『インフィニティ』だらだら語り、続き。

 インド場面でいちばん残念なのは、ここが、大劇場ではないということ。

 『インフィニティ』は大劇場のタカラヅカ・ショーと同じ方程式で作られている。
 それゆえ、大劇場の舞台装置があってしかるべき演出がされている。

 だから。
 バウホールだと、いろいろ不自由だ。

 バウには銀橋も盆もセリも大階段もないんだよー。
 他は我慢する。最後の黒燕尾の振付も、まんま大階段想定のモノだったけど、まっつが主演である限り大階段でアレができないことはわかっているので、あきらめる。
 しかし。

 セリは必要だ。

 つーのもだ。
 マッツマハラジャの坐る椅子。あれって、大劇場ならセンターのセリの上、だよね?
 もしくは回る盆の上に作られた、高い壇上だよね?

 坐っている主役が、客席から見えないのは、演出ミスだろう。

 侍女たちが踊り出すと、マッツマハラジャが見えなくなる……。
 踊りが終わったって、下手端席からは、立ち並ぶ侍女に隠れて見えない。

 マハラジャの大あくびや、オレンジを取ろうとしてじたばたする姿や、従者の橘くんの帯でオレンジを拭く様なんかが、まったく見えないんだ。
 また、マハラジャダンスの盛り上がった場面で、舞台奥で振り向きポーズをキメるマッツマハラジャも、前で踊る侍女たちに隠れて見えなくなる。

 いなばっち、ここがバウだって忘れてる?
 平面だから、舞台奥へ行っちゃうと見えなくなるんだってば。

 大劇なら、玉座はセリで持ち上げるから無問題、もしくは回る盆の上の壇だから無問題、他のキャストの頭上も舞台に出来るから、どの席からでも見えるように演出できる。
 でもここ、バウだから……。

 前方席だけが見えないのかと思ったら、後方席からでも完璧には見えなかった。どうしても侍女たちにかぶる。
 いなばっちェ……。

 マッツマハラジャに絡まれる従者は、橘くんで合ってるよな?
 亜聖くんと橘くんがフェイスラインゆえによく混同しちゃうんだけど、亜聖くんはその前の場面でトリオやってたから、もうひとりの橘くんのはず。

 橘くんは、度胸と芝居心がある模様。マッツマハラジャに布巾代わりにされるとき、日によっていろいろな表情をしている。不服そうだったり、へこへこしていたり、おどおどしていたり。
 また、マハラジャダンスがはじまってすぐ、マッツマハラジャに腰を抱かれて踊るんだが、そのときの歌声の勢いと、デタラメなダンスっぷりが……(笑)。
 初日からしばらくは、いつも同じ振りで踊っていたんだけど、ある日突然、えらい勢いで踊り出して笑いを取って以来、ナニかブチ切れたみたい。振付は自由にしていいところなのか、橘くんがそのときの勢いでてきとーに踊り出すと、従者たちもそれと同じ振りで踊り出すという……。

 まっつさんがアドリブなんもしない分、コマと橘くんとでがんばってるよ……(笑)。

 あとここの場面、ひーこが少年役で、めちゃくちゃかわいい。
 少年のまま動き、走り、踊っている。
 朝風くん他もひーこ少年のアタマを撫でたり、すげーかわいがってるし(笑)。

 マッツマハラジャ、いいなあ。
 大好きだー。

 ここまで盛り上がっておいて、続きはどうすんだ、というと、突然空気が変わる。
 ドシリアスなフィリピン。

 暗転のあと舞台にはコマと、彼に寄り添う娘役……って、娘ぢゃない、ヲカマ……?!
 えー、レオくんです。
 94期、研4……。この学年で、本気で女装しているのに、ヲカマにしか見えないって、すごい男役スキルの高さです。

 レオくんはピンクのロングドレスを着ているんだけど、スリットがあって良かったと、心から思いました。
 スリットからのぞく白い足は、女性のものだとわかるから。
 いやあ、足でも見せてくんないと、顔だけだと性別がわからないよ。
 ドレス状に裾の広がったロングコートを着た男性かもしれないじゃん。
 足で判断できて良かった……。

 レオくんの役名はフラワー。
 観劇後、プログラムを2度見したさ。フラワー? お、お花ちゃん??
 あの毒々しいイキモノは、「お花ちゃん」なんてかわいらしいモノだったのか……。

 コマに寄り添って登場するけど、レオくんの相手役はなぎしょでした。……そーだよな、コマつんだと体格が……ゲフンゲフン。
 パピヨン@翔くんが、フラワー@レオくんに魅せられ、ぱっくりいただかれちゃう話でした。ってレオくん、食虫植物っ?!

 翔くんはガタイのよい若手美形スター。それゆえに、夢華さんだーの女装レオくんだーの、でかいのの相手ばっかで大変だなー(笑)。
 でもその分彼は、包容力が増したと思うの。

 ここのコマくんの歌声が好き。
 彼の声質に合っているんだろう。すごく心地よい音色と旋律。

 ただ。
 長い。

 いなばっちはかなりこだわって現地語で歌わせているんだろうけど、これだけ長い歌なら、途中から日本語にするとかしてほしかったわ。
 意味不明の音だけでフルコーラスは長いよ……。

 翔くんがレオくんに押し倒されてEND……ってすごいなー。
 や、「NOW ON STAGE」によると、あれは押し倒されてるんじゃないそうですが……(笑)。

 次は韓国。
 この公演唯一の、カーテン前場面。

 稲葉くん、ほんっとーにカーテン前使わないんだもんなー。すごいよなー。
 暗転ののち、紗幕の前にアイドルユニット「INFT∞」がそれぞれ静止ポーズで登場。
 最前列で観たときいちばん「近っ」と思ったのはココ。カーテン前ここだけだから(笑)。

 君たち3人、マジでデビューするといいよ。

 めちゃくちゃかっこいい。
 きんぐ、まなはる、あす。

 わたしは韓流とやらはドラマだろうとアイドルだろうとなにひとつ存じませんが、「INFT∞」はすばらしいと思う!

 カーテン前芝居撲滅運動家の稲葉せんせ、紗幕はすぐに上がり、本舞台を使っての場面になる。
 セットのライトの輝き方とか、3人のダンスとか、Mステ見てるみたいだ……(笑)。

 あすくんの歌声が、マジすごい。

 もともと歌ウマだが、この公演中さらに進化していっている。前にふわーっと広がる、包み込む歌声。声質がやさしく発声が明瞭。
 それでいて、「タカラヅカの男役」としての歌い方と姿。
 あすくんすごい。
 アイドルユニットなのに、ひとりだけマジ突き抜けて巧い! 場違いなくらいうまい!

 ……アイドルは歌唱力二の次だという思い込みゆえに、あすくんが巧すぎてウケる。
 きんぐとまなはるは、正しく「アイドル」っぽい……。きんぐはまだ歌える人だけど、まなはるってばもお……いいのよキミはソレで、ひとり歌声があちゃー!でも、キザり抜群、温度激熱だから、それで!(笑)

 きんぐの甘い二枚目ぶりが映える映える。
 どんどんいい男になるなー。

 下手前方で観たとき、この3人の最後の決めポーズのとき、ライトがきんぐ=赤、まなはる=青、あす=黄になっていて、「上から赤青黄って色が決まってるんだ! さすがアイドルユニット!」と思ったもんだった。
 その角度からだとその色のライトがそれぞれ当たっているというだけで、別の席から観たらちがった(笑)。

 残り公演数あとわずかになってから、まなはるは眼鏡っこになってるし。
 さらにキャラが立ってイイ!


 続く。

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