思うんだけどさー、やっぱジェローデルがアンドレにやさしいのは、変だと思うの。

 植爺脳では「主人公はなにがなんでも正しい」ということになっているから、『外伝 ベルサイユのばら-ジェローデル編-』で「いい人」として描かれたジェロ様は、なにがあっても「いい人」で正義の人、原作でアンドレを攻撃するために口にされた台詞をも、『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』では、「いい人」ゆえの「思いやりある台詞」にねじ曲げてしまった。

 恋敵を牽制し、貴族としての優越感・無神経さでアンドレに言う、「妻を慕う召使いを、妻のそばに置いてやる心の広さはあるつもりだ」という台詞。
 アンドレにショコラをぶっかけられるくらい、酷い物言い。

 なのに植爺は、この台詞を「心の底からやさしい人が、親切心で言っている」と思い込んでいるよーだ。アホですか。

 植爺がアホなのは今さら検証しても仕方のない事実だから置くとして、ただ単に、ジェローデルがアンドレに「心からやさしく、アンドレのためを思って」この台詞を言うのはおかしい、おかしいことにはなにか他に理由がある、その理由とはナニか、ということを、考えてみる。
 
 ウザイ恋敵でしかも侮蔑の対象である平民、に対し、心からやさしく、しかも「ずっと妻のそばにいてもいい」って……ふつーレベルの「いい人」でもこれはおかしい。
 本当に「いい人」なら、主人である貴族女性に恋し、苦悩する男を描いた恋愛小説を例題にして、「あの小説と同じ立場にしてあげるよ」と持ちかけたりはしない。
 ありえないことだらけなのに、それでもジェローデル@まっつは、心の底から誠実に、思いやりあふれ、アンドレ@壮くんに語りかける。

 これらの矛盾を解決する方法、矛盾に対する解答はひとつ。

 ジェローデルが本当に欲しがっている相手は、アンドレだった。

 コレしかないなっ(笑)。

 ジェローデルは、アンドレを見初めた。
 上官オスカル@みわっちのそばに、いつも付き従っている平民の男。
 オスカル無しのアンドレはあり得ないし、アンドレ無しのオスカルもまたあり得ない。2個イチに考えるしかないふたりだと、ジェローデルは見抜く。

 アンドレに「ジャルジェ家を出て、ジェローデル家に仕えないか、給料いっぱいあげるよ」と言っても無駄なのはわかっている。
 アンドレが欲しかったら、オスカルを口説くしかない。

 アンドレを自分のそばに置くためには、まずオスカルを自分のそばに持ってくるしかないんだ。
 デュ・バリー夫人がオスカルを取り巻きに加えたくて、彼女を動かすためにまずその母親を自分の侍女にしたように。
 ベルサイユに生きる貴族たちの常識ですな、将を射んと欲すればまず馬を射よ。

 つーことで、ジャルジェパパに根回し。オスカル本人はなにも言わず、パパに話通して、次にアンドレ……って、どんだけオスカル蚊帳の外なんだ、どーでもいい存在なんだ。

 ジェローデルが好きなのは、アンドレだから。
 そばにいて欲しくて、必死に口説く。
 心から誠実に、やさしく。
 キミのためを思っているんだ。私のもとにいることが、キミのシアワセなんだ。

 いい人オーラびしばし出して、慈愛の目で語るジェローデル@まっつがステキです。
 アンドレは人の話なんか聞いてないけどな(笑)。そんなとこも含めて、ステキなわけだしな(笑)。

 ジェロ×アンドレ。
 アンドレが総受キャラなのは、わたしが読んだ『ベルばら』同人誌ではデフォだったし(アラン×アンドレが主流? フェルゼン×アンドレもわりと見た)、植爺演出のアホさにこーゆー理由をひねり出すのはアリでしょう。

