まつださんはいつでも安定高クオリティ。
 アドリブもなし、リピーターやコアファンだけ盛り上がってライトユーザー無視なんてことはいたしません。初見の人にもやさしい舞台です。
 ……なのは、正しいのでしょう。
 バウのみでちんまりと行われた公演、『インフィニティ』。芝居ではなくショー作品なので、もっと内輪受け要素がありそーなんだが、そんなことは一切なく。
 とってもふつーに一般的な「タカラヅカ・レビュー」であったわけです。
 ハードリピーターでコアファンであるわたしには、少々じれったくもありましたが。
 お遊びを入れられるベニス冒頭やマッツマハラジャすら、アドリブ入れ出したのは公演終了カウントダウンはじまってからだし。

 いつも同じなのはいい。
 しかし。

 髪型くらい、変化つけようよ。

 まっつといえば、いつも、同じ髪型。
 安定安心、どのショー、どの場面でも変化なし。

 ……って、主演バウでも、そうなのか。

 や、よく見ればわずかに変化はあるんですよ。わずかにね。撫でつけた髪の流れる向きが違っていたりね。リーゼントのボリュームが心持ち違っていたりね。……ってソレ、わからないから!! 鏡の前でわかる違いでも、客席からはわかんないから!!

 ほんっとに、髪型変えないタカラジェンヌだなー。黒髪だけで何年も通しただけのことはあるわー。

 いちおーね、微妙に髪型変えてはいるんだと思いますよ。
 オープニングからアメリカは、デコ全開だけどわずかに片側だけ前髪あり。わずかに。言われなきゃわかんない程度に。
 でも一旦はけて、次に出てくるときはデコ全開、「前髪? なにソレおいしいの?」状態。
 次に登場するフランスでももちろん前髪なし、デコ全開。帽子の邪魔にならないよーにか、きっちり固めてある。分け目があるからオールバックという呼び名ではないのかな?
 次のドイツでも前髪なし。真ん中から立ち上げて厚みのあるオールバックに。
 んで、次は2幕。オープニングのキューバではやはりデコ全開、髪をサイドに流して撫でつけてますが、一本だけシケあり。
 次のスペインはドイツと同じかなー。デコ全開。あ、でも分け目あるな。
 インドはターバンあるのでわからず。でも絶対デコ全開のいつもの髪型だ。
 次がもうラスト、日本の黒燕尾、デコ全開の男役スタイル。そのままフィナーレまで。
 はい終了。

 全場面、デコ全開。

 オフでも最近ずっとそーだよね……デコ全開の潔い「男役」スタイル。

 まつださん……。
 アナタが美形だってことは、じゅーっぶん、わかってます。理解してます。自信のデコ全開なのは、わかります。
 前髪なんかで誤魔化す必要なし、だって美人だもん! この美しいラインをごらんなさい、ほほほ、てなもんですか。

 はいはい、実際端正ですよ、美しいですよ。
 されど。

 別の髪型もして見せてくれ。

「前髪見たいよねー」
「髪が揺れてるとこ見たいよー」
「誰かお手紙で、『オールバックも素敵ですが、乱れ髪もきっとかっこいいと思います(はぁと)』とか書いてみてよー」
「んなこと書いたって、ファンの希望なんか聞いちゃくれねーよ」
 てな会話を、バウのロビーでしてましたね……。
 誰かがほんとに手紙に書いたのかどうかはわかりませんが、まつださんはほんっとーにただの一度も、前髪を見せてはくれませんでした。

 髪の毛はいつもぴったり固めて止めて、乱れナシ。
 デコは全開、隠すものはナニもなし。
 顔むき出し、輪郭そのまま。

 よーく見て、よーく考えれば、場面ごとに髪型は微妙にチガウよーだけど、一見全部同じ。
 デコ全開のオールバック。ガッチガチのビッシビシ。

 ……全場面別の髪型で登場する、コマくんを見習って欲しいよ……。

 お茶会でも同じ髪型だったしさー……。

 ベンヴォーリオみたいに、長い前髪を揺らして踊って欲しかったっす。前髪の下からのぞく整った額のラインや、怜悧な眼差しを堪能したかったっす。
 まっつってば、プガチョフもブラット部長もアトス様も、とにかく全部、いつも、デコ全開なんだもん……。
 ショーでは絶対にデコ全開ヘア以外しないしさ……。

 とまあ、こんなにも安心のまつださんクオリティ。
 自身の初主演バウでも、髪型に特別感ナシです、ありがとうございました。

 それでも、本人の気分なのか、単なる間違いなのか、ほんの少しだけ、髪型が、いつもとちがっていることがあったわけで。

 7日の午後公演だっけ、ドイツ場面の髪型が、めっちゃかっこよかった。
 基本いつもと同じ髪型なんだけど、前髪が少しあるの。踊ると揺れるの。
 二次元的かっこよさ。アニメかゲームのキャラクタみたいですよ、まつださん!!
 ……1回こっきりで、二度とやってくんなかったけれども(笑)。

 そして愉快だったのは、12日午後公演の、マタドール。日時メモしてあるわ、すごかったので(笑)。
 いつもびっちり固めて一筋の乱れもない髪型をしているこの場面で。
 ナニを思ったか、髪を固めずに出てきたの。

 まっつ的に、この苦悩のマタドール場面は、髪を乱して踊るイメージがあるんだと思う。
 だけど髪を乱すのは純粋に踊りにくいから嫌なんだろうな、と、思って見ている。

 なのに、この日は、あえて髪を固めていない……。
 それゆえに、えらいことに。

 翌日欄へ続く。

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