さて、わたしが観に行った回の『オクラホマ!』客席には、タカラジェンヌが鈴生りだった。

 開演前、自分の席に着いたわたしがなんとなく顔を上げると、目の前にマッチ先輩がいた。
 硬直した。

 マチオ先輩はわたしの前の列らしく、自分の席に着くためにそこにいたわけだ。目があってももちろんなんの反応もない。「目のあったファンが硬直する」ことなんて、スターなマチオ様には日常茶飯事なんだろう。
 マチオ先輩を先頭に、通路にはジェンヌがそろっていた。それがみーんな、わたしのいるあたりを目指してやってくる。

 月全ツ組、勢揃い。

 わたしはもちろん、ゆーひくんを探した。
 学年順ならマチオより後ろにいるはず……だが、そうではなく、ゆーひくんはあさこと一緒、嘉月さんや専科さんのグループにいた。
 わたしの前の列はマチオとか末子はんとかあたりの学年、そしてその1列前が管理職とあさゆひ。うおー、近い。斜め前がゆーひくんかよー!!
 ……ん、あさゆひ? かなみちゃんは?

 と思っているウチに、わたしの列にもジェンヌがずらりと入ってきた。おおっ、あひくんだあひくんだ、膝を縮めて前を通りやすくするんだけど、狭い劇場なのでどーしてもなんとなーく当たってしまう。わーい、あひくんに膝蹴られたー、なんかときめく〜。(変態発言はやめなさい)
 しかし、同じ列にジェンヌが坐るってすごいねっ。
 だって膝の前を接触しながらジェンヌが通るんだよ? わたしの太股分の距離しか、ジェンヌと距離が離れていないわけよ? 坐っているわたしの目の位置に、ジェンヌの胴や腰がくるわけよ?

 あひくんのお尻が、目の前だ〜〜。

 手を伸ばすだけで、触れる位置。
 そんな極近距離に、あひくんのお尻。……さ、触りてええぇ。(変態発言はやめなさい)

 あひくんのお尻は、信じられないほど薄かったっす。女の尻ぢゃないよありゃ……。かっこいー。ハァハァ。

 と、あひくんにとろけていると。
 かなみちゃんも、わたしの前を通っていった……てゆーか。わたしの隣の席ですかーっ!!

 や、正確にはふたつ隣だったんだが、わたしの隣って空席だったのだわ。だからかなみちゃんが坐っている姿がまんま見える。
 かわいい……ものごっつかわいい。肌とか輝いてるよー。目大きいよー。わーん。
 おそれ多くて、ろくに見ることができません。
 緊張する〜〜。

 わたしの後ろの列も、どうやらジェンヌがずらずら入って行っているよーだ。でも振り返れないので、よくわかんない。振り返って目が合っちゃったりしたら、至近距離だとわかっているだけにすげー不審者、失礼ぢゃん? 後ろは見られないよ〜〜。
 前方センターブロックの出来事です。
 なんか周囲の人はジェンヌのお知り合い率が高いよーで、挨拶をしてたりする。

 終演後、HOTEL DOLLYの仲間たち大集合でメシ食ったりしているときに、「どーしてそんな席のチケットが手に入ったんですか」と聞かれたけれど。
 どーしたもこうしたも。
 わたしゃ一般人です、なんのツテもコネもございません。
 ふつーに、発売日にチケットぴあで買っただけです。
 大当たりの席だったよ……わわわ。

 生ジェンヌが至近距離、というのもそりゃオイシイ話だが、それだけにとどまらないのだ。
 舞台の上の出演者たちのテンションがチガウ、サービスがチガウ。
 髭オヤジ@一色氏が大真面目な顔で客席の下級生を狙い撃ちしていたこともそうだし、怪しい商人@ルイスがどさくさまぎれの投げチューをよこしたりと、芝居中もにぎやかだ。
 そしてフィナーレともなると、みんなノリまくり。
 前方センターブロックめがけて、サービスサービス。
 ウインクは来るわ投げキスは来るわ、微笑みも目線も、集中砲火。
 ジェンヌ席、主にあさゆひに向かってのサービスが多いので、その斜め後ろにいるわたしは、おこぼれでウハウハです。
 トド様の指差しごちそうさまです、きりやんの投げチューごちそうさまです、越リュウ様のキメ目線ごちそうさまです。
 みんなみんな、わたしの周囲のジェンヌに向けてやっているとわかっていても、こちらに向かって飛んでくるのでカンチガイしてしあわせになれるのです。
 ああ、堪能。

 そして、あさゆひのふたりがいちいち反応しているのが、かわいいのなんのって。
 フィナーレでは手を振り返したりしているし、芝居中も愉快なシーンだとか、ふたりでなにかしらこそこそ喋っているのがかわいい。ふたりの頭が互いに寄っているのがわかるのよ。
 仲良きことは美しきかな。

 
 作品自体はドン引きしているんだが、シーンごとのたのしさや、なんといっても演じている人たちの活き活きした様子は大好きなのよ。
 わたしは結局のところタカラヅカが好きで、気持ちに濃淡はあれどジェンヌさんみんな愛しいもの。
 
 みんないい感じだよ、月組『オクラホマ!』メンバー。思いもかけない面子が活躍していたり、とてもたのしい。
 一色氏を見ているだけでなく、リュウ様にとろけているだけでなく、「新しい出会い求む!」とモブを見るのも忙しかったっす(笑)。

 舞台の上も、客席も、ジェンヌいっぱい笑いと手拍子いっぱい。
 舞台も客席もテンション高く、大変お得な公演。

 ……だったんだけど、気になることがひとつ。
 
 きりやんのことなんだけど。
 そのう……きりやんのお化粧、変ぢゃなかったですか?

 褐色の肌はべつにいいんだけど、ブルーのアイシャドーは何故?!

 褐色に、そこだけ浮いてるブルーの瞼。

 あ、このお化粧知ってる。デジャヴ。
 ……ああ、そうだ、マチオ先輩だ!
 大変個性的な、マチオ先輩のオリジナルメイク。一度見たらおぼえてしまうステキメイク。

 マッチ先輩のコスプレ?! なんのために?!!(白目)

 たまたま、わたしの観た回だけ、お化粧の手がすべったのでしょうか。
 きりやんはもっと色男だと知っているし、黒い霧矢さんは好みなんですが、今回はなんかビジュアルがちがった気がします。
 いやその、マチオ先輩はマチオ先輩だからいいのであって、彼の個性も含めてあのステキメイクが映えるわけで。
 きりやんがマチオ風メイクなのはちょっと……モゴモゴ。

 帰宅してから『オクラホマ!』初日映像見たけど、べつに青瞼なんかしてなかったし。

 ……マチオ先輩がいらっしゃっていた日に、マチオメイク。こ、これは……。

 ただの偶然でしょーか。
 オペラグラスいらない席だったんで、終始一貫使わなかったんですけど、もっとちゃんとアップで見て確認するべきだった?

 すげーアタリな回、アタリな席だったけど。
 きりやんのメイクだけは、ハズレな日だったのかもしれない……。(いや、かえってレアでアタリ??!)


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