 
 ……なんてことを、改めて考えた、全国ツアー千秋楽。
 はるばる行ってきました、三重県。

 楽公演は午後6時開演、終演は9時過ぎるわけだから交通機関が大変ですよ。
 せっかく「鉄道の日」切符(青春18きっぷのよーなもん)の使える期間なのにさー。終演時間が遅すぎて、鈍行では当日中に大阪に帰れないよ。
 遠征をお財布に効率よくするためには、いろいろ調べるし工夫もする。つか、それこそが醍醐味、ビバびんぼー旅行。
 帰りは近鉄特急を利用するしか選択肢がないとしても、通常運賃を払う気はなく、金券屋で株主優待券(近鉄全線特急以外1回限り自由に乗車可)を購入。特急券と併用できるからな。なんばに到着するときには御堂筋の終電が終わっているので、鶴橋乗り換えでJR利用、大阪に出る、と。
 行きは特急運賃を節約、株主優待券握りしめて鈍行を乗り継いで行く。なんせ通い慣れた名古屋経路。……2月に3週間強で鈍行利用4往復とかしてましたからね……路線図も頭に入るわ……。
 ただいま再プレイ中の『逆転裁判』(DS版はシナリオ追加されているので、ソレ目当てに1からやっている)をお供に長い列車の旅路。

 目的地の近鉄津駅に着いたら、目の前で銀ちゃんチーム一同がわいわいやってて、びびった。
 
 田舎駅らしい改札口前に、見るからに場違いな華やかな一団が、すげーミスマッチ……(笑)。あー、ゆーひくんいないや。

 街の中央方面へと消えていく彼らとは逆に、わたしはなにもないひたすらなにもない道を、劇場へ向かって歩く。彼らはきっと食事でもしに行ったんだろう。チケットを持っていないわたしは、サバキ待ちするために早く劇場に着かねばならんがな(笑)。

 三重県総合文化センターは、そりゃー広く、とことんどこまでも広く、途方に暮れるくらい広かったです。
 劇場だけでなく、図書館その他県民のための施設が集まった建物なので。
 なのにレストランは1箇所のみで、昼公演と夜公演の間、実質45分あるかないかの短い時間、レストラン利用希望者の長い行列が伸びてました……うわー。
 文化会館の周囲には飲食店がいくつかあるんだけど、なにしろ「車利用者用」なので、広く、とことんどこまでも広く、途方に暮れるくらい広い駐車場のその向こうに建物があり、そこまで行って満席だったときのダメージを思うと、とてもはるばる行く気にはなれない。地図上では「隣のレストラン」なんだがな(笑)。
 また、地図上では「すぐ横」にコンビニがあるのでそちらへ向かってみると……道を歩いている人たちがみな一様に「スナック菓子」の入ったコンビニ袋を持っている。雰囲気からして、『ベルばら』を観に来た人たちだ。何故観劇にスナック菓子?
 嫌な予感は的中した。
 コンビニの食料棚は空っぽ。お弁当もおにぎりもサンドイッチも、菓子パンもナニもない。どこの被災地?!状態。
 今すぐ手軽に小腹を満たせるモノとして、仕方なくスナック菓子を手にした女性たちが長蛇の列をなし、店内で渦を巻いている。
 数台あるレジで稼働しているのは1台だけ、ひとりの店員が必死になって会計をしている。
 ……演目のチェックをしておかなきゃダメだよ、コンビニ経営者さん。ふつーの出し物の場合客は昼か夜どちらかの公演を観て帰るだけだろうけど、ヅカはWヘッダー基本だもん、わずかな時間に腹ごしらえするためにおにぎりとかを買いに来るんだってば。
 こりゃダメだと、別のコンビニを目指したよ。どこでも徒歩基本のわたしは、歩くための地図は準備してあるから(博多駅から博多座、名古屋駅から中日劇場、は徒歩が基本ですわ)、近くのコンビニはチェック済み。ちょっと離れた店なら、食料も十分にあった。

 とにかく、とことんどこまでも広く、途方に暮れるくらい広かった……なにもかもが。
 徒歩で生きる人はいないのか、帰り道は駅前に来るまで20分間通行人ナシだしな。広い道路に車はびゅんびゅん行き交っていたが。
 大阪では人がじゃかじゃかいて、車は走りにくいわ停めるとこないわ、建物はぎゅっとひしめきあっているわ、ってなもんだが、田舎は逆。すべて逆。

 劇場も、広かった。1900人収容って……広い……。梅芸メインホール規模ですなー。東宝より100少ない程度ですよ……。
 1階30列以上あるし、3階席まであるし、3階席でもA席だし、3階最後方B席ですら梅田より高い3500円……物価高いな、津。

 劇場入口では「すみませーん、あの宝塚ファンの人たちを背景に記念写真撮ってくださ~~い♪」とか、無邪気に声掛けられたりな(笑)。……オレたちヅカファンは見せ物か?? うん、まぁ、ある種異様かもしれんが……。

 そんな遠征。

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