハイティーン)だし。

 わたしが最初にお買いあげしたのは、子持ち青年です。
 妻を亡くし、男手ひとつで幼い息子を育てるサラリーマン。病弱な息子の治療費のために、ついに身を売ることに……!!
 いやあ、すばらしいです。お約束です。父の愛!!
 鬼畜社長は言葉責めも忘れません。「息子が大変なときに、父親が男とこんなことを……(冷笑)」てな。

 ただ、びっくりしたのは。

 社長、受だったんかい……っ!!

 攻だと信じてプレイしていたので、心底おどろきました。
「俺をたのしませろ」ってアンタそんな。鬼畜属性の襲い受とは……。

 えーと、バッドエンディングでした。
 すぐさま2回目をプレイして、無事グッドエンディングをGET。

 ちなみに、2回目は社長様、ちゃんと攻になりました。
 このゲーム、リバなんですね。
 進行によって主役の社長の気分が、受と攻、変わるようです。
 2回目以降は「壱哉様の気分」というパラメータが確認できるようになります。選択肢の選び方で、「受な気分」とか「攻な気分」とかになるようです。
 つーか、あれほど鬼畜なくせに、ナチュラルに受られると、びびる……。
 あ、主人公は「壱哉」といいます。パラメータの名前は「壱哉の現在の気分」といいます。でも何故かわたしはとても自然に「壱哉様の気分」と「様」をつけていました。ええ、鬼畜社長には「様」でしょう。

 とても愉快なので、全エンディングGETに向けて精進します。

 
 思った通り、体調を崩して寝込む。
 死兆星を見てたからなあ。そりゃ寝込むわなあ。
 つーか、仕事が終わったあとはいつも寝込むのだわ。

 さて。
 ネット書店で注文していた本が届いた。

 大人になってしまったわたしは、少女マンガが読めない。
 昔の少女マンガなら読めるけれど、今の少女マンガは読めない。
 それが「時代」というものだろう。
 わかっているけど、せつないことよ。

 昔、わたしが少女だったころの少女マンガは、
「片想いのAくんと両想いになりたい」
 だった。
 ところが今の少女マンガは、
「片想いのAくんとえっちがしたい」
 なんだもんよ。

 片想いのAくんに、ついに告白した! Aくんも「じつは君のことが好きだったんだ」と答えた。やった、両想いだ!!
 と、思った次のページでは、ふたりは裸でもつれあい。
 お花と点描が飛ぶ中で、ヒロイン喘ぎまくり。

 ……わたしはもう少女ではないので、この感性にはついてゆけません。
 ばばあなので、カラダのえっちよりも、精神的なときめきを重視します。

 少女マンガもエロで売る時代がやってきた。
 出版不況の最中、少女マンガは売れなくなった。わたしの少女時代に有名だった漫画誌が次々廃刊になった。
 えっちなら売れるそうだ。
 読者アンケートでは、「もっとえっちにしてください」「もっと過激なものが読みたい」と、小中学生がかわいい文字で書いてくるそうな。
 そしてかわいいきらきらした絵の、しかし汁率が異様に高い少女マンガが跋扈する。
 汁か……わたしの若いころには、たとえ少年マンガのえっち系でさえ描写されることはなかったよ。
 時代は変わるのだ。

 ところが盟友オレンジの作品が、この少女えっちマンガ雑誌に載ることになった。オレンジ自身はエロにはほど遠い作風のマンガ家なんだが、いろいろあって、そこに漂着。
 マンガ家にはアンケートが命。わたしは絶対アンケートを出して援護射撃をしたい。
 だが。
 敵は少女えっちマンガ雑誌ナリ。
 しかも、性欲だけ剥き出しなガキ共のために、とてもわかりやすいこっ恥ずかしいタイトルだのあおり文句だのがついている。
 か、買うのが恥ずかしい……。
 とてもじゃないが、書店で口に出して言えない。

 わたしがガキならいいよ。
 今の半分の年齢なら、堂々と買えるさ。えっちな本を買う、という気恥ずかしさはあると思うが、それでも少女マンガなわけだから、男向け実用雑誌を買うわけじゃないから、大丈夫だろうよ。
 しかしわたしは、おばさんである。
 このトシで、10代のメスガキ用……失礼、少女向けえっち雑誌を買うのは、とてつもなく恥ずかしい。
 年相応なエロ本なら、いくらでも売っている。レディコミだってホモエロだって。それなら平気さ、ぜんぜん恥ずかしくなんかない。だってわたし、大人だもの。おばさんだもの。おばさんがおばさん向けエロ本買ってなにが悪いってなもんだ。
 しかしだ、よりによって、10代の女の子があんあん言ってる少女マンガを買うのは、めちゃくちゃ恥ずかしいってゆーのよっ!
 いいトシしてフリルぶりぶりの服着て歩くおばさんみたいな、気恥ずかしさ。似合ってればいいだろうけど、おばさんソレ目の暴力だよ、てな。

 書店で買うのが恥ずかしいときは、迷わずネット書店です。

 わたしの他にも同じ思いの人がいたようで、オレンジは自分のHPに某有名ネット書店のリンクを貼ってくれてました。ここで買えば恥ずかしくないよ、と。

 送られてきた本を見て、「ネットで注文して良かった」と再確認。
 思っていたのと、ぜんぜんちがう装丁だった。これじゃ書店では見つけられなかった。

 んで、読んでみました。そのえっち本。

 ははは。
 汁がいっぱい。

 ま、それは覚悟してたからいいさ。

 はじめから、えっち系だってわかってたからかな。昔、某有名老舗少女マンガ雑誌の増刊を読んだときほどの絶望感はなかった。
 そのときは、「自分が知っている少女マンガというジャンル」だと信じて読んだから、顎が落ちたもんな。
 告白した次のコマではベッドがぎしぎしだもんよ。それが当たり前なんだもんよ。そんなマンガばっかりが何本も、合計500pもつづいてて、とても読めなかったんだよ。
 みんな情緒とか持ってなさそーな宇宙人ばかりに見えたから。……そりゃあな、アニメにもなった某快感少女マンガが売れる時代だからな……仕方ないんだけどな……あまりにも、衝撃的でさ……おばさんにはさ……。

 それに比べ、「えっち」が目的だけに描かれた少女マンガは、潔かったです。
 ホモエロ……つーか、ボーイズラブ雑誌と同じ作りでした。
 ネタも展開もみんな一緒。汁率の高さも一緒(笑)。そして、なにがどうあれ、「愛」があるのも一緒。
 男向けエロとちがって、女の子向けは絶対に「愛」がある。たとえ監禁調教ものであったとしてもな。すべては「愛」が動機。
 ただ、ヤられてるのが美少年か女の子かだけのちがいだった。
 なるほどなー。
 勉強になりました。
 実際、ボーイズで有名な作家さんもいろいろ描いてたし。ノウハウがここまで同じじゃ、当然か。

 ボーイズも少女マンガも、根っこは同じだからねえ。

 そしてそんな雑誌の中で、オレンジのマンガはひとりだけ「ギャグ」で「エロなし」でした(笑)。

 
 ああ、よーやく映画を見に行ける……!

