ジュリエットの濁りと毒。@ロミオとジュリエット
2010年7月21日 タカラヅカ あれは、大劇場のキャトルレーヴでだったか。
いかにもイマドキの娘さんという、キラキラしたきれいな女のコふたり組が、雑誌コーナーで立ち読みをしていた。
ふたりで1冊の本をのぞき込んでいる。
そして。
「うわ、ちょーやばい」「これやばいって!」と、ふたりで身もだえている。
ナニがそんなにやばいんだ、とおばちゃんは不思議に思い、横からチラ見した。
彼女たちが読んでいるのは「タカラヅカレビュー2010」だった。そして、開いているのは、星組のページ。
「ちえねね、可愛すぎるっ!!」
れおんくんとねねちゃんのオフ姿のツーショ写真を見て、すげー勢いで身もだえているんだ。
そこにあるのは、理想のカップル。美男美女。
タカラヅカという昭和時代でストップした特殊な世界というよりも、現代社会でふつーに存在していそうな、されどここまでのビジュアルはありえない、と思えるような、まさに現代の王子様とお姫様。
「この写真のために、マジ買うしかない?」「高すぎるよ~~でも欲しい~~」と、女のコふたりは雑誌の値段を見てお悩み中。
若い彼女たちには、1500円も高額らしい。きれいに巻いた明るい色の髪とキラキラメイク、凝ったネイルのイマドキのおじょーちゃんたち、キミらも十分かわいいやん!な、こんな若い女のコたちから見ても、ちえねねって夢のカップルなんだ。
わたしのようにすでにまったく若くない元女のコ(笑)の目にも、ちえねねの美しさが「やばい」と思えるのは、とーぜんのことだな(笑)。
だって、まぎれもない事実だもの!
かわいいは正しい、かわいいは正義。
てことで、『ロミオとジュリエット』、ヒロインの話。
ジュリエット@ねねちゃんのかわいさにハァハァする。
このリアル・フィギャアのような美少女が、れおんくんと並んでいるだけで眼福。
そして、ねねちゃんのフィギュアっぷりは、ウメちゃんとはチガウんだなあ。
フィギュアといえばウメちゃんが代表格だけど、彼女はもっと二次元っぽかった。アニメとかCGとかの感覚。
ねねちゃんは、リアルなんだな。
生身の女のコを感じる。
そこが彼女の魅力であり、あやうさでもある。……と、思う。
ねねちゃんを苦手だと思う人がいる、れおんくんの横にいて欲しくないと思う人がいる……人の好みは千差万別なので、そーゆー人がいるのは当然のことだが、それにしたって、そーゆー人たちが一定数いるんだろうなってことを、今回のジュリエット役で納得した。
生々しすぎるわ、あの子。
タカラヅカという夢の世界とは少しチガウ存在感を持つ。
少女マンガの世界のお姫様ではなく、現実の美少女っぽいところが、女性観客からある意味拒絶反応が出るのかもしれない、と思った。
リアルに嫉妬できる存在というか。
れおんくんがどんどん現実離れした美しさを、タカラヅカらしい透明感を身につけていくだけに、ねねちゃんの現実の濁りのある存在は、諸刃の剣。
今まで明確に感じたことはなかったんだけど、今回の「ジュリエット」という役で痛感した。
このジュリエット、浮いてる、と。
美しいお伽噺の世界から、ひとり浮いている。生々しい、現代ドラマのヒロインみたいな女のコ。9時スタートのドラマみたいよ。
あああ、このジュリエットを受け入れられないって声をあちこちから聞くけど、それもまた納得だなあ。彼女ひとりチガウもの、あきらかに。歌唱力がどうとかは、後付っぽい、そんなことより彼女自身の持ち味の問題。
そのねねちゃんの持つ、主に女性に嫌われるタイプの性質……が、一気に際立つ役なんだ、ジュリエットって。
あー、そーゆーことか、と納得しつつも、とどのつまり、わたしはねねちゃんジュリエットは好きだ(笑)。
彼女の芝居が素晴らしいというより、わたしはただもう、彼女のビジュアルが好みなんだと思う。
それこそ、「タカラヅカレビュー2010」の写真見て歓声上げるよーなノリで。
みっちゃんと一緒に写っていた、「宝塚GRAPH」の写真だって大好きだ。かわいすぎる。
そのリアル・フィギュアなビジュアルと、そこから醸し出される生々しい存在感が、好き。ツボ。
トシくったとはいえわたしもオンナなので、オンナノコが持つ「あ、見たくないな」と思う部分はわかる。
ねねちゃんはそこを突いてくる。だからイタい。
その「あ」と思わせるぎりぎりのところを、わくわく楽しんでいる。
だってかわいいは正義だもの!!(笑)
生身ゆえの濁り、痛々しさ、見たくなさ、そんなものを見せつけて、ジュリエットが疾走する。
「少女」という無垢さと残酷さをキラキラキラキラ見せつけて。
それが、たまらない。
そこが、好きだ。
天使の羽を持つロミオ@れおんの横に、天使の顔をした生々しい人間のオンナが寄り添っている、そのことにもお、萌えまくる。
ロミオは汚れない。
彼は誰からも汚されたりしないのよ。
ジュリエットも汚れない。
彼女は清らかな乙女。
だけど、ふたりが寄り添うと、奇妙な濁りが生じる。
それは彼らの背後で妖しく踊る「死」@真風のように。
ふたりは、「ふたり」であることだけで、すでになんらかのざわめきを心に起こさせる。
いいなあ、ちえねね。
オフ写真の「王子様とお姫様」みたいなビジュアルも大好き。
そして、舞台上での不思議な融和感も。
いかにもイマドキの娘さんという、キラキラしたきれいな女のコふたり組が、雑誌コーナーで立ち読みをしていた。
ふたりで1冊の本をのぞき込んでいる。
そして。
「うわ、ちょーやばい」「これやばいって!」と、ふたりで身もだえている。
ナニがそんなにやばいんだ、とおばちゃんは不思議に思い、横からチラ見した。
彼女たちが読んでいるのは「タカラヅカレビュー2010」だった。そして、開いているのは、星組のページ。
「ちえねね、可愛すぎるっ!!」
れおんくんとねねちゃんのオフ姿のツーショ写真を見て、すげー勢いで身もだえているんだ。
そこにあるのは、理想のカップル。美男美女。
タカラヅカという昭和時代でストップした特殊な世界というよりも、現代社会でふつーに存在していそうな、されどここまでのビジュアルはありえない、と思えるような、まさに現代の王子様とお姫様。
「この写真のために、マジ買うしかない?」「高すぎるよ~~でも欲しい~~」と、女のコふたりは雑誌の値段を見てお悩み中。
若い彼女たちには、1500円も高額らしい。きれいに巻いた明るい色の髪とキラキラメイク、凝ったネイルのイマドキのおじょーちゃんたち、キミらも十分かわいいやん!な、こんな若い女のコたちから見ても、ちえねねって夢のカップルなんだ。
わたしのようにすでにまったく若くない元女のコ(笑)の目にも、ちえねねの美しさが「やばい」と思えるのは、とーぜんのことだな(笑)。
だって、まぎれもない事実だもの!
かわいいは正しい、かわいいは正義。
てことで、『ロミオとジュリエット』、ヒロインの話。
ジュリエット@ねねちゃんのかわいさにハァハァする。
このリアル・フィギャアのような美少女が、れおんくんと並んでいるだけで眼福。
そして、ねねちゃんのフィギュアっぷりは、ウメちゃんとはチガウんだなあ。
フィギュアといえばウメちゃんが代表格だけど、彼女はもっと二次元っぽかった。アニメとかCGとかの感覚。
ねねちゃんは、リアルなんだな。
生身の女のコを感じる。
そこが彼女の魅力であり、あやうさでもある。……と、思う。
ねねちゃんを苦手だと思う人がいる、れおんくんの横にいて欲しくないと思う人がいる……人の好みは千差万別なので、そーゆー人がいるのは当然のことだが、それにしたって、そーゆー人たちが一定数いるんだろうなってことを、今回のジュリエット役で納得した。
生々しすぎるわ、あの子。
タカラヅカという夢の世界とは少しチガウ存在感を持つ。
少女マンガの世界のお姫様ではなく、現実の美少女っぽいところが、女性観客からある意味拒絶反応が出るのかもしれない、と思った。
リアルに嫉妬できる存在というか。
れおんくんがどんどん現実離れした美しさを、タカラヅカらしい透明感を身につけていくだけに、ねねちゃんの現実の濁りのある存在は、諸刃の剣。
今まで明確に感じたことはなかったんだけど、今回の「ジュリエット」という役で痛感した。
このジュリエット、浮いてる、と。
美しいお伽噺の世界から、ひとり浮いている。生々しい、現代ドラマのヒロインみたいな女のコ。9時スタートのドラマみたいよ。
あああ、このジュリエットを受け入れられないって声をあちこちから聞くけど、それもまた納得だなあ。彼女ひとりチガウもの、あきらかに。歌唱力がどうとかは、後付っぽい、そんなことより彼女自身の持ち味の問題。
そのねねちゃんの持つ、主に女性に嫌われるタイプの性質……が、一気に際立つ役なんだ、ジュリエットって。
あー、そーゆーことか、と納得しつつも、とどのつまり、わたしはねねちゃんジュリエットは好きだ(笑)。
彼女の芝居が素晴らしいというより、わたしはただもう、彼女のビジュアルが好みなんだと思う。
それこそ、「タカラヅカレビュー2010」の写真見て歓声上げるよーなノリで。
みっちゃんと一緒に写っていた、「宝塚GRAPH」の写真だって大好きだ。かわいすぎる。
そのリアル・フィギュアなビジュアルと、そこから醸し出される生々しい存在感が、好き。ツボ。
トシくったとはいえわたしもオンナなので、オンナノコが持つ「あ、見たくないな」と思う部分はわかる。
ねねちゃんはそこを突いてくる。だからイタい。
その「あ」と思わせるぎりぎりのところを、わくわく楽しんでいる。
だってかわいいは正義だもの!!(笑)
生身ゆえの濁り、痛々しさ、見たくなさ、そんなものを見せつけて、ジュリエットが疾走する。
「少女」という無垢さと残酷さをキラキラキラキラ見せつけて。
それが、たまらない。
そこが、好きだ。
天使の羽を持つロミオ@れおんの横に、天使の顔をした生々しい人間のオンナが寄り添っている、そのことにもお、萌えまくる。
ロミオは汚れない。
彼は誰からも汚されたりしないのよ。
ジュリエットも汚れない。
彼女は清らかな乙女。
だけど、ふたりが寄り添うと、奇妙な濁りが生じる。
それは彼らの背後で妖しく踊る「死」@真風のように。
ふたりは、「ふたり」であることだけで、すでになんらかのざわめきを心に起こさせる。
いいなあ、ちえねね。
オフ写真の「王子様とお姫様」みたいなビジュアルも大好き。
そして、舞台上での不思議な融和感も。
覚え書き。@ロック・オン!
2010年7月22日 タカラヅカ 『ロミオとジュリエット』にハマり過ぎて、雪組の感想を書く余地がなくなってしまっている、という。
なんで日程丸かぶりなんだ。
とゆーわけで、実は『ロック・オン!』の感想を、まだ一度も書いていないという事実。
初日にはどわーーっと書きたいキモチもあったんだが、時を逸すると、気合いも失うね……。
今さら感漂うが、とりあえず自分的メモ。簡単に。
オープニングが好き。
タカラヅカでロック、ってのは、いろいろいろいろ間違っている気がしないでもないが、それでもこの独特のノリを「ロック」と呼ぶ、それをまるっと肯定する。
ズンドコズンドコ、エアマラソンでもしているよーな振りもツボだ。
そして、きゃーきゃーヒューヒュー叫びまくる客席。
雪組は長い間、「いちばん拍手の少ない組」だった。質実剛健、ファンも客席でかしこまって観劇、というか。
水しぇんトップお披露目の『エリザベート』で、楽の日のトート様渾身のアドリブに客席が無反応だったのは、記憶に新しい。水くん自身がカテコ時に「反応がなくて寂しかった」系のコメントを残している。
そこからスタートして、「客席参加型」のスタイルを作り上げたんだね。
でもってわたしは、圭子ねーさまの太股が好きだ(笑)。
圭子ねーさまが、若い娘たちと同じよーなハードな衣装で、網タイツの太股をちらちらさせて、ギンギンにロックされているのが、ものすごく好きだ。
オープニングも彼女に釘付け。
その後のカーテン前で歌う「次の言葉を英訳してみようソング」みたいなふわふわしたものより、ドスの効いた歌声が好き。
ピアノの場面は、ストーリーがよくわからない(笑)。何回観ても。んで、そのたび「ま、いっか、わかんなくても」と思う。ピアノの角度が変わるのは、なんとなく「おおっ」と思う(笑)。
みみちゃんの脚線美、かおりちゃんのめずらしい迫力系の歌、次々現れるダンサーたち。
オペラ座の黒男たちがかっけー。そらくんがすげーかっけー。
こーゆー「お高い」感じのみなこちゃんはイイ。水みな堪能。
んで、実はある意味いちばんテンションが上がった場面かもしれない、リサリサと杏奈ちゃんのマリリン・モンロー。
うわわわ、好き、ここ好き! つか、リサちゃんと杏奈ちゃんの正しい使い方!!
ここはもお、リサちゃんロックオンですよ、彼女のウインク目当てにガン見ですよ。
男がふたり出ているらしいけれど、結局一度も彼らを見られなかった……リサちゃんが可愛すぎる。
銀橋センターのちぎくんより、本舞台にせり上がって朗々と歌うコマにびっくり。
スーツ男たちみんなかっけー。
んで、圭子女史の歌う「ゴールドフィンガー」がかっこよすぎる。うっかりすると、目を閉じて聴き入ってしまい、あせる。水みな見るの、水みな!!
みなこちゃんのドレスのスリット。太股のベルト!! うきゃー、セクシー。いやあ、素晴らしい美脚ですたい! 眼福眼福。
うってかわって明るくジャズ、スーツの色にけっこうくらくら。
あずりんをぼーっと眺めていることが多い。退団者だけのパートがあるのはここだっけ?
水先輩の「ワンモアタイム」は、彼の滑舌の問題かわたしの耳の問題か、その前になにを言ってるのか聞き取れないことも何度かあった(笑)。
初日からしばらくは、ブルースVerばかりだった、わたしの観劇日。
ふつーにかっこいいし、違和感なく眺める。
大分あとになって、ラテンVer捕獲。そうか、メンバーが違うんだ。
でも、ラテンの方が好きかもしれない。銀橋を渡るキムとみなこがイイの。キムがすっごい野獣なカオしてる(笑)。
でもってその次、まさかの耽美場面。
水しぇんでロン毛耽美、しかも受受しい美青年ですか!と、初日はびびった(笑)。演出家、フジイくんぢゃないよね? 水しぇんとらんとむで、ナルシスホモ耽美やったフジイくんぢゃないよね?!
あーそーいや三木せんせも耽美OKな人だったねー。その昔、わたしと友人は「三木せんせ? ああ、ゆりちゃんとマミちゃんを男同士でキスさせた人」という認識だったもんなあ。
しかしこの場面での驚きは、パツキンロン毛水先輩ではない。
まず、黒ドレスの娘役たちのくねくねした踊りとコーラスにわくわくし、ダーク全開の圭子ねーさまの歌声に酔う。
そーしてせり上がってくる白いドレスの可憐な美少女……って、きゃびぃ?!
みなこだと思った。そーあるべきだと思った。なのに何故、きゃび子。え、え、きゃびぃ退団だっけ??とアセる。
そして、受受しい水しぇんが美女たちに弄ばれている最中、わたしはその後ろの圭子ねーさまときゃびぃに釘付けだ。
ドS女王様な圭子おねーさまが、可憐なきゃび子をなぶる。いたぶる。
はかなくもエロい表情のきゃび子を、黒いルージュの圭子ねーさまが後ろから抱きしめる……!! えええ、ナニその倒錯物語!! エロすぎるんですけどちょっと?!!
そーいやきゃびぃってその昔、鬼畜絶対君主@ヒロさんに後ろから抱きしめられて、あんなことやそんなことをされていたわね……百戦錬磨の専科さんにいたぶらせたいキャラなのか、きゃび子……。
で、圭子ねーさまときゃびぃを見ていたら、水しぇんがいつターバン取ったのかわからないという……(笑)。
気が付いたら水しぇん、金髪むき出しになってた。たしか愉快なターバン巻いてたよねえ?
何回も観て、水しぇんがターバン取られるとこまで捕獲しましたよ。いやあ、圭子ねーさまおそるべし!(アンタが圭子タマを好き過ぎるのよ!)
