フランス招聘版ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ライブ付来日イベントの感想、続き。

 出演者パフォーマンス、3曲目が「世界の王」。
 ジュリエット@ジョイ・エステールが退場、入れ替わりにベンヴォーリオ@ステファヌ・ネヴィル、マーキューシオ@ジョン・エイゼン登場。
 ロミオ@シリル・ニコライを中心に、3人で歌う。

 えー、ベンヴォーリオとマーキューシオが登場した途端、思ったこと。

 うわ、おっさん……!!

 ロミオも大概だったが、このふたりはさらにおっさん度高い。ロミオはそれでもまだ、王子様キャラなのがわかるんだけど、ベンとマーは容赦なくおっさん……しかもその、キレイ系にあらず……。その、ヒゲの剃り跡濃いわっていうか、胸毛ちりちりぼーぼーだろうなっていうか、その、そんな感じ……(笑)。

 あ、ロミオ様は胸毛かなり薄いです。サービスなのか、胸がどーんと開いた衣装着用でした。ぱっと見、胸毛ナシに見える。よくみるとあるけど。←
 や、胸毛ばかりにこだわってませんよ?!(笑)

 登場した途端、びびったねー。
 もちろんもれなく、ごついしねー。

 でもさ。
 にっと笑って歌い出すと、彼らは、「男の子」になる。

 ジュリエットと一緒にいたとき「甘いハンサム」だったロミオ様も、途端やんちゃな顔になる。
 あー、ロミオ様はマーさんと仲よさそうでした。接触度がチガウ。

 かわいいなあ。この子たち、かわいい。
 見た目は完璧大人だけど、「少年」なのがかわいい。男の人って、こーゆーとこあるよね。いくつになっても「男の子」なの。

 マーさんは歌すごくうまかったよーな。歌の上手いマーキューシオか……胸熱……。(誰を思い浮かべてマスカ?!)

 やっぱ「世界の王」はいいよ。いい曲だよ。
 わーん、やっぱ好きだ~~!

 4曲目は、知らない曲。ジュリエットも登場して、4人でガンガン歌っていた。


 んで次が、出演者のトーク。
 ここでスペシャルゲスト、まさおとちゃぴも登場。

 まさおをナマで、こうしてトークで見るのは実に6年ぶり。ソリオのイメキャラ時代以来だもんなあ。
 ちゃぴははじめて見た。

 フランス版キャストのみなさんと並んだまさちゃぴの細さときたら……!!
 ジュリエット役のジョイさんの中にすっぽり、マトリョーシカみたいに入れますよ。

 彼らから見たら、信じられないくらい「子ども」に見えるだろうなあ。
 フランス版の彼らが「18歳」なら、まさちゃぴは幼児ですよ……。

 まさおくんは、裾にスナップのあるクロップドパンツに、パンツ裾と同じ位置に来るブーツ姿だったんだけど。
 何故かスナップボタン、はずしてやがる……っ。
 つまり。
 脛見せ。
 ちらちら、チラリズム。

 まさおの脛が気になってしょーがなかった……(笑)。

 わたしだけかと思ったけど、んなことぁない。帰り道、ぜんぜん知らない人たちが「まさおアレ、足見せてた?」「見えてたよー」と話しているのに複数遭遇、みんなチェックしてますがな……。男役のナマ足に反応するのは、ヅカファンのカルマですよね……(笑)。

 まさおのナマ足はともかく(笑)、フランス版キャストのみなさん。

 驚いたことに、彼らは片言の日本語で、わざわざ挨拶してくれた。
 いい人たちだ……じーん。

 わたし、外国の方の制作発表とか、こーゆーイベントに参加したことも見たこともなくて、まったく知らなかったんだけど。
 「役作り」とか「作品のこだわり」とかに、いろいろ深く語るのって、日本だけなの? この人たちがそうだってだけ?

 けっこうな違和感だった、彼らのトーク。

「『ロミオとジュリエット』はスペクタクル・ミュージカルとありますが、ふつーのミュージカルと違うんですか?」

→ 違わない。(あっさり)

 (これだけじゃあんまりだと思ったのか、付け加えて)大きい、とか、豪華とかいう意味はあるかな。

 ジェラール・プレスギュルヴィック氏のこの答えには、内心ツッコミ入れまくりっす(笑)。
 ただの宣伝文句、盛り上げに使っている言葉について質問してくる記者が問題なのかもしんないけど、それにしても、もう少し盛った答えはできるだろうに、と思った。

 例の如く、浜村淳登場。

「『ロミオとジュリエット』にはサブタイトル“ヴェローナの子どもたち”とありますが、この意味は?」

→ 意味はない。(あっさり)
  サブタイトルを付けなくてはならないというので、付けた。(終了)

 ちょ……っ。
 ふつーなら、語るだろう!(笑)
 サブタイトルだよ? テーマ部分だよ? 深遠な意味があってしかるべきでしょう。

 んで、役作りについて質問された、ロミオ様。

→ ない。歌を楽譜通りにちゃんと歌えば完了。

 ちょ……っ。
 たしかに、正しい脚本と正しい音楽だから、そのまま歌えば筋が通るんだけど、しかしその語りっぷりって……。

 今まで映像その他で見てきた日本俳優の語りと、隔たりがありすぎ。

 ジェラール氏にしろ、ロミオ様にしろ、この切り捨てっぷりというか、潔さが国や文化の違いなのかしら? それとも通訳を挟んだ会話の壁?

「脚本にすべて書いてあるので、その通りに演じるだけ。役作りはない」てな意味のことを答えた某贔屓を思い出す……(笑)。

 他のキャストも、ロミオ様ほど極端でないにしろ、役作りや意気込みなどとはピントのずれたことを話していた印象。
 **役はこんな役なので、ここに注意してこんな風に演じたい。みなさんにはぜひここのこういうところを見て欲しい。ここに苦労している、ここを新しく自分なりに工夫した……とか、そーゆーことを語るものかと思ってました。

 ベン様とマーさんはまだ、それに近いことを少し話していた。
 ベン様は衝動、マーさんは狂気、みたいなことを言っていたかな。
 ベン様は低い、いい声でした。マーさんは中でもいちばんフレンドリーっちゅーか、サービス精神旺盛に思えた。気ィ使いィやなこの人、てな印象。

 言葉が届かないもどかしさのあるイベントの中、日本語で受け答えするまさおはよく喋っていた。
 浜村淳がまたしても、「自分の思い込み、自分の用意した答えにあてはめようとする誘導質問」をして、まさおロミオを「野性的でやんちゃ」と決めつけて話していた。
 まさおはえらいなあ、「そういう部分もあります」と全否定はせず、でも絶対うなずいたりせずに、かわしていた(笑)。
 単に、嘘をつけないだけかもなー。

 ちゃぴは緊張しまくりで、なにを喋っているのか自分でもわかってない様子。

 司会者は、まさおを「月組トップスター」と紹介し、「ロミオ役の」としか言わなかった。
 ティボルトとの役替わりのことなんて、ひとことも振れなかった。

 対外的には、そういうことなんだなあ。
 役替わりも、準トップも、本場フランスの面々や、外部舞台のイベントに集まった人々の前では「言ってはならないこと」「言うべきではないこと」なんだ。
 それがまた、興味深かった。


 こうしたイベントに参加できて、ほんとによかった。
 『ロミジュリ』を観られればそれでいい、それ以外のことにまったく興味なし、だったのに、キャストに興味も愛着も湧いた。
 ロミオ様はやっぱ金髪ですよ! そのサラサラロン毛のままでお願いしますよ!

 本舞台が楽しみです。

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