 つーことで、『ノー・グッド・シングス』。
 サミュエル・L・ジャクソン、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演。

 映画の内容以前に、浜村淳だわ、問題は。

 浜村淳のトーク付きだったので、いやな予感はしていたが。

「犯罪映画なんですがね、この犯人たちの計画がどこで失敗するか、ハラハラドキドキして見てください」

 ……失敗するんかよ……。

「サミュエル・L・ジャクソンが刑事なんですがね、最初っから最後まで縛られてるんですよ」

 ……最初から最後までかい……。

「映画の内容については語りません。まず見てください」と言ってコレだよ……。

 犯罪サスペンス映画の解説をして、その計画が成功するか失敗するかは、いちばん言ってはならんことじゃないのか?
 いや、わたしもここで言ってるけどさ。
 ここで映画のタイトルを上げたところで、この日記を読んでいるわずかなヒトがこの映画を見に行くかどうかわからんが、これからこの映画を見るために集まった1000人の人間の前でプロが言うってのは、どうよ?
 ねえ、どうよ??

 見る前から、テンション萎え。

 刑事のサミュエルは、隣人に頼まれ、休暇を利用して家出娘の捜索をする。
 んで、たまたま聞き込みに行った家が、犯罪グループのアジトだったからさあ大変。
 犯罪グループのみなさんは「刑事が俺たちを逮捕しに来た!」つーんで、サミュエルを監禁してしまう。いくら「お前たちなんか知らない、俺は家出娘を捜していたんだ」と言っても信じてくれない。
 さて、このグループにはミラという美女がいた。彼女はリーダーの情婦で、獲物の誘惑係。獲物をたぶらかし、仲間の男にも秋波を送り、もちろんサミュエル刑事にも……。
 裏切りと騙しあいの犯罪計画。生き残るのは誰か。

 クライム・サスペンス、っちゅーことで、もっと頭のいい話を想像していました。
 綿密な計画と大胆な行動、胸をすくアクション……とかな。

 こんなにアホばっか出てくる話だったとわ……。

 えーと。
 犯罪グループ、バカばかりでした。
 頭脳犯罪はまず、できそうにない。行き当たりばったりのチンピラの寄せ集め。
 アタマが悪いので、いつもケンカばかり。
 かろうじてリーダーひとりアタマがいいらしいが、こんなアホウばかりを仲間にしているあたりで、お里が知れます。ついでに人望もないらしい。なんせこんなアホウばかり以下略。

 ミラ・ジョヴォヴィッチですな。
 彼女の悪女ぶり以外に、意味はありません。

 犯罪グループ、ミラ以外ただのアホウなんだもん。
 そしてミラも、べつにアタマよくない。
 あさはかなお色気美女。
 アタマよかったら、もっと格上の男をつかまえてるはずだ。
 アンタが捕まえてくる男、みんなアホウばっかじゃん……。

 なんつーか、見ているのがキツい映画でした。
 ミラとサミュエルが出てなかったら、日本に入ってきてないだろよ……。
 サミュエルおじさんはしぶい演技してるんだけどねええ。

 それで家出娘はどうなったのさ?
 伏線じゃなかったの? なんのフォローもナシ?
 なんかプロットが杜撰な気がして、つまんない……。

 タイトルは日本語にすると「ちっともええことがない」だそうな。
 ……まさにそんな話だったよ……。

 最近の洋画はタイトルがつまらないと思ってたら、それってアメリカの映画会社の意向なんだって? 浜村淳曰く。
 邦題を認めないんだって。原題で押し通してくるんだって。
 だからこんな『ノー・グッド・シングス』? なに? ノー・グッド、だから「よくない」だよねえ? なんつー、わたし程度のアタマの人間がなんとなーく思うよーなタイトルで、そのまま日本公開しちゃうんだわ。
 そーゆーとこってアメリカらしいよな……自分とこがいちばんだと思ってんだろーなー。日本には、日本の言葉があり、日本人に売れるタイトルとかも、存在してるんだけどなー。考えないんだろーな、そーゆーこと。

 んでもって、高橋英樹のテレカが当たりました。
 たった10人しか当たらないっつーに。
 当たってしまった……。

 高橋英樹……。

 しかもテレカ……。

 い、いらねー……。

 
 前日も寝ていません、死兆星がまだ頭上に輝いている状態なのに。

 なのに、それでも行くか、雪バウ。
 それでも行くのさ、雪バウ。

 だってもう、ネットでチケット押さえてたんだもん。
 ありがとう、配達記録代込み900円!!
 今回のワークショップは定価出したことなかったけど、いちばん格安は雪組でした。
 1000円切るとは思わなかった……。送料引いたら、610円だよ……。

 しかし。

 体力気力とも最悪なときに、よりによって『春ふたたび』。

 ……いっそ死ねと言ってください……とゆーほど、つらかったっす……。

 や、悪いのはすべてわたしです。
 こんな体調で行ったわたしが悪い。
 絶好調のときに観たって眠いものなのに!!

 覚悟はしてたけど、ほんとにつらかった。

 ねえ、『春ふたたび』ってさ、あんなに長かった……?
 もちろん、もう3回目だっけ、観るの?だから、わかってるよ? ウザくて長くてつまらない作品だってことは。
 それにしても、長かった。
 ひとつひとつの演出の「タメ」の部分が長いの。これは演出家の好みかなあ。「あ、ここでタメてるんだな」ってわかるところが、明らかに、長い。
 「タメ」の部分だってわかるもんだから、観ているこっちも力入んじゃん。次にこうくる、って。まだかまだか、まだこないのか……と、じれじれしたあとでよーやく、くる。
 この「まだかまだか」が長すぎて、疲れた。
 ちょっとやりすぎなんじゃないのかな。「感動」させたいのはわかるけど。タメすぎると、緊張感が途絶えるよ。
 ……わたしの体調のせいも、そりゃあるだろうけど。

 主役のいっぽくんはさすが、美しかったです。
 てゆーか、この子から美しさを引いたらなにも残らん……とまで言ってはならんだろうが、いちばんのウリは「美しさ」だもんねえ。そりゃ美しくなきゃ嘘よねえ。
 とか言いながら、今回なんか良かったのよー。
 あれ、かなりいい感じだぞ、どーしたんだ、壮くん!
 押さえた感じが好感。演出かなあ。今までのアホ領主さまたちのなかでは、いちばん好みだった。
 おだやかな青年が思いあまってここにいる、って感じがしたの。

 ママ役はいまいち。月組のヒトがよかった……。でも宙組よりは遙かにイイ。

 『恋天狗』は、なんだかとっても薄い作り。

 びっくりしたわ、登場人物の少なさ。
 バウの舞台って、広いのねー。たった10人だと、こんなに広々しちゃうんだわ。

 『春ふたたび』を観たときはなにも感じなかったのよ、こだまっち。
 でも『恋天狗』はぜんぜんダメだわ。
 オギーのあとってのも、気の毒だけど。

 すべてにおいて中途半端だった。

 笑いも、美しさも、感動も。

 好みかと言われるとつらいとこだが、とりあえず星組はお笑いに徹していた。
 月組はファンタジーだった。
 そして雪組は……なんだろねこれは。
 笑いは、薄かった。少なかった。笑えなかった。
 かといって美しくもない。……まあ、この演目では仕方がない、ってのはあるが。
 そして、人物が薄くなっていたぶん、感動もなかった。

