「雪組最高!!」と、叫んできました。

 『ドン・カルロス』『Shining Rhythm!』Wヘッダー観劇。

 昼公演で泣きすぎたせいか、千秋楽は劇場の隅っこから舞台を俯瞰していました。
 きれいだなあ。
 みんなみんな、きれいだ……。


 この作品が、公演が、好きだ。

 終わってしまうのが悲しい。寂しい。

 今の雪組が、このメンバーが、好きだ。

 変わってしまうのが悲しい。寂しい。

 タカラヅカは変わり続けるところなので、言っても仕方ないことはわかっている。
 それでも悲しくて仕方なかった。


 なんかしみじみ、カルロス@キムが好きだ。

 見るたびに、発見がある。変化がある。
 舞台人として、とても面白い人だ。

 別に、キムが演じる役すべてを好きなわけじゃない。フィンチ@『H2$』なんて、どうあがいても理解できなかったし。キムくんだから見られたけれど、そーでなかったらあの役と作品は、わたし的に耐えられるシロモノではなかった。

 でもカルロスは、ほんとに好きだ。

 『ドン・カルロス』に傾倒するあまり、いろんなことをいっぱいいっぱい考えて、文章にする時間を取れずにいるんだけど。
 この物語がフェリペ二世@まっつの見た夢だとか、親子と家族の視点だけに特化して観てみるだとか、いろんな角度からいじり倒して楽しんでいる。
 その中でも、楽日には、いつかのカルロス、いつかのフェリペ二世という視点で観てみた。

 カルロスとフェリペ二世は、似たもの親子である。
 一見まったく違うように見えて、ほんとのとこ、こいつらはすごく似ている。血は争えないよな、と思う。

 だから。

 レオノール@みみちゃんを愛して、切ない片恋に耐えているカルロス、レオノールとラヴラヴしているカルロス、彼は、いつかのフェリペ二世である。

 唯一愛したという、マリア・マヌエラに対する、若き日のフェリペ二世は、こんな風だったんじゃないかな。
 だからこそ「はじめて心を捧げ、今なお魂によって結ばれた人よ」なんて言っちゃうのよ。
 この台詞、カルロスが、いかにも言いそうな台詞でしょう?

 「今でもあなたが私の姫君です。ただひとり、王子としてではなく、心の通じ合う方なのです」というカルロスの台詞と、同じことをゆーてるんですよ。

 反対に、「愛する人を失うのがこわい」とか言ってひとりでぐるぐるしている、孤独な王、彼は、いつかのカルロスである。

 いついかなるときもレオノールがそばにいてくれたらいいけれど、もしもレオノールを失うときが来たら、カルロスは深く傷つき、彼女との思い出をなにより大切にするのではないかな。
 ひとりの人を愛しすぎて、いろんなものに背を向けてしまっている人。それほどに、愛が深い人。
 迷いも間違いもするけれど、反省する素直さと勇気を持つ大人の男に、カルロスならなるだろう。

 カルロスとフェリペ二世は、ほんっとーに鏡に映った自分自身、もうひとりの自分なんだ。
 親子、というカルマを持つんだ。

 そう思って観ると、面白さも、切なさも倍増。

 カルロスの「大人の男」部分の格好良さにあらためてときめき、和解した嫁@あゆみちゃんとみょーにラヴラヴしているフェリペ二世のくすぐったさに身もだえた1日でした。

 あと夜公演の千秋楽の方、芝居でのあちゃんにライト当たってなかった? 最初の淑女たちの場面、薄いライトだけど彼女にピンで当たっていた気がした。他にも何回かあったような。
 フアナ様@リサリサも、登場場面でぴっかーっと輝いていたような。
 照明さんの計らいかな。

 リサちゃんは神がかってキレイだし、のあちゃんはすっごい気持ちよさそうに笑っていて、ふたりとも自身で発光しまくってた。

 ヲヅキ氏はほんっとーに組替えが寂しい、あのキャラクタの愛しさ半端ナイ。
 終演後、緞帳前に出て挨拶をする、それだけのことであれだけあたたかい笑いを取れる人は、なかなかナイ。
 「雪組、サイコー!」とガッツポーズするわりに、テンションはほら、いつものヲヅキさんで(笑)。
 得がたい人だ。

 それにやっぱり彼、きれいだと思うの。

 男役として、きれいな人だなあ、華やかだなあ、と改めて思った。

 ナガさんに至っては、もお。
 わたしがタカラヅカファンになってから、雪組を観たその最初から、ナガさんはナガさんだった。
 トーク番組でのおだやかで気品ある大人の女性としての姿とか、初日楽にあたたかい声音でよどみなく必要な情報を伝え、自身の言葉を添える姿に、ただただ感動していた。
 ナガさんが雪組にいてくれることを、癒やしのように思っていた。

 もうこの挨拶が聞けなくなるのか……。退団者からのメッセージを読むナガさんを、観られなくなってしまうのか……。

 今後の雪組公演の日程やら、ものすごい情報量なのに滑舌良くすらすらと語り、「すげえ、ゆらさん並だ!!」と感動していたところで、まさかのド忘れ。次回雪組大劇場公演のショータイトル。
 それを誤魔化すために、突然「雪組、サイコー!」とガッツポーズした姿のかわいらしさに、マジ悶えた。ちょ、萌えさせてどうするの、組長!!(笑)

 それで最後はキムくんの音頭で、総スタンディングの観客も一緒になって「雪組」「最高!!」。

 キムくんがかわいくアツいのは当然として、まっつはいつもの微妙なテンションで「やらされてる感」ゆんゆんさせながら、そのくせ両腕上げてガッツポーズという不思議な画面で。

 愛しくてならない、あたたかい千秋楽だった。

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