あさこちゃんの退団公演の印象が強いもので、いろいろ比べちゃうわけなんだが、あさこちゃんが身にまとうモノを捨てて裸足で踊り狂っていた場面に相当するのが、水しぇんはこのデコラティヴに金髪ロン毛で踊る場面なのか……あさこは地毛で、水しぇんはファンシー……三木せんせ……?
キムの渾身の歌声を聴きつつ、男たちを、水くんを眺める。
んで、極楽鳥の迫力は謎。『ネオ・ヴォヤージュ』だっけかの、「ハッ!」「フゥ!」な鳥さんたちを思い出す……アレよりはまだ目を泳がせずに済むか。
ここでもあずりんロックオン、他はよくわからん。
あざやかなドレス娘たちの場面、登場する圭子ねーさまが、まるでトップ娘役のよう。って、ここだけでなく、それまでもさんざんそんな感じだったが。
カラードレスの女の子たちの間に、波が引くように白いドレスのみなこちゃんが現れるのはイイ。
しかし。
しかし、コレがデュエットダンスの代わりだなんて、納得できない。
初見では、幕が下りたあとに「トップコンビ退団なのに、デュエダンがなかった?!」と愕然とした。
やっぱ大階段の前で、エトワール登場の前に、がっつり踊るのがデュエットダンスでしょう。
大階段黒燕尾ダンスはうれしい。
が、初日は、曲にびびった。
何故この音?!(白目)
音楽、というより、音。びーんびーんゆってます、こんな音で何故黒燕尾……!
新しい……のか、な。
初日観劇後、いつもの店で合流したnanaたんに、「ふつーでいいのに、何故にあそこであの曲……」と嘆くわたしに、「大丈夫、三味線で黒燕尾ダンスした人たちだから」とよくわかんない説得力のあるお言葉を頂きました(笑)。
うん、そうだね。
なにをどうやったって、かっこいいもんね。無問題だよね。
『ロジェ』は正直ちょっとリピートキツいんだが(笑)、『ロック・オン!』は素直に楽しい。大好き!と言える。
ありがとう、三木せんせ。
なんで日程丸かぶりなんだ。
とゆーわけで、実は『ロック・オン!』の感想を、まだ一度も書いていないという事実。
初日にはどわーーっと書きたいキモチもあったんだが、時を逸すると、気合いも失うね……。
今さら感漂うが、とりあえず自分的メモ。簡単に。
オープニングが好き。
タカラヅカでロック、ってのは、いろいろいろいろ間違っている気がしないでもないが、それでもこの独特のノリを「ロック」と呼ぶ、それをまるっと肯定する。
ズンドコズンドコ、エアマラソンでもしているよーな振りもツボだ。
そして、きゃーきゃーヒューヒュー叫びまくる客席。
雪組は長い間、「いちばん拍手の少ない組」だった。質実剛健、ファンも客席でかしこまって観劇、というか。
水しぇんトップお披露目の『エリザベート』で、楽の日のトート様渾身のアドリブに客席が無反応だったのは、記憶に新しい。水くん自身がカテコ時に「反応がなくて寂しかった」系のコメントを残している。
そこからスタートして、「客席参加型」のスタイルを作り上げたんだね。
でもってわたしは、圭子ねーさまの太股が好きだ(笑)。
圭子ねーさまが、若い娘たちと同じよーなハードな衣装で、網タイツの太股をちらちらさせて、ギンギンにロックされているのが、ものすごく好きだ。
オープニングも彼女に釘付け。
その後のカーテン前で歌う「次の言葉を英訳してみようソング」みたいなふわふわしたものより、ドスの効いた歌声が好き。
ピアノの場面は、ストーリーがよくわからない(笑)。何回観ても。んで、そのたび「ま、いっか、わかんなくても」と思う。ピアノの角度が変わるのは、なんとなく「おおっ」と思う(笑)。
みみちゃんの脚線美、かおりちゃんのめずらしい迫力系の歌、次々現れるダンサーたち。
オペラ座の黒男たちがかっけー。そらくんがすげーかっけー。
こーゆー「お高い」感じのみなこちゃんはイイ。水みな堪能。
んで、実はある意味いちばんテンションが上がった場面かもしれない、リサリサと杏奈ちゃんのマリリン・モンロー。
うわわわ、好き、ここ好き! つか、リサちゃんと杏奈ちゃんの正しい使い方!!
ここはもお、リサちゃんロックオンですよ、彼女のウインク目当てにガン見ですよ。
男がふたり出ているらしいけれど、結局一度も彼らを見られなかった……リサちゃんが可愛すぎる。
銀橋センターのちぎくんより、本舞台にせり上がって朗々と歌うコマにびっくり。
スーツ男たちみんなかっけー。
んで、圭子女史の歌う「ゴールドフィンガー」がかっこよすぎる。うっかりすると、目を閉じて聴き入ってしまい、あせる。水みな見るの、水みな!!
みなこちゃんのドレスのスリット。太股のベルト!! うきゃー、セクシー。いやあ、素晴らしい美脚ですたい! 眼福眼福。
うってかわって明るくジャズ、スーツの色にけっこうくらくら。
あずりんをぼーっと眺めていることが多い。退団者だけのパートがあるのはここだっけ?
水先輩の「ワンモアタイム」は、彼の滑舌の問題かわたしの耳の問題か、その前になにを言ってるのか聞き取れないことも何度かあった(笑)。
初日からしばらくは、ブルースVerばかりだった、わたしの観劇日。
ふつーにかっこいいし、違和感なく眺める。
大分あとになって、ラテンVer捕獲。そうか、メンバーが違うんだ。
でも、ラテンの方が好きかもしれない。銀橋を渡るキムとみなこがイイの。キムがすっごい野獣なカオしてる(笑)。
でもってその次、まさかの耽美場面。
水しぇんでロン毛耽美、しかも受受しい美青年ですか!と、初日はびびった(笑)。演出家、フジイくんぢゃないよね? 水しぇんとらんとむで、ナルシスホモ耽美やったフジイくんぢゃないよね?!
あーそーいや三木せんせも耽美OKな人だったねー。その昔、わたしと友人は「三木せんせ? ああ、ゆりちゃんとマミちゃんを男同士でキスさせた人」という認識だったもんなあ。
しかしこの場面での驚きは、パツキンロン毛水先輩ではない。
まず、黒ドレスの娘役たちのくねくねした踊りとコーラスにわくわくし、ダーク全開の圭子ねーさまの歌声に酔う。
そーしてせり上がってくる白いドレスの可憐な美少女……って、きゃびぃ?!
みなこだと思った。そーあるべきだと思った。なのに何故、きゃび子。え、え、きゃびぃ退団だっけ??とアセる。
そして、受受しい水しぇんが美女たちに弄ばれている最中、わたしはその後ろの圭子ねーさまときゃびぃに釘付けだ。
ドS女王様な圭子おねーさまが、可憐なきゃび子をなぶる。いたぶる。
はかなくもエロい表情のきゃび子を、黒いルージュの圭子ねーさまが後ろから抱きしめる……!! えええ、ナニその倒錯物語!! エロすぎるんですけどちょっと?!!
そーいやきゃびぃってその昔、鬼畜絶対君主@ヒロさんに後ろから抱きしめられて、あんなことやそんなことをされていたわね……百戦錬磨の専科さんにいたぶらせたいキャラなのか、きゃび子……。
で、圭子ねーさまときゃびぃを見ていたら、水しぇんがいつターバン取ったのかわからないという……(笑)。
気が付いたら水しぇん、金髪むき出しになってた。たしか愉快なターバン巻いてたよねえ?
何回も観て、水しぇんがターバン取られるとこまで捕獲しましたよ。いやあ、圭子ねーさまおそるべし!(アンタが圭子タマを好き過ぎるのよ!)
あさこちゃんの退団公演の印象が強いもので、いろいろ比べちゃうわけなんだが、あさこちゃんが身にまとうモノを捨てて裸足で踊り狂っていた場面に相当するのが、水しぇんはこのデコラティヴに金髪ロン毛で踊る場面なのか……あさこは地毛で、水しぇんはファンシー……三木せんせ……?
キムの渾身の歌声を聴きつつ、男たちを、水くんを眺める。
んで、極楽鳥の迫力は謎。『ネオ・ヴォヤージュ』だっけかの、「ハッ!」「フゥ!」な鳥さんたちを思い出す……アレよりはまだ目を泳がせずに済むか。
ここでもあずりんロックオン、他はよくわからん。
あざやかなドレス娘たちの場面、登場する圭子ねーさまが、まるでトップ娘役のよう。って、ここだけでなく、それまでもさんざんそんな感じだったが。
カラードレスの女の子たちの間に、波が引くように白いドレスのみなこちゃんが現れるのはイイ。
しかし。
しかし、コレがデュエットダンスの代わりだなんて、納得できない。
初見では、幕が下りたあとに「トップコンビ退団なのに、デュエダンがなかった?!」と愕然とした。
やっぱ大階段の前で、エトワール登場の前に、がっつり踊るのがデュエットダンスでしょう。
大階段黒燕尾ダンスはうれしい。
が、初日は、曲にびびった。
何故この音?!(白目)
音楽、というより、音。びーんびーんゆってます、こんな音で何故黒燕尾……!
新しい……のか、な。
初日観劇後、いつもの店で合流したnanaたんに、「ふつーでいいのに、何故にあそこであの曲……」と嘆くわたしに、「大丈夫、三味線で黒燕尾ダンスした人たちだから」とよくわかんない説得力のあるお言葉を頂きました(笑)。
うん、そうだね。
なにをどうやったって、かっこいいもんね。無問題だよね。
『ロジェ』は正直ちょっとリピートキツいんだが(笑)、『ロック・オン!』は素直に楽しい。大好き!と言える。
ありがとう、三木せんせ。
雪組の未○○希さん。←○を適当な漢字で埋めよ。@未涼亜希組替え発表
2010年7月23日 タカラヅカ まっつって、どこまでハマコを踏襲するんだろう……と、遠い目をしました。
1年ちょい前に、わたしは「○組の未○○希さん。←○を適当な漢字で埋めよ。」という記事を書きました。http://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-1790.html
どんだけ、まっつとハマコに共通点があるかを。
まさか、これ以上ハマコと同じ道を歩むなんて、これ以上があるなんて、夢にも思ってなかったです。
同期トップを支える別格スターとして、雪組ですか。
ハマコ退団の痛手をぐじぐじ引きずっているわたしは、後ろアタマをすこーんと殴り飛ばされました。
えー、あのー、わたしがどんだけハマコ好きだったと思ってんですか? んで、雪組を特別に思っているか、わかってんですか?
そして今、どんだけまっつを好きだと……!!
まっつがハマコで雪でって、なんじゃそりゃーーっ?!!
……とまあ、盛大に取り乱し、現実逃避にえんえんモンスター狩ってました。『アイルー村』ももうじき発売だしね。ナンバリングタイトルは年内発売予定だしね、『2G』極めておかないとね。つーことで、えんえんテオと闘う。古龍の大宝玉が出ないのよ~~。弟に「クシャルを先に倒した方が、テオ対策防具を手に入れられるぞ」って言われて、クシャルに闘いを挑み、瞬殺されてPSPを放り出す。G級クシャル強すぎるんじゃ~~っ、ひとりで倒せるかこんなもん~~!!
協力プレイで倒すしかないなー、ぶつぶつ。
協力プレイで盛り上がる気力がなかったんで、あえてひとりでゲームしてましたのよ。自分のウチにこもるために。
わたしがゲームに逃げ込んでいる間に、まっつメイトからメールが入り、「沖縄に行く必要がなくなった」ことを知る。
下級生バウに出演するのでない限り、まっつは全ツだったわけで、まっつメイト的には「千秋楽の沖縄に行っちゃう?」と予定をうっすら考えている段階なわけで。
そーだなー、沖縄行っちゃうかなー、とか漠然と考えていた「今後の予定」が白紙になったことに、はじめて思い至った。
で、ゲーム機を置いて、わたわたと来年の公演スケジュールをプリントアウトした用紙を引っ張り出す。ええ、わたしの部屋にもついにプリンタ様が登場、印刷できるよーになったので、そんなもんもわざわざ印刷してありますのよ。
来年のスケジュールが発表になったときは、とーぜん花組欄が、自分にもっとも関わりのある部分だった。何月にどこで公演があり、そのとき自分がどうしているか。
そうやって眺めた過去の自分が、すべて無意味になった。
組替えって、こういうことなんだ。
未来の自分まで、変わってしまう。
「花組」の欄はもう関係ない、「雪組」の欄を見なきゃいけないんだ。来年は青年館付きバウと全国ツアー、そして梅芸がある。んで年末にはDCもあるんだ。
まっつはどこに、ナニで出るの? 全ツだとしたら、今までのパターンからして、『ロック・オン!』(キムラさんバージョン)に出演しちゃったりするの?!
……クラクラしました。
あまりにも、途方がなさ過ぎて。
また『EXCITER!!』? 『ラブ・シンフォニー』飽きたー。……とか言ってたのに。
まーーーーったく未知の作品に出ることになるんだ。
梅芸とDCはその期間にぽんっと単独であるので、その裏にナニか公演が後出しされる余地もあるし、「花組」しか考えていなかったときと、「予定」に対する目線がまったくチガウ……。
そしてさらに、ネットで組ごとの学年順一覧表サイトを眺める。
花組ではまだ上級生が何人もいて、ポジション的にも中堅としての落ち着きだの美味しさがあったけど、雪組だと……何番目になるの、ナガさんの下は84期ですがな! 超上級生?!
地盤が揺らぐ、どころじゃなく、崩れるんだ、組替えって。
呆然。
また、現実逃避してPSPを握る。よっしゃー、クシャルとの闘い方、わかってきたわ! このままがんばれば、そのうち倒せるかも。
ちくちくちくちく、地道な努力で腕を磨く。10回倒れても、11回目にクリアすればそれでよし、100回倒れても101回目にクリアすればそれでいいのよ。わたしは超絶へたっぴだけど、そうやって乗り越えてきたのよ。
そう。
組替えするってことは、しばらくは辞めないってことで、来年の公演予定表はかなり現実味のあるモノで。
少なくとも組替え最初の公演『ロミオとジュリエット』では退団はありえなくて、集合日をこわがらずにすむわけで。
なにより、『ロミオとジュリエット』は素晴らしい作品で。
それに出られるってことは、まっつにとってもやり甲斐のあることだろうし、まっつファンにとってもありがたいことで。
まっつが別格スターなら、すずみさんポジションよね? つーとベンヴォーリオよね? わわわ、そんなのうれしすぎる、あの役好き~~!(いや、チガウかもだが、ここはあえて自分を盛り上げる)
前向きに、希望をつなぐ。
この記事を書くために、以前書いた「「○組の未○○希さん。」記事を引っ張り出すのに「花組 未涼亜希」というカテゴリ分けを見て、「花組 宝塚巴里祭2009」というカテゴリ分けを見て、どうしよう……と思う。
もう「花組」じゃなくなっちゃう。
「花組」じゃなくなるまっつなんか、夢にも思ってなかったのに。安心以前、世界の常識太陽が東から昇るのと同じ気持ちで「花組」だったのに。
さみしくて混乱して、またゲームに逃げそうになるがとりあえず、へこたれずに、今は「未来」を考える。
『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』は、がんばって観る。や、もともとフタ桁観劇前提だけど、それでもさらに気合い入れて観る。東宝楽は絶対行く。友会当たってますように!
「花組」のまっつを観るの。
んでもって、来年は元旦からタカラヅカだ、ムラ入りだー! キムくんのお披露目に、そしてまっつの雪組デビューに、精一杯拍手するぞ。
しかし、結局は雪組なのか、雪組に戻ってくる運命なのか。わたしのヅカヲタ人生は雪担からスタートしたのですよ。だから雪組はずっと特別な組。
……雪組トップ娘役不在発表、研1さんのWヒロインに物申したいこと、てゆーか絶望感は、山ほどありますが、そのためにまっつやキムくんを好きなキモチ、応援するキモチは揺るぎません。つか、揺らいでなるものか、負けるもんか。
現実逃避したりめそめそしたりしつつも、前を見て走ります。
2010/07/23
組替えについて
この度、下記の通り、組替えが決定致しましたのでお知らせ致します。
【花組】
未涼 亜希・・・2010年10月18日付で雪組へ
(今後の出演予定)
・~2010年10月17日 花組東京宝塚劇場公演『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』
・2011年1月1日~ 雪組宝塚大劇場公演『ロミオとジュリエット』
1年ちょい前に、わたしは「○組の未○○希さん。←○を適当な漢字で埋めよ。」という記事を書きました。http://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-1790.html
どんだけ、まっつとハマコに共通点があるかを。
まさか、これ以上ハマコと同じ道を歩むなんて、これ以上があるなんて、夢にも思ってなかったです。
同期トップを支える別格スターとして、雪組ですか。
ハマコ退団の痛手をぐじぐじ引きずっているわたしは、後ろアタマをすこーんと殴り飛ばされました。
えー、あのー、わたしがどんだけハマコ好きだったと思ってんですか? んで、雪組を特別に思っているか、わかってんですか?