 こまったなあ。

 まず、いちばん大きなちがいは、小天狗。
 役の解釈のちがいなのかな。
 この小天狗は「男役」だった。
 星組も月組も、小天狗は「少年」だっんだよね。妖精的っていうか、声もボーイソプラノのお子ちゃまがやっていた。
 小さな男の子が「恋」にあこがれて起こす騒動、だから、罪のない笑いになっていたのね。なんつったって、最後に「おっかさぁーん!!」だよ? 子どもでなきゃあまりにサムい。
 しかし、雪組の小天狗は「男役」。大人の男ではないけれど、子どもでもない。高校生くらいかな。もちろんもう、男女のコトは知ってます、てか。恋愛=えっち、ぐらいの知識はあるだろー、年齢。
 そんな子が、他の男に化けて、好きな女の子をたぶらかす。しかも、草むらでどーやらえっちをしてたのしんでいた模様。最後までやってないにしろ、Bまではしてるよなお前らっ?! という演出。
 小天狗がえっちOKの発情期だと、物語の質が変わってきます……。
 小天狗が「子ども」じゃないので、主演のキムくんは大変。弥太と小天狗の年齢差がほとんどないもんだから、それほど変化がないんだよね。器用なキムくんだから、ちゃんと小天狗の演技をコピーしてるんだけど、もともと小天狗が「男役」だから、星や月ほど「別人」にならない。
 ヒロインも、くさむらでえっちしちゃうよーな、イカレた女の子になってるしなあ。両想いになったらすぐさまくさむらで「あっはぁん」か、ヒロインよ。『傭兵ピエール』よりすみれコードぶっちりぎりだと思うんだけど?
 うーん、やっぱ、小天狗のキャラ造形をまちがえために全部壊れてるとしか思えない。
 小天狗が純粋で人間の常識を知らない妖精くんだから、なりたつ話だよね、これ。
 人間の男の話にしちゃったら、すべて壊れる。
 そして、小天狗を人間の男と同等に描いたもんだから、このままのストーリーですすめると、すべてのキャラの人格が薄く、「情緒のないヒト」になってしまう。

 こだまっちはなに考えて、小天狗をただの男にしてしまったんだ?
 なにかチガウことをしたかったのか?
 それにしても、小天狗の解釈をまちがえる、てのは、それってそもそも「作品」を理解していないってことだぞ?
 作品の本質を理解しないで、演出していいのか?

 開いた口がふさがらないです、いつものことだが。

 キムくんはうまかったです。ええ。がんばれー。
 となみちゃん、貫禄。君の存在感で持ちこたえていた舞台だ。
 小天狗のくらまちゃん、かわいかったよ。がんばってたよ。ちゃんと男役だったよ。……それがすべて、裏目に出てるけどさ、それは君のせいじゃないものね。
 晴華みどりちゃんが、妙にうまかった……。だが、彼女の役の設定もよくわからなかった……。美女なのか? バカなのか? ただ笑いをとるためだけのキャラ? 人格が見えなかった……。

 とりあえず、『春ふたたび』も『恋天狗』も、薄かった。
 さらりと終わった。
 いや、『恋ふたたび』は長くて閉口したけど、それとは別に感想としては、薄かったのよ。

 そして、4組観たなかでは、いちばんおもしろくなかった……。
 いや、わたしの体調も悪かったよ……悪かったけどさ……。
 でも、ベストコンディションで観ても、感想はそう変わらないと思うよ……。

 
 そして、仕事の最終日。

 前日の段階で、「コレはいける」という手応えを持っていたんだわ。
 だからわりと安心してたんだけど……いやあ……最後の最後に、あんなに苦しむとわ。
 ラブシーンなんか大嫌いだ。

 今回の仕事がここまで大変だったのは、もうひとつの仕事でひどい目に遭ったせい。そっちのおかげで、スケジュールのしわ寄せが全部こっちに来た……。
 4日で10万4244文字書いたことになるな。もちろん、書き直した分は含まれていない。できあがり文字数。
 400字詰め原稿用紙換算だと、260枚か。
 へとへとだニャ。

 今回もまた、死兆星を見たよ……。

 

がんばれママ。

2003年2月27日 家族
 母はアクティヴな人で、複数のサークルを主催していたり、世話役をしていたりする。
 だもんで、毎日のように、その複数のサークルの会報やらなんやらを作成している。

 今日もまた、母宛にサークルのメンバーから原稿が届いた、らしい。

 封筒を開けた母、中身を確かめて、
「これでやっと会報の印刷ができるわ」
 と言う。
 見れば、びっしりと文字がプリントアウトされた紙が入っていた。

「最近ようやくワープロを使う人が増えてきて、ずいぶん楽になったの。でもまだまだ手書きの人が多いから、それをワープロで打ち直すのが大変なのよ」
 ごもっともなことだ。他人の手書き文字をパソコンに入力するのは気力と時間が必要。

 だがさらに母は、妙なことを言う。

「この人もね、会報はB5だから、B5用紙に印刷してって言ってたのに、A4で送ってきたのよ。だから、『もう一度B5に印刷し直して』って言って、送り直してもらったの」

 は?

「待って母。その送られてきた原稿、どうするつもり?」

「どうするって、会報に載せるの」
「載せる、って、どうやって? まさかその、4つに折りたたんである紙を、そのまま印刷するの?」
「折り目はこうやって、山折りを谷折りに、谷折りを山折りに、癖を付け直せば目立たなくなるわ」
「いや、そーゆー問題じゃなくて、そのまま印刷するってわかっているものを、どーして4つ折りにして送ってくるの?」
「だって、折らないと封筒に入らないじゃない」
「定形外なら入るでしょ、B5ぐらい」
「そんなことしたら、お金がたくさんかかるじゃない」
「たかが120円でしょ。ふつうより40円多いだけなのに?」
「主婦はみんなケチなのよ」

 ……理解不能ナリ……。

「てゆーかさ、ワープロなりパソコンなり使って原稿作る人なら、データで送ってもらえばいいじゃん。メールに添付でもして」
「そんなこと、わからないし、できないわ」
「んじゃ、フロッピーに入れて送ってもらいなよ。80円切手ですむよ。使い終わったフロッピーは会報を送るときに同封すればいいし」
「……どうしてそんなことしなきゃならないの? こうやってB5の紙にプリントアウトして送ってくれるのに、このまま印刷して会報を作ればすむことじゃない」
「データなら、相手も楽でしょ。いちいちプリントアウトしなくてすむし、母だって自分のパソコンで自由にレイアウトできるわけだし」

 いろいろ話した結果は、コレだった。

「仕方ないでしょ、60なんだから!!」

 ……いつもコレが、ご老公様の印籠なのだ。
 還暦の母は、都合が悪くなるとコレを言う。
 60でもさ、印刷する紙を折りたたんで送ってくる理由にはならないと思うよ……。ふつー、折れないように厚紙で補強したりが最低限のルールじゃん……。
 まあ、その程度の会報なんだろーけどさ……わたしなら耐えられない、そんな折り目の陰が印刷されたよーな小汚い会報。

 そして母は今日も、わたしを呼び出した。

「プリンタが動かないの、認識されないとかメッセージが出るの!!」

 親の家まで行って、確認してみる。
 原因は簡単だった。

 コンセントが、抜けていた。

 ママ。
 コンセントが抜けていたら、電化製品は動かないよ。

「コンセントが抜けてるなら抜けてるって言えばいいのに! なんで『プリンタが認識されません』なんて出るのよ!!」

 強く生きてくれ、母よ。

 

悪夢。

2003年2月26日 その他
 ひさしぶりにやりました、原稿消失。

 昔のワープロとちがって、今は自動バックアップがあるからってんで、油断してました。
 書きかけの原稿を開いたまま、ビデオの配線をいじってたの。

 んで、ふとパソコンの画面を見ると、ものすごい勢いで字が消えていっていた。

 目を疑ったね。
 カーソルが高速移動して、字を消していってるのよ。
 なんの悪夢??

 こたえは、Deleteキーの上に、モノが落ちてたの。
 ずーっとDeleteキーが押された状態になっていたわけさ。

 いやー……。
 ヘコんだねーっ。

 突如電源が落ちたとか、パソがフリーズしたとかなら、自動バックアップがあるけどさ、Deleteキーはどうにもならん。人間が作為的に消したものまで、機械は面倒見てくれねーよ。

 まあ、一括消去ではなくDeleteだったから、消えたのは2p強。確定履歴を引っ張り出したりして、1p弱は復元したけど、残りは完全消失。

 たった1pちょっとの消失。
 ……とはいえ、ヘコむ。同じモノは二度と書けない。
 どう書き直しても、消えたモノ以下の出来という気がしてならない……。めそ。

 ああ、映画に行きたいなああ。せっかくの水曜日なのになああ。

 
 宿題が溜まっていく。

 したいこと、しなければならないことが溜まっていくのだ。
 今は仕事優先。仕事が終わるまでは我慢。
 ……そうやって、なにもかも先送りにしていく。

 それが、宿題。

 部屋を掃除したい。ビデオの整理がしたい。ヅカの感想ノートの整理がしたい、本が読みたい、ゲームがしたい、新しい小説が書きたい、例の話を友だちに愚痴りたい、メールを書きたい……山積みだ。

 暇なときは、なにもしないでだらだらしているくせに。
 時間がないときだけ、したいことが溜まっていく。

 てゆーか。
 部屋、すでに足の踏み場ないんやけど……掃除できるの、いつだ?

 

どん底から。

2003年2月24日 その他
 雑誌に載せるからアンケートに答えろと言われていた。
 自作の苦労した点だとか、見所だとかを教えろというのだ。
 まあ、そのへんの問いにはてきとーに答えた。
 引っかかったのは、最後の設問。
 自作をアピールしろという。

 …………できません。

 ただでさえ今、ヘコんでるもんで。
 仕事の担当さんからアンケートを催促され、正直に現状を語ったら。

 叱られました。ははは。
 そうだよね、ヘコんでちゃだめなんだよねえ。
 叱ってくれる人がいるのは、ありがたいことだ。

 そして、最後の設問は担当氏に振ってしまいました。……だって代わりに書いてくれるってゆーんだもん。
 しかも、書いてくれたやつを見たら、すげーうまいんだ。あっ、こうくるか!って感じ。
 ありがとうライスさん! さすがプロだねえ。わたしが書きそうなことを、きれいにまとめてくれたわ。

 他人の「いい仕事」を見るとファイトがわくんだよね。
 わたしもがんばらなければ、と。

 とはいえ、今はどん底なんだけどな。
 いつ浮上できるだろう。

 
 宝塚音楽学校文化祭、初体験。

 わたしは浅いヅカファンですから。FCにも入ってないし、関係者の知り合いもいない。
 そんな一般ヅカファンは、チケットが手に入らないものだと思ってあきらめていました、文化祭。
 ふつーに一般発売しているもんなんだって知ったのも最近だし。それを知っても、わたしなんかじゃ無理だと思ってスルーしてたし。
 ……インターネットって、すごい文化だよね。わたしなんかが文化祭を観に行けちゃうんだから。ありがとうインターネット、ありがとう譲ってくれた見知らぬお嬢さん!!
 ネットがなかったら観ることのできなかった公演がいっぱいあるわ、ほんと。

 どきどきしながら客席へ。
 ……だってプログラム売ってるの、音楽学校生なんだもん。領収書出ないの知ってて、それでもそこで買っちゃったよ……いつもはキャトレで買うのにさー。
 バウの窓口前も、音楽学校生でいっぱいだし。
 客層いつもとぜんぜんチガウし。客同士があちこちで挨拶してたり、出演者の話をしていたり、落ち着きがないし。

 わたしはいちおー、すみれ売りのとき撮った写真で予習してから行ったんだけどね。
 2人だけだけど、「写真いいですか?」つって、撮らせてもらった美人男役さんがいたからさー。あの子たちを観るぞーっ、という心構えで行ったのよ。

 ……わからなかったよ……どの子か。

 芝居で役がついていれば、見分けもついたのに。
 文化祭は「第1部 日舞&ヴォーカル」「第2部 芝居」「第3部 ダンス」の3部構成で、芝居は役替わりでした。
 わたしがチェック入れていたふたりは、わたしの観た回には出てなかったの……とほほ。
 わたしが観たのは千秋楽、つーか、最後の公演でした。テンション高いぞー。

 感想は。

 おもしろかったっっ!!

 も、すっげーおもしろかった。
 第1部が終わったあとの休憩時間で、わたしはすでに「おもしろかった、来てよかった!」と、隣席のお嬢さん相手にわめいてました(笑)。隣席のお嬢さんが、わたしにチケット譲ってくれた人なんだけど。感謝を言葉にしまくりましたとも。

 若いって、いいなあ。うっとり。

 若い子たちが、至近距離で(4列目の隅にいました、わたし)がんがん踊って歌って演奏してるの観て、ものすごくどきどきした。元気づけられた。
 「タカラジェンヌ」として出来上がってる子と、そうでない子がはっきりしていたりね。観てて発見の連続。
 写真で予習していったことなんか、ほとんど役に立たず(笑)。
 でも、3時間弱もこの距離で舞台観てたら、目立つ子の顔はおぼえるって。
 何人かはどこで踊っててもわかるよーになった。

 とくに、最後に挨拶をした男役さん。彼女は、すごかった。
 き、きれー。
 顔はそーでもないんだが(失礼)、スタイルめちゃヨシ。踊ってると、目がいくよ。なんなの、その身体の細さは。あんたその腹のどこに内蔵あるんですか? なんなのその腕の長さは。彼女が腕を上に伸ばすことで、舞台の空間を改めて知ったよ。
 ナルセを失った心の穴を、彼女で埋められるでしょうか……(チガウ)。

 でも、そのカラダ美人さんよりも、べつの子がいちばんお気に入りだったんだけどな。
 最初の日舞でソロを踊っていた子。……メイクした顔が、めちゃ好みだった……。
 一発でおぼえた。以来、どこにいてもワカル。
 芝居にも出てたんだけど、これがまた、好みの表情するのさ……クドいっちゅーか、クサイ男役の顔をね。

 芝居の主役をやっていた子も、好きな顔だ。うまいし。
 ヒロインには大してこころが動かなかったが、ヒロインの姉をやっていた巨大な娘役さん(男役から転向したと聞いた)や、悪役娘などが、とてもいい感じだ。
 芝居は正塚晴彦作の短編。現代パートを演じた娘役さんたち、正塚っぽい短いセリフ回しがいい感じ。

 それから、幕開きからソロを歌っていた娘役さん。すばらしい歌声、かつ、お顔もかわいい。たのしみだ。

 他にも、踊っているときの表情が愉快な子とか、表現するぞオラオラ、オレを見な!オーラ出しまくってる子とか、とにかく愉快。

 計算じゃなく、ありのまま体当たりしているからなんだろうね。
 加減のできない一生懸命さとか緊張とかが、生で伝わってくるから、たのしいのなんのって。

 それに、レオタードだしなあ……。
 男役のレオタードって、なんかものすげーエロいなあ……(感性がすでにオヤジ化)。
 カラダの線、そのまま出るもんなあ。みんな、おしりの形がきれいだー。
 あ、ひとりものすごく立派な肩と胸板を持っている子がいて、「男役としてソレは財産だが、年頃の娘さんとしてはどうよ?!」と余計な心配をしてしまうよーな子がいたよ……。

 そしてラストは、カーテンコールでもらい泣き。
 いいねえ、青春だねええ(笑)。

 ああ、たのしかった……。
 文化祭にハマる人の気持ちがわかったよ……。

 来年はわたし、自分でチケ取りがんばるわ!(でもきっと取れない)