そして今、どんだけまっつを好きだと……!!
まっつがハマコで雪でって、なんじゃそりゃーーっ?!!
……とまあ、盛大に取り乱し、現実逃避にえんえんモンスター狩ってました。『アイルー村』ももうじき発売だしね。ナンバリングタイトルは年内発売予定だしね、『2G』極めておかないとね。つーことで、えんえんテオと闘う。古龍の大宝玉が出ないのよ~~。弟に「クシャルを先に倒した方が、テオ対策防具を手に入れられるぞ」って言われて、クシャルに闘いを挑み、瞬殺されてPSPを放り出す。G級クシャル強すぎるんじゃ~~っ、ひとりで倒せるかこんなもん~~!!
協力プレイで倒すしかないなー、ぶつぶつ。
協力プレイで盛り上がる気力がなかったんで、あえてひとりでゲームしてましたのよ。自分のウチにこもるために。
わたしがゲームに逃げ込んでいる間に、まっつメイトからメールが入り、「沖縄に行く必要がなくなった」ことを知る。
下級生バウに出演するのでない限り、まっつは全ツだったわけで、まっつメイト的には「千秋楽の沖縄に行っちゃう?」と予定をうっすら考えている段階なわけで。
そーだなー、沖縄行っちゃうかなー、とか漠然と考えていた「今後の予定」が白紙になったことに、はじめて思い至った。
で、ゲーム機を置いて、わたわたと来年の公演スケジュールをプリントアウトした用紙を引っ張り出す。ええ、わたしの部屋にもついにプリンタ様が登場、印刷できるよーになったので、そんなもんもわざわざ印刷してありますのよ。
来年のスケジュールが発表になったときは、とーぜん花組欄が、自分にもっとも関わりのある部分だった。何月にどこで公演があり、そのとき自分がどうしているか。
そうやって眺めた過去の自分が、すべて無意味になった。
組替えって、こういうことなんだ。
未来の自分まで、変わってしまう。
「花組」の欄はもう関係ない、「雪組」の欄を見なきゃいけないんだ。来年は青年館付きバウと全国ツアー、そして梅芸がある。んで年末にはDCもあるんだ。
まっつはどこに、ナニで出るの? 全ツだとしたら、今までのパターンからして、『ロック・オン!』(キムラさんバージョン)に出演しちゃったりするの?!
……クラクラしました。
あまりにも、途方がなさ過ぎて。
また『EXCITER!!』? 『ラブ・シンフォニー』飽きたー。……とか言ってたのに。
まーーーーったく未知の作品に出ることになるんだ。
梅芸とDCはその期間にぽんっと単独であるので、その裏にナニか公演が後出しされる余地もあるし、「花組」しか考えていなかったときと、「予定」に対する目線がまったくチガウ……。
そしてさらに、ネットで組ごとの学年順一覧表サイトを眺める。
花組ではまだ上級生が何人もいて、ポジション的にも中堅としての落ち着きだの美味しさがあったけど、雪組だと……何番目になるの、ナガさんの下は84期ですがな! 超上級生?!
地盤が揺らぐ、どころじゃなく、崩れるんだ、組替えって。
呆然。
また、現実逃避してPSPを握る。よっしゃー、クシャルとの闘い方、わかってきたわ! このままがんばれば、そのうち倒せるかも。
ちくちくちくちく、地道な努力で腕を磨く。10回倒れても、11回目にクリアすればそれでよし、100回倒れても101回目にクリアすればそれでいいのよ。わたしは超絶へたっぴだけど、そうやって乗り越えてきたのよ。
そう。
組替えするってことは、しばらくは辞めないってことで、来年の公演予定表はかなり現実味のあるモノで。
少なくとも組替え最初の公演『ロミオとジュリエット』では退団はありえなくて、集合日をこわがらずにすむわけで。
なにより、『ロミオとジュリエット』は素晴らしい作品で。
それに出られるってことは、まっつにとってもやり甲斐のあることだろうし、まっつファンにとってもありがたいことで。
まっつが別格スターなら、すずみさんポジションよね? つーとベンヴォーリオよね? わわわ、そんなのうれしすぎる、あの役好き~~!(いや、チガウかもだが、ここはあえて自分を盛り上げる)
前向きに、希望をつなぐ。
この記事を書くために、以前書いた「「○組の未○○希さん。」記事を引っ張り出すのに「花組 未涼亜希」というカテゴリ分けを見て、「花組 宝塚巴里祭2009」というカテゴリ分けを見て、どうしよう……と思う。
もう「花組」じゃなくなっちゃう。
「花組」じゃなくなるまっつなんか、夢にも思ってなかったのに。安心以前、世界の常識太陽が東から昇るのと同じ気持ちで「花組」だったのに。
さみしくて混乱して、またゲームに逃げそうになるがとりあえず、へこたれずに、今は「未来」を考える。
『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』は、がんばって観る。や、もともとフタ桁観劇前提だけど、それでもさらに気合い入れて観る。東宝楽は絶対行く。友会当たってますように!
「花組」のまっつを観るの。
んでもって、来年は元旦からタカラヅカだ、ムラ入りだー! キムくんのお披露目に、そしてまっつの雪組デビューに、精一杯拍手するぞ。
しかし、結局は雪組なのか、雪組に戻ってくる運命なのか。わたしのヅカヲタ人生は雪担からスタートしたのですよ。だから雪組はずっと特別な組。
……雪組トップ娘役不在発表、研1さんのWヒロインに物申したいこと、てゆーか絶望感は、山ほどありますが、そのためにまっつやキムくんを好きなキモチ、応援するキモチは揺るぎません。つか、揺らいでなるものか、負けるもんか。
現実逃避したりめそめそしたりしつつも、前を見て走ります。
モバタカ・メールと妄想配役。
2010年7月24日 タカラヅカ ちょっと感慨深いこと。
昨日も転記した公式の「お知らせ」。
まっつ単体のことが載っている新着情報なんて!!
たとえばディナーショー(イゾラベッラ・コンサート含む)に主演が決まれば、新着情報に単体で載ります。
たとえばケガや病気で休演すれば、新着情報に単体で載ります。
でも。
モバタカから、メールは来ない。
モバタカのメールっていわば新聞でいう「号外」、特別なお知らせ。だから送信されるのは人事か演目についてが基本。
集合日ごとの退団者メールでもなく、まっつひとりの去就でモバタカ・メールになる、ってのがすごいなと。
や、組替えは人事だからメール対象で、組替えするなら誰だって載るんだけど、大抵組替えって複数での発表で、ひとりってのはめずらしい。
そのめずらしい状況になっている、という事実。
昨日欄のタイトルに「@未涼亜希組替え発表」って書きながら、こんなことを書く日が来るとは思ってなかった、としみじみした。
まっつの組替えもだが、この組替えはまっつひとりのモノで、わたしの思い入れ以前にタイトルにするならこうなる、ということについて。
まっつひとりでわざわざメールだよー。
まっつひとりの「今後の予定」が記されてるよー。
すげー。
なんか、スターさんみたい。
……ファンとは滑稽かつ哀れなモノで、こんなことにすら反応するのですよ(笑)。
モバタカ・メール、大事にしようっと。
確実に、「未涼亜希」というジェンヌがいた証なのだ。(前からいますってば)
今後のことに不安は尽きないけれど、うじうじしててもはじまらない。
せっかくの同期のいる組への異動。
学年からいって、そうそう無碍な扱いは受けないだろう。
せっかくだから、キム×まっつ(並びに深い意味ナシ、左右逆転可)で萌えようじゃないか!
まっつは2番手ではなく3番目か別格だろーから、トップスター様とどうこうなんて役が回って来るかどうかは棚上げして、今は勝手にキムとまっつで観たいモノを考える! なんて前向き!
★タクティクスオウガ
デニム@キム、ヴァイス@まっつ。
リメイク決定で世間がにぎわっている今だからこそ(笑)。
今回の『ロック・オン!』のブルースVer.とラテンVer.みたいに、抜き打ちの日替わりでロウルートとカオスルートをやればいいよ。
「今日はカオスルート、まっつの暗黒ぶりがハンパないわ~~!」とか、「今日はロウルート、キムくんの病みっぶりに胸きゅん!」とか楽しそうじゃないですか。
★踊る大捜査線
青島@キム、室井@まっつ。
最新映画上映で世間がにぎわっている今だからこそ(笑)。
テレビ版がいいです、「アンタは上にいろ!」とまっつに叫ぶキム……シュールな(笑)。まっつのツンデレっぷりが見物ですな。最後のシンデレラ階段での別れもヨロシク。
★我間乱
我間@キム、直善さん@まっつ。
キムはハマる。すっげー見たい。キムは『ONE-PIECE』のルフィもハマると思うの。ほんとに「主役」体質だから。
本能でつっぱしるキムと、後ろでおろおろしているまっつ。このふたりで和モノ見たいよなー。
★境界のRINNE
りんね@キム、翼@まっつ。
キムくんは少年マンガのほとんどの主役は似合うと思うが、あえてりんねで(笑)。まっつはほら、ドロドロの恋愛モノをやりたいって言ってたし、これってドロドロだよね?(笑)←いい加減この上ない意見。
ヅカ作品の再演では、番手という枷があって思考がストップするので、あえて別畑のモノを。
深い意味はなく、思いつきで羅列。実は『A-BOUT!』も考えたんだけど、自重した(笑)。ハナノアナ@まっつだなんて、口が裂けても言えない……!
と、あえてお気楽なことを書いてますが。
とりあえずは、今の水くんのサヨナラ公演、そして次の花組公演に全力だ。
明日、当たりますように。
2010/07/23
組替えについて
この度、下記の通り、組替えが決定致しましたのでお知らせ致します。
【花組】
未涼 亜希・・・2010年10月18日付で雪組へ
(今後の出演予定)
・~2010年10月17日 花組東京宝塚劇場公演『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』
・2011年1月1日~ 雪組宝塚大劇場公演『ロミオとジュリエット』
昨日も転記した公式の「お知らせ」。
まっつ単体のことが載っている新着情報なんて!!
たとえばディナーショー(イゾラベッラ・コンサート含む)に主演が決まれば、新着情報に単体で載ります。
たとえばケガや病気で休演すれば、新着情報に単体で載ります。
でも。
モバタカから、メールは来ない。
モバタカのメールっていわば新聞でいう「号外」、特別なお知らせ。だから送信されるのは人事か演目についてが基本。
集合日ごとの退団者メールでもなく、まっつひとりの去就でモバタカ・メールになる、ってのがすごいなと。
や、組替えは人事だからメール対象で、組替えするなら誰だって載るんだけど、大抵組替えって複数での発表で、ひとりってのはめずらしい。
そのめずらしい状況になっている、という事実。
昨日欄のタイトルに「@未涼亜希組替え発表」って書きながら、こんなことを書く日が来るとは思ってなかった、としみじみした。
まっつの組替えもだが、この組替えはまっつひとりのモノで、わたしの思い入れ以前にタイトルにするならこうなる、ということについて。
まっつひとりでわざわざメールだよー。
まっつひとりの「今後の予定」が記されてるよー。
すげー。
なんか、スターさんみたい。
……ファンとは滑稽かつ哀れなモノで、こんなことにすら反応するのですよ(笑)。
モバタカ・メール、大事にしようっと。
確実に、「未涼亜希」というジェンヌがいた証なのだ。(前からいますってば)
今後のことに不安は尽きないけれど、うじうじしててもはじまらない。
せっかくの同期のいる組への異動。
学年からいって、そうそう無碍な扱いは受けないだろう。
せっかくだから、キム×まっつ(並びに深い意味ナシ、左右逆転可)で萌えようじゃないか!
まっつは2番手ではなく3番目か別格だろーから、トップスター様とどうこうなんて役が回って来るかどうかは棚上げして、今は勝手にキムとまっつで観たいモノを考える! なんて前向き!
★タクティクスオウガ
デニム@キム、ヴァイス@まっつ。
リメイク決定で世間がにぎわっている今だからこそ(笑)。
今回の『ロック・オン!』のブルースVer.とラテンVer.みたいに、抜き打ちの日替わりでロウルートとカオスルートをやればいいよ。
「今日はカオスルート、まっつの暗黒ぶりがハンパないわ~~!」とか、「今日はロウルート、キムくんの病みっぶりに胸きゅん!」とか楽しそうじゃないですか。
★踊る大捜査線
青島@キム、室井@まっつ。
最新映画上映で世間がにぎわっている今だからこそ(笑)。
テレビ版がいいです、「アンタは上にいろ!」とまっつに叫ぶキム……シュールな(笑)。まっつのツンデレっぷりが見物ですな。最後のシンデレラ階段での別れもヨロシク。
★我間乱
我間@キム、直善さん@まっつ。
キムはハマる。すっげー見たい。キムは『ONE-PIECE』のルフィもハマると思うの。ほんとに「主役」体質だから。
本能でつっぱしるキムと、後ろでおろおろしているまっつ。このふたりで和モノ見たいよなー。
★境界のRINNE
りんね@キム、翼@まっつ。
キムくんは少年マンガのほとんどの主役は似合うと思うが、あえてりんねで(笑)。まっつはほら、ドロドロの恋愛モノをやりたいって言ってたし、これってドロドロだよね?(笑)←いい加減この上ない意見。
ヅカ作品の再演では、番手という枷があって思考がストップするので、あえて別畑のモノを。
深い意味はなく、思いつきで羅列。実は『A-BOUT!』も考えたんだけど、自重した(笑)。ハナノアナ@まっつだなんて、口が裂けても言えない……!
と、あえてお気楽なことを書いてますが。
とりあえずは、今の水くんのサヨナラ公演、そして次の花組公演に全力だ。
明日、当たりますように。
「水夏希」の歴史を振り返る、ショー。@雪組公演前楽
2010年7月25日 タカラヅカ「この人、どうしてトップスターじゃないんだろう?」
と、思ったのは、2002年のことだった。
舞台の水夏希を見て、今この瞬間トップスターでもおかしくない、と思った。
ちなみに、当時のわたしはまだ水ファンとは言えず、「水くんがかっこよく見えるなんて、どうして??」と友だちと言い合ったりしていた(笑)。
ファンじゃなくても、ジェンヌの「熟れ方」はわかる。
舞台上の水夏希はすでに「タカラヅカ・スター」として、大きく花開いていた。
「どうしてトップじゃないの?」と思えるような人が、2番手であるゼイタク。
当時の宙組はたか花全盛期であり、絶大な人気を誇っていたが、そこで負けず劣らず、水かなも輝いていた。力のあるスターがメインをがっちり固め、……まあその、他は「動く背景」と呼ばれた極端なシフトが有名な組だったんだけどさ……安心して「タカラヅカ」というファンタジーに酔える組だった。
翌2003年のバウ公演『里見八犬伝』の超チケ難ぶりが表すように、トウコ、あさこと並んでヅカを牽引する人気スターだったんだよな。
2002年のときすでに「どうして」と思うほどだった人なのに、トップになったのは2007年。
トウコにしろきりやんにしろ、熟した学年から何年も経ってからしかトップになれない、現在の歌劇団について危惧はあるし、だからといって代替案があるわけでもないから黙するとして。
2002年にトップになっていたなら、2010年の今、水夏希という男役は存在していない、ということだ。
今、目に映っている、完成された男役には会えなかったんだ。
雪組公演『ロジェ』『ロック・オン!』、前楽。
チケットなんてもちろんありません、当日券の抽選に早朝から並びましたとも。
なんとか立見チケットをゲットして劇場へ。
翌日の千秋楽チケットなんてあるはずもなく、当日抽選には参加するつもりだけど、当たるとも思えず、東宝チケットも皆無である以上、「これが最後」「これが見納め」と心して、「水夏希」を見る。
通り過ぎてきた時間に、いいも悪いもナイ。
今、美しい水夏希がいる。
それがすべて。
一昨日の新生雪組関連の人事発表で動揺しているため、実のところわたしはすでに許容量オーバーを起こしていて、「ラスト3日は水しぇん三昧だー」と(チケットもないのに)予定を空けていたにもかかわらず、発表の翌日は一歩も家から出ずにダラダラしていた。
このままだと、しばらくは劇場へ行く気力がわかない気がした。
でも、時間は待ってくれない。
水くんは卒業してしまう。
気力・体力がなくても、とにかく行こう。
自宅にこもってスカステだのネットだのを眺めていても意味がない。
「タカラヅカ」は、ナマモノだ。
実際に同じ空間へ行き、彼らの姿を見、同じ空気を吸って共感してはじめて、本当の出会いがあるんだ。
その時間、その場所へ行く、というのは、簡単なことではないけれど。
自分の都合の良いときにスイッチを入れれば眺められる録画映像じゃない。販売ソフトじゃない。
みんななにかしら犠牲にして、その時間、その場所へ行く。
人間同士で、作り上げるモノだから。
行けば、会えば、吹っ切れる。
わたしはそれを知っている。
水くんはそれだけ魅力的で、タカラジェンヌたちもみな魅力的だからだ。あの舞台は、光り輝いているからだ。
あの汗と、あの笑顔。それがなにより確かな真実。まぎれもない現実。
そうして。
幸運にもわたしは当たりを引き当て、劇場に入れた。
まばゆい人たち、まばゆい世界を見ることが出来た。
水しぇんの満面の笑顔。幾筋ものライトが、ひとりの人のもとに集束していく。それが、この世で最も正しいこと、当たり前のことであるように。
水夏希だけを、照らす。
いつも流暢に話すナガさんの、涙。詰まる声と、それを包む拍手と。
緞帳に「思い出の舞台映像」を流すのはもう定番になったんだね。彩音ちゃんのときと違い、映像とナガさんの語りは別々のモノだったので、「語りと映像がずれる」ことに気を取られないで済む(笑)。
ナマで見られるとは思ってなかった、水夏希サヨナラショー。
ゆみこもハマコもいない、水くんのラスト・プログラム。
こちらとしては、かなり構えて観劇したわけなんですよ。
さあ、サヨナラショーだっ、サヨナラショーなんだぞっ、と。
えーと。
わたしだけかもしんないけど。
なんか、「サヨナラショー」っぽくなかった。
ふつーに、水夏希ショーだったような?