 
 たかちゃんはいつからこんなふうになってしまったんだろう。

 このところ、「きれいなだけのたかちゃん」ばかり見ている気がする。

 たかちゃんはきれいだ。
 ほんとーにきれいだ。
 少女マンガや、アニメの中の美青年そのまんまだ。

 昔のある一時期ほど、顔はきれいだと思っていない。たかちゃんはお化粧が下手だから、昔は顎が落ちるほどヘンな顔だし、今もまたヘンになってきてる。
 たかちゃんの「顔」が目を疑うほど美しかったのは、バウ作品『晴れた日には永遠が見える』から、大劇場『真夜中のゴースト』までだ。
 とくに『晴れた日…』のエドワード。「おれの小鳥ちゃん」とゆー、ものすげえセリフも浮かない、すばらしいイッちゃった系プレイボーイ。あのときの美しさは、すばらしかった。わたしゃたかこを見るためだけに、クリスティーナさんとふたりで必死こいてチケット取ったよ。
 あとはショー『ゴールデン・デイズ』。周りの人たちが、ボロボロたかこに落ちていくサマが、いっそ愉快だった。トド様ファンのわたしが、「トド様を見てね」と言ってつれいった初心者たちが、次々とたかこに落ちていった。見知らぬ客席の人たちが、「あの髪をかきあげながら踊ってた人、かっこよかったーっ」と大騒ぎしていた。(トド様も見てやってくれよ……いちおー2番手だったんだからさ……)
 たかこのお化粧はあるとき美しさの頂点を極め、あとはどんどん落ちていった。……その裏には、お化粧名人高嶺ふぶきの存在があるのではないかと、わたしは推理しているんですが。
 ……たのむよたかちゃん。もっとお化粧がんばって……。

 顔はともかく、姿の美しさは年々上がっている。
 今の美しさはどうだ。
 『聖なる星の奇蹟』なんか、人間離れした美しさだけでできあがっていた舞台だったぞ。
 たかこは美しい。

 だが……美しいだけだ。

 何故? どうして?
 いつの間に、こんなことになっちゃったの?

 昔、たかちゃんは色の濃い男役だった。なんたって『嵐が丘』のヒースクリフだからな。
 カーテンコールのときですら眼力ぎらぎら、客席をにらみつけている人だった。
 雪組にいたときはね、攻だったのよ!! 攻男だったの!
 おおらかにのんきに育った、ひとのいい攻。だけどときと場合によっては剥き出す牙を隠し持った、野生のしなやかさのあるおぼっちゃま。
 ……だったのに。
 宙に行くなり、真っ白な受子ちゃんになったのは何故?

 どんどん漂白されて、気がついたら「お人形さん」になっていた……。
 きれーなだけの、お人形さん。

 何故だ、あんなに黒かったのに。アクがあったのに。

 たかちゃんてさあ、影響されやすいのかな。
 雪にいたときは、トドだのタカネくんだの、濃い色の兄貴たちに影響受けて、黒塗りメイクの似合うジプシー役者。
 宙にいったら、真っ白ずんちゃんの影響受けて、どんどん漂白。ずんちゃんがいなくなっても、永遠のお姫様、天下の花總様の影響受けて、どんどん王子様化。
 たかちゃん、カムバークっ。熱い魂を持った「役者」の君が見たいよー。わーん。

 とゆーのもだ。
 『傭兵ピエール』がこんなにもきっつい理由のひとつとして、主役の役者不足が要因のひとつに思えるのだわ。
 なんでたかちゃん、そんなにきれいなの?
 きれいなだけのおにーさんが、荒くれ男をやっても違和感があるよ。セリフと本人の姿が合ってないよ。
 昔のたかちゃんなら、十分演じられた役だろうに。
 今のたかちゃんだと、無理だなんて。
 ……かなしいわ。

 もちろん、「美しい」というのは、すばらしい財産だ。実力だ。
 その美しさだけで、真ん中に立つ理由になる。
 それ以上を求めるのがまちがっているのかもしれない。

 あの駄作『聖なる星…』だって、アンドロイド・フレデリックは、他に演じようがなかったのか? たかちゃんがでくのぼうをやっている横で、お花様はけなげにできる限りの努力をしていたぞ。
 『傭兵ピエール』は、アンドロイド・フレデリックとどこがちがうんだ? セリフの数? それだけ?

 『鳳凰伝』のカラフは、キチガイ爆走男だったので、たかちゃんのお人形さん的持ち味とうまくミックスして、趣があった。アレを熱血キャラの男役がやっていたら、ウザくて仕方なかっただろう(ごめん、ここでハマコを想像してしまった……ハマコの演じるカラフ……キチガイ度傍迷惑度無限大UPだ……)。

 『傭兵ピエール』はセックスの話題満載の芝居だから、たかちゃんが主役でなければ生々しくて、ヅカの舞台としては不適格だったかもしれない。
 だけどたかちゃんの「人形的な美しさ」の方が強く出ていて、なんとも感情移入しにくい主人公になっていた。

 
 それにしてもわたし、石田先生の舞台って、場面場面がぶつ切りな気がして、感情移入できないんだわ。
 なめらかな舞台は作れないのかなあ。
 時間も人間も感情も、シーンごとに全部バラバラな作品。
 ……疲れるわ。

 芝居だけで言うなら、「1回観たら十分」。
 それなら、ショーは?
 

 てことで、ショーの感想。

 『満点星大夜總会』。……タイトルだけ見たら、「勝った!」って感じなのにねえ。
 オール漢字のショーのタイトルって、お洒落だと思うよ。インパクトすごいもん。

 ただ、幕が開いてこの「満点星大夜總会」ってゆー字がどーんっと出てきたときは、客席から笑いが起こってた。
 タイトルで笑わせる……すごい……。

 齋藤くんのファンだからさ、期待してましたのよ。『BMB』大好きだしさー。

 で、オケ席からたかちゃん登場、のオープニングですでに。
 思い出していたよ。

「そうだった……齋藤くん、言葉のセンス、最悪なひとだった……」

 歌詞はセンス最悪ですとも!!(笑)
 よくもこれほど、趣味の悪い単語を並べるなー、って感じ。ある意味感心。
 言葉を選ぶセンスに著しく欠けていても、わたしは齋藤くんのファンだけどさっ(泣)。

 それにしても……ものすごいショーだった。

 相変わらずわたし、予備知識なかったから。

 熊猫娘たちが「パンダパンダ♪」と歌いながら出てきたときに、椅子から落ちそうになった。

 ウサギの次はパンダかいっっ。
 どこまでフェチなんだ齋藤!!

 しかしこのパンダ娘たち、めちゃくちゃかわいい。まともに見ればイカレた格好なんだが……不思議だ……かわいい……。

 パンダから立ち直れないでいるうちに、GO! GO!HANCHANGだよ。
 こ、殺す気ですか?
 客席で酸欠になりそーになったよ。
 齋藤くんって、なに考えてこのショー作ったんだろー?

 解説しておくと、天下無敵の花總様が、アイドル歌手HANCHANGとしてはじけきって歌い踊る、というシーンです。「GO! GO! HANCHANG!」って、自分で言ってます。
 設定年齢は16歳くらいかな。もっと下か? モー娘。とか、そのあたりの雰囲気だよな?

 いや、HANCHANGはかわいかったです。
 つーか、あまりの事態に考えちゃったよ。いったい他の誰なら、この役ができるだろうかと。
 トップ娘役の顔を一通り思い描いてみたが、やはりお花様以外には無理だと判断しました。
 ……いっそコムに女装させて、アイドルやらせるのは可だと思うけどな……トップスターはやっちゃイカンしな……。あ、タニなら男役のままでやってヨシ。

 とんでもない両刃の剣だなあ。
 お花様しかできない役、お花様の価値を再確認させる役、だけど、そもそもこんなシーンやる必要あるのか、っていう疑問のある、すばらしいシーン。
 齋藤くん、お花様になにを見たんだろう。

 パンダとHANCHANGがあまりにすごすぎて、他の印象がなにも残っていない……。

 ショーを観に、もう一度行かなきゃなあ。かねすきさん、ムラに来ないかしら。ご一緒するのに。

 『BMB』が大好きだったもんで、全体としての不満はいっぱい。
 隠微さが足りーんっ。
 えっちシーンがかな水だけっての、どうよっ?!
 かなみ×みずしぇんは良かったわ。えっちぃくてすげえ好き。「あれは水受だよねっ」とデイジーちゃんとふたりでウケたわ。

 主役は?
 たかこがまったく色っぽくないのは、どういうわけですか?
 てゆーか、たかこのことちっともおぼえてません。わたし、たかこファンなのにー。
 どうしてたかこ、こんな薄くなっちゃったんだ……(冒頭の話題、ループ)。
 
 齋藤くんなら、たかこの忘れていた色気を引きずり出してくれるかと思ってたのに。
 たかこはねっ、男と絡めた方が色っぽい男なんだってばっ。
 お花様と絡めるとただのお人形さんになるし、他の女とでもだめなのよー。(でもこのショーではお花様以外と組んでくれていたので、目にたのしかった)
 とことんフェチな、エロいたかこと男たちが観たかったのことよ。しょぼん。

 『BMB』を宙組でやってくれてもいいぞ、この際。たかこと水の愛憎劇をやってくれー。たかこを誘惑するみずしぇんが見たいよー。

 ……仕事が終わったら、自分にご褒美、ってことでもう一度観に行くかな。パンダ娘たち見に。(目当てはパンダかいっ?! ←セルフつっこみ)


 すっかり忘れていた宙組初日。
 とりあえず行ってきました。仕事が切羽詰まっているので、仕事目的でもありました。家にいると誘惑が多くてはかどらないけど、電車の中とかだと他にすることがないからはかどるのよ。
 往復の電車と、客席で仕事する気満々で、出掛けました。

 ……仕事できたの、往きの電車だけだった……。

 早く客席に坐って仕事しようと、大して選り好みもせず、てきとーなチケットを買った。
 にもかかわらず。
 たまたま、隣席のサバキを同時に買った人がいて、なんかなりゆきでその人と同行。ずっとお喋りしてました……なんのために早く行ったの、なんのためにあんなどーでもいい席を早々に買ったの。
 その方は、サバキには慣れていらっしゃらないのか、とっても純なことをいろいろとおっしゃっていました……。
「初日なのにサバキがあるなんて、ラッキー」
 あの、初日は大抵サバキの嵐です。
「この間の星組の初日がサバキだらけだったから、トップサヨナラでもなんでもない宙組も、サバキあるかもと推理してみたの! 当たってたわ!」
 星組初日はすごかったらしいですね。1000円あれば観られたと報告を受けていました。
「しかも、こんないい席を安く買えるなんて! なんて幸運なのかしら!」
 2階S席が4000円なんて、ぜんぜんすごくないっす……。今まではもっと……。
「**のときとか、**のときとか、当日券に並んで、やっと取れたのよ。B席の端っこだったけど」
 ……サバキでならその公演、ふつーに1階S席取れたと思います……。しかも、安く……。
 とまあ、全部この調子で。
 なんだかわたし、自分がとってもヨゴレた人間のように思えました。
 もっと謙虚にならなきゃだわ。そうよね、前売りを押さえていない身でふらりと劇場に行って、S席を4000円で買えたんですから、もっと感謝しなきゃいけませんね。どこでもいーや、早く席に着きたいから、と適当に買っただけだなんて……罰当たりな。
 なんかいろいろ、心洗われる想いで、その方とお喋りしていました。
 また「学生さん?」と聞かれた。いやその、たぶんわたし、あなたと似たよーな年齢だと思います……。

 んでもって帰りは、大劇場勤務のワゴンねーちゃんとばったり会う。
 そのまま、おねーちゃんと一緒に帰った。おねーちゃんちとわたしんちは、駅2つしか離れてないのよ。つまり電車の中で仕事をする予定は、崩れ去った……。

 なんのためにわざわざ今日行ったんだーっ。仕事するためだろーっ?!
 純粋に観劇だけなら、来月でも良かったのに……めそめそ。
 すべて、流されやすいわたしが悪いのよ……。

 
 で。宙組公演。

 最近とんと本を読まなくなったわたし。
 そーいや、本業でひどいめに遭ってから、小説ってほとんど読まなくなってるんだよなあ。昔は活字中毒の小説中毒だったんだけど。今じゃさっぱりさ。……まだ立ち直ってないのかな、わたし? あれから8年くらい経ってると思うんだが。
 いやとにかくわたし、原作読んでないんだわ。読んでないどころか、存在も知らなかった。昔のわたしからは、考えられないことに。

 原作なんかなーんにも知らないまま、なんの予備知識もないままに観る。
 『傭兵ピエール』。

 いちばん「こまった……」と途方に暮れたことは。

 ピエールがかっこよく見えない。

 ってことですなー。
 わたしはたかこファンなので、たかこがやっているってだけで、ピエールには好感を持っています。持っているけど……こまった。この男、どーでもいー。
 感情移入できない……どこを観ればいいんだ、この芝居?

 荒くれ傭兵部隊の隊長ピエールは、ジャンヌ・ダルクという少女と出会う。略奪者とその被害者として。「神の声」に導かれ、フランスを救おうとしているジャンヌは、「使命を果たしたあとに純潔を捧げるから、今は見逃してくれ」と懇願し、ピエールはそれを受ける。
 ジャンヌはそののち「救世主」として有名人に。ピエールと再会してすったらもんだら、戦争しながら純潔をどーするのなんのと大騒ぎ。ならず者と聖女の恋はどーなるの?!てか。

 そのままの勢いで走ってくれればいいのに、途中でピエールはただののんだくれになるわ、時は流れるわ、たるいっす……。
 個人的に、クライマックスが最大の引っかかりなんだが、あれはいいのか? 原作がああなのか?

 クライマックスというのは、物質的な盛り上がりと、精神的な盛り上がりが必要でしょう。
 物質的っちゅーのは、「動き」、アクションとしての派手さ。戦争だったり人の生き死にだったり、とにかく見た目に派手に盛り上げる、「動いている出来事」。
 精神的っちゅーのは、「成長」、主人公の心が、物語の最初とはちがったところへ変化すること。悪人が改心したりとか、劣等感を乗り越えたりとか、そういうやつね。
 このふたつを派手にぶちかましてこその、クライマックス。

 『傭兵ピエール』のクライマックス、アレは……。
 物質的には、修道院襲撃とそのあとの宮廷のシーンだってわかる。
 んじゃ、精神的には?
 ……ヅカに精神を求めるなってか? まあ、そりゃそーなんだが。
 精神的クライマックス(=目に見えないものの盛り上がり)をヅカでは無理だとあきらめたとしても、わたしはあのクライマックスが納得できない。
 だって主人公、なにもしてないじゃんよ?
 すべてお釈迦様の掌の上、かよ。

 わたしの逆ツボのひとつなのよー、「お釈迦様の掌の上」ってやつ。
 我ながら逆ツボ多いとは思うけどさー。

 タカオくんは内気な男の子です。ある日タカオくんは、クラスのいじめっ子が子犬をいじめているところを見つけました。タカオくんは内気です。いじめっ子と戦うなんてこと、到底できません。ああ、でも、子犬が可哀想です。タカオくんはついに、勇気を振り絞って、いじめっ子の前に出ました。
「弱いものいじめはやめろ!」
 そこに現れたのは、学校の先生や、タカオくんのお母さんです。いじめっ子も一緒になってタカオくんに拍手を送ります。
「すごいわ、タカオ! なんてやさしくて、勇気のある行動なんでしょう。お母さんは内気なタカオが勇気を出すことができるように、お芝居を頼んだのよ」
「嘘ついててごめんな、タカオ。お前が勇敢な男の子になれるように、わざといじめっ子のふりをしていたんだ」
 勇敢なタカオくん! やさしいタカオくん!
 よかったね!!