さあ泣けっ!! というよりは、ポンポン振って歓声上げてうきゃ~~っ!!とやって、どーんっと終わったっていうか。
なんか、ふつーに「水夏希コンサート」とか、こんな感じじゃない、今なにかやったとしたら。1幕はストーリー仕立ての新作ショー、2幕は水夏希の歴史を振り返るヒットメドレー的ショー、てな構成で、梅芸と人見(笑)あたりでやっていてもおかしくない。
や、サヨナラショーってそもそも、「歴史を振り返る」構成が当たり前なんだけど、なんだろ、それにしてもあっさりさっぱり風味というか?(記憶に強烈なトウコちゃんが泣かせ入り過ぎの演出だったせいか?・笑)
いや、泣きましたよ。泣きながら観てましたが(笑)、でもなんか、こちらが勝手に構えていた感じと違うというか。
あ、終わっちゃった。
と、思って。
なんか、サヨナラショーっぽくない……落としどころがビミョーっていうか、ええっと。
そして、どんどん、にまにましてくる。
そうか、これが水くんのサヨナラショーか。
この、らしくない、のが、水くんのサヨナラショーなんだ。
カーテンコールで水くん自身が言う、「みんなも泣きすぎて観てない、なんてことがないように」と。「私も含めちゃんと千秋楽を終える」のだと。
なんか生真面目で、悲劇になりすぎない……さよならは寂しいけれど絶望ではない、どこか愛嬌のある、清涼感のある舞台。
トート様ではじまり、これ以上ない男役としての美しさを見せてくれてなお、まだ緩さがあるというか。これ以上ない、はずなのに、まだ上のナニか、を信じさせてくれるというか。
まだ、明日……これからも続いていく、未来があるんだと、思わせてくれる。
たしかに、これは別れなんだけど。悲しいんだけど。でも、人生は続いていくものね。真面目にさわやかに、堅実に、前向きに。できることを力一杯やる。信じたい人を、信じる。見つめる。
泣きながら、にまにました。
うん、明日もちゃんと見届けるよ、泣きすぎないように……って、チケット持ってないけどなっ(笑)。
2002年に、早々にトップになっちゃわなくて、よかった。あのころはわたし、こんなに好きじゃなかったもの。
こんなに長くいてくれて、こんなにいろんな姿を見せてくれて、こんなに好きにさせてくれて、ありがとう。
と、思ったのは、2002年のことだった。
舞台の水夏希を見て、今この瞬間トップスターでもおかしくない、と思った。
ちなみに、当時のわたしはまだ水ファンとは言えず、「水くんがかっこよく見えるなんて、どうして??」と友だちと言い合ったりしていた(笑)。
ファンじゃなくても、ジェンヌの「熟れ方」はわかる。
舞台上の水夏希はすでに「タカラヅカ・スター」として、大きく花開いていた。
「どうしてトップじゃないの?」と思えるような人が、2番手であるゼイタク。
当時の宙組はたか花全盛期であり、絶大な人気を誇っていたが、そこで負けず劣らず、水かなも輝いていた。力のあるスターがメインをがっちり固め、……まあその、他は「動く背景」と呼ばれた極端なシフトが有名な組だったんだけどさ……安心して「タカラヅカ」というファンタジーに酔える組だった。
翌2003年のバウ公演『里見八犬伝』の超チケ難ぶりが表すように、トウコ、あさこと並んでヅカを牽引する人気スターだったんだよな。
2002年のときすでに「どうして」と思うほどだった人なのに、トップになったのは2007年。
トウコにしろきりやんにしろ、熟した学年から何年も経ってからしかトップになれない、現在の歌劇団について危惧はあるし、だからといって代替案があるわけでもないから黙するとして。
2002年にトップになっていたなら、2010年の今、水夏希という男役は存在していない、ということだ。
今、目に映っている、完成された男役には会えなかったんだ。
雪組公演『ロジェ』『ロック・オン!』、前楽。
チケットなんてもちろんありません、当日券の抽選に早朝から並びましたとも。
なんとか立見チケットをゲットして劇場へ。
翌日の千秋楽チケットなんてあるはずもなく、当日抽選には参加するつもりだけど、当たるとも思えず、東宝チケットも皆無である以上、「これが最後」「これが見納め」と心して、「水夏希」を見る。
通り過ぎてきた時間に、いいも悪いもナイ。
今、美しい水夏希がいる。
それがすべて。
一昨日の新生雪組関連の人事発表で動揺しているため、実のところわたしはすでに許容量オーバーを起こしていて、「ラスト3日は水しぇん三昧だー」と(チケットもないのに)予定を空けていたにもかかわらず、発表の翌日は一歩も家から出ずにダラダラしていた。
このままだと、しばらくは劇場へ行く気力がわかない気がした。
でも、時間は待ってくれない。
水くんは卒業してしまう。
気力・体力がなくても、とにかく行こう。
自宅にこもってスカステだのネットだのを眺めていても意味がない。
「タカラヅカ」は、ナマモノだ。
実際に同じ空間へ行き、彼らの姿を見、同じ空気を吸って共感してはじめて、本当の出会いがあるんだ。
その時間、その場所へ行く、というのは、簡単なことではないけれど。
自分の都合の良いときにスイッチを入れれば眺められる録画映像じゃない。販売ソフトじゃない。
みんななにかしら犠牲にして、その時間、その場所へ行く。
人間同士で、作り上げるモノだから。
行けば、会えば、吹っ切れる。
わたしはそれを知っている。
水くんはそれだけ魅力的で、タカラジェンヌたちもみな魅力的だからだ。あの舞台は、光り輝いているからだ。
あの汗と、あの笑顔。それがなにより確かな真実。まぎれもない現実。
そうして。
幸運にもわたしは当たりを引き当て、劇場に入れた。
まばゆい人たち、まばゆい世界を見ることが出来た。
水しぇんの満面の笑顔。幾筋ものライトが、ひとりの人のもとに集束していく。それが、この世で最も正しいこと、当たり前のことであるように。
水夏希だけを、照らす。
いつも流暢に話すナガさんの、涙。詰まる声と、それを包む拍手と。
緞帳に「思い出の舞台映像」を流すのはもう定番になったんだね。彩音ちゃんのときと違い、映像とナガさんの語りは別々のモノだったので、「語りと映像がずれる」ことに気を取られないで済む(笑)。
ナマで見られるとは思ってなかった、水夏希サヨナラショー。
ゆみこもハマコもいない、水くんのラスト・プログラム。
こちらとしては、かなり構えて観劇したわけなんですよ。
さあ、サヨナラショーだっ、サヨナラショーなんだぞっ、と。
えーと。
わたしだけかもしんないけど。
なんか、「サヨナラショー」っぽくなかった。
ふつーに、水夏希ショーだったような?
さあ泣けっ!! というよりは、ポンポン振って歓声上げてうきゃ~~っ!!とやって、どーんっと終わったっていうか。
なんか、ふつーに「水夏希コンサート」とか、こんな感じじゃない、今なにかやったとしたら。1幕はストーリー仕立ての新作ショー、2幕は水夏希の歴史を振り返るヒットメドレー的ショー、てな構成で、梅芸と人見(笑)あたりでやっていてもおかしくない。
や、サヨナラショーってそもそも、「歴史を振り返る」構成が当たり前なんだけど、なんだろ、それにしてもあっさりさっぱり風味というか?(記憶に強烈なトウコちゃんが泣かせ入り過ぎの演出だったせいか?・笑)
いや、泣きましたよ。泣きながら観てましたが(笑)、でもなんか、こちらが勝手に構えていた感じと違うというか。
あ、終わっちゃった。
と、思って。
なんか、サヨナラショーっぽくない……落としどころがビミョーっていうか、ええっと。
そして、どんどん、にまにましてくる。
そうか、これが水くんのサヨナラショーか。
この、らしくない、のが、水くんのサヨナラショーなんだ。
カーテンコールで水くん自身が言う、「みんなも泣きすぎて観てない、なんてことがないように」と。「私も含めちゃんと千秋楽を終える」のだと。
なんか生真面目で、悲劇になりすぎない……さよならは寂しいけれど絶望ではない、どこか愛嬌のある、清涼感のある舞台。
トート様ではじまり、これ以上ない男役としての美しさを見せてくれてなお、まだ緩さがあるというか。これ以上ない、はずなのに、まだ上のナニか、を信じさせてくれるというか。
まだ、明日……これからも続いていく、未来があるんだと、思わせてくれる。
たしかに、これは別れなんだけど。悲しいんだけど。でも、人生は続いていくものね。真面目にさわやかに、堅実に、前向きに。できることを力一杯やる。信じたい人を、信じる。見つめる。
泣きながら、にまにました。
うん、明日もちゃんと見届けるよ、泣きすぎないように……って、チケット持ってないけどなっ(笑)。
2002年に、早々にトップになっちゃわなくて、よかった。あのころはわたし、こんなに好きじゃなかったもの。
こんなに長くいてくれて、こんなにいろんな姿を見せてくれて、こんなに好きにさせてくれて、ありがとう。
それは、愛の力。@雪組千秋楽
2010年7月26日 タカラヅカ まさかの晴天。
いやその、信じていたから、水夏希の最強雨男伝説を。4月後半に雪を降らせる、その力を。
「雨、降らないねー」
「あたしいちおー、傘持って来たんだよ、いつどひゃーって降るかもしんないから」
前楽の日、当日抽選を終えたわたしとnanaタンは大橋を歩きながら話していた。
水夏希の記念日が雨・雪・台風以外のナニかであるはずがない。わたしはその昔コミケの快晴伝説を信じていたよーに、水先輩を信じていた。
水夏希は、地球をも動かせるのだと(笑)。
どんだけ晴れていても、天気予報がどうでも、突然ゲリラ豪雨がやってくるはずだ、それこそ水くんの千秋楽だっ。
「きっと明日は雨だよ」
「だよねー」
晴天、とはこのような日を言う、という見本のような青空、猛暑の最中そう話した。
「きっと上演中にざーっと一雨来て、雨上がりで気温も下がったなか、パレードになるんだよ」
そうあってほしい。
雨のパレードは寂しい……し、場所取りしている人たちが大変だ。かといって、この猛暑炎天下での場所取りも大変……水しぇんが厩戸皇子みたいに雨雲をつれて来て、みんなさわやかにラストディを迎えられるといい。
そう願っていたんだが。
7月26日、『ロジェ』『ロック・オン!』千秋楽。
まさかの、晴天。
広がる青空、ゆらゆら空気が揺れるほどの、猛暑。
水しぇんのムラ楽なのにー?
その謎は解けた。
水夏希最強雨男伝説を打ち破るほどのソーラーパワーが、宝塚大劇場にて、局地的に発せられていたんだ。
劇場の楽屋口に、わらわら現れる、白いフードに白いケープ姿の人々。巻き付けているモノもそれぞれ、スカート風だったり布風だったり、手作り感あふれまくる姿。や、中でもヲヅキ氏のでかい(ちょっと黄色がかった)フード姿は異様だった(笑)。
飾り立てられた台車も出てくる。これまた高校の文化祭的装飾の、白い花だのリボンだの、手作り感満載。
この晴天に、みなこちゃんは雨傘まで持っている。傘には水しぇんの写真がべたべた貼ってある、これまたチープな手作り感あふれるシロモノ。
白装束集団たちに、「てるてる坊主」の歌声がかぶる。
……て、てるてる坊主なのか、アレ?!
拡声器にラジカセ持参、ギャラリーへの挨拶も抜かりナイ。
花の道にいるわたしたちにも、ちゃんと音楽も声も聞こえるようにしてくれてるの、GJ!
数年前、同じようにこの位置から(わたしはいつも同じ位置・笑)、見送り部隊を指揮する水先輩を見ていたっけ、となつかしく思い出す。コム姫を迎えるために、水くんがそりゃーオトコマエに仕切っていましたよ、尻ポケットから携帯を取り出して、なにやら話をして。
あのときの水くんの立場が、キムくんだった。
水先輩は「仕事の出来る、大人の男!」って感じに生真面目に、緊張感バリバリに仕切っていたけれど、キムくんはまたチガウ。
もちろん真面目に緊張感を持って臨んでいるんだろうけど、なにしろ見た目が若い。元気な男の子が仲間たちとなにやら準備している感じ。
車から降りた水しぇんが、キムたちを見て爆笑した。
キムが黒いコートを羽織らせ、みなこちゃんが大真面目に傘を差し掛けるし……だからこの、晴天にっ!
ああそうか、大雨の中の入り、を想定して演出してあるんだっ。
なにしろ最強雨男伝説の持ち主だから。
「ちかさんの入りのイベント、どうする?」「きっと当日は大雨だよねえ」「んじゃ、雨でも大丈夫なイベントにしないと」……ってところからスタートしたんだ、コレ。
ミズはモテモテ、ロックオンミズ、数々の替え歌と共に、てるてる坊主たちが揺れる。
お花で飾られた台車に乗って凱旋した水しぇんは、拡声器を渡され、開口一番。
「絶対雨降ると思ってたでしょ!」
オゥイエーッ!! てるてる坊主たちも、観客も歓声。
「こんだけの生テルテル坊主のおかげで、晴れだっ!」
そうか。
そうなのか。
水夏希最強雨男伝説を打ち破ったのは、組子たちの愛なのか。
雨を呼び、嵐を呼ぶ男、水夏希。
地球をも動かす最終兵器、アクアの地球、みんなの水夏希の雨っパワーは健在、ナニモノにも揺るがないラスボスぷり。
しかし、ついに伝説は破られるときが来た。
それが、愛によってだ。
物語の結末は、いつだって、愛。
退団者に美しく爽快に最後の日を迎えて欲しいという、雪組メンバーたちの愛によって、雨雲が蹴散らされたんだ。
野獣が愛によって王子様に戻るように、雨の伝説の奥に囚われていた黄泉の帝王ミズナツキは、愛によって封印を解かれ、わたしたちの前に現れたんだ。
青い空と、白い雲を背に。
輝く太陽を浴びて。
…………愛の力、強すぎです、みんな。
暑くて死にそうな1日だった(笑)。
いやその、信じていたから、水夏希の最強雨男伝説を。4月後半に雪を降らせる、その力を。
「雨、降らないねー」
「あたしいちおー、傘持って来たんだよ、いつどひゃーって降るかもしんないから」
前楽の日、当日抽選を終えたわたしとnanaタンは大橋を歩きながら話していた。
水夏希の記念日が雨・雪・台風以外のナニかであるはずがない。わたしはその昔コミケの快晴伝説を信じていたよーに、水先輩を信じていた。
水夏希は、地球をも動かせるのだと(笑)。
どんだけ晴れていても、天気予報がどうでも、突然ゲリラ豪雨がやってくるはずだ、それこそ水くんの千秋楽だっ。
「きっと明日は雨だよ」
「だよねー」
晴天、とはこのような日を言う、という見本のような青空、猛暑の最中そう話した。
「きっと上演中にざーっと一雨来て、雨上がりで気温も下がったなか、パレードになるんだよ」
そうあってほしい。
雨のパレードは寂しい……し、場所取りしている人たちが大変だ。かといって、この猛暑炎天下での場所取りも大変……水しぇんが厩戸皇子みたいに雨雲をつれて来て、みんなさわやかにラストディを迎えられるといい。
そう願っていたんだが。
7月26日、『ロジェ』『ロック・オン!』千秋楽。
まさかの、晴天。
広がる青空、ゆらゆら空気が揺れるほどの、猛暑。
水しぇんのムラ楽なのにー?
その謎は解けた。
水夏希最強雨男伝説を打ち破るほどのソーラーパワーが、宝塚大劇場にて、局地的に発せられていたんだ。
劇場の楽屋口に、わらわら現れる、白いフードに白いケープ姿の人々。巻き付けているモノもそれぞれ、スカート風だったり布風だったり、手作り感あふれまくる姿。や、中でもヲヅキ氏のでかい(ちょっと黄色がかった)フード姿は異様だった(笑)。
飾り立てられた台車も出てくる。これまた高校の文化祭的装飾の、白い花だのリボンだの、手作り感満載。
この晴天に、みなこちゃんは雨傘まで持っている。傘には水しぇんの写真がべたべた貼ってある、これまたチープな手作り感あふれるシロモノ。
白装束集団たちに、「てるてる坊主」の歌声がかぶる。
……て、てるてる坊主なのか、アレ?!
拡声器にラジカセ持参、ギャラリーへの挨拶も抜かりナイ。
花の道にいるわたしたちにも、ちゃんと音楽も声も聞こえるようにしてくれてるの、GJ!
数年前、同じようにこの位置から(わたしはいつも同じ位置・笑)、見送り部隊を指揮する水先輩を見ていたっけ、となつかしく思い出す。コム姫を迎えるために、水くんがそりゃーオトコマエに仕切っていましたよ、尻ポケットから携帯を取り出して、なにやら話をして。
あのときの水くんの立場が、キムくんだった。
水先輩は「仕事の出来る、大人の男!」って感じに生真面目に、緊張感バリバリに仕切っていたけれど、キムくんはまたチガウ。
もちろん真面目に緊張感を持って臨んでいるんだろうけど、なにしろ見た目が若い。元気な男の子が仲間たちとなにやら準備している感じ。
車から降りた水しぇんが、キムたちを見て爆笑した。
キムが黒いコートを羽織らせ、みなこちゃんが大真面目に傘を差し掛けるし……だからこの、晴天にっ!
ああそうか、大雨の中の入り、を想定して演出してあるんだっ。
なにしろ最強雨男伝説の持ち主だから。
「ちかさんの入りのイベント、どうする?」「きっと当日は大雨だよねえ」「んじゃ、雨でも大丈夫なイベントにしないと」……ってところからスタートしたんだ、コレ。
ミズはモテモテ、ロックオンミズ、数々の替え歌と共に、てるてる坊主たちが揺れる。
お花で飾られた台車に乗って凱旋した水しぇんは、拡声器を渡され、開口一番。
「絶対雨降ると思ってたでしょ!」
オゥイエーッ!! てるてる坊主たちも、観客も歓声。
「こんだけの生テルテル坊主のおかげで、晴れだっ!」
そうか。
そうなのか。
水夏希最強雨男伝説を打ち破ったのは、組子たちの愛なのか。
雨を呼び、嵐を呼ぶ男、水夏希。
地球をも動かす最終兵器、アクアの地球、みんなの水夏希の雨っパワーは健在、ナニモノにも揺るがないラスボスぷり。
しかし、ついに伝説は破られるときが来た。
それが、愛によってだ。
物語の結末は、いつだって、愛。
退団者に美しく爽快に最後の日を迎えて欲しいという、雪組メンバーたちの愛によって、雨雲が蹴散らされたんだ。
野獣が愛によって王子様に戻るように、雨の伝説の奥に囚われていた黄泉の帝王ミズナツキは、愛によって封印を解かれ、わたしたちの前に現れたんだ。
青い空と、白い雲を背に。
輝く太陽を浴びて。
…………愛の力、強すぎです、みんな。
暑くて死にそうな1日だった(笑)。
恋をする、今。@ロジェ
2010年7月27日 タカラヅカ トップ娘役の資質ってなんなんだろう。
いろんな要因があるとは思うけれど。
いつもヒロインを演じ、いつも同じ男役の相手役を務める。それだけは決まっている。
決まっているからこそ。
どれだけ「感情移入できる女の子」かどうか、ってのが、必要な資質のひとつではないだろうか。
水くんが退団してしまう、っつーんで、『ロジェ』ではわたし、アホみたく水くんばっか見てた。オペラグラスピン撮り、ロジェって役は好きじゃないし共感もないんだけど、ただただその美しさ、格好良さに見とれていた。
それが前楽になってはじめて、レア@みなこちゃんを見た。
そうだ、みなこも最後なんだ、ちゃんと見ておかなきゃ、と思って。
前楽が最後だと思うからこそ、いろんなところを見ておかなきゃと思って。
それではじめて、レアを見て。
何故、彼女がヒロインなのかがわかった。
物語的にレアって別にいらなくね? と思っていた。主人公が誰も愛していない(バシュレとシュミット除く)状態なので、取るに足らない扱いをされているレアは、いなくても問題ない。
ただみなこちゃんに似合う役や仕事を書いたら、こーゆー立場の女性になったんだな、いなくてもシュミット探し出来たけど。
今までの正塚芝居なら、杏奈ちゃんがやっていた女上司あたりがヒロインじゃね? 仕事のことで対等にぶつかり合い、怒鳴り合いながらお互いのことを見つめ合っていく。んで、協力して事件を捜査するのさ。……正塚のヒロイン衣装着てたし(笑)。
ロジェが水くんをイメージ的に格好良く描いたものであるように、レアもみなこちゃんをイメージ的に鉄の女に描いただけのものかなと。正塚がどう思っていようと関係なく、そんな風にわたしは受け取っていた。
でも、最後の最後になって。
レアに注目して見てみると。
レアが、ヒロインだとわかる。
物語的にはいなくてもいい役。本筋にも絡まないし、主人公にも特別に愛されていないし。
されど、そんなことは関係ないんだ。
レアが、ロジェに恋しているから。
レアを見ていると、彼女の物語が浮かび上がってくる。彼女がロジェと出会い、恋に落ちる様が見えるんだ。
ロジェだけ見てるとわかんないけど。なにしろロジェさん、レアに(勝手な思い込み以外)興味ないから。
ロジェはロジェでなんか勝手にやってる。それはいい。レアはレアで、彼女個人で、彼女ひとりで、ひそかに恋をしているんだ。
彼女は、彼女自身の物語の主人公なんだ。
レアを見ているのが、快感だった。
恋に落ちる、快感。
日常ではもうさっぱりなくなった(笑)、情熱的なトキメキがずどんとくる。レアになり、ロジェに恋をする。
彼女の心の動きがリアルで、いちいち痛い。切ない。
復讐しか興味なくて、自分がそうだからと他人もそうだと決めつけて、狭い狭い自分だけの世界で完結してイキがっている、アホな男。哀れで滑稽な男。
見れば見るほどロジェさんてばだめんずなんだが、そんなロジェに恋するレアの、リアルさときたら。
心象風景ダンサーまで動員してカッコつけて歌ってるけど、ゆってる内容ダメダメだよね?なロジェをただ見つめるレア。
彼女の恋が見える。わかる。
彼女を通して視る、ロジェという男は、たしかにアホで哀れで滑稽なんだけど、なんだけど、なんかもう、めちゃくちゃ愛しい。
レアになって、ロジェに恋をする。
ロジェ単体で見ているときより、はるかに切なく、愛しい。レアを通して見る方が。
ロジェを好きで、なにかしたくてできることをするしかなくて、自爆しながら自嘲しながら、「殴るぞ!」とかウザがられながら、それでも懸命に食いついていく様が、痛々しくリアル。胸に迫る。
こんな恋しかできない、その不器用さに泣けてくる。
タカラヅカのトップ娘役の資質ってなんだろう。
キラキラしてて夢が見られる、異次元存在。二次元のお姫様みたいな、現実離れした存在。
それもたしかにそうなんだけど。
感情移入して、リアルに恋が出来るってのも、重要な資質のひとつじゃないだろうか。
いやその、リアル過ぎてタカラヅカじゃない、部分はあるかもしれないけれど。日常にありそうな痛さや切なさなんかいらない、おとぎ話のような恋をしたいのよ、てのはあるかもしれないが。
わたしはリアルな恋ってのも、すでにファンタジーとしてアリだと思っているので、膝を打ちましたよ。
何故レアがヒロインかわかった、って。
彼女になって恋すればいいんだ、ロジェに。
ただ素直に。
現実でだって、恋した相手の本筋に絡むことなんてそうそうないじゃん。勝手に出会って勝手に恋して、相手の意識が動いてからようやく、本筋に絡めるかなってなもんで、最初から絡んでいたらソレただの吊り橋恋愛、ハリウッド映画になっちゃうよ。
『ロシアン・ブルー』のときも千秋楽になってはじめて、そんなことに気づいたと書いていたような……あああ、わたしって鈍すぎる。ついつい、水くんばっか見ちゃってるから。
ロジェがどんだけ残念な人でも、それでもなお、愛しくてならない。
好きで好きでたまらない。
見ているだけで、泣けてくる。
それは水くんが卒業しちゃうとか会えなくなるとか、そんな外側のことじゃなくて。
ロジェが、恋しくて泣ける。
水くんではなく、ロジェが。
それが、ヒロインの意味。ヒロインの資質。
うわあああん、ロジェが好きだああ。愛しい。切ない。苦しい。
そして、そんな痛みごと、うれしくて仕方がない。
恋を、トキメキを、ありがとう。
それはたしかに、わたしがタカラヅカに求めるモノだよ。
いろんな要因があるとは思うけれど。
いつもヒロインを演じ、いつも同じ男役の相手役を務める。それだけは決まっている。
決まっているからこそ。
どれだけ「感情移入できる女の子」かどうか、ってのが、必要な資質のひとつではないだろうか。
水くんが退団してしまう、っつーんで、『ロジェ』ではわたし、アホみたく水くんばっか見てた。オペラグラスピン撮り、ロジェって役は好きじゃないし共感もないんだけど、ただただその美しさ、格好良さに見とれていた。
それが前楽になってはじめて、レア@みなこちゃんを見た。
そうだ、みなこも最後なんだ、ちゃんと見ておかなきゃ、と思って。
前楽が最後だと思うからこそ、いろんなところを見ておかなきゃと思って。
それではじめて、レアを見て。
何故、彼女がヒロインなのかがわかった。
物語的にレアって別にいらなくね? と思っていた。主人公が誰も愛していない(バシュレとシュミット除く)状態なので、取るに足らない扱いをされているレアは、いなくても問題ない。
ただみなこちゃんに似合う役や仕事を書いたら、こーゆー立場の女性になったんだな、いなくてもシュミット探し出来たけど。
今までの正塚芝居なら、杏奈ちゃんがやっていた女上司あたりがヒロインじゃね? 仕事のことで対等にぶつかり合い、怒鳴り合いながらお互いのことを見つめ合っていく。んで、協力して事件を捜査するのさ。……正塚のヒロイン衣装着てたし(笑)。
ロジェが水くんをイメージ的に格好良く描いたものであるように、レアもみなこちゃんをイメージ的に鉄の女に描いただけのものかなと。正塚がどう思っていようと関係なく、そんな風にわたしは受け取っていた。
でも、最後の最後になって。
レアに注目して見てみると。
レアが、ヒロインだとわかる。
物語的にはいなくてもいい役。本筋にも絡まないし、主人公にも特別に愛されていないし。
されど、そんなことは関係ないんだ。
レアが、ロジェに恋しているから。
レアを見ていると、彼女の物語が浮かび上がってくる。彼女がロジェと出会い、恋に落ちる様が見えるんだ。
ロジェだけ見てるとわかんないけど。なにしろロジェさん、レアに(勝手な思い込み以外)興味ないから。
ロジェはロジェでなんか勝手にやってる。それはいい。レアはレアで、彼女個人で、彼女ひとりで、ひそかに恋をしているんだ。
彼女は、彼女自身の物語の主人公なんだ。
レアを見ているのが、快感だった。
恋に落ちる、快感。
日常ではもうさっぱりなくなった(笑)、情熱的なトキメキがずどんとくる。レアになり、ロジェに恋をする。
彼女の心の動きがリアルで、いちいち痛い。切ない。
復讐しか興味なくて、自分がそうだからと他人もそうだと決めつけて、狭い狭い自分だけの世界で完結してイキがっている、アホな男。哀れで滑稽な男。
見れば見るほどロジェさんてばだめんずなんだが、そんなロジェに恋するレアの、リアルさときたら。
心象風景ダンサーまで動員してカッコつけて歌ってるけど、ゆってる内容ダメダメだよね?なロジェをただ見つめるレア。
彼女の恋が見える。わかる。
彼女を通して視る、ロジェという男は、たしかにアホで哀れで滑稽なんだけど、なんだけど、なんかもう、めちゃくちゃ愛しい。
レアになって、ロジェに恋をする。
ロジェ単体で見ているときより、はるかに切なく、愛しい。レアを通して見る方が。
ロジェを好きで、なにかしたくてできることをするしかなくて、自爆しながら自嘲しながら、「殴るぞ!」とかウザがられながら、それでも懸命に食いついていく様が、痛々しくリアル。胸に迫る。
こんな恋しかできない、その不器用さに泣けてくる。
タカラヅカのトップ娘役の資質ってなんだろう。
キラキラしてて夢が見られる、異次元存在。二次元のお姫様みたいな、現実離れした存在。
それもたしかにそうなんだけど。
感情移入して、リアルに恋が出来るってのも、重要な資質のひとつじゃないだろうか。
いやその、リアル過ぎてタカラヅカじゃない、部分はあるかもしれないけれど。日常にありそうな痛さや切なさなんかいらない、おとぎ話のような恋をしたいのよ、てのはあるかもしれないが。
わたしはリアルな恋ってのも、すでにファンタジーとしてアリだと思っているので、膝を打ちましたよ。
何故レアがヒロインかわかった、って。
彼女になって恋すればいいんだ、ロジェに。
ただ素直に。
現実でだって、恋した相手の本筋に絡むことなんてそうそうないじゃん。勝手に出会って勝手に恋して、相手の意識が動いてからようやく、本筋に絡めるかなってなもんで、最初から絡んでいたらソレただの吊り橋恋愛、ハリウッド映画になっちゃうよ。
『ロシアン・ブルー』のときも千秋楽になってはじめて、そんなことに気づいたと書いていたような……あああ、わたしって鈍すぎる。ついつい、水くんばっか見ちゃってるから。
ロジェがどんだけ残念な人でも、それでもなお、愛しくてならない。
好きで好きでたまらない。
見ているだけで、泣けてくる。
それは水くんが卒業しちゃうとか会えなくなるとか、そんな外側のことじゃなくて。
ロジェが、恋しくて泣ける。
水くんではなく、ロジェが。
それが、ヒロインの意味。ヒロインの資質。
うわあああん、ロジェが好きだああ。愛しい。切ない。苦しい。
そして、そんな痛みごと、うれしくて仕方がない。
恋を、トキメキを、ありがとう。
それはたしかに、わたしがタカラヅカに求めるモノだよ。
美しい光景。@水夏希サヨナラショー
2010年7月28日 タカラヅカ きんいろの草原がきらきら揺れて、そこをあの人が笑顔で走っていったの。
『水夏希サヨナラショー』で、息を飲んだ。
『RIO DE BRAVO!!』コーナーになり、舞台にはみなこちゃんを中心とした組子たち、そして彼らとノリノリでポンポンを振っていると、いつの間にか客席に水しぇんが! という趣向。
下手扉から現れた彼は、22列目前の通路を通って、41番座席横の通路を直進して銀橋へ行く。
客席降りしているわけだから、客電が何割か点き、劇場内は明るくなっている。
みんなでポンポンを振っているところだから、ライトを浴びて客席全体が金色に輝いている。水しぇん登場でさらに興奮、わーっと歓声が上がり、さらにポンポンが揺れる。
金色が揺れている。
さらさらさらさら、わっしゃわっしゃ。
見渡す限り。
1階席のいちばん後ろ、立見位置にいたわたしからは、1階客席全部が見回せた。
灯りが点いた途端、金色が浮かび上がるのを見た。
きれいなんですけど。
もーめちゃくちゃ、きれいなんですけど。
泣けるんですけど。
みんなの心がひとつで、金色の草原になった空間。
そしてその光の草原を、水しぇんが駆け抜けていく。
うれしそーに、大きな口をにかりと広げて。
金色の草原を、きらきらの魔法使いが渡っていくみたいだ。
両手を広げて、飛ぶみたいに、空気を切るみたいに、駆け抜けていく。
仲間たちが待っている、光あふれる舞台の上に。
前楽、千秋楽ともに、同じ位置(立ち位置まで・笑)からその光景を見た。
揺れるポンポン、その波の中を走り抜ける水夏希。
こんな光景、ありえない。
客席全部がポンポン振って、ライトが点いてて、水しぇんひとりが走り抜ける。
それを、劇場のいちばん後ろから全部眺める、なんて。
どれひとつ取っても特別すぎて、それら全部がそろった奇跡、いつか見た夢みたいな現実感のなさ。
なにがどう、じゃなくて、きれいで泣けた。
ここは、美しい処だ。
雪組公演千秋楽、トップスター水夏希の退団公演最終日、サヨナラショー。
キモチの詰まった、美しい処だ。
金色の草原は次に、闇に光る青いペンライトの海になった。
名前と公演名と日付の入った透明な板が、中に入っているタイプ。スイッチを入れると青いライトが点き、中の文字が浮かび上がる。
これほど、動きの揃ったペンライトをはじめて見た。
千秋楽(昔は前楽も)でペンライトを振る経験は10回以上軽くあるけれど、動きはいつでもけっこーバラバラで。
この列は右左、こっから一部は左右、とバラバラなのが当たり前。隣の人に合わそうと思っても、両隣の人が逆に振っていてどちらに合わせて良いか混乱したり。
前の人に合わせて振るようにすれば全員揃えることは可能なはずだが、まず揃わない。周囲関係なく勝手に振る人は必ずいるし、揃えたいと思っていても一旦リズムに乗り、その周囲がきれいに同じ動きになっていたら、そこだけが逆だとしても途中から修正できない。
前もって練習しているわけでも「この列の人の動きに合わせて」と指令があるわけでなし。一期一会の4ケタもの他人の集まりで、動きがシンクロするはずがない。
なのに、さすが雪組。
ポンポンの振付で、「みんなで同じ動きをする」ことに慣れている。
最初はふつーにバラバラ、列単位、群れ単位で勝手に揺れていたペンライトが、どんどん「前へならえ」で揃っていく。
自分だけが勝手に振るのではなく、周囲を見回し、ナニが起こっているかを判断し、決断する。
わたしの前の人はオペラグラスをのぞくのに必死で、ペンライトの向きなんか気にしていない。そのためしばらくひとりで逆に振っていたけれど、いつの間にかちゃんと周囲に合わせて振るようになった。
そうやって、ひとりひとりが「参加」していく。
自覚を持って。
水しぇんを送る、この美しい場所にいること。
すごい、きれい。
1階席の千何百本ものペンライトが、一斉に同じ動きをしている。
1000人以上の心がひとつになって、調和している。
水夏希の歌声に。
2階席はわかんないけれど、きっと同じように美しい波を作っているんだろうね。
水しぇんに見せるために。
いろんな思いを込めて。
劇場のいちばん後ろから見る光景は、舞台の上だけでなく、客席まで全部が全部、美しくて愛しいものだった。
金色の草原も、青い波も、拍手と手拍子に揺れる人たちも。
なにもかも。
『水夏希サヨナラショー』で、息を飲んだ。
『RIO DE BRAVO!!』コーナーになり、舞台にはみなこちゃんを中心とした組子たち、そして彼らとノリノリでポンポンを振っていると、いつの間にか客席に水しぇんが! という趣向。
下手扉から現れた彼は、22列目前の通路を通って、41番座席横の通路を直進して銀橋へ行く。
客席降りしているわけだから、客電が何割か点き、劇場内は明るくなっている。
みんなでポンポンを振っているところだから、ライトを浴びて客席全体が金色に輝いている。水しぇん登場でさらに興奮、わーっと歓声が上がり、さらにポンポンが揺れる。
金色が揺れている。
さらさらさらさら、わっしゃわっしゃ。
見渡す限り。
1階席のいちばん後ろ、立見位置にいたわたしからは、1階客席全部が見回せた。
灯りが点いた途端、金色が浮かび上がるのを見た。
きれいなんですけど。
もーめちゃくちゃ、きれいなんですけど。
泣けるんですけど。
みんなの心がひとつで、金色の草原になった空間。
そしてその光の草原を、水しぇんが駆け抜けていく。
うれしそーに、大きな口をにかりと広げて。
金色の草原を、きらきらの魔法使いが渡っていくみたいだ。
両手を広げて、飛ぶみたいに、空気を切るみたいに、駆け抜けていく。
仲間たちが待っている、光あふれる舞台の上に。
前楽、千秋楽ともに、同じ位置(立ち位置まで・笑)からその光景を見た。
揺れるポンポン、その波の中を走り抜ける水夏希。
こんな光景、ありえない。
客席全部がポンポン振って、ライトが点いてて、水しぇんひとりが走り抜ける。
それを、劇場のいちばん後ろから全部眺める、なんて。
どれひとつ取っても特別すぎて、それら全部がそろった奇跡、いつか見た夢みたいな現実感のなさ。
なにがどう、じゃなくて、きれいで泣けた。
ここは、美しい処だ。
雪組公演千秋楽、トップスター水夏希の退団公演最終日、サヨナラショー。
キモチの詰まった、美しい処だ。
金色の草原は次に、闇に光る青いペンライトの海になった。
名前と公演名と日付の入った透明な板が、中に入っているタイプ。スイッチを入れると青いライトが点き、中の文字が浮かび上がる。
これほど、動きの揃ったペンライトをはじめて見た。
千秋楽(昔は前楽も)でペンライトを振る経験は10回以上軽くあるけれど、動きはいつでもけっこーバラバラで。
この列は右左、こっから一部は左右、とバラバラなのが当たり前。隣の人に合わそうと思っても、両隣の人が逆に振っていてどちらに合わせて良いか混乱したり。
前の人に合わせて振るようにすれば全員揃えることは可能なはずだが、まず揃わない。周囲関係なく勝手に振る人は必ずいるし、揃えたいと思っていても一旦リズムに乗り、その周囲がきれいに同じ動きになっていたら、そこだけが逆だとしても途中から修正できない。
前もって練習しているわけでも「この列の人の動きに合わせて」と指令があるわけでなし。一期一会の4ケタもの他人の集まりで、動きがシンクロするはずがない。
なのに、さすが雪組。
ポンポンの振付で、「みんなで同じ動きをする」ことに慣れている。
最初はふつーにバラバラ、列単位、群れ単位で勝手に揺れていたペンライトが、どんどん「前へならえ」で揃っていく。
自分だけが勝手に振るのではなく、周囲を見回し、ナニが起こっているかを判断し、決断する。
わたしの前の人はオペラグラスをのぞくのに必死で、ペンライトの向きなんか気にしていない。そのためしばらくひとりで逆に振っていたけれど、いつの間にかちゃんと周囲に合わせて振るようになった。
そうやって、ひとりひとりが「参加」していく。
自覚を持って。
水しぇんを送る、この美しい場所にいること。
すごい、きれい。
1階席の千何百本ものペンライトが、一斉に同じ動きをしている。
1000人以上の心がひとつになって、調和している。
水夏希の歌声に。
2階席はわかんないけれど、きっと同じように美しい波を作っているんだろうね。
水しぇんに見せるために。
いろんな思いを込めて。
劇場のいちばん後ろから見る光景は、舞台の上だけでなく、客席まで全部が全部、美しくて愛しいものだった。
金色の草原も、青い波も、拍手と手拍子に揺れる人たちも。
なにもかも。
快晴、人間鈴なり、涙予報。@雪組千秋楽
2010年7月29日 タカラヅカ みんなの愛でまさかの快晴、その日の宝塚ムラは丸一日暑かった。
こんなに汗をかいたのは、ひさしぶりだ。
軟弱な生活をしているので、汗をかくよーな事態にならないんだ、いつもは。
それが、入り待ちからはじまって、最後のパレードまで暑くて暑くて大変だった(笑)。
前楽、千秋楽と当日券抽選から参加しての立見観劇なので、並びもギャラリーも観劇も、早朝から夜まで2日間つり革もない満員電車で立ちっぱなしのよーなもんなんだが、それでもなんとか乗り切った。
人間、気力次第でなんとかなるもんだな。
チケットを買って楽屋口に駆けつけたとき、ちょうどあずりんが入るところだった。
スカイフェアリーズをやっている彼の美貌に一目惚れして以来、「カオが好き」「素顔が好き」と言い続けてきたわりに、彼の素顔をナマで見たことがなかったんだ。
当日抽選に参加していると下級生の入りは見られないとあきらめていたんだが、なんとか間に合った。
はじめて見た、あずりん。
背中に「7」と書かれた白いパーカー姿のあずりんは、とてもキュートだった。
うおお、スタイルいい、アタマちっこい。
やっぱあのカオ好き、見ているだけでうれしい。
なんで「7」なのか本気でわからなかったけれど、他の人たちを見ているうちにわかった、退団者たちが背番号付けてるんだ。ちなみに水しぇんが「1」だった。
トップさんと同時退団なら中継があるっつっても、トップさん以外はろくに映像に映らない。あひくんですらそうだったんだから、あずりんが映るはずもないと覚悟を決めて、ナマ観劇に、劇場の中に入ることにこだわった。
最後の男役姿、入魂のシケ一本のオールバック姿を目に焼き付けたよ。モブでも探してオペラで追ったよ。気合いの入ったキメ顔をしていたね。やさしい目で女の子を見ていたね。
最後の、袴姿のパレードにて、あずりんはやたらめったらゆっくり歩いていた。
パレードとはいっても、みんなわりとふつーの速度で歩くから、あずりんの速度にはちょっとびっくりする。
そこに見えているのに、なかなか近づいてこないんだもの(笑)。おかげで、長い間眺めていられたけれど。
ゆっくりと、ゆっくりと。
周囲を見回し、噛みしめるように、歩いていた。
はじめて見るナマあずりんが、最後の姿だなんて。
これからもっともっと活躍してくれる人だと単純に思い込んでたからなあ。長くいてくれれば、ナマ姿を拝める機会もあるだろうと、のんきに構えていた。
最初から最後まで、ずっとずっと好みで、ずっとずっといい男でいてくれた。
雪組を見るたのしみのひとつだったんだ、ありがとう。
舞台で見ると超オトコマエのそらくんは、お茶会に参加したという友人から聞く限り、かなり愉快な人で。えーとその、天然っちゅーか、川原泉の世界的愛らしい美男子というか。
伝え聞くそらくんと、舞台のギャップ……それとまあ、スカステで見るいろいろテンパっている姿などから、彼に対しては心の落としどころがよくわかっていないんだが、それにしたって愛しいキャラだ。
彼の卒業が残念でならない。
『春麗の淡き光に』新公の四天王役で、その美貌に瞠目した。それ以来、ずっと愛でてきた美貌の君。
袴姿のそらくんはもちろん目が覚めるほど美しく……そして、ボケていた。
川原泉のマンガに出てきそうな、あの感じで……。
いやあ、マスコミブースを完スルーして車に乗ろうとしたジェンヌ、はじめて見た。
えー、ムラでのパレードにはマスコミ用の足場がセッティングされており、上下2段にぎっしりカメラマンが詰め込まれています。
そのマスコミブースの真ん前に車が停まっていて、すべての卒業ジェンヌは車に乗る前に、カメラマンたちに写真を撮ってもらうのです。「目線お願いしまーす」とか、「手を振ってくださーい」とか注文つけられながら。
新聞に載っているトップスターの退団記事、車の前で手を振っている写真は、そうやって撮られている。
なにしろ自分が乗る車の真ん前に、工事現場みたいな足場が組まれ、でかいカメラを構えた人々が10数人いるんだよ? 嫌でも目に入るじゃん?
だけどそらくんは、大物だった。
おっきな目を見開いて、沿道を埋め尽くした人々に手を振りながら歩いてきて……ふつーに、車に乗ろうとした。
自分で、ドア開いて。
ちょっと待って、ドア開くの別の人の仕事だし、つか、目の前で君を待っているマスコミの人たちはっ?!
ドアは通常、おとーちゃんと呼ばれる生徒監のおじさんが開けるのかな? わたしはそーゆー風習をよくわかっていないんだが、そんなイメージだ。卒業するジェンヌさんと一緒に歩いて、代表さんは運転席へ、おとーちゃんが助手席のドアを開ける。
なのにそらくんが自分で車に乗ろうとしたから、おとーちゃんもあわてて。
チガウから、まだだから!
カメラマンのみなさんに挨拶して、ほら!
そらくんは、大きな目をぱちくり。
あああかわいい。かわいすぎるっ。
ちゃんと謝ってました、カメラマンさんたちに。
んで、写真撮ってもらって。
おとーちゃんが、「向こう側の人たちにもご挨拶を」と指示する。
するとそらくんは、言われるがままにちょこちょこ歩き出し、車の反対側や、門の外に集まった人たちの方向にも挨拶を……って、ちょっと!
ふつーのジェンヌさんは、「向こう側の人たちにもご挨拶を」と言われたら、車の脇や前で、そちらの方向に向かってお辞儀をしたり手を振ったりするんだ。それですぐに車に乗り込むんだ。
なのにそらくんは、とことこと歩き出し、歩き続け、……おとーちゃんが必死で止める。行き過ぎ、戻って、戻って!!
そらくんは「ぴよ?」というカオで振り返ってました。
あああかわいい。かわいすぎるっ。
止められなかったらきっと、門の外まで行ってたぞアレは……(笑)。
みなこちゃんも歩みはゆっくりだった。
きれいになったねえええ。以前、駅前ですれ違ったときと印象がまったくチガウ……若い娘さんはまたたく間にきれいになるから、見ていてたのしいね。
きれいで礼儀正しくて……そして彼女も「向こう側の人たちにもご挨拶を」と言われたら、行き過ぎちゃっておとーちゃんに止められていた(笑)。
そして、最後が水しぇん。
一般ギャラリーでしかない身なので、奥の方で行われる退団者と会の人たちのイベント……というか、声掛けとかの様子はわからない。
ただ水しぇんはあまりに、ふつーに現れた。
周囲の人たちも、わりと油断してなかったか?
まだまだだよね、拍手とか聞こえるけど、きっとまだまだ姿は見えないよね、って雰囲気があったのに、水しぇんはめっちゃふつーに現れた。
あわてて、周囲のカメラが上がる。
もったいつけることなく、ナニか特別なことがあるわけでなく。
水くんはしゃきしゃき歩いて手を振って、やること全部やって、車に乗った。
しかも車、ふつーだし。
車がセッティングされたときに、残念な声があがったんだ。
トップさんの車って大抵オープンカーだから。
人混みの後ろの人にも、門の外の人にも、その晴れ姿がよーっく見える車だったから。
それを期待していただけに、ふつーの車が出てきて、びっくりした。
わたしたちは歩く水くんが見えるから良いけど、車より後ろや門の外の人たちは、ナマの水くんが見えないんだ……。
「車の屋根に乗ったりしないのかな」
「実は屋根が取れる仕組みなんじゃ?」
そんな人々の期待(いや、ありえねーって)をよそに、水くんはふつーに車に乗り込み、ふつーに行ってしまった。
ああ、そんなところがまた、水夏希らしいのかな、と思ってみたり。
てゆーか。
「大雨を想定していたから、オープンカーは無理だったんじゃね?」
「屋根付いてないとだめだよね、他ならぬ水さんだし」
あああ、なんともまったく、水夏希!!(笑)
もったいぶらず、もったいつけず、きれいな笑顔を残して行ってしまいましたよ。
なんかいまいち、現実感ナイ……。
水しぇん、ほんとに卒業しちゃうの?
こんなに汗をかいたのは、ひさしぶりだ。
軟弱な生活をしているので、汗をかくよーな事態にならないんだ、いつもは。
それが、入り待ちからはじまって、最後のパレードまで暑くて暑くて大変だった(笑)。
前楽、千秋楽と当日券抽選から参加しての立見観劇なので、並びもギャラリーも観劇も、早朝から夜まで2日間つり革もない満員電車で立ちっぱなしのよーなもんなんだが、それでもなんとか乗り切った。
人間、気力次第でなんとかなるもんだな。
チケットを買って楽屋口に駆けつけたとき、ちょうどあずりんが入るところだった。
スカイフェアリーズをやっている彼の美貌に一目惚れして以来、「カオが好き」「素顔が好き」と言い続けてきたわりに、彼の素顔をナマで見たことがなかったんだ。
当日抽選に参加していると下級生の入りは見られないとあきらめていたんだが、なんとか間に合った。
はじめて見た、あずりん。
背中に「7」と書かれた白いパーカー姿のあずりんは、とてもキュートだった。
うおお、スタイルいい、アタマちっこい。
やっぱあのカオ好き、見ているだけでうれしい。
なんで「7」なのか本気でわからなかったけれど、他の人たちを見ているうちにわかった、退団者たちが背番号付けてるんだ。ちなみに水しぇんが「1」だった。
トップさんと同時退団なら中継があるっつっても、トップさん以外はろくに映像に映らない。あひくんですらそうだったんだから、あずりんが映るはずもないと覚悟を決めて、ナマ観劇に、劇場の中に入ることにこだわった。
最後の男役姿、入魂のシケ一本のオールバック姿を目に焼き付けたよ。モブでも探してオペラで追ったよ。気合いの入ったキメ顔をしていたね。やさしい目で女の子を見ていたね。
最後の、袴姿のパレードにて、あずりんはやたらめったらゆっくり歩いていた。
パレードとはいっても、みんなわりとふつーの速度で歩くから、あずりんの速度にはちょっとびっくりする。
そこに見えているのに、なかなか近づいてこないんだもの(笑)。おかげで、長い間眺めていられたけれど。
ゆっくりと、ゆっくりと。
周囲を見回し、噛みしめるように、歩いていた。
はじめて見るナマあずりんが、最後の姿だなんて。
これからもっともっと活躍してくれる人だと単純に思い込んでたからなあ。長くいてくれれば、ナマ姿を拝める機会もあるだろうと、のんきに構えていた。
最初から最後まで、ずっとずっと好みで、ずっとずっといい男でいてくれた。
雪組を見るたのしみのひとつだったんだ、ありがとう。
舞台で見ると超オトコマエのそらくんは、お茶会に参加したという友人から聞く限り、かなり愉快な人で。えーとその、天然っちゅーか、川原泉の世界的愛らしい美男子というか。
伝え聞くそらくんと、舞台のギャップ……それとまあ、スカステで見るいろいろテンパっている姿などから、彼に対しては心の落としどころがよくわかっていないんだが、それにしたって愛しいキャラだ。
彼の卒業が残念でならない。
『春麗の淡き光に』新公の四天王役で、その美貌に瞠目した。それ以来、ずっと愛でてきた美貌の君。
袴姿のそらくんはもちろん目が覚めるほど美しく……そして、ボケていた。
川原泉のマンガに出てきそうな、あの感じで……。
いやあ、マスコミブースを完スルーして車に乗ろうとしたジェンヌ、はじめて見た。
えー、ムラでのパレードにはマスコミ用の足場がセッティングされており、上下2段にぎっしりカメラマンが詰め込まれています。
そのマスコミブースの真ん前に車が停まっていて、すべての卒業ジェンヌは車に乗る前に、カメラマンたちに写真を撮ってもらうのです。「目線お願いしまーす」とか、「手を振ってくださーい」とか注文つけられながら。
新聞に載っているトップスターの退団記事、車の前で手を振っている写真は、そうやって撮られている。
なにしろ自分が乗る車の真ん前に、工事現場みたいな足場が組まれ、でかいカメラを構えた人々が10数人いるんだよ? 嫌でも目に入るじゃん?
だけどそらくんは、大物だった。
おっきな目を見開いて、沿道を埋め尽くした人々に手を振りながら歩いてきて……ふつーに、車に乗ろうとした。
自分で、ドア開いて。
ちょっと待って、ドア開くの別の人の仕事だし、つか、目の前で君を待っているマスコミの人たちはっ?!
ドアは通常、おとーちゃんと呼ばれる生徒監のおじさんが開けるのかな? わたしはそーゆー風習をよくわかっていないんだが、そんなイメージだ。卒業するジェンヌさんと一緒に歩いて、代表さんは運転席へ、おとーちゃんが助手席のドアを開ける。
なのにそらくんが自分で車に乗ろうとしたから、おとーちゃんもあわてて。
チガウから、まだだから!
カメラマンのみなさんに挨拶して、ほら!
そらくんは、大きな目をぱちくり。
あああかわいい。かわいすぎるっ。
ちゃんと謝ってました、カメラマンさんたちに。
んで、写真撮ってもらって。
おとーちゃんが、「向こう側の人たちにもご挨拶を」と指示する。
するとそらくんは、言われるがままにちょこちょこ歩き出し、車の反対側や、門の外に集まった人たちの方向にも挨拶を……って、ちょっと!
ふつーのジェンヌさんは、「向こう側の人たちにもご挨拶を」と言われたら、車の脇や前で、そちらの方向に向かってお辞儀をしたり手を振ったりするんだ。それですぐに車に乗り込むんだ。
なのにそらくんは、とことこと歩き出し、歩き続け、……おとーちゃんが必死で止める。行き過ぎ、戻って、戻って!!
そらくんは「ぴよ?」というカオで振り返ってました。
あああかわいい。かわいすぎるっ。
止められなかったらきっと、門の外まで行ってたぞアレは……(笑)。
みなこちゃんも歩みはゆっくりだった。
きれいになったねえええ。以前、駅前ですれ違ったときと印象がまったくチガウ……若い娘さんはまたたく間にきれいになるから、見ていてたのしいね。
きれいで礼儀正しくて……そして彼女も「向こう側の人たちにもご挨拶を」と言われたら、行き過ぎちゃっておとーちゃんに止められていた(笑)。
そして、最後が水しぇん。
一般ギャラリーでしかない身なので、奥の方で行われる退団者と会の人たちのイベント……というか、声掛けとかの様子はわからない。
ただ水しぇんはあまりに、ふつーに現れた。
周囲の人たちも、わりと油断してなかったか?
まだまだだよね、拍手とか聞こえるけど、きっとまだまだ姿は見えないよね、って雰囲気があったのに、水しぇんはめっちゃふつーに現れた。
あわてて、周囲のカメラが上がる。
もったいつけることなく、ナニか特別なことがあるわけでなく。
水くんはしゃきしゃき歩いて手を振って、やること全部やって、車に乗った。
しかも車、ふつーだし。
車がセッティングされたときに、残念な声があがったんだ。
トップさんの車って大抵オープンカーだから。
人混みの後ろの人にも、門の外の人にも、その晴れ姿がよーっく見える車だったから。
それを期待していただけに、ふつーの車が出てきて、びっくりした。
わたしたちは歩く水くんが見えるから良いけど、車より後ろや門の外の人たちは、ナマの水くんが見えないんだ……。
「車の屋根に乗ったりしないのかな」
「実は屋根が取れる仕組みなんじゃ?」
そんな人々の期待(いや、ありえねーって)をよそに、水くんはふつーに車に乗り込み、ふつーに行ってしまった。
ああ、そんなところがまた、水夏希らしいのかな、と思ってみたり。
てゆーか。
「大雨を想定していたから、オープンカーは無理だったんじゃね?」
「屋根付いてないとだめだよね、他ならぬ水さんだし」
あああ、なんともまったく、水夏希!!(笑)
もったいぶらず、もったいつけず、きれいな笑顔を残して行ってしまいましたよ。
なんかいまいち、現実感ナイ……。
水しぇん、ほんとに卒業しちゃうの?
花組の、まっつ。@麗しのサブリナ/EXCITER!!
2010年7月30日 タカラヅカ まっつは、黒髪でした。
……って、ソコから?!
でも大切なことでしょう?
宝塚戦隊flower7のフラワー・ブラックは、今回もまた黒髪でした!
『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』初日。
組替えが発表になってからの、はじめてのまっつ。
よかった、プログラムの写真が前回『EXCITER!!』の使い回しぢゃない。や、撮り直すだろうとは思っていたけど、一応確認(笑)。衣装も違ってる。
でもって、「ステージスタジオ」もまっつまで入ってた! よっしゃ、ストラップ作るぞぉ。
そして、公演は。
まっつ×一花でした。
『麗しのサブリナ』は、ライナス@まとぶんの秘書ウィリス役で、いつも同じく秘書のマカードル@一花と一緒。
人物相関図が発表になったときに、まっつと一花が共に秘書役っつーんで期待はしたけれど、それは単に同じ場面に出るとか絡みがあるとか、その程度だった。
タカラヅカではトップコンビ以外は明確な「相手役」は存在せず、ラヴもない。それがふつう。
わかっていても、まっつと一花は組むことが多く、なんとなく「相手役」なイメージだった。
組替えが決まり、これが最後の花組公演となるなら、せめて一花と同じ場面に出てくれるのはうれしいな……そう、思っていた。
実際、ウィリスとマカードルはいつも一緒に出てくる。共に有能な秘書(ただし、マカードルは料理が壊滅的)。
ふたりがこちょこちょ一緒にいるのは、それだけで楽しかった。
それが。
まさかの、カーテン前デュエット。
秘書ふたりで歌い踊る。
いやその、コミカルな場面なんだが。
なにコレ、ここまでまつ×いちがっつり見せてくれるなんて、思ってなかったよ?!
それだけでも、感涙モノなのに。
さらにこのふたり。
ラヴがあります。
ライナス氏にもらったチケットで、ちゃっかりデートして、その夜はふたりして眠れなかったそうで……。
恋に落ちる、まっつ×いちか!!
なんなのこの展開?!
予想だにしなかったっ。
何度も書いているけれど、1時間半で主人公とヒロインが出会って愛し合って障害乗り越えてハッピーエンドにならなきゃいけないタカラヅカでは、脇役まで恋愛しているヒマがない。
だから通常、トップさんや路線スターさんしか、恋愛はできない。
「愛」がテーマの劇団のわりに、団員のほとんどが芝居では恋愛もラヴシーンも経験できないという。
だからわたしもとーぜん、ご贔屓が恋愛しているところを見たことがなかった。
本公演はただの脇だから仕方ないとして、バウやDCで2番手やっても海馬ヲタクだったり親友を溺愛していたりで、まともに恋愛してねえ。
バロット@『メランコリック・ジゴロ』は妻がいたけど、正塚芝居では折ってたたんで裏返しな夫婦関係だし、ウラジミール@『マラケシュ』ぐらいか、まっつが女の子とハッピーエンドな役って?
それくらい、女の子にも恋愛にも縁がなかった、まつださん。
相手役、と言えるくらいよく組んでいる一花ちゃんがいてなお、そうだった、まつださん。
それが、最後の最後になって。
相手役+恋愛アリかよっ!!
見たかったんだ、一花ちゃんと恋するまっつ。
ラヴラヴなまっつ。
かわいいよおおお。
いやその、所詮脇役な人たちなんで、出番もエピソードもあるわけじゃないんだけど。
少ない出番で、それでもまさかの扱いですよ、ありがとう!!
正直、ウィリスのスーツは、どうかと思います。
最初に着てる、明るいブルーのスーツなんか、似合わなさに眩暈がするっす……(笑)。
すげーアホっぽいっちゅーか、カラダに合ってないっちゅーか。
スーツのトンデモカラーと、まっつの重い黒髪、さらにボリュームのある髪型がなんともミスマッチ。せめて髪型、なんとかならんのかなー。
そして、「うわっ、似合ってねー」と絶句したその姿で。
踊るは、プラスチック・ダンス!!
未涼亜希の真骨頂。
あの動き、あの表情。
重役たち秘書たち、十数人で踊るわけなんだが、なにしろ表現しているのが「プラスチック」。
すげー愉快な動き、振りなのよ。
そのクキクキしたダンス、足捌きがもおっ、まっつのまっつらしさ全開。
あの人、なんであーゆー動きをさせたらあんなに面白いんだろう……。
幕間で、まっつメイト以外にも「まっつのプラスチック・ダンス!!(笑)」と爆笑されたさ……あれは突っ込むところだろう、うん。
ブルーのスーツの似合わなさがすごいので一見わかりにくいけど、実はひそかにもう一着スーツあるのね、一花ちゃんとデュエットのときはグリーンのスーツになっている。こっちは材質も色も形もずっとマシ、ずっとイイ。
『EXCITER!!』はエトワールでなくなっていることをのぞけば、微妙な差はあれど、ほぼ前回通りなんだけど。
ただ、ひとつだけ、大きな違いがあった。
ハバナのシーンの、ラスト。
蘭はなちゃんの娘役トップお披露目公演なので、まとぶんと蘭はなちゃんが銀橋で寄り添ってエンドになる。
ハバナというと、定番の「ひとりの女を取り合って男ふたりが争い、片方が凶器を出す」展開。
ふつーはそこで男のどっちか(大抵女の恋人の方)が殺されたり、恋人をかばって女が死んだりするんだけど、『EXCITER!!』ではまさかのファヌン様降臨エンド。
グローバルな愛を歌って、争っていた人たちがみんなでわーきゃーしあわせー!と歌い踊って終わる。
それが、今回の『EXCITER!!』ではさらに続きがあり、人々がそれぞれ解散していく中、ファヌン様@まとぶと争いの元だった美女@蘭はな、そして何故かその他大勢に過ぎなかったまっつと一花が残る。
で。
まっつといちかが、愛の歌を歌う。
ファヌン様の伝道ソングを。
その歌声にのって、銀橋でまとぶんと蘭ちゃんが寄り添うわけだ。
この、歌が。
まっつが組替えする、この場所、このメンバーの間からいなくなる、そうわかった上で聴くと……クる。かなり、来る。
まっつファンはここで涙腺決壊します、マジで。
千秋楽とか、泣かせるつもりでこの演出したんぢゃ、フジイくん?!
ファンの泣かせツボを熟知してるもんな?!
ここでも、まっつ×一花で。
そして、こんなに美しい愛の歌を歌わせてくれて。
ありがとうありがとう。
花組のまっつを見納めるよ。
……って、ソコから?!
でも大切なことでしょう?
宝塚戦隊flower7のフラワー・ブラックは、今回もまた黒髪でした!
『麗しのサブリナ』『EXCITER!!』初日。
組替えが発表になってからの、はじめてのまっつ。
よかった、プログラムの写真が前回『EXCITER!!』の使い回しぢゃない。や、撮り直すだろうとは思っていたけど、一応確認(笑)。衣装も違ってる。
でもって、「ステージスタジオ」もまっつまで入ってた! よっしゃ、ストラップ作るぞぉ。
そして、公演は。
まっつ×一花でした。
『麗しのサブリナ』は、ライナス@まとぶんの秘書ウィリス役で、いつも同じく秘書のマカードル@一花と一緒。
人物相関図が発表になったときに、まっつと一花が共に秘書役っつーんで期待はしたけれど、それは単に同じ場面に出るとか絡みがあるとか、その程度だった。
タカラヅカではトップコンビ以外は明確な「相手役」は存在せず、ラヴもない。それがふつう。
わかっていても、まっつと一花は組むことが多く、なんとなく「相手役」なイメージだった。
組替えが決まり、これが最後の花組公演となるなら、せめて一花と同じ場面に出てくれるのはうれしいな……そう、思っていた。
実際、ウィリスとマカードルはいつも一緒に出てくる。共に有能な秘書(ただし、マカードルは料理が壊滅的)。
ふたりがこちょこちょ一緒にいるのは、それだけで楽しかった。
それが。
まさかの、カーテン前デュエット。
秘書ふたりで歌い踊る。
いやその、コミカルな場面なんだが。
なにコレ、ここまでまつ×いちがっつり見せてくれるなんて、思ってなかったよ?!
それだけでも、感涙モノなのに。
さらにこのふたり。
ラヴがあります。
ライナス氏にもらったチケットで、ちゃっかりデートして、その夜はふたりして眠れなかったそうで……。
恋に落ちる、まっつ×いちか!!
なんなのこの展開?!
予想だにしなかったっ。
何度も書いているけれど、1時間半で主人公とヒロインが出会って愛し合って障害乗り越えてハッピーエンドにならなきゃいけないタカラヅカでは、脇役まで恋愛しているヒマがない。
だから通常、トップさんや路線スターさんしか、恋愛はできない。
「愛」がテーマの劇団のわりに、団員のほとんどが芝居では恋愛もラヴシーンも経験できないという。
だからわたしもとーぜん、ご贔屓が恋愛しているところを見たことがなかった。
本公演はただの脇だから仕方ないとして、バウやDCで2番手やっても海馬ヲタクだったり親友を溺愛していたりで、まともに恋愛してねえ。
バロット@『メランコリック・ジゴロ』は妻がいたけど、正塚芝居では折ってたたんで裏返しな夫婦関係だし、ウラジミール@『マラケシュ』ぐらいか、まっつが女の子とハッピーエンドな役って?
それくらい、女の子にも恋愛にも縁がなかった、まつださん。
相手役、と言えるくらいよく組んでいる一花ちゃんがいてなお、そうだった、まつださん。
それが、最後の最後になって。
相手役+恋愛アリかよっ!!
見たかったんだ、一花ちゃんと恋するまっつ。
ラヴラヴなまっつ。
かわいいよおおお。
いやその、所詮脇役な人たちなんで、出番もエピソードもあるわけじゃないんだけど。
少ない出番で、それでもまさかの扱いですよ、ありがとう!!
正直、ウィリスのスーツは、どうかと思います。
最初に着てる、明るいブルーのスーツなんか、似合わなさに眩暈がするっす……(笑)。
すげーアホっぽいっちゅーか、カラダに合ってないっちゅーか。
スーツのトンデモカラーと、まっつの重い黒髪、さらにボリュームのある髪型がなんともミスマッチ。せめて髪型、なんとかならんのかなー。
そして、「うわっ、似合ってねー」と絶句したその姿で。
踊るは、プラスチック・ダンス!!
未涼亜希の真骨頂。
あの動き、あの表情。
重役たち秘書たち、十数人で踊るわけなんだが、なにしろ表現しているのが「プラスチック」。
すげー愉快な動き、振りなのよ。
そのクキクキしたダンス、足捌きがもおっ、まっつのまっつらしさ全開。
あの人、なんであーゆー動きをさせたらあんなに面白いんだろう……。
幕間で、まっつメイト以外にも「まっつのプラスチック・ダンス!!(笑)」と爆笑されたさ……あれは突っ込むところだろう、うん。
ブルーのスーツの似合わなさがすごいので一見わかりにくいけど、実はひそかにもう一着スーツあるのね、一花ちゃんとデュエットのときはグリーンのスーツになっている。こっちは材質も色も形もずっとマシ、ずっとイイ。
『EXCITER!!』はエトワールでなくなっていることをのぞけば、微妙な差はあれど、ほぼ前回通りなんだけど。
ただ、ひとつだけ、大きな違いがあった。
ハバナのシーンの、ラスト。
蘭はなちゃんの娘役トップお披露目公演なので、まとぶんと蘭はなちゃんが銀橋で寄り添ってエンドになる。
ハバナというと、定番の「ひとりの女を取り合って男ふたりが争い、片方が凶器を出す」展開。
ふつーはそこで男のどっちか(大抵女の恋人の方)が殺されたり、恋人をかばって女が死んだりするんだけど、『EXCITER!!』ではまさかのファヌン様降臨エンド。
グローバルな愛を歌って、争っていた人たちがみんなでわーきゃーしあわせー!と歌い踊って終わる。
それが、今回の『EXCITER!!』ではさらに続きがあり、人々がそれぞれ解散していく中、ファヌン様@まとぶと争いの元だった美女@蘭はな、そして何故かその他大勢に過ぎなかったまっつと一花が残る。
で。
まっつといちかが、愛の歌を歌う。
ファヌン様の伝道ソングを。
その歌声にのって、銀橋でまとぶんと蘭ちゃんが寄り添うわけだ。
この、歌が。
まっつが組替えする、この場所、このメンバーの間からいなくなる、そうわかった上で聴くと……クる。かなり、来る。
まっつファンはここで涙腺決壊します、マジで。
千秋楽とか、泣かせるつもりでこの演出したんぢゃ、フジイくん?!
ファンの泣かせツボを熟知してるもんな?!
ここでも、まっつ×一花で。
そして、こんなに美しい愛の歌を歌わせてくれて。
ありがとうありがとう。
花組のまっつを見納めるよ。
どう食べるかは、自由なんですよ。@麗しのサブリナ
2010年7月31日 タカラヅカ んで、改めて。
蘭ちゃん花組娘役トップ、まと×蘭・新生花組スタートおめでとう。
『麗しのサブリナ』はタイトル通り、サブリナ@蘭はなちゃんが主人公。
そう、どう足掻いても『虹のナターシャ』の主人公がナタ公で、三条さんが主役にはなれなかったように、『麗しのサブリナ』もサブリナが主人公だ。
運転手の娘サブリナ@蘭ちゃんは、お屋敷のおぼっちゃまデイヴィッド@壮くんに片想い。バツ3の女ったらしデイヴィッドには、お子ちゃまのサブリナなんて眼中にない。思いあまったサブリナは自殺しようとするが、デイヴィッドの兄ライナス@まとぶんに偶然助けられてしまう。
パリの料理学校に留学、帰国したサブリナは美しいレディに変身。今度はデイヴィッドがサブリナに一目惚れ。だが仕事一筋のライナスが、デイヴィッドを政略結婚させようとしていたため、運転手の娘サブリナとくっつかれては困るっつーんで、横恋慕をはじめた。ケガをしたデイヴィッドの代わりにライナスがサブリナをデートに誘い、口説きはじめるが……。
なんといっても、サブリナがかわいい。
いちばん最初の、木の上の蘭ちゃんがベリキュート! 恋愛ドラマの「ヒロイン」として納得のかわいらしさ。
サブリナはつくづく若く、初々しく、可愛らしい。
なにしろ演じている蘭ちゃんのキャリアが圧倒的に少ない。バウヒロ経験があるだけで、大劇場でのヒロインは新公1回のみ……しかも、娘トップ不在組でのヒロインだ。『エリザベート』新公とか経験できていればちがったんだろうけど、浮舟だけだもんなあ。
広い大劇場の真ん中に立つ訓練が足りていないところへもってきて、いきなりタイトルロールだ。『EXCITER!!』もそうだが、劇団は蘭ちゃんに大きな期待を持っているのか単に無神経なのか、そのスパルタぶりがハンパない。経験不足の女の子に、いきなりナニやらせてんだ?!の重責ぶり。
等身大の若い女の子として存在できる、初々しさ・かわいらしさ勝負の最初はいいんだけど、物語が進むとそれだけでは立ち行かないため、後半になると大変さが増す。
がんばれ蘭ちゃん! きっとこの経験が彼女を急激に成長させるはず。
とまあ、素質はあってもそれをまだ生かし切れていないヒロインを支え、ライナス@まとぶんの男ぶりが上がっている。
なにが驚きって、まとぶんが、大人の男なんですよ。
大人を演じるまとぶさんを見るのは、はじめてだと思うんです、わたし。
星組時代からずーっと眺めて来ているけれど、彼が「あんちゃん」でないことなんて、初体験ぢゃなかろーか。
あんちゃん、てのは「お兄さん」ではなくて、若い血気盛んなにーちゃん、という意味。
まとぶんの特質というか持ち味は、永遠の若者というか、ナニを演じても結局のところ「あんちゃん」になること。王子様でも貴族でも、何故かいつも血気盛んで爆走上等の下町のにーちゃん的アツさを持つ。
それがデフォルトだと脳内に染みこんでいるから、ついつい無意識に「いつライナスはあんちゃんになるのかしら」と思って見てしまった(笑)。
ところがどっこい、ライナスは大人だった。
少なくとも、初日とその翌日は大人のままだった。
このまま千秋楽まで、大人でいるのかしら。
まとぶさんの「なにを演じても結局はあんちゃん」という特質は、愛すべきところだと思っている。
芝居に正しいも間違ってるもないので、彼のそーゆー持ち味を好きか嫌いかだけでしょう、問題は。
美貌と変幻自在の声と破綻ない実力を持ちながら、まとぶんてば芸幅が意外なほど狭いんですよ、ナニやってもあんちゃんになるので。
その「ナニをやっても」ってのは、ソレを好きな人にはたまらない魅力だろうし、そこを認められない人には観劇意欲につながらないだろう、両刃の剣。
わたしはもお、まとぶんのそーゆーところはアリだと染みこんでいるので、彼があんちゃんでないことに逆に驚いてしまうという(笑)。
まとぶんが、大人の男だ。
抑えた声で話し、暴走していない。
相手役が変わる、ってのは、こーゆーことなのか。
それはとても新鮮な驚きだ。
このまま大人でいてくれるのか、結局はあんちゃんとして暴走をはじめるのか、見守るのが楽しみです。……どっちでも楽しめる自信がある! まるごとまとぶんだもん!
作品的には、悪くない小品になっていると思う。
かわいらしく、オシャレにまとまっている。
気軽に口に出来る小さなお菓子。3度の食事とは別に、いつでもお茶してよし、みたいな。
くすくすと笑えるし、女の子が好きなドレスもパーティも出てくるし、悪人のいないハートウォーミングなラヴストーリーだし。
画面もキレイだし、嫌味はないし、破綻もない。
ただ……劇的に盛り上がるかというと、そーでもない。
演出家のキャラクタが出ているのかもしれない。
こじんまりして平坦、という。加点法ではなく減点法で作劇というか。冒険はしないので減点されない、結果として合格点だけど、最初から満点は取れないことがわかっているというか。
爆発的に盛り上がるところがない、クライマックスがない、同じテンションで終始する。
派手にとんがらない分、かわいくオシャレである、と辻褄は合っている。
濃くないから、口当たりは悪くなく、激しい感動はなくても「いいんじゃない?」という感想にはつながりやすい。
主人公はあくまでもサブリナだが、現在彼女は経験の浅い初心者ヒロインが悪戦苦闘中であり、また男役至上主義のタカラヅカである以上、視点をサブリナ一本に出来ずライナスにも振る必要があるため分散、二足のわらじを履いた結果すべてが薄くなる。……ということなのかもしれないが。
演出で盛り上がることはない。そして、演出が邪魔をしてドン引きすることもない。良くも悪くも、とっても中村Aな作品。
いや、奥行き皆無の紙芝居作品だの前後のつながりの悪すぎる破綻作品を作り続ける演出家なので、もっとわけのわからないモノが出てくるのではないかと危惧していただけに、この「ドラマティックではないが、悪くもない」作品は「良かった」と言えるのではなかろーか。
「で、この『サブリナ』って、面白いの?」
と、という疑問を何度か聞いた。
未観劇の人が言うんじゃないの、今観終わった人が、言うのよ(笑)。
面白くないとかキライとか不快とかは、特にナイ。ただ、面白いのかどうかわからないだけで(笑)。
楽しく観られるし、最後はちょっと泣けたりもするんだけど、なにしろ爆発的にどーんっと来るモノはないので。観劇直後に「面白かったっ、この作品すごい!」と叫ぶよーなモノではないので。
ある意味、可能性がある、のかもしれない。
土台がベーシックで大きな穴がないなら、いくらでも化けられる。演じている人たちもそうだし、観ている側もそうだ。
全部、差し出されているんだ。
料理みたいに。
蘭ちゃん花組娘役トップ、まと×蘭・新生花組スタートおめでとう。
『麗しのサブリナ』はタイトル通り、サブリナ@蘭はなちゃんが主人公。
そう、どう足掻いても『虹のナターシャ』の主人公がナタ公で、三条さんが主役にはなれなかったように、『麗しのサブリナ』もサブリナが主人公だ。
運転手の娘サブリナ@蘭ちゃんは、お屋敷のおぼっちゃまデイヴィッド@壮くんに片想い。バツ3の女ったらしデイヴィッドには、お子ちゃまのサブリナなんて眼中にない。思いあまったサブリナは自殺しようとするが、デイヴィッドの兄ライナス@まとぶんに偶然助けられてしまう。
パリの料理学校に留学、帰国したサブリナは美しいレディに変身。今度はデイヴィッドがサブリナに一目惚れ。だが仕事一筋のライナスが、デイヴィッドを政略結婚させようとしていたため、運転手の娘サブリナとくっつかれては困るっつーんで、横恋慕をはじめた。ケガをしたデイヴィッドの代わりにライナスがサブリナをデートに誘い、口説きはじめるが……。
なんといっても、サブリナがかわいい。
いちばん最初の、木の上の蘭ちゃんがベリキュート! 恋愛ドラマの「ヒロイン」として納得のかわいらしさ。
サブリナはつくづく若く、初々しく、可愛らしい。
なにしろ演じている蘭ちゃんのキャリアが圧倒的に少ない。バウヒロ経験があるだけで、大劇場でのヒロインは新公1回のみ……しかも、娘トップ不在組でのヒロインだ。『エリザベート』新公とか経験できていればちがったんだろうけど、浮舟だけだもんなあ。
広い大劇場の真ん中に立つ訓練が足りていないところへもってきて、いきなりタイトルロールだ。『EXCITER!!』もそうだが、劇団は蘭ちゃんに大きな期待を持っているのか単に無神経なのか、そのスパルタぶりがハンパない。経験不足の女の子に、いきなりナニやらせてんだ?!の重責ぶり。
等身大の若い女の子として存在できる、初々しさ・かわいらしさ勝負の最初はいいんだけど、物語が進むとそれだけでは立ち行かないため、後半になると大変さが増す。
がんばれ蘭ちゃん! きっとこの経験が彼女を急激に成長させるはず。
とまあ、素質はあってもそれをまだ生かし切れていないヒロインを支え、ライナス@まとぶんの男ぶりが上がっている。
なにが驚きって、まとぶんが、大人の男なんですよ。
大人を演じるまとぶさんを見るのは、はじめてだと思うんです、わたし。
星組時代からずーっと眺めて来ているけれど、彼が「あんちゃん」でないことなんて、初体験ぢゃなかろーか。
あんちゃん、てのは「お兄さん」ではなくて、若い血気盛んなにーちゃん、という意味。
まとぶんの特質というか持ち味は、永遠の若者というか、ナニを演じても結局のところ「あんちゃん」になること。王子様でも貴族でも、何故かいつも血気盛んで爆走上等の下町のにーちゃん的アツさを持つ。
それがデフォルトだと脳内に染みこんでいるから、ついつい無意識に「いつライナスはあんちゃんになるのかしら」と思って見てしまった(笑)。
ところがどっこい、ライナスは大人だった。
少なくとも、初日とその翌日は大人のままだった。
このまま千秋楽まで、大人でいるのかしら。
まとぶさんの「なにを演じても結局はあんちゃん」という特質は、愛すべきところだと思っている。
芝居に正しいも間違ってるもないので、彼のそーゆー持ち味を好きか嫌いかだけでしょう、問題は。
美貌と変幻自在の声と破綻ない実力を持ちながら、まとぶんてば芸幅が意外なほど狭いんですよ、ナニやってもあんちゃんになるので。
その「ナニをやっても」ってのは、ソレを好きな人にはたまらない魅力だろうし、そこを認められない人には観劇意欲につながらないだろう、両刃の剣。
わたしはもお、まとぶんのそーゆーところはアリだと染みこんでいるので、彼があんちゃんでないことに逆に驚いてしまうという(笑)。
まとぶんが、大人の男だ。
抑えた声で話し、暴走していない。
相手役が変わる、ってのは、こーゆーことなのか。
それはとても新鮮な驚きだ。
このまま大人でいてくれるのか、結局はあんちゃんとして暴走をはじめるのか、見守るのが楽しみです。……どっちでも楽しめる自信がある! まるごとまとぶんだもん!
作品的には、悪くない小品になっていると思う。
かわいらしく、オシャレにまとまっている。
気軽に口に出来る小さなお菓子。3度の食事とは別に、いつでもお茶してよし、みたいな。
くすくすと笑えるし、女の子が好きなドレスもパーティも出てくるし、悪人のいないハートウォーミングなラヴストーリーだし。
画面もキレイだし、嫌味はないし、破綻もない。
ただ……劇的に盛り上がるかというと、そーでもない。
演出家のキャラクタが出ているのかもしれない。
こじんまりして平坦、という。加点法ではなく減点法で作劇というか。冒険はしないので減点されない、結果として合格点だけど、最初から満点は取れないことがわかっているというか。
爆発的に盛り上がるところがない、クライマックスがない、同じテンションで終始する。
派手にとんがらない分、かわいくオシャレである、と辻褄は合っている。
濃くないから、口当たりは悪くなく、激しい感動はなくても「いいんじゃない?」という感想にはつながりやすい。
主人公はあくまでもサブリナだが、現在彼女は経験の浅い初心者ヒロインが悪戦苦闘中であり、また男役至上主義のタカラヅカである以上、視点をサブリナ一本に出来ずライナスにも振る必要があるため分散、二足のわらじを履いた結果すべてが薄くなる。……ということなのかもしれないが。
演出で盛り上がることはない。そして、演出が邪魔をしてドン引きすることもない。良くも悪くも、とっても中村Aな作品。
いや、奥行き皆無の紙芝居作品だの前後のつながりの悪すぎる破綻作品を作り続ける演出家なので、もっとわけのわからないモノが出てくるのではないかと危惧していただけに、この「ドラマティックではないが、悪くもない」作品は「良かった」と言えるのではなかろーか。
「で、この『サブリナ』って、面白いの?」
と、という疑問を何度か聞いた。
未観劇の人が言うんじゃないの、今観終わった人が、言うのよ(笑)。
面白くないとかキライとか不快とかは、特にナイ。ただ、面白いのかどうかわからないだけで(笑)。
楽しく観られるし、最後はちょっと泣けたりもするんだけど、なにしろ爆発的にどーんっと来るモノはないので。観劇直後に「面白かったっ、この作品すごい!」と叫ぶよーなモノではないので。
ある意味、可能性がある、のかもしれない。
土台がベーシックで大きな穴がないなら、いくらでも化けられる。演じている人たちもそうだし、観ている側もそうだ。
全部、差し出されているんだ。
料理みたいに。
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