 ……てな話が、大嫌いなのよーっ。
 タカオくん、それでほんとにいいのか? アンタそれ、操られてるだけじゃん。
 「タカオのため」だからって、嘘ついていいのか、お母さん。だましていいのか、クラスメイト。
 この場合、お膳立てがすべて嘘でも、そこでタカオが勇気を出したことは本当だから、ってことで、すべての嘘が正当化されるのよね。
 嘘は嘘。罪は罪。
 なのになんで、ぜんぶ「善」になるの? 「すばらしいこと」になるの?
 それ、「偽善」って言わないか?
 タカオが勇気を出さずに逃げ帰った場合は、どうなるんだ? いじめられていた子犬の立場は?

 ママというお釈迦様のお膳立てなしに、タカオが自分で悩んで傷ついて、それでも勇気を振り絞って立ち向かうこと。
 それでなきゃ、いやだ。
 主人公が、強大なものに都合良く操られて、それゆえに都合良くハッピーエンドなんて、いやだ。
 クライマックスならば主人公よ、自分で動け。他人の掌の上で棚ぼたの幸福で終わらせるな。

 ピエールがかっこよく見えない……。
 クライマックスでなにもしてない、他人に操られ、流されるだけの幸福をうれしそーに恭順する男なんか、ちっともかっこよくないよー。

 
 お花様のジャンヌは、とってもかわいかったです。さすがだなー。
 『聖なる星の奇蹟』の日記では文字数制限で書きそびれていたが、あの超絶駄作をそれでもなんとか支えていたのは、ひとえにお花様の踏ん張りがあったからだ。あのときのお花様は、痛々しいほどがんばっていたよ。ひとりで舞台全部背負ってたよ……涙。
 今回の役も、お花様だからこその清涼感がある。さすがだ。

 たかちゃんはなー、もう少しはじけてくれ。たのむ。

 みずしぇん(こう呼ぶとWHITEちゃんが嫌がるので、呼ぶ・笑)はかっこいー。女を使ってどんどん出世、が納得できる色男ぶり。

 かなみちゃん、いい女だ。うまい。
 アリスちゃんはお花様の二役かと思った。声で区別するしかない……。
 あいり、とても美しい……が、何故に退団公演で女役?
 リッキー、また悪役ですか……(笑)。健康的な丸い顔に貼り付けた悪の表情が、いかにも小物っぽくてよし(笑)。

 右京くん……あなたまたそんな役ですか……。脛が美しいけどさ……。

 コメディなんで、もっと日が経った方がたのしめるだろーなー。初日の喜劇はきついわ。

 とゆーあたりでもう、文字数がない。

 
 そーいやWOWOWで『め組の大吾』のアニメを見た。

 なつかしーなー。当時、イベントでしか上映されないこのアニメを、見たくて仕方なかったんだわ。
 今ごろになってよーやく見ることができたわけだ。

 そしてわたしは、首を傾げる。

 『め大』って、こんなんだっけ……?

 アニメがひどくつまらないので、コミックスを引っ張り出して読み返しちゃったよ。

 連載途中の作品をアニメ化したわけだから、無理があるのはわかるけど……。
 それにしても、ひどいなー。
 完全ファン向けの作り。このアニメから見た人には、なにがなんだかわかんないんじゃないの? キャラの説明もなしかよ。ファンイベント用のグッズでしかないアニメ、って、そーゆースタンス?

 落胆しました。
 つーか、見ている最中から、「なんでそこをそう描くかなあ」「演出に問題アリだろ」と苛々しまくりました。
 わたしゃべつに『め大』の大ファンではないので(昔はともかく、今はな)、ファンゆえにどーこー思ったのではないと思う。
 純粋に、演出の稚拙さが気になってしまった。
 だってコレほんと、ただマンガを動かしてみました、でも時間もお金もありませんでした、っての見え見えですがな……。
 時間と金のなさは、演出でカバーしろよ……。

 マンガとアニメは、「表現」がちがう。
 マンガでならこう演出する方が盛り上がるけど、それをそのままアニメにしても盛り下がる。……てことが、あって当然でしょう。
 媒体がちがうんだから。
 それでこそのメディアミックス。
 ただの劣悪コピー作るなら、ちがう媒体でやる意味ないじゃん……。

 同時上映だった『からくりの君』も見ました。

 こちらは、うまいことまとまってるなー。
 短編作品のアニメ化だから、『め大』と比べたらイカンのだろーが、こちらが佳作なだけに、『め大』のとほほ感が際立つなあ。
 お金のなさはこちらにも感じますが(笑)、素直に「へええ、あれをアニメにしたらこーなんのかー」と感心して見た。
 キャラのデフォルメがいい感じ。
 「アニメでなきゃできない表現」をしてくれてるのが好感。

 ところでわたし、この日記書いてるの21日の夜だったりするから、宙組の『傭兵ピエール』と『からくりの君』が微妙にカブるんですが(笑)。

 『ゴルゴ13』も見ました。
 見る気なかったんだけど、脚本が長坂おじさんだったんで、つい……(笑)。
 監督苦手だし、原作も苦手だし、内容もまったく思った通りというか、水戸黄門を見て「印籠出して終わりなのよ! つまらないわ!」「あの商人、出てきた瞬間悪人だってわかるわ」てなことで怒る人がいないよーに、わたしもなにもコメントはありません、てなアニメでした。
 おどろいたのは、20年も前の作品だってことぐらい。もう20年もたつのか……作られたころは、最新CGアニメーションつって話題だったなあ……遠い目。
 わたし、『ゴルゴ13』は子どものころ一気に20冊ぐらい読んだことあるんだよね(長編マンガならなんでもよかったの。『あぶさん』まで一気読みしてた。嫌な小学生だ)。……どこがおもしろいのか、さっぱりわからなかった……。小学生が読むものじゃなかったってことか? でも、今読んでもたぶん、わからないと思うぞ。
 このアニメ映画を見て、乾いた笑いしかこみあげてこないわけだからな。

 それにしてもわたしの『め大』のコミックス、数冊足りないんだけど、どこでなくなったのかなあ。友人ズの間を回覧してたから、誰か返してない奴がいる模様。
 本はこーやって紛失していく。
 まー、いいけど。

 
 ぼちぼちと『仮面ライダー龍騎』のテレビデータの整理をしている。
 CMをカットして、10本くらいまとめてDVD1枚に焼こう。
 萩野崇目当てだったので、彼が登場したあとしかデータは残っていない。彼が出ていない回も残っていない。

 それにしてもこの物語ってさあ、真司と蓮が「出会って恋に落ちる」っつー、それだけのための物語だったんだねええ。
 あのものすげえ最終回見て、あまりの「運命」っぷりに顎が落ちたもんなあ。1年掛けて、いっぱいつらい目に遭って、悩んで泣いて、それで君らが手に入れたことっつーと、ソレかいっ?!
 運命の恋ですか……いやー、おばさん、赤面しちゃいましたわ。

 同人界のことはよく知らないので、なにが流行っているのか、どーゆー解釈がポピュラーなのかは、まったく知りませんがな。

 あのカップル自由自在の世界の中で、いちばん好みだったのは、スーパー弁護士と秘書のカップルですから。しかも弁護士×秘書という茨道。
 一見ラヴラヴでいながら、秘書がかなり片想いハートなのがツボなのよ……それってケロゆーひにも通じる……ゲフンゲフン。

 なんか最近、人生やり直したい、とか思います。
 煮詰まってますなあ。

 
 年配の知人の訃報が続く。
 ……時は流れているんだなあ。

 アニメの『最終兵器彼女』が昨夜で最終回だったので、加工して一気に1枚のDVDに焼く。
 全13話。8本くらい、一気に見たかな。

 ふつーのDVDって、1枚に4話くらいしか入ってないんだよねえ。単純に考えても、圧縮率は3倍、画質の悪さも3倍。……でもま、アニメだからいっか。

 今のところ、標準以上の画質で保存しているのは、わずかなタイトルのヅカ舞台映像だけだ(笑)。

 
 花嫁のブーケをGETしました。

 殿さんの結婚式にて。

 わたし、じつはブーケトスって初体験なのよね。
 今まで出席した結婚式ではみんな、「ブーケトスには問題があるのでやりません」ってのばっかだった。
 「問題」ってのがなにか、聞き返したことがないので真実は知らないが、やっぱけが人とかが出たら責任取れないってことなんだろうな。

 でも、殿さんはたのしそーにブーケを投げました。
 んで、わたしがGET。
 ……そりゃーね、このわたしが手を伸ばせば、他の誰の手にも触れないうちにぶんどることができますわよ。わたしの真上には飛んでこなかったけど、横から手を伸ばしたらひょいっと取れた。

 節分の福餅まきのときも思ったけど、わたしけっこー野球の才能あるのかしら……。

 お式は愉快で、花嫁はキュート。花婿は可憐(笑)。
 式の最後の「両親への手紙」で場内を爆笑させた花嫁は他に知らないし、強く漢らしい笑顔の花嫁の横で、感極まって泣き出す花婿といい、なんてお似合いのカップルでしょう。ふたりの未来に幸あれ。

 友だちのデイジーちゃん他と、披露宴のテーブルが違ったの。なんで? わたしとかねすきさんとふたりだけ、わざわざ知らない人ばっかのテーブルに配置されてしまった理由は?
 ……答えはじきにわかりました。
 わたしたちのテーブル、全員同業者でした。
 披露宴の最中だってのに、はじまる名刺交換。「〆切」という縁起の悪い言葉があちこちから聞こえる(笑)。

「だって、名刺を持ってこいって花嫁から言われてましたから」
 と、その日お知り合いになった同業者のかわいいお嬢さん、まりもさんは言う。
 そうなのか。それでいいのか、披露宴。それでいいのか、花嫁。
 わたしは財布に名刺を入れっぱなしにしていたから、なんとかその名刺交換会でも役に立ったが、かねすきさんは「なんでみんな名刺持ってるの? わたし持ってない」と残念そうでした。

 その、ひとり名刺を持っていないかねすきさん。
 交換する名刺はなくても、攻男パワーは健在でした(注・かねすきさんは妙齢の女性です)。
 出席していた美女たちの名刺を次々にGETし、口説きまくる。かねすきさんはナチュラルにイタリア男ですから!! チャーミングな女性がいたら、口説かないと相手に失礼だと思っているナイスガイなのです(注・かねすきさんは妙齢の女性です)。
 次から次へと出てくる「タカラヅカも真っ青」な殺し文句の数々に、女性陣は黄色い声をあげます。「作品に使いたいから、メモをとりたい」と言うお嬢さんがいるあたり、腐っても同業者ですが(笑)。

 そして正直者のかねすきさん。
 女の子は一通り口説いているよーに見えても、実はしっかり選り好みしています。好みじゃない人には、絶対口説き文句は言わないのさー(笑)。
「かねすきさんたらねえ、まりもさんのことはえんえん口説くけど、その横にいるリュウさんは絶対口説かないんだよー」
 と、ライカちゃんにこっそり言うと、ライカちゃんはとっても強くうなずいてました。
「だってリュウさんは攻ですから。攻のかねすきさんから見れば、漢同士ですよ。漢は漢のことを『かわいい』とか『きれい』とか言いません。言うのはボーイズの中だけです」
 な、なるほど。かねすきさんとリュウさんは漢同士として対峙していたのね。(注・ふたりとも妙齢の女性です)

 さて、そのかねすきさんは二次会には不参加。
 残念だねええ。
 二次会はコスプレOK、メイドさんが総勢9人もいたんだよー。
 ミニスカのメイドたちを束ねるのは、もっとも短いスカートを穿いた(ぱんつ見えそう……)本日の主役、花嫁だ!!
 いやあ……すごいことになってたよ。
 花嫁のコスプレがいちばん過激だった(笑)。

 そして、個人的にいちばんかわいかったのが、我が友デイジーちゃん!!
 アンミラ風のメイドコス、似合いすぎ。
 コート姿で店に来た彼女をつかまえ、

「脱げ、早く脱げ、早く脱いでメイド姿を見せろ」

 と、コートをひんむいてしまいました。
 彼女のコートは着物のように帯を結ぶタイプだったのでお代官様のよーに、腕の中で彼女をくるくる回して脱がせました。ハァハァ。

 デイジーちゃん、巨乳なんだもんよ!!
 しかもアンミラ風っすよ。
 エプロンドレスは乳の下、でかい乳がエプロンの上にたわわにのっかっている状態。しかも彼女は外人風の美人さん。

「今まで巨乳って言われると否定してたんだけど、もう認めました」
 と言うデイジーちゃん。サイズはFカップだそーだ。よきかなよきかな。

 そーいや先日の某パーティで友人のひかるちゃんがセクシーなドレス姿を披露、目のやり場にこまったもんだが、彼女のサイズはなんと「Hカップ」だそーだ。
 H……Hって、いくつだ……? と、指折り数えちゃったよ。
 いやあ、最近の若い娘さんたちは発育がいいねえ。おばさん、Hカップ様に頬ずりさせてもらっちゃったよ。すんげーやらわかい(笑)。

 んで、Fカップのメイド美女デイジーちゃんとは、抱き合って記念撮影。
 わたしはその日、「なんちゃって男役」のブラウス姿でしたしな。わかりやすいからか、初対面の人から「男役」として扱われておりました。「男役」だから、美女をはべらして良いんだと。……そうなのか?

「でも緑野さん、男役を通り越しておじさん入ってます……」
 と言われ。
 とほほ。

 なんとも愉快な二次会でした。
 ……恒例の主役カップルについてのクイズでは、答えがちがうものがけっこーあったよーな気がするんだけどなあ。
 まあいいや。人前では言えない真実もあるんだろうってことで(笑)。

 ところで。
 花嫁のブーケってさ、もらったはいいけど、どうすりゃいいの?
 生花なら枯れりゃ捨てればいいが、……造花だもんよー。ただ埃っぽくなってくだけじゃん。
 捨てていいもんなの?
 でもそれってなんか、縁起悪いしなあ……。

 つーかわたし、嫁に行けるのか?